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資料18

図画工作科、美術科、芸術科(美術、工芸)の現状と課題、改善の方向性(検討素案)(教育課程部会等の審議を踏まえて再整理したもの)

1. 現状
 図画工作科、美術科、芸術科(美術、工芸)は、表現及び鑑賞にかかわる幅広い活動を通して、美術を愛好する心情と美に対する感性を育て、造形的な創造活動の基礎的な能力を伸ばし、豊かな情操を養うことをねらいとしている。
 このねらいを実現するため、内容は小学校、中学校、高等学校を通じて「A表現」と「B鑑賞」で内容を構成している。また、「A表現」は、小学校では「楽しい造形活動(造形遊び)」、「絵や立体、つくりたいものをつくる」、中学校では「絵や彫刻など」、「デザインや工芸など」、高等学校芸術の美術では「絵画・彫刻」、「デザイン」、「映像メディア表現」、工芸では「工芸制作」、「プロダクト制作」から構成している。

2. 課題
 感性を働かせて思考・判断し、創意工夫をしながら表現したり作品を鑑賞したりするという一連のプロセスを働かせる力を育成することが求められている。また、学習内容によっては、児童生徒の興味や関心の高まりを資質や能力の向上に生かし切れていないことが課題として見られる。
 実生活や実社会を視野に入れた学習や生活の基盤づくりを重視する観点から、生涯にわたって美術に親しみ、生活や社会に生かしたり豊かにしたりする態度の育成が求められている。
 感じ取ったことをもとに、自分の思いや考えを大切にしながら、自分なりの意味、新しい美、自分を発見するなどの鑑賞の学習が求められている。
 発達に応じて、我が国の文化等にかかわる学習を通して、その継承や創造への関心を高めるとともに、諸外国の文化のよさを理解することが求められている。

3. 改善の方向性
 表現や鑑賞の活動を通して、感性や想像力を働かせながらよさや美しさを感じ取り、思考・判断し、表現するなどの資質や能力を育て、各学校段階の特質に応じて、生活の中の造形や美術の働きや美術文化などについての関心や理解を深め、生涯を通じて主体的にかかわっていく態度をはぐくみ、豊かな情操を養う指導が一層充実して行われるようにする。
 豊かな感性や情操を育てるために、よさや美しさを豊かに感じ取ること、自分の思いや考えを生かしてよいもの美しいものをつくりだすこと、その喜びを実感的に味わうことなどを重視する。そのために、育成する資質や能力と内容との関係を明確にするとともに、小学校図画工作科、中学校美術科において領域や項目などを通して共通に働く資質や能力を整理し、[共通事項]として示す。
 形や色などによるコミュニケーションを通して、生活や社会と豊かにかかわる態度をはぐくみ、生活を美しく豊かにする造形や美術の働きを実感させるような指導を重視する。
 感じ取る力や思考する力を一層豊かに育てるために、自分の思いを語り合ったり、自分の価値意識をもって批評し合ったりするなどして、自分なりの意味や価値をつくりだしていくような鑑賞の指導を重視する。
 美術文化の継承と創造への関心を高めるために、作品などのよさや美しさを主体的に味わう活動や、我が国の美術や文化に関する指導を一層充実する。

4. 改善例

【小学校】
 表現や鑑賞の活動を通して、自らつくりだす喜びを味わうようにするとともに、感性や想像力、手や体全体の感覚などを働かせながら造形的な創造活動の基礎的な能力を高め、生活や社会と主体的に関わる態度を育て、豊かな情操を養うことを重視して、次のような改善を図る。
(ア)  育成する資質や能力を整理し、表現や鑑賞の過程で働く力を明確にするとともに、それらが関連して働くように内容の改善を図る。また、児童が自らの行為や感覚をもとに形や色、イメージなどを活用して活動することができるように、領域や項目などを通して共通に働く資質や能力を[共通事項]として示す。
(イ)  生活や社会との関わりの観点から、身の回りの形や色、環境などから感じ取ったことを伝え合ったり、手や体全体の感覚を働かせたりしながら材料や用具を活用する活動を児童の発達に応じて整理して示す。
(ウ)  鑑賞においては、自分の思いを語る、友だちとともに考える、感じたことを確かめるなどを通して、自分自身で意味を読み取り、よさや美しさなどを判断する活動の充実を図る。
(エ)  暮らしの中の造形や我が国や諸外国の親しみある表現などに関する学習では、作品などのよさや美しさを主体的に味わったり感じたりすることを重視する。

【中学校】
 表現や鑑賞の幅広い活動を通して、美術の創造活動の喜びを味わわせ美術を愛好する心情を育てるとともに、感性を豊かに働かせて美術の基礎的能力を伸ばし、生活の中の美術の働きや美術文化についての理解を深め、豊かな情操を養うことを重視して、次のような改善を図る。
(ア)  育成する資質や能力を整理し、「A表現」を発想や構想に関する項目と、表現の技能に関する項目に分けて示し、それらが関連して働くように内容の改善を図る。また、形や色、材料などから性質や感情、イメージなどを豊かに感じ取る力を育成するため、領域や項目などを通して共通に働く資質や能力を[共通事項]として示す。
(イ)  生活や環境の中の造形のよさや美しさなどを感じ取る学習や、自分の気持ちや伝えたい内容などを形や色、材料などを生かして他者や社会に表現する学習を一層重視する。その際、身近な環境について、安らぎや自然との共生などの視点から心豊かなデザインをする学習については、鑑賞の視点からの充実を図る。
(ウ)  鑑賞においては、感じ取ったことや考えたことなどを自分の価値意識をもって批評し合うなどして、自分なりの意味や価値をつくりだしていくことができるように指導の充実を図る。また、鑑賞に充てる授業時数を十分確保するようにする。
(エ)  我が国の美術についての学習を重視し、美術文化の継承と創造への関心を高める。また、諸外国も含めた美術文化や表現の特質などについての関心や理解、作品の見方を深める鑑賞の指導が一層充実して行われるようにする。

【高等学校】
 中学校美術科との関連を考慮し、美術や工芸の表現や鑑賞の能力を更に高めるとともに、個性を生かした創造的な活動を行い、生涯にわたって美術や工芸を愛好する心情を育て、芸術としての美術や工芸を理解し、自己の価値観を形成し、美術文化についての理解を一層深め尊重する態度を養うことを重視して、次のような改善を図る。
(1) 芸術(美術)
(ア)  「美術1」においては、芸術としての美術への関心や理解を高めるとともに、我が国の美術や文化についての学習を重視し、美術文化に関する鑑賞が充実して行われるようにする。また、鑑賞に充てる授業時数を十分確保するようにする。
(イ)  「美術2」においては、豊かな美的体験を通して実感をもって美術についての理解を深めるとともに、個性を生かした創造的な美術の活動をしていくための資質や能力を高める。そのため、現行では表現領域の各分野と鑑賞領域のいずれかを選択して学習できることとしているが、表現領域のいずれか一つ以上の分野と鑑賞領域を学習するようにする。
(ウ)  「美術3」においては、個性をさらに伸ばすことができるようにするため、現行と同様に表現領域の各分野及び鑑賞領域から一つ以上を選択して学習する。
(エ)  現行と同様に、「美術2」は「美術1」を履修した後に、「美術3」は「美術2」を履修した後に履修させることを原則とする。
(2) 芸術(工芸)
(ア)  「工芸1」においては、芸術としての工芸への関心や理解を高めるとともに、我が国の美術や文化についての学習を重視し、美術文化に関する鑑賞が充実して行われるようにする。また、鑑賞に充てる授業時数を十分確保するようにする。
(イ)  「工芸2」においては、豊かな美的体験を通して実感をもって工芸についての理解を深めるとともに、個性を生かした創造的な工芸の活動をしていくための資質や能力を高める。そのため、現行では表現領域の各分野と鑑賞領域のいずれかを選択して学習できることとしているが、表現領域のいずれか一つ以上の分野と鑑賞領域を学習するようにする。
(ウ)  「工芸3」においては、個性をさらに伸ばすことができるようにするため、現行と同様に表現領域の各分野及び鑑賞領域から一つ以上を選択して学習する。
(エ)  現行と同様に、「工芸2」は「工芸1」を履修した後に、「工芸3」は「工芸2」を履修した後に履修させることを原則とする。


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