ここからサイトの主なメニューです
特別支援教育特別委員会(第20回)会議次第

1. 日時: 平成17年10月13日(木曜日) 10時〜12時

2. 場所: 如水会館 2階 「オリオンルーム」

3. 議題:
(1) 障害のある児童生徒の就学について
(2) その他

4. 配付資料一覧
  資料1 中央教育審議会初等中等教育分科会特別支援教育特別委員会(第18回)議事要旨
(※特別支援教育特別委員会(第18回)議事録・配付資料へリンク)
  資料2 主要国における障害のある児童生徒の就学について
(独立行政法人国立特殊教育総合研究所提出資料)
  資料3 障害のある児童生徒の就学についての各委員の意見
(第19回特別支援教育特別委員会における意見の概要)
  資料4 特別支援教育特別委員会の今後のスケジュール(案)
     
  参考資料1 「特別支援教育を推進するための制度のあり方について(答申素案)」
(第19回特別支援教育特別委員会配付資料)
(PDF:152KB)
  参考資料2 障害のある児童生徒の就学について
(第19回特別支援教育特別委員会配付資料)
(PDF:96KB)

5. 出席者
  (委員)
    高倉委員(委員長)、宮崎委員(委員長代理)、阿部委員、伊東委員、伊藤委員、今井委員、川邊委員、瀬戸委員、中島委員、西嶋委員、藤田委員、藤原委員、山岡委員
  (事務局)
    銭谷初等中等教育局長、宍戸視学官、瀧本特別支援教育課長、蝦名特別支援教育課企画官、鎌田国立特殊教育総合研究所理事、徳永国立特殊教育総合研究所総括主任研究官、金子国立特殊教育総合研究所主任研究官、その他関係官

6. 概要
    (1)配付資料の確認
    (2)「主要国における障害のある児童生徒の就学について」に基づき、国立特殊教育総合研究所の担当研究官より説明があり、その後意見交換が行われた。以下は、その概要。
     
  :委員、:事務局)
     
  委員 イタリアの事例については、結局インクルージョンとは言うものの、障害のある子どもが通常の学級で「お客さん」扱いをされていると聞いたことがある。卒業後の就労もきちんと出来ているかなど、研究所としてはどのように評価しているのか。
     
  事務局 イタリアの取組についての成果、評価についての客観的なデータは持ち合わせていないが、障害の状態を把握して、それに基づいて個別の教育計画を作ったり、必要に応じて専門教師がつくという形で、指導を行っていると聞いている。
     
  委員

イタリアにおいては、通常の学級に障害のある子どもが就学する場合、加配などにより特別に担当教員をつけることになっているのか。また、一学級の子どの数は何人なのか。

     
  委員

イタリアにおいて特殊教育諸学校が1977年に廃止された際の基本的な理由は何か。

     
  事務局 精神疾患の患者を含め、施設の中に隔離することや、地域の通常教育ではない学校で教育することに対しての問い直しが行われて、可能であればそういう形態は止めようとした動きの一つかと理解している。
     
  委員 イギリスの就学の仕組みに関する報告の中で、「就学先の決定主体」において「ともに学ぶ他の児童生徒にとって適切な教育環境とならない場合」とあるが、これは日本で言う児童生徒の学習権保障のことと思われる。また、18年前にイギリスの学校を視察した際に、いわゆる学習に遅れのある子どもたちのためのリソースルームを見学したが、現在も類似の制度があるのか。
     
  事務局 リソースルームや1対1の指導は、現在でも通常の学校に在籍しながら実施されているものである。また、他の子どもに対する影響としては、安全性の問題、あるいは適切な学習が脅かされるという2つの問題があるが、それらについて慎重に判断することとされている。
     
  委員 日本では就学時の健康診断1回で就学先がほぼ決まってしまうが、特にLD、ADHD、高機能自閉症などの場合は状態が変化する。各国においては、就学先の見直しというのはありえるのか。
     
  事務局 イギリスにおいては、子どもの特別な教育的ニーズとそれに対応する手当てを成文化した判定書について、一年に一度保護者を交えての見直しを行っているが、その際、必要であれば就学先を改めて検討することとしている。アメリカのIEP(Individual Education Plan)ミーティングにおいても同様の取組がなされている。
     
  委員 各国における就学の制度について、子どもへの支援がうまくいっている面、あるいはうまくいっていない面が明らかになっているか。
     
  事務局 イギリスについて言えば、まず、授業の中で具体的にどう取り組むかなどの個別の教育計画作成等を行う「スクールアクション(学校内での取組)」を行う。これでうまくいかない場合には、教育委員会の専門家のアドバイスや巡回相談等を行いながら、新たに個別の教育計画を作成する「スクールアクションプラス」を行う。それでもうまくいかない場合には、判定書を作るという3段階となっている。このような仕組みを通じ、個々の子どもの特別な教育的ニーズを評価し、必要な支援を行うこととしている。
     
  委員 就学指導委員会の体制について、医療関係者が中心で、福祉関係者が少ないのではないか。また、知的障害のある子どもが多いのに、盲・聾の専門家が中心となって対応する場合がある。知的障害や発達障害の関係者がもっと委員として参加した方が良い。日本では、ある程度保護者の意見が通るということになっているが、現実には保護者は受身であることが多い。
     
  委員 アメリカにおける特殊教育諸学校在籍者数の割合が0.5パーセントとなっているが、これは全ての州の平均か。州によってかなり差異があるはずなので、これをどこかに書く必要がある。また、イギリスやドイツにおいては、民間団体が特殊教育諸学校等を設置する動きがあると聞いたが、どうか。
     
  事務局 アメリカのデータについては、連邦法であるIDEA(The Individuals with Disabilities Education Act)に基づく統計結果から、公的な寄宿舎のある機関もしくは養護学校と推定されるものを合わせた数値として特殊教育諸学校在籍者の割合を算出しており、アメリカ全体の平均的な数値と理解している。また、民間団体が設置する特殊教育諸学校については、確かにイギリスでも諸団体の運営する学校があるが、どれぐらいの割合の子どもが通っているかについてのデータは持ちあわせていない。
     
  委員 ノルウェー、スウェーデン、デンマークなどのいわゆる福祉先進国の事例が示されていないことは残念。また、共産圏にある国家の資料もあると良いのではないか。
     
  委員 特殊教育諸学校と通常の学校との交流について、特殊教育諸学校と通常の学校が物理的に併設されていたり、もしくは非常に近い状態で交流活動が進んでいるような事例があるか。また、特別な教育サービスを受けている者の中には、特殊教育諸学校に在籍していない者もいる。これらの者に対しては特殊学級、通級、巡回による指導がなされていると思うが、どのような割合でこれらのサービスを受けているのか。
     
  事務局 特殊教育諸学校と通常の学校の間の交流については、まとまった情報を持っていない。特別な教育サービスの内容ごとの割合については、今すぐ示せるものはない。
     
  委員 国立特殊教育総合研究所において、国際的な状況を情報収集・研究する常設の部署はあるか。
     
  事務局 常設の部署はない。今回の発表者についても障害種別の専門家でありながら、国際比較担当チームを取りまとめている。
     
  委員 障害のある子どもの就学については、大事な問題なので、質問があったような点は具体的に追究していく必要がある。日本の就学に関する状況については、弾力的であるということも含め、比較的適正な状態にあるという印象を持っている。
     
  委員 研究又は調査の目的に照らして対象とする国や地域を検討し、こうした比較研究を積極的に推進できる体制を作っていただきたい。また、情報を整理した上で、日本の課題する提言を行うような研究の成果を期待したい。
     
    (3)「障害のある児童生徒の就学についての各委員の意見(第19回特別支援教育特別委員会における意見の概要)」について、事務局より説明があり、その後意見交換が行われた。以下はその概要。
     
  委員 前回出た意見にほぼ賛成できるが、特に、就学の際に、二者択一のような、一度の判定で就学先が固定されてしまうようなイメージがあるが、これは良くない。特に軽度発達障害は改善することもあるので、一度の判定で就学先が固定されてしまうのは制度的に問題である。
 スムーズに転学が行えるのであれば、本当にニーズがあるかどうかを試すことができる。通常の学級に就学した後で支援や説得をするのではなく、まずは、支援が受けられる状態にし、その後で、やはり支援は必要ないのであれば、通常の学級に移るとした方が、保護者や児童生徒にとって負担が少なく、制度として機能しやすいのではないか。
     
  委員 スクールカウンセラーをやっていて、保護者に特別な機関に行くことを薦めるのが非常に難しかったという経験がある。保護者の意見と本人のニーズが合致しない際もあると思うが、専門家、学校の先生、保護者、本人、カウンセラーなどによる合議をしっかり行うことが必要。
 また、不登校の子どもに対し、外部機関を紹介する際には、なぜそれが必要でどのようなメリットがあるのか具体的データを示すなどの説明責任を果たすよう心がけている。そうでないと保護者は学校に捨てられるのではないかという不安を持つことがある。
 さらに、就学指導の際に、就学先の決定が一度限りではないことを伝えられれば、保護者の納得が得られるのではないか。
     
  委員 保護者の立場からすると、就学指導委員会を保護者が信頼しているかどうかが基本であり、次の3点が重要である。
 まずは、就学指導委員会の回数と期間について、それが十分に納得できるものであれば、保護者の信頼につながる。
 次に、委員は各障害を十分に知っていることが重要であり、最新の情報を有する専門家に委員になって欲しい。
 最後に、大勢の委員の前に座り、そこではっきり意見が言える保護者は少ない。子ども側のサポーターが付いていると良い。そして保護者の意見に対して明確かつ論理的な反論があって、数回やり取りをすれば保護者も納得がいくだろう。
 なお、配付資料中に「心身の故障の程度」という文言があるが、もっと適切な表現はないか。例えば、「社会に対する対応がしにくい子ども」などはどうか。
     
  委員 「心身の故障の程度」とは、法律の用語をそのままここに置き換えたもの。そういった法令上の表現をどう変えるのかという発言だと受け止めたい。
     
  事務局 答申素案においては、第6章の関連する諸課題において法令上の用語等の見直しについて言及されている。今後、答申を踏まえた上で、制度改正等に取り組んでいきたい。
     
  委員 子どもの個性や能力は連続的であり、大きな集団で学ぶことでその能力を開花する子どももいれば、数時間特別な指導や支援を受ければ成長・発達していく子どももいる。「これができない場合には特別の教育を用意する」と完全に分けるのは難しい。個々の子どもの教育的ニーズに応じてどうしていくか、連続性のある子どもへの支援体制をどうしていくか、ということをこれまで議論してきた。障害者権利条約は、特殊教育について取り出し教育という意識が強いようで、違和感を感ずる。
     
  委員 就学の際、通常の学級が無理なら特殊学級に、特殊学級が無理なら特殊学校に、という流れになっており、それぞれの学校で受けられるサービスは決まっている。そうではなく、今後は個別の支援計画が、(就学先においても)個々の子どもの状態に応じた支援を提供する役割を果たしていくのだと思うが、IEPや判定書のように、その子のニーズに基づいたプランを考えるためには、どのようなメンバーで何を決めるべきか考えるべき。その結果、保護者の信頼も得られるのではないか。
     
  委員 資料にある、子どものニーズの把握、反映のための方策と、保護者の意向の把握、反映のための取組については、各委員の間に意見の食い違いはないだろう。相互理解を図るなど、就学相談が子どものニーズを的確に把握することが重要。
     
  委員 校内の就学指導委員会においては、入学した子どもの就学が適切であったのか再検討して、さらに適切な就学に向けて話し合いを進めている。校内就学指導委員会を支援体制の一部として位置づけ、運営していく必要がある。
     
  委員 最近、発達障害と思われる子どもが、私立学校から公立学校に転学してきている。公立学校において特別支援教育を推進すればするほど子どもが私立学校に行くということにならないよう、何らかの形で私立学校との関係を考える必要がある。
     
  委員 学校の条件が未整備にもかかわらず、保護者の要望により、認定就学の扱いとせざるを得ないということを経験してきた。これはその子どもの適正な就学を意図した長期の受け入れではない。親の要望がそのまま子どものニーズとは必ずしも言えず、認定就学の条件を満たさないで受け入れざるを得ない学校にあって、校長の権限と責任範囲には限界がある。また、教育現場では他の子どもの学習権が問題になった。市町村教育委員会のバックアップによる、ある程度の条件整備、行政上の配慮、認定就学の基準の明確化と保護者への周知が必要だと考える。また、就学指導委員会の指導権限の向上、信頼性の確立を進める必要がある。
     
  委員 就学指導委員会と特別支援教育の体制整備がうまくリンクすれば、親の信頼につながり、各市町村でそのような体制を早く確立することが、就学指導の信頼を高めることになるのではないか。
     
  委員 高等学校に特殊学級がないがゆえに、養護学校高等部が満杯の状況であると聞いている。こうした生徒の多くは高等学校において支援すれば十分対応できる。保護者も高等学校に行かせたいが、その道がないと言う。失礼な話かもしれないが、養護学校に在学するよりも能力を伸ばせて、就職できることもあろう。特別支援教育の考え方の中で、高等学校への就学について触れる必要があるのではないか。
     
  委員 障害者基本計画に盛り込まれている個別の支援計画策定にあたっては、就学前にどのような支援が必要かということが個別に検討され、それが就学指導に反映されることが考えられる。ただ、就学前の策定段階では、福祉・医療関係者が多く、教育関係者がいない。また、受け皿となる適切な場や指導者や方法がないと、現実的には不十分なものとなってしまう恐れがあり、教育との調整が必要。個別の支援計画と教育の関係について触れる必要がある。
     
  委員 保護者が就学指導委員会での審査を拒否する場合があることも、念頭に置くべき。就学指導委員会の権威を高めるか、イギリスのように特別な仲裁機関や裁定機関を設けるかなどを考える必要がある。また、答申における就学に関する記述については、現在は、「後期中等教育等」「また」「なお」と続いているので、項目を立てるなど、「…など、今後の大事な課題だ」という提起としてまとめるのが良い。
     
  委員 「21世紀の特殊教育の在り方について(最終報告)」のほぼ1/3が就学指導に関する検討であった。やはり、そこでの提言を踏まるべきではないか。認定就学制度や早期相談体系化推進事業も、これを受けて始まったもの。早期体系化相談相談事業については、これにより都道府県においてどう変わったのか知る必要がある。就学前における特別支援教育は、今回の柱のひとつだったはずで、個別の教育支援計画の位置づけなどについても書き込む必要がある。また、特殊教育諸学校と小・中学校の間の転学については、学校間の転学者についてのデータがあれば、弾力化してきたことを示せるため、整理しておくと良いのではないか。さらに、特別支援教育体制推進事業のなかで就学指導をどう考えるのか、整理しておく必要がある。
     
    (4)今後の日程について、事務局より説明があり、閉会となった。

(初等中等教育局特別支援教育課)

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ