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教育課程部会 幼稚園教育専門部会(第10回) 議事録

1. 日時
平成19年8月27日(月曜日)13時〜15時

2. 場所
ホテルフロラシオン青山「芙蓉」

3. 議題
幼稚園教育の改善充実について

4. 配付資料
資料1   幼稚園教育の現状と課題、改善の方向性(検討素案)(教育課程部会等の審議を踏まえて再整理したもの)
資料2 幼稚園教育専門部会(第4期第1回(第9回))における意見

参考資料1 改正前後の学校教育法の比較(幼稚園関係抜粋)
参考資料2 子どもの育ち等の現状(PDF:296KB)
(※(第4期第1回(第9回))議事録・配付資料へリンク)
参考資料3 言語力の育成方策について(報告書案)【修正案・反映版】(平成19年8月16日言語力育成協力者会議(第8回)配付資料)
(※言語力育成協力者会議(第8回)配付資料へリンク)
5. 出席者
(委員)
無藤主査、赤石委員、浅田委員、榎沢委員、大竹委員、大西委員、小田委員、柏女委員、神長委員、河邉委員、塩井員、柴崎委員、杉原委員、仙田委員、田中委員、野波委員、平田委員、渡邉郁美委員、渡邉英則委員
(教育課程部会 委員)
田村副部会長、井上委員、角田委員
(事務局)
文部科学省
田河幼児教育課長、大谷幼児教育企画官、合田教育課程企画室長、横松子育て支援指導官、篠原教科調査官、湯川幼児教育調査官
国立教育政策研究所
大槻教育課程研究センター長

6. 議事等
【無藤主査】
 そろそろお時間かと思いますので、ただいまより第4期第2回幼稚園教育専門部会を開会したいと思います。委員の皆様におかれましては、ご多忙の折、ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 また、本日ですけれども、教育課程部会から、教育課程部会副部会長田村哲夫委員、井上孝美委員、角田元良委員、ご3名に参加をいただいているところでございます。
 本日でございますけれども、この専門部会の議論について、第3期からずっと進めてまいりましたけれども、教育課程部会にそろそろ報告をするという時期にあるようでございます。ただ、正確にいつということはまだ未定ですが、教育課程部会といたしましては、秋に中間まとめをつくるということで、当然、小中高とあわせてですので、まだ正確な日取りが決まってないようですけれども、教育課程部会の梶田部会長のお話では秋ごろをめどにということでございました。それをもとに年度内に告示までということが、未定ではあるものの、一応現在のスケジュールであろうと思います。
 そういうことでありますので、本日につきましては、あるいはその中間まとめに向けての教育課程部会への報告のもとについて議論をここで行う最後になるかもしれませんので、ぜひ忌憚のないご意見をちょうだいしたいと思います。
 それでは、事務局より配付資料のご確認をお願いしたいと思います。

【大谷企画官】
 それでは、配付資料の確認の前に、教育課程研究センターにおきまして人事異動がございましたので、ご紹介させていただきたいと思います。
 7月6日付で惣脇センター長の後任といたしまして、大槻達也が着任しております。

【大槻センター長】
 よろしくお願いいたします。

【大谷企画官】
 続きまして、配付資料の確認をさせていただきたいと存じます。お手元の資料をごらんいただきますと、配付資料の1といたしまして、幼稚園教育の現状と課題、改善の方向性(検討素案)というものでございます。資料2といたしまして、幼稚園教育専門部会(第4期第1回(第9回))、前回における意見というものをまとめたものでございます。
 それから、本日の参考資料といたしまして、参考資料1に改正前後の学校教育法について、幼稚園関係を抜粋した横長の表がついてございます。それから、参考資料2といたしまして、前回にも少しご説明させていただきましたが、子どもの育ち等の現状の資料をつけさせていただいております。参考資料3といたしまして、8月16日付で言語力育成協力者会議で配付されました資料をお手元にも置かせていただいておりまして、言語力の育成の方策につきまして報告書の案が審議されておりますので、進捗状況をお示しする意味で配付させていただいております。
 以上が今日の配付資料でございます。もし不足等ございましたら、お申しつけください。
 以上です。

【無藤主査】
 ありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと思います。まず、幼児教育課長より、資料1の幼稚園教育の現状と課題、改善の方向性についてご説明いただきたいと思います。

【田河課長】
 幼児教育課長の田河でございます。資料1の説明に入りたいと思います。
 ただ、その中身に入ります前に、取りまとめに至る経緯を若干ご説明いたしますと、昨年、本専門部会で幼稚園教育の現状と課題、改善の方向性についての検討素案を取りまとめていただき、教育課程部会にご報告したところですが、その後、昨年12月には教育基本法の改正、そしてまた学校教育法の改正など大きな動きがございました。7月20日の前回の専門部会ではそうした状況をご説明し、これまで本専門部会で議論してきた点、具体的には例えば協同する経験であるとか、体験の多様性と関連性、小学校との連携などの論点とともに、あわせて学校教育法改正に関係する論点についてご審議いただいたところでございます。
 学校教育法の改正につきましては、参考1にその内容がついておりますが、目的規定の改正、あるいは目標に関する規定の見直し、子育ての支援や預かり保育に関する規定の整備等の内容が盛り込まれているところでございます。
 今回お示しした資料1の検討素案は、前回のご審議及び昨年本専門部会で取りまとめいただいた検討素案をもとに、主査と相談しながら取りまとめたものでございます。
 中身に入らさせていただきますと、資料1でございますが、最初の1、現状のところでございます。この内容につきましては、昨年取りまとめていただいた検討素案の内容は変わりございません。
 最初のまるでございますが、幼稚園教育は、幼児期の特性を踏まえ、環境を通して行うものであることを基本とし、幼児の主体的な活動としての遊びを中心とした生活を通して、一人一人に応じた総合的な指導を行うことなどを記述しております。
 2番目のまるでございますが、教育内容としたねらい、そしてねらいを達成するための内容、さらには5つの領域があることを記述しております。
 そして、3番目のまるでございますが、指導計画に関することについて記述しております。
 そして、2の課題でございますが、最初のまるでございますが、幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものである。また、幼稚園教育は、学校教育のはじまりとして生きる力の基礎を育成するという重要な役割を担っている。しかし、近年子どもの育ちが変化しており、自制心や規範意識の不足、基本的な生活習慣の欠如、食生活の乱れ、コミュニケーション能力の不足、運動能力の低下、小学校生活にうまく適応できないなどの課題が指摘されていることを記述しております。
 そして、2番目のまるでございますが、家庭や地域の教育力の低下の中で、いわゆる預かり保育についてのニーズが高まっており、その適切な実施が求められている。しかし、預かり保育については、親の育児の肩代わりとなってしまうことを懸念する声や幼稚園の教育活動として適切な活動とはなっていないのではないかとの指摘がある。また、子どものよりよい育ちを実現する子育ての支援を求められていることを記述しております。
 このような課題を解決するため、3の改善の方向性として3つのまるを示しております。
 最初のまるでございますが、幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う上で重要なものであり、幼稚園教育は、遊びを中心とした生活を通して体験を重ね、一人一人に応じた総合的な指導を行うという基本的な考え方を充実発展させていくとしています。ここは基本的な方向性を記述したところでございます。
 次のまるでございます。近年の子どもの育ちの変化や社会の変化に対応し、幼稚園での生活と家庭などでの生活の連続性及び発達や学びの連続性を確保し、幼児の健やかな成長を促す。
 次のページでございます。3番目のまるでございますが、預かり保育と子育ての支援については、その活動の内容や意義を明確化する。また、預かり保育については、幼稚園における教育活動として適切な活動となるようにするものとしております。
 このような改善の方向性に基づいて、具体的な改善の内容を改善例として示しております。
 最初のまるでございます。参考資料1の学校教育法の新旧対照表をご覧ください。最初のまるは、学校教育法の目的の改正を踏まえた記述でございます。
 読み上げますと、幼稚園教育は、幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的として、幼児期の特性を踏まえ、環境を通して行うものである。この幼稚園教育の基本に基づいて展開される幼稚園生活を通じて、義務教育及びその後の教育の基礎が培われることを明確にすると記述しております。
 この記述の背景を若干ご説明しますと、学校教育法の改正で幼稚園の目的が改正され、幼稚園は義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、心身の発達を助長することが目的として規定されました。
 そのため、その改正の趣旨を幼稚園教育要領の中でも明らかにしたほうがよいのではないかというものでございますが、ここの記述の趣旨は、義務教育及びその後の教育の基礎を培うことの意味が、小学校と同じ教科教育を行うということではなく、幼稚園というものは幼児期の特性を踏まえ、しっかりとした環境構成を通じた教育により幼児の心身の発達を促し、それが生涯にわたる学習意欲や学習態度の基礎となる好奇心や探究心を培うという意味で、義務教育、その後の教育の基礎を培うものになるというものでございます。
 次の2番目のまるに入ります。2番目のまるは幼小連携についての記述でございますが、幼稚園と小学校での教育活動では違いがございますが、幼稚園から小学校にあがるときには幼児に大きな戸惑いがあることも考えられます。また、「小1プロブレム」という言葉も聞かれるところでございます。
 そこで、具体的な記述ですが、幼稚園における教育の成果が小学校につながっていくことが大切であることから、教員の相互理解を深めたり、幼児と児童が交流するなど、小学校との連携や交流を図ることを記述しております。
 次の3番目のまるでございますが、協同する経験に関する記述でございます。記述内容としましては、集団生活の中で自発性や主体性等を育てるとともに、人間関係の深まりに沿って、幼児同士が共通の目的を生み出し、協力し、工夫して実現していくという協同する経験を重ねることを記述しております。このような協同する経験は学校教育の場でも、またその後の社会生活を考えても重要なことであると思われます。
 次に4番目のまるでございます。規範意識の芽生えに関することでございますが、これまでの議論でも規範意識を押しつけたり、教え込んだりするのではなく、子どもたちが生活の中でぶつかり合いや葛藤などを通じて実感していくプロセスが大事であるというようなご意見が出ていました。
 そうしたことを踏まえ4番目のまるでは、読み上げますと、集団生活を通して、幼児が人とかかわりを深め、規範意識の芽生えを培うことが大切である。このため、幼児と教師の信頼関係を基盤に、自分の思いを主張し合い、受け入れられたり、受け入れられなかったりする体験を重ねながら、友達とともに生活するためには、きまりが必要であることに気づくようにすると記述してあります。鬼ごっこ1つとっても、ルールがあって初めてみんなで楽しく遊ぶことができるわけで、そうした体験を通じ、みずからきまりが必要であることに気づくことが大切であるというふうに考えられます。
 次の5番目のまるでございます。生活習慣の形成に関することでございます。幼児の育ちについては、基本的な生活習慣などが身についていないとの指摘もあることから、5番目のまるとして、教師は家庭と連携しながら、個々の幼児の発達の実情等に配慮して、基本的な生活習慣が身に付けられるようにすることを改善例として記述しております。
 次の6番目のまるは、食育や体を動かすことについてのことです。食べること、体を動かすことなど、健康な体をつくることはすべての生活の基本でございますが、近年、食生活の乱れも指摘されております。また、少子化や都市化の中で子どもが体を動かす体験の不足が指摘され、それが基本的な運動能力の低下につながっていると考えられます。
 このことから、6番目のまるとしまして、友達や教師と楽しんで食事をするなど、食に関する活動や、体を動かすことの楽しさを感じることなどを通して、幼児の心身の健やかな成長を増進することを記述しています。
 7番目のまるでございます。体験の多様性と関連性に関することでございます。この点につきましては、昨年から本専門部会でご議論いただいたところでございます。幼児の調和のとれた発達を考えると、それに応じたさまざまな体験が重要ですが、その体験が単に断片的な体験となるのではなく、関連性を持つことでより幼児にとって意味のあるものになることが考えられます。
 そこで7番目のまるとしまして、教師や他の幼児とともに様々な出来事に出会うことなどを通して、多様な体験を重ねる中で、幼児の調和のとれた発達を援助していくようにする。その際、幼児の心が動かされる体験が次の活動を生み出すことを考慮し、ひとつひとつの体験の関連性を図るようにすることを記述しております。
 8番目のまるでございます。伝え合うことに関することです。中央教育審議会全体の議論でも言語力が重視されておりますが、コミュニケーションということも意識しながら、8番目のまるでは、幼児が、心動かされる体験をして、自分の思いや考えを言葉にし、教師や友達などに伝わる喜びを味わうとともに、相手の話を聞き、その内容を理解し、言葉による伝え合いができるようにすることを記述しております。人と人が言葉により伝え合うためには、豊かな体験をして、自分の思いを話すとともに、相手の話を理解することも必要である。そうして、言葉によるキャッチボールができるようになるものと考えております。
 9番目のまるでございます。9番目のまるは思考力の芽生えに関することでございます。学校教育法の改正の中でも思考力の芽生えを養うことが規定されておりますが、これまでの議論でもそうした思考力については、遊びや体験を通して試したりしながら培うことが大切とのご意見がございました。
 そこで9番目のまるとして読み上げさせていただきますが、幼児が友達とともに遊ぶ中で、好奇心や探究心を育て、思考力の芽生えを培うことが大切であることを考慮し、幼児一人一人の興味や関心を生かしつつ、友達とともに試したり、工夫したりして、周囲の環境に対する新たな視点に気づいたり、新しい考えが生まれたりするようにすることを記述しております。
 そして、現行の幼稚園教育要領の中におきましても、自分なりに考えることなどの記述がございますが、思考力は自然に触れる中でのみ培われるものではなく、友達とのかかわりの中で自分とは異なる友達の考えを聞くことによって新たに触発されたり、そういう側面もあろうかというふうに考えております。
 次、3ページ目の1番目のまるでございます。10番目のまるになりますが、表現に関する指導の充実に関することでございます。結果をとらえるだけでなく、表現の過程を大切にすることも重要であることから、10番目のまるとしまして、音楽、身体による表現、造形等に親しむことを通じて、豊かな感性と自分なりの表現を培うことが大切であることから、表現する過程など、表現に関する指導を充実すると記述しております。次の11番目のまるは家族への愛情に関することです。幼児の心の安定を図るためには、家族の愛情が必要である。幼児自身もその愛情を感じ、家族を大切にしようとする気持ちが育つようにすることも大切です。このことから改善例として、家族とのかかわりを生かしつつ、自分が家族などから愛されていることを感じ、大切にしようとする気持ちが育つようにすることを記述しております。
 次の12番目のまる、幼児が自信を持って行動することについての内容です。幼稚園ではさまざまな友達とのかかわりの中で幼児が自己を形成していく時期であることから、改善例としましては、日々の活動の中で、教師や友達に自分の言動を認められたりしながら、自分のよさに気づくことで、一人一人の幼児が自信を持って行動できるようにすることを記述しております。
 次の13番目のまるでございますが、家庭との連携により幼稚園教育への理解が深まるようにすることでございます。幼稚園教育を充実したものとする上で、家庭との連携は重要ですが、保護者が幼稚園教育を理解することにより、幼稚園活動への協力がより得られることになるというふうに考えられます。
 このことから13番目のまるとしまして、家庭との連携や保護者の協力が大切であることから、保護者と幼児との活動の機会を設けたりなどして,幼稚園の教育の理解がより深まるようにすることを記述しております。
 そして、次でございます。預かり保育と子育ての支援の充実の中身でございますが、最初のまるでございます。これはこれらの事項につきまして、学校教育法の改正で、預かり保育については学校教育法の25条にその他の保育という表現も入りました。あるいは子育ての支援につきましても、第24条に関係する規定が新たに置かれたことを踏まえ、記述内容としましては、学校教育法の改正により、地域の実態や保護者の要請等により希望者に対して行う教育活動である預かり保育や子育ての支援が位置づけられたことを踏まえ、幼稚園教育要領における位置づけを見直すとしております。
 具体的には、例えば幼稚園教育要領の総則の中に預かり保育や子育ての支援に関する記述を加えたり、あるいは幼稚園教育要領の第3章に預かり保育等の記述がございますが、そうした記述を充実したりすることが考えられるわけでございます。
 次の2番目のまるでございます。預かり保育の内容に関する記述でございます。まず、その内容を読み上げますと、預かり保育については、幼児の心身の負担に配慮することが必要である。その上で、教育課程に基づく活動を踏まえ、充実した無理のないものとすること、教育課程に係る活動の担当者と預かり保育担当者が緊密な連携を図ること、家庭や地域での幼児の生活を考慮し、預かり保育の計画を作成するとともに、地域資源を活用した体験ができるようにすること、家庭との緊密な連携を図り、保護者が幼稚園とともに幼児を育てるという意識が高まるよう、情報交換に努めることなどに留意することとしています。
 記述内容を若干ご説明いたしますと、預かり保育につきましては教育課程に加えて行うものでございますので、心身の負担に配慮が必要でございます。そのことを第1番目に記述しています。また、午前中に行っている教育課程との関係も考慮する必要があるので、そのことを2番目に記述し、そのこととの関係で教育課程に係る活動の担当者と預かり保育担当者が緊密な連携を図ることを記述しています。
 そして、次の家庭や地域での生活を考慮しとの記述は、預かり保育を行う時間は、本来であれば幼児が家庭や地域に帰って過ごす時間であることを踏まえ、一般の幼児が家庭や地域で体験する生活を預かり保育の中でも意識すべきことを記述しております。また、預かり保育も幼稚園の教育活動であるので、計画を作成することや地域の人的資源、施設等の物的資源を活用することを記述しております。
 また、これまでの専門部会でも、預かり保育につきましては単に預けっ放しになるのではない。そういう趣旨を踏まえるべきとのことがございましたので、この記述の中で家庭との緊密な連携を図り、保護者が幼稚園とともに幼児を育てるという意識が高まるよう意見交換に努めることなどに留意することと記述しております。
 次のまるでございます。3番目のまるも預かり保育についてでございますが、実施期間、あるいは責任体制について記述しております。
 まず、記述内容を読み上げます。また、地域の実態や保護者の事情とともに幼児の生活のリズムを踏まえつつ、実施日数や時間等の弾力的な運用に配慮すること、適切な指導体制を整備した上で、幼稚園の教師の責任と指導の下に行うことなどにも留意すること。なお、長期休業中などの休業日における活動についても、預かり保育の一貫としてとらえられるようにするとしております。
 内容について簡単にご説明しますと、預かり保育につきましては、もともと地域の実態に応じて行うものでございますから、弾力的な対応が必要でございますが、一方であまり遅くまで実施して、幼児の夕食、あるいはおふろといったような生活のリズムを乱すようなことも避けるべきであるというふうにも思われます。その観点から、生活のリズムを踏まえつつというふうに記述してあります。
 また現在、幼稚園教育要領では、預かり保育については、教育課程に係る教育時間終了後に希望する者を対象に行う教育活動という言い方をしておりますが、夏休みなどに預かり保育を実施する幼稚園が増えており、教育課程の教育時間終了後というよりも、教育課程外の教育活動というような受けとめ方のほうが適当とも考えられるわけでございます。
 4番目のまるに移ります。ここは子育ての支援に関する記述でございます。読み上げます。家庭や地域の教育力の向上を図る観点から、子育ての支援については、相談に応じたり、情報を提供したり、保護者との登園を受け入れたり、保護者同士の交流の機会を提供するなど、保護者や地域の人々に機能や施設を開放するとともに、園内体制の整備に配慮しつつ、関係機関との連携を図り、地域の幼児教育のセンターとしての役割を果たすよう努めることとしております。単に幼稚園から情報を提供するだけでなく、保護者同士や地域のネットワーク形成を支援することも意味のあることと考えられますし、また各種の相談機関や地域の施設などとの連携ということも重要になるというふうに考えております。
 次にその他の事項、最後の4ページに移りたいと思います。
 最初のまるの記述を読み上げます。学校教育法における幼稚園の目標の改正を踏まえ、幼稚園教育要領における幼稚園教育の目標の必要性を見直すと記述してあります。背景をご説明しますと、現行の幼稚園教育要領では学校教育法に定めます幼稚園の目標を時代に応じて解釈し直して、改めてその目標について記述してあるところでございますが、今回、学校教育法の幼稚園の目標が改正されましたことから、改めて幼稚園の目標を幼稚園教育要領の中で規定する必要はないのではないかとのご意見も踏まえたものでございます。
 次のまる、特別支援教育に関することでございます。読み上げます。発達障害をはじめとして障害のある幼児の早期支援が重要であることから、特別な支援を必要とする幼児に対する指導の充実を図ると記述しております。7月20日の専門部会でも特別支援専門部会の議論の幼稚園に関係する記述をご説明させていただき、この専門部会でも活発なご議論をいただいたところでございます。特別支援につきましては幼稚園だけでなく、特別支援学校あるいは小中学校等を通じた中教審での特別支援教育の議論を踏まえ、幼稚園教育要領における充実を図る必要があるものと考えているところでございます。
 以上、説明を終わらせていただきます。

【無藤主査】
 ありがとうございました。それでは、意見交換に入りたいと思います。幾つかの論点がございますので、それに区切りながら審議を進めてまいりたいと思います。一応最後までいきたいと思いますので、できる限り簡潔なご意見をちょうだいしたいと思います。
 まず、現状と課題、改善の方向性というところにつきまして、15分ぐらいというのを1つのめどにいたしまして、その中でご意見をよろしくお願いいたします。どなたからでも結構です。よろしくお願いいたします。1ページの1と2、3のところまでですね。お願いいたします。

【井上委員】
 私は教育課程部会のほうから参加させていただきます。余計なことかもしれませんが、全体として現状、課題、改善の方向性は、今まで教育課程部会でも幼児教育について議論されている方向性とほぼ内容は同じなので、こうだと思うんですが、1カ所気になるところがありまして、2の課題の2番目のまるのところなんですが、いわゆる預かり保育のニーズの高まりは家庭や地域の教育力の低下の中だけであろうかと。むしろ改善の方向性の2番目のまるのところにあるように、「近年の子どもの育ちの変化や社会の変化に対応し」という社会の変化や家庭や地域の教育力の低下の中ではないか。
 例えば男女共同参画型社会の推進などで両親が働きに出るとか、またいろいろ社会の変化でかなり片親の家庭がある。文部科学省がスクールミーティングをやった際に、2割程度は都市でも地方でもそういう家庭が見られたという報告がありますので、そういう社会の変化や家庭や地域の教育力の低下の中でと言ったほうが、教育力の低下だけで預かり保育のニーズが高まっているというのは、ちょっと誤解を招くんじゃないかと思いますので、その辺は現状認識ですが、表現を変えたらいかがかと思いました。

【無藤主査】
 ありがとうございました。そういう方向で検討させていただきます。

【柴崎委員】
 課題の1のまるのところなんですけれども、そこの「しかし、近年子どもの育ちが変化しており」の後にいろいろそういう変化が羅列されているんですね。この順番を考えてみますと、多分、運動能力の低下だとか、食生活の乱れ、基本的な生活習慣の欠如という生活面がわりとベースにあって、それからコミュニケーション不足、そして自制心や規範意識の不足というふうに、多分大まかな順序性が何かあるんじゃないかなというふうに感じましたので、最初に規範性が来てしまうとちょっと厳しいかなと思いましたので、もし検討できるんでしたらお願いいたします。

【無藤主査】
 今の点は確かに羅列のままで、ちょっと整理が足りなかったなと。ご指摘の方向を考えてみたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。特段ほかになければ、いつでも後で思いついたら戻って結構ですので、とりあえずは先にいかせていただきます。
 次ですけれども、今度は2ページの4番の改善例ですが、ここが一番重要な長いところですので、ちょっと分けますが、まず幼児の生活の連続性及び発達や学びの連続性を踏まえて幼稚園教育の充実というふうに大きく書いてある前半部、ここについてご意見をよろしくお願いしたいと思います。おおむね30分ないし40分ぐらいというイメージで考えておりますが、よろしくお願いいたします。

【榎沢委員】
 一番下から2つ目のまるのところですけれども、ここで特に言葉のことが記述されておりまして、言語力を養うということがここにあらわれているんだと思いますけれども、このところ、「自分の思いや考えを言葉にする、教師や友達などに伝わる喜びを味わう、相手の話を聞き、その内容を理解し、言葉による伝え合いができるようにする」というふうに書かれている内容からすると、言葉というのがコミュニケーションの手段という側面が非常に強く出て、確かにそれを今回の改定等では、小学校からずうっと言語力というところでそこを考えているんだと思うんですけれども、言葉を育てるという場合に、コミュニケーションの道具としてだけ考えてしまうと、言葉はやせてしまうということがあると思います。特に言葉による表現というのは、単にコミュニケーションの道具としてだけではなくて、子ども、特に幼児期の子どもは、大人がなかなか思いつかないようなおもしろい表現をしたりとかすることがよくあります。
 そういう意味でのコミュニケーションというふうな側面だけじゃなくて、言葉の表現ですね。単に考えを伝えるということだけではなくて、子どもの言葉の表現という意味合いをどこかに盛り込んでいただきたいと思います。イメージとかということにも関連してくるわけですけれども、そこが言語をあまりにもコミュニケーションの道具というふうにとらえ過ぎてしまうことによって、かえって言葉の豊かさであるとか、そういったところがやせてしまうのでは困るなというふうに思うわけです。
 次のページのところにかかわってしまうんですけれども、表現に関しては音楽や身体表現、造形というふうに書いてあって、言葉による表現ということが抜けて、特に表現としては扱われていないような気がいたしますので、2ページのところの言葉にかかわる記述の中で、少し広げた意味での表現ということを入れていただければなというふうに思います。

【無藤主査】
 それは例えば言葉によって表現することを楽しむとか、そんな感じの意味ですかね。

【榎沢委員】
 そういうことでもいいですし、子どもが遊んでいる中で思わず発する言葉というふうに、一緒にいるとびっくりすることがよくあって、それは特に自分の考えを伝えたいというよりも、子どもがある現象に出会って、思わずそれを言葉にしてしまったときのおもしろさだと思うんです。そういうようなことなんですけども。

【無藤主査】
 大事な点だと思います。ありがとうございます。入れていきたいと思います。

【平田委員】
 今、榎沢委員から表現について、非常にうれしい指摘がありましたので、それに関連しながら、榎沢委員も気になっていらしたと思うんだけれども、僕がとても気になっているのは、表現のもっと前に言うと、2の課題のところにコミュニケーション能力の不足、ここと非常に連動してきて、コミュニケーション、要するにバーバルなコミュニケーションへ傾き過ぎていると、ノンバーバルなところ、言語以外のところの表現というものを考えないといけない時代だと僕は今思っています。
 大人も含めて基本的に言葉によらないところのこと、いわゆる意志を感じたり、思いをくみ取ったりというあたりのところで、つまり音楽であったり、身体であったり、造形であったりというのをここでは「表現する過程」という6文字で示していますけれども、この中には非常に重大で、あらわすという部分とあらわれてきたものを受けとめるということと2つあるわけで、どうしても人の気持ちがわかるとか、理解するとか、共感するとかいうあたりのところをある意味大事に伝えていく、文言としてあらわさざるを得ないわけで、その意味では榎沢委員の言葉というのもここの中の音楽、身体による表現、造形、言葉などにということで、言葉も入れてもおかしくないのかなという気もする。
 もう1つ言えば、全体的に改善の方向性で総合的な指導を行うということが基本であると言っている限りは、総合的にこれを見ていくと、表現というのは改善例のところにもいっぱい散りばめられていて、協力し合うという自発性とか、主体性を育てながら協同するというのは、基本的には個が認められないと行えないわけで、それから自分の思いを主張し合うという集団生活のところでわかり合うところが出てくるだろうし、下から3つ目のまるのところの「ひとつひとつの体験の関連性」というけれども、心を動かされる体験というのは言葉だけではなくて、さまざまな表現活動を通しながら具現化していく、行動していくわけですから、その辺のところも幅広く表現ということにかかわりながら広げていく、確認していくということが重要だというふうに考えています。
 そんなことは前にも話し合いの中で出ていましたけれども、確認したくて発言しました。

【無藤主査】
 そのあたり幾つかのところ、補足的に少し検討させてください。ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。

【渡邉(英)委員】
 今、認定こども園を自分でも運営をしながらというところで、幼稚園の役割と保育所の役割とか、いろいろ考えてはいるんですけれども、その中で考えているときに、例えば改善例の2つ目からのまるのところで、小学校との連携とか、その次が協同する経験を重ねる、その次が規範意識の芽生えをとか、それから基本的生活習慣というふうに4つぐらいがずうっと来るんですけれども、そういう子どもに育ってほしいという気持ちはほんとうにある。
 そのことを否定はしないんですけれども、ただ、例えば地域や家庭の教育力が低下したといったときに、親を巻き込んだり、親が子どものことをいとおしく思ったり、子育てがほんとうに楽しいというか、子どもを育てるのは大変なんだけれども、育っていくことにすごく意味があると感じるためには、逆に一番後半のほうの次のページの家庭とのかかわりを生かし、自分が家族から愛されていることを感じ、大切にしようとする気持ちが育つようにするとか、日々の活動の中で、一人一人がほんとうに自分のよさに気づいて、一人一人の幼児が自信を持って行動できるようにするとか、一番最後の家庭との連携や保護者との協力が大切であることから、保護者と幼児との活動の機会を設けたりして、幼稚園の教育の理解がより深まるようにするという、ほんとうはこの辺のことがベースにあって、それがきちんとおさまることによって幼稚園を卒園するまでというか、小学校に行くときに規範意識が出てきたりとか、人とのかかわりが出てきたりということになっていくのかなという思いがある。
 どちらかといったら、確かにこの上の最初のほうのまるは、小学校、中学校につながっていくためには前半に来るんですけれども、幼稚園とかで実際に子どもたちを受けとめようとすると、この辺のところが大事であって、それが保護者に理解されればされるほど地域でとか、親同士も一緒に子どもを育てていこうというネットワークみたいなものとか、家庭の教育力みたいなところに踏み込めるのかなと思っているので、順番はどうかわかりませんけれども、その辺のところの大事さをもうちょっと強調されるといいなと思っております。

【無藤主査】
 なるほど。特にそうですね、あとの3点が基本的な意味で重要だということがもうちょっとわかるように強調する工夫をしたいと思います。

【浅田委員】
 改善例の2つ目のまるの小学校との連携のところなんですけれども、「教員相互の理解を深めたり」という、ここは記述がちょっと淡白なんですけれども、例えば幼稚園での指導法についてであるとか、小学校の指導法についてだとか、その辺のところを「小1プロブレム」の問題も含めて、小学校のほうで幼稚園の指導法について十分理解をして、それを生かすことは可能であるし、逆に幼稚園は子どもの評価という観点からいくと、その辺のところはもっともっと私は連携する必要があるかなという感じもありますので、指導法のあり方とか評価の点であるとか、あと幼児と児童が単に交流するということだけではなくして、指導と評価の観点からいくと、育ちや学びのことについても、その辺の意見交換であるとか連携はすごくこれから大事になってくると思いますので、その辺も含めての記述みたいなことがあるといいかなという感じがしますので、よろしくお願いしたいと思います。

【無藤主査】
 わかりました。今、ご指摘のあたりは現実に多分やっていることだと思いますので、もう少し書き込むという工夫をしたいと思います。

【柴崎委員】
 下から4つ目のまる、これは健康に関することだと思いますけれども、先ほどもちょっと触れたんですけれども、体力の低下と食事の乱れ、この2つがどう関連しているかというのはとても意味があると思うんです。例えば幼稚園の生活なんかを見ると、午前中に思いっ切り遊び込めるという生活をするとおなかがすくわけですよね。だから、空腹というのが食欲を一番もたらすものですから、どちらかというと食育というと、食事のマナーだとか、ほんとうに食べるその瞬間だけを見つめますけれども、流れといいますか、リズムがあると思うんです。
 そういうふうに考えますと、ここは順番を変えていただいて、体を動かすことの楽しさを感じるというのがまず先にあって、大いに遊んだ後で友達や教師と楽しんで食事をするんだと。そして、何か食に関する活動というふうに来ていただいたほうがいいんじゃないかなと思います。少し順番を変えるだけで意味が随分変わってくるように思いますけれども、検討をお願いいたします。

【塩委員】
 改善例の一番初めに幼稚園教育の基本的な考え方、趣旨等が押さえられていて、このことは大変よかったなというふうに思います。単純に改善すべき点だけを並べていきますと、そのもとになっている考え方はどういうことなのかということがわかりにくいということもありますし、このたび学校教育法が変わりましたので、そこのところの誤解を避けるために、この第1項目が大変重要だというふうに思いました。
 それから、それ以後のまるの並び方が先ほどから話題になっていますけれども、これが前に出てくる課題別に改善例が並んでいるということか、改善の方向性として並んでいるのかというふうに関連づけて見ていきますと、課題に応じた並び方がされているわけですが、内容的なものと方法的なものがまざっているような状態なんですね。ですから、もしかしたら先ほど渡邉(英)委員などの話にもありましたように、何を改善として示していくのかという構造みたいなものがはっきりここで読み取れるといいのかもしれないなと思ったんです。
 1番目に趣旨を出しているわけなので、そうすると7番目の柱に体験の多様性とか、体験の関連性を図るようにすることなどということが入っておりますし、2番目には幼小の連携というのが入っていますね。3番目以降は全部内容に関する事柄が入っているんです。並びをよく見ると。ですから、そういう方法論的に変えていかなきゃならない問題と、内容の改善が必要だという問題をちょっと組みかえるだけで整理ができる、もっと構造的にわかりやすくなるかなという感じがしました。
 それから、次のページにいってもよければ、家族とのかかわりの問題なんですが、3ページにございます。改善例ですと11番目に当たると思うんですが、「家族とのかかわりを生かしつつ」というところは、この言っている意味は大変よくわかるんですけれども、幼稚園の教育として家族とのかかわりを生かしつつ、子どもが自分が家族から愛されているということを感じるということをどういうふうに支援していけばいいのかなということを考えると、もう少し言葉が足りないかなという気がするんです。この「生かしつつ」のところが少しわかりにくいかなという気がして、代案がないのにこんなことを申し上げて申しわけないんですけれども、そういうことを感じました。だから、もしかしたら11と13を並べておいて、家庭との連携の前にそういう内容的なものも入れるということで、わかりやすくならないかなというふうに思いました。
 以上です。

【無藤主査】
 ありがとうございます。特に全体の構想的な順番のご提案は非常に大事なところですので、ちょっと検討いたしたいと思います。
 2番目の家族とのかかわりは、私もこれの前の案のところでいろいろ考えたときになかなか難しくて、確かにちょっとまだあいまいな表現ですね。何が難しいかというと、幼稚園教育という枠の中で子どもと家族の関係をどう育てていくかというときに、直接家庭に介入するわけではありませんから、あるいは保護者が幼稚園に来て子どもとのやり取りをするのを、先生が何とかするということはあんまりなさそうですので、そのあたりで、しかし家族との関係が、先ほど渡邉(英)委員からもご指摘があったように、ベースとしては一番大事なことでしょうから、そこら辺がちゃんとわかるように。ですから、もっと具体的に言えば、幼稚園でできる範囲のことで、しかし家族の大切さをどう訴えるかですね。また、どなたかいい文案があれば、ぜひご発言いただきたいと思いますが、ちょっとまた考えたいと思います。

【柏女委員】
 今のところにもかかわってくることなんですが、3ページ目の上から2つ目から4つ目までのまる、つまり幼稚園教育のベースとなる家族とのかかわりのところなんですけれども、その一番下のまる4つ目の「家族との連携や保護者の協力が大切であることから、保護者と幼児との活動の機会を設けたり」の後に一文を入れて、「設けたり、保護者とともに幼児の成長の喜びを共有するなどして、幼稚園の教育の理解がより深まるようにする」というような文言を少し入れてみたらどうだろうかということを思いました。この文言は実は保育所保育指針の中で用いた文言でして、そういう意味では整合性を図るという観点からも、「保護者とともに幼児の成長の喜びを共有するなどして」といったような文言を挿入することが適切ではないかと思いました。
 以上です。

【無藤主査】
 今の柏女委員のご指摘は、具体的にほんとうに大事なところまで言っていただいたので、そういう方向でちょっと考えたいと思います。ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。

【榎沢委員】
 2ページ目の下から3つ目のまるの体験のところなんですけれども、ここで書かれていることは私は内容としてはいいんですけれども、冒頭の出だしで、「教師や他の幼児とともに様々な出来事に出会うことなどを通して、多様な体験を重ねる」というふうになっておりまして、「出来事」という言葉を使うことで、この「出来事」は一体何を意味しているのかということがちょっと気になりまして、つまりハプニングのようなことを「出来事」というふうにとらえてしまうきらいもあるかと思います。
 確かにハプニングと言えるようなことも園生活の中には起こるわけですけれども、言ってみればそういう特別な事柄のようなことだけで体験が豊かになっているわけではないわけで、園生活の中で特にハプニングではないようなことというのはたくさん起こっている。例えば子どもが先生に絵本を読んでもらうという中で、絵本の世界を生きるというのはとても重要な体験をしているわけですけれども、それが子どもにとってハプニングなのかというと、そうではないだろうということがあるので、「出来事」という言葉を一体どういう意味合いで使うのかということを明確にしないで使ってしまうと、受け取る側が特別なハプニングのようなことというふうにとらえてしまうきらいがあるので、そこを少し検討していただければと思います。

【無藤主査】
 ありがとうございます。趣旨としては、榎沢委員が言われたような絵本を読んでもらうとか、ごく普通のことを含めて考えているので、誤解がないような言い方をちょっと考えたいと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。

【大竹委員】
 幼稚園や保育所の現場では、きっと今回改訂されてくるであろう幼稚園の教育要領の姿がどのようにあらわされてくるかというのは、大変な関心事になっていると考えています。その前に学校教育法が大きく変わって、幼稚園のつまり幼児教育の位置づけがこんなに時代の流れの中でしっかり位置づいてきたということは、幼児教育の基盤強化という意味では意味のあることだというふうに思っています。
 そのことを前提にしたときに、第22条と第23条の学教法で示されていくことが、現場の若い幼稚園の教員の方々にも理解していけるようにこの柱立てを改善例の中で対応してお示しいただけると、この部分がこういうふうに言葉として変わってきているし、この内容をさらに具体的に高めていくというあらわし方をされていくことが、1つは有効なあらわし方、伝え方であろうというふうに考えます。
 それと、大きな時代の変化の中で保育が長時間化してくるというのは、預かり保育の実施率や時間を考えてみたときに、幼稚園の生活、子どもがそこで過ごす時間と家族との絆をはぐくむということが、教育内容とそれ以外の子どもの人間形成をするという意味ではすごく大事な意味になるので、これまで各委員の中からご提案がありましたように、最後のまるから3つ目の表記をする場所をどこにするかというあたりを、またもう少しご審議をいただきたいというふうに思っています。
 以上です。

【無藤主査】
  まるの順番、構造はちょっとまた検討したいと思います。

【野波委員】
 初めのほうに戻って申しわけないんですけれども、平田委員が3ページの10番目の項目にかかわって意見を述べられました。それは表現するということについてのノンバーバルな面の問題をしっかりというふうな立場と、発信と受容というか、そういう側面のことについてもされたと思うんです。
 ちょっと私はそれに加えてというか、確認するような言い方になるんですけれども、この文言の表現の仕方、字句のことを言っているのではないんですが、10番目の2行目の「表現する過程」というところは非常に注目したいところなんですが、ここのところにいろんな意味が込められていて、結果だけじゃなくて、表現する結果と過程というふうな意味合いもありますし、さらに締めくくりの表現に関する指導を充実するという意味で、結果と過程というところから問題になってくる、あるいは素朴な表現ということからも考えられる子どもたちの表現に気づくというか、指導者が。そして、それをとらえながら、それをどのように育てていくかというふうなことも今問題になっていると思うんです。それは結��と過程というところから出てくる問題だと思うんですが、それを具体的にここに書くということじゃなくて、表現する過程というところは非常に短く簡潔に表現してよくわかるんですけれども、いろんな意味合いが込めてある。先ほど平田先生もおっしゃったんですが、もう少し書き込めないのかなということを思います。
 以上です。

【無藤主査】
 ありがとうございます。おっしゃるように、いろんなこれまでの前期の段階での議論を一言で入れてありますので、もうちょっと入れる工夫と、それからいろいろご指摘いただいたかなりの部分は、具体的に幼稚園教育要領の改訂作業に入るところでまた書き入れられると思いますけれども、その両面で検討したいと思います。

【井上委員】
 では、恐縮ですけれども、実は学校教育法の今回の22条、23条の改定との整合性というのは、先ほどちょっとほかの委員の方からもご指摘があったんですが、その関連で見てみますと、23条の1項で、「健康、安全で、幸福な生活のために必要な基本的な習慣を養い、身体的諸機能の調和的発達を図ること」という表現がありまして、それとの関連で見てみますと、この改善例の6番目のまるで、「友達や教師と楽しんで食事をするなど、食に関する活動や、体を動かすことの楽しさを感じることなどを通して、幼児の心身の健やかな成長を増進する」とあるんですが、ここは「心身」というよりはむしろ「身体の健やかな成長を増進する」ではないんだろうか。
 その次のまるで、「教師や他の幼児とともに様々な出来事に出会うことなどを通して、多様な体験を重ねる中で、幼児の調和のとれた発達を援助していくようにする」というのは、23条の1項からいうと、「身体的諸機能の調和的発達を図ること」と「調和」という言葉が、ここではむしろ心身の調和のとれた発達を援助していくということであると、体験だけで果たして調和のとれた発達を援助するという表現に結びつくのかどうかというのはちょっと読み取れないものですから、全体としては「心身の健やかな成長」とか、あるいは「心身の調和のとれた発達」というのが幼児教育では非常に重要だというふうに私も認識しておりますので、その辺この全体の改善例の中で身体の発達に関すること、それから心の発達に関すること、そういうものを整理した中で、どこでこういう「心身の健やかな成長」とか、あるいは「調和のとれた発達を援助する」という表現が当てはまるのかというのは検討していただいたほうがいいのではないかと思いましたので、その点をお願いしておきたいと思います。

【無藤主査】
 ありがとうございます。今の点は学校教育法上の23条の1項のところを主にご指摘いただいて、もう1度改善例との対応を考えたいと思います。と同時に、今の幼稚園教育要領にある程度対応するところが入っているので、新たに強調するというところでは何が必要かというあたりで、これまでのこの部会の議論としては、運動能力の低下に応じてそこを何とかしなければならないことと食育の問題というのが主に出ていたので、こう書いてありますけれども、確かにご指摘のように、もう少し広く健康全体について目配りを入れたいと思います。

【杉原委員】
 今のご意見とも若干関連するかと思うんですが、下から4番目の今の食事と運動のところでございますけれども、これを見たとき、私はもう少し表現がないかなという印象を持っていまして、先ほど柴崎先生からも発言がありまして、これを前に持ってきたらどうかという意見で、ちょっと私もそういうことも考慮しながら考えてみますと、特に体を動かすということの運動能力の低下とのかかわり、重要性からいって、言葉として体を動かす楽しさを感じるということだけでは少し表現が弱いといいますか、不足じゃないかなというふうに思っています。
 ですから、ここは楽しく体を動かすとか、動かす楽しさを感じるということだけではなくて、むしろ楽しさを感じることは非常に大事ですけれども、実際に活発に体を動かすということをもう少し強調していただいて、楽しく活発に体を動かしたり、楽しんで食事をしたりとか、食事と一緒にするなら、そういうふうな表現にしていただいたほうがいいのじゃないか。
 あるいはまた、今、井上先生から話がありましたように、食事の問題と運動の問題、確かに私たちの生活リズムという意味では、先ほど柴崎先生がおっしゃったように、かなり密接に関係はすると思いますが、別の項目として表現を工夫していただいたほうがいいのかなという考えも持っています。

【無藤主査】
 ありがとうございます。健康という形で一緒にしてありますけれども、別にするかどうかもあわせて、そこは検討します。また、活発にということは、確かに趣旨としてそういう方向ですので、はっきり伝わるようにしたいと思います。

【塩委員】
 この意見の2〜3人の先生方のご意見とちょっと関連するんですけれども、学校教育法の目標に逐条ごとに改善ということではなくて、幼稚園教育要領がもう既に基本のところを押さえてあるところもあるし、特に改善しなくてはならないところという観点で見ていくのかどうかという問題があるんですが、例えば先ほどの食事をすることなどの第6番目の改善例ですけれども、食事をするとか、体を動かすということは、結果的には心も育てるという大きなことがございますし、生活習慣を身につけるということもあるし、そういう意味では多様に育つものが広がっていくんですね。
 私も例えば体を動かすこと、食に関する活動、喜んで食べるというような、今現在、問題になっている事柄が特に改善すべき事項であって、それは幼児の心身の健やかな成長を増進するものにつながるというふうに、どうしても心も入れてしまいたくなる。食べることは体をつくることだけではないという私たちは目標を持っていますので、そういうふうにどうしてもあちこちで複合して入ってくると思うんです。この全体から、改善例が幼稚園教育の目標の改善につながるというような見直しを1回すればいいかなと思いますけれども、そこを切り離せない部分もあるということをお伝えしたかったんです。

【無藤主査】
 ありがとうございます。学校教育法の改定との連動の中でこの改善例は出さざるを得ませんけれども、同時に幼稚園教育要領全体で、特に改善についてメリハリをつけた表現にしたいと思います。

【赤石委員】
 先ほどから出ています3ページ目の表現のところなんですが、「表現に関する指導を充実する」という最後の文章を見ると、音楽とか、造形とか、特定の活動の結果を問うようなことにもなりかねないということで、ぜひ「生活の中で」という言葉を冒頭に入れるか何かしたらいいんじゃないかなと思うんです。
 先生が子供に表現させようとすればするほど、子どもの表現はやせるといいますか、先ほど榎沢先生が言葉がやせるというふうにおっしゃいましたけれども、先生も子どもも楽しくなくなるという指導もあって、生活の中で音楽とか身体による表現、造形、言葉も入ると思うんですけれども、それに親しむことを通してということを大事にしたいことと、あと表現する過程をともに楽しみというような何かそこでやり取りや、この「ともに」というのは子ども同士もですし、先生と子どももなんですが、表現を楽しみながら潤いのある生活の中で表現の指導が充実していくということをあらわせるといいのではないかというふうに、生活とか、潤いのあるとか、楽しむとかいうところが少し書かれればいいかなと思いました。

【無藤主査】
 ありがとうございます。この趣旨として、赤石委員のお話のようなことを言いたいんですが、ちょっと言葉が足りずのようですので、もう少し加えたいと思います。

【渡邊(郁)委員】
 私も改善例の順番のところで、もうたくさん出てはいるんですが、ちょっと私も休んだりしてお伺いしたいなというところがあるんですが、平成17年1月28日の中央教育審議会の答申の文章の中では、「幼児の生活の連続性及び発達や学びの連続性を踏まえた幼児教育の充実」というのがあって、これは同じ題で来ていまして、その次がちょっと整合性を見ていくと、こちらの改善例のほうは預かり保育と子育ての支援の充実、こちらの答申のほうは「家庭・地域社会・幼稚園施設の3者による総合的な幼児教育の推進」ということで長い題になっていて、それを短くすればこういうふうになるのかとは思うんですが、この順番が逆にされているということと、答申のほうでは家庭・地域の子育ての支援というほうが先に出ているんです。
 先ほども渡邉(英)先生のほうから、家庭教育だとか、そういうものが先にあって、幼児教育というのがあるというのが、幼児教育の中で大事なことなんじゃないかということが出ていたんですが、教育基本法の中でも家庭教育の重要性というのがここのところで大変大きく取り上げられているので、その辺のところを考えると、こちらは答申のほうの順番で先でもいいのかなというのと、ここに掲げられて、もしかしたら何か意味があるのかなというのと、どちらかというと幼稚園教育要領のほうとのことを考えると、そっちの順番になるのかなということがあるので、前に話が出ていたかもしれないんですけれども、ちょっとご説明いただけるとありがたいんですが。

【無藤主査】
 今の点はご説明ということで、課長のほうから何かありますか。

【田河課長】
 3ページの下のほうの順番のお話になるかと思うんですけれども、預かり保育と子育ての記述、これは学校教育法の規定でいいますと24条と25条の関係になるので、その根拠規定の関係で並べたというものでございます。広い意味では、預かり保育も子育ての支援の一環だというとらえ方もできるわけでございます。

【無藤主査】
 順番については構造化できるようにもうちょっと考えたいと思いますけれども、きょうお示しした案では、非常に簡単に言えば新しい学校教育法上の22条からの流れにラフには沿っているんですね。それで、最初に基本を述べた上で、22条に幾つかのことが入ってきているわけですけれども、それからその前の教育基本法の表現がありますので、それを受けて最初に若干書いて、23条に1から5の目標に沿ってある程度書いていく。それで、24条、25条と、大ざっぱにいくとそんな感じなんですけれども、ただ、ちょっとわかりにくいところもあるし、それから手直ししているうちにいろいろ絡んでいますので、もう1度整理し直したいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。

【浅田委員】
 改善例の下から3番目のところの今回のキーワードみたいになっている体験の多様性と体験の関連性のところがあるんですけれども、体験を通して子どもたちが発達してくるというところは大事なことだと思うんですけれども、体験の多様性のところに、私がかかわってきた幼稚園の子どもたちが特にそう感じるのかどうかよくわからないんですけれども、今回の新しい教育課程の柱が「生きる力」だとすれば、その生きる力の底辺にあるようなたくまさしさみたいな、その辺のところが幼稚園の子どもたちに関して言えば、欠けているかなという感じがあるんです。
 というのは、子どもがすごく大事にされ過ぎていて、いろんな体験はしてくるんだけれども、プラスの体験みたいなことがたくさんあり過ぎて、子どもが挫折したり失敗したり、そういうことを克服できるような体験も多様な体験の中に十分入っているんだろうなという感じがするので、その辺のところも何らかの形で示していただけるといいかなというふうに感じます。

【無藤主査】
 ありがとうございます。たくましさとか挫折を乗り越えてというのは、どういう形で日本語としてあらわすんでしょうか。ちょっと考えたいと思いますが、内容自体は非常に重要なことだと思いますので、検討したいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。じゃ、次にいかせていただきたいと思います。
 次ですけれども、最後のところで、3ページから4ページのところです。預かり保育と子育ての支援の充実、そして4ページにその他というところがありますので、お願いしたいと思います。
 なお、これまでのところについて戻っていただいても構いません。

【田中(雅)委員】
 預かり保育と子育ての支援のところの具体的な改善例につきましては、いろんな部会の委員の意見をうまくまとめていただいたと思っております。
 まず、預かり保育と子育ての支援という言葉なんですけれども、これが「と」でつながっていきますと、先ほど言われた預かり保育ということ自体は子育ての支援といいますが、もっと広く言いますと、地域家庭教育とのバランスで行われているんだということを何かあらわせる言葉はないだろうか。幼稚園の実施している実態からいいますと、預かっているというよりは、積極的に今まで地域にあって、子どもがその地域の柔軟な環境の中で学び合っていたということが、地域で事件等も起こったりしている中で、幼稚園という機能をそこに開いていこうじゃないかという形で行っているというのが、かなり大きな実態として出てきていると思うんです。
 ある意味、そういう形で預かるというよりは、子どもたちに安全な場所を提供しながら、新たな教育機能的なものを提案しているという保育の場合には、子どもたちも生き生きと参加しておりますし、従来ある教育課程との連動もありながら、また違う側面を持っていくということも起こっていると思います。
 そういう実態から考えていくと、預かりという言葉から、地域家庭教育支援という大きな枠組みの中に1つの形として預かりというものが出てきて、また家庭を支援するという形の中で相談機能であるとか、そういうものが出てきているのかなという気がしております。
 改善例の具体的なものについてはそのとおりなんですけれども、大きな枠組み自体が今のようなものがわかるような方向というのが、どこか出させていただけたらいいかなと。ここの文章か、もうちょっと大きな枠組みなのかということは、別のところでまた議論していただいたら結構だと思います。
 もう1点、一番最初のページに戻るんですが、課題の2つ目のまるのところで、いわゆる預かり保育のニーズが高まっているという、このニーズという言葉なんですけれども、確かに預かり保育ということに限定していけば、ニーズという言葉で別に問題はないと思うんですが、保育所保育指針検討会の中では、親のニーズという言葉で、親が何でも要求してくるということは親のニーズにこたえるんだという形の中で、保育所というのはかなり疲弊し始めているかなという意見が出ておりました。小学校のとんでもないいろんな要求とかいうのも、ある意味では親のニーズであったことは事実だと思うんです。
 そのニーズという言葉のもとになっている概念を、ある程度限定していかないと。ある人のニーズだという形になってくると、何でもが広がっていってしまって、むしろ教育という側面から見れば、親の考え、親の実情というのは理解しなきゃならないけれども、子どもの育ちというものはどちらにどうかぶせていくのかということと、その2つをあわせた考え方ということは、教育の側面の中には常に大事なんだということをベースに置いていかないとならないかなという気がしております。

【無藤主査】
 ありがとうございます。2つとも重要なところで、要するに幼児期の教育の充実ということが一番基本にあるという、その教育基本法の考え方を踏まえながら、もっとわかるようにしたいと思います。
 それから、預かり保育の位置づけということでは、確かに具体的なことはたくさん書いてありますけれども、大枠というのが不明瞭な部分がありますので、もうちょっと踏み込む表現というのもどこかに入れようというふうに思います。ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。

【河邉委員】
 2つ目のまるなんですけれども、2行目の「充実した無理のない」というのがちょっと私は違和感を感じておりまして、教育課程の時間というのはぎっしりと詰まった密度の濃い時間の流れを私たちはイメージして保育を組み立てるわけですけれども、おそらく預かり保育というのはそういうぎっしりとした密度の濃い時間じゃなくて、求められているのはあたかも家庭にいるかのようなゆったりとした時間の流れで、それが子どもにとって心身の負担に配慮したものだと思うんです。
 ところが、この表記でいいますと、「その上で、教育家庭に基づく活動を踏まえ、充実した」という流れが来るので、読みようによっては続きのようなぎっしりとした時間が要求されるようなイメージを持つ。「無理のない」と書いてあるので、無理のないというのは心身の負担に配慮することを示しているんだなというふうにも読める。この「充実した無理のない」という表現は大変読み取りが難しい。なので、「充実した」にかわる言葉はほかにありませんでしょうか。言わんとしているところは、今行われている中では不適切なものがあるから、ちゃんと考えなさいよということだとは思うんですけれども。

【無藤主査】
 趣旨としては河邉委員のご指摘の中身なんですけれども、確かに日本語としてそれが通ずるかという、ちょっと無理やりになっている書き方かもしれませんので、どういうのがいいのかわかりませんが、ちょっと考えたいと思います。ありがとうございます。
 お願いします。

【柏女委員】
 3ページの一番下の子育ての支援のまるなんですけれども、下から2行目、「関係機関との連携を図り」というところを、「関係機関との連携及び協力を図り」という形で訂正ができないだろうかと思いました。連携はもちろん大切なんですけれども、さらに一歩深めて、例えば虐待、ネグレクトの通告をしたりとか、あるいは数年後には全市町村に設置されることになっている要保護児童対策地域協議会のメンバーとして必要な協力をしていくとか、そうしたことを踏まえて「連携及び協力を図り」という形にしてはいかがだろうかという意見を持ちました。
 なお、これも保育所保育指針との整合性を考えています。
 以上です。

【無藤主査】
 ありがとうございます。そういう方向でちょっと考えたいと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。

【渡邉(英)委員】
 預かり保育について、どこまで踏み込んでいいかがちょっとわからないんですけれども、幼保一体化施設とか、認定こども園というのがこれから増えていくことを考えたら、例えば子どもの調和的な発達をとか、それから生活リズムを大事にするとか、食育を大事にするという総論はいいんです。
 ところが、例えば幼稚園を経営している私立幼稚園で考えてみたときに、幼稚園だったら給食は要らないので、設備も要らないし、人件費も出ないし、食材の費用についても親からとる。ましてや消費税がかかるという感じがあったりすると、1日4時間を原則にするという原則はいいので、その中で育てようという子どもの姿をきちっと出すということが大事だと思うんですけれども、その一方で長時間いて、それこそ親の就労にも耐えるような子たちが幼稚園とか保育所の施設に入ってきたときに、夕食まで出さなきゃいけないとか、アレルギーに対応する食事を出すとかいうところとか、満3歳児教育をする中で午睡をどうするのかという話が出てくると、預かり保育の中が、無理でなくというだけでなくて、そういう親たちが入ってきたときに、その子たちをきちっと受けとめるということも考えないと、にっちもさっちもいかなくなる感じがあるんです。その辺のところがどうやって幼稚園教育要領に位置づけられるかというのはすごく難しいことではあるんですけれども、そのことが1つあります。
 それから、ほんとうに幼稚園が長時間をやり出すと、例えば長期休業中などの休業日における活動を預かり保育の一環としてとらえると言われたときに、その長期休業中、今、現実にそうですけれども、夏休みにだれが面倒を見るのかとか、朝早くから夜までだれがその子どもたちを見るのかといったときに、幼稚園の教師たちが見出したら、ローテーションとかは完全に保育所のローテーションに朝番がいたりとかいうふうにいろんな形になってきます。
 そこの中で保育の質をきちっと押さえろとか、保育者の資質向上をとかといったときに、子どものことをみんなで話し合えるかというと、その時間もとれない。いつも子どもが来るといったときに、1日4時間といったところと、例えば10時間子どもを預かりますといったら6時間、要するに幼稚園の本業よりも預かっている時間のほうが長くなるとか、うちは12時間ですから、もっと長いんですけれども、そこのところの保育をどういうふうにするかというイメージというのをどの辺に持ってくるか。
 例えば100人ぐらいの子どもの中で、20人ぐらいだけ預かり保育というなら、ある程度対応できるんですけれども、50人ぐらい来るとかという話になってくると、午睡の場所とか、布団はどうするんだとか、給食とかはどうするんだとか、それこそ家で食事がちゃんとつくれない子どもたちに対して園が何を提供できるのかということが、ここのところに乗るかどうかはよくわからないんですけれども、少なくともその辺のところを見通していかないと難しいだろうと。
 でも、その一方で、1日4時間で帰っていく親たちがきちんと地域とか、家庭の中で子どもたちが育つようなそっち側の手だてというのも、僕は幼稚園側が考えてという意味で、田中(雅)先生が言われたみたいに、預かり保育の中で地域とかいろんなところができなくなったところで、その子どもたちが生活をする場を提供するということも1つ大事だと思うんですけれども、預かり保育という意味合いが就労まで入って、それもほんとうにフルタイムの親までも入るということの意味合いまで持つのか持たないのかというところで、この文面が大きく変わる可能性を持っているということだけ一応お話ししておきたいと思います。

【無藤主査】
 非常に難しいところですよね。これはむしろ先生方のご意見をちょうだいしたいところですけれども、私、これは一委員として思うところで言えば、今のところは幼稚園の預かり保育というのは、そこまでの保育所並みの完全なフルタイムの親に対応する保育というイメージではないわけです。もし保育所並みとなれば、ご指摘のように給食や昼寝、あるいは今以上に健康、安全面の配慮も必要ですし、施設・設備的にも大分変えなければできないはずですから、そういう意味では教育課程外の保育として、今の幼稚園で可能な範囲を今イメージしている。それでいいのかと言われると、一部の幼稚園についてはそれを超えてきている面もある。それから、日本全国全体で見れば、幼稚園教育の多少はみ出した部分というぐらいで今のところは考えざるを得ない。確かにあいまいというか、腰が引けた部分が今のところはあるということですけど。

【小田委員】
 渡邉(英)先生がおっしゃることはよくわかるけれども、今、改正学校教育法を含めた幼稚園関係の抜粋のところを見たらわかるように、24条を読んでみると、そこまでは踏み込めないのではないかというあたりのところをきちっとしておきたいと思うんです。「幼稚園においては、第22条に規定する目的を実現するための教育を行うほか、幼児期の教育に関する各般の問題につき、保護者及び地域住民その他の関係者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うなど、家庭及び地域における幼児期の教育の支援に努めるものとする」と書いてあって、教育にかかわる学校教育というものの限界をここで示しているように思うんです。
 そこまでほんとうは踏み込まなければならないのかもしれないけれども、ここは考えるに考えられた24条じゃないかなというふうに思って、学校の先生方にすべてを全部持ち込まれていって、子育ての支援から地域のものまで全部を先生方に求めるというのは無理なんだと思うんです。学校教育が持っている大事なのは質だと思うんです。教育の質をきちっと高めていって、ほんとうにそのことが子ども一人一人にどう返ってくるかということなんだろうと思うんです。だから、多分、この24条というのは、ある意味でまだ一歩前のところの歯どめを意味しているのではないかというふうに読めると思うんです。
 ですから、今後は先生がおっしゃるとおり、いかにその辺をやっていかなきゃならないのかということと、一方で保育所の指針が持っているように児童福祉法というものが存在していて、児童福祉法と学校教育法の間をどうお互いの役割をきちっと位置づけてくるのかというあたりのところは、まだもう一歩あるんだろうと思うんです。
 だから、ここへ何もかも全部持ち込んで、全部書き込むというのは無理ではないかなと思っているんです。あんまりここのところへ書き込んでいくと、多分、幼稚園の先生方にすべてを持ち込むことになって、ものすごく負担感を強いるようになるのではないかというふうに思うし、だから預かり保育にかかわってもこの文章の中に必ず、だれがやるかというと、幼稚園の先生がやるかどうかということの明確な位置づけというのは出てくるんだろうというふうに思いますので、気持ちはよくわかるけれども、どうなんだろうか。
 僕も前回のときに出たときに、そういうものも踏み込みたいという気持ちを持つという気持ちはあるけれども、学校教育が持っている限界というのは存在するというふうに僕は言われて、学校教育法が持っている重さというものはきちっと守っていかないと、幼稚園教育要領や学習指導要領というのは何もかも持ち込まければならなくなるのではないか。幼稚園教育要領というのも教育の本質を守っていく大事な1つの基本理念を示すものではないかなと思っている。だからといって子育てが基本理念に入ってないということを言っているわけではない。地域がやってないということではないけれども、何もかも踏み込めるかという形のものと、いま一歩、教育基本法に書かれているように、子育ての第一義は保護者にあると書かれていることをきちんと位置づけなければいけないのではないかというふうに思う。私はそういうような感想を持っております。

【田村委員】
 きょう角田委員、井上委員とご一緒に勉強のために参加させていただいた。
 ただいまの議論、渡邉(英)先生のご意見と小田先生のご意見なんですが、私の感想をちょっと申し上げさせていただいて、まだどうしたらいいか結論は持っていないんですけれども、ただ実際この4月から私は認定こども園というのをやっております。認定こども園を東京都第1号の認可ということでやっている過程で、非常に感動的な経験をしたんです。
 それは特別支援教育なんですね。つまりこども園の場合は、保育所的機能の部分で、障害を持っている子どもを受け入れることがある意味では義務づけられているわけです。やるとすごい効果があるんです。それまで、軽い知的障害があった子でしたから、母1人子1人で全く暗い表情で、反応も全くない子どもだったんですが、数カ月障害のない子どもと生活させたら、がらっと変わっているんです。びっくりするぐらい変わります。表情も出ているし、反応もあるし、僕なんかが行ってもニコニコとするようになってきている。
 そういうのを見ていると、小田先生のご意見はよくわかるんですけれども、幼稚園教育がほんとうにこの子たちをほっぽっておいてもいいのかなという実感を感じるんです。だから、どうしたらいいのかなというのはあります。だから、答えを持っているわけではないんですけれども、そういう経験を実は認定こども園ができることで、あちこちで現場の幼稚園の先生が体験するんだろうと思います。ですから、そういうことをどう考えるかということを、渡邉(英)委員がおっしゃっているのかなというふうにお聞きしていました。
 ではどうしたらいいかって言われても、今のところ答えはないんですけれども、ただ、あまりにも効果を体験したものですから、預かってよかったなとつくづくと思いました。これが幼稚園だったら預かれなかったのではないかなというふうにも思います。

【田中(雅)委員】
 私は京都の私立幼稚園ですが、京都の私立幼稚園は昭和30年代から障害のある方がずっと在園しておられます。30年代のときに車いすの方もおられましたし、それはこういう幼稚園の現状に対する認識の間違いだと私は思います。むしろ統合的な保育をすることによって子どもが育つんだということを発信し続けてきたのが幼稚園教育だと思います。
 もう1つ、これは非常に大きな枠組みの問題になるんですが、公教育というものがどこの何に責任を持つのかということの議論ということが、どこかで整理されてなきゃならないと思います。幼児教育の場合には、私立幼稚園が園児の80パーセントを担っているわけですが、その80パーセントは公教育として担っているわけです。だけど、それを支える財源というものは公教育という立場で出されているわけじゃないわけです。
 ですから、本来、私学というものの選択がどこにあるのかということであれば、例えば義務教育の実態を見てもらったらわかりますように、全国の1パーセントということであれば、99パーセントが税金を中心とした運営をし、プライベートな運営というのは何なのかということの議論ができますが、80パーセントの運営の実態がありながら、それは全く自由な勝手な運営を行ってきたことのツケだと思います。
 その中であったとしても、私立幼稚園または公立幼稚園の中でも、障害のある方をどれだけの費用負担でやろうと、地域の中にいる存在として受け入れてきたという長い歴史を認識していただきたいと思います。

【田村委員】
 ありがとうございます。別に反論するわけじゃないんですけれども、実際、1人受け入れると1人専任をつけなきゃいけないですね。それでやったんですが、私どもの地域の私立幼稚園の場合はそのことに耐えかねるということで、ほとんど受け入れてないのが実態なんです。そういうことでは済ませられないのではないかと思ったので、あえて発言したわけです。

【田中(雅)委員】
 教育再生会議で門川教育長も京都から出ておりますが、京都の場合には今の特別支援教育、障害のある方に対する国の制度と、それに地方自治体としての資金を上乗せすることで、専任を置けるかどうかというのは別ですけれども、コアになる教育時間にほぼパートの人を1人つけるということの体制自体を、工夫の中で行っているということもひとつの事実である。
 ただ、それは園全体の運営の中で何人の方を受け入れるか、そしてその中にバランスをどういう形で持っていくのかということで、必ずしも1対1であるかどうかはわかりませんが、園長の判断の中で1対1が必要であるという方については1対1をつける。
 こういうような運営の中で、それは私立の場合にはほかのすべての方の保育料はそこにも注ぎ込まれながら、でも地域の中でそのような形で統合的な保育を行うことのよさは周りの保護者の方もよく理解してくださいますし、そこで一緒に育った子どもたちは小学校に行っても非常にいい関係を保ちながら通学しているというのが私立幼稚園だと私は思っていますので、地域に密着した幼児教育の実態だと思います。

【河邉委員】
 おそらく今、ここにいる園の先生方で障害のあるお子さんを受け入れていて、四苦八苦しながら育てている人たちは今一瞬うっと思ったんだと思うんです、田村先生のご意見で。おそらく幼稚園教育要領をしっかり読み取って、一人一人の発達に応じた教育を展開していれば、それは認定こども園でなくても、幼稚園教育の中で十分育ち合っているんだと思うんですけれども、おそらく一部の私立幼稚園の中にあるような教育と言えないような、小学校の時間割りみたいに教師主導で生活をしているところでは、障害のあるお子さんだけでなくて、障害のないお子さんも大変苦労して、先生の方針に沿うように生活を展開せざるを得ないんだと思うんです。
 だから、先生が今おっしゃってくださったことは、実は障害のあるお子さんだけの問題ではなくて、日本の幼児教育はほんとうに百花繚乱でいろいろなので、すべての子どもにとってよりよい生活が展開できるように、今からつくる幼稚園教育要領がしっかり根づいて実現されていくといいなというふうに、ちょっと話がずれますけれども、とても重要なことを指摘していただいたのではないかなというふうに感じました。

【塩委員】
 私も昭和42年から学級担任をしましたときに、いろいろなお子さんと出会いまして、先生が感動されたような経験をたくさんしてきましたので、それは私たちは今後も頑張っていかなくちゃいけないと思っています。
 先ほど渡邉(英)委員のお話に出ていたことにちょっと戻りますけれども、預かり保育の保育の中身についてのことなんですけれども、第25条に「幼稚園の教育課程その他の保育内容に関する事項は、第22条及び第23条の規定に従い」ということなんですよね。その他の保育内容というのは、多分、預かり保育のことを指していると思うんですけれども、それは第22条、23条の規定に従って文部科学大臣が定めるということで規定されていまして、22、23条というのは幼稚園に関する規定ということですね。
 ですから、あくまでも夕方までやろうが、7時までやろうが、それは22条、23条の規定に従って子どもたちの発達や生活を保障していくという考え方、23条にあることも含めた保障していく内容はどうあったらいいのかということを考えればいいと思うんですが、実際に今年の夏休みにたくさんの人たちにお話を聞く機会がありましたので、何人ぐらい預かり保育を受けているかという話を聞きましたら、大体300人ぐらいの規模の幼稚園で50人は来ているという話をちらっと聞いたことがありました、1つの園はそれから、たくさん子どもはいるんだけれども、15人、20人ぐらいだと。では、毎日来ているのかと。毎日来ている子どもたちはほとんどいなかったんです。
 ですから、週に2回とか3回とか、必要なときに1回だけお願いしますという感じの、要するにそういう特別事情が発生したときとか、それからお母さん方が保育の中身をいろいろ、ちょっとそれはどうかなと思いましたけれども、事前に配られていて、そういう保育内容には参加させたいということで参加させるとかっていうふうな多様な展開があって、それで先生方が計画を立てているかどうかという話も伺いましたら、全く無計画で、その日は担当になったらそのまんまという感じの園もありましたし、指導計画とは別なものをちゃんと立てているという実情もありました。
 そういう中で、幼稚園教育要領で何らかの形で何を重視すべきかということを、本来、幼児期に獲得しなければならない成長・発達をどうやって保障していくのか。たとえ1週間のうちの1回かもしれませんけれども、そういうことをどういうふうにするのかということと、ほとんど毎日来る子はいないようでしたけれども、園によってはもしかしたら1人、2人いるかもしれない。そういう子に対するケアをどうするかという問題なんかも含めて、基本的な考え方をどこに置いたらいいか示す必要があるんじゃないかなというふうに思うんです。あくまでも「第22条及び第23条の規定に従い」というところが重要なのではないかなというふうに思います。

【大竹委員】
 関連した意見になります。幼稚園の今話をされているのは、地域に密着した幼児教育の実現、特別な支援が必要なお子様も含め子育ての支援の充実というところでは、今回の幼稚園教育要領にこれだけしっかりとした文言で書き込まれていくことは、私は時代の中では大きな意義だというふうに受けとめています。
 そして一方では、幼稚園教育要領を法令ということと関連して考えていったときに、24条で示されている「家庭及び地域における幼児期の教育の支援に努めるものとする」ということをもし最優先にしていくならば、3ページの一番下にある「家庭や地域の教育力の向上を図る視点から」というこの内容が上に上げられて、幼稚園の機能拡充ということでは現実にはたくさんやっていると思うんですけれども、子育ての支援の充実ということを最優先に押さえていくというふうに思っています。
 それはとりもなおさず、子どもたちの発達、変容、その中で子どもが変わっていく姿を見て、親が変わっていく。それらの力を幼稚園が初めて出会う集団の中で親自身にも気づいてもらう場所として、ここでは幼児教育センターとしての役割と書いてありますけれども、もっとそれがさらに進められた形で、各園でできる範囲での子育ての支援の充実を最優先にしながら、預かり保育を利用される方が在園者の100パーセントというところは少ないと思うんです。
 そう思ったときに、子育ての支援の充実と、預かり保育という名前をここでぱっと出していいかということもちょっとご審議いただきたいんですけれども、現行の幼稚園教育要領では、教育課程に係る教育時間の終了後に希望する者を対象に行う教育活動という書き方をしていますし、それがさらに変わって、その他の保育内容というふうに書かれていますが、ここで預かり保育という書き方を書き込んでいくと、預かり保育をしなければならないみたいな状況に変化していってしまうかなという懸念もあります。でも、一方では、幼稚園が次期の子どもを育てていくための大きな役割を果たすということに大きな期待をするならば、子育ての支援の充実のほうを先に挙げていただければという希望を持っています。
 以上です。

【無藤主査】
 ありがとうございます。結局、預かり保育と子育ての支援の充実という大きな枠の最初のまるのあたりで、今のような趣旨をもうちょっと生かす方向でちょっと検討したいと思います。

【渡邉(英)委員】
 ほんとうに僕は正直言って、認定こども園を今やっていて、幼稚園的な親が30名ぐらい、保育所的な親が30名ぐらいという枠があったときに、就労していてもいいですよと言ったら、一気に保育所化する可能性を持っているんです、60名みんな働き出して。そのほうが行政からの財政支援もある。そういうふうな形でいくならば、待機児対策で認定こども園が進むならば、幼稚園だというよりは保育所にどんどんなっていくという危険性を持っているならば、小田先生が言われたみたいに第24条みたいなところで、ほんとうに家庭や地域だけの中で幼児教育、子どもが育っていくことが大事なんだと。
 そのことをきちっと明確にしていくことのほうが大事であって、次世代の育成のときにも私立幼稚園が子育ての支援で何をしているかといったら、預かり保育と就園奨励補助金しか出なかったんです。それだけではなくて、どうも本来的には子どもが育っていく、そこで親にちゃんと伝えていったり、親も一緒に巻き込んでいったりすることが子育ての支援なのに、なぜそこを伝えないのかという気持ちを持っていますので、大竹先生が言われたみたいに、ほんとうにきちっと僕らは子どもを育てていくことが大事で、そのためのということであるならば、それを選択した家庭まで含めて応援するようなという気持ちを持っていますので、そのことも大事にしたいと思っています。それでないと、ほんとうに全体的な話でいけば、働いたほうがいいんだとか、親と子どもを離したほうがいいんだ、それが子育ての支援だとか、親のニーズなんだという形に結果的にはなるのではないかというところをとても危惧しています。
 それから、うちでも障害のある子たちが結構いるんですけれども、僕は保育所的な中に障害児がいることに対して結構危惧をしていて、お金が出る出ないの問題ではなくて、長時間いて、人とのかかわりが苦手な子たちが夕方の5時、6時ぐらいまでいると、ほんとうに不安定になっていく。4時間とか5時間の中でとか、それでお母さんもそこに来てとかいう形の子たちのほうは、人とのかかわり方は上手になっていくかなと思ったりしています。
 かといって、例えばそのお母さんたちがちょっとリフレッシュしたいといって、預かり保育のときに補助金が出なかったりというのもあったりするので、特別支援教育と垣根があったときにいろんな子たちがいていい。本来的には障害のある子もない子もということをみんなが認め合う。それは地域も大人も認め合うということも大事ですし、その延長線上にほんとうは就労していようと、就労していまいとということを考えても、そのことも認め合うような、ある意味では地域が幼稚園とか、僕はほんとうは認定こども園を中心にできてくるといいなと思っておりますけれども、そのことが明確にされるということを願っています。

【無藤主査】
 ありがとうございました。渡邉(英)委員のご指摘の方向を十分念頭に置きたいと思います。
 さて、そろそろ時間が近づいてきたんですけれども、あとお1人、2人受けられると思いますが、ありましたらお願いします。

【大西委員】
 失礼します。一言だけなんですけれども、子育ての支援についての指導計画等をつくられている園もありますので、その辺の重要性みたいなものを大事にしたようなものであるべきかなということを思うことと、3ページ目の下から2番目のところの「なお」の後の「長期休業中などの休業日における活動についても、預かり保育の一環としてとらえられるようにする」というあたりの文言が入っていることの影響は非常に大きいと思いますので、その辺についてはかなり弾力的な運用ということにもかかわってくると思うんですけれども、ご検討いただきたいなと思っております。
 以上です。

【無藤主査】
 特に長期休業中の話は、別に無理に幼稚園はやるべきだという趣旨ではないので、もしやる必要があるならばということで、もうちょっと表現を和らげたいと思います。
 あと、ございますでしょうか。

【榎沢委員】
 3ページの上から2つ目のまるの「家族とのかかわりを生かしつつ、自分が家族など」という、この文章なんですけれども、よくわからない文章でして、「自分が家族などから愛されていることを感じ、大切にしようとする気持ち」って、何を大切にしようとするのかがわからなくて、自分を大切にするということを言いたいのか、家族を大切にするということを言いたいのか、それ以外いろいろ考えられると思うんですけれども、ここの家族との兼ね合いでできているこの文章をもう少し説明されたほうがいいかなというふうに思いました。

【無藤主査】
 検討します。
 大体よろしいですか。では、まだあるかもしれませんけれども、時間でございますので、議論をここまでとさせていただきます。それで、今後のことでございますけれども、平成17年10月から始まりまして、これまで本専門部会におきましてご審議をいただいてまいりました。先生方のご協力のおかげをもちまして、本日、幼稚園教育の改善の方向性がおおむね見えてきたと思います。本日、ご意見をいろいろちょうだいいたしましたけれども、それをいろいろ私が途中で申し上げたようなことで盛り込み、整理した上で、そういった整理の上の文案につきましては、改善の方向として大体そういうことでよろしいというふうにご了解いただいてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、大体の方向性として、こういうことでよいということでありますので、本日いただきました意見を踏まえまして、幼稚園教育の現状と課題、また改善の方向性、これにつきましてはきょうのご意見、それから教育課程部会等のご審議もありますので、それも踏まえながら再整理いたしまして、私のほうで主査としてまとめていくということにさせていただきたいと思います。
 ということでありますので、きょうのご意見を踏まえて幼稚園教育の現状と課題、改善の方向性を整理し、幼稚園教育専門部会として教育課程部会に報告を上げるというふうにさせていただきたいと思います。なお、教育課程部会における審議日程は未定ですが、いずれ報告をするというふうになろうと今は考えているところでございます。
 それでは、事務局のほうで何かございますでしょうか。

【田河課長】
 本日は、長時間にわたりご審議いただきましてありがとうございました。主査のほうからもお言葉がありましたけれども、平成17年10月からいろいろご議論いただきました。ほんとうにありがとうございました。本日のご議論を踏まえまして、教育課程部会に報告する資料取りまとめという形になるかと思いますが、資料取りまとめになりましたら、また事務局のほうからも送付させていただきたいと思っております。ほんとうにありがとうございました。

【無藤主査】
 どうもありがとうございました。それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。
 長い間どうもありがとうございました。

─了─