平成19年9月18日(火曜日)16時〜18時
フロラシオン青山「はごろも」(1階)
算数・数学教育の改善充実について
橋本主査代理、赤羽委員、内田委員、大橋委員、小西委員、斉藤委員、芝田委員、清水委員、中村委員、浪川委員、藤本委員、山口委員、米谷委員、渡邊委員、
梶田教育課程部会長、田村教育課程腹部会長、井上教育課程部会委員
文部科学省:布村大臣官房審議官、坂下専門官、吉川教科調査官、永田教科調査官、長尾教科調査官
【橋本主査代理】
皆さん、こんにちは。定刻となりましたので、ただ今から算数・数学専門部会を開会させていただきたいと思います。本日は、主査の中原先生がご都合によりまして来られなくなりました。主査の指名によりまして、主査代理の、私、橋本が議事進行を務めさせていただきたいと思います。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。また、本日は教育課程部会から、部会長の梶田先生、副部会長の田村先生は追っていらっしゃるかと思いますが、委員の井上先生にもご参加いただいております。ありがとうございます。
まず初めに、事務局の方で資料をたくさん用意していただいておりますので、この資料の確認を事務局からお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【坂下専門官】
それでは、資料の確認をさせていただきたいと思います。資料につきましては、本日は資料1から資料10まで、番号を付した資料を配付させていただいております。
資料1につきましては、本専門部会の委員の名簿でございます。
資料2につきましては、前回の会議にいただきました主なご意見を事務局において整理させていただいたものです。
資料3から資料6までが、本日主にご討議いただきたい資料でございまして、特に資料3につきましては、「算数・数学科の現状と課題、改善の方向性(検討素案)」ということでございまして、前回の会議でお配りさせていただいた資料を修正させていただいたものでございます。4、5、6については、その検討素案を参考として、現時点の検討段階の資料ということで、小・中・高、それぞれ用意させていただいているものでございます。
それから、資料7から10までにつきましては、教育課程部会及び各学校段階ごとの部会、小・中・高とございますけれども、それらの中での教育課程の枠組みについてでございますとか、あるいは本日午前中もございましたけれども、教育課程部会での検討素案ということで配付させていただいてございます。詳しくはまた後ほど説明させていただければと思っております。
配付資料は以上でございます。
【橋本主査代理】
ありがとうございました。これより審議に入らせていただきたいと思いますけれども、本日の専門部会での算数・数学の改善の方針などについて、特に審議させていただくわけですが、その結果を本部会として取りまとめて、1週間後の25日に開催されます教育課程部会に報告する予定になっておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
特にこの資料、今、坂下専門官からお話がありましたけれども、資料番号が大きく2つあると思います。1つは7番、8番、9番、10番にかかわるもの、それから、算数・数学ということで、3番、4番、5番、6番にかかわることでございますので、この点について、少し詳しくご説明をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
【坂下専門官】
それでは、私の方からは、教育課程部会におきます審議の状況、それから本日配付させていただいた資料の中では、算数・数学の検討素案の主な変更点についてご説明させていただき、検討素案でございますとか、小・中・高校の詳細な改善点につきましては、各担当の教科調査官から説明をさせていただきたいと思ってございますので、若干お時間をいただければと思います。
それでは、資料7から10までをご覧いただければと思いますけれども、まず資料7でございます。こちら、教育課程部会におきますこれまでの審議の概要(検討素案)ということでございまして、本日午前中に教育課程部会がございました。そちらでの配付資料ということでございます。こちらにつきましては、現在検討中ということでございまして、目次のところでございますけれども、これまでの経緯から始まって、1番から5番までのところがおおよそ学習指導要領の改訂の経緯でございますとか、子どもたちの現状と課題等々を含めた学習指導要領の改訂に向けた背景、学習指導要領の現在の理念、あるいは今後の学習指導要領改訂の基本的な考え方など、一言で言うと総論部分に当たるものでございます。
それから、6番については、教育課程の基本的な枠組みということでございまして、小学校、中学校、高校の教育課程の枠組み、小・中で申しますと授業時数、高校で言うと必履修科目等々の在り方といったところになろうかと思いますけれども、そういったことについて言及してございます。
それから、1枚めくっていただきますと、2ページ目のところですけれども、7番のところは、教育内容に関する主な改善事項ということでございまして、(1)から(7)までございますけれども、小・中・高、あるいは各教科等を横断したような課題、例えば言語活動でございますとか、理数教育もそうでしょうし、伝統・文化、道徳等々ということでございます。ちなみに【P】になっているところは、現在まだ空欄ということでございまして、これから各教科等の専門部会等での議論、検討がなされた後に、教育課程部会に報告がなされるという予定でございます。そして、順次この【P】の箇所が埋まっていくということでございます。
それから、8番のところは、各教科・科目等の内容ということでございまして、幼稚園、特別支援学校もございますが、小・中・高等学校のところでは主にこの算数・数学専門部会もそうですけれども、他の教科等の専門部会で順次検討がなされている内容、教科等ごとの改善の基本的な方向性や、具体の改善事項についてでございます。【P】になっているところはまだ空欄ということでございまして、こちらも順次検討がなされた後に入れ込んでいくということでございます。
9番、10番につきましては、教育課程の基準と直接ではございませんけれども、その実現のために関連する事項ということでして、教育条件の整備でございますとか、あるいは家庭、地域等々の連携といったことも言及しているという次第でございます。それで、後は各学校段階ごとの検討状況ということで、小・中・高、順にご紹介させていただきたいと思ってございます。
資料8でございます。「小学校の教育課程の枠組みについて(検討素案)」ということでございまして、こちらも教育課程部会に既に配付された資料でございまして、およその内容については、先ほどご紹介した資料7に記載されておるところでございますけれども、こちらの資料8をもとに簡単にポイントだけ紹介したいと思います。
こちらにつきましては、1ページ目から3ページ目までにつきましては、基本的な考え方でありますとか、これまでの審議の状況について記載されてございます。また、時間もございませんので、後ほどお目通しいただければと思います。
4ページ目でございますけれども、「今後の教育課程の枠組みについて」ということでございまして、この中ではポイントだけ紹介いたしますと、(1)の一番上の
のところでは、「国語、社会、算数、理科の授業時数を増加することが必要」と記載されているところでございまして、ここにも書かれているとおり、「基礎的な知識・技能の確実な定着を重視し」といったところでありますとか、あるいは「観察・実験を行ったりする時間を確保」といった観点から、こうした教科の時数の増が必要としているところでございます。体育につきましても、その下の
に書いてございます。今、申し上げた国語、社会、算数、理科、体育については、おおよそ約1割を目途に増加させる必要があるということで言及してございます。
その下の
でございますが、「特に」ということでございますけれども、低学年、中学年、高学年と、それぞれ学年の段階ごとに分けて記載してございますけれども、算数につきましては、低学年、中学年、高学年、いずれにつきましても、時数の増、もしくは重視ということで言及されているところでございます。
あとは、4ページ目の下のところは、「小学校段階の英語活動」ということについても言及してございまして、総合的な学習の時間とは別に、高学年において一定の授業時数、1コマ程度の確保の検討が必要ということについても言及してございます。
それから、1枚めくっていただきまして、「総合的な学習の時間」につきましては、これまで総合的な学習の時間で行われることを期待しておった知識・技能の活用といったところも、今後、各教科等の中でそうした活用といったことも視野に入れて改訂を行うということを前提とした上で、総合的な学習の時間の授業時数につきましては、各学校におきまして1コマ程度、35単位時間程度相当縮減という方向で検討中でございます。
それから、5ページ目の下から6ページ目にかけてでございますけれども、今、申し上げたような観点から、総授業時数につきましても、低学年段階で週2コマ相当、中・高学年では週1コマ程度増加させることが適当ということで、今のところ言及しておるというところでございます。
それから、あとは(5)の「その他」のところでは、35週ということを前提に考えた場合に、時間割編成の円滑化という観点からも、標準授業時数は極力35の倍数にするということが望ましいといったことについても言及してございます。
今、申し上げた趣旨は、先ほどご紹介した資料7の審議の概要、32ページから35ページにも記載されてございますので、また後ほどお目通しいただければと思います。
それから、資料9でございます。こちら、本日の教育課程部会にも配付させていただいた資料でございます。「中学校の教育課程の枠組みについて(検討素案)」ということでございますけれども、こちらにつきましても、1ページ目につきましては、これまでの審議の状況、基本的な考え方ということでございます。2ページ目をご覧いただければと思いますけれども、2ページ目のところには「必修教科と選択教科等とのバランス」ということで、2の(1)でございますけれども、教育課程の複雑化といったことも指摘されているところでございますし、また必修教科等における基礎的・基本的な知識の確実な定着といったところも踏まえて、2ページ目の一番最後のところでは、選択教科の授業時数の縮減と必修教科の内容、時数の増加、カリキュラムの共通性を高めるといったことについて言及してございます。
それから、1枚めくっていただきますと、3ページ目でございますが、こちらには各教科等の授業時数についてでございます。幾つかありますけれども、国語、社会科、数学、理科、外国語、保健体育と言及してございますが、特に数学につきましては、上から4つ目の
になろうかと思います。「数学については、中学校第1学年でつまずき、嫌いになってしまう生徒が多いため、小学校と中学校の学習の円滑な接続を図る観点から、第1学年を中心に時間をかけて指導することができるようにするとともに、中学校と高等学校の学習の円滑な接続を図る観点から、義務教育の最終学年となる第3学年を中心に授業時数を増加する必要がある」ということで、第1学年、第3学年、いずれも小・中、あるいは中・高との接続の部分での授業時数の増加が必要ではないかということで、言及しているところでございます。
今、申し上げた国語、社会、数学、理科、外国語、保健体育といった教科を通じて、おおよそ1割程度といったことを3ページ目の下から2つ目の
には記載しておるところでございます。
それから、4ページ目につきましては、「総合的な学習の時間」と「総授業時数」についてございまして、(3)の「総合的な学習の時間」のところでは、先ほど申し上げました小学校と同様の理由でございますけれども、各学年において、週1コマ程度相当縮減することが必要ということ。それから、総授業時数につきましては、各学年の総授業時数は、これまで申し上げたような理由により、週1コマ程度増加させることが必要ということで、今のところ検討中という状況でございます。
こちらにつきましても、資料7の35ページから38ページに、今、申し上げた趣旨は記載させていただいているところでございますので、また後ほどお目通しいただければと思います。
それから、資料10でございます。「高等学校の教育課程の枠組みについて(検討素案)」ということで、これが9月14日、先週金曜日の高等学校部会で配付された資料でございます。最初のところは「高等学校教育の改善の方向性について」ということで、学校教育法を引用しながら、高等学校教育の目指すべきものということについて記載しておるところでございます。それから、授業時数であるとか、単位数等々については、基本的に現行を引き継いでいくということが1ページから2ページ目にかけて書いてございまして、3ページ目の前段まではおおよそ現行の高等学校学習指導要領の方針を踏襲するということが記載されておろうかと思います。
それから、3ページ目のところの中段、「必履修科目の在り方」というところでございますけれども、こちらにつきまして少し紹介させていただきますと、「高校生に必要な知識と教養の幅を確保するという必履修科目の趣旨と学校の創意工夫を生かすための裁量の幅の拡大とのバランスを図る必要がある」といたしまして、
、
とございますが、
としては、「現行の必履修科目の単位数を原則として増加させない」ということが1点。2点目としては、「実際の高等学校の教育課程編成における履修単位数を踏まえ学校の選択肢を拡大する」といった方法が考えられるということを「必履修科目の在り方」として、まず言及してございます。
各教科等につきましては、その次の
のところに数学について記載がございますけれども、少し紹介しますが、「国語、数学、外国語(英語)といった、学習の基盤であり、広い意味での言語の活用能力とも言うべき力を高める教科については、義務教育の成果を踏まえ、共通必履修科目を置く必要がある」ということでございまして、従前、国語、数学、外国語については、現行学習指導要領では選択必履修になってございますけれども、こちらにありますとおり、共通必履修といった科目を置く必要があるのではないかということが言及されておる次第でございます。
ただし書きといたしましては、高校生の実態の多様化といった観点から、その生徒の資質、能力に応じて指導事項の重点化、単位数の増減が可能であるということを明確化することも必要なのではないかといったことも言及されている次第でございます。
数学につきましては、ここに書かれているような観点、実社会、実生活等々の様々な場面で活用されていることの理解であるとか、論理的な思考力、表現力を養うことを重視した改善が必要ということについても言及しているという次第でございます。高校の部分につきましては、おおよそこのような形で、今現在検討が進められているということでございまして、今後、教育課程部会に報告がなされる予定でございます。
教育課程部会の審議の状況といたしましては、以上でございます。私の方からもう1つ、資料3でございます。「算数・数学科の現状と課題、改善の方向性(検討素案)」、こちらの資料を前回配付させていただいておりますが、今回その修正をさせていただいておりますので、その修正点を簡単に紹介させていただきたいと思ってございます。
1ページ目の「現状」と「課題」についてはおおよそ前回配付させていただいたものから大きな点での変更は特にございませんが、3番の「改善の方向性」、4の「改善例」につきましては、かなり構成を変えさせていただきましたので、ご紹介させていただきたいと思います。
「改善の方向性」につきましては、内容が重複している部分等ございましたので、少し整理させていただいておりまして、1ページ目の一番下の
でございますが、こちらについては、小・中・高を通じた基本的な改善の考え方を一言でまとめて書いておるという次第でございます。
それから、2ページ目の一番上の
になろうかと思いますけれども、こちらにつきましては、数量や図形に関する基礎的・基本的な知識・技能といったことについての改善の方向性ということでございまして、その一例といたしましては、「学年間や学校段階間での内容の一部を重複させて、スパイラルな教育課程を編成できるようにする」と記載してございまして、こうした形で、従来、1つの学年でやっていた指導内容を複数の学年で導入、そして本格的に翌年度入っていくという形で、反復、繰り返しによる定着を図っていくといったことを1つ考えておる次第でございます。
それから、その次の「数学的な思考力・表現力は」で始まる
のところについては、こちらに記載させていただいているとおりでございますけれども、数学的な思考力・表現力を育成するための指導内容や活動といったものも、具体的に示していくといったことが方向性として記載させていただいているところで、「特に」というところは、具体的にこうした内容の活動と、ここに記載されている指導といったものを充実するという方向性を記載しているというところです。
それから、その次の
につきましては、主に学習意欲でございますとか、数学を学ぶことの意義や有用性を実感できるようにするにはどうしたらということも含めた改善方針でございますけれども、ここに書いてございますとおり、「素地的な体験や活動を取り入れて、数量や図形の意味を実感的に理解できるようにすること、スパイラルな教育課程により、学習の進歩や高まりが感じられるようにすること、学習し身に付けたものを、日常生活や他教科等の学習、より進んだ算数・数学の学習へ活用」といったところを改善の方向性として重視していったらどうかということを挙げさせていただいております。
それから、改善の方向性の一番最後の
、中段のところですけれども、こちらは「算数的活動、数学的活動」ということで、これまでいろいろな作業的な活動、体験的な活動等々も含めた活動を重視してきたところですが、今回、さらにその一層の充実ということでございまして、こちらに書かれているように、小・中学校においては、各学年の内容において具体的に示していくでありますとか、高等学校段階においても、新たに「課題学習」というものを必履修科目等に位置付けるといったことを方向性として挙げさせていただいているところでございます。
それから、その次、4の「改善例」のところについては、具体的には各担当の教科調査官から詳しく説明いたしますが、主な変更点については、小学校のところにつきましては、中学校もそうですが、一番最初の
のところにそれぞれの学校段階ごとの主な方向性を記載させていただいているということで、小学校、中学校、それぞれ接続を踏まえながら、記述ぶりも修正しておるという次第でございます。
それから、(ア)の領域構成については、従前は上の
と一緒になっていた、もしくは記載があまり十分ではなかったということもございますが、今回につきましては、領域構成について、最初の(ア)というところで丁寧に記載させていただくということでございます。こちらにつきましては、中学校も同様の構成にさせていただきました。
それから、あと(イ)、(ウ)のところは、改善の方向性を受けた知識・技能の定着でございますとか、算数的活動等の改善例ということについて言及しております。
(エ)以降については、前回も提示させていただいたところですが、具体的な内容で言うと、「例えば」というところをそれぞれ具体的な例を例示したのが、今回新しいところでございます。今回つけ加えたところでございます。
それから、3ページ目の中学校についても、先ほどの小学校のところと重複しますが、領域構成について、今回新たな領域を設ける等、見直ししてございますので、(ア)として独立させているところでございます。
それから、3ページ目の中学校の(ウ)につきましては、大変恐縮ですが、文章に誤りがございましたので、ご報告させていただきますが、(ウ)の「数学的活動については」の後の「実生活や」から「実現できるようにする」というところにつきましては、申し訳ございませんが、小学校の(ウ)とほぼ同様の文章でございまして、「数学的活動を今後も一層重視していくため、各学年の内容において、数学的活動についての記述を位置付けるようにする」と。要は小学校と同様の記述で、「算数的活動」のところを「数学的活動」に修正していただいたものがこの中学校の(ウ)の冒頭に来るということでございます。「例えば」以降の文章とこの前段の文章が重複するような形になってございましたので、この場をお借りして、訂正をお願いできればと思ってございます。
それから、あとは4ページ目につきましては、小学校算数と同様に、それぞれの領域ごとについての改善の例ということでございますが、こちらにつきましても、「例えば」ということで、具体的な指導事項について、どのように扱うかということについて言及しているところが追加したところでございます。
それから、高等学校につきましては、具体の科目名、具体の科目についての主な内容構成について言及するような形で加筆修正させていただいているという次第でございます。
それぞれの学校段階ごとの具体の詳細な説明につきましては、これから各担当の教科調査官からご説明させていただければと思います。
【橋本主査代理】
では、お願いします。
【吉川調査官】
それでは、私からは小学校算数についてご説明したいと思います。資料3の4の「改善例」、最初に小学校が挙げてあります。1つ目の
ですけれども、小学校において重視することをまず3点挙げています。「算数的活動を充実させること」、それから「数量や図形について実感的に理解し豊かな感覚を育てながら、基礎的・基本的な知識・技能を確実に定着させること」。3点目に、「数学的な思考力・表現力を高めること、学んで身に付けた算数を生活や学習に活用することを重視して、次のような改善を図る」としているところです。
まず(ア)は、領域構成についてです。現行どおり4領域としまして、「数と計算」、「量と測定」、「図形」及び「数量関係」とします。その際、数や式、表、グラフなどによる表現力を重視するため、低学年、つまり1年生、2年生から数量関係の領域を新たに設けるようにします。
(イ)ですけれども、「数量や図形についての知識・技能の確実な定着や、思考力・表現力の育成を図るため、算数としての系統性を重視しつつ、学年間で指導内容の一部を重複させる。それによって学習内容をなだらかに発展させたり、学び直しの機会を設けたりするなど、スパイラルな学習指導を進められるようにする」としています。
(ウ)は算数的活動についてです。「算数的活動を今後も一層重視していくため、各学年の内容において、算数的活動についての記述を位置付けるようにする。例えば、具体物を用いて数量や図形についての意味を理解する活動、知識や技能を実際の場面で活用する活動、問題解決の方法を考え説明する活動など、算数的活動を具体的に示していくようにする」としています。
(エ)からは、各領域ごとでの重視すること、また具体に指導する内容について示しています。「『数と計算』の領域では、整数、小数、分数の意味と表し方を理解すること、数についての感覚を豊かにすること、数による表現力を育てることを重視する。また、計算の意味を理解すること、計算の仕方を考えること、計算に習熟し活用することの三者をバランスよく育成することを一層重視する。例えば、低学年で、分数についての素地的な体験の内容を指導する。スパイラルな教育課程により、低学年・中学年では整数の計算能力を確実に身に付け、中学年・高学年では小数、分数の計算能力をなだらかに発展させるように改善する。また、中学年で、計算の見積りを指導し、計算の見通しをもったり、結果を適切に判断したりできるようにする」ということです。
(オ)「量と測定」の領域です。「様々な量の単位と測定について理解すること、量の大きさについての感覚を豊かにすること、面積の求め方などを自分で考えたり説明したりすることを重視する。例えば、低学年で、具体物の長さ、広さ、かさなどの量の大きさを直接に比較する内容を指導する。中学年・高学年で、量の単位の関係を調べたりまとめたりする内容を指導する。また、高学年で、既習の面積の求め方を活用してひし形や台形の面積の求め方を考え説明する内容を指導する」。
(カ)です。「『図形』の領域では、図形の意味と性質について理解すること、図形についての感覚を豊かにすること、図形の見方を生活や学習に活用できるようにすることを重視する。例えば、低学年から高学年にわたって、様々な図形をかいたり、作ったり、敷き詰めたり、形や大きさを比べたりする内容を指導するとともに、平面図形と立体図形の両者をバランスよく指導する。また、高学年で、図形の合同や拡大図・縮図などの内容を指導する」。
(キ)は、「数量関係」です。「数量についての事柄を、数や式、表、グラフなどによって表現すること、二つの数量の間の変化や対応を調べるなど関数の考えを育てることを重視する。例えば、低学年においても、簡単な表やグラフを用いて、身の回りに起こる事柄や場合を調べたり表したりする内容を指導する。中学年・高学年では、□や文字を用いた式を指導する。また、高学年で、関数の考えとしての比例と反比例の内容の指導を充実する」。
以上、文章で書かれておりますけれども、今日は資料4として、A3の横長のペーパーで、小学校算数科の内容の改善イメージ(案)として、表をお示ししているところです。なお、表の一番下に書かれていますけれども、この資料は小学校算数科の教育課程について検討するため、改善のイメージを資料にしたものでありまして、今後の検討により記載内容の変更があり得るというものです。
この表は1年生から6年生まで、4領域のそれぞれにおいて、どのような内容が指導されるのか、およそのイメージがわかるように示してあります。赤い字で書いてあるところは新規の内容、あるいは下線が引いてあるところですけれども、これはスパイラルのために学年間で重複させる内容です。「数と計算」のところでは、特に低学年から高学年にわたってスパイラルのための重複が大変多くなっています。例えば「整数の意味と表し方」は、1年生から4年生まで指導されますけれども、学年間で少しずつその内容の重複をさせている。また「整数の加・減」は、1年生から3年生まで、さらに4年生でも指導されますけれども、学年間で重複しているところがあります。また「B量と測定」、高学年では面積、体積の指導があります。また「C図形」では、できるだけ各学年で平面図形、立体図形をバランスよく指導すること、また子どもたちが作業や体験などの活動を通じて理解できるようにすることなども重視しているところです。「D数量関係」では、式による表現などが重視されています。また「算数的活動」については、各学年の内容において記述していくということにしたいと考えています。
以上が、小学校算数の説明になります。
【永田調査官】
それでは、引き続きまして中学校数学について、私の方からご説明させていただきます。資料は同じく資料3と資料5、先ほど小学校の方からご説明がありました資料4と同趣旨でつくられているものです。この2つをご覧いただければと思います。
まず初めに、資料3の3ページ、下の部分からご説明したいと思います。まず中学校における大きな目標と改善の際重視する点として、3つのことを挙げさせていただいています。1つは、「数学的活動に主体的に取り組み、基礎的・基本的な知識・技能を習得し、数学的に考える力をはぐくむ」ということです。2つ目は、「数学のよさを知り、数学が生活に役立つことや数学と科学技術との関係などについての理解を深めること」、そして3つ目として、今の1つ目と2つ目のことを踏まえて、「事象を数理的に考察する能力と態度を養うこと」、以上を重視して、以下の改善を図るとさせていただいています。
まず(ア)についてですけれども、(ア)は領域の構成についてです。この部分は小学校と異なっておりまして、中学校は領域の構成を変えております。現行は「数と式」、「図形」、「数量関係」の3領域でしたが、今回は確率と統計の部分、いわゆる不確実な事象を対象とする内容を重視しまして、この部分で1つの領域を構成したいと。したがって、「資料の活用」というのは、その部分を指しております。これに伴って、従来その確率が含まれておりました「数量関係」の部分、内容が関数だけになったということもありますので、内容の趣旨を明らかにするために、名称を「関数」と改めまして、「数と式」、「図形」、「関数」、「資料の活用」の4領域で構成する。したがいまして、資料5の方もA、B、C、D、4つの領域になっております。
(イ)は、生徒のつまずきへの対応です。「時間をかけてきめ細かな指導ができるようにする。また、新たな内容を学習する際に、一度学習した内容を再度学習できるようにするなど学び直しの機会を設定することを重視する」とさせていただいております。
(ウ)の数学的活動に関しましては、先ほどありましたように、文章を一部訂正させていただきます。「数学的活動を今後も一層重視していくため、各学年の内容において数学的活動についての記述を位置付けるようにする。例えば、数学を生みだす活動、数学を利用する活動、数学的に伝えあう活動、数学的に実感する活動など、数学的活動を具体的に示す」とさせていただきます。
なお、中学校においては、現行「課題学習」というものがありますが、この内容は実際には前回も話題になりましたが、中学校の各学年、各学期に1時間程度しかされていないという現実がありますので、これをより一層充実させるために、数学的活動が実現される場というふうに位置付けまして、既習の内容を総合して、問題を解決する学習に取り組むことができるようにするなどの改善を図りたいと考えております。
(エ)から(キ)に関しましては、各領域の改善です。「『数と式』の領域では、文字を用いて一般的に考えることの必要性やよさについての理解を深めたり、身の回りの数量やその関係を数や文字の式で表現したり、式を手順にしたがって能率的に処理したり、式の意味を積極的によみとり自分なりに説明したりすることを重視する。例えば、不等式を用いて数量の大小関係を表すことや比例式、有理数・無理数の用語と概念、二次方程式の解の公式などを指導する」とさせていただいております。
(オ)の「『図形』の領域では、体験に基づく実感的な理解をもとに、身の回りにあるものを図形としてとらえてその性質や関係などを明らかにすることや、図形の性質などを根拠を明らかにして、筋道を立て説明することを重視する。例えば、図形の移動、投影図、球の表面積や体積、図形の面積比・体積比などを指導する」。
(カ)、名称が改まりましたが、「『関数』の領域では、身の回りで起こることを関数としてとらえ、表、式、グラフなどを用いて変化や対応の様子を調べてその特徴を説明したり、表、式、グラフなどから新たな関係や特徴をよみとって、それを具体的な場面で解釈したりすることを重視する。例えば、関数という概念のもとで比例や反比例などを理解することができるよう」、現在、第2学年で指導されていますが、「第1学年から『関数』の用語と概念を指導する。また、いろいろな事象と関数を指導する」とさせていただいています。
新たに設ける「資料の活用」(仮称)ですが、この領域では、「資料に基づいて集団の傾向や特徴をとらえ、それをもとに判断することを重視する。例えば、従来から指導している確率に加え、ヒストグラムや代表値を用いて全体の傾向をとらえたり、標本を取り出して調べることで母集団の傾向をとらえたりすることを指導する」とさせていただいております。
資料5をご覧いただけると、今、読み上げました「例えば」のところの内容がおよそどの部分で指導されるかということが赤字でご覧いただけると思います。
中学校数学科については、以上です。
【長尾調査官】
高等学校の説明をさせていただきます。資料3と資料6をお願いします。高等学校ですが、最初の
で、目標と科目構成、それから内容について書いています。「高等学校においては、目標については、高等学校における数学学習の意義や必要性を一層重視し改善する。また、科目構成及びその内容については、数学学習の系統性と生徒選択の多様性、生徒の学習意欲や数学的な思考力・表現力を高めることなどに配慮し改善する」ということにしております。
科目構成ですが、資料6をご覧いただきますと、現行では「数学基礎」、「数学
」、「数学
」、「数学
」と「数学A」、「数学B」、「数学C」の7科目で構成されておりますが、先ほど言いましたような観点で科目構成を見直し、履修率等も考慮しまして、今回は「数学活用」、「数学
」、「数学
」、「数学
」、「数学A」、「数学B」の6科目で構成したいと考えております。
(イ)「数学
」、「数学
」、「数学
」についてですが、「数学
」は必履修科目と考えております。高等学校数学における基礎的・基本的な知識や技能及びそれらを活用する能力などを身に付けることをねらいとして、中学校数学の内容との関連などを配慮して、そこにありますように数と集合であるとか、図形と計量、二次関数などの内容で構成したいと考えております。
それから、「数学
」は、数学的な資質・能力を伸ばすことをねらいとし、数学
に引き続く科目として内容の系統性に配慮して、いろいろな式、現行では式と証明・高次方程式と言っていますけれども、名称を変えたらどうかと思っていますが、いろいろな式、図形と方程式、三角関数(そのほか指数関数なども扱いたいと思っておりますが)、そのような内容で構成するということです。
それから「数学
」は、「数学に対する興味や関心から、より深く数学を学習したり、将来数学を専門的に扱うために必要な知識や技能、考え方などを身に付けたりすることをねらいとし、例えば、極限、微分法、積分法などの内容で構成する」ということです。
それから、「数学A」と「数学B」につきましては、現行と同じように、生徒の能力・適性、興味・関心、進路などに応じて幾つかの項目を選択して履修する科目として、例えば、「数学A」では場合の数と確率であるとか、あるいは「数学B」であれば数列とかベクトルとか、そのようなものを内容としたいと思っております。
「数学活用」ですが、現行の数学基礎の趣旨を生かして、内容を発展させて「数学活用」としたいと思っております。そこにありますように、「数学と人間とのかかわりや、社会生活において数学が果たしている役割について理解させ、数学への興味や関心を高めるとともに、具体的な事象への活用を通して数学的な見方や考え方のよさを認識し数学を活用する態度を育てることをねらい」として、構成したいと思っております。
それから、「数学
」は必履修と考えておりますし、「数学A」はより多くの生徒の履修が期待される科目ですので、この2つの科目には数学的活動を充実させるという観点で、課題学習を中学校と同じように設けたいと思っております。
また、「数学
」、「数学
」、「数学
」は、全教科そうだと思いますけれども、
、
、
を付した科目はこの順に履修するということになっております。それから、「数学A」は「数学
」と並行履修またはその後の履修、「数学B」は「数学
」の後に履修するということにしております。
資料6に内容を書いておりますが、小学校でもありましたけれども、現在、検討中でありますので、内容の移動等も含めて、今後まだ変更の可能性があるということをご注意いただけたらと思います。
以上です。
【橋本主査代理】
ありがとうございました。今の後半部分で教科調査官の先生からご説明がありましたが、この会、終わりの時間が限られておりますので、その前にもしご質問があればということで、坂下専門官の方からございました資料7、8、9、10あたりで何かありましたら。では、藤本先生。
【藤本委員】
これは算数・数学両方にかかわることなんですけれども、例えば資料9の5ページを見ていただけますでしょうか。そこの「(6)教育委員会や学校の裁量」となっている部分の2つ目の
の部分、「例えば」というところなんですけれども、その「
」の2つ目、「教科教育の一環として朝の10分間を活用した読書活動、ドリル学習などの実施」ということになっているんですけれども、私も9年間指導主事とかをやっておりまして、ここは授業時数にカウントしないでほしいと言ってきた人間なんです。といいますのは、その10分間を算数のドリルとか、あるいは中学校でのワークシートをすることによって、授業として本当に成立するのか、目標を達成できるのかというところが大変難しいと思います。
今、私は小学校にいるんですけれども、小学校の部分だったら、皆さんが算数を教えることができます。ただ、中学校だったら、英語の先生が6人も7人も8人もいません。そういった中で、英語を聞かせることが英語の授業としてカウントされて、英語でつけたい力が、あるいは数学で1コマ増やしていただいた1コマがモジュールで使われてしまうんじゃないかというふうに懸念しているんですけれども、この部分、私自身にとっては撤回していただきたいなという気はものすごいしているんですけれども、いかがでしょうか。
【橋本主査代理】
委員の先生で、それに関連してございますでしょうか。よろしいですか。
【坂下専門官】
今、ご指摘いただいた件につきましてですけれども、教育課程部会の配付資料の資料7のところで申しますと、大変恐縮ですけれども、35ページの上から2つ目の
のところでございますけれども、「その上で」という段落がございます。「増加した年間の標準授業時数をどのように確保するかについては、これまでどおり、特定の方法を学習指導要領等において示すのではなく、各学校や設置者の裁量により、それぞれの学校や児童の実態等を踏まえ、多様な取組により対応できるようにすることが適当である」となってございまして、その「多様な取組」のところに小さく1とついておりまして、下の欄外のところに「例えば」ということで、先ほどご指摘いただいたようなところの例示が記載されているという次第でございまして、多様な取組のうちの1つということの例示でございます。ここの部分を今後どのようにするかというのは、まさしく教育課程部会での検討ということになろうかとは思うんですけれども、現時点においても、この多様な取組というのは、学習指導要領等で示しているところではございませんので、ここをどのように考えていくかというのは、まさしく今後の検討ということになるんじゃないかと思うんですけれども、そういうことでございまして、まだ検討中ということでお考えいただければと思います。
【永田調査官】
すいません、ちょっと1点よろしいでしょうか。
【橋本主査代理】
はい。
【永田調査官】
今、ご指摘があった点について、資料7の38ページの上から3つ目の
に、今度は中学校の部分の同じ指摘があります。この部分に、アスタリスクの1がついておりまして、これが欄外に引かれておりまして、この部分を読みますと、「なお、教科担任制である中学校においては、朝の10分間等に行われる読書活動やドリル学習を教科教育の一環として行う上でどのような配慮が必要かについては今後検討を要する」というふうに書かれておりますので、実はこれは午前中に今日の教育課程部会で全く同じ点のご指摘がありましたので、やはり中学校の先生の皆さんはよく読んでいただいているなと思うんですけれども、そういう認識があるというふうにご了解いただければと思います。
【橋本主査代理】
ありがとうございました。そのほかには、いかがですか。よろしいですか。ございませんようでしたら、特に資料3と4と5と6なんですけれども、全部まとめても構わないんですけれども、一応時間は20分程度ずつにさせていただいて、小学校、中学校、高等学校の順にやらせていただきたいと思います。もちろん資料3と連動して出てきていることでございますので、そのときに、適宜資料3にも触れていただけたらと思います。
それでは、先ほど吉川調査官からありました小学校の算数科の内容の改善のイメージ(案)、またそれが出てくるおおもとになっている資料3の大きく現状、課題、特に改善の方向性、改善例、小学校、3ページの3分の2ぐらいまでのところですけれども、いかがでしょうか。芝田委員。
【芝田委員】
読ませていただいて、文章上は非常にすっとくるんですけれども、例えば小学校の低学年で、「分数についての素地的な体験の内容を指導する」というふうにありまして、それがこの資料4の方だったらもうちょっと具体的に見えるのかなと思って見たら、同じように「分数の素地的な体験」と書いてあるだけなので、具体的にはどんなことをイメージされているのかなということをお聞きしたいと思っています。
それから、これは過去からもそうなっているのかなと思いつつも、あえて申し上げるんですが、小学校算数のところで整数という表現でくるんですけれども、私から見たら自然数というふうになってしまうんですけれども、その辺はこれでいいのかなと思ったところです。
【橋本主査代理】
では、素朴な質問ということですが、吉川調査官ですか。
【吉川調査官】
ありがとうございました。今、2年生で分数の素地的な体験というのを書いてあります。これはよく子どもたちが分数の意味理解に困難を生じることがあるということで、丁寧な、子どもたちが分数についてなるほど、こういうことかということを活動を通して実感できるようなことを入れたいと思っています。考えていますのは、例えば具体物を半分に折るなどして2分の1をつくる、そうした活動を想定しています。さらにそれを進めれば、もう1回半分に折りますと、今度は4分の1ができるわけで、そうしたことから、ある大きさを半分にしたものが2分の1の大きさ、さらに半分にすると4分の1の大きさになる、そうしたことを活動や体験を通じてだんだん分数に親しみを持っていくようにしてはどうかということを考えているところです。
2番目のお尋ね、整数という言葉なんですけれども、小学校算数では、これまで伝統的にといいますか、整数という言葉を使ってきています。数学的にはマイナスの数を含めて整数と呼ぶわけなんですけれども、当然ながら小学生ではゼロから始めて1、2、3、4、5というふうに正の数だけ扱うわけですけれども、小学校ではそれを整数と呼んでいくというのがこれまでの習慣となっているところであります。ご指摘ありがとうございます。
【芝田委員】
ありがとうございます。
【橋本主査代理】
そのほかには、いかがでしょうか。
先に手を挙げられたので、小西委員から。
【小西委員】
失礼します。小西です。資料3の2ページのところなんですけれども、小学校の改善の方向がかなり具体的なイメージとしてとらえられるようになってきたと思うんですが、まず(ア)、(イ)、(ウ)と3つあって、(ア)では数量関係を1、2年で設ける。それから、(イ)はスパイラルで、(ウ)は算数的活動ということで、すべて非常に重要な方向性がまとめられていると思うんですけれども、どれも私の感じたところでは、時間がかかるということだと思うんです。(イ)のスパイラルにしても時間が必要だと。それから、算数的活動も時間が必要だということで、やはりこの時間数というものがまだ少し明確にはなっていない段階なんですが、こういった点から、やはり時間数の確保ということを今後お願いしたいなということが1点です。
それから、細かいことになるんですけれども、3ページ目の上に、「三者をバランスよく育成する」というところがあるんですが、計算の意味を理解して、仕方を考えて、習熟するという三者をバランスよくというのが、非常に細かいことで恐縮なんですが、「育成する」というよりも「指導する」という方がいいんじゃないかなと思いました。(カ)では、「平面図形と立体図形の両者をバランスよく指導する」となっています。それから、(キ)のところでの比例と反比例のことなんですけれども、今回、反比例を中学校でやっていたものを小学校に入れるのは、比例の考え方を重視してということになるので、「比例と反比例の内容の指導を充実する」としてしまうと、何か反比例が非常に充実するような感じになるので、この充実というのは取った方がいいんじゃないかなという意見です。
以上です。
【橋本主査代理】
小西委員から大事な指摘かと思います。1つは、3ページの上から2行目のところ、「育成」は「指導」というふうに変えていただきたいと思います。計算というと、現行の学習指導要領においても、意味の理解、計算の仕方、活用と。今度は活用の場合には当然習熟ということも入ってきますから、その三者をバランスよく指導していくということが重要である。それから、(キ)のところの、「高学年で、関数の考えとしての比例と反比例の内容を充実する」ということは、ご承知のように、現在反比例という内容は入っておりませんけれども、比例ということを明らかにするためには、そうでない例を入れることによってはっきりさせるという意味合いで、もちろん反比例の式を使ってという話は中学校の方になっていくかと思いますが、小西委員、それでよろしいでしょうか。
【小西委員】
はい。
【橋本主査代理】
ほかにはいかがでしょうか。
【内田委員】
内田でございます。よろしくお願いいたします。
小学校のところでございますけれども、(ウ)のところで、「算数的活動を今後も一層重視していく」ということでございますので、小学校で算数的活動をやった後、小・中のつながりということになってしまいますけれども、中学校になりますと、数学的活動ということになりまして、資料4と5のところの一番右側ですけれども、算数的活動の「例えば」というふうな記述がございますけれども、小学校での算数的活動が中学校につながっていくということがございますので、細かいことになりますけれども、この辺の記述というんでしょうか、表記というんでしょうか、つながりがわかるような形になれば、大変ありがたいなと思うんですけれども。
【橋本主査代理】
その点については、小・中の教科調査官の先生はいかがでしょうか。よろしいですか。小と中のつながり。よく見ればわかるのかもしれないんですけれども、内田委員のご指摘のように、ちょうど中学校の方は3ページの下に「例えば」というので、4つほど書かれていますよね。もちろん違う部分もあってしかるべきかと思いますが、共通してわかるような形になっているということも大事なことかと思います。
ほかにはどなたか。清水委員。
【清水委員】
よろしくお願いします。算数について2つと、全体にかかわることで1つお願いしたいと思います。
最初に、全体にかかわることですけれども、「基礎的・基本的な知識・技能」という言われ方がここ数年ずっと使われております。算数では知識・技能というのはやはり使われているのですけれども、ややもすると、知識といいますと、数学的な事実とか性質、定義という狭い意味にとらえられる危険性があるんです。しかし、ここ何年か使われている基礎的・基本的な知識・技能といった場合に、もっと広く使われているように思われます。
先ほどご説明いただきました資料7のところで、そのことに関連する記述をちょっと探していたのですけれども、22ページから23ページのところにかけまして、「知」ということにかかわって、23ページの1行目のところに、「形式知のみでなく、いわゆる暗黙知」ということで、別な視点から知のとらえ方を広げるということは明示されておりますけれども、表現が適切であるかどうかわかりませんけれども、知識については数学的な事実についての知識だけではなくて、調べ方とか、あるいは数学的な推論というのはどういうものでどのような状況で使われるのかというようなことも、やっぱり知識として広く包み込むような形でとらえるべきだというコメントといいますか、注釈が入ると、これは算数・数学に限るものではなくて、他の場合の知識も多分同様のことが起こるのではないかと思いますので、そこを是非少し広げて、狭くとらえられないような配慮をお願いしたいというのが1つです。
それから、算数につきましては、今、読み書きの重要性が大変強く言われておりまして、その関係で、数量関係を低学年に広げられているということは意味があると思うのですが、資料4のところで、これから議論の余地があるということですので、意見を述べさせていただきますと、1年生と2年生のところに、「式による表現」ということで、「式をよんだり、場面を式に表したりする」という項目がございます。これは、従来新しい計算が出てきたときには、その意味指導とかかわって、例えばたし算だったらたし算についてその場面を式で表したり、あるいは式から場面を考えたりという項目があるのですけれども、それとの関係です。多分2年生のかけ算とか3年生のわり算にそれがありませんので、3年生のところの数量関係に同様のことがありませんので、いわゆる演算を導入したときの狭い読み書きではなくて、もっと広くするという意味だろうと思うのですけれども、その辺のところのご説明をお願いして、できれば低学年ですので、操作も含めていろいろやっていただくのがいいかなということが1つです。
それから、2つ目は、算数の最初の
、つまり算数の基本的な考えを述べた場面に、豊かな感覚を育てるという記述がございます。それぞれ個別の領域では、感覚を豊かにするとあり、しかも、量のところでは、量の大きさだけに限定されているということがあります。できれば、基準としてはやっぱり豊かな感覚を育てるというスタンスで、豊かな感覚の中身を説明していただいて、実際にそれに到達するためにどう指導するかというふうに考えると、豊かな感覚を育てるとかはぐくむというスタンスがいいかなと思います。それから、量については、大きさに限定されておりますけれども、広く量についてというような形でくくっていただけたらと思います。
【橋本主査代理】
はい。今、全体の部分については坂下専門官の方で記述を考えておいてほしいと思うんですけれども、今、具体例を挙げてということがございましたので、ちょっと読み書きの方で、吉川調査官、いかがでしょうか。
【吉川調査官】
ご指摘ありがとうございました。式による表現の重視、これは今回算数でも特色の1つになると思います。この経緯は、ご承知のように、これまで教育課程部会においてその表現力の育成ということからきていると思います。数学については、言葉や数、式、図、表、グラフなどによる表現力を育成していくということが言われてきたところです。今回、数量関係のところを中心にして、式による表現というものを低学年から高学年の全体にわたって重視していきたいと思っています。そのためにも、今回、低学年でこれまでになかった数量関係という領域を設けて、その中においても式による表現ということを記述していきたいと思っています。今、清水委員がご指摘になりましたように、これまでAの数と計算において指導している内容項目との関係がありますので、特に低学年では加・減、あるいは乗法のところの式表現との調整もしなければなりませんので、そこのところの関連はよく精査して、これから記述をしていきたいと思っています。ご指摘、大変ありがとうございます。
【橋本主査代理】
それでは、ほかには。中村委員、どうですか。
【中村委員】
まず算数的活動と数学的活動のことですけれども、以前の改善の方向性の中には、算数的活動、数学的活動を充実するということの意味が3点あったと思うんです。いわゆる実感的な理解と数学的な思考力を高める、それから算数・数学の学習の楽しさや学ぶことの意義を実感すると。要するに、何のためにこれを充実するかというところが明確に書かれたかと私は思います。
そういう意味で、できれば2ページの改善例の小学校の1つ上のところに、「算数的活動、数学的活動を生かした指導を一層充実し」という言葉がありますが、何のためにこれを充実するのかという部分をつけ加えていただけるとありがたいかなと思っています。
それから、先ほどお話が出ましたように、小学校と中学校で算数的活動・数学的活動、これは時間がかかるので非常に重要な活動だと思うんですが、その表現の仕方をもう一度考えていただけるとありがたいと思っております。この算数的活動とかかわって、3ページの(オ)に量と測定のところで「既習の面積の求め方を活用してひし形や台形の面積の求め方を考え説明する内容を指導する」と書かれてあります。これは、現在の学習指導要領の改訂のときに、台形の面積とか、そういったことで話題になったことかと思うんですが、やはりこれはそれを復活させるという意味ではなくて、既習の三角形、平行四辺形から子どもたちが自らつくり出していけるんだというあたりのところが、この文章の表現の中に「既習の求め方を活用して」というところにあるのではないかと。ですから、何か新たなものがまたつけ加わったというような形ではなくて、算数的活動を行うことによって、子どもが自らつくり出していけるというようなことを強調していく必要があるのではないかと。これは、数学においてもそういうふうに考えております。
それからもう1つ、これは「数と計算」領域のところですけれども、分数のことについて、先ほど数理的な体験からスパイラルな教育課程ということで、私はやはり以前からこの専門部会の中で分数の指導はなるべく早い時期に繰り返し行うことが理解を深めていくんじゃないかと。特に国際的な調査の結果や、他国とのカリキュラムの検討、比較をしますと、やはり分数というものをなるべく早く入れておくということが大事ではないかなと思いますので、この趣旨は賛成であります。
あと、これは小学校と中学校にかかわってくることだと思うんですが、いわゆる文字の式とか、先ほど出ました比例、反比例、あるいは数量関係のところでのヒストグラムとか、代表値などのなだらかな接続といいましょうか、そういったところを、これは実際に内容の改善が行われる中でやっていただけるとありがたいなと思っております。
以上です。
【橋本主査代理】
ありがとうございます。今、中村委員の発言の中で、何のためにということがあったわけですが、今、先生が具体的な例として、(オ)のひし形や台形の面積でございましたね。そういったときに、よりはっきりさせるために、算数的活動をこの題材にとったとしたときには、何のためにというのはどんなことになるんでしょうか。
【中村委員】
これはいわゆる数学的な思考力を高めることでありますし、また台形を使うことによって三角形、平行四辺形の公式等の理解を十分に実感的に理解するということになるので、前回の算数的・数学的活動の充実という中に書かれたものと大きくかかわってくるのではないかなと思っています。
【橋本主査代理】
ありがとうございました。そのほかに。浪川委員。
【浪川委員】
浪川です。3点ほどございます。1つは、先ほど清水委員のご指摘で気がついたんですが、資料7の24ページの真ん中から少し下、「これらの能力の基盤となるものは、数式などの人工言語を含む広い意味での言語」であると。数学については、これを広い意味での言語としてきちんと位置付けていただいたことは大変うれしく思っておりますが、ちょっとその「人工言語」というのが気になりまして、むしろ数式というのは漢字や何かであらわすのと同じことで、別にそうしたら漢字も人工言語なのかということに。どちらかといえば記述言語。つまり、それを語るのではなくて、書かれるということがメーンになっている言語という意味だと私は理解しますので、表現を工夫していただければと思います。
それに関連しまして、第2点になりますが、数式について1年のころからきちんと重視していただいたということは、その意味では私も大変評価したいと思います。ですから、このときに数式であらわすと同時に、やはり今、これは小学校よりもむしろ中・高の方が問題なのかもしれませんけれども、数式というのが文だということを子どもたちがなかなか認識していない。先生たちもあまり認識していないというところがあって、ですから、逆に数式があったとき、それを日本語の文として言い直させる。だから、1足す1イコール2というのがあったときに、それは1に1を足したものは2になるという、日本語としてちゃんと意味のある文が数式になっているんだという、そうした形で両方向から言葉と数式とのつながりを重視していくような指導がなされてほしいと思います。
それから、3点目は質問になるんですが、先ほど分数の指導の難しさが出ましたが、これはやはり比例の難しさがオーバーラップしているわけで、その意味では、単位当たりの分数という形の指導は普通にありますけれども、いわゆる比としての分数、比の値というような用語というのが、この案ですとどのあたりで出てくることになるのか、その辺をお聞きしたいと思います。
以上です。
【橋本主査代理】
最後のご質問の部分について。
【吉川調査官】
ありがとうございました。比につきましては、内容としては小学校6年生で数量関係のところに比が位置付いています。これは、これまでも小学校6年生に比の内容が位置付いてきました。現行の学習指導要領では、簡単な比ということで限定的に書いているんですけれども、2
3、4
6、2
3と4
6が等しくなる、そうしたことを体験などを通じて理解し、使えるようにしていこうということが、内容として取り扱われているところです。現行の学習指導要領では、比の値というものが入っていません。この扱い方についてどうするかということは、まだ検討しなければいけないと思います。
【橋本主査代理】
赤羽委員、どうぞ。
【赤羽委員】
高校から中学、中学から小学校と、必要なものがこうやっておりてきて、今までとても指導しにくかった面がありまして、大変いいなと私は感じているんですが、お聞きしたいことは2点あります。
1点は、算数的活動・数学的活動が領域にはならなかったということで、これは仕方ないかなというふうに思っておりますが、これについては、内容において記述するということですが、各学年、例えば小学校だと4領域すべてについてそれぞれのことを記述していくのかどうか。
もう1点は、ちょっと算数から離れてしまって大変申し訳ないですが、是非お聞きしたいんですが、昨年まで「生きる力」にかわって「人間力」ということを言われてきたんですが、最近、私だけがちょっと取り残されているのかもしれませんが、何となく「人間力」ということがちまたでも聞かれなくなっているような気がしているんです。その点について、ちょっとお聞きしたい。
【橋本主査代理】
わかりました。時間もあれですので。前半部分は4領域という云々。吉川調査官、もしあれば。
【吉川調査官】
ありがとうございます。算数的活動についてです。現在、この算数的活動を各学年の内容において記述していくという方向で検討しているところです。ご承知のように、学習指導要領では算数・数学は各学年ごとに内容を示しています。現在の示し方は4領域、A、B、C、Dという領域ごとにこの内容を記述しています。それに加えて、算数的活動をどう記述していくか、今後よく考えていかなければならないと思いますけれども、1つの考え方としては、A、B、C、Dそれぞれの内容を記述したさらにその後に、学年ごとに算数的活動を記述していくということが考えられるのではないか。1つの方法としては、そういうものがあるだろうと思っています。
【橋本主査代理】
もう1つ、「人間力」ということですが、これは大きな問題ですが、坂下専門官、もしあれば。
【坂下専門官】
本日の配付資料の資料7の中での9ページのところになろうかと思います。9ページ目の上から2つ目の
、3つ目の
ですが、特に「人間力」については一番下の
に記載させていただいておるところですが、その1つ上のところを先に紹介すると、「このように、社会の構造的な変化の中で大人自身が変化に対応する能力を求められている。そのことを前提に、次代を担う子どもたちに必要な力を一言で示すとすれば、まさに平成8年(1996年)の中央教育審議会答申で提唱された『生きる力』にほかならない」としてございまして、その次の
のところでは、「このような認識は、国際的にも共有されている」ということでございます。OECDで検討がなされて、出された「主要能力(キーコンピテンシー)」といったものについても言及してございますし、あるいは「人間力」といったところについては、「また」のところで、「内閣府人間力戦略研究会の『人間力戦略研究会報告書』を基にした『人間力』という考え方なども同様である」ということで記載させていただいているところでして、特に「人間力」については、さらに注釈をつけさせていただいておりまして、教育課程部会にも委員としてご協力いただいております市川伸一先生が座長で、内閣府におきまして人間力戦略会議の報告書を出してございますけれども、その中で人間力については「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」と定義したことで、知的能力的要素、社会・対人関係力的要素、自己制御的要素を総合的にバランスよく高めることが「人間力」を高めることであるとしております。あとこちらにあるように、それを発揮する活動に着目すれば、「職業生活面」、「市民生活面」、「文化生活面」という形に分類されると記載してございます。
要は、「生きる力」であるとか、「キーコンピテンシー」であるとか、「人間力」といった考え方の根底に通ずるものは同様のものであるという考え方で考えていただければということでございます。ということで、「人間力」のところでは、「生きる力」との関係、あるいは「キーコンピテンシー」との関係で言及させていただいているのが現状のところでございます。
【橋本主査代理】
どうもありがとうございます。そういうことのようです。このまま中・高の方も審議したいので、斉藤委員を最後に、小学校の部分をよろしくお願いします。どうぞ。
【斉藤委員】
1つお願いなんですけれども、考えを説明する活動というのが強調されます。私が申し上げたいのは、数学的な表現を使うこととか、数学的な表現を日常言語に関連付けるということは算数の中身だと思うんですが、かなり国語科で担っていただきたい部分、例えば話し合いの討論の仕方であるとか、説明の仕方、結論から言うとか、「例えば」というものを使うとかそういった内容があります。その辺のすみ分けというと変なんですけれども、やはり国語科できちんとやっていただく。算数でもほかの教科でもそれをきちんと使える子すなわち国語科を活用できる子を育てながら、算数も高めていくということが大切だと思います。
【橋本主査代理】
国語との関連、ありますか。
【吉川調査官】
ありがとうございます。説明する力、広く言語力だと思いますけれども、本日お配りしている教育課程部会に配付されている審議の概要の中でも言語力の育成について、大分ページ数を充てて説明しています。国語科を中心にして育成をするということを考えながら、各教科それぞれ役割として担うところがあると考えられるので、その意味で教育課程全体にわたって重視していきたいということが書かれています。斉藤先生にお話しいただいたように、国語科でやるべきところもきちんとあるでしょうし、また算数では算数・数学ならではの説明する力、表現力ということで今後考えていきたいと思います。
【橋本主査代理】
ありがとうございました。
それでは、中学校の方に移らせてください。資料5の「中学校数学科の内容の改善イメージ(案)」と資料3に関連して、いかがでしょうか。山口委員。
【山口委員】
失礼します。中学校というよりも、小学校と中学校の両方に少しかかわるかもしれないんですが、今回の改善の1つの柱として、教育課程の編成の考え方として、スパイラルということがあるかと思うんですが、その点については、小学校の資料4にしても、中学校の資料5にしても、資料3では2ページ目の小学校のところにもありますけれども、(イ)のところで、「なだらかに発展させたり、学び直しの機会を設けたりするなど、スパイラルな学習指導」がカリキュラムの中にも少し入ってきて、かなり充実しているということで、是非こういう方向でと思っているんですが、例えば小学校で新しく入る内容として、5年生などで図形の合同にかかわることとか、それから拡大図・縮図がまた小学校で指導されることになっているんですけれども、中学校の側から見ると、これは現行の学習指導要領では、小学校にはない内容ですが、ところが、小学校でこれが入ってくることによって、あるいは前の学習指導要領では素地的な内容としてあった内容なので、むしろ学校間、小学校と中学校の間の校種をまたぐようなスパイラルな内容について、小学校の方から見れば中学校にどういうふうに発展して、その教材がつながっていくのかということを、小学校の学習指導要領などで、あるいは解説などで十分に伝えていく必要があると思います。あるいは中学校の方から見れば、小学校の素地的な内容が、中学校の既にある教材とどういうふうにつながっていくのかということを、中学校側も小学校の素地的な内容というのを十分に把握できるように、そういった面は今までの学習指導要領でも十分に強調されていた点だとは思うんですが、特に中学校の側から見ると、小学校は別の校種だという部分もあって、今までどういう指導がなされてきたのかということを今まで以上に踏まえて、そのスパイラルが生きるように、何らかの形で小学校と中学校、あるいは中学校と高等学校の間でメッセージを送っていく必要があるのではないかと思います。
【橋本主査代理】
学校間、小・中、中・高の方もあるかと思いますが、この点についてはよろしいですか。
【永田調査官】
ありがとうございます。お話のとおりだと思います。どうしても中学校の先生は小学校でやっていると既習事項というとらえになりがちですけれども、やはり素地指導をして、中学校で活用するというような考え方でとらえるということの重要性については、ご指摘いただいたとおり、学習指導要領及び解説書等を含めて検討していきたいと思います。
【橋本主査代理】
ありがとうございました。ほかにはいかがでしょう。中村委員が先に手を挙げられたので。
【中村委員】
これは最初にも書いてありますが、小学校6年から中学校1年にかけての子どもの意識といいましょうか、いわゆる小6、中1ギャップというふうに言われていますけれども、好きと回答する子どもの割合が特に算数・数学で多いと思うんです。そういう意味で、今回の教育課程の中で見ますと、先ほど言いましたが、例えば文字を用いた式でありますとか、あるいは平面図形のこととか、比例、反比例のこと、そして資料の活用というところで、教育課程上もなだらかに繰り返し行うというところがあるのではないかという気がします。できればもう1つは数学的活動において、どういうふうにそれを小学校と中学校の結びつきをしていくのかということも、これは実際の学習指導要領、あるいは解説書のレベルで出していただけるとありがたいなと思っています。
【橋本主査代理】
清水委員。
【清水委員】
先ほどの小・中のつながりの話ですけれども、この際ですから解説書の構成を検討していただきたいと思います。といいますのは、2冊買って2冊読めばいいというのは理屈なんですけれども、1冊で済むようにするということになりますと、特に中学校の先生、お忙しいこともありますけれども、多分小学校のイメージはご自身か、ご自身の子どもさんが受けた算数・数学を念頭に置いていることが多いと推測されます。中学1年生と小学校のつながりの問題、それから今回義務教育ということで9年間を束ねて考えるという大きな転換が行われておりますので、これまでは各項目の解説の中にも盛り込ませていたものを、例えば中学校の解説の中にも小学校高学年の内容の部分プラス中学とのつながりを議論するような場面、あるいは小学校では高学年の内容に対して、それが中学にどう発展していくのかということを、埋め込むのではなくて取り出して書くようなものを検討していただいて、子どもに教える内容については、重ねてスパイラルと強調されていますので、先生方に発する情報も同じようにお考えいただけると先生方は助かるのではないかということで、お願いしたいと思います。
【橋本主査代理】
解説書自身は、小学校の算数では後ろの方に中学校の学習指導要領が出ています。その逆、中学校の方は小学校のものが出ていますから、そんなことが可能ならば、検討ということですが、よろしくお願いいたします。
ほかにいかがでしょうか。渡邊委員。
【渡邊委員】
私もそのスパイラルというのは非常に好きというか、好みなんですけれども、確かに小学校で学んだから中学校ではいいだろうというケースが多いんですけれども、特に中学校の先生でも、極端に言えば、小学校でこういうふうに学んだよね。今度、中学校ではこういう見方をしようという認識の変化というか、そういうものをもっと明確に伝えるようなある種のシステムをつくらないと。例えば資料3の2ページの真ん中にあります「高まりが感じられる」、こんなやわな表現ではちょっと不満なんです。小学校から中学校で学んだことがドラスティックにこういうふうに変わっているということをもっと中学校になって認識しないと、何だ、同じことをやっているんじゃないかと。ということは、ある意味でできる子ども、理解の進んだ子どもががっかりすることもあるわけです。
そういうことを考えますと、2ページのスパイラルのところをもう少し、何をもって高まったのか、そういうものを明確に書いてほしいし、3ページもそうですけれども、高学年になってやり直したことによって、何がしっかりしたのかということももっとはっきり書かないと、これがただ言葉だけの指導で終わってしまうんじゃないか。そうならないようにやってほしい。
例えば、小学校で、りんご2個とりんご3個を足したら何個になりますかといったら、2足す3で5と答えるんですけれども、中学校でこのざるにリンゴa個入っていました。このざるにb個入っていました。何個ですかといったらa足すb個と答えるわけですよね。それならば、小学校でここにりんごが2個あります。ここに3個あります。何個になりますかだったら、2足す3個と答えてもいいはずですよね。
その辺の違いを中学校でちゃんと指導できるような、そういう面をきちんとやらないと、ただ単に事象をなぞっているだけの指導では、それは確かに日常で困らない数学は学べますけれども、そういうなぞる背後にある数学的な構造というのが本当にわかってもらえるのかというのが非常に心配です。もう少しかっちり、スパイラルならばこうこうこうなったことがわかることをもって認識の進化があったとか、もう少しそういうものを明確にしてほしいというのがお願いです。
【橋本主査代理】
その点について、吉川調査官。
【吉川調査官】
ありがとうございます。今、2ページのところをご指摘いただいた上から3つ目の
で、「スパイラルな教育課程により」というところなんですけれども、今現在「スパイラルな教育課程により、学習の進歩や高まりが感じられるようにすること」などで、「より進んだ算数・数学の学習へ活用していくこと」とつながっていくんですけれども、進歩や高まりというところに、例えばどういうふう書き直すといいか、もう少しご提案があるでしょうか。
【渡邊委員】
具体的に言うと、もう少し端的に言えば漢語か何かですぱっと言うと、それは単なる言葉だけかと言われるかもしれませんが、具体的には高まりという和語ではなくて、よく哲学なんかである認識の進化とか、デカルトなんかは明証性なんて言っていますけれども、そこまで言う必要はないんですけれども、そういうものをもう少ししっかりした言葉でやった方がいいんじゃないかなと。、今、思っているのはその辺ですけれども、何かそういうはっきりと、単なる学び直しじゃないんだよと、子どもがちょっとびっくりするような、小学校から中学、中学から高校に行ったときに、確かに自分は違うレベルに達したんだということで。
【橋本主査代理】
渡邊委員、今でなくても、会議が終了した後でも一両日中に文言をきちんと書いて、それこそ明示していただければと思います。
ほかにはいかがでしょうか。高はちょっと置いておいて、中・小の関連、あるいはその全体の構成ということでも結構ですけれども。浪川委員。
【浪川委員】
数学ではないんですが、関連したこととして、むしろ中学あたりの理科についての要望なんですけれども、中学になりますと、どうしても数学自身が抽象的になるというか、数学自身の世界の中に入ってまいりますので、やはり実際の世界との関連というところでの数理的な重要性というのは、理科や社会での指導というのが非常に大事だと思うんです。
そのことを考えましたときに、特に前回問題になったことなんですけれども、例えば理科の場合で、いろいろな現象を記述する場合に、公式を用いないことという表現は、はどめ規定で幾つかあるんですけれども、公式を用いないことというふうに書かれている部分が、いわゆる定量的な表現をも教科書に書いてはいけないというような教科書検定が行われて、それがやはり非常に大きな問題になったと思うんです。
【橋本主査代理】
浪川先生、具体例を挙げられますか。
【浪川委員】
例えば、溶液に何かを加えていくと色が変わっていくようなときです。あるいは酸性とかアルカリ性が強くなっていく。何かを加えるとだんだん強くなるというような表現が教科書にあったときに、それが定量的な表現だから完全に定性的な表現に直しなさいというような事実があったということは聞いております。
ですので、この場合に、その意味でいわゆる数式を用いないということまではある程度発展段階として理解できるんですけれども、むしろそのつなぎとしての、比例という言葉はともかくとしても、徐々に増えていくとか、あるいはできれば中学ぐらいでしたら比例するというくらいの日本語の定量的な表現というものをむしろ積極的に用いるような形で、もう1ランクステップアップしたときの数式を用いた表現というのにつなげるような、そういう配慮を是非していただきたいと思います。
【橋本主査代理】
ありがとうございます。今の小学校の理科でてこが出てきた場合、いろいろ反比例なんかを入れることによってということもあるかと思います。清水委員。
【清水委員】
少し細かなことですけれども、3点お願いします。
1つは、4ページの(エ)のところです。「数と式」の領域に関するところですけれども、2行目のところに、「関係を数や文字の式で表現」するとありますけれども、ここは今までのならわしからいくと、数や文字を用いた式で表すというふうにしていただくと、より適切かなということです。
それから、それとの関連で、中学校の場合には文字が絡んでくると思うのですけれども、「例えば」のところで、不等式を用いた表現についての記述がございます。具体的な数の世界で不等号を使うことはいつごろから指導される予定になっているのか。特に、先ほどから話題になっているように、ものを認識するときに、Aに対していつもノンAを思い描くというのは大変大事なことですので、その辺の扱いは表に出ていない部分でありますので、今、どんな様子になっているのかということをお伺いしたいと思います。
それから、2つ目は(オ)の2〜3行目のところに「根拠を明らかにして筋道を立て説明する」とありますけれども、やはり説明するというのは、考えた後で整理をして説明する場合と、説明した後でもう一度よく考えるということと両方あると思いますので、これは読み書きと同様にセットにしていただいて、例えば根拠を明らかにして、筋道を立てて説明したり、その説明から新しい関係や性質を読み取ったりするというようなことにしていただくと、今年の4月に出題された全国学力調査のBの問題のことも関連して、大変よろしいのではないかということで、それを明確にしていただけないかというのが2点目です。
3点目は、(キ)のところで、「資料の活用」という新しい領域を設けて、集団の傾向や特徴をとらえること及びそれに基づいて判断するということを重視するということで、各学年にわたって資料5に示されているような内容が位置付けられておりますけれども、2年のところの確率だけで終わってしまうようなイメージになってしまうと大変危険だと思いますので、できればこの(キ)に書かれている2行の趣旨が実現されるべく、1年で学習したことをまさにスパイラルで、さらに他の教科との関連とか、2年生らしくより緻密に考察し、判断できるようなことも内容として位置付けていただけないものかということです。
【橋本主査代理】
要望等については、ご勘案いただければと思いますが、永田調査官、いかがでしょうか。
【永田調査官】
ありがとうございます。1点だけ。不等号の扱いですけれども、中学校では、資料5でいいますと1年生の最初、正の数・負の数の中で数の大小をあらわすために不等号を使うと。そこには明示してありませんけれども、それは考えております。
【橋本主査代理】
小学校の方は、いかがなんですか。
【吉川調査官】
小学校では、要検討を。
【橋本主査代理】
要検討、承知いたしました。
それでは、ほかにはいかがですか。芝田委員、どうぞ。
【芝田委員】
前回の改訂によって、幾分それぞれ中学校から高校へ上がった部分が逆に戻っているというふうにポイントとしては見ているんですけれども、そういうふうに考えたときに、それでいいと思いながら確認といいますか、基本的な考え方をお聞きします。例えば平面図形にかかわってのところでいえば、前回は高校まで持っていくんだということだったんですが、中学校で基本的なところはこれで完結するんだ、あるいは二次方程式の解き方につきましても、解の公式を中学校に持ってきたということで、その辺の部分については、義務教育の完成段階として、ここで完成するんだというふうな位置付けをお持ちなのか、あるいは資料の活用の部分も同様だとそういうふうな印象を持っております。それでいいだろうとは思っているんですが、時間数との関係で、そこまでいかずにちょっとは高校に残っているんですということになるのかなとも考えています。
それから、これは高校生とか中学生を見ていてよく思うんですが、特に数と式、計算等、いわゆる文章問題で解いて解答なんかを書かせますと、式だけがつらつらと並んで、一体どういうつながりを持っているのかというか、これこれこうだからその次の式が出てきて、そこで、でも、こういうことが前提としてあるからよくよく考えてみるとこうなんだとか、というように言葉で式の流れをコントロールするといいますか、明示するというようなことについて、今の生徒はほとんどそういうことをしない。でも、そこを式と言葉とを使って流れを明示して、ちゃんと自分の言いたいことが他人にわかるように説明できるというところが大事だと思うので、そういうことが大事なんだということを何らかの形でメッセージを送ることが大変重要なんじゃないか。これはもちろん小学校でも言えることだろうと思うんですが、中・高になるにしたがって、特にそういう印象を持っております。その辺どうお考えなのか、お願いします。
【永田調査官】
ありがとうございます。まず前半部分に関してですけれども、現行の学習指導要領でも中学校では二次の世界までということで考えておりますが、その線に関しては、今回も変えることなく、できるだけそれを各領域で完成させるということを考えております。ただ、それだけではなくて、例えば実社会、実生活での活用という観点とか、他教科の学習、今後の学習での必要性とか、国際的な通用性とか、いろいろなことを勘案して、このような形になっているというふうにご了解いただければなと思います。
それから、後半部分については、私も先生のご指摘どおりで考えておりまして、やはりどの領域の内容についても、式だけではなく、図形の場合もそうですけれども、きちんと相手に数学的な表現を用いて伝えるということの重要性は考えておりますので、そういう意味で、やはり数学的活動の中の、例えば中学校の3番目に「数学的に伝え合う活動」というのを入れておりますけれども、こういったところで、数学の中で各領域にまたがって横断的にやっていければなと思っております。
【橋本主査代理】
ありがとうございました。もう1人かお2人ぐらい、いかがですか。よろしいですか。
それでは、資料6ということで、高等学校数学科の科目構成(案)について、そしてまた当然資料3の方で理念的なことを述べているかと思いますので、あわせてお願いいたします。いかがでしょうか。大橋委員。
【大橋委員】
高校の現場からということでお伺いしたいことがあります。
資料6のところで、大まかな科目構成という案を出していただいているんですけれども、数学Cがなくなっている大きなところ、その辺がどういうふうな構成になるのかなと。3年生で大体数
、数Cという流れが多かったと思います。今度は単位数とか触れられていませんから、その辺で深いお考えはあるかと思うんですが、例えば行列とかの位置付けが全く消えている、変換に関するものが消えているというあたりはどうなのかなということが第1点です。
それから、先ほど芝田委員からも話がありましたけれども、中学校に私たち高校が教えにくかった部分がまた戻ってくれたのかなと。その辺はすごくありがたいかなと思ったら、この課題学習がどんと来ました。数学的活動を重視して課題学習をやっていくというのは、高校の教員にとってはものすごく重たいことになるかと思います。先ほどお話がありましたけれども、中学校でも課題学習があるんだけれども、1時間ぐらいでなかなか定着していないというのがあったのが、高校では一体どういう位置付けでやっていくんだろう。高校での課題学習とか、高校での数学的活動、中学との違いをどういうふうに持って、どうやって生徒に指導するんだろうというあたりが何かあったら、お考えをお伺いしたい。それから、あとは数学活用という科目の位置付けをお伺いできればと思います。お願いします。
【橋本主査代理】
では、長尾調査官、お願いいたします。
【長尾調査官】
ありがとうございます。まず数学Cなんですけれども、数学Cは、現在理科系の生徒が3年生で履修しており、大体履修率が20パーセントちょっとぐらいなんです。理科系の生徒がほぼ履修しているので、数学
も理科系の生徒がやる科目として置いているので、これを分ける意味が本当にあるんだろうかということを考えました。むしろ数学Cの中にある重要なものを数学
にくっつけてじっくり学ばせる方が生徒にとってはいいんじゃないだろうかということを考えました。
それから、行列はいろいろ議論があるところなんですが、現在扱っている程度の内容でしたら、意味の理解がなかなか難しいので、実は、今、検討中ではあるんですけれども、数学活用の身近な事象の数理的な考察のところに表の活用という表題を入れて、そこで行列の足し算、引き算とか掛け算の意味あたりがわかるような指導にする方が、本来的な学習につながるんじゃないだろうかということを考えました。
行列というのは非常に大切な内容で、大学生になったときに理科系の学部、学科の学生だけでなくて、文科系の経済学部の学生なども学ぶんですが、実際には先ほど言いましたように、数学Cにあると20パーセント程度の生徒しか履修せずに大学に入っていきますから、大学では線形代数という内容でやるときに、これは基礎的な内容からかなり丁寧に指導されるんです。ですので、数学活用というところに持っていって、そこで履修したとしても、多分大学に入ったときの状況はほとんど変わらないだろうなということを考えました。そのほか、各内容についてはまた質問があればしていただければいいと思うんですけれども、今、まだ検討途中ですので、また変更があるかもしれません。
それから、課題学習なんですけれども、課題学習は確かに先生仰るように、高校の先生にとってはかなり厳しいだろうなということは思うんですけれども、高校でも指導の在り方を少し変えていただかなければいけないだろうなと。数学的活動ということはかなり浸透してきたので、実際にその活動が充実する方向で考えていただきたいということで、各章に一、二時間程度の内容を設けて、課題学習ですので、課題があって、それを解決するために予想して、実際に考えて、解決して、例えば活用するとか、それぞれ教科書によって書きぶりはあるとは思うんですが、そういうものを想定しています。
それから、数学活用の位置付けですが、数学活用は数学基礎の内容がどちらかというと数学と人間の活動のところはそうでもないんですけれども、ばらばらの内容が記述されているという印象があります。ですので、高等学校の先生が指導しようと思ったときに、これを指導しているときは楽しいんだけれども、実際にどういうことが身に付いたのかわかりにくいというようなこともあったのではないだろうかということを思いまして、特に身近な事象の数理的な考察というのは、先ほど言いました表の活用であるとか、あるいは統計であるとか、あるいはモデル化であるとか、そういうものを、まとまりを幾らか持たせた内容で構成できたらいいのかなということを思っています。実際に、生徒が活動しながら学ぶという方向でいかないといけない、そういうことを強く思っています。
以上です。
【橋本主査代理】
今のことに関連して。
【永田調査官】
1点だけ、先ほど私の言い方が悪かったんだと思いますが、中学校で課題学習があまり実現されていないのは難しいからということではなくて、むしろなかなか時間が確保しにくいという観点が多いんじゃないかなと思います。中学校の現場にいらっしゃる先生とか、経験がある方がいらっしゃればわかると思いますが、むしろ課題学習は非常に楽しんでできるということで、先生にとっても、生徒にとっても評判のいいものではないかと思います。理由は、わりとトピック的に扱えるということ。それから、内容自体が課題を解決していくという形をとりますから、数学的活動そのものになりやすいということです。ですから、これはむしろ高等学校では取り入れやすい場面があるのではないのかなと。題材については、かなり多くのものが開発されていますので、あるものをちょっとレベルを変えたりすれば高等学校でもそのまま扱えるのではないかなと思いますので、是非そういう観点からご検討いただけるとありがたいなと思います。
【橋本主査代理】
ありがとうございました。では、浪川委員、どうぞ。
【浪川委員】
今の数学活用の意義付けに関連しての意見なんですが、まさに、今、仰った課題学習です。それぞれの場において学んだ数学的な内容が、日常的な中でさらに広い社会的、あるいは自然等の中でどう使われていくか、そういうことを実際の具体的課題において学んでいくということですが、これは前回数学基礎が設けられたときの科目の趣旨として、そこに入っていたことだと思うんです。そこで随分教科書も工夫されまして、先ほどばらばらという意見が出たんですけれども、それだけに、逆に言えばある程度多様性のある教材がそこで開発されてきているという事情がございますので、私はこの課題学習ということを考えるときに、まさにこの数学活用で言われているようなことを是非現場としては参考にしていただいて、それを一部でもいいから取り入れていっていただくということになればいいのではないかと思います。
数学基礎が現行は必履修ということでしたので、中学校までの知識しか前提にできなかったわけなんですが、逆に今回は数学
の履修がいわば前提とできますので、その内容としてももっと豊かなものになって、実際に高校で学ぶ数学の内容が現実にどういうふうに生かされているかといったようなことを、数学
の後に学んでいくということがむしろ広がったのではないかなと思っております。
【橋本主査代理】
ありがとうございました。山口委員、どうぞ。
【山口委員】
失礼します。私自身、今、ご議論になっている課題学習と数学活用には非常に期待する部分が大きいと思っています。というのも、資料3の5ページ目の(オ)のところになると思うんですが、これは課題学習についての改善のポイントということで、記述が3行ほどにわたってあります。その中の1行目に、「『数学
』及び『数学A』には、実生活と関連付けたり、学習内容を発展させたりして」という目的、あるいは「生徒の関心や意欲を高める課題を設け」ということで、3つぐらいのポイントが挙げてあると思います。非常に重要で、これは例えば最初の「実生活と関連付けたり」というのは、1ページ前の4ページ目の高等学校の最初の
にありますけれども、「目標については、高等学校における数学学習の意義や必要性を一層重視し改善する」ということで、実施状況調査でもやはり実生活での活用だとか、社会生活全般での数学の有用性ということに対していろいろと課題も指摘されておりますので、身近な実生活ということに限定するだけではなくて、先ほど浪川先生からもお話があったように、高等学校になれば経済だとか、社会生活全般とか、産業とか、科学技術などの背景に数学が活用されているというふうな、少し広い視点で高校学校では実生活ということを広げて、社会生活全般で数学が活用されているということを子どもたちに示していくべきかと思います。そういった意味でも、課題学習だとか数学活用を大事に育てていくということが重要であると思っています。
1つは目標の観点から、課題学習だとか数学活用というのが重要だということと、それからもう1つは、先ほどの5ページ目の(オ)の2つ目のところになるんですが、「学習内容を発展させたりして」というところで、現在の中学校の課題学習は、最初の問題から子どもが発展的に考えていって、数学的な考え方だとか、見方とか、一般化をするというようなことを大切にしているように思います。まさに小学校とか中学校とかで算数的活動、数学的活動ということを大事にしてきていますので、それこそ活動の系統性、スパイラル性ということも大事にしながら、課題学習の中でそういった見方だとか考え方に重点を置いた活動を高校でも今からは重視していくということが重要だろうと思います。それは、現行の学習指導要領の高等学校の数学的活動の枠組みという図式がありますけれども、そこでは数学を発展させていくということなども盛り込まれているように思います。それを現在の数学的活動の考え方を課題学習という場面を設けることによって、もう少し充実させていくということで、具体的な改善になっているのではないかと思います。
あともう1つ、これは期待するところということになるんですけれども、資料3の2ページ目の上から2つ目の
で、今回の1つの改善の大きな特徴だろうと個人的には思っていますが、数学的な思考力だとか表現力の育成と、数学的なコミュニケーション能力の育成ということが重要視されていますので、高等学校でも数学的な記号を使いながら、それをもとに根拠を明らかにして、筋道立てて体系的に議論したり、コミュニケーションするということを、そういった課題学習の場を通じて子どもたちに体系的に、あるいは授業の改善の1つの視点としてそのきっかけになればいいなと個人的には思っています。
長くなるんですが、それからもう1つ、
とAに課題学習が位置付いているというのも非常に重要なポイントで、実際の履修率というのは、数学
とAは現行の場合ですとかなり高くなっていますので、そういう多くの高校生が履修する科目の中に課題学習というものを位置付けて、授業の改善、あるいは現在の高等学校の教育課程実施状況調査などで指摘されている課題を、そういった場面を課題学習だとかを通じて打開することができるのではないかと期待しています。
【橋本主査代理】
詳しく、ありがとうございました。あともう2人、端的にお願いいたします。大橋委員の方が先に手を挙げられたので。
【大橋委員】
課題学習というのがやっと何となく見えてきたような気がしました。生徒が自ら何か見つけてくるのが課題学習みたいな、そういう頭があって、高校はこれは受け入れられないみたいなところがあったと思ったんですが、そうした場合に、現在ある問題集Bとかとなっている問題の内容(発展的な内容)と、ここで位置付けている課題学習との違いは何なのか、もうちょっと具体的な、このところはこういう問題を課題学習としているんだというのがあると、高校で受け入れられやすいかなと思いました。
【橋本主査代理】
ありがとうございました。芝田委員も、端的にお願いいたします。
【芝田委員】
申し訳ありません。資料3の4ページから5ページにわたって、各科目構成の「例えば」というところに入っている部分が、資料6では幾分拡大して入っているんです。だから、中身としては資料6の方で考えたらいいのかなというぐらいには思っているんですけれども、そういうふうになってきたときに、例えば数学Aで図形と入っているのは、いわゆる平面図形のことかなとか思ったりするんですが、その辺はまた今後時間を詰めていかないといけないところかなと思っています。
それから、数学Aと数学Bについて、項目を選択してやるという現行の数学B、数学Cで採用している趣旨は大事な仕組なんじゃないかなというふうに私は思っていますので、是非この体制といいますか、趣旨を生かしていただきたいと思っています。
それから、実際問題としては、各科目の単位数が明示されていません。その辺は数学だけの話ではなくて、ほかとの調整になって、いつごろにその辺が出てくるのかなということが実は一番気にしているところであります。その辺お考えいただきたい。時間数によってこれだけのことができるかどうかと決まっていくところになろうかと思います。
【橋本主査代理】
そういうご指摘があったということで。時間も押していますので、渡邊委員、手を挙げられたので、最後にお願いいたします。
【渡邊委員】
これは3年の中で、ちょっと関連して、複素数は例えば方程式とか何で残るんでしょうか。その確認で、私、従来の理解としては、複素数と行列と交代にしていて、どちらかをやれば大体身に付けさせるべきものを身に付けさせることができるから今までは交互にしてきたと理解しているんです。もし、行列の目的が変わってしまいますと、変換という色彩が薄くなりますので、果たして小学校で有理数、中学校で無理数、じゃあ、高校で何を学ぶんだという不満が出るんじゃないかと思います。
【橋本主査代理】
では、その点だけ。
【長尾調査官】
複素数はとにかく出るんですが、先生が仰るのは複素数平面ですよね。複素数平面については、今、検討しています。
【橋本主査代理】
では、検討中ということで。
では、清水委員。
【清水委員】
お急ぎのところすいません。
数学的な見方や考え方というのは、今まで算数・数学教育にかかわった人はかなり関心を持っているんです。この検討素案では、2番目の
のところで、数学的な見方や考え方を生かして問題を解決することというところにあります。それから、改善の方では、高等学校の後ろのところ、4ページの最後の行にしかあらわれていないんです。解釈するに、基礎的・基本的な知識・技能を身に付けることと、数学的な思考力・表現力を育てるということがありまして、多分この両方に内容が埋め込まれているのではないかと思うので、それを表に出すかどうかは別としても、外に対しての説明をされる際には、位置付けを明確にしていただきたいということです。
【橋本主査代理】
仰るとおりかと思います。
時間もまいりましたので、本日はここで終わりにさせていただきたいと思いますが、限られた時間ですので、私、先ほど渡邊委員には申し上げましたけれども、先生方に対して何かご意見等々ございましたら、事務局の方にペーパーでもってお送りいただけたらと思います。ご意見とか気付いたこと、何でも結構ですから、書かれたものということが大事かと思います。
それでは、最後になりましたけれども、今後の日程について、坂下専門官からご説明いただいて、終わりにさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【坂下専門官】
お忙しい中、貴重なご意見をたくさんありがとうございました。
今後の日程でございますけれども、本日ご議論いただいたことも含めまして、検討素案を主査や主査代理の橋本先生とよく相談し、整理させていただいた上で、9月25日開催の教育課程部会に事務局より本部会としての報告ということで出させていただければと思ってございます。
今後の開催日程につきましては、今、申し上げたとおりでございますので、教育課程部会での審議の状況を見て、開催が必要な場合には追ってご案内をさせていただきたいと思ってございます。あと、先ほど主査代理からお話をいただきましたけれども、ペーパーによるご意見ということでございますけれども、大変恐縮でございますけれども、もしご意見がありますれば、明日19日中に頂戴できればと思ってございます。整理の都合で大変恐縮でございますけれども、ファクスまたはメールで教育課程課教育課程第二係あてにいただければと思ってございます。
私からは以上でございます。
【橋本主査代理】
本日はこれで閉会といたします。ありがとうございました。
—了—
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