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教育課程部会 家庭、技術・家庭、情報専門部会(第5回) 議事録

1. 日時
平成19年7月20日(金曜日)13時~15時

2. 場所
アルカディア市ヶ谷「富士西」

3. 議題
家庭科、技術・家庭科、情報科の教育の改善充実について

4. 配付資料
資料1   中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会家庭、技術・家庭、情報専門部会委員名簿
資料2 初等中等教育分科会教育課程部会運営規則(平成19年3月16日教育課程部会決定)
(※外国語専門部会(第4期第1回(第16回))議事録・配付資料へリンク)
資料3 第4期教育課程部会の検討体制(PDF:51KB)
(※外国語専門部会(第4期第1回(第16回))議事録・配付資料へリンク)
資料4 教育課程部会の審議状況と今後の検討課題について(PDF:77KB)
(※外国語専門部会(第4期第1回(第16回))議事録・配付資料へリンク)
資料5 教育基本法改正に関する国会審議における主な議論例
(※教育課程部会(第50回(第3期第36回))議事録・配付資料へリンク)
資料6 「第3期教育課程部会の審議の状況について」(平成19年1月26日)
(※初等中等教育分科会(第46回)・教育課程部会(第3期39回)合同会議議事録・配付資料へリンク)
資料7 教育3法の改正について(PDF:463KB)
(※教育課程部会(第4期第5回)議事録・配付資料へリンク)
資料8 教育3法改正に関する国会審議における主な議論例
(※教育課程部会(第4期第5回)議事録・配付資料へリンク)
資料9 今後の主な検討項目と検討の進め方について(平成19年5月24日教育課程部会配付資料)
(※教育課程部会(第4期第3回)議事録・配付資料へリンク)
資料10 言語力育成協力者会議について
(※外国語専門部会(第4期第1回(第16回))議事録・配付資料へリンク)
資料11 言語力の育成に関する主な意見について(議論の整理用メモ)【修正素案】
(※教育課程部会(第4期第6回)議事録・配付資料へリンク)
資料12 言語力育成協力者会議【議論の整理用一覧表(修正素案)】
(※外国語専門部会(第4期第1回(第16回))議事録・配付資料へリンク)
資料13 家庭科、技術・家庭科の現状と課題、改善の方向性(検討素案)(教育課程部会(第3期第29回)配付資料)
(※教育課程部会(第43回(第3期第29回))議事録・配付資料へリンク)
資料14 普通教科「情報」の現状と課題、改善の方向性(検討素案)(教育課程部会(第3期第29回)配付資料)
(※教育課程部会(第43回(第3期第29回))議事録・配付資料へリンク)
資料15 教育課程部会(第3期第29回)における主な意見(家庭科、技術・家庭科、普通教科「情報」関係)
資料16 家庭、技術・家庭、情報専門部会(第3期第1回~第4回)におけるこれまでの主な意見
資料17 家庭科、技術・家庭科の現状と課題、改善の方向性(検討素案)(教育課程部会等の審議を踏まえて再整理したもの)
資料18 普通教科「情報」の現状と課題、改善の方向性(検討素案)(教育課程部会等の審議を踏まえて再整理したもの)

参考資料
  関係団体等からの要望書(家庭科、技術・家庭科、情報科関係)
「教育基本法の改正を受けて緊急に必要とされる教育制度の改正について」(答申)(平成19年3月10日)
(※中央教育審議会 諮問・答申・報告等へリンク)
教育再生会議 第一次報告(平成19年1月24日)(PDFファイル)
(※首相官邸ホームページへリンク)
教育再生会議 第二次報告(平成19年6月1日)
(※首相官邸ホームページへリンク)

5. 出席者
(委員)
間田主査、清水主査代理、牧野主査代理、井手委員、今成委員、今山委員、上原委員、内野委員、金子委員、上市委員、小泉委員、坂口委員、佐藤(文)委員、塩入委員、杉山委員、西村委員、松原委員、和田委員
(事務局)
文部科学省
布村審議官、たか橋教育課程課長、安藤参事官、井上視学官、牛尾視学官、合田教育課程企画室長、森友学校教育官、南野専門官、中沢情報教育調整官、岡教科調査官、望月教科調査官、上野教科調査官、永井教科調査官
国立教育政策研究所
大槻教育課程研究センター長

6. 議事等
【森友学校教育官】
 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第4期の第1回家庭、技術・家庭、情報専門部会の開会をさせていただきます。
 委員の皆様におかれましては、ご多忙のところご出席をいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、第4期の教育課程部会における第1回目の専門部会でございますので、冒頭事務局において議事を進めさせていただきたいと存じます。
 まず最初に、文部科学省におきまして、人事異動がございましたので、ご報告を申し上げます。
 まず、惣脇国立教育政策研究所教育課程教育センター長の後任といたしまして着任をいたしました大槻達也教育課程研究センター長でございます。
 常盤教育課程課長の後任として着任をいたしましたたか橋道和教育課程課長でございます。
 嶋貫初等中等教育局参事官の後任として安藤慶明初等中等教育局参事官が着任をしております。最後に、新たに教育課程課に着任をいたしました牛尾則文視学官でございます。
 それでは、引き続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。
 お手元の資料をご確認いただければと思います。資料1から4までが、専門部会の委員名簿ですとか、あるいは運営規則、教育課程部会全体の検討体制等を示している資料でございます。それから、資料5が、教育基本法の改正に関します国会審議における主な議論例でございます。資料6が「第3期教育課程部会の審議の状況について」という資料でございます。それから、資料7と8は、教育3法の改正に係る資料でございます。資料9につきましては、今後の主な検討項目と検討の進め方という資料でございまして、教育課程部会において配付をされている資料でございます。資料10、11、12につきましては、言語力育成協力者会議に係るそれぞれの資料でございます。資料13と14は、昨年の夏ごろに本専門部会におきましてご議論いただいて、おまとめをいただいた家庭科、技術・家庭科、あるいは普通教科「情報」の現状と課題、改善の方向性(検討素案)でございます。それから、それを教育課程部会に報告した際に出されました教育課程部会における主な意見というものを資料15に、あるいはこれまでの本専門部会における主な意見につきまして、資料16としておまとめをしております。それから、資料17と18が、先ほど申し上げました昨年の夏の教育課程部会において報告をしました(検討素案)をもとに、その後の教育課程部会における審議、等々を踏まえまして、再整理をしたものとして資料として配付をしております家庭科、技術・家庭科、普通教科「情報」の現状と課題、改善の方向性(検討素案)でございます。それから、机上に参考資料といたしまして、関係団体等からの要望書、あるいは教育再生会議の報告等を配付をさせていただいております。
 資料につきましては、以上でございます。
 それから、第4期の第1回の教育課程部会におきまして、第4期教育課程部会の検討体制につきまして、先ほど申し上げました資料3のとおりとすることをご了承をいただいております。また、同会議におきまして、資料2のとおり決定をいただきました教育課程部会の運営規則におきまして、専門部会の主査及び主査代理につきましては、部会長が指名をすることとされております。既に梶田部会長より間田委員を主査に、清水委員、牧野委員を主査代理にご指名をいただいておりますので、これにつきましてもご報告を申し上げます。
 次に、資料1として委員名簿を配付させていただいておりますが、今回新たにご就任をいただきました委員がいらっしゃいますので、ご紹介をさせていただきます。
 上市善章委員、千葉県総合教育センターカリキュラム開発部研究指導主事でございます。

【上市委員】
 よろしくお願いいたします。

【森友学校教育官】
 坂口一美委員。社団法人日本PTA全国協議会常務理事でございます。

【坂口委員】
 よろしくお願いいたします。

【森友学校教育官】
 それでは、本専門部会の進行につきまして、これより間田主査にお願いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

【間田主査】
 さて、本日の議事ですが、昨年本専門部会において、家庭科、技術・家庭科、普通教科「情報」の現状と課題、改善の方向性(検討素案)をまとめた後、教育基本法や教育3法の改正など大きな動きがありました。また、教育課程部会での審議も進んでおります。更に、言葉と体験を重視すべきとした教育課程部会の審議経過の報告を受けて設置された言語力育成協力者会議でも審議が進められております。本日は、これらを踏まえて、家庭科、技術・家庭科、普通教科「情報」の改善充実について審議したいと考えています。
 それでは、まず、事務局から教育3法の改正や教育課程部会及び言語力育成協力者会議での審議の状況について説明をお願いいたします。

【南野専門官】
 それでは、私のほうから、資料4、6、7、9を主に使いまして、これまでの教育課程部会における審議状況や先般国会で成立いたしました教育3法につきまして、ご報告させていただきたいと思います。
 まず、資料4をご覧いただきたいと思います。資料4でございますが、これまでの教育課程部会の審議状況など、これまでの経過についてまとめたものでございます。大きな四角3つ目のところでございますけれども、皆さんご案内のとおり、昨年2月に教育課程部会におきまして、学習指導要領の見直しの基本的方向性を示した「審議経過報告」が取りまとめられ、そこでは、言葉と体験の重視、国語力の充実、理数教育の改善、外国語教育の改善、食育の充実などが提言されたところでございます。その後、ここには書いてございませんけれども、これを踏まえまして、各教科等の具体的な改善の方向性の検討が行われ、本専門部会におかれましても、それぞれの教科の現状と課題、改善の方向性の(検討素案)をお取りまとめいただいたところであります。これらの(検討素案)につきまして、後ほどご説明申し上げますが、教育課程部会に報告させていただき、更に検討が進められたところでございます。
 次に、その後の状況でございますが、昨年の12月には、教育の目標や義務教育の目的を新たに盛り込みました教育基本法の改正が行われまして、各教科等におきましては、これらを踏まえた検討が求められているところでございます。なお、教育課程部会につきましては、本年1月に第3期の委員の任期終了に伴いまして、専門部会での検討を含め、これまでの審議の状況と、今後更に検討が必要な事項を整理いたしました第3期の教育課程部会の審議の状況についてを取りまとめたところでございます。
 そして、本年3月には、新たに第4期の教育課程部会が発足いたしまして、第3期の議論を引き継ぎながら、残された検討項目といたしまして、主に、下から3つ目のブルーの四角括弧でございますけれども、ここに書いてある事項につきまして、現在検討が行われているところでございます。この間、6月には教育基本法の改正に伴いまして、緊急に制度改正が必要な事項を盛り込みました教育再生関連3法案が成立いたしまして、そのうち学校教育法につきましては、義務教育の目標が新たに規定されるなどの改正が行われたところでございます。
 今後、教育基本法や学校教育法の改正、また、それにかかわる国会審議等を踏まえつつ、平成19年度中の学習指導要領改定を目指しまして、教育課程部会において詰めの審議をしていくこととしておりますが、その前提といたしまして、各教科等の専門部会におかれましても詰めのご審議をお願いしたいと考えております。
 それでは、ただいま申し上げました本年1月に教育課程部会において取りまとめられました第3期の教育課程部会の審議の状況についての内容についてかいつまんでご紹介させていただきたいと思います。
 資料6をごらんいただきたいと思います。資料6でございますが、1ページから2ページまでにかけましては、教育課程部会の審議の経過についてでございます。1ページでございますけれども、ここでは見直しの基本的な考え方といたしまして、1ページ目の2つ目、また3つ目の丸でございますけれども、現行学習指導要領に対する評価として、基礎的・基本的な知識・技能を身に付けさせ、自ら学び、自ら考える力などの「生きる力」をはぐくむという現行学習指導要領のねらいは今後とも重要であるが、その実現のための具体的手立てを講じることが必要である。また、基礎的・基本的な知識・技能の育成(いわゆる習得型の教育)と自ら学び、自ら考える力の育成(いわゆる探求型の教育)とは、対立的あるいは二者択一的にとらえるべきものではなく、この両方を総合的に育成することが必要であり、そのための手立てとして、言葉と体験などの学習や生活の基盤づくりを重視することが必要であるとしております。
 次に、3ページから4ページ目にかけてでございますけれども、教育基本法の改正を踏まえた検討についてでございます。3ページ目の一番下の丸をごらんいただきたいと思いますが、学習指導要領の見直しの検討に当たっては、社会的な自立(主体性・自律性)や社会参画(自己と他者、個人と社会の関係)を重視してきており、教育課程部会における検討の方向性は、これらを重視する新しい教育基本法の理念と一致しているとしておりますが、4ページ目の最後の丸のところで指摘されておりますとおり、宗教に関する知識の一層の理解が必要との観点から、中学校の社会科における世界の各地域における宗教の特色や宗教の社会生活における役割に関する指導の充実など、今後、教育基本法を踏まえまして、更に検討することが必要なものもあるという形で整理をされております。
 続きまして、5ページ目以降でございますけれども、5ページ目以降につきましては、教育内容の改善、また、教育課程の枠組みの改善等について記述がされてございます。5ページ目の(1)でございますけれども、各学校段階の教育内容の改善といたしまして、まず、教育課程部会に設けられました小・中・高校の各学校段階におきましては、1つ目の丸でございますけれども、言葉と体験などの学習や生活の基盤づくりをそれぞれの学校段階でどのように図るかといった観点のほか、発達の段階に応じた指導の重視などについて検討が行われているという形で記述しております。また、今回の改訂では、言葉と体験を重視することとされておりますけれども、言葉については2つ目の丸以降になります。また、体験については3つ目の丸において、それぞれ「審議経過報告」でも指摘されておりますとおり整理がなされております。
 小学校につきましては、5ページ目の下から2つ目の丸でございますけれども、中学年までは体験的な理解や具体物を活用した思考や理解、反復学習などの繰り返し学習、また、中学年から高学年にかけて以降は、体験と理論の往復による概念や方法の獲得、討論・実験・観察による思考や理解を重視するといった発達の段階に応じた教育課程編成や指導の工夫が必要であるとしております。
 また、中学校でございますけれども、6ページ目の上から3つ目の丸でございますけれども、中学校段階については、増加する教育内容に適切に対応するためにはすべての教科等にわたって学習スキル(方法)をしっかりと身に付けさせることが重要である。また、その次の丸でございますけれども、選択教科に加え総合的な学習な時間が導入され、教育課程が複雑化していることから、必修教科の時間を充実させることが適当との意見が大勢であったという形で記述がなされてございます。
 また、7ページ目をご覧いただきたいと思いますけれども、高等学校につきましては、高等学校段階に関しては、生徒の実態は多様化しているが、国民的な教育機関としての共通性は何かという議論が行われた。1つ目の丸の真ん中ぐらいでございますけれども、実生活との関連をもって学ぶことや知識・技能を活用すること、コミュニケーション能力や論理性、想像力の育成などが重要といった議論が行われているということでご紹介させていただいております。
 また、8ページ目をご覧いただきたいと思いますけれども、各教科等の教育内容の改善につきましては、8ページ目の一番下の丸でございますけれども、(いわゆる習得型の教育)と(探求型の教育)、この両方を総合的に育成する具体的な方策を示すことが必要である。このため、いわば活用型の教育ともいうべき学習を両者の間に位置付ける方向で検討を進めている。9ページ目でございますけれども、すなわち、1基礎的・基本的な知識・技能を着実に定着させることを基本とする。2こうした理解・定着を基礎として、知識・技能を実際に活用する力の育成を重視する。更に、3この活用する力を基礎として、実際に課題を探求する活動を行うことで、自ら学び、自ら考える力を高めることが必要である。このような過程を各教科等に即して具体的に検討している。
 次の丸でございますけれども、基礎的・基本的な知識・技能の着実な定着については、実生活との関連やその後の学習の基盤としても重要な事項を重視し、具体的には例えば、次のような検討を行っているといたしまして、例えば1国語の美しい表現やリズムを身に付けるといった観点から小学校における易しい古文や漢文の音読や暗唱を重視、漢字指導の充実などが指摘されております。また、その次の丸でございますけれども、同時に、これらの知識を活用し、探求型の学習へと発展させる観点から、これまで必ずしも具体的な過程が明確ではなかった思考力や表現力の育成などを各教科等において相互に関連付けながら図る具体的な方法を、例えば次のように検討しているといたしまして、例えば1日常生活に必要とされる技能としての対話、記録、要約、説明、感想などの言語活動を発達の段階に応じ体系的・継続的に指導、読書活動を充実することなどが指摘されてございます。また、各教科につきましては、その下の丸でございますけれども、当部会でもご議論いただきましたが、ものづくりを支える能力や技能の育成、家庭の在り方や家族の人間関係などへの理解について各教科等ごとに具体的な検討を行っているといった形で記述をしてございます。
 また、今度、10ページをご覧いただきたいと思いますけれども、先ほど申し上げました教育基本法、10ページ目の一番下の丸でございますけれども、教育基本法の改正等を踏まえた検討につきましては、11ページに移っていただきたいと思いますけれども、例えば4情報教育の推進などについて更に検討を深める必要があるとしております。
 続きまして、12ページをご覧いただきたいと思います。教育課程の枠組みの改善についてでございますけれども、12ページ目の真ん中の(2)といたしまして、授業時数の在り方と学校、家庭及び地域の役割分担と連携についてご紹介させていただきたいと思います。ここでは、国語や算数・数学、理科については、内容を充実する方向で具体的な検討を行っていること。また、これらの教科については、基礎的・基本的な知識・技能を確実に定着させるとともに、知識・技能を活用して考えさせる授業を展開する必要があり、13ページでございますけれども、このような考えるための時間が必要不可欠であるといたしまして、更に、その2つ目の丸でございますけれども、国語力の育成や理数教育、英語教育の充実の観点から必要な授業時数を確保すべきとの意見が多いことを受けて、具体的にどのように見直すかについて更に検討を深める必要があるといたしております。
 また、13ページの下から2つ目の丸でございますけれども、学校教育に求められている課題は多岐にわたっていることから、すべてを学校で抱え込むのではなくて、学校の教育活動と家庭や地域、企業、NPOなどの学校外における教育活動の役割を明確にした上で、それぞれの分担と連携を具体的に推進することが必要といたしております。
 また、15ページをご覧いただきたいと思いますが、高等学校につきましては、高等学校の必履修科目の在り方といたしまして、2つ目の丸以降でございますけれども、高校生にとって最低限必要な知識と教養とは何かという観点から必履修科目を見直すことが求められる。このように、必履修科目について、教科や科目の範囲といった幅の広さについて検討を深める必要があることは勿論であるが、同時に、その履修や単位修得の水準確保についても併せて検討しなければならない。高等学校教育の水準を確保するとともに、高校生が目標を持って学習に取り組むことができるようにするといった観点から更に審議を深める必要があるといたしております。
 この後16ページ以降につきましては、学校教育の質の保証のためのシステムの構築の観点から、教育課程におけるプラン・ドゥー・チェック・アクションといったPDCAサイクルにつきまして議論がなされており、そこでの議論のご紹介をさせていただいている次第でございます。
 以上が第3期教育課程部会の審議の状況についての概要でございます。
 引き続きまして、資料7をご覧いただきたいと思います。
 教育3法の改正についてという資料でございますけれども、教育3法につきましては、中央教育審議会におきまして、第4期発足早々に精力的なご議論をいただきまして、法改正の方向性について、本年3月10日に答申をいただいたところでございます。その後、その内容を具体化いたしました法案を国会に提出し、去る6月20日に成立したところでございます。教育3法につきましては、学校教育法の改正、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正、教育職員免許法及び教育公務員特例法の改正を内容とするものでありますけれども、ここでは、学校教育法の改正について、教育課程に係る分についてご説明させていただきたいと思います。
 資料7の3枚目から学校教育法の改正についての改正前・改正後の条文を記しました新旧対照表をつけさせていただいておりますけれども、新旧対照表についてございますページの下に5とついた新旧対照表のページをご覧いただきたいと思います。
 第21条でございますけれども、教育基本法に義務教育の目標が規定されたことを受けまして、義務教育の目標が第21条として新たに規定されたところでございます。目標につきましては、教育基本法の教育目標に規定されました事項などを受けまして、これまで小学校、中学校の目標に、学校教育法における、小中学校の目標に規定されていました事項に加えまして、第1号では、規範意識や公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。第2号では、自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。第3号では、我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土と愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化を通じて、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。また、第4号につきましては、家族と家庭の役割、情報。第5号につきましては、読書が新たに盛り込まれたところでございます。
 続きまして、新旧対照表の下に9ページが記してある資料をご覧いただきたいと存じます。31条の、改正後の、上段に記載されています条文でございますけれども、31条の手前の条文でございますけれども、これは、今回新たに設けられました30条第2項におきまして、第30条の第1項、この2の前の条文は小学校教育について書いてございますけれども、第2項といたしまして、前項の場合において、すなわち小学校教育を行う場合においては、生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならないといった、これまで議論のあった学力についての規定が新たに条文として設けられたところでございます。この条文につきましては、後段の中学校とか、高等学校などのその他の学校種についても準用という形で条文が適用されてございます。
 なお、新旧対照表の下に10ページと書いてあるところでございますけれども、その上段の33条につきましては、文部科学大臣が定めます学習指導要領の根拠となる規定でございます。
 以上が教育3法についての概要でございます。
 最後になりますが、資料9をいただきたいと思います。現在、教育課程部会におきましては、今後、検討が必要な主な項目といたしまして、以下に掲げております事項について検討を行っているところでございます。これまで第4期発足後6回にわたり開催されまして、「国語力の育成」のための具体的な方途や小・中学校の教育課程の枠組みの在り方、高等学校の必履修科目の在り方など、教科横断的な課題や関連事項について、専門的な知識を有する委員の方々からご報告をいただき、審議を行っているところでございます。
 資料5、資料8につきましては、教育基本法や教育3法の改正にかかわる国会審議における主な議論の例をまとめたものを資料としてお配りいたしておりますので、適宜ご参照していただければと思います。
 私からの説明は以上でございます。

【井上視学官】
 それでは、続きまして、私のほうから資料10、11、12に関しまして、言語力育成協力者会議につきまして、簡単に説明をさせていただきたいと存じます。
 まず、資料10をご覧いただきたいと存じます。言語力育成協力者会議の趣旨や概要についてでございますが、この会議は、言葉や体験などの学習や生活の基盤づくりの重視が提言された教育課程部会の「審議経過報告」を踏まえ、昨年6月に設置された会議でございます。梶田教育課程部会長に座長としてご就任をいただいているところでございます。この昨年2月に出されました「審議経過報告」におきまして、言葉については、確かな学力を形成するための基盤であり、生活にも不可欠である。言葉は、他者を理解し、自分を表現し、社会と対話するための手段であり、家族、友だち、学校、社会と子どもとをつなぐ役割を担っている。言葉は、思考力や感受性を支え、知的活動、感性・情緒、コミュニケーション能力の基盤となる。国語力の育成は、すべての教育活動を通じて重視することが求められるとされているところでございます。これにつきましては、資料6の第3期教育課程部会の審議の状況についてにおきましても、同様に言及をされているところでございます。
 これらを受けまして、言語力育成協力者会議におきましては、教育課程部会における学習指導要領全体の見直しに際し、その参考資料を得ることを目的として、児童生徒の発達の段階に応じた言語力の育成について検討していただいているという状況でございます。この会議は、これまで7回を開催されまして、本日お示しをさせていただいておりますとおり、資料11の報告書素案及び資料12の一覧表という形で、これまでの議論を整理させていただいているところでございます。本専門部会におかれましては、言語力の育成ということも踏まえまして、学習指導要領改定のためのご審議をお願いさせていただきたいと存じます。
 また、この言語力育成についての案につきましても、ご示唆などいただければ幸甚でございます。
 なお、本報告書案につきましては、本専門部会をはじめ、関係の各専門部会にご説明、ご依頼等をさせていただく予定となっております。今後は、各専門部会でいただきましたご示唆等も踏まえた上で修正し、次回の言語力育成協力者会議におきましてご審議をいただきまして、言語力の育成に関する報告書の確定版を作成することとしております。確定版ができますれば、追って、本専門部会や教育課程部会にお示しをさせていただきたいと考えているところでございます。
 続きまして、資料11をごらんいただきたいと存じます。言語力の育成に関する素案でございますが、この素案につきましては、大きく分けまして、言語力育成のための基本的な考え方についてまとめた総論部と各教科等の具体的改善事項についてまとめました各論部の2部構成となっております。総論部は1ページから8ページまで、各論部は8ページ以降というふうになっているところでございます。
 続きまして、この資料11のうち、本専門部会に主に関係するところにつきまして簡単に説明をいたします。
 まず、資料11の5ページでございます。4といたしまして、他者とのコミュニケーションに関することという項目がございますが、そこの上から4段落目でございます。対話を促進するための具体的な授業の展開としては、正解が一つに絞れない課題を考える必要がある。社会科、理科、家庭、技術・家庭科などでは、例えば環境問題に関して10年先、20年先の状況について根拠を示しながら予測する。未来予測の授業など正解が一つとは限らない問いが考えられるなどとされております。
 続きまして、11ページをご覧いただきたいと存じます。各教科等の具体的な言語力の育成のための改善事項を提言したところでございますが、その家庭、技術・家庭、情報のところをご覧いただきたいと存じます。まず一番最初の丸ですが、幼児や家族、地域の人々と触れ合い他者とかかわる力を高める活動や情報通信ネットワークや情報の特性を生かして考えを伝え合う活動を一層重視することが期待される。まだ、2番目ですが、合理的判断力や創造的思考力、問題解決能力の育成を図るため、衣食住などの生活におけるさまざまな事象や技術製品などの持つ科学性を説明する活動や価値判断が必要な場面を設けて、各自の解釈・判断を論述したり、最適な解決策を探求したりする活動を一層重視することが望ましい。また、最後の丸ですが、様々な語彙の意味を実感を伴って理解させるため、衣食住やものづくりなどに関する実践的・体験的な活動を一層重視することが考えられると言及をしているところでございます。

【間田主査】
 本日は、前半は資料17について、後半は資料18についてご議論させていただきたいと思います。
 まず初めに、資料17につきまして、岡教科調査官、望月教科調査官、上野教科調査官から説明をお願いします。

【岡教科調査官】
 それでは、私のほうから資料17について、小学校の家庭科、中学校の技術・家庭科家庭分野にかかわる部分につきましてご説明をいたします。
 なお、資料17と18につきましては、昨年、本専門部会において取りまとめていただきました家庭科、技術・家庭科の現状と課題、改善の方向性(検討素案)及び普通教科「情報」の現状と課題、改善の方向性(検討素案)をもとに、これまでの教育課程部会の検討なども踏まえて、主査等ともご相談の上、事務局にて整理をさせていただいたものでございます。
 資料17の説明に入ります前に、これまでの経過について簡単に説明をさせていただきます。
 昨年2月に教育課程部会に取りまとめられました「審議経過報告」では、家庭科、技術・家庭科家庭分野につきましては、国家、社会の形成者としての資質の育成という観点から、家庭の一員として衣食住や消費などの生活を自分で管理、工夫できること。身近な人々と協調を持って責任ある行動をとることができること。子育ての大切や親の役割を理解し行動できることなどが重要であるといったこと。また、衣食住や家庭生活に関する基礎的・基本的な知識、技能を身に付けること。特に食育の充実が求められる中で、食の重要性を理解し、基本的な調理や栄養の知識・技能を身に付けることなどが期待されるといったことがまとめられております。
 この「審議経過報告」を踏まえまして、昨年夏に本専門部会として、家庭科、技術・家庭科の現状と課題、改善の方向性(検討素案)を取りまとめいただいているところでございます。この(検討素案)につきましては、昨年8月に教育課程部会に報告させていただきました際に、教育課程部会においてご意見をいただいております。資料15をご覧いただけますでしょうか。この資料15に示したご意見を教育課程部会でいただいておりますので、ここでその中から幾つかご紹介をさせていただきたいと思います。
 1ページ目ですが、丸の2つ目です。子どもたちの「生きる力」を育成する上では、家庭科、技術・家庭科は重要な役割を果たしていく。それから、5つ目でございますが、家庭科や技術・家庭科において、実体験として様々なことを学び、実社会で生きていく時の考えるきっかけになるようにすることが望ましい。その下でございますが、食育などを扱う場合に、指導全体計画を作成して指導すべきことや、関連教科を体系的に整理し、中核となる家庭科でどのようにリードしていくのかを考えることが重要である。2ページ目でございます。家庭分野のところになりますが、丸の1つ目です。家庭生活を通して社会を見るため、社会生活との深いかかわりを持つということを観点としていただきたい。それから、下から2つ目の丸でございます。家庭自体をマネジメントする概念も取り入れていく必要があるといったご意見をいただいております。
 その後、教育基本法の改正や学校教育法の改正がございまして、特に家庭科、技術・家庭科家庭分野におきましては、先ほどご紹介がございましたように、義務教育の目標として、学校教育法第21条4号に家族と家庭の役割が追加されまして、家族や家庭に関する教育を一層重視することが求められております。
 昨年夏に本専門部会として取りまとめていただきました家庭科、技術・家庭科の現状と課題、改善の方向性(検討素案)を、ただいまご説明しました教育課程部会での審議や教育基本法、それから、学校教育法の改正を踏まえて再整理したものが本日の資料17でございます。資料17をご覧いただきたいと思います。
 資料17では、現状、課題、改善の方向性、改善例の4項目にわたってまとめておりますが、私のほうからは、小学校家庭科、中学校技術・家庭科家庭分野を中心に説明をさせていただきます。
 まず1ページ目でございますが、1ページ目に挙げております現状を踏まえて、課題が4点挙げてあります。子どもたちが、自己と家庭、家庭と社会とのつながりに目を向けること。生涯の見通しをもって、よりよい生活を追求できる実践力を身に付けること。家庭の在り方や家族の人間関係や子育てについて学習し、生活における自立、他の人と共に生きるための知識と技術の習得が必要であること。また、食育や消費者教育の充実、資源や環境や配慮した生活の工夫が課題といったことでございます。
 次に、これらの課題を踏まえて、改善の方向性が示されております。丸の1つ目でございますが、将来の社会を担う子どもたちには、社会や家庭生活を客観的な視点から理解し、生涯を見通し、よりよい生活の創造に向け主体的に取り組む力が求められている。そこで、小学校の家庭科、中学校の技術・家庭科及び高等学校の家庭科については、実践的・体験的な学習活動を通して、家族と家庭の役割、生活に必要な衣食住などについての基礎的な理解と技能を養うとともに、それらを活用して課題を解決するために工夫し創造できる能力と実践的な態度の育成をより一層重視する観点から、その内容の改善を図るとしております。その下aでございますが、aが家庭科、技術・家庭科家庭分野に関する内容でございます。挙げておりますように、自己と家庭、家庭と社会とのつながりを重視し、生涯の見通しをもって、よりよい生活を送るための実践力を育成する観点から、学校段階に応じた体系的な目標や内容に改善を図るというふうにしております。
 2ページ目の下の丸でございます。次に、社会に変化に対応した改善につきましては、a、b、cと3つ家庭では挙げております。aは、家族や家庭に関する教育と子育て理解のための体験や高齢者との交流を重視すること。bにつきましては、食育の推進を図るため、食事の役割や栄養・調理に関する内容を一層充実すること。c、社会において主体的に生きる消費者をはくぐむ視点から、消費のあり方、資源や環境に配慮したライフスタイルの確立を目指す指導を充実すること。この3つでございます。
 次の丸でございますが、これは実践的・体験的な学習活動と問題解決的な学習活動を習得、活用、探求、言葉と体験といった視点を踏まえてより一層重視することを示してございます。最後の丸ですが、家庭や地域社会との連携の視点についてまとめてございます。
 最後に、改善例について、小学校と中学校を簡単に説明させていただきます。
 小学校家庭科においては、実践的・体験的な学習活動を通して、自分の成長を理解し、家庭を大切する心情をはぐくむとともに、生活を支える基礎的、基本的な力を育成することを重視し、次に示したような改善を図るとしております。(ア)は、内容構成でございます。小中の体系化、生涯の家庭生活の基盤となる力を育成する視点から、現行の8つの内容を4つの内容として再構成すること。(イ)は、社会の変化への対応です。それから、(ウ)は、内容の取り扱いについてまとめてございます。
 次に、中学校でございます。4ページをお開きください。中学校につきましては、これからの生活を見通し、よりよい生活を創造するとともに、社会の変化に主体的に対応する観点から改善を図るとしております。5ページ目をお開きください。家庭分野につきましてまとめてございます。(ア)のところに示しておりますように、家庭分野では、中学生としての自己の生活の自立を図り、子育てや心の安らぎなどの家庭の機能を理解するとともに、これからの生活を展望し、課題をもって主体的によりよい生活を工夫できる力の育成を重視して内容の改善を図るとしております。(イ)は、内容構成についてですが、小中の内容の体系化と自己生活の自立を図る視点から、現行の2つの内容を4つの内容として再構成すること。(ウ)は、社会の変化への対応についての改善です。(エ)は、内容の取り扱い等についてまとめてございます。
 以上が小学校と中学校でございます。高等学校にかわります。

【望月教科調査官】
 5ページからでございますが、高等学校におきましては、家庭や社会と向き合い、生涯を見通して目標を持つとともに、生活課題の改善や解決に向けて意思決定しというふうにありますように、高等学校は、小中学校の学習を踏まえまして、人の誕生から高齢期を経て死を迎えるまでの一生涯を見通す視点から、自分の生活を人や社会とつなげてつくることを重視して改善を図ります。改善につきましては、(ア)から(エ)の4点を改善のポイントとしております。
 (ア)につきましては、特に社会から求められている課題ということで、高等学校の家庭科の中で特に重要であると考える、家庭を築くことの重要性、食育の推進、少子・高齢社会における保育体験を通した子育て理解、高齢者への肯定的な理解や支援する行動力などを挙げております。
 (イ)につきましては、高校生の発達課題と生涯生活設計やキャリアプランニングなどについての時間軸の視点を明確にした内容ということで、生活や人生に責任を持ち、自立的・主体的に行動する能力を育てていくために、社会的自立に向けまして、例えばキャリア教育につながるような内容を加えて、生活を総合的に運営する力を高めるということです。
 (ウ)につきましては、課題が書いてありますが、家庭科の学習を通して結局何が課題なのか、自分はどうするのかといったように、生活と社会とつなげる視野を拡大するための意志決定学習を取り入れること、また、生活にかかわる理論を実験や実習を通して科学的に理解し、生活の実践力を付けること。また、進展する少子高齢社会への対応、多重債務等の深刻な消費者問題、日本の生活文化への理解が深められるように今後学習を深めていく必要のある内容について示しました。
 (エ)は、従前からやっておりますが、ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動、PlanDoSeeのプロジェクトメソッドに基づいた問題解決型の学習を一層重視するという4点でございます。
 以上です。

【上野教科調査官】
 それでは、続きまして、中学校技術・家庭科技術分野関係をご説明させていただきます。
 同様に技術分野に関しましても、昨年2月にまとめました「審議経過報告」におきまして、例えば技術を理解するために必要となる社会や環境との関係や技術の価値、知的財産等などについても教えることが重要であることや子どもたちが社会の変化に主体的に対応できるようにするためには、情報、環境、法や経済などに関する教育の充実が求められていといった記述がございます。それを踏まえまして、昨年夏にまとめていただきました(検討素案)に対しまして、資料15にありますようなご意見をいただいております。資料15の、例えば1枚目の上から3つ目の丸でございますが、持続可能な社会の構築ではなく、持続可能な開発教育の視点を明確を打ち出し、技術・家庭科の柱として児童生徒の学ぶ意欲を増進すべきである。2ページには、上から2つ目の丸でございますけれども、つくることを通して、つくるための段取りとか、つくるために必要な道具であるとか、あるいは一つの物ができるまでの時間のかかり方とか、最終的には自分でつくったものに対する愛着とか愛情などが心の中にきちっと刻まれていくものではないか、このようなご意見をいただいております。
 そして、これらのご意見をもとにしまして、技術分野に関しましても、資料17のようにまとめさせていただきました。特に技術分野にかかわるところを説明させていただきます。
 1ページの中ほどにございますのが、技術分野の現在の学習指導における現状ということでございます。そして、2ページになりますけれども、2ページ目の上から3、4、5の丸が技術分野にかかわる課題ということでとらえさせていただきました。そして、その下にあります、下から2つ目の丸の改善の方向性のbのところでございますけれども、ここにありますように、日本の産業の特徴であるものづくりを支える能力などを一層高める。また、技術と社会・環境などとのかかわりについて理解を深める。技術を適切に評価し活用できる能力などの育成を重視する。こういったことを改善の方向性といたしました。
 また、次のページ、上にありますdやeにございますように、社会の変化に対応するために、エネルギーや情報、生物に関する技術などの内容の改善・充実を図るとともに、情報通信ネットワークなどに関するトラブルの増加、これらにも対応するために、安全に技術を活用する能力の育成も目指すということとしております。
 具体的な改善例としましては、4ページの中学校の(技術分野)のところでございますけれども、(ア)ものづくりなどの実践的・体験的な学習活動を通して、材料、加工、エネルギー、生物、情報に関する基礎的な知識と技術を習得させるとともに、技術と社会・環境とのかかわりについて理解を深め、よりよい社会を築くために技術を適切に評価・活用する能力と態度の育成を重視する。そして、(イ)にございますように、この考え方に基づきまして内容を再構成してはどうか。また、(ウ)及び(エ)にございますように、ものづくりを支える能力などの育成、そして、技術を評価・管理できる能力の育成を充実するための学習活動を一層充実する。更に、(オ)にございますように、技術に関する教育を体系的に行うためにガイダンス的な内容を設定したり、他教科等との関連を明確にしたりする。更に、小学校や中学校におきます情報教育、あるいは高等学校におきます情報関係の科目などとの接続に配慮しまして、従来の情報にかかわる内容を深化・再構成する。このようにまとめさせていただきました。
 以上につきましてご意見をいただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【間田主査】
 それでは、資料17についてご意見をいただきたいと思います。目安としましては、家庭科及び技術・家庭科の家庭分野について25分程度、技術・家庭科の技術分野について15分程度審議をいただくこととしております。その際、資料11の言語力の育成に関する主な意見について(議論の整理用メモ)【修正素案】についてのご意見もあわせていただければと思います。
 それでは、まず、家庭科及び技術・家庭科家庭分野についてのご意見をお願いします。

【佐藤(文)委員】
 中央教育審議会の審議の今までの状況にまとめられているものや、それから、先ほど教科調査官からお話しになられたものがほとんど資料17のところにも込められていると思うんですけど、もともと家庭科が非常にこれらの目指しているものと近いということをまず申し上げたいと申します。例えば社会的自立の育成と家族の人間関係などへの理解であるとか、子育ての大切さや親の役割であるとか、生涯を見通した人間の生き方と生活設計であるとか、伝統文化の継承、発展、これは、家庭科の中では衣食住という中で極めて具体的にやっております。それから、食育の充実。これらは家庭科が小中高を通して充実を目指しているものでございます。
 次に、少し加えさせていただきたいのは、家庭科の男女必履修を行いまして12年経ちます。この学習効果について日本家庭科教育学会が全国調査をいたしました。その結果、8割の高校生が家庭科の学習を生きていくために重要である、実生活に役立つ、あるいは学習した後、子育ての意義と親の役割の理解が深まったとか、生命の尊厳についての理解が深まったと述べております。こういったことから、こういう視点を十分に入れて家庭科のさらなる充実を目指していくべきだと考えております。

【西村委員】
 これまでの経過をおまとめくださいまして、ありがたいと思います。私、消費生活の分野を主に担当しているわけでございますが、この間、今回多方面からのさまざまな意見書もありまして、とりわけ多重債務問題に関する政府のプログラム等も出まして、特に高等学校等ではそういうことを学習指導要領上明記していくことも検討してほしいというような要望もあって、おそらくこういう内容に転換してきているんだろうと思います。
 収支の基本的な計算ができないというようなことも言われているところでございます。それは、1つには、やはりさまざまなカード社会、あるいはネット社会、そういった社会の変化ということがございまして、非常にお金の扱い方が見えなくなっているということがございます。よくさまざまな場で表現されるんですが、今回の学習指導要領上、その前にあった小学校の家庭科で小遣い帳の記載がなくなったということがしばしば指摘されます。今、小遣い帳というのはやや古い話のように思えるわけでございますけれども、やはりそういったところで小学校段階から収支の記帳というようなことをさせるような取り組みも一方で必要だろうと思います。
 あわせまして、言語力との関係で一つだけ申し上げさせていただきますと、消費者教育の分野というのは、他の家庭科の分野と違いまして、とりわけ非常に実習的な中身が難しいです。そういうところでしばしば行われているものにディベーティングであるとか、あるいはロールプレーイングがあります。売り手と買い手との立場に立ってそれぞれが役割演技をする。販売方法をめぐるその相手方の問題点を実際に役割演技をしていく。これは非常に有効な手法というふうにされておりまして、これらの手法をぜひ何か家庭科関係の分野のところで入れ込んでいただければ、更に消費者としての自立、あるいは自覚に向けた意思決定能力を高める工夫につながるんじゃないかと、いうように思っている次第でございます。

【和田委員】
 大変よくまとめられていると思うんですが、1つだけ、家庭を築くことの重要性のところの続きで、少子高齢化における保育体験などを通した子育ての理解、高齢者への肯定的な理解を支援する行動力の育成というのが高校のところにございますが、私は、子どもは過去という、それぞれだれでも経験をしている。それから、高齢者は自分はそうなるんだということで大変身近に感じることができるんですが、障害者の問題というのはなかなかうまく理解ができないということがよく起こっていますので、特に家庭から社会というふうに考える場合に、社会を理解する上で自分で身近に感じられるものだけではなくて、なかなか理解をすることが難しい、そういう課題に向き合うということも必要ではないかということから、障害の問題を入れる必要があるのではないかと思っています。
 今の社会は、障害者が地域の中で暮らしていくということが当たり前になってきています。このことは、先ほどの言語のところのコミュニケーションにも非常に関連があるのではないか。普通にお話をするということもあれば、相手のほかの手法で相手とコミュニケーションをとっていかなければならない。そういうことが日常的に広がってきていますので、そのことにも関連して、ここに障害者への理解の問題を入れていくということが必要ではないか。
 もう一つ申し上げますと、障害者は、今後、普通の職場で働くということが一般的に進んでいきますので、そうなりますと、そこでもコミュニケーションの問題が非常に重要になるということになるのではないかということで、それをできれば高校の場合にはつけ加えていただくといいのではないかと思っております。

【間田主査】
 言語力の育成に関しては、障害者にとってのコミュニケーションについても必要ではないかというご意見にとれますが、そのように把握してよろしいでしょうか。

【和田委員】
 はい。

【今成委員】
 高等学校の家庭科につきましては、小中高の基礎的な知識・技能の積み上げの上に立って、実際にもう高校を卒業しますと、すぐ社会に出て社会人になる人も多いわけですし、そういう観点も含めて、高等学校の家庭科では、自分の生活と社会をつなげる視野を持っていろいろ行動できるような、そういう力を育てていくというようなことが中心になるわけでございます。
 例えば高等学校の最後のところにありますように、学校家庭クラブ活動とか、ホームプロジェクトというものを重視するという点について、これは、自分の身の回りのいろいろな状況についてみずから課題解決していこうという態度を育てるものでございまして、これはもう50年も指導を続けてきているわけですが、その内容を見ますと、やはり高齢者の問題、乳幼児の問題、それから、障害のある方々への対応の問題を自分はどうしたらいいのかということをテーマに選んでやってきているわけです。ですから、そういうような意味で、高等学校では、この社会に出て自分が何ができるのか。今、何が問題なのか、そして、どうしたらいいのかということを考えさせるような教育をしていく。今までもしてきましたけれど、更にそれを強めていくということが必要だと思っているわけです。
 それで、全国の高等学校長協会の家庭部会の調査において、校長先生方に、家庭科教育というのは学校経営上どういう意味があるのかというような調査をいたしましたが、校長先生方の意見の中で、自分の学校の家庭科は、一番多いのがやはり体験的な学習を取り入れてその日常生活の基本となる、そういう技術力等を身に付けることが重要であり、それが家庭科として大切だと思っているという意見が8割以上と多く、それ以外に、2番目は、保育所や福祉施設、高齢者や障害者の施設などに地域との交流をもって豊かな心を育てていく。そういうものが家庭科教育の中で非常に生かされていて、自分は校長として非常に意味を感じているというのが6割ぐらいある。そんなことを考えますと、これからの高等学校の教育の中では、その辺にもう少し光を当てながら、指導の内容についても力を入れていく必要があるのではないかなと感じております。

【牧野主査代理】
 今の意見につけ加えさせていただきます。個人の誕生から、それから、高齢期まで生涯にわたる生き方を考えるという点で、高等学校は特に幅広く学習ができるとよいということを確認したいと思います。昨年まとめましたとき以降、今日ご説明ありましたさまざまな教育の法律の改正の中で、家庭科に関連して学校教育法の中に義務教育の内容として、特に家族と家庭の役割という言葉が加わり、生活に必要な衣食住、情報、産業その他の事項について基礎的な理解と技能を養う。この中の特に家族と家庭の役割というのが加わったということは、家庭科にとって大きな変化と言えると思います。社会全体から求められている内容であり、これを扱うのは家庭科こそという感じがいたします。
 ただ、この時に注意しなくてはいけないのが、今、話にも出てきましたように、例えば障害のある人とか、高齢者を含む家族、あるいは乳幼児のいる家族、いない家族、いろいろあります。そして、その何か一つの正解をこうでなければならないということを押し付けてしまうのではなく、これは、言語力のところに出てきておりまして、先ほどご説明がありましたように、正解が一つとは限らない問いが考えられる。結論が同じでもプロセスが多様である課題について議論しながら学習を積み重ねていく。家庭科の学習はこれが大変大事なことでありまして、いろいろな家族のあり方をクラスの中で何人もの人と一緒に考えていくという、それは自分の家族の中だけに閉じこもっていてはわからないことであります。この学習をしっかりして、議論をしながら家庭、家族について考えていくということが大事です。
 それから、同じように、この言語力の中にも出てきておりますように、実践的・体験的な活動を重視しながら発表していく力、まとめていく力を持つということですので、今、今成委員がおっしゃったように、子どもと触れ合ったり、高齢者と触れ合ったりするという体験的な学習を通して、子どもたちが表現したい内容をたくさん豊かに加えていってほしいと切に思います。
 そのためにも家庭科の授業時間数がだんだん少なくなってしまっているというのは大変残念なことでありまして、ここでは授業時間数について議論することが直接の課題ではないようでございますが、中学校の特に3年生で保育の学習をするときに、技術と合わせて35時間というのは本当に現場ではなさりにくい時間数で、1週間に1時間もとれないというようなことがもう少し改善されて、ゆっくり議論ができて、急いで回答一つ与えてしまうのではないような学習をぜひとも展開していけるとよいなと考えております。

【内野委員】
 、私は、小学校の立場で申し上げたいのですが、家族や家庭に関する教育を重視するということが小学校においてもより強調されたような気がいたします。現行の学習指導要領におきましても、この内容につきましては、様々なほかの内容とかかわりを持ちながら学習をしていくということが言われておりまして、実際に現場でも大変このあたりは先生方も理解していただいて、そういう学習が進められているように感じております。実際の学習では、いわゆる衣食住にかかわるようなものづくりを通して、その家族を大切に思う心ですとか、子どもたちにそういう意識が高まってきている。ですから、学校教育法の、先ほど牧野委員がおっしゃったような、家族や家庭の役割というのが入ったということは、よりこのあたりを中核として学習を進めていくことができるかなと感じております。

【上原委員】
 少し関連して、私も小学校の家庭科についてお話しさせていただきます。私は食育を中心で行っておりますけども、本県でも、今年は59校の指定校をもって食育を行っています。小学校1年生からずっと行っておりまして、環境をとらえながら食育を進めるところ、あるいは家族の中の食育ということでとらえているところもあるんですが、見ておりますと、5、6年生の年齢になりますと、今、おっしゃったように、人のために役立つような気持ちがやはりはっきり出てくる。そのときに家庭科で何を教えるかというのは非常に重要になってくると考えております。
 今日お示しいただきました改善例のところにもございますように、他教科との関連を明確するというのがありますが、環境はもうこれから大事になってきます。ここをどこで教えるか。家庭科の分野で何を教えるかということも、これから、はっきりとしていかなければならないと思っています。そのときに一番大事になってくると私が考えるのはやっぱり調理実習、これが本当に子どもたちにとっては、ただ調理実習するのではなく、小学校1年生から積み上げていったその経験をもとに、5年生になったら家族のために、人のためにという視点で行えるのではないかなと思います。このところを明確にもっとあらわしていただければ、中学校へつなげる家庭科、あるいは高校につなげる家庭科になっていくのではないかなと考えております。

【金子委員】
 私も、食育の推進について家庭科の中で重視するということになっていること、これからの子どもたち、それから、家庭の教育力の再生というんでしょうか、もう一度つくり上げていくのに大変重要なことではないかと考えております。現在、全国の小中学校で食育を進められております生活科、それから、総合的な学習の時間、社会科や理科などでも食育という視点で学習を構成して、そして、学校給食を生きた教材というんでしょうか、ということで中心にして、その中で家庭科がどんな役割を果たしているかということが香川県の滝宮小学校という小学校の「お弁当の日」という実践の中で見えたように思います。
 少し紹介させていただきますと、お昼は給食で昼食があるわけですが、年間5回、5年生と6年生だけですけれども、お弁当を自分でつくって持ってくるという実践をなさったんですね。5年生の10月から、その前4月から9月までは家庭科の学習で調理の基礎をきちんと身に付けさせてできるようにするので、保護者の方は手を出さないでください。子どもたちですべてやらせてくださいということで進めたそうです。初めははらはらしていた保護者の方たちも、子どもたちが自分たちで、自分でつくって持っていく、お弁当をつくって持っていく後ろ姿を見て、非常に子どもの成長を大きく感じた。ほかでもお弁当の日という実践は小学校で幾つもなされているんですが、あまりうまくいってないということを聞きます。この滝宮小学校でうまくいったのは、家庭科で調理の基礎をきちんと指導した上で保護者は手を出さないで子どもたちでやらせてくださいというところにあったのではないかと思います。
 私は、家庭科が食育の中で果たす役割はこういうところに非常に大きな役割があるかなと考えております。給食や他教科で食を通していろんなことを学習してくるわけですけれども、それを知識を総合化し、それから、体系化して、調理技術という技能を身につけて、そして、自分の生活の中で活用していく力、実践していく力をつけることができるのが家庭科での食育だろうと考えております。ぜひ推進していきたいと思います。中学校、高等学校になりますと、他教科ではあまり食にかかわるような学習内容が少なくなってまいりますので、ますます中学校、高等学校での食育を家庭科で重視するということが重要になると思います。

【今成委員】
 高等学校の家庭科というのは、学校によって、教育課程によってその履修する科目が3つありますので、選択してそして、学習するという形になっているんですね。校長会の調査によりますと、その4単位科目の「家庭総合」と、それから、「家庭基礎」という2単位の科目と、それから、「生活技術」という4単位の科目があるんですが、現在はだんだんと、進路指導のこともあったりするのでしょうか、4単位の科目が減ってまいりまして、家庭基礎が6割にもなっているんですね。そうなりますと週に2時間しかないと。そんなところを考えますと、これだけ家庭科というのがこれからの教育に意味のあることであると考えますと、その辺の2単位の科目をとるのは、学校の事情によってやむを得ないのかもしれないけれど、全員にとらせなくても、せめて何とかもう少しとらせるような幅というものを高等学校としては考えていただくことというのは重要なのではないか思っているわけです。今でも総合的な学習の時間とか、それから、課外でも学校家庭クラブ活動などもやっていますけれども、そうではなくて、やはりきちっとした教育課程に位置付いた中で行っていってほしいと思うんです。
 今の大学生は、男子も女子も家庭科を履修しているのが当然と思っておりますので、昔は女子しか履修していなかったということを知らないんですね。しかし、平成6年以前は女子だけが履修してというような状況がありまして、やっぱり今現在必履修で行っている子どもたちは、これは当然男子も女子も一緒に学習するんですよと、必要なんですよということを認識しているんですが、やってなかった人たちは、24パーセントぐらいの人しか必要だというか、履修して当然だと思っていないんですね。そんなことを考えたり、それから、男女の役割、家庭での役割というので、その履修した人としないで調査してみますと、男女が協力して生活するのが当然だと思う人は、必履修した人たちは64パーセントなのに、履修してない人たちは31パーセントであるというふうにして認識の差があるんですね。そんなことを含めますと、やはり家庭科の学習、高等学校においては男子も女子も一緒になって学習することが重要であり、できるだけ時間的な確保も考えていかなければいけないと思っているところがございます。
 それから、もう一つ、言語力のことですが、いろいろと人とかかわるということで言語の問題をクリアできるといいますか、家庭科の中でも補完できるということがあります。高等学校では進路指導の一環ということもあるのでしょうが、家庭科のこの広い専門的な内容を生かしながら論文指導というのを授業の中でも指導したりするんです。ホームプロジェクトや学校家庭クラブ活動などで自分の思っていることを文章に書かせるということをよく行いますので、論文指導というのを家庭科の中でも生かしていくことを行っている学校が、25パーセントぐらいあるんですね。そんなことを考えますと、家庭科というのは、いろいろな意味で高等学校ではキャリア教育や進路指導などにも非常に大きな役割を果たしていると思っているところがございます。

【間田主査】
 技術・家庭科の技術分野についてのご意見を伺いたいと思います。

【井手委員】
 提示されました資料17の(検討素案)は、社会の変化に対応した教育内容として非常に評価できると思います。しかし、技術分野の課題として、2ページの社会で活用される様々な技術を評価・管理できる力の育成を目指した教育が必要と指摘されているところでございますが、その具現化については幾つか不十分なところがあるのではないかと思いますので、私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 ここに平成19年5月25日付けの日本経済新聞の記事があります。これによりますと、安倍首相が本年5月24日の第13回国際交流会議「アジアの未来」において演説をされ、温暖化ガス削減に向けた総合戦略を発表されておられます。この総合戦略というのは、この手元にございますが、本年6月1日に閣議決定されました「21世紀環境立国戦略」の中に「美しい星50」と題して、その骨子には「世界全体の温暖化ガスの排出量を現状から2050年までに半減する」という長期目標を挙げ、そのために「排出量削減のための革新的技術開発と低炭素社会づくり」等が明示をされ、1人1日1キログラムの排出削減に向けた国民運動の展開などが具体的目標として挙げられているところでございます。こうした地球環境の改善を図っていくために、国では温暖化防止のための「技術」の活用と開発が現在求められているところでございます。このような動きにも技術分野として対応する必要があるのではないかと考えております。それが一つです。
 次に、日本のエネルギー自給率の低さ、食料自給率の低さなどから、日本として資源やエネルギーをどのように開発して供給するのか、システム技術や代替エネルギーをどのように開発、利用しようとしているのかを社会との関係から広く知らせることが必要であるのではないかと思います。また、日本の国土、気候を考えて新しい生物資源の活用例として、農産物のエネルギー利用や森林資源を有効活用することについても考えていかなければならないと考えます。以上のことは、日本のようなエネルギー資源の少ない国においてこれからも求められる課題でありまして、最初に申し上げたとおり、温暖化防止のための技術の活用と開発とともに、本検討素案に期待したい内容であると考えます。
 以上申し上げたことから、中学校技術・家庭科技術分野におきましては、具体的に子どもたちには「資源を大切に使うこと」とか、あるいは「技術の発展と環境問題について適切に判断し、行動していくようにすること」などについて教えていくということがとても必要なことではないかと考えるわけでございます。加えて、植物や動物など生物を育てる体験を通して安全性、経済性、生産性等を踏まえ、環境に基づいた生物育成について環境汚染の問題とともに、生物の異常や成長不良に関する原因の追求、対処についても考える機会をもつことが必要なのではないかと思います。
 先日発生いたしました新潟中越沖地震を考えると、多くの建物が倒壊したり、ライフラインが寸断されたり、また、関連自動車会社が休業に追い込まれるということなどから、技術を適切に評価・管理、あるいは評価、活用することの大切さ、また、ライフラインを含めた持続可能な社会を構築することの大切さ、いわゆる我々が住んでいるところの整備をきちんとしていくこと、あるいは自然を甘く見てはいけないというメッセージなど、いろいろな意味で本教科の重要性を感じるところでございます。先ほど教育課程部会の主な意見として、実社会で生きていくときの考えるきっかけとなるというお話がありましたが、これが今、まさに中学校技術・家庭科技術分野のものづくりとあわせて、これからの子どもたちに教えてあげるべき役割の一つではないかというふうに私は考えるわけでございます。
 最後に、本教科は、ものづくりにおいて「工夫創造する能力の育成」を主たるねらいとしています。そのために創造性をはぐくむとともに、確実に定着させるために「協力して製作することなどを通した、他者のアイデアや工夫したものを尊重する態度など、他者とかかわる力や知的財産を尊重する態度の育成、いわゆる知的財産とは産業財産権や著作権などでありその理解と尊重が求められていると考えます。平成15年3月に内閣では、知的財産戦略本部が内外の社会経済情勢の変化に伴い、我が国の産業の国際競争力の強化を図ることの必要性が増大している状況にかんがみて、知的財産の創造、保護及び活用に関する施策を集中的かつ計画的に推進するために設置をされたところでございます。こうしたことから、知的財産を尊重する教科として本検討素案に期待したい内容であると私は思っております。

【間田主査】
 技術を管理するということについて、管理とは2つの意味があるのではないかと思います。1つは、事故が起きないように、むだが出ないように、壊れないように、そういう物質や、いわゆる技術を管理することが一つでありますが、もう一つは、技術を管理するのは自分の心を管理することにつながると思います。例えば今、エネルギーのことをおっしゃいましたが、私たちは今、ここでこの真夏にスーツを着て座らしてもらっている。エネルギーを節約しなきゃいけないと言いながら、自分たちはこんな環境に甘んじているということに、自分も反省して心苦しく思っているのですが、そういう資質を育成するという意味で井手委員がおっしゃったのだと解釈いたします。
 もう一つは、知的財産権ということがありますが、これは、権利を尊重・保護するということになれば、マナー、モラルという方向の意味もあると思います。一方、義務教育では工夫や創造を学び始める段階です。それを他人の権利に押さえられて自分の工夫・創造力が発揮できないという生徒が多くなったのでは、技術教育の目標を抑えることになるのではないかという気もいたします。これは相反することなので、皆さん方にまた今後考えていただけたらありがたいと思います。

【今山委員】
 最近は特に顕著になっていると思うんですが、工業製品を皆さん若者をはじめ皆、我々はいっぱい使っています。それを使えば使うほど技術離れ、ものづくり離れということが起こる。スポーツだとか、芸術というのは、世の中が盛んになればなるほどその底辺も広がり、レベルも上がり、オリンピックでもよくなってくるというようなことがあるんですが、この携帯電話をはじめいろんな便利なもの、自動車とかいろんなものがはやって、我々はそれに甘んじていくほど技術離れが進み、その中がブラックボックスになっていく。そのことに無理解な人間が増えてくるという現象が絶対あると思うんですね。
 古代から、縄文とか、ずっと昔から人間、我々の先祖はいっぱい物をつくってきて、そして、生命を維持し、快適にしてきたわけですが、それが日常生活であれ、学校であれ、いろいろなところで学ばれてきたのですが、今、それを我々はみんな忘れ去ろうとして、その上澄みの文化の部分のだけを一生懸命学べば何かよくなってくるのではないかと思います。いわゆる技術とか、ものづくりと言われたその空気のようなものを忘れないようにしておく必要があるのではないでしょうか。流行と不易でいけば、不易の部分に当たるものが教育の中のものづくりの教育の部分だと思います。これは今まで世間でずっと地域とかで行われていたのでよかったのですが、そのことが子どもにもう伝えられない状況が出てきているのです。産業の中の一部のところに集約されるようになってきたので、どうにかしてそれをもう一度子どもの中にものづくりを戻すことが必要であり、それが、技術教育、ものづくりの教育の原点かなと思います。
 それで、学校教育法の改正で、情報と、それから、産業が入っていたのですが、そのことが入って、そのことがこの新しい方向にもしっかり出てきたことはとてもいいことではないかと思います。この10年間、エネルギー関係とか、生物関係のほうが非常に選択でおろそかになっていたことに対しての反省も出ていることが非常にいいことだと思います。できるだけこの4つのことが必修化の方向にすすみ、全国民がやっていくことになることがものづくりとしてとてもいいことであると思いました。
 それから、管理するという言葉について、考えている者にとってはいいんですが、初めて聞く人、保護者の人にとっては、普通、管理というとマネジメントのほうを思いつくのではないかということで、もう少し平らな言葉がないのか、身近な言葉で。例えば評価するというのはわかるにしても、活用ぐらいのほうがいいのかなというような感じはしております。
 それから、エネルギーという言葉が出てくるんですが、やはりもう少し、ここのところでは電気エネルギーという言葉で具体的には述べられているように思うんですが、やはりエネルギーをつくることですね、これも技術の役割だと思うんですね。エネルギーをまずつくること、電気エネルギーであったり、ガソリンでエンジンをつくったり、スターリングエンジンでやったりとか、ゴムやばねやおもりや振り子でエネルギーをつくるとかといったような広いエネルギーをつくることについても学ぶ必要があるのではないかと思います。その上でつくったエネルギーを今度はいかにして使うのか、例えば、歯車で伝達したり、電子回路で使ったり、ICで制御したりというようなことを学ぶわけです。このように、エネルギーをつくるというほうと使うほうということを大きく分けてしっかりと学ぶようにしてはどうかと考えております。
 それから、情報のこともやはりこの10年間で大幅にコンピュータとか、情報のことが変わってきたなと思うんですが、私としては、プログラムと制御を中心にしたものをしっかりとやることがこれからの国際競争力をつける上でも非常に大事ではないかと考えております。韓国、中国、インドに負けないような情報産業を興すためにも、技術教育の中にコンピュータと情報教育をそういう観点でやることはとてもいいんじゃないかなと考えます。
 それから、材料と加工の中では、例えば木材を中心にしっかりやらなくてはならないと思っております。日本は資源がない国ですが、実は森林だけはたくさんあるわけですね。京都議定書の義務の半分はその森林でもつわけですが、日本の森林で賄えるわけですけれども、それを伐採していろいろ加工を使って、そして、本立てにしたりとかいろんなことをやることで、実はそういう状態を第二の森といいます、CO2(二酸化炭素)がまだ固定されたまま、ずうっと使っていく。そういうような観点の環境教育も必要になってくるのではないかなと思っております。

【塩入委員】
 私のほうから意見を述べさせていただきます。
 改善の方向性ということで出されているんですが、大変方向的にはよろしいかと思うんですが、お願いがあります。学校教育法のほうで、せっかく義務教育の中で非常に大きな目標が具体的に出ている。その中で、私どもの教科の中の内容等が非常にわかりやすく示されています。第4項、あるいは第10項のほうなんかはとても我々の教科と関係あると思います。そういうものをもっとこれとの関連付けたような表現で出していただけないでしょうか。特に10項の勤労観とか、職業に関する内容につきましては、資料17の2ページのほうの、環境のところは3で少し出ている。それから、4ページのところに勤労の観念の定着とか、少し出ています。その下に倫理観とありますが、ちょっともう少しこの目的のほうに近い感じで出していただければ、この教科がいかに重要かなということもはっきりわかりますし、それが学習指導要領におりていって、そして、更に現場におりていったときに、先生方が学校教育法のこの条文にに関連しているんだよ、この教科は関連しているんだよというようなことを非常に教えやすくなってくるんではないかと思います。その辺を表現していただければありがたいなと思います。
 それから、言語力というお話だったのですが、技術・家庭科で作品をつくった場合に、大体どこの学校でも、授業の後で作品のプレゼンテーションみたいな形で、この作品はどういう必要性があると自分は考えて、どういう独創性をもってやったのかというのを発表するという場面をつくっております。それが評価にもつながっております。それから、これらの活用というもの、評価・活用する能力というものにも、技術・家庭科の中でも育てていくというところで、今までもやっておりますので、そういうものも表現していけば、言語力についても育てられているものと思っております。
 それから、最後になりますが、教育課程部会で中学3年生が週35時間しかないというお話を出していただいたという書類をいただきまして、本当に私はありがたいなと思っております。この教科を私は本当に大切だと思っているんですが、現場で少し話をしますと、先生、そんなこと言うけれど、年間で17.5時間でどうやってこれだけのことをやるんだということをよく言われます。そういう面で、非常に私どももつらい思いをしておりますし、現場はもっとつらい思いをしております。それをこういう教育課程部会でお話をいただき、また、それが部会の皆さんのたくさんのご理解をいただいて改善につながっていただければ大変ありがたいと思っております。

【間田主査】
 言語力について塩入委員が触れてくださいましたが、この資料11ですか、技術・家庭のところで言語力について書いてあることはもっともと思われますけれど、言語力と内容と技術・家庭についての文言がどういう意味でつながっているのかなという疑問もありますが、時間がかかりますので、これは後でまたお尋ねいたします。
 あとは、大変スリムにわかりやすく整理していただいているように思っておりますが、技術・家庭についてご意見がありましたら、また後ほどお願いいたします。
 それでは、次にいかせていただきます。
 資料18、普通教科「情報」の現状と課題、改善の方向性(検討素案)について議論してまいりたいと思います。それでは、資料18につきまして、永井教科調査官から説明をお願いいたします。

【永井教科調査官】
 それでは、私のほうから、資料18につきまして、ご説明をさせていただきます。
 昨年の2月に教育課程部会でお取りまとめいただいた「審議経過報告」では、情報教育につきまして、学校教育活動全体を通じて取り組まれているところであるが、情報通信技術の特性に十分留意しながら、発達の段階に応じた教育を推進することが必要である。特に小学校、中学校段階における教育については、総合的な学習の時間の情報に関する学習、中学校の技術・家庭科、高等学校の情報科との関連を整理しつつ体系化し、その充実を図ることが必要であるという記述がなされているところです。この「審議経過報告」を踏まえまして、昨年の夏、本専門部会として、普通教科「情報」の現状と課題、改善の方向性(検討素案)をお取りまとめをいただきました。本日の資料でいきますと資料14ということになります。
 この(検討素案)を昨年8月教育課程部会にご報告をさせていただきました。その際、教育課程部会において、情報関連としてさまざまご意見をいただきました。資料15の3ページに情報関連の部分が記述されてございます。例えば一番初めの丸ですが、情報教育については、義務教育段階では、将来応用能力をつけるためのリテラシーを身に付けさせるような内容にすべきである。そのため、小中高で系統的に一貫性を持たせる必要があるといったご意見をいただきました。また、同じく3つ目の丸ですが、高等学校の普通教科「情報」については、他教科との結び付きが強い教科であるにもかかわらず、生徒にとって普通教科「情報」のみですべてが完結するという認識を持っているところがあるのではないかといったご意見をいただいているところでございます。
 その後、先ほどからお話がございますように、教育基本法の改正、学校教育法の改正がございました。特に義務教育の目標を定めた改正学校教育法の第21条第4号に情報が明示的に規定をされました。そのことによって情報についての基礎的な理解と技能を養うということが義務教育段階の目標とされることになりました。このことを受けまして、同じく改正学校教育法第51条の第1号において、高等学校の目標として、義務教育として行われる普通教育の成果を更に発展拡充させることと規定されております。このように情報につきましては、義務教育、高等学校教育において重視するということが求められてきております。
 昨年夏、本専門部会としてお取りまとめいただきました普通教科「情報」の現状と課題、改善の方向性(検討素案)を、ただいまご説明をいたしました教育課程部会でのご審議、教育基本法、学校教育法の改正を踏まえまして再整理したものが本日資料18としてお示ししたものでございます。基本的には、昨年度の(検討素案)の内容に沿ったものというふうにご理解していただければと思っております。
 資料18でございますが、まず一番最初のページ、1ページ目の2のところに普通教科「情報」の課題ということで、4つにまとめてお示しをしてございます。この4つの課題を、改善するその方向性を、2ページになりますが、3のところに改善の方向性ということで3つの項目にまとめて示してございます。一番初めの丸でございますが、高校生の発達段階や多様な実態を踏まえ、情報活用の実践力を確実に身に付けさせることが重要である。また、このことを一層高める観点から、情報に関する科学的な見方・考え方の確実な定着、合理的な判断力や創造的思考力、情報手段等を活用したコミュニケーション能力や問題解決能力の育成等にかかわる指導を重視するというふうにまとめてございます。
 また、2つ目の丸でございますが、情報の心への影響、情報セキュリティをはじめとする情報安全、情報モラル、マナー、知的財産の保護等の実践的な態度をはぐくむ指導を重視するとさせていただいております。
 また、3つ目の丸では、生徒の多様な学習要求に応えるとともに、生徒の情報活用能力をより一層高めたり、進路希望等を実現させるために、より広く、より深く又はより発展的に学びたいと希望する生徒の期待に応えるために、応用・発展的な内容を重視するというふうにまとめさせていただきました。
 このことを受けまして、同じページの4の改善例で、(ア)から(エ)まで4つ示させていただいたところでございます。まず、最初の(ア)ですが、社会の情報化の進展に主体的に対応できる能力や態度をはぐくむために、情報活用の実践力の確実な定着や情報に関する倫理的な態度と安全に関する態度や規範意識の育成を特に重視した上で、生徒の能力や適性、興味・関心、進路希望等の実態に応じて、情報に関する科学的あるいは社会的な見方や考え方に重点を置いた学習を可能とするよう現行の科目構成を見直す。
 次に、(イ)では、情報に関する合理的判断力や創造的思考力、情報手段等を活用したコミュニケーション能力、問題解決能力の育成等に関する指導を重視する。また、次の(ウ)ですが、いわゆるディジタル・デバイドを今後発生させないということを重視する観点から、義務教育における学習の成果を基に、情報及び情報機器、ソフトウエア等を自ら使いこなしていく、そういう知識・技能を確実に身に付けさせる指導をより一層重視する。最後の(エ)ですが、学習内容の理解の促進と定着を図り、学習意欲を喚起するために実習や体験的な学習を積極的に取り入れるとともに、他教科や様々な社会生活での場面で情報及び情報機器やソフトウエア等を使いこなすことができるようにすることを重視するというふうに改善の具体的な例を取りまとめさせていただいたところでございます。
 以上、資料18をご説明しました。よろしくご審議いただければと思います。お願いいたします。

【間田主査】
 それでは、資料18についてご意見をいただきたいと思いますが、その際、資料11の言語力の育成に関する主な意見について(議論の整理用メモ)【修正素案】についてのご意見もあわせていただきたいと思います。

【清水主査代理】
 資料18につきまして、永井教科調査官がご説明なりました点ですけども、非常によくまとまっていると思いました。これからのことで3点簡単に申し上げたいと思います。
 1つは、普通教科「情報」の必履修の点であります。教育課程部会で必履修について議論を全体的にされるかと思いますけれども、普通教科「情報」については、引き続き必履修をぜひお願いしたいということであります。これは、現在IT人材の不足が今後の我が国の発展に非常に深刻な問題であると世界からも言われております。そういった中で、IT新改革戦略で人材育成が一つのポイントになっておりますけれども、IT人材基盤の整備というのが2大柱の一つになります。これがこの情報教育にかかわる点でありまして、そういったことから多くの学会、あるいは大学自体からも必履修の要望が出されております。そういった観点で、ぜひ今後も引き続き必履修をお願いしたいというのが第1点であります。
 2番目は、科目構成につきまして、永井教科調査官でご説明になった点であります。現在、「情報A」、「情報B」、「情報C」となっておりますけれども、IT人材のすそ野を広げるといったような観点からいきますと、科目構成、科目の名称も含めましてわかりやすくするということが非常に重要と思います。ですから、例えば「情報と科学」とか、「情報と社会」とかいったようなA、B、Cとかということでない科目名にしていただいて、その上で発展的な内容も扱えるような科目構成にしていただければありがたいと思っているところでございます。
 3番目は、教育課程部会で出されている意見の中で、系統的に一貫性を持たせる情報教育と書かれているわけですけれども、現在ここで扱っているのは高等学校の普通教科「情報」に何か絞ったような形で議論されております。この部会でも、以前からの議論で小中高等学校における、特に情報モラル関係でしたけれども、そのあり方について多くの発言があったかと思います。この体系的・系統的なあり方というのは、平成10年8月に出された協力者会議の報告で現在の体系化されておりますけれども、急速に変わった現在の状況に合わせるその系統的完成という観点を議論する場をどこかきっちりつくっていただけないかと、最後はお願いであります。

【小泉委員】
 私のほうから、今、清水委員がご指摘なされた3点に関係しまして、現状、高校の現場のことを若干補足させていただきます。
 まず、高校で普通教科「情報」が始まって5年間が経過してきましたが、その中で、情報履修者のアンケートをとった中で、楽しかったという率直な意見のほかに、実際にこれからの社会に役に立つことを実感したと、大変ありがたいという意見が極めて多いという実情があります。これは何を意味しているかといいますと、現状、小中高の子どもたちが携帯電話とか、あるいはウェブのチャットにかなり時間を割いている。実は、そこの状況が我々が把握できていない、今、一番見えない部分であります。その部分について、彼らがそういう生活をしている中で危ないこと、してはいけないことがわかったということを感想の中で述べています。
 実際、無意識のうちに彼らは、いいこともありますけど、悪いことも行っているという、要は、コミュニケーションを自分たちはしているつもりで、実はコミュニケーションがとれていない。更には、コミュニケーションを阻害している状況がある。それを普通教科「情報」という教科の中で、授業の中で示唆され、自分でコントロールがきいたということもあります。
 その一方で、かなりネット社会特有の犯罪とか事件が多発しています。ある意味で、これは普通教科「情報」という教科があったからこそ、今、抑えられているのではないかという気がします。というのは、今の情報化のスピードにかんがみますと、普通教科「情報」という教科がなかった場合、かなり今よりは大きな事件が発生している可能性もあるという見方もあります。ということで、必履修という発言がされましたけど、必履修はこれからぜひとも必要な条件ではないかと思います。
 2点目ですが、その科目の名前ということですが、実は、保護者、あるいは他教科の教員の間からしても、情報A、B、Cというのがわかりにくいと。情報Aさえやっていればいいとか、情報B、Cは何なのという意見もあります。そういう中である程度中身がわかるという科目名というのは、この後の問題ではあると思いますけれど、と同時に、中身も、先ほど指摘があった小中高の連携を踏まえて、情報教育の体系的な再検討の中で、高校の普通教科「情報」という教科の中で何が不易なもので、また、何が発展かつ応用なものであるかをきちっと精査した上で、その科目の内容の構成も決めていく必要があろうかと。実際高校生というのは、勉強に興味はなくてもITには興味がある。勉強に興味がなくても携帯等についてはたけているという子どもたちが極めて多いです。そういう中で、高校を卒業して社会へ出たときの彼らの進路等をかんがみますと、やはり今のA、B、Cの内容を再構成し、更に内容がわかりやすい、保護者にも、他教科の教員にもわかりやすい内容にすべき必要があろうかと思います。
 最後に、先ほど上野教科調査官からもお話がありましたように、中学校の技術・家庭科も当然含みますけども、ネットワーク社会の多重債務の話もありますが、そういう情報教育という体系化の中で、高校の普通教科「情報」というのは最後の締めくくりのところでありますので、むだな重複を避け、必要な繰り返しは何回も行う。こういうスタンスで、できれば小中高の情報教育そのもの、ベースとなる部分をきちっと視野に置いていただきたい。先ほど永井教科調査官からご指摘のあった、資料18の2ページに(イ)に問題解決能力というのがございますが、これはまさしく科学的な理解、つまり、仕組みを知らないで物を操作、例えば車でいうと運転しているという、そういう危険が今、子どもたちにはネット社会の中でそういう危険に直面している。そういう科学的なその仕組みを知るということ同時に、社会とのかかわり、先ほど申し上げましたような、社会とのかかわりの中で情報というものの扱い方、特にコミュニケーションについてあるべき姿、あるいは問題が起きたときの対処方法を学ぶというようなことがぜひとも必要かと思っています。

【松原委員】
 社会の情報化が急激に進展しているわけでありまして、結局その結果、私たちはたくさんのことを学ばなければならないということが発生してきているということがあると思います。そういったことから、いろんな学習内容を整理していかなきゃいけない中にあって、今日提示された資料18は、コンパクトにすっきりとよくまとめられていると思います。
 このことに関しては、私はこのように考えています。今回の普通教科「情報」の中での売りというか、目玉というか、大事な点は、1つは、いわゆる情報のモラルと安全に関する教育の充実、つまり、情報安全という、どちらかというと新しい、まあ、常識的ではあるのですが、教科の中でこんな形で明示的に出す点では新しい概念かと思います。逆に新しいがゆえに、そのあたりの内容をある程度きちっと整理しておくということも大事かと思います。
 これについてのお話ですが、コンピュータは発明から大体60年ぐらいということです。車ですね、ガソリン自動車、これは120年ぐらいと言われますけれど、2倍ぐらい違うわけですね。車が発明されてから120年の中で、いわゆる交通安全という考え方が整理されて今に至っていると思います。情報安全は、今、こういう形で新たに起こそうということを考えるときに、先ほど申し上げた交通安全というのに学ぶところがわかりやすいのではないかなという感じがしております。例えば交通モラルとか、交通安全だとか、交通規則だとかというのを情報モラルとか、情報規則だとかというような形で置きかえてみると、厳密な意味での違いはもちろんあるわけで、簡単にはいきませんけれども、大まかにすっと理解できるものではないかなと。つまり、情報安全は、交通安全の構造や、流れや、概念体系を学ぶことができるかなと思います。
 そういったことから、交通モラル、交通安全といっても、交通安全が上位概念のような気がいたしますので、やはり情報モラル、情報安全というようなことをいろいろ考える上では、情報安全というものをなるべく上位概念として整理しておくとわかりやすいのかなという気はいたします。ただ、情報モラルもいろんな問題がどんどん出てきていることから、著作権の問題とか、いろいろな問題があるもので、結局増築に増築を重ねてきたと。情報モラルという枠組みではあるけれど、よく見てみたら、著作権法、つまり、法の遵守といいますか、そういうことになっていたりとか、いろんなものが入ってきている。それ自身は非常に効果があり、有意義ではあったとは思うんですけれども、そういったことを新たにもう一回整理し直すという意味で、今日の提示された文書は比較的わかりやすく分類されているのかなと感じています。そういうことで、1つ目は、情報安全を上位概念としながらも、今までのモラルも一応表現するということで、情報のモラルと安全に関する教育の充実ということです。
 2つ目は、情報の科学性の追求だと思います。今日拝見しまして、テーブルの上に置いてある、これは、要望書等というのがありますけれど、これをずっと先ほどから拝見していましたけれども、内容の充実に関しては、情報というものをきちっと学問としてとらえて、それをきちっと教えていってほしいという要望が圧倒的にあります。私たちも今までそういったことで申し上げておりましたけれども、いわゆる、あえて言えば情報学ということもできるかもしれませんけれども、情報を学問としてとらえた科学性を追求したものが大事ではないかというのが2つ目です。
 それから、3つ目は、情報と社会とのかかわりの内容充実、社会も情報化に伴って、メディアも含めまして随分そのあたりのところが、内容が豊富になってきましたので、それもあわせて整理をする。そういった観点から科目構成は、「情報の科学」だとか、それから、「情報と社会」といったような名称が比較的わかりやすいのではないかと。既に委員の先生方がおっしゃっていますように、私もそのように思います。
 4つ目、その次ですけれど、情報教育は、この前も申し上げたんですけれど、おおむね2つの視点があると思います。これを混同すると変になってしまうということで思うんですけれど、1つは、いわゆるこの普通教科「情報」のようなところで担うべき情報のコアといいますか、芯といいますか、ここでいう情報を学問としてきちっと内容を教えるという部分。それと、もう一つは、ICT活用ですね。情報機器などを上手に使って、例えばほかの教科などで使っていただくということの、この両輪が大事だということで、どちらか一方で済むというものではありません。もちろん他教科でコンピュータを使った教育がなされたからといって、普通教科「情報」は要らないなんていう論理はもちろん発生しないということであります。そういったことから、情報教育をコアといいますか、芯といいますか、情報を学問としてとらえる普通教科「情報」のような部分と、それから、すべての教科で小中高との連携の中でやっていきたいその情報教育、この2つをきちっと明示しておく必要が大事だと思います。
 ここでは、教科にかかわるところということでございますので、どちらかというとコアといいますか、芯のほうの部分だと思います。そうしますと、中学校の技術・家庭科の技術分野の情報との連携とか、接続というものが大事になると思います。中学校のほうでも、その部分は、どこかに書いてあったと思うのですけれど、具体的には中学校の、いわゆる情報にかかわる部分を今後進めていく中にあって、高校の部分も進めていく中にあって、互いにそれを、接続を具体的にする場が今のところないと思いますので、そういった意味で何らかの形で、その接続の意味できちっと本当にそれが実現できるような場があればいいなということで、それをぜひお願いしたいと思います。
 最後、言語力の育成についての話ですけれど、これは、マルチメディアも含め多種多様なメディアの本質を理解して、メディアを活用して情報を新たにつくり出す能力、これが大事だと思います。これはこの言語力の育成に関する云々というこの資料11の中には、国語の中にあるものですけれど、ここの中には情報評価能力というのはあるのですけれど、先ほど私、申し上げました情報をつくり出す能力というものがないので、メディア教育、あるいは情報教育、普通教科「情報」の立場からいうと、情報を新たにつくり出す能力というものが大事ではないかと考えております。これは、もちろんその後にあります合理的判断力だとか、創造的思考力だとか、問題解決能力などに密接に関係あるものだと思います。

【牧野主査代理】
 4人の情報のご専門の先生方のご意見を伺い、今後の方向を聞いてなるほどと思いました。最後に、言語力の育成との関係で申し上げますと、今のご意見に続けて、何か情報というのは非常に大事なコミュニケーションの問題ですよね。それで、この言語力のところでは、11ページに、家庭、技術・家庭、情報となっておりますけれども、こちらの今までのまとめの中にもありますように、学校教育全体を通して考えていくべき問題だということ。この言語力については、どうも対面的なコミュニケーションがかなり想定されているけど、お話にありましたような、見えないマルチメディア、あるいはもう携帯電話とか、さまざまな情報が飛び交っている中で、何か情報というのはもう一つ、ここの中に入っていって、この丸3つの中では十分今までのお話が反映されてないじゃないかと、少し外からも心配して、独立しておいてもいいくらいな大きな言語力の問題ではないか、インフォメーションを受け取るということと発信するということですよね。だから、ここだけでは少し遅いというのをみんな最近考えていると思うんですけど、何かちょっと大幅な、大きな問題になりますけれども伺っていて、そう感じました。

【上市委員】
 今のお話のとおり、私も、とにかく言語力の育成に関するところというところで非常に、まさにこれは普通教科「情報」があるべき力を発揮すべきところかなと見させていただいたのですが、とにかく送り手と受け手ということがいろいろな媒体を通してのコミュニケーションということでございますので、そういう中では相手の反応をどのようにその媒体を通した場合に、送り手の意図がちゃんと相手に伝わっているかどうかというようなものがあって、コミュニケーションをどうやってとるか、媒体を通してどうやってとっていくかということで、相手の反応を見ないとどうしてもわからない部分があるわけでございます。そういう中では、媒体を通すいろんなコミュニケーションが今までとは違っているというところからすると、本当に普通教科「情報」が担うべきところがここにあるのではないかと思うわけでございます。
 あと、これだけいろんな技術が発展していく中で一番重要なのが、普通教科「情報」が担うべきところというと、やっぱり人が主体となるという部分、いろんな技術の中に人をどうやって主体とするかという部分が普通教科「情報」の担うべきところかなと考えております。
 そういう意味では、先ほども皆さんおっしゃっていたように、必ず必履修ということでお願いしたいと。更に、科目構成については、先生方のおっしゃったように、わかりやすいことということと、あと、先に通じるような、ですから、もうちょっとその応用面をプラスアルファで教えられる部分が、科目としてもし入れられるんであれば入れていただきたいという部分がございます。
 あと、まさにその系統性ということでございますので、小中高、そして、更に大学等まで含めた中で、流れをどこかで話し合う場面があるとありがたいと考えております。

【間田主査】
 それでは、時間も参りましたので、本日はこのあたりにしたいと思います。本日お出しいただいたご意見については、事務局で論点ごとにその趣旨を整理していただくようお願いいたします。
 限られた時間内での討議でしたので、十分意を尽くせなかったこと、後で思いつかれたこと、その他ご意見やお気づきの点があれば、ペーパーで事務局あてにお送り下さい。
 それでは、今後の日程等について、事務局から説明をお願いします。

【森友学校教育官】
 ご審議ありがとうございました。今後の日程につきましては、主査、主査代理とご相談の上、後日ご連絡をさせていただきたいと思います。
 また、先ほど主査からお話ございましたように、ペーパーによりますご意見等もちょうだいいたしたいと考えております。論点の趣旨を整理してまいります都合上、まことに恐縮ではございますけれども、7月30日の月曜日までを目途にファクスでも、メールでも、郵送でも結構でございますので、ちょうだいをできればと思いますので、よろしくお願いいたします。

【間田主査】
 それでは、ありがとうございました。本日はこれで閉会とします。長時間ありがとうございました。

―了―

(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)