| 1. | 日時 平成19年7月20日(金曜日)15時30分~17時30分 |
| 2. | 場所 ホテルフロラシオン青山 |
| 3. | 議題 幼稚園教育の改善充実について |
| 4. | 配付資料 |
| 5. | 出席者 (委員) 無藤主査、赤石委員、浅田委員、岩田委員、榎沢委員、大西委員、大竹委員、小川委員、小田委員、柏女委員、神長委員、河邉委員、小枝委員、塩井員、杉原委員、仙田委員、野波委員、平田委員、渡邉郁美委員、渡邉英則委員 (事務局) 文部科学省 布村初等中等教育局担当審議官、田河幼児教育課長、高橋教育課程課長、大谷幼児教育企画官、合田教育課程企画室長、宍戸視学官、横松子育て支援指導官、水野特別支援教育課専門官、篠原教科調査官、湯川幼児教育調査官 |
| 6. | 議事等 【大谷企画官】 定刻になりましたので、ただいまより第4期第1回の幼稚園教育専門部会を開催いたします。 委員の皆様方には、ご多忙のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。 本日は、第4期教育課程部会において第1回目の専門部会でございますので、冒頭は、事務局において議事を進めさせていただきたいと思います。 まず最初に、文部科学省におきまして人事異動がございましたのでご報告申し上げます。 7月11日付けで、常盤教育課程課長の後任といたしまして、高橋道和課長が着任いたしました。 【高橋教育課程課長】 高橋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 【大谷企画官】 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。 資料1が、委員の名簿でございます。 資料2が、初等中等教育分科会教育課程部会の運営規則でございます。 資料3が、第4期の教育課程部会の検討体制という一枚ものでございます。 資料4が、教育課程部会の審議状況と今後の検討課題についてという一枚ものでございます。 資料5が、特別支援教育に関する法律改正の概要という一枚ものでございます。 資料6が、教育基本法成立までの経緯で、数枚にわたるものでございます。 資料7が、教育基本法改正に関する国会審議における主な議論例でございまして、全体で38ページにわたるものでございます。 資料8が、第3期の教育課程部会の審議の状況についてという、1月26日付けのものでございます。 資料9が、教育3法の改正についてという、カラー刷りになっております。 資料10が、教育3法改正に関する国会審議における主な議論例ということで、国会における審議の状況をまとめたものでございます。 資料11が、今後の主な検討項目と検討の進め方についてという一枚ものでございます。 資料12が、言語力育成協力者会議についてという一枚ものでございます。裏面には名簿がついてございます。 資料13が、言語力の育成に関する主な意見について(議論の整理用メモ)でございます。 資料14が、言語力育成協力者会議における論点整理に関する表でございます。 資料15、こちらが今日のメインの資料になるかと思いますが、幼稚園における教育内容の改善について(論点例)でございます。 資料16が、「子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について」という、平成17年1月の中教審答申の概要でございます。 資料17が、昨年の9月に初等中等教育分科会に提出いたしました幼稚園教育の現状と課題、改善の方向性(検討素案)でございます。 資料18が、教育課程部会(第3期第32回)における主な意見で、先ほどの幼稚園教育の改善の方向性についての審議に係るご意見をまとめたものです。 資料19が、幼稚園教育専門部会、本部会における第1回から第6回までにおける意見を取りまとめたものでございます。 資料20が、特別支援教育専門部会における審議状況ということで、幼稚園関係のものを抜粋したものが3枚ほど入っております。 資料21が、子どもの育ち等の現状でございます。 資料22が、幼稚園教育要領改訂の経緯及び概要をまとめたものでございます。 続きまして、本会議の主査と主査代理の指名についてご報告させていただきたいと思います。第4期第1回の教育課程部会におきまして、第4期の教育課程部会の検討体制を、先ほどごらんいただきました資料3のとおりとすることについて教育課程部会でご了解をいただいております。また、その会議におきまして、本日の資料2にございますとおりご決定いただきました教育課程部会運営規則におきまして、専門部会の主査及び主査代理は部会長が指名することとなっております。そのため、既に梶田部会長より、本専門部会の主査につきましては無藤委員を主査に、柴崎委員を主査代理にご指名いただいておりますので、この場でご報告を申し上げたいと存じます。 次に、資料1をごらんいただきたいのですが、本日、委員名簿を配付させていただいておりますけれども、今回新たにご就任いただきました委員がいらっしゃいますので、この場でご紹介させていただきたいと思います。 滋賀県教育委員会指導主事でいらっしゃいます大西理花子委員でございます。 【大西委員】 よろしくお願いいたします。 【大谷企画官】 それでは、本専門部会の進行につきましては、これより無藤主査にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 【無藤主査】 改めてよろしくお願いいたします。 それでは議事に入りたいと思います。本日の議事でございますけれども、昨年、本専門部会におきまして、幼稚園教育の現状と課題、改善の方向性(検討素案)を取りまとめて教育課程部会に報告してございます。その後、教育基本法の改正、教育3法の改正という大きな動きがあり、また教育課程部会での審議も進んでおります。さらに、言葉と体験を重視すべきとした教育課程部会の審議経過報告がお手元にあろうかと思いますけれども、それを受けまして設置されました言語力育成協力者会議、これも先ほどの資料に入っておりますが、そちらでも審議が進められております。そういったものを踏まえまして、幼稚園における教育内容の改善について審議したいと考えております。 まず、特別支援教育に関する法律、教育基本、教育3法の改正につきまして、事務局よりご説明いただきたいと思います。なお、学校教育法における幼稚園の目的・目標の改正につきましては、この後の幼稚園における教育内容の改善の審議とかかわりますので、そのときに事務局から改めてご説明をいただきます。それではお願いいたします。 【田河幼児教育課長】 まず、これまでの部会開催以降の法律改正の動きについてご説明させていただきたいと思います。 資料5をお開けください。特別支援教育に関する法律改正の概要でございます。その内容とポイントでございますが、概要の学校教育法の一部改正のところをごらんいただきたいと思います。盲学校、聾学校、養護学校を障害種別を超えた特別支援学校に一本化するという内容でございます。また、2番目の「 次に、教育基本法の関係でございますが、資料6をお開けください。ここに経緯を書いておりますが、もう一枚めくっていただきますと改正前後の教育基本法の比較表がございます。特に今回の議論に関係の深いところをご説明します。1枚おめくりいただきまして比較表の2ページ、第2条、教育の目標が定められております。その中身を見てみますと、幅広い知識と教養、あるいは豊かな情操と道徳心、こういう内容が新たに定められております。 そして幼稚園に関係するものとしましては、5ページ目をお開けください。第6条、学校教育の規定がございます。その枠囲みの部分、第2項でございますが、前項の学校においては、教育の目標が達成されるよう、教育を受ける者の心身の発達に応じて、体系的な教育が組織的に行われなければならない。今回の学校教育法の見直しでも体系的な教育を行うことを踏まえて改正しております。 7ページをご覧ください。第10条、家庭教育に関する規定でございます。第10条第1項においては、父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものということがうたわれております。そして第2項では、国及び地方公共団体は、支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない旨が規定されております。 そして第11条に幼児期の教育が規定されております。幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることにかんがみ、国及び地方公共団体は、幼児の健やかな成長に資する良好な環境の整備その他適当な方法によって、その振興に努めなければならない旨が規定されております。 そして、8ページでございますが、第13条には、学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力が規定されております。 以上、教育基本法の改正でございます。 続きまして、教育3法の改正についてご説明したいと思います。資料9をお開けください。教育3法の改正につきましては、経緯がここに書いてありますように、教育基本法の改正あるいは教育再生会議の第一次報告、そうしたものを踏まえながら中教審でもご議論いただき、今年の3月に閣議決定・国会提出を行い、6月20日に成立し、その後公布されたところでございます。その教育3法を大きく分けると3つの法律からできております。学校教育法の改正につきましては、ここに示されておりますように教育基本法の新しい教育理念を踏まえ、新たに義務教育の目標を定めるとともに、幼稚園から大学までの各学校種の目的・目標の見直しが行われております。また、副校長等の新しい職を置くことができることとし、組織としての学校の力を強化しております。 また2つ目の大きな改正でございます地教行法の改正につきましては、教育における国、教育委員会、学校の責任を明確にし、保護者が安心して子どもを学校に預け得る体制を構築することとしております。 また3番目の教育職員免許法及び教育公務員特例法の改正におきましては、教育免許更新制を導入し、あわせて指導が不適切な教員の人事管理を厳格化し、教員に対する信頼を確立する仕組みを構築しております。 1枚おめくりください。学校教育法等の改正、特に教育要領の見直しと関係しますので若干触れますと、(1)各学校種の目的及び目標の見直し等のところでございます。最初の「 また、2番目の「 以下、(2)、(3)、(4)、このような改正内容でございます。その次に新旧の条文をつけておりますが、省略させていただきます。 以上で、関係の法律の説明を終わらせていただきます。 【合田教育課程企画室長】 引き続きまして、教育課程部会の審議の状況につきまして、簡単にご説明させていただきたいと思います。 資料4というカラーの一枚紙をお目通しをいただければと存じます。教育課程部会の審議状況と今後の課題についてという資料で、これまでの教育課程部会における幼稚園教育要領をはじめとする学習指導要領の改訂についての流れを時系列的に整理したものでございます。 学習指導要領全体の見直しにつきましては、平成17年4月から第3期の教育課程部会において審議をいただいているところでございます。平成18年2月には審議経過報告をお取りまとめいただきまして、言葉と体験の重視という方向性をご議論いただき、整理をいただいたところでございます。その上で、ただいま課長からご説明申し上げましたとおり、昨年12月には教育基本法が改正されたところでございます。 第3期では、学習指導要領全体の見直しについて、答申には至りませんでしたので、平成19年1月に第3期教育課程部会の審議の状況についてということで、本専門部会の先生方のご議論も含めまして、第3期の議論を一度ここで整理をし、いわば第4期への引継書のような形で議論を取りまとめたところでございます。本年3月からは第4期の教育課程部会が発足し、これまで6回教育課程部会を開催し、議論を進めているところでございます。また、これもただいま幼児教育課長からご説明申し上げましたとおり、本年6月には学校教育法の改正が成立したところでございます。資料4の一番下にございますように、教育基本法や学校教育法の改正、これらの国会審議等を踏まえつつ、平成19年度中の学習指導要領改訂を目指して、教育課程部会において詰めの審議をお願いしている状況でございます。 順次、関係の資料を簡単にご説明させていただきたいと思います。 資料8をお目通しいただければと存じます。第3期教育課程部会の審議の状況についてでございまして、先ほど申し上げましたように平成17年4月から本年1月までの第3期の教育課程部会の審議の状況をまとめたものでございます。特に本部会とのかかわりでのポイントのみをご紹介させていただきます。5ページをおめくりいただければと存じます。5ページには教育内容の改善という項目がございます。これまで教育課程部会におきましては、基礎的な知識・技能の定着と思考力、判断力等育成の双方を総合的に図るための具体的な手だてといたしまして、先ほど主査からもお話がございましたように、言葉と体験などの学習や生活の基盤づくりを重視する議論が行われているところでございます。このことを5ページ目の一番上の「 6ページ目をお目通しをいただければと思います。上から2つ目の「 8ページ目の上から2つ目と3つ目の「 また、8ページ目の後半からは各教科等の教育内容の改善ということでございまして、例えば9ページ目の2つ目の「 10ページ目でございますけれども、幼児教育との関連ということで申しますと、2つ目の「 以下、12ページ以降は教育課程の枠組みの改善ということで、指導方法の改善、それから授業時数の在り方と学校、家庭及び地域の役割分担と連携等について整理をいたしております。また、16ページ以降につきましては、教育課程におけるPlan・Do・Check・Actionという改革サイクルをどう構築するかというこれまでの教育課程部会の議論をまとめさせていただいているものでございます。 次に資料11をお目通しをいただければと思っております。本年2月からスタートいたしました第4期の教育課程部会ではこれまで6回の会議を開催いたしておりまして、資料11に「 次に、先ほど主査からもご指摘がございました言語力育成協力者会議につきまして、資料12、資料13、資料14、この3つの資料に基づきまして、これもごく簡単にご説明させていただきたいと思っております。先ほど申し上げましたとおり、教育課程部会では今回の学習指導要領の見直しに当たりまして、言葉と体験を重視するという基本的な方向性を打ち出しているところでございます。このため、教育課程部会の審議に資するため、言語の運用や活用に関する能力をはぐくむに当たっての基本的な考え方を梶田部会長を主査とする言語力育成協力者会議というものを別途設けまして、議論をいただいているところでございます。この協力者会議には、本専門部会の委員でいらっしゃる秋田先生にもご参加をいただいているところでございます。 これまでの審議を整理いたしましたのが、資料13と資料14でございます。まず資料13によりまして、これまでの議論のアウトラインを簡単にご紹介させていただきます。資料13、言語力の育成に関する主な意見についてでございますけれども、1ページ目の1.基本的な考え方及び課題の(1)言語力についてというところがございますが、その一番最後のパラグラフでございます。言語は、知的活動、感性・情緒等、コミュニケーション能力の基盤であるということを議論の前提として、以下、議論を展開しているところでございます。またその下の(2)言語力育成の必要性というところでは、子どもを取り巻く環境の大きな変化、あるいはOECDのPISA調査における読解力の低下、それから先ほど申し上げたように学習指導要領の改訂に当たって、言葉を重視し、すべての教育活動を通じて育成することが必要であるという議論がなされていることなどが挙げられているところでございます。 1枚おめくりいただきまして2ページ目でございます。言語力育成の課題といたしまして、(ア)(イ)(ウ)(エ)とございますけれども、(ア)といたしまして、今申し上げた知的活動、感性や情緒、コミュニケーションといった言語の果たす役割に応じた指導を充実する必要がある。(イ)といたしまして、発達の段階に応じた指導を充実する必要がある。(ウ)といたしまして、教科を横断した指導を充実する必要があるという観点からご議論をいただいているところでございます。 この言語の果たしている3つの役割のうち、知的活動に関することということで、2ページ目の真ん中以降で議論が行われておりますけれども、(1)といたしまして、事実を正確に理解し、的確にわかりやすく伝える技能を伸ばす、(2)といたしまして、自らの考えを深めることで、解釈や説明、評価や論述する力を伸ばす、3ページ目でございますけれども、(3)といたしまして、考えを伝え合うことで、自らの考えや集団の考えを発展させる力を伸ばすといった幾つかの段階があるのではないかというご議論をいただいております。 4ページ目以降は、残る言語の2つの役割のうち、感性・情緒等に関すること、それから5ページ目には他者とのコミュニケーションに関することということで、4ページから5ページにかけてそれぞれの議論を整理いたしております。 また、5ページ目の一番下、指導に当たっての配慮事項等ということで、6ページ目の一番上の(1)にありますように、まず語彙については、幼児児童生徒の現状を見ると、生活体験が不足し、感情を直接的に表現する言葉が多用され、語彙が乏しくなっているので、実生活の中で読書や遊びを通じてそれを充実させることが望まれるという観点、(2)といたしまして言語運用法についてでございますが、従来の教育においては、情緒・感性の面に重点が置かれ、論理や表現法に関する配慮が不足していたので、義務教育の段階で、言語運用法の指導を体系的に行うことが求められる。(3)として、教材については、その質・量両面での充実といったようなことが必要であるという議論がまとめられております。そのほか読書活動、言語生活について6ページにわたって議論をまとめてございます。 7ページ目でございますけれども、言語力育成に当たっての2つ目の大きなポイントでございます発達の段階に応じた指導の充実の考え方についてという議論をまとめさせていただいております。(1)基本的な考え方の第1パラグラフの途中からでございますが、子どもたちの意欲ということに留意しつつ、体験や指導を通して、言語に関するさまざまな約束事(型)に気づかせ、その約束事(型)を使ってものを考える機会を持ち、それが身についてくるに従って約束事(型)の意味を理解し自分の技術として使えるようにすることが求められる。それから1つパラグラフを飛ばしていただいて、幼稚園並びに小学校では、特に低学年で聞くことに関する指導が重要である。他者の話に耳を傾けることは、人間関係の基本であることから、形式面だけにとらわれずに、実感を持ってその重要性を理解させる必要があるといったような議論をご紹介を申し上げております。 また(2)として、学校段階ごとの指導の特質というところがございまして、あくまでも意見の紹介でございますけれども、幼児期を意識した意見といたしましては、下から4つ目の「 なお8ページの真ん中、7.として教科等を横断した指導の充実の考え方がこれまでの議論として紹介されております。個別の詳しいご紹介は省かせていただきますけれども、それぞれの教科ごとに言語力の育成という観点からどのようなことに留意するべきかということが議論としてまとめてあるところでございます。 なお、資料14、これもA3の横長の資料でございますけれども、先ほどお目通しいただきましたこれまでの議論を、一番左側でございますけれども、感受・表現、理解・伝達、解釈・説明、評価・論述、討論・協同といったような言語の運用や活用の段階ごとに具体的な教育内容を整理したものでございます。 以上、言語力育成協力者会議の議論の動向についてご紹介を申し上げました。この協力者会議は本専門部会をはじめ、各教科等の専門部会のご指摘、あるいはご意見を踏まえながら審議を取りまとめることといたしておりまして、本日もぜひご意見を賜りたいと存じております。 大変駆け足で恐縮でございましたが、ご説明は以上でございます。 【無藤主査】 ありがとうございました。 次に、学校教育法、特に学校教育法における幼稚園の目的・目標の改正についてご説明いただいて、引き続き配付資料15の学校教育法の改正を踏まえた論点 【田河幼児教育課長】 まず、資料15の論点例の構成でございますけれども、 まず論点 また、第22条の内容の変更ではございませんが、「幼児を保育し」という言葉には、幼児期の特性を踏まえると教育と養護を一体的に行う必要性というものが示されております。また、「幼児の健やかな成長のため」を追加した理由としましては、従来、適当な環境を与えてとしておりましたが、その趣旨が明確になるようにしたものでございます。適当な環境を与えて、心身の発達を助長するという、こういう目的の表現は、幼児の主体性を尊重し、環境を通じて教育を行うという幼稚園教育の特色が示されているというふうに思っております。 次に、第23条に幼稚園教育における目標の記述がございます。第1号に関しましてはあまり大きな変更はございませんので省略します。 そして第2号、比較してみますと、家族や身近な人への信頼感を深め、あるいは規範意識の芽生えという言葉が入っております。幼児につきましてはまず身近な人に見守られている、愛着の形成といってもよいかもしれませんが、そういった信頼感の形成がまず重要であることから規定しました。そうした信頼感の形成があって自分が確立し、自主の精神が育ち、他者との関係の中で自律、協同の精神が養われ、さらには社会の中でよいこと悪いことがあることやきまりの大切さという規範意識の芽生えが養われることになると考えております。なお、規範意識という点につきましては、幼稚園だけでなく義務教育の目標についても規定されており、ほかの学校種においても論点になるものと思われます。 第3号においては、生命や自然に対する興味を養いとございます。これは右側を見ていただきますと、従来、社会生活及び事象に対する正しい理解の事象に相当するものでございます。事象の意味として自然や生命というものが込められていたかと思いますが、教育基本法にも生命や自然という言葉が出てきたことを踏まえて今回規定いたしております。また、この第3号の中では、思考力の芽生えということも規定しております。小学校教育の中でも思考力、判断力というものに意を用いる旨が規定されておりますが、そういう思考力も今回規定されております。 第4号におきましては、右側の旧学校教育法の規定は、言語の使い方を正しく導き、童話、絵本等に対する興味を養うというふうになっていましたが、童話、絵本等に対する興味は最終目標といよりはむしろ手段的なものであると思いますので、改正法では日常の会話や絵本、童話等に親しむことを通じてと規定しました。また、コミュニケーションも大切でございます。言葉の使い方を正しく導くだけでなく、相手の話を理解しようとする態度を養うことと規定をしております。 また、第5号、右側では、創作的表現に対する興味を養うとございましたが、それをさらに最終的な目標ということを考えまして、豊かな感性と表現力の芽生えを養うことと規定をいたしております。これが論点 資料15の1ページ目をお開けください。ちょっと読み上げますと、学校教育法が改正され、第22条、第23条において、幼稚園の目的、目標に新たに次の事項等が盛り込まれたことを踏まえ、これらの教育内容についてどうすべきかとしております。その下の「 その下に改正内容をポイントにした7つの「 以上の論点と関係するデータがございますので、若干ご紹介させていただきたいと思います。資料21の子どもの育ち等の現状をお開けください。1枚おめくりいただくと、規範意識のない園児の増加傾向、それを幼稚園長・保育所長から見た傾向として調べましたところ、多少感じるという方がやはり半分程度いらっしゃるという内容でございます。 次に、母親の子どもの将来に対する期待、就学前の幼児を持つ東京の母親に聞いたアンケート結果でございますが、友人を大切にすること、あるいは他人に迷惑をかけないこと、自分の家族を大切にすること、そうしたことを重視している傾向がうかがえるところでございます。 以上、資料等をご説明させていただきました。 【無藤主査】 ありがとうございました。それでは審議に入りたいと思いますけれども、5時半までという限られた時間ですので、審議していただきたいことがお手元の資料15の論点なんですけれども、論点 まず、論点 では、岩田委員。 【岩田委員】 たびたび議論が出ているところではありますけれども、先ほども言われた、「その後の教育の基礎を培う」という新学校教育法の22条にその規定がされているところですけれども、小学校教育の前倒しという形で現場の中に入る可能性、危惧が指摘されていました。これを総則の幼稚園教育の目標というところが学校教育法の22条とダブるのでここを省くかという議論もあるかとも思うんですけれども、新学校教育法の中に22条という規定ができたんだから、これは目的として、幼稚園教育の目的と目標という形でやはりここを残して、幼児教育がその後の教育のための基礎を培うというところを誤解のないように、小学校教育の前倒しにならないような形で少し詳しく説明し、そして後の目標のところは、学校教育法の今度の改正でいくと23条になるんですかね。その23条に規定する学校教育の目標、到達に努めなければならないという形で、そこのところ省いてもいいとは思うんですけれども、入るならばむしろ総則の中へぼんと据えて、誤解のないようにそこのところを少し説明するという形にして入れればどうかというのが1つです。 【無藤主査】 ありがとうございます。非常に重要なポイントだと思います。 ほかの方、いかがでしょうか。浅田委員、お願いします。 【浅田委員】 小学校でも道徳教育が今すごく話題になっているんですけれども、ここに出ている規範意識に関しましても、幼稚園と小学校が連続につながっているという意味からも、改めてこれは大切な点かなと思っています。 ただ規範意識というと、押しつけてきなイメージがあるので、幼稚園の日々の活動の中にそういうものがまかり通ってくるとまた弊害になるかと思うので、この規範意識に関しましてはルールがあるからということじゃなくして、なぜそういうルールがということを、幼稚園の先生と子どもが会話するとかそういうことを含めながら考えながら子どもたち自身の自立を促していくような、そういう意味のものであれば、こういう規範意識というのは小学校につながる面でもすごく大事なものだと思っていますので、ぜひその辺のところも1つ押さえながら入れていただければと思います。よろしくお願いします。 【無藤主査】 ありがとうございます。念のために申し上げると、規範意識に対応するものは現行の教育要領の人間関係の中で、よいこと悪いことに気づくとか、きまりの大切さに気づくという形で、幼児期にふさわしい言い方で入ってはいるんですけれど、そこをもう少しきちっと取り上げるのか否かという論点だと思います。 ほかに。大竹委員、お願いします。 【大竹委員】 そのことに関連してです。今日は幼稚園、小学校、中学校等の終業式を現場では迎えています。1学期が終わって子どもたちの成長を振り返る1つの節目でもあったかと思うんですが、保護者もそして教師たちもそういう思いに今いる時間だと思います。 ここ数年、子どもの生活を5年ぐらい見ていますと、3歳から5歳の幼児期のお子様たちの姿の中に、特に1学期は、3歳、4歳が顕著だと思うんですが、保育室の中に落ちている紙をふんづけてしまったり、何かをやるときに順番を、並ぶというのはまだ経験がないと我先に一番になりたがってしまったりとか、それから遊びの片づけを身につけていくまでになかなか時間をかけていたり、言葉ということでは、友達を意識していきながらなかなか相手を尊重するような言葉を使えない子どもの姿に出会ったりとか、そんなことをいろいろ考えることが多いです。 やはり規範意識ということで、私どもの園で平成17年度に、こちらにいる渡邊郁美先生たちと研究をしたときに、規範意識というと何か子どもをルールやきまりで縛りつけてしまいがちなことになるんですが、規範意識の育成を0歳から7歳ぐらいまで目指してやってみましたところ、生活の中のサプリメントになっていき、そのことでみんなが気持ちよく生活ができるというような学級経営が大変うまくいくというデータを持っております。そのことを含めますと、幼児期はいろいろなことを経験していく中で、順番も間違ってももちろんいいし、ものを投げたりするのも当然だったと思うんですが、やはりそこに気づかせる教師の存在というのがとても大事だなということに気づいています。若い教師の方が多くなると、一日一日が過ぎてしまって、教師自身も規範意識がどういうものかということを考えた、道徳性の芽生えを培うということの中からもっと意識を広げていく意味では、教育要領の内容の取扱いのあたりの人間関係というところで、もう少しそのことを明確にしていく時代に入ってきたのかなと思っております。 以上です。 【無藤主査】 ありがとうございます。小川委員。 【小川委員】 文言の上ではほとんど、小学校課程の教育が幼稚園教育に対してプレッシャーになるということは、小学校の先生から見れば一見危惧に、そういう心配があるのではないかということはあるかと思うのです。最近、小学校でも幼稚園でも言葉で子どもを指導するというか、言葉がけという形の指導が非常に強化されてきている。幼児教育の中で遊びを大事にするということは、いわば観察学習を大切にするということです。モデルを見てまねるということで遊びが形成されてくるということ、いいかえれば、遊びのルール、つまり規範の獲得というのは、役割を授受するというか、身体的にその行為をまねるという形である規範が身についていくということでいえば、この規範意識の芽生えというのは非常に大事です。けれども、遊びというのは見てまねるということが、オブザベーションラーニングなので、教師が言葉で教えるんじゃなくてモデル性を発揮するということが非常に重要な意味になってくるということです。やはり幼稚園教育の規範意識の形成とか、あるいは基礎という場合、学習の仕方が小学校の場合は言語的な享受ということが中心になるんだけれども、幼稚園の場合は遊びを通して役割を授受する、いいかえれば、ロールプレイングするというところで規範とかそういうものが身についてくるんだということです。この違いをやはりきちんとしていくことが、同じ規範意識でも小学校と幼稚園の違いというのはそこのところに大きな違いがあるんだということを徹底する必要があるのではないかと私は思っています。 【無藤主査】 杉原委員、お願いします。 【杉原委員】 今、小川先生がおっしゃったこととも関連すると思うんですけれども、幼児期の規範意識というのは、先ほど人間関係でよいこと悪いことを意識してというのがありましたけれども、それ以前に、遊びの中で遊びを成立するため、特に集団遊びですね。集団で子どもたちが遊んでいく、その遊びを成立し、発展させていくためには、そこでのきまりとか約束を守らないと楽しく遊べない、遊びが発展しない。そういったお互いの約束やきまりを自分たちで決めて、楽しく遊ぶという経験を積み重ねることによって、やはり約束やきまりが非常に大事なんだということを身につけていく。そういったことを、ぜひ遊びとの関係で、遊びの成立、遊びの発展、特に集団遊びとの発展との関係で、規範意識を幼稚園教育としては強調していっていただく必要があるんじゃないかなと思います。 【無藤主査】 ありがとうございます。塩委員、お願いします。 【塩委員】 内容がちょっと変わりますが、論点例のところに書いてございますけれども、学校教育法の目標が改正されまして幼稚園教育要領の幼稚園教育の目標の在り方についてはどうすべきかという論述がそこにございますけれども、私は今回の学校教育法の目標の改正は大変吟味されて重要なことが盛り込まれ、幼児教育としてもそこを重要視すべきという内容が盛り込まれていると思いますので、幼稚園教育要領の目標の中に書かれている目標は総則の中で順次説明する形で、目標として二重に示すべきではないんじゃないかと思っております。そのことが1つです。 もう1つ、24条に関連したことで、このたび預かり保育と一般的には言われているんですが、預かり保育が学校教育法に教育課程その他の保育内容というふうに位置づけられました。それで、教育課程とは別に位置づけられたということを踏まえて、幼稚園教育要領におけるその他の保育内容ということをきちんと検討し、見直して、位置づける必要があるんじゃないかなと思います。具体的にどういう検討が必要かというのは後の議論に任せればよろしいと思いますけれども、例えば総則や第3章の項だて、その中に含めるのかどうかというような見直しの問題もありまして、ここにその他の保育内容と明示されて位置づけられたことをやはりきちんと踏まえる必要があると。 それから、子どもの育ち等の現状の後ろのほうを見ていきましたら、夏季・冬季に預かり保育を実施している園は74パーセントということでした。こういうのを考えてみますと、長期休業中や土日にも預かり保育というのが実施されておりますので、子どもたちの視点というか、子どもたちの成長に対する影響を考えますと、適切な生活をそこでどうやって送れるかという、預かり保育が行われるそういう中身ですね。そのことを幼稚園教育要領でも考えていく必要があるのではないかと思います。特に、教育時間終了後という場合と長期休業中の場合などは実施状況や教育課程との関連が異なります。そういうことも踏まえた上での幼稚園教育要領の検討が必要ではないかなと思います。 以上です。 【無藤主査】 論点2も含まれましたけれども。 じゃあ河邉委員、お願いします。 【河邉委員】 今、塩先生がおっしゃったように幼稚園教育の目標を幼稚園教育要領の中にダブってする必要はないということに私も賛同しますが、目標の考え方といいますか、遊びを通して幼児期にふさわしい生活を展開することが重要であると先ほど小川先生や杉原先生がおっしゃったような、そういう目標を達成するための基本的な考え方や揺るがしてはならないような基本的な態度みたいなものは、やはりしっかりと押さえるべきではないかなと思います。 以上です。 【無藤主査】 その辺は総則全体にかかわる重要なポイントだと思います。 ほかに論点 【神長委員】 思考力の芽生えについてということで1つお話をしたいんですけれども、前回の改訂の際にもこれに関する内容等については、領域「環境」の中に好奇心や探究心を持つとか、物事の法則性に気づきとか、幾つか項目といいますかキーワードは入ってきたと思うんですけれども、現実に国立教育政策研究所のほうで実施状況調査を行った際に、やはり環境へのかかわり方ということについては、環境と言っているものが何か限られているように思われたんですね。現実に子どもたちが思考力が劣っているとかそういうことではないんですけれども、やはりその内容の取扱い等に、思考力の芽生えを培うと、小学校以降の学習の基盤につながっていくというための手だてですね。そういったものがやはり体験の中で、いわゆる試したり確かめたり、そういうことがじっくりできる環境がとても大事であるというような内容が入ると大分整理されてくるのかなと。前回の改訂に積み重ねができるかなと思っております。 【無藤主査】 ありがとうございます。今の点は、環境の前の取扱いとか思考力という言葉自体は自然との関係だけに出ているんですかね。だけど、ほかに考えるとか気づくとかいろんなところに出ているわけですので、思考力というのは多分もっと大きな意味ではっきり出す必要があるのかもしれませんね。 ほかに論点 【赤石委員】 目標が幾つか上がっているんですけれども、先ほどから規範意識の芽生えという意見がいろいろ上がっていますが、現場でこれを指導するときにこの点だけをやはり取り上げて指導するということではなくて、生活や遊びの中で総合的に指導していくということがとても大事な、目標達成のための基本的な考え方にあるということを総則の部分に丁寧に押さえておいたほうがいいのではないかと思います。規範意識と、その上の人への信頼というのはすごく関連があって、身近な人への信頼、この気持ちがあるから先生のすることをモデルとして規範意識を身につけていくようになる、それから遊びが充実することによって自分で楽しくしていくためにどうしたらいいかという集団のきまりに気づいていく、それから目標のすべてが関連して達成されるということなので、人の話もよく聞こうとするようになるというふうに、遊びを通して、あるいは生活の中で総合的に指導されるのが幼稚園の教育だということを総則の中できちんと押さえておきたいと思います。 【無藤主査】 ありがとうございます。ほかに論点 【渡邉委員】 大きな流れでいったときに、僕は小学校とか中学校の先生たちと話していると、幼児期にこういうことを育ててほしいという論点でいくと、子どもの育ち等の現状にもそうなんですけれども、規範意識のない園児が増加してくるという話になるんですけれども、その一方で現場の話でいくと、例えばお母さんがものすごくしつけに厳しかったりとか、何々しちゃいけないといったときに自分を出せない子どもか、それともお母さんが全然言っても聞かない子どもが出てくるという話になると、どちらかといったらやっぱり乳幼児期に自分をきちっと出せるということを、多少失敗してもいいんだとか、子どもたちが今失敗したりとか体をぶつけ合ってある意味では思う存分けんかをしたりという、そこの生活がなくなっているということに対して僕は危惧をしている関係があって、やっぱり0、1、2歳から見てきても、思う存分、本当に体を使って遊べるのかとか、人とかかわって遊べているのかというと、そこがなくなっている中で規範意識みたいなのが、やっちゃいけないよとか、これはだめだよとかということばかりが出てくる生活に関して逆に危惧を持ってます。 ですから、ここのところでは、さっき思考力とか、それから身近な人への信頼関係も全部そうなんですけれども、やっぱり人と人とかかわっていくというときに、乳幼児期にもうちょっと大事なことをきちっと言わないと、今度、幼稚園側は、親が悪いとか、家庭が悪いとか、地域が悪いという話に、だんだん下に下に下げていくような形なんですけれども、本来的にはやっぱり0、1、2から上がってくる子どもたちをどう育てるかという視点みたいなことをきちっと言うべきではないかと思っています。 【無藤主査】 ありがとうございます。仙田委員、お願いします。 【仙田委員】 今の規範意識の話です。赤石委員のお話を伺っていて思ったのですが、規範意識ということを大事に大事に指導しようとすればするほど、教師がそういうふうに思えば思うほど、子どもたちがお互いを、だれちゃんがいけないことをしている、それはいいんだよ、それはいけないんだよとか、いいか悪いかだけで子ども同士を見ていくようなことにもなっていく。だからその辺の扱い方、子どもがわかっていくわかり方ということをすごく丁寧に押さえておく必要があると思います。いいか悪いかということはすぐわかっていくのではなくて、失敗とかけんかとかトラブルとか、そういったことを通して子どもがああすればよかったなと後から実感していくという、そういったプロセスがすごく大事だということを押さえていきたいと思っています。 【無藤主査】 浅田委員、お願いします。 【浅田委員】 先ほどの規範意識も含むんですけれども、私は思考力の芽生え、考える力というのも規範意識にもすごくつながっていると思うんです。つまり考える力がなければ子どもに規範意識を育てるのはなかなか難しいと思いますし、そういった意味で遊びの充実を通して規範意識を育てていくことが大事じゃないかということも私は納得できますし、もう一方は、思考力の芽生えに関しても、小学校では自ら考え判断するみたいな課題解決能力を求められていますけれども、そういうつながりというよりも私はここも遊びを、本当に子どもたちが充実したり遊びを発展していくその根本には、子どもたちがいろんなことを考えながら工夫する、そういうことがなければなかなかそういう形になっていかないわけですから、学校教育法の条文でいくと、身近な社会生活とか生命及び自然に対するというこの関連で思考力の芽生えというのが書かれていますけれども、指導要領の中では、遊びの充実、その遊びの中を通して子どもたちの思考力の芽生えを養うという、そういう観点もぜひ入れていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 【無藤主査】 平田委員、お願いします。 【平田委員】 皆さんと共通しているんですけれども、遊びを中心にということをもっと強く明確にしてほしいと思います。どうしても僕が気になるのは思考力という言葉、これが一人歩きしそうだということ、それから言葉というものが別にきちんと取り上げた形でなっていると、どうも国語だとか科学的な要素とかそういうことにどうしても一般的には受けとめられがち。そうではなくて感じるということの意味とか、思考力だって単純にいえば、いわゆる造型的思考力みたいな、見て触って感じるということもとても大事な思考力なはずなんだけど、どうもその辺が欠落する危惧がある。そんな意味では、この文言を取り扱うときに気をつけて取り扱っていただきたいと思うし、遊びということの意味をもっと大事だぞということを伝えていくことがこの基本になるのかなと感じました。 【無藤主査】 渡邊郁美委員、お願いします。 【渡邊委員】 今、規範意識のところで出ていることが多かったんですが、ちょっと違うところにいっていいでしょうか。 豊かな感性と表現力の芽生えを養うことということで出ておりました。あと23条のほうにも表現力の芽生えのことも書いてあるんですが、現行の幼稚園教育の目標のところで、ずっと読んでみて、網羅して表現というのが何かきっと感じ取れるようなところがあるかとは思うんですが、やはり表現をしていくというようなことを少し入れたほうがいいのではないかと思いました。生きる力とか、もしかしたらそういうようなところでは入ってくるかもしれないですけれども、もう少し幼児なりの表現というようなことは大事なんだよということは目標の中に何か示してもいいかなと思いました。 以上です。 【無藤主査】 柏女委員。 【柏女委員】 教育目標で先ほどから話が出ている上から2つ目の家族や身近な人への信頼感を深めること、それからその下の規範意識の芽生えを養うことというのは、相互に深く関連していることではないかと思いますし、また何人かの先生がそんなふうにおっしゃっていらしたのではないかと思います。そういう意味でいえば、幼稚園の教諭と親が親しくするということの重要性を訴えたいと思うのですけれども、私は教諭と親が親しくしていることが、つまり自分の大好きな先生と自分の大好きな親が仲よくしているんだということが、家族や身近な人への信頼感も深めることにもつながっていくんだろうと思います。 もう1つは規範意識の問題ですけれども、先ほど渡邉委員がおっしゃった、幼稚園で自分を出せる子どもは、場合によってお家で自分を出せていない子どもである可能性があるし、あるいは両方ともで自分を出しすぎていて統制がとれていないという子どももいるでしょうし、両方ともで自分を出せていない、あるいは出しすぎている、そういう幾つかのタイプが、パターンがあるんだろうと思います。そういう意味では、子ども自身は幼稚園の時間というのは生活時間のわずかの時間ということで考えれば、子どもの生活全体を視野に入れていくということがとても大切ではないかなと思っています。そういう意味では、教育内容のところに、目標とするかどうかはわかりませんが視点として、子どもの生活全体を視野に入れて教育内容を構成するという視点を入れていくことが大切なのではないかと思います。 それから2番に入らせていただいて、今私が申し上げたことに関連しますが、学校教育法第24条で、幼稚園において、家庭及び地域における幼児期の教育の支援に努めるとある。この家庭の中には2種類の家庭があって、1種類は幼稚園に子どもを通わせている家庭の問題、もう1つは幼稚園に子どもを通わせていない、主として地域の子育ての支援と呼ばれている0~2歳の親の子育ての支援ということなのだろうと思うんですが、特に幼稚園に子どもを通わせている親の支援ということを、先ほど申し上げました生活全体を視野に入れる、あるいは幼稚園教諭と親が仲よくする関係をわかちあうということ、これをすごく大事にして、教育内容にそれを反映させていくということが大事なのではないかと思います。子どもの育ち等の現状の後ろのほうを見ておりますと、幼稚園でもさまざまな幼稚園に子どもを通わせている親の子育ての支援活動を行っていますので、そうしたものを教育内容、あるいは教育の目標の1つとして特に重視していく必要があるのではないかと思っています。 以上です。 【無藤主査】 重要な論点ありがとうございました。 では、岩田委員。 【岩田委員】 先ほどから出ている意見、遊びの中でという話ですけど、僕が一番最初に言った総則のところに、「その後の教育の基礎を培うもの」ことということについての補足的な説明として、遊びや子どもの生活の重要性を入れ込んで述べるというのも、考えられるんじゃないかと思います。思考力や規範意識については、それぞれの内容の取扱いのところでどう書くかということともつながってくるんですが、一応は思考力は環境のところに入っているし、規範意識は対人関係に入っています。しかしながら子どもの生活全体の中でそういうものが育つんだと思います。そうすると、これもたびたび出ているんですけれども、一応領域というふうに5つ区切ってますが、実はお互いに密接につながっているのにそうでないというふうな形で誤解される。小学校の教科みたいな形で誤解されてしまう。 それで、考えているんですけど、第2章のねらい及び内容のところで、一応は各領域で示すねらいの中で、幼児がさまざまな体験を積み重ねる中で相互に関連を持ちながらと書いてあるんですけれども、ここのところをもう少し現場の先生が、領域別というのは一応はあるのだけれども、それらは相互につながっているものだということを、もう少しそこで詳しく説明するということも必要ではないかと思います。例えば、子どものある面へスポットを当てると、そのスポットを当てたところがたまたま言葉なり環境という領域であると。しかしながら、その領域が図として成り立つには背景のいろんなそのほかの領域が地として背景にあるわけで、その上にその領域が成り立っているんだというようなたとえで、領域と領域の関係やつながりというものをもう少しイメージ化しやすいような形で書けばいいんじゃないかと思います。 【無藤主査】 ありがとうございます。榎沢委員。ここで論点 【榎沢委員】 岩田先生がおっしゃられたこととも関係しまして、新しい学校教育法の条文を見てみますと、例えば子どもの生活全体ということの中で、規範意識にしろ思考力にしろ、いろいろな子どもの側面というのが育っていくということが見えにくいような書き方になっているかなと思うところがあります。豊かな感性と表現力の芽生えを養うということが、音楽、身体による表現、造形等に親しむことでというふうに特定の分野といいますか、そことの関連で感性というようなことが出てきてしまっているかなと思います 私、つい2週間ぐらい前にある幼稚園に伺って子どもたちと午前中一緒に遊んでいたときに、「森」と子どもたちが呼んでいるところに虫網を持って子どもたちが先生と行くわけです。森ですからいろんなものがいるんですけれども、モグラがいたわけです。姿は見えないんですけれども、地面が盛り上がるわけです。子どもたちはびっくりするわけです。そこで子どもたちの思考が始まるんですね。すぐ近くには芋畑があるんです。芋畑のそばにも穴があったなということを子どもたちは気づいていくんですね。先生がこれはモグラだということを教えてあげるんです。子どもたちは、お芋を食べにきたんだよとかいろんなことをそこで一生懸命考えていくわけです。まさに思考を働かせているわけです。自分が出会ったことを自分なりの論理の中で何とか解決しようとして働かせているわけで、大人からすればそれは正しい結論とは言えないわけですけれども、彼らの考えて出してくる考えに、私はむしろそのおもしろさに感心するわけです。森の中で彼らは虫を捕まえようと思って虫網を持っていくんですけれども、モグラに出会ってしまったりとか、それから見たことがないようなキノコを見つけるわけです。そうするとこれは何だろうと考えたりとかするんですね。森の中、彼らは繰り返しそこに行っているはずなんですけれども、行くときによって新しいことに出会って、それを一緒にいる先生が不思議だねとかいろいろ子どもたちの発見にのっていくことによって、子どもたちが新しいことをそこで考えたり発見したりということがどんどん展開していくんです。いわば自然とか生命とかということに子どもたちがぶつかって、今まで子どもたち自身が気づいてなかったことにそこで改めて気づく。そういうことが実は子どもの感性に全部かかわってきていると思うんです。 そういう意味で、特定の教科とか活動にすぐにつながってしまって、それでないと育たないような書き方にはならないように、子どもが生活全体の中で、主に遊びですけれども、全体の中でどんなふうにいろんな側面が刺激されていくか、それをやはり考えないといけないだろうと思います。 思考力の芽生えも今申し上げましたようにいわゆる子どもらしい思考の仕方をしているわけで、それを一緒にいる先生が共感してあげることが子どもなりにまた新しい環境へのかかわり方を生んでいくということで、思考力の芽生えを、幼児なりの、その子なりの考えを大事にするような書き方が必要ではないかと思います。 以上です。 【無藤主査】 まだありそうですが、時間の関係で、論点 【大竹委員】 先ほど子どもの育ち等の現状、資料21をいただいて、預かり保育の推移の数字を見て本当にびっくりしました。私どもの園でも、平成14年に始めたときには60パーセント程度だろうと思っていたんですが、この伸びでずっといったらおそらく全国の幼稚園はどこでも長時間の保育をするような姿に今後10年以内に変わるであろうし、そうしたときにそのことは幼稚園の機能の拡充になったんだろうというふうに結果的には思うわけです。ところが、ここで何も、子どもたちの側に立つ内容や、それからこの預かり保育という名前も何か変ですよね。私どもの園でもさっき、今日は終業式ということは言ったけれども、続いて幼稚園に来る方もいるわけです。そういった意味でお子様方はお預かりとかいう言葉を言ったりするわけですね。もう少し子どもの側に立つ名称も考えていく必要があるし、多分全国のありようがさまざま、中身はどのようになっているのか、私どもの自分の自治体のことしかわからないんですが、ふさわしい時間もあるだろうと思いますし、子どもの心身の疲労等に配慮し、夏は暑いし、幼稚園でもない、かといって保育所でもない、幼稚園機能の新しい拡充としての保育をきちんと、保育内容の基盤整備まで含めて考えていく時代が来たなと思います。 その意味では、人の体制もそうなんですが、教育要領の中でそんなことを表していくとしても、保育の計画をちゃんと持たないで長時間預かるのは子供たちにとっても大変ストレスが多い時間になってしまうので、教育課程の編成のところの項もありますけれども、教育課程外でどのように位置づけたらいいのかというところの書き込みも丁寧に必要に応じて書いていくことが求められているなと実感しております。 以上です。 【無藤主査】 ありがとうございます。非常に大事な方向だと思います。 ほかにご意見いかがでしょうか。渡邉委員、お願いします。 【渡邉委員】 これは僕も幼保一体型施設をやっている感想なんですけれども、幼稚園というところが子育ての支援イコール預かり保育みたいなところの現状というのは僕はちょっと危惧しています。保育所はいろんなことをやっています、一時保育もやっています、いろんなことをやっていますと言っているんですけれども、家庭や地域における幼児期の教育を考えていきながら子どもの育ちをとらえたときに、幼稚園の通常保育の中だけで何を考えていくかというのと、預かり保育を含めて何を考えていくかという両面必要だと思うんですけど、これは僕が個人的に思っていることなんですけど、幼稚園というのは親を巻き込みやすいところだと思っています。例えば親のために長時間子どもを預かるという話ではなくて、どちらかといったら子どもの育ちがそれこそ遊びの中で子どもがこれだけ育っているというのがどれだけ社会に認知されているかといったら、多分私立の幼稚園を含めてほとんど遊びが大事ですと言って、親がその園に対して保育料を払うというのは本当に難しい時代になっていると思っております。どちらかといったら何かをやってくれるとか教えてくれるということが現状では強いとするときに、本当は乳幼児期に子どもがどう育っていくのか、そのために幼稚園はどういうことをしているのかとか、お母さん同士がそのことを大事にして地域の中でもうちで子供を預かってあげるよとか、何かあったらお互いに子どもを、自分の子だけではなくて、地域の子どもたちを私たちは育てようという意識を持ってもらえるとかというところを考えていくと、ここのところを多分大事にしないと僕は幼稚園の教育は伝わらないという、幾ら幼稚園教育要領がこう変わりましたといってもなかなかそこが伝わらないという危機感を持っておりますので、そういう意味では、子どもが本当に生活をしている中で子どもらしく生活をする場所がなくなってきているというならば、幼稚園を開放することも大事でしょうし、0、1、2の親子に対しても開放していってもいいと思うんですけれども、その中で子育ての大変さだけじゃなくて、楽しさとかおもしろさとか、子どもが育っていくことの意味みたいなことをきちんと伝えようとすると、これは僕は今の保育所の現状では難しいだろうと思って、やっぱり幼稚園がきちんとやるべきだ。子育ての支援の中心なんだという思いがあるので、どちらかといったら保育そのものがイコール子育ての支援というようなイメージのほうが大事なんだろうという気がするんです。専門家だけが、保育をしている者だけが、保育者で専門家だから保育のことはわかるのよ、親は違うのよというのではなくて、そこに親がどう入ってくるかとか地域の人がどう入ってくるかということを、そこがきちんとできると、小学校以上の先生たちが大変なのは保護者との対応だったりするわけで、そういう意味では2のところがきちっと、総則なり何なりにきちっと位置づけられるということを願っています。 【無藤主査】 ありがとうございます。小田委員、お願いします。 【小田委員】 渡邉先生がおっしゃったとおりで、私は今回の教育要領の一番大きなポイントは、もちろん1も大きなポイントですけど、大事なのは2のほうだろうと思っているんですね。これがどう位置づけられるかということで幼稚園の新しい在り方が問われるのではないか。薄々は感じていたとは思っていたけれども、保育所と幼稚園がどこか違うかというと、保育所はある法律のもとで決められた人、規定どおりにいうならばその形の子どもたちを預かるという形で親の委託を受けるわけです。ところが幼稚園はどんな子どもでも預からなければいけないんです。預かるといったらおかしいけど、どのような子供たちも教育を受け付けなければならない。それが今までは午前中という、4時間という形のもので位置づけられていたものが、教育課程外の教育という形で今度は子育ての支援ということが、果たして出るかどうかわかりませんけど、文部科学省も僕は子育ての支援をどこでするのか、どこの課でやったらいいのかというのは多分決まってないんだと思うんです。それが初めて子育ての支援というものを、子育ての支援教育という言葉をつけるとすれば、幼稚園教育要領かもしれないなと非常に大きな意味を感じているわけです。子育ての支援そのものが初等中等教育局じゃないし、生涯局の中でもあるかどうかという、子育ての支援という形で教育、子育ての支援教育というのはどういうことなんだということになるとかなり難しい。学校教育法の24条の重みはすごく大きいという意味でいえば、従来どおりのような形で教育要領が1章、2章、3章という形でいけるのか、3章の中をどのような形で位置づけ直して、幼稚園というものがやっぱり新たな段階に踏み出してきているということは渡邉先生がおっしゃっているとおりで、やっぱり子どもが中心で、子供をどういかに育てていくのかということを親御さんと一緒に感じ取らない限り、どうしようもならないんですね。 だから、そこのところで教育課程外の教育をだれが担っていき、どのような形の責任をきちっと位置づけるかというのがいずれ書き込まざるを得なくなってくる。この中ではすぐには書き込めないとしても、やっぱり教育要領の解説書の中には相当その部分を意識しなければならないという点で、2で言われていることは、教育課程外の教育が位置づくというだけではなくて、法律でこれは書かれるわけですから、幼稚園が持つ役割は何なんだということがもう一度問われているようなところもあるという点では意識しておかなきゃならないと思っている。言っていらっしゃる内容そのものについては、僕は渡邉先生のおっしゃっているとおりで賛成だと。ただ、この文言を、みんなで共通理解をしておかないといけないんじゃないか。単に預かり保育をやるかやらないかとかいうようなことではないと思う。 【無藤主査】 塩委員、お願いします。 【塩委員】 先ほども発言させていただきましたけれども、私はこのたび教育課程その他の保育内容というふうに、そこが位置づけられて、それで子どもたちのためにどのような生活をすべきかというところは、現行の幼稚園教育要領では適切な指導体制を整えるとともにという形で、家庭との連携を緊密にとるような配慮が必要だということが書かれているわけでして、その時間帯、例えば預かり保育を、ちょっと言葉は悪いですけれども、そういうその他の保育を受けるときに内容的にどのようなことを考えていくことが子どもたちのために、子どもという視点から見たときにどういう生活が必要なのかということをもっと私たちが検討すべきじゃないかなというふうに先ほどそういう趣旨でお話ししました。 例えば、保育所と違うところは、そこが状態ではなくてその子どもが受ける時間というのはばらばらになってくるわけですし、夏季、長期休業中も実施しているところがこれだけあるという現状も踏まえたときに、そういうことを子どもたちの発達との関連というものを見過ごすことはできない。それから、生活経験等の不足みたいなものも生じてきますし、先ほどの話にもありましたように疲労ということもありますけれども、そこでどういう生活体験をするのかというところが私たち幼稚園を運営する者として、保育内容という視点から考えていく必要があるんじゃないかな。それはふだんの生活についているもの、それだけじゃなくて、特別に教育も行われている長期の休業中とか土曜日、日曜日ということはないでしょうけれども、土曜日というようなことを考えたときにどうあるべきかということも考えなくちゃいけない問題だというふうに思います。 【無藤主査】 ありがとうございます。小川委員。 【小川委員】 今の小田先生の話なんかを考えると、この問題は幼稚園教育要領さえも超えていると。つまり厚生労働省とかそういう問題を、さっき柏女先生も、子どもの生活全体と言ったけれども、学校教育法24条の中身を決めていく場合に将来、教育要領の枠そのものも広げて認定こども園なんかも含めた場合に、そういう広い視野で子どもの生活全般のコンセンサスをつくるという状況が出てくるということの展望の中でここのところを決めていかざるを得ないだろうというふうに私は思っています。 【無藤主査】 河邉委員。 【河邉委員】 これだけ多くの幼稚園で、一日の時間も長く、そして一年の教育日数も長く保育をするようになって、一番問題視しなくちゃならないのは、一日の遊びの時間、教育課程の質が決して薄まってはならないわけですよね。遊びの質も低下してはならないし、教育の質が低下してはならない。遊びが重要ということを打ち出して、その中で感性も豊かにするし、思考力も芽生えるし、人間関係も育てるし、ものすごく比重の重たい時間を教育課程の中で保証しなくてはならない。小学校の1年生よりも長い時間、教育施設にいて、やはりどこかで色合いをしっかり出して、質を守る部分と、それからこれだけ多くの子どもが長く幼稚園にいる時間との色合いをしっかりどこかで出していかなければならないだろうと思います。子育ての支援というのは、平成17年度に出した中央教育審議会の答申でも子育てを肩がわりすることではないんだとはっきり出していますので、そこのところをもう一回強調し、しっかり子どもを育てるということも子育ての支援の1つであり、そして預かり保育は色合いを違えてこういう方法でやっていくということもしっかり出すべきじゃないかなと思います。 【無藤主査】 では今、手を挙げている方、論点 【小枝委員】 預かり保育が随分と人数が増えてきたので幼稚園の役割が見直されてというお話が出ていますが、卒園のところで預かり保育を受けた子と受けてない子とで最終的な到達度に差があってはまずいんじゃないかなと思うんですね。預かり保育はやはり預かり保育なので、最終的な何年間かの幼稚園での教育を受けたものに預かり保育を受けた人と受けてない人とで差があってはいけないんじゃないかな。そこは教育としてきちんと、預かり保育を受けなかった人もゴールとしては同じであってほしいと思います。 【無藤主査】 では次に移ってよろしいですか。それでは、もう1つ論点 【田河幼児教育課長】 簡単にご説明しますと、論点 資料15の論点 【無藤主査】 この議論は、一番重要なところなので意見を出していただければと思いますが、いかがでしょうか。小枝委員、お願いします。 【小枝委員】 1番のところで思考力の芽生えを養うとか、相手の話を理解しようとする態度を養うとか書いてあるんですけれども、それが育ちにくい子はどうしたらいいだろうと思いながらずっと話を聞いていました。そういったお子さんも幼稚園の中にいて、一緒に育んでいただきたいという思いがあります。具体的な文言ですと、個々の幼児の発達の配慮に関する内容というものが大きな2番のところ「 以上です。 【無藤主査】 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。赤石委員、お願いします。 【赤石委員】 特別支援教育について幼稚園では本当にたくさんの幼児が公立でも入ってきている、私の幼稚園でも特別な支援を必要とするお子さんがたくさんいて、教員のほうの意識も少しずつ変わってきたので増えているとそれを感じるのかなとも思いますが、これに当たってはやっぱり幼稚園の中だけではなくて関連の施設との連携、支援体制づくりがすごく求められると思います、教員の資質の向上にも。現行では特に留意する事項のところに、(2)のところに3行で障害のある幼児の指導のことが書かれているんですが、これについてもっと書き込んでいく必要があるのではないか。支援体制の充実というところをしっかりと書いて特別な支援を必要とするお子さんの個別の発達の実情に応じた援助を幼稚園の現場で極めていかなければいけないのではないかと強く思います。 【無藤主査】 小田委員、お願いします。 【小田委員】 今、赤石先生がおっしゃったところを具体的にいうと、個別の指導計画を作成することと個別の教育支援計画を立てるということが幼稚園のほうではうまく伝わってなくて、個別の指導計画、一人一人に応じるということが非常に大切だということはわかっているんだけど、その子が将来に向かってどのように育っていくのかということを見通して今をどう育てるかということがわりとうまくいっていないわけですよね。ですから赤石先生がおっしゃるように、その子を今どうするかという問題もあるけれども、その子がずっと育っていく、ずっと遅れながら育っていくわけだけれども、その子どもが育っていく過程の中で、今の幼児期にどのようなことが計画できるか、つまり将来を見通した中でどう立てるかということが非常に欠けていて、どちらかというと一人一人に応じるという刹那的になってしまうんですね。だから、そのあたりをもう少し詳しく今後は小枝先生を含めて専門家がいらっしゃるのでこういうところで議論をしながら、もう少し熱く書くべきではないかなと思っている。そのときに個別の指導計画と個別の教育支援計画とは違うということをしっかり踏まえないと、障害にかかわる子どもたちの問題、発達障害にかかわっては特にそうなんだけど、理解しにくいところがある。やりすぎてはいけないこともあるし、今をどうするのかというのと、将来の中の今というのはどういうことか。 【無藤主査】 ありがとうございます。今の点は特別支援教育の専門部会が別にあるわけで、そちらの議論と何らかのつながりをつけながら、教育要領ではどこまで書くかとか、あるいは別な場所に書くのかとか、いずれ吟味が要ると思います。 杉原委員、お願いします。 【杉原委員】 赤石委員が発言されたこととダブるんですけれども、学芸大学附属幼稚園では発達障害を持った子どもを受け入れて、実際私も近くで見てまいりましたけれども、障害を持ったお子さんが普通のお子さんと一緒に保育される中で、非常に教育効果が上がっていくし、それから障害のないお子さんも障害のあるお子さんから影響を受けてすばらしい育ちをしていくというのを私も見てまいりましたけれども、学芸大学附属の幼稚園の場合は大学に専門の先生がおりまして、いつも連携をとりながらやっていったおかげもあると思うんですね。そういう意味では全ての幼稚園でそういうことを同じような形でやるのは非常に難しいかとは思いますけれども、幼稚園だけに任せてしまうのではなくて、専門家と連携をとりながら子どもたちを見ていくということをぜひ書き加えていく必要があるのではないかという印象を持っています。 【無藤主査】 ありがとうございます。渡邊委員、お願いします。 【渡邊委員】 先ほど無藤先生のほうから、特別支援学校の教育課程との関連も考えていくというお話もあったんですが、すみません、特別支援から離れますが、内容を充実させる事項の検討例で、体を動かす遊びの充実に関する内容というところで、幼稚園の場合、生活科を中心として関連を考えていくということもあるんですが、小学校の学習指導要領の体育の関係のほうが、今までは遊びの部分もかなりあったようなんですが、今後はどうなっていくのかという情報も提供していただいて、やっぱり幼稚園のほうで教育要領のところに詳しく説明するのであれば遊びの部分がもしかしたら少なくなるようなことがあればもう少し詳しく書いていかなければならないだろうということも考えられるので、この辺の体育関係の学習指導要領の動向もちょっと今度お聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。 【無藤主査】 今の点は事務局で情報があればいずれまたお願いします。 ほかにいかがでしょうか。塩委員、お願いします。 【塩委員】 特別支援教育のほうに戻りますけれども、幼稚園は一人一人の子どもたちの個性、個人の成長・発達というのを受容的に受けとめて指導しようということが先生方の基本的な姿勢の中に強いと思うんですね。そういうことに隠れて、個々の幼児の発達特性を踏まえた上での適切な指導というのが行われているかどうかという見直しが必要だと思うんですが、特に特別な支援を必要とする幼児に対する専門的な、幼稚園として何をすべきかというような研修やその辺の専門性みたいなものも私は不十分ではないかなと。そういうことを別のところで補充するとしても、個々の幼児の発達特性を踏まえた上で、私たちは全部一人一人を受けとめてというふうに先ほど小田委員がおっしゃっていましたけれども、そういうところに陥りやすい。それは本当に子どもたちに適切な指導が行われているかどうかの検討を鈍らせるということになると思うんです。そういう意味でもう少し書き込む必要があるかなと思います。 【無藤主査】 ありがとうございます。それでは渡邉委員と浅田委員で切らせてください。 【渡邉委員】 特別支援教育のことに関しては、まだすごく難しい部分がいっぱいあるなと、自分の園で障害のある子たちとかかわっていて思っています。1つは幼稚園関係者が結構いうのは、ボーダーの子が多くなってきて、特別な支援が必要な子だとわかればいいんですけど、わからない限り、それから親が認めない限りは進みようがないんです。療育センターか何かで、あなたはこうですよといった限りに補助金がおりてくるんですけれども、それで体制が組めるんですけれども、結構どうしていいかわからない子たちが増えてくるというところでは、そこに対して親のフォローも難しくて、療育センターで診断を受けるには半年ぐらい待たされるとかという話も出てきたりとか、受けたからといってそれを親が認めるかという話とか、周りのお母さんたちがあの子がいるからうちの子は面倒見てもらえないみたいな、そういう冷たさもあったりとかすると、特別支援教育の範疇に入るお子さんたちや親御さんは苦しんでいます。小学校に入学するときにも特別支援学校に行くか、小学校の特別支援学級に行くか、普通の学級に行くかというところで選択がなかなか難しかったりとか、そのフォローもなかったりする中で、園に情報がなかなか入ってこないということも難しいところもあります。 それから預かり保育の中で、その子たちを少しは親が安心して見てほしいといっても、そこに対するフォローもなくて、かといってじゃあ保育所みたいに長ければいいかというと、人のかかわりの難しい子がずっと延々と園の中にいるというときのその子たちの難しさというのも感じたりすると、組織的、計画的にといったときに、園の中でどういうふうに入園してきて卒園してどういうふうに小学校に向かっていくのかというのが語られないと、ただやりますといってもなかなかその子たちが過ごしやすいような生活を保証するということは難しいのではないかと思っています。 【無藤主査】 では最後、浅田委員、お願いします。 【浅田委員】 この特別支援教育、私の区も今年から始めたんですけれども、とりあえず人の配置はできてきたんですが、実際ここにある個別指導計画、個別教育支援計画、これを小学校でも作成するのはなかなか難しい。私もこの辺の指導計画をどう策定したらいいかという具体的なアドバイスがなかなかできないところもあるので、やっぱりこれには本当に専門家の特別支援チームみたいな形のものがきちんと設けられて、各学校や各園に派遣されて指導と支援をやらないとなかなか難しいかなという感じがします。私はそういう幼児や子どもたちが学級の中で一緒に育っていくメリットというのはたくさんあると思いますので、先ほど塩先生も言ったように、先生方の研修と資質をどう高めていくかということも不可欠の問題になっているので、その辺もぜひやっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 【無藤主査】 ありがとうございました。まだおありかと思いますが、時間になりましたので、これまでとさせていただきます。 今後のことにかかわりましてですけれども、今後、幼稚園教育要領を含め学習指導要領全体の見直しを進めるわけでありますが、今年度中の改訂を目指して取り組むということになっております。本日の論点表として、論点 また先ほど申し上げたように、特別支援教育に関しましては、本部会とともに特別支援教育専門部会、教育課程部会におきまして、幼児期の特性を踏まえ、幼稚園教育としてどのような改善を図るかについて引き続き検討していく必要があると思っております。 本日は限られた時間内でご議論いただきましので、十分意を尽くされなかったこと、また後で思いつかれたことなどを含めましてご意見、またお気づきの点などはペーパーで事務局あてにご送付いただければと思います。よろしくお願いいたします。 それでは今後の日程等につきまして、事務局からご説明をお願いいたします。 【大谷企画官】 本日は長時間にわたりご審議いただきましてありがとうございました。今後の日程につきましては、現在、先生方の日程を伺って調整をしているところでございますので、決まり次第こちらからご連絡を差し上げるようにいたしたいと思います。 また今、無藤主査からお話がございましたように、言い足りなかったご意見等につきましては、ペーパーによってご意見をちょうだいしたいと思っておりますので、ファクス、またはメール、郵送などでも結構ですので、ご意見があればお寄せいただきたいと思います。 なお、今回につきましてはいろいろ論点の整理ということもございますし、特に 以上です。 【無藤主査】 今日は非常にせわしない討議になりまして申しわけございませんでした。 時間ですので、本日はここまでといたします。長時間ありがとうございました。 |
─了─
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