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教育課程部会 外国語専門部会(第10回) 議事録

1. 日時
  平成18年1月27日(金曜日)10時~12時

2. 場所
  丸の内東京會舘「シルバールーム」

3. 議題
  外国語教育の改善充実について

4. 配付資料
 
資料1   小学校における英語教育の在り方に関する論点について
資料2   審議経過報告(素案たたき台)(教育課程部会(第3期第21回)配付資料)
資料3   小学校段階の英語教育の目標・内容の考え方についての論点整理メモ
資料4   小学校における英語教育の在り方に係る現状と課題、主な意見
資料5   小学校の英語教育における学級担任と専科教員の特徴の例
資料6   小学校英語に関する現職教員研修の例
資料7   小学校の英語教育指導者に求められる能力の例
資料8   小学校英語におけるALT(ネイティブスピーカー)の活用パターン
資料9   ネイティブスピーカーとICTの特徴の例
資料10   外国語専門部会におけるこれまでの意見の概要について
資料11   外国語専門部会におけるこれまでの主な意見

参考資料1   外国語教育の充実、小学校段階の英語教育に関する参考資料
参考資料2   教育改革のための重点行動計画
教育改革のための重点行動計画-どの子どもにも豊かな教育を-(PDF:211KB)
義務教育の構造改革スケジュール
(PDF:404KB)
(※報道発表へリンク)
参考資料3   「英語が使える日本人」の育成ための行動計画(平成15年3月31日)
(※報道発表へリンク)
参考資料4   中学校の英語教員(約180名)を対象とした小学校英語に関する意識調査(太郎良委員提出資料)

5. 出席者
(委員)
中嶋主査,田村主査代理,影浦委員,金谷委員,金森委員,杉本委員,太郎良委員,萩原委員,本名委員,松川委員,松本委員,門馬委員,山岡委員,吉田(博)委員

(事務局)
文部科学省: 布村審議官,常盤教育課程課長,合田教育企画室長,井上教育課程企画室長補佐,増子専門官,平田視学官,廣瀬視学官,小串視学官,河野専門官,菅教科調査官,太田教科調査官
国立教育政策研究所: 惣脇教育課程研究センター長

6. 議事
  (1)事務局より資料について説明の後,小学校における外国語教育の指導者について自由討議が行われた。主な発言は以下のとおり。

委員  学級担任による指導が望ましいか,専科教員による指導が望ましいかについて,資料5にある小学校教員への意識調査で,学級担任がよいが4割にとどまっているのは,ただでさえ忙しいのに,さらに英語が導入されるとたまらない,あるいは英語の指導に対して自信がないからであると思う。そのあたりを洞察しながらこの数字を見ていったほうがいいと思う。
 小学校の英語をどの学年から始めるかを明確にしないと,学級担任がよいのか,専科教員がよいのかは判断できないと思う。
 学校現場の立場からは,英語はもとより各教科をどれほど意欲をもって取り組んでくれるのか,教壇に立っている人たちはどう感じ,どう考えているのかを把握した上で方向性を出していく必要があると思う。参考資料4はそれを探るものである。

委員  (参考資料4「中学校の英語教員(180名)を対象とした小学校英語に関する意識調査」について説明)対象は中学校の管理職並びに教員である。調査対象は,東京都の全市区町村の,特に英語にかかわる管理職並びに教員,そして全国の都道府県,政令都市の会長,事務局長,約200校である。いずれも英語に対して大変意識の高い人たちであり,中身の信頼性は相当あると考えてよいかと思われる。
 現在,小学校では,総合的な学習の中で英語活動が行われている例が圧倒的に多いが,この形をもっと充実させてもよいのではないかという意見が多数を占めたのは,非常に興味深く思われた。
 あわせて,条件整備が不十分なままで導入されてもかえって混乱するのではないかという意見が非常に強いと思った。

委員  資料5にある小学校教員への意識調査で,小学校の英語教育は学級担任がよいが4割,専科教員がよいは8割とあることについて,小学校に携わる者として推察すると,英語は特別な技能を有するという固定観念があるので,専科教員がよいとする割合が高いのだと思う。
 専科教員による場合と学級担任による場合では,それぞれにメリットとデメリットがあるので,どちらかが行うという二者択一ではなく,両方で行うことが望ましいと考える。高学年では専科教員,低・中学年ではALTと学級担任のT・T(ティーム・ティーチング)で行うのが望ましいのではないか。
 小学校ではどうして教科担任制でないのかを考えてみると,学習指導と生活指導が切り離せないからだと思う。

委員  学校現場を見る限り,学級担任が係っていない場合にはあまりうまくいっていないということは間違いないだろう。参考資料1の38頁に学校現場の教員が英語活動を実施する上での課題の中に,74パーセントの教員がALTや英語の堪能な民間人などの外部人材の確保を挙げている。おそらく7割から8割の教員が英語教育をやろうと思うが,きちんとサポート体制をつくってほしいと思っている。これは最低限のことである。
 やりたい教員にやってもらうことは大切だが,支援がほしいという教員に対しては,ここまで支援できるということを示す必要がある。
 教育現場では教員に対して多様なニーズが出てくると,それに対応するシステムとして特別非常勤講師制度などがすでに実施されている。そうしたシステムをフルに活用すれば対応できると思われる。
 担任がこのことに対して責任をもつことは必要だが,現場に対して頑張ってくださいだけでは,現場からかなり反発があると思う。日本の今の教育の体制で一番よくないのは,予算はありません,頑張ってくださいということばかりを言っていることである。そして結局OECDの中で一番教育費が低い国になってきている。専科教員や地域の人材,ALTなどを活用するための予算を確保していただきたい。

委員  資料3の「小学校段階の英語教育の目標・内容の考え方についての論点整理メモ」との関連で,スキルを重視するのであれば専科教員を多く使うべきだということになるが,スキルを学習することが副次的・二次的な目的であるならば,英語は他の教科と同じ取扱いになり,学級担任が指導するという体制になる。目的が何であるかを定めていないのに方法論だけを議論できない。

委員  英語のスキルか国際コミュニケーションかは別の問題として考える必要はない。英語のスキルをもった人が国際理解の要素を踏まえてシラバスをつくればよい。
 宇部市の例を示す。2000年度から「地域で進める外国語教育の推進」という企画が3年間行われた。一年目に採用条件は英語検定2級で子どもの好きな人であるとして指導者を募集したところ60名集まった。その人たちに30時間近く研修をしていただいた。その研修はスキルと国際コミュニケーションを柱にしてシラバスを立てたものであった。その後,各地域のコミュニティーセンターで英語教育をやっていただいた。これはうまくいったという評判を得ている。
 英語のスキルと国際コミュニケーションは分けて考える問題ではなく,カリキュラムやシラバスの中に2つの要素を入れればうまくいくと思う。
 指導者の英語力は英語検定2級ぐらいのレベルでないとうまくいかない。

委員  文部科学省が小学校に英語を導入するに当たって,スキル重視でいくのか。

委員  それでいくのではない。全体的には国際コミュニケーションでいくという枠組みが強かったが,スキルを無視するわけではなく,両方とも行うのである。

委員  実態はそうだが,理念的にどちらに立つのかが重要である。

委員  理念的にどちらに立つかを敢えて分けなくてよい。All or nothingでなくてもよい。

委員  やるのはall or nothingでなくてよい。立場としてどちらを取るかによって,小学校の教員養成課程の内容や教材の組み立て,教員研修の在り方とその中身も変わると思う。

委員  おそらくこの問題は何年生から導入するかという問題とも関係する。

委員  確かにall or nothingであるという必要はないが,軸足をどちらに置くかを決めないといけないのではないか。
 国際コミュニケーションに軸足をもっていくと,何故英語なのかということになる。軸足はスキルに置かないとおかしいと思う。そうしないと専科教員はどういう教員にすればよいのかが大きな問題になる。

委員  義務教育終了段階でどのような力を付けさせるのかを明記すべき。英語教育は教科であれ領域であれ,スキルを無視することはできない。小学校段階でスキルをどこまで要求するのかを明らかにしていかないと議論が進まない。それを明らかにすれば,必要な授業時間や開始時期,学級担任なのか専科教員なのか議論できるのではないか。

委員  スキルか国際コミュニケーションかについては,これまでの研究開発学校では国際コミュニケーションのほうが多かったと思う。研究開発学校が行ってきたことを最大限利用する方向で行くべきである。
 研究開発学校は国際コミュニケーションを目的に取り組んできており,かなり成果が現れているが,次の段階としてはスキルであるという発言が以前の会議であった。だからどちらかと言うと,軸足は国際コミュニケーションの方から考えていけば無理が少ないのではないかと思う。

委員  スキルのほうに軸足を置くべきである。小学校に英語が導入されたとき,中学校はどうなるのかを考えなければならなくなる。国際理解に軸足があった場合,英語のスキルを小学校6年ではどこまで行うのかが曖昧になり,中学校への接続に関する議論も難しくなるような気がする。
 まず軸足としてはスキルとし,そのスキルを生かすために内容やコンテンツが必要になってくるのだから,当然国際理解が入ってくることになる。
 カリキュラムをつくる上では,スキルをベースにしたほうがよいのではないか。

委員  この議論は前回の時にもあった。そのときも話したが,この考え方は,大きな流れとして小学校での英語教育を扱っているので,英語か国際理解かの対比とは考えていない。あくまでも小学校段階での英語教育を充実させるという流れの中で考えているので,総合的な学習の時間の中で英語活動としてやっているのが現状であり,それをより充実させるという考え方である。
 英語も国語も通しながら英語を使っていくことに対する積極的な意欲や関心を充実させていくところに,より重点を置きたい。
 国際理解かスキルかというように対比させれば,何故英語をやるのかという問題が出てくる。あくまで英語をやることが大前提であって,現状の小学校の英語活動を見ても,教科として取り組んでいる研究開発学校の実態を見ても,小学校段階でスキルに力点を置くことには無理があり,実情に合っていないという結果が出ている。どちらかというと国際コミュニケーションを重視するほうがよい。
 だれが教えるかについては,国際コミュニケーション重視を前提にするならば学級担任が主たる指導者になることは当然のことである。専科教員という考え方は,専科教員が1人で教えるということはないと思う。ただ専科的な人がいなくてよいわけでなく,教科担任の手助けやT・T(ティーム・ティーチング)を行うという意味で専科的な教員は必要である。
 これも学級担任か専科教員なのかという対比ではなく,主体はあくまで学級担任であるが,専科教員という役割の人も必要である。
 中学校の英語の免許を持っている人が専科教員になることが適切なのか,小学校で長年英語活動を行ってきたリーダー的な人が専科教員になることが適切なのかは,小学校段階での英語教育の目標や内容にある程度コンセンサスを得られた段階で考えていくべきである。
 専科というのは,中学校や高等学校の英語の免許を持っている人が1人で教えるという形態は現状の流れからいうと不自然であるが,今後続けていく場合,高学年では専科教員の手助けがあったほうがよいというのも事実である。

委員  英語のスキルか国際コミュニケーションかという分け方があるが,国際コミュニケーションを本当に行うなら,スキルがなければできない。むしろ英語のスキルか異文化理解かという分け方であれば,分かるような気がする。

委員  国際コミュニケーションは主としてコミュニケーションのことを言っている。文部科学省は,関係性を重視した教育を行っていくのか,英語という言語に総括されたスキルを育成していくのかという大きな分岐点に立っていると思う。そういう意味で先の発言でまとめられた方向性は意義深いと思う。
 学級担任が子どもの活動や授業の在り方等をコミュニケーションという視点から見直し,日本語が通じない相手とどのようにコミュニケーションを取っていくかと言うときに,外国語として最初にやるのは英語であるというのは,何故英語かということへの答えとなる。
 もし何故英語かということが問題になるのであれば,中学校のほとんどが何故英語をやっているのかが問題になる。たがら,コミュニケーションに軸足を置いて,具体的に何年生から英語を取り入れて指導していくのかということで,うまくおさまるのではないか。

委員  国際コミュニケーションに軸足を置くべきであり,その中で,スキルをどこまで入れるのかの議論が必要である。その際に国際コミュニケーションという場合には,やはりコミュニケーションが大切であり,子どもにとって意味ある活動であると言ってもよいと思う。
 参観して印象的であったある英語活動の中で,豆腐づくりのようなものづくりでキーワードを英語に直して行うものがあった。たまたま外国人に説明していたのだが,それは自国文化を理解しながら英語に直して発信するものであった。異文化理解や国際コミュニケーションは,特定の国を理解することよりも,発信型の教育や意味ある活動の中で,コミュニケートしていく力を伸ばすものであり,それを英語で行うという方向がよいのではないか。

委員  スキルと国際コミュニケーションの両方が包含されるものが必要であると思う。スキルと書かれると中学校でやっていることを教科で行うというようにとられる。国際コミュニケーションも英語ということが前提になっているので,コミュニケーションが中心になると思う。総合的な学習の時間である程度行われているような英語活動も,物怖じしないで英語を使えるようにするような活動がなされているが,その中で,スキルも身に付けさせることを考えていくことが大切である。
 小学校での総合的な学習の時間に英語が導入されて,立派な成果を上げつつあるので,それを基盤にした上でスキル的なものが導入できるかを考えていった方がよい。

委員  スキルはコミュニケーションなくして存在し得ない。当然コミュニケーションを土台にしてやっていくわけで,それに対して反対はない。
 実際に1年から6年までカリキュラムを編成するという具体的な作業になったとき,国際コミュニケーションを軸にしたときにどういう形の進展を見ることができるのか。このことを考えると,英語の力にある程度力点を置いたほうが,全体として見やすくなるのではないか。コミュニケーションを無視すれば言葉自体がなくなるので,国際コミュニケーションと切り分けて考える問題ではなく,カリキュラムをつくる際に,どちらのほうが分かりやすいのかということで話をしたのである。

  (2)小学校における外国語教育のALT,留学生等の外国人の活用について自由討議が行われた。主な発言は以下のとおり。

委員  ALTとネイティブ・スピーカーは別である。ALTはすべてネイティブでなくてもよい。これから多国間・多文化間コミュニケーションが増えることを念頭に置くと,むしろノン・ネイティブの人とのコミュニケーションが増えることになる。例えば,日本にも,フィリピン,インド,マレーシア,シンガポールから現地で英語の資格をとった人がたくさん入ってきている。また,留学生も多い。そういう方々にも,ALTの役割をお願いすることができる。そこでは,いろいろな人とコミュニケーションを交わすことが重要であり,一定水準の英語力は必要ではあるものの,ノン・ネイティブでも十分役割を果たすことができる。
 中国,韓国では,英語そのものを教えており,コミュニケーションについて教えることは少ない。一方,日本では,研究開発学校の成果などみても,コミュニケーションが重視されている。中国や韓国と違った英語教育の在り方として,日本では,言語を共通にしない者が英語を使ってコミュニケートすることについて現場で子ども達に教えていくことを大切にしたい。

委員  ALTを活用しないと英語力が伸びないということはない。むしろALTは英語教育については素人だと思う。活用の仕方次第なのであって,要は教員がALTの資質・能力を把握し,適当な指導内容を依頼することが重要である。ALT活用の方針をしっかりと立てられる専科の教員が,その学校や地域の英語教育に関してALTを生かす手だてを講じないと,ALTの数が多く,時間数が多くても,時間とお金の無駄になると思う。また,ALTを指導することや,日本人だけでも指導できる体制をつくっておくことが重要である。ALT依存型では,英語教育を行っていることにはならない。

委員  小学校で英語活動が増えたためか,たくさんのALTが採用されるようになった。その中で,中学校から小学校へのALTの配置換えが見られる。小学校では,ノン・ネイティブ・スピーカーを活用し国際コミュニケーション能力を育てるのであれば,免許はなくても,本当に子どもが好きで,子どものために働きたいという小学校専属のALTを別枠で設けるべきである。

委員  ノン・ネイティブ・スピーカーを活用するとうまくいくケースがある。例えば,中国人を総合的な学習の時間に呼んだ場合,評判がよいケースもあった。子どもたちに対する態度がきちんとしてさえいれば,ノン・ネイティブ・スピーカーの方であってもよい。
 また,ALTは,日本の小学生に英語を教えるにはどのようなメソッドが必要であるかという研修を何十時間か受けた後で,学校の現場に行っていただきたい。ただ学校に行って,英語をしゃべるという状態では,日本の子どもたちにとってあまり効果的ではないとずっと感じていた。

事務局  JETプログラムによるALTについては,参考資料1の66頁にあるような研修が行われている。また,88頁にあるように,小学校専属ALTについて地方財政措置で,平成17年度に400人,18年度に1000人程度とすることが努力目標とされている。

委員  「英語が使える日本人」の育成のための行動計画にある3分の1という基準は,ALTや外国人に限らず,英語に堪能な者なども含まれている。ALTを使うかどうかということよりも,しっかりとした指導者かどうかということの方が問題である。実態としては,ALTを導入する際,自治体では入札を行い,最近ALTの質が落ちているという問題がある。外国人だったらよいという意識があると恐ろしいことだ。外国人でないと英語を教えられないというのは,日本人として恥である。
 もう一点の問題として,小学校現場では英語を話せる教員が少なく,ALTと教師の打ち合わせがなかなかできていないという実態があるので,できる体制を築くことが重要である。

委員  この論点は「ALT・留学生等の外国人の活用」ということなので,教師という役割ではない外国の人を定期的に小学校に呼べるシステムを構築することが必要ではないか。地域によっては国際交流協会と小学校がタイアップして,地域に住む人たちを小学校に派遣するシステムを確立しているところもある。小学校が地域に出向くというのは難しいので,地域の人を学校に受け入れる取組を行うことだ。国際交流協会にはコーディネーターを置いて小学校と連携していくなど,地域での国際的なコミュニケーションの教育の推進についてスキームやモデル案を提示すべきである。子どもが英語を教わるというよりは,一緒に何かをするとか,子どもが外国人に何かをしてあげるというような体験型の教育が可能になるシステムを構築した方がよい。英語を教える人はだれがよいかという議論だけでは不十分である。

委員  「英語指導方法等の改善の推進に関する懇談会」の頃の議論としても,ALTは必ずしもネイティブでなくてよいとの考え方である。
 国家戦略として英語教育を推進するということを考えると,ALTを1万人くらい増やしてほしい。

委員  ALTや外国人指導者を導入する目的は何か。国際コミュニケーション重視という考え方に立った場合,ALTなどはどのような役割を担うのか。

事務局  参考資料1の64頁にあるように,JETプログラムの目的としては,外国語教育の充実,地域レベルでの国際交流の進展を図ることを通じて,我が国と諸外国との相互理解を増進することが挙げられている。また,ネイティブ・スピーカーの発音に触れることもできる。

委員  研究開発学校の例としては,スキル重視というよりは,先生とは別に,留学生を含めて異文化をもった人を子どもに触れさせることを目的としたものが多い。

委員  ネイティブでも言語学の基礎がない人もおり,その場合,教える立場に立つのは難しい。
 ALTの質の確保や活用する方策についても,今後議論していくことが必要である。

委員  コミュニケーションとスキルのどちらを重視するかにかかわる問題である。ノン・ネイティブでよいという考え方は,その者を多様なコミュニケーションの相手としてとらえることだが,その場合でも,コミュニケーションだけやっていればよいのではない。教授法や異文化コミュニケーションというものへの理解があれば,なおよい。
 スキル面については,ICTなど電子的な教材を活用することも考えられる。小学校における英語教育で何を目指すのか,その内容を指導するに当たり適任な人材はどういう構造なのかを,次回にでも,もう少し関連付けてご議論頂ける場を設定したい。

委員  この論点は2つの問題が一緒になっている。ネイティブなりネイティブに準ずる外国の人とコミュニケートできたほうがよいという話と,英語教育の専門家が指導したほうがよいという話との両方がまじっていると思うので,ある程度分けて考えられると思う。

  (3)小学校における外国語教育の教材・教具について自由討議が行われた。主な発言は以下のとおり。

委員  機械で人に代替するという考え方についてどう考えるか。

委員  リソースの活用という点で,この部分は生の人間でなければならないが,
 この部分は優れた視聴覚教材でも済むとか,この部分は場合によってはテレビ電話でも済むのではないかとか,この部分は小学校の担任の先生がある程度英語が上手になれば十分に行えるのではないかとか,もう少し細かい検討が必要だろう。かなりの部分を優れた教材で代替できるが,教材の水準や量を上げないと義務化はできない。その意味で,具体的な教材開発は急務である。

事務局  資料9に示しているが,ネイティブ・スピーカーと情報機器の特徴の例ということで,例えばネイティブ・スピーカーについては,ネイティブ・スピーカーとの双方向のコミュニケーションを図ることができること,固定的な表現にとどまらず状況に応じて臨機応変に会話することが可能であることなどから,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成等が期待できるというところがあるかと思われる。一方で課題として,個々のネイティブ・スピーカーによって発音や指導の質が様々である,子どもの実態に応じた反復が困難,時間,空間面での制約がある,教員との打ち合わせや研修に時間を要することが指摘されている。
 これに対してICTなどは,全国で一定の標準的で,かつ質の高いネイティブ・スピーカーの発音に触れさせることができる,子どもの実態に応じて反復して教えることができるので,聞く力を高める上で必要な徹底した繰り返し学習が可能になる,ネイティブ・スピーカーを十分確保することが難しい地域での措置をすることができる。様々な教材を活用することにより,柔軟で多様な授業展開が可能というメリットもある。またICTなどでは,一般には双方向のコミュニケーションを図ることはなかなか難しいと思われるが,遠隔教育などではテレビ会議システム等のように,双方向のコミュニケーションを図ることも可能なものも中には含まれていると考えている。

委員  基本的に,ICTを使うことは重要である。ただ,ICTなら何でもよいわけではなく,どのように質の高いものを開発するのか,また,そのためにどのような開発体制をつくるのかが重要である。さらに,それなりの予算も必要である。
 ネイティブか,ICTかという考え方はおかしい。ネイティブが指導する場合に,ICTを使うこともある。

委員  ICTの活用に反対はしないが,やはり人が基本である。金をかけるのは,人の方にしてほしい。
 例えば,電子黒板は高価である上,それを使って授業をしても黒板自体に関心を奪われているような例もある。教える人が機器を使いこなせるかが重要である。

委員  リスニングといって,テープを流しっぱなしにしている例がある。これではリスニングは習得できない。教材を活用・開発する教員の能力を高めるべきである。

(4) 会議終了に当たり,その他として以下の意見が出された。

委員  中教審の方針は,当初平成16年度中に出すと言っていて,それが平成17年秋を過ぎても出せていない。各自治体からすると,国が頼りにならないから,自分たちで行おうというようなイメージが非常に強くなってきている。このままだと,世の中からは,中教審は本当に議論しているのかと言われてしまうし,中教審を抵抗勢力だと言う人も出てきかねない。このことは中教審の権威にもかかわる。小学校英語を教科として行うのか行わないのかという議論を先に済ませて,それから内容を詰めていかないと,内容に対する均質性はほとんど保てない中で,構造改革特区として各自治体だけが,教科として導入するなど,ズルズルと動いていくことになる。この会議の在り様も考えていかないと,現実問題として実際に国民の期待から外れていきつつあることが危惧される。

委員  昨年秋に義務教育についての構造改革に関する答申が出ている。その中で,抽象的ではあるが小学校の英語教育については充実する必要があるという言及があった。この点については,答申を受けてもう少し具体的なものを示していかないといけないと考えている。現在,教育課程部会のほうでも精力的に議論しており,具体的に審議経過をまとめて文章として出そうということで,既に教育課程部会でも文案の審議もしている。この外国語専門部会でいろいろご議論いただいていることをまとめて,教育課程部会のほうに報告していただく機会をできるだけ早い時期にもたなければいけないと考えている。そのために,今日も具体的にご議論いただいたということである。
 一つの問題として,教科とするかどうかということがあるが,教育内容を詰めなければ,そのことは決められない。
 特区研発の全国化はすぐに始まるわけではない。教育基本法等の改正の問題についての議論や,学習指導要領全体の見直しの議論を踏まえて進められるものである。
 本日の資料なども,一部の委員に集まって議論してもらい,考えられたものである。検討は進めているので,ご理解いただきたい。

(5) 事務局より今後の日程についての説明があり,閉会となった。

(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)