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資料6

現行の学習指導要領の成果と課題,見直しに関する意見(例)−芸術−


音楽,図画工作,美術,芸術

○教育課程部会での意見
日本人あるいは,社会人としてしっかりとした素養を身に付ける必要がある。そのためには,日本の伝統や文化,歴史の教育が重要である。
美に対する教育,文化に対する教育をしっかりするとともに,その機会の充実が必要。すばらしい作品やモラルの高い文章を子どもたちに読ませるべきである。
芸術・文化について,生徒の理解が伸びる方向できっかけを提供していくことが必要。
心を伝えるということ,感動を伝えるということが一番の基本である。教育現場と文化は離れがちであるが,文化,情緒,心を教育の中に取り入れることが大切である。
○義務教育特別部会での意見
芸術,体育,生活習慣,自然体験など,創造力や体力を身に付ける重要な活動の時数が減っている。
家庭科や書道といった,生きていく力を養う教科は減らすべきではない。
これからの日本は知的立国になる必要がある。科学技術立国であるのと同時に,文化芸術大国になるべき。教育の目的は国家・社会のためのみならず,ひとりひとりの国民が心豊かな人生を送るための基礎作りである。自立した個人の形成が一番重要だ。
豊かな心を育む教育の在り方に関する専門部会での意見
日本の伝統的な文化がもっている価値についてほとんど教えられていないのではないか。例えば庭をみて感動するなど感性的なものをいかにして育てていったらよいかを考えることが必要である。
日本人としての感性も大事にしていく必要があるのではないか。

●音楽,芸術(音楽)

主な論点の柱 調査結果等に基づく成果と課題(例)
1 知識や技能等の育成
 
音楽を表現するために必要な知識や技能
音楽を聴き,そのよさや美しさを理解し,味わうための知識

楽曲を仕上げることが目的になっている授業が見受けられる。表現したいイメージをもち,それを表すために必要とする技能,例えば,発声や楽器の扱い,読譜力などを身に付けさせる効果的な指導が必要。
ヘ長調及びニ短調の視唱・視奏(読譜に関する知識・技能)を削減したことが,児童の負担を減らし,学習への意欲を高めたと考えられる。
共通歌唱教材である文部省唱歌などの日本の歌については,児童の積極的な取組が見受けられ,歌詞の難しさについては,学習指導の工夫によって解決できているようである。
2 感性や表現力等の育成
 
自己の感性を働かせて音や音楽を知覚し,曲想などを感じ取る力(感受)
感受を基に,考え,判断し,表現を工夫する力

「音楽的な感受や表現の工夫」を意識した取組が増えてきた。
合唱や合奏などの音楽活動は積極的に行われているが,音楽の諸要素の働きや曲想の美しさなどを感じ取らせる指導の充実が必要。
児童生徒に感性や表現力をはぐくむ鍵活動となる創作が,年間指導計画の中で十分に時数を割り当てられていない傾向が見受けられる。
音楽に対する解釈や味わいなどを,音楽用語を用いながら文章等で表すことができる能力を高めることが課題。
3 学ぶ意欲等の育成
 
表現や鑑賞の学習内容に対する関心・意欲
音楽を愛好する心情の涵養

音楽科を「とても好き」「まあ好き」と回答した児童生徒は,小学生65.1%,中学生51.2%である。
多様な音楽にふれる喜びを引き出す学習指導の工夫によって,学習内容に対する児童生徒の関心や意欲を高めている。
創作に対して関心や意欲がやや低い傾向が見られるが,教師自身が苦手意識をもっていたり,十分な学習指導を行っていないためであると考えられる。
我が国の音楽・文化に愛着をもつとともに,西洋音楽を含む他国の音楽・文化を尊重する態度等をはぐくむことが必要。

●図画工作,美術,芸術(美術,工芸)

主な論点の柱 調査結果等に基づく成果と課題(例)
1 知識や技能等の育成
 
形や色,材料など造形に関する感覚
表したいことに合わせて,材料や用具を使うこと

材料や用具を使うことや表現することを楽しむ中で技能を身に付けたり,造形感覚を高めたりしている様子がみられる。
「造形遊び」において,楽しい活動をつくり出すことに重点が置かれ,学習活動に当たっての題材の系統性や指導のねらいが必ずしも十分でない。
固定的な手順通りにつくらせたり,特定の表現方法に重点をおいて指導したりするなど,子どもの資質や能力が十分に発揮できない授業が一部に見られる。
自然や身近なものを観察し,形や色彩の特徴や美しさなどをとらえて描く力を育てる指導が十分でない。
2 感性や表現力等の育成
 
感じたこと考えたことなどをもとに豊かに発想したり,美しさや用途などを考えて構想したりする能力
感性や想像力を働かせて,対象のよさや美しさを感じ取り味わう能力

体全体の感覚を働かせて発想や構想,自分の思いなどを豊かにふくらませたり,風,水,場所などの特徴をもとに造形活動を工夫したりするなど,学年の発達に応じて,資質や能力を関連的・総合的に働かせるような指導が成果をあげている。
個別指導などで考える視点を示したり,いろいろな技法を提案したりするなど,具体的な指導の手立てを講じることにより,発想が高まっている様子がみられる。
情報や気持ちを伝えるために,形,色,材料などの特性を生かし,その効果を考え,相手に分かりやすく,美しく表現する力を育てる指導が十分でない。
子どもが主体的に考え,対象のよさや美しさを味わったり,美術文化への理解と愛情を深めたりするような指導が十分でない。
3 学ぶ意欲等の育成
 
表現や鑑賞の活動に対する関心・意欲・態度
つくることの喜びや美術を愛好する心情

図画工作科,美術科を「とても好き」「まあ好き」と回答した児童生徒は,小学生73.1%,中学生51.9%である。
子どもの授業への関心の高さ,時間を忘れて造形活動に取り組む意欲,完成時の喜び,など「関心・意欲・態度」が高い様子がみられる。
子どもの高い「関心・意欲・態度」を,発想の能力や表現の技能などの育成に結びつけていない指導が一部に見られる。

●芸術(書道)

主な論点の柱 調査結果等に基づく成果と課題(例)
1 知識や技能等の育成
 
表現及び鑑賞の能力を育成するために知識や技能を身に付けること
筆などによる表現で,線質や墨色など表現に関わる知識や技能を身に付けること
鑑賞の能力を深めるために,書に関わる知識を身に付けること

書道1において「漢字仮名交じりの書」を必修としたことにより,古典の臨書中心の技能偏重的な学習が少し是正されたり,生徒の身近な言葉を表現したりすることにより書に親しみを持って取り組むなどの成果が見られる。
一方で,古典に対する理解や書写能力の低下も見られる。
中学校国語科書写から書道1への学習の継続性,連続性が課題である。
2 感性や表現力等の育成
 
感じたことや考えたことを生かして豊かに発想したり構想したりする能力
自己の感性を働かせて書のよさや美しさを感じ取る

生徒の表現力,発想力を生かした活動が多く見られるようになり書における個の育成などに成果が見られる。
その反面書の美しさをより深く考えたりより広く発想したりする能力の育成に課題がある。
3 学ぶ意欲等の育成
 
表現や鑑賞の活動に対する関心・意欲・態度
学習活動を通して育成される書を愛好する心情

指導と評価の一体化を図る学習が成果をあげている。
恒常的に生徒の書を愛好する心情の育成が課題である。


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