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教育課程部会 外国語専門部会(第7回) 議事録

1. 日時   平成17年4月27日(水曜日)13時~15時

2. 場所   丸の内東京會舘「エメラルドルーム」(11階)

3. 議題
(1)   外国語教育の充実改善について
(2)   その他

4. 配付資料
資料1 外国語専門部会委員名簿
資料2 平成15年度教育課程実施状況調査 結果の概要
(※国立教育政策研究所教育課程研究センターへリンク)
  平成15年度 小・中学校教育課程実施状況調査分析結果のポイント(PDF:92KB)
(※報道発表へリンク)
資料3 平成15年度教育課程実施状況調査 教科別分析と改善点(中学校・英語)
(※国立教育政策研究所教育課程研究センターへリンク)
資料4 「英語教育改善状況調査」について
資料5 「小学校英語活動実施状況調査」について
資料6 外国語教育の課題(主な論点例)
資料7 外国語専門部会におけるこれまでの主な意見(論点ごとに整理)
資料8 今後のスケジュール(案)

5. 出席者
(委員)
中嶋主査,田村委員,岡委員,影浦委員,金谷委員,金森委員,島委員,杉本委員,太郎良委員,仲野委員,西原委員,本名委員,松本委員,無藤委員,門馬委員,山岡委員,吉田(研)委員,吉田(博)委員

(事務局)
文部科学省: 山中審議官,小串視学官,平田視学官,常盤教育課程課長,木村教育課程企画室長,増子教育課程企画室専門官,山脇国際教育課長,菅教科調査官,太田教科調査官
国立教育政策研究所: 折原教育課程研究センター長

6. 議事等
(1) 事務局より配布資料の説明及びそれに対する質問が行われた後,外国語教育の改善充実について自由討議が行われた。主な発言は以下のとおり。(○=委員,△=事務局)

(音声によるコミュニケーション能力について)

委員  調査結果については,非常に妥当な結果が出ている。とくにリスニングについては,全体的によい結果が出ている。その理由の1つとしては,十数年前から導入されたAET,ALTの効果が大きいと判断している。
 しかし,適切に応答する力が不足していると思う。今後応答する力を付けるためには,英語自体の時間数,指導面の工夫や改善が大切ではないか。
 また,現在の教科書の内容は,ある程度型にはまったドリル的なものがいっぱい入っていて,教師が創意工夫をしないようになる可能性がある。今後は教科書そのものの編集の在り方を視野に入れてもよいのではないか。
 なお,学力の問題については,日常の生活態度も関係している。その点も視野に入れて考えていかなくてはならない。

委員  ティーム・ティーチングとテストの結果に相関関係がないことに関しては,ティーム・ティーチングの狙いとその成果を見るのに,このテストが合っていないと結論付けることができる。そう考えると,例えばコミュニケーション能力という言葉が何を意味していると考えるのかが重要である。つまり,コミュニケーション能力を自己主張能力と考えると,そのような能力を測るテストになっていないし,今までの英語教育がそういう方向になっていないということだとも思う。もしコミュニケーション能力を自己主張能力と考えるのであれば,これまでの英語教育の在り方や,試験の内容を抜本的に見直す必要がある。今後は教科書も含めてどのような英語コミュニケーション能力を向上させるべきなのかをまず検討すべきである。

委員  教育課程実施状況調査の中には,「ALTほかネイティブ・スピーカーの協力を得た授業」の実施状況と平均得点との相関をみる箇所がある。「ほとんど実施していない」学校の平均点が高い。ALTが英語教育の妨げとなっているという一部の議論を裏付ける数字とも読める。しかし,ALTを活用した教育効果を評価する調査方法が入っていないからであろう。ALTの効果が特に現れているスピーキング力を測るために,ALTやネイティブとの普段のコミュニケーションにおいて積極的に英語を使える,会話をつなげていくことができるなど,新しい評価の観点を実地調査に入れていくべきであろう。

委員  英語の議論をするときに,教室できちっと押さえなければならないレベルと,最終的に到達したいレベルが混同されている。高級な内容を求めるのは格好がいいが,教室ではなかなかそうもいかない。ネイティブを使って子どものうちにいい発音を学習させることを教室で行おうとすると,少なくとも音素の識別ができるといった程度のプロジェクトをしていくことが必要となる。
 外国語として英語を学習するため,最後には,知識の背景となる日本語力が重要になるということは否定できない。だからと言って,日本語力が育つのを待つのではない。英語で刺激を与えたりすることによって,国語もより鋭くなっていく音声によるコミュニケーション能力の議論でも,このあたりをはっきり区別して議論をしていかないと,なかなかまとまらないのではないか。研究データを参考に,目標を示し,そこへ至る道筋を示すとよい。

委員  学習指導要領の内容や目標については,基本的に,非常によくできているので,教育課程実施状況調査の中で出てきた内容を踏まえて応答する力が弱いこととか,自分の考えや思いが述べられないといった課題について,それをどう指導していくかが問題である。また,教科書は,まだまだ言語材料の定着,パターン的なものに終始しているという問題もある。それだけではなくて,自己主張力や音声によるコミュニケーション,つまり質問能力,内容を踏まえて自分がどう応答するかを中学高校でどのように指導していくかという問題もある。そういった指導内容について十分に議論していく必要がある。

委員  ネイティブ・スピーカーを授業に入れれば本当にうまくいくのか。ある大学ではネイティブ・スピーカーを使っていてもコミュニケーション能力は上がらない。週何時間英語に触れるのか,そのネイティブ・スピーカーの指導力はあるのかということが問題である。また,ネイティブ・スピーカーを全小中学校に導入できるわけでもないので,日本人の教師でコミュニケーション能力を育てることができる教員養成や研修をどのように行っていくかという問題について議論を始めるべきである。

委員  教員養成や研修の問題は,中教審全体として議論が進んでいる。専門職大学院をどうするのかという中でも議論が進み,教員免許の在り方,教員免許の取り方自体が非常に関連している。リカレント教育については大学院レベルであるが,既存の教育学部修士課程,教員養成系大学での教員養成の在り方,法律や会計方面に設計されている専門職大学院はどうするかなどについて議論している。とにかく現場の先生を対象とした研修や海外留学が必要になってくる。いずれにしてもお金が必要となる話であるので,日本の国家戦略として力を入れ,文部科学省にはそれなりの予算措置をお願いしたいところである。

委員  大きな目標は目標として置いておいた上で,スキルの養成と目標達成は別々に考えたほうがよい。コミュニケーション能力,自己表現能力は英語のスキルの問題に非常に大きなかかわりをもってくる。英語の授業ではかなりの部分をスキルの養成に費やさないと自己表現をいくら語っても英語力がなければ自己表現ができない。きちんと分けて方法論を討論したい。

委員  そこは重要な問題だが,考えが分かれるところである。私の英語は,スキルはなく,受験英語もやっていないが,それでも自己主張して,外国人の先生と話したり,全部間に合っている。綺麗な発音にこだわっていては,どんどん自己主張してくる韓国や中国の若者に太刀打ちできない。

委員  発音だけがスキルではないが,学校教育に英語を入れるときにはきちんとした理念を備えておかなければならない。英語を習得できる方とできない方が分かれてくることはあるが,まだまだカタカナ英語しか使えない者が初心者に英語教育を始めるのは非常に大きな問題がある。

委員  音声コミュニケーションとして見た場合,二つの要素がある。一つは応答的なやり取りの問題で,もう一つは心理的に言えば知覚運動的なスキルの問題である。応答的なコミュニケーションを活発にするには,二つの要素があり,一つは教員の力であり,もう一つは少人数であること。40人に近い学級では難しい。
 もう一つの知覚運動的スキルは,基本的には時間の数であるが,1週間あたりの時間数と年単位のトータルの時間である。何歳から始めるかより大学生までのトータルの時間の量が重要である。1週間あたりの時間数は,覚えているうちに次のインプットが入ってこなければ有効でない。その時間には,英語の授業と自分で勉強する時間と両方含めて考えるべきである。
 授業の中で,実際に生徒が英語を耳にする時間が短く,発音する時間も短い。また,宿題を出されたときに耳にするのは自分の発音であり,効率が悪い。音声コミュニケーションの学習としては,教師の発音によるインプットだけでなく,機器を使用したインプットも含めた全体で考えていくべきである。

委員  文部科学省では優れた教員養成のプランについて補助を出す施策が始められている。おそらく全国の大学で義務教育段階における教員養成についていろいろな対応が出てくるのではないか。
 ALTに関しては,いろいろな問題がある。例えば,ティーム・ティーチングで1クラスを2人で教えるといっても,一緒に教えるやり方もあれば,二つに分けて一人一人が教えるやり方もある。こういうやり方をすると違った面が出てくるのではないか。結局,言語の教育というのは,人数が多いとできない。そういう工夫をしないで点数が上がる上がらないを議論しても実りがない。点数が上がらない原因をもう一段踏み込んで調べる必要がある。

(書く力・読む力について)

委員  何のために書くかが重要であるという意見があるが,目的をもって書いたり読んだりすることは重要であり,ディスカッションの用意のために書くこと,ディベートをするために読むことが考えられる。音声と読み書きを分けて考えるのではなく,有機的に結び付けるべきである。
 指導の善し悪しもあるが,中学において週3回の授業で音声の指導をし,書けるようにさせ,自分の考えを伝えることができるようにするのは難しい。音声のみに絞るといったことも考えられるが,国家戦略としてするからには授業時数を増やすことは当然しなくてはならない。
 高校においては,書く目的,読む目的を設定する場合には,オーラルコミュニケーションの中に位置付けられている発表や議論という活動を使うと,目的が設定しやすい。そうなると,高校での現在の科目割がいいのかどうかを考えてもよい。現在の科目構成では,一人の先生が指導できるコマ数が1とか2になり,その中で情報を得て,咀嚼して,自分の意見を付けて書いてみるというのは難しい。コマ数が少ないので,その中で何かやろうとするとごちゃごちゃしてしまう。例えば週6時間といったまとまった時間を与えリーディングで読んだものを書いて,その書いたものをオーラルで発表するというつながりができることが望ましい。教員の資質や指導力が大きく影響するが,指導力の高い教員が教えるのであれば1科目の単位数は大きくしたほうがいい。

委員  各科目それぞれ目的は,はっきりしているが,効率が悪い。他の科目で学んでいるだろうと教員が想像しながら教えているわけで,学習内容が大きく抜けてしまったり,他科目との学習内容と重複する場合がある。スキルの部分は必ず必要であり,初期のころには訓練的要素は必要である。しかし,これがあまりに単純化されていたりすると,生徒の意欲や興味をなくすが,興味を持続させることができれば,その後のライティングやリーディング,オーラルコミュニケーションも効果的になる。
 科目の目的をはっきりさせて,その後は科目を融合させて,トピックを設定して同じテーマで議論をさせたり,書かせたり読ませたりするという授業のやり方は非常に効果的である。

事務局  1科目の単位数を大きくすることに賛成である。現在,かかわっているSELHi校では,英語1とオーラルコミュニケーション1を同じ先生が担当することにした。英語1とオーラルコミュニケーション1はスキル的に違うことをするものの,両科目とも学習指導要領ではコミュニケーション能力を高めることが書かれているので,両科目を別々に違う教え方をするよりも,同じような教え方で同じ目標に向かって授業を展開するほうが効率的であるという仮説にたっている。
 オーラルコミュニケーションと読み書きを別々に扱うべきでないということに賛成である。さらに,現場では,読む書くを別々に考える発想が強いのではないか。英文を理解するのに日本語で理解したかどうかを確かめていることが連綿と行われている。しかし,それでは英語で自分の考えを書いたり,話したりすることはできない。このため,英文を日本語に訳さない教え方で理解させる必要がある。そのためには,特に高校の場合には,教員の力が非常に重要となる。また,この教え方についての研修も必要であり,また教科書も大きく変えなければならない。

委員  ETS(Educational Testing Service)がTOEFL(トーフル)を改定し,スピーキングを導入するが,その理由はアジアからの留学生のスピーキング力が弱いためである。単に与えられたトピックについて自分の意見を述べるだけでなく,まず文章を読み,同じトピックでも意見が異なるレクチャーを聞き,それらを総合的にまとめて自分の見解を話す力が求められている。この学習方法で総合的な英語力がつくことは確かで,中学校では厳しいが高等学校では到達目標として検討する必要があるのではないか。
 語数に関しては,学習指導要領で定められている数字は最低限のものであって,発展的な学習にに対応するべく,語数を増やしたほうがよいと考える。

委員  既にSELHi校では科目融合型の授業が行われており,かなりの成果を挙げていることが分かってきている。
 中学校にもSELHiのような施策が必要なのではないか。中学校でも授業時数の自由を多少与えて,補助金を出して中学校の英語におけるスキルの習得,授業の展開について研究すれば,はっきりしたデータが出てくる。そのようなデータが分かってくれば,それを受けて高校での英語の授業をどう行うか,中学校SELHiにつながる形の小学校英語を導入するとすればどのようなものとなるかが見えてくるのではないか。

委員  公立と私立で時間数の差が大きい。今回の実施状況調査でも独自に計算した結果,私立と公立の差について,ALTのいた場合とかコンピュータを使った場合とかで興味深い形が出てくる。私立と公立の差についても調べる必要があるのではないか。

委員  SELHiが力を付けるのに明らかに役立っている。SELHiで効果が出てくると,日本で売られている教材では語彙が足りなくなってくる。日本で出ている教材は語彙が少ないので,語彙の豊富な外国の教材が安く手に入るようになれば日本の中高生の英語力が伸びる条件が整う。

委員  日本と韓国の高校の教科書の比較調査を行っている。韓国は1冊の教科書を週5時間学ばせているが,日本の場合は3時間が英語1,2時間がオーラルコミュニケーションで,その間の関連性が十分ではない。「英語教育改善実施状況調査」のデータから見ても,英語1は,ほとんど英語で授業をやっていない。それは本来学習指導要領に書かれている内容と違うものだ。本来は,オーラルコミュニケーションもやりながら,リーディングの内容を使っていろいろ学ぶことになる。
 韓国の教科書は,リーディングに入る前に,5ページ分ぐらいプレリーディングのエクササイズがあり,そのテーマについてまず生徒にいろいろ自分の考えを言わせてみるとか,書かせてみてから本文に入る。一方,日本の英語1の教科書は,導入がワンパラグラフあるかないかですぐに本文に入る。つまり,リーディングをする際のスキーマが全く理解できないまま読まされることになり,結局内容よりも言語形式に着目せざるを得ない読み方になる。残りのエクササイズを分析していくと,韓国の場合は,かなり多くの設問が内容についての設問であるのに対し,日本の場合は,ほとんどが言語形式中心のものになっている。
 教科書自体の編成のやり方や内容,語彙がかなり違う。しかし,オーラルコミュニケーション1と英語1を合わせた2冊の教科書のページ数は,韓国の1冊の教科書のページ数と変わらない。日本の教科書の内容が非常に非能率的に組まれている現状を十分考える必要がある。

(小学校英語の活動状況の評価)

委員  教育課程実施状況調査から見られる状況として,定型的・表面的で,子どもたちの暗記に依存しているところは非常に点数がいいのに対して,じっくり時間をかけて自分の考えを整理したりする,いわゆる思考力の部分がかなり欠如をしていて,点数が悪い。これを解決するためには,指導法の改善も必要だが,時数を増加することも考えられる。例えば,小学校の英語を実施することで,日本で行われている英語の時数を高等学校3年生まで全体で見て増加させていくことができることを考えられると,小学校の英語は大事な要素とも言える。また,小中高の役割分担と到達目標をしっかり示すことによって,小学校,中学校の思考力,あるいは高等学校の思考力,表現力を総合的に見直していく時期に来ているのではないか。小中高と連携を取りながら,時数増や指導内容などを総合的に考える必要がある。
 過去50年の英語の授業は,スキルを集中的に訓練し,使うことは生徒に任されていた。このような言語を教えて,どのように使うのかという順序に非常に大きな課題があって,日本人の英語力が思うように伸びなかったのではないか。現在の小学校での英語の授業の主な流れは,易しい英語を使いながら,スキル的な面を子どもたちに身に付けてもらうというこれまでとは逆の発想で取り組んでいる。
 すべての条件がそろってから小学校の英語を導入するという考え方では,さらに10年,20年たってしまう。これまで十数年の実験の結果があり,特段マイナスの要素が強くないと判断できることから考えると,様々な課題が多くあるのは十分分かるが,国として確固とした姿勢をできるだけ早く示すことだ。そして,内容,方法,到達目標,小中高の関連,教員研修,教員養成に関する課題を洗い出し,それに対してトップダウンで対応していくのが大事ではないか。

委員  中国,韓国,台湾を見ても,既に20世紀の終わりあるいは21世紀の初めに,小学校から英語教育に取り組んでいる。英語は,英米人とだけ意思疎通する道具ではなく,先ごろ行われたバンドン会議等々で国際共通作業言語という形で英語が使われている。その意味で,日本でも小学校から早急に英語教育を導入する,少なくともシミュレーションを実施していく必要があるのではないか。学力低下も解決すべき重要な問題ではあるが,それだけではなく,国際作業言語の獲得に小学校から少しずつ努力することも,戦略的な観点からは重要ではないか。
 少なくとも小学校に英語を導入するという前提に立って,シミュレーションをしなければならない。諸外国では,小中高を一貫したナショナルシラバスをつくっており,小・中,中・高のカリキュラムの接続の円滑化が図られている。さらに,大学,大学院まで英語教育を行っており,このように英語教育が非常に重要だと認識されている。
 英語教育を中学校から始めると,中高6年間というかなり限られた時間で行うことになり,いわゆる詰め込みになり,コミュニケーションからは遠ざかってしまう。
 しかし,小学校から始めると,長いスパンでゆとりをもって英語教育を行うことができる。しかも,今までの日本での中高の英語教育のコンテンツは十分である。特に,文法形式等に関しては,付け加えることはほとんどない。
 そういったコンテンツを定め,長いスパンで仕上げていくという,ゆっくりとしたナショナルカリキュラムをつくり,子どもたちが英語嫌いにならないようなゆとりある英語教育をつくらなければならない。
 もしもそれを新しい学習指導要領で行うとしても,2030年くらいにならないと日本人はアジアの国々と同等な教育レベルを獲得できないことになるので,早目に考えていく必要がある。

委員  課題を示して,その方策の一個一個を決めて出していかないと時間がかかりすぎる。例えば,トピック問題について無解答率が高いのは,とても大きな問題だが,これは教科全体につながっている問題であるから,議論し始めたら時間がかかる。
 各々の問題について方策を決めていくように,議論・立案しない限り,課題が多すぎる。審議の進め方についても検討すべきである。

委員  縦と横の連携が必要である。縦の連携とは,小学校から大学まで英語を使って機能できる人間を育てるために,どのレベルでどういうような英語教育が必要かを総合的に考えることである。横の連携とは,英語科の学習指導要領だけで考えるのではなく,他教科の指導要領の中に,コミュニケーション能力がどのような形で埋め込まれているかも検討し,それらのすり合わせをする。英語を使って国際的に活躍できる日本人をつくるためには,まず物が言える日本人をどうやって育てるかということが根底にあるので,各教科等の学習指導要領の中で,物の言える,あるいはきちんと対応のできる人をどのように育てるか,表現能力を身に付けることをどの程度盛り込んでいるのかということにも気を配ることで,新しい形の学習指導要領ができるのではないか。
 例として,今,アメリカでは,大学が要求する外国語水準に向けて,高等学校以下ではどういうことをしていたらアドバンス・プレイスメントとして可能なのかというベンチマークがいろいろできている。そういうことも参考にする必要がある。

委員  本校では文部科学省の指定校として実際に小学校で英語を教科として実践している。実践例を紹介すると,まず,音声によるコミュニケーション能力の育成については,20分モジュールで週5回行っている。その中で,ALTが3日間,日本人の講師が2日間入って,担任と2人で行っている。そのため,財政的な負担が大きい。ネイティブな発音をしなければきちんとした英語教育ができないとなると,ALTが週3日も来ることができるような状況の自治体はともかくとして,週1回ですら雇えないような自治体が全国的に見て幾らでもあり,小学校での英語教育をどのようにして実施していくのか心配になる。そこで教員研修の話になるが,それもなかなか解決しない問題である。

委員  議論の方向をどのように施策化していくかが非常に重要だ。もちろんまだ議論をすべき点はたくさん残っているが,国際的な比較においても,時間の猶予はない。まして,21世紀のグローバリズムの時代を考えると,日本人の英語力あるいは国際社会で活躍する人材が,今のような状況でよいわけがない。
 そこで,今の小学校での英語の導入も含めて,今日はかなり本質的な議論が出ているので,それを事務局で,まとめてもらいたい。
 学習指導要領に対しても意見があった。教科書の在り方についても意見があった。また,文法中心とは言わないが,従来からの教科の在り方や,スキルにしても実際に使いながら学んでいく時代だという意見もあった。あまり細かな英文法にこだわっていたりすると,みんな英語が嫌いになる。討論や発表をたくさん増やしていって,実際に英語を使ってみて,自分の意見が言える,外国人とコミュニケーションできることは,とても学習者に意欲を持たせる。インターネットの時代だから実際に面と向かってコミュニケーションしなくても,いろいろなことができる。このようなことを教科書の編集の在り方まで含めてまとめてみる。
 それから,国家戦略が必要である。そうなると,ALTの導入や現場の先生のリカレント教育には,それなりの覚悟と予算が必要である。一方,公教育として英語の教育を行うという重要性と実験的な取組の進展もある。
 それで,総合的な学習の時間が減る懸念は,マスメディアの報道の仕方にもよる。読み書きそろばんと国語が大事という意見は,非常に重要だが,俗事に入りやすいものでもある。国語もできないで小学校から英語は何事かという意見があるが,今日の意見は,もっとそれを超えたところに視点が定まっていた。
 総合的な学習の時間は3年生から実施されているが,2年生や1年生で行ってはいけないという科学的な根拠は全くない。たまたま3年生から総合的な学習の時間が入ったため,国際理解教育の一環として英語をしているところが多い。
 しかし,全国平均では英語教育は月に1時間程度というデータが出ている。小学校で月に1時間の英語では,それこそ国語力を悪くしかねない。実施するからには,教科として外国語をきちんと位置付けたいと思う。その結果をどのように施策に生かしていくのか,そして,学習指導要領の改訂に資するのかが必要になってくる。そういう方向で議論を集約して,本専門部会をさらに続行したい。

事務局  現在の学習指導要領の見直しだが,平成10年にもともとの答申が出ているので,そろそろ見直しの時期であるといえる。
 大臣からは2月に検討の視点ということでお願い申し上げたが,特に内容的な面については,国語の問題がある。それから,理数系の教育の問題もある。そして,英語教育,外国語教育の問題がある。その3点は挙げてお願いしているところなので,しっかりとご議論いただければと考える。
 また,教科,科目を総体的に見て,日本の子どもたちを育てていく上でどういう形の教育が小学校,中学校,高校で必要なのかということを議論する場として,教育課程部会があるので,そこに本専門部会の議論を反映していきたいと思う。

(2) 事務局より今後の日程について説明があり,閉会となった。

(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)