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教育課程部会 算数・数学専門部会(第9回) 議事録

1. 日時
平成19年7月23日(月曜日)10時~12時

2. 場所
九段会館「鳳凰の間」(2階)

3. 議題
算数・数学教育の改善充実について

4. 配付資料
資料1   中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会算数・数学専門部会委員名簿
資料2 初等中等教育分科会教育課程部会運営規則(平成19年3月16日教育課程部会決定)
(※外国語専門部会(第4期第1回(第16回))議事録・配付資料へリンク)
資料3 第4期教育課程部会の検討体制(PDF:51KB)
(※外国語専門部会(第4期第1回(第16回))議事録・配付資料へリンク)
資料4 教育課程部会の審議状況と今後の検討課題について(PDF:77KB)
(※外国語専門部会(第4期第1回(第16回))議事録・配付資料へリンク)
資料5 教育基本法改正に関する国会審議における主な議論例
(※教育課程部会(第50回(第3期第36回))議事録・配付資料へリンク)
資料6 「第3期教育課程部会の審議の状況について」(平成19年1月26日)
(※初等中等教育分科会(第46回)・教育課程部会(第3期39回)合同会議議事録・配付資料へリンク)
資料7 教育3法の改正について(PDF:463KB)
(※教育課程部会(第4期第5回)議事録・配付資料へリンク)
資料8 教育3法改正に関する国会審議における主な議論例
(※教育課程部会(第4期第5回)議事録・配付資料へリンク)
資料9 今後の主な検討項目と検討の進め方について(平成19年5月24日教育課程部会配付資料)
(※教育課程部会(第4期第3回)議事録・配付資料へリンク)
資料10 言語力育成協力者会議について
(※外国語専門部会(第4期第1回(第16回))議事録・配付資料へリンク)
資料11 言語力の育成に関する主な意見について(議論の整理用メモ)【修正素案】
(※教育課程部会(第4期第6回)議事録・配付資料へリンク)
資料12 言語力育成協力者会議【議論の整理用一覧表(修正素案)】
(※外国語専門部会(第4期第1回(第16回))議事録・配付資料へリンク)
資料13 算数・数学専門部会(第3期第1回~第8回)における主な意見
資料14 算数・数学科の現状と課題、改善の方向性(検討素案)(教育課程部会(第3期第29回)配付資料)
(※教育課程部会(第43回(第3期第29回))議事録・配付資料へリンク)
資料15 教育課程部会(第3期第29回)における主な意見(算数・数学科関係)
資料16 算数・数学科の現状と課題、改善の方向性(検討素案)(教育課程部会等の審議を踏まえて再整理をしたもの)

参考資料 「教育基本法の改正を受けて緊急に必要とされる教育制度の改正について」(答申)(平成19年3月10日)
(※中央教育審議会 諮問・答申・報告等へリンク)
教育再生会議 第一次報告(平成19年1月24日)(PDFファイル)
(※首相官邸ホームページへリンク)
教育再生会議 第二次報告(平成19年6月1日)
(※首相官邸ホームページへリンク)
平成17年度高等学校教育課程実施状況調査結果
(※国立教育政策研究所ホームページへリンク)
全国学力・学習状況調査について
平成19年度全国学力・学習状況調査解説資料(小学校算数)
平成19年度全国学力・学習状況調査解説資料(中学校数学)

5. 出席者
(委員)
中原主査、橋本主査代理、赤羽委員、内田委員、大橋委員、小西委員、斉藤委員、芝田委員、清水委員、中村委員、浪川委員、福島委員、藤本委員、米谷委員、渡邊委員
(オブザーバー)
角田教育課程部会委員
(事務局)
文部科学省:たか橋教育課程課長、井上視学官、牛尾視学官、合田教育課程企画室長、南野専門官、坂下専門官、吉川教科調査官、永田教科調査官、長尾教科調査官
国立教育政策研究所:大槻教育課程研究センター長

6. 議事等
【坂下専門官】
 おはようございます。定刻になりましたので、ただ今より算数・数学専門部会を開会したいと思います。本日は、第4期教育課程部会では第1回目の専門部会ということになりますので、冒頭は、恐縮でございますけれども、事務局において議事を進めさせていただきたいと思ってございます。
 それから、本日につきましては、教育課程部会委員の角田委員が出席されておられますので、あわせて紹介いたします。
 それでは、議事に入らせていただきたいと思いますけれども、最初に、文部科学省におきまして人事異動がございましたので、そのご報告を申し上げたいと思います。7月11日付で常盤教育課程課長の後任といたしまして、たか橋道和教育課程課長が着任してございます。

たか橋教育課程課長】
  たか橋でございます。よろしくお願いいたします。

【坂下専門官】
 続きまして、同じく11日付でございますけれども、新たに教育課程課に牛尾則文視学官が着任してございます。

【牛尾視学官】
 よろしくお願いいたします。

【坂下専門官】
 また、7月6日付になりますけれども、惣脇国立教育政策研究所教育課程研究センター長の後任といたしまして、大槻達也教育課程研究センター長が着任してございます。

【大槻センター長】
 よろしくお願いいたします。

【坂下専門官】
 それでは続きまして、配付資料を簡単に確認させていただきたいと思います。大きく分けまして右手側と左手側に資料がございますけれども、先生方から見て右側には、資料番号1番から16番までの番号をつけさせていただいている資料が封筒の中に入っておろうかと存じます。すべてそろっているかどうかご確認いただきまして、もしなければ、挙手いただければ係の者がその資料をお持ちするようにいたしますので、よろしくお願いします。個々の資料につきましては、事務局から議事進行に伴いまして順次説明したいと思います。
 それから、左手側の冊子の資料等につきましては、参考資料ということでございます。19年3月に出しました中央教育審議会の答申でございますとか、あるいは教育再生会議の一次報告、二次報告、あるいは高等学校の教育課程実施状況調査の調査結果のまとまったものでございますとか、この4月に実施しました全国学力・学習状況調査の関係資料、冊子を配らせていただいているところでございます。
 それから、あと追加でございますけれども、先生方の机上には、橋本先生からの資料ということでございまして「算数・数学の役割」というペーパーを1枚お配りさせていただいておるところでございます。
 配付資料については、本日は以上でございます。
 あとは、机上に学習指導要領等を参考に置かせていただいておりますので、またそちらもご参照いただければと思っております。
 続きまして、本部会の主査、主査代理の指名の報告でございます。第4期第1回目の教育課程部会におきまして、検討体制がまず決められてございます。資料2と資料3をご覧いただければと思います。資料2につきましては、教育課程部会運営規則ということでございまして、こちらの規則に基づきまして様々な運営を行っておるところでございますが、このペーパーで申しますと、1ページ目の第2条のところに専門部会についての規定がございます。「部会の決定により、専門部会その他の審議組織を置くことができる」ということになってございまして、こちらの規定に基づきまして資料3でございますけれども、「第4期教育課程部会の検討体制」という図がございます。こちらで申し上げますと、教育課程部会がありまして、さらに各専門部会があり、算数・数学専門部会については、左側から5番目のところにあるということでございます。そして、専門部会の主査及び主査代理につきましては、運営規則を1枚めくっていただきました2ページ目のところにございますけれども、2ということで、「専門部会等の主査及び主査代理は部会長が指名する」となっております。それに基づきまして、既に教育課程部会長の梶田部会長より、主査につきましては中原先生、それから主査代理につきましては橋本先生にご指名いただいているところでございます。
 それから続きまして、この第4期からご参加いただきます新しい委員をご紹介させていただきたいと思います。資料1に委員名簿もございます。ご参照いただければと思います。新たにご就任いただきました委員につきましては、内田洋一委員でございます。埼玉県蓮田市立蓮田中学校長をされてございます。

【内田委員】
 よろしくお願いします。

【坂下専門官】
 あと、最後でございますけれども、第3期限りで吉川厚委員が退任されましたので、この場をお借りしてご報告したいと思っております。
 それでは、本部会の進行につきましては、これよりは中原主査にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【中原主査】
 おはようございます。主査を務めさせていただきます中原と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

【橋本主査代理】
 私、橋本ですが、主査の代理ということで仰せつかりました。頑張りますのでよろしくお願いいたします。

【中原主査】
 それでは、これより本日の議事に入らせていただきます。本日の議事でございますが、昨年8月に本専門部会におきまして、「算数・数学科の現状と課題、改善の方向性(検討素案)」を取りまとめまして、資料14のとおり教育課程部会に報告をいたしております。その後、教育基本法や教育3法の改正など大きな動きがございまして、また、教育課程部会での審議も進んでおります。本日はこれらを踏まえまして、大きく3つのことについてご検討いただきたいと思っております。
 1つは、教育3法等の、それから教育課程部会の審議の様子でございます。それから2つ目が、言語力の育成についての協力者会議ができておりますから、それについての報告、検討でございます。それからもう一点、3点目が、「算数・数学科の現状と課題、改善の方向性」ということについて、今日の時点での改善の検討素案が出ておりますので、それについてご検討いただきたいと思います。最後の検討素案にできるだけ時間をかけたいと思いますが、そういう3つの事項についてご検討いただくということでご協力をお願いしたいと思っております。
 それではまず、事務局の方から教育3法の改正や教育課程部会での審議の状況につきましてご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【南野専門官】
 それでは、私の方から資料4、6、7、9を主に使いまして、これまでの教育課程部会における審議の状況や今後の検討課題、また、先般国会で成立いたしました教育3法につきましてご報告させていただきたいと思います。
 まず、資料4をご覧いただきたいと思います。資料4でございますけれども、教育課程部会の審議状況などこれまでの経過ですとか、今後の検討課題についてまとめた資料でございます。皆さんご案内のとおり、この資料の上から3つ目の大きな四角囲いでございますけれども、昨年2月の教育課程部会におきまして、学習指導要領見直しの基本的方向性を示した『審議経過報告』が取りまとめられまして、そこでは言葉と体験の重視、国語力の充実、理数教育の改善、外国語教育の改善などが提言されたところでございます。先ほど主査からもご説明がありましたとおり、この後各教科等におきまして具体的な改善の方向性の検討が行われまして、算数・数学につきましても本専門部会において検討がなされ、教育課程部会にご報告いたしたところでございます。後ほどご説明させていただきますけれども、昨年、教育課程部会におきましてもこの検討素案につきまして検討が進められたところでございます。
 次に、その後の状況でございますけれども、昨年12月には、教育の目標や義務教育の目的を新たに盛り込みました教育基本法の改正が行われ、各教科等におきましては、これを踏まえた検討が求められているところでございます。教育課程部会につきましては、本年1月に第3期の委員の任期終了に伴い、専門部会での検討を含め、これまでの審議の状況と今後さらに検討が必要な事項を整理いたしました『第3期教育課程部会の審議の状況について』を取りまとめたところでございます。
 そして、本年3月には新たに第4期教育課程部会が発足いたしまして、第3期の議論を引き継ぎながら、残された検討項目といたしまして、下から3つ目の四角でございますけれども、主にここに書かれた事項につきまして現在検討が行われているところでございます。この間、6月には教育基本法の改正に伴いまして、緊急に制度改正が必要な事項を盛り込みました教育再生関連3法案が成立いたしまして、そのうち学校教育法につきましては、義務教育の目標が新たに規定されるなどの改正が行われたところでございます。
 今後でございますけれども、教育基本法や学校教育法の改正、また、その国会審議等を踏まえまして、平成19年度中の学習指導要領の改訂を目指して教育課程部会において詰めの審議をしていくこととしておりますけれども、その前提といたしまして、各教科等の専門部会におかれましても詰めの審議をお願いしたいと考えております。
 それでは、ただ今申し上げました、本年1月に教育課程部会において取りまとめられました『第3期教育課程部会の審議の状況について』の内容をかいつまんでご紹介させていただきたいと思います。恐縮ですが、資料6をご覧いただきたいと思います。
 まず1ページ目から2ページ目までにかけてでございますけれども、教育課程部会の審議の経過についてでございます。ここでは、見直しの基本的な考え方といたしまして、審議経過報告でも示されたとおり、1ページ目の2つ目のまるでございますけれども、現行学習指導要領に対する評価として、基礎的・基本的な知識・技能を身に付けさせ、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」をはぐくむという現行学習指導要領のねらいは今後とも重要であるが、その実現のための具体的な手立てを講じることが必要である。また3つ目でございますけれども、基礎的・基本的な知識・技能の育成(いわゆる習得型の教育)と自ら学び自ら考える力の育成(いわゆる探究型の教育)とは、対立的あるいは二者択一的にとらえるべきものではなく、この両方を総合的に育成することが必要であり、そのための手立てとして、言葉と体験などの学習や生活の基盤づくりを重視することが必要であるといった指摘がなされてございます。
 続きまして、3ページ目から4ページ目にかけてでございます。教育基本法の改正を踏まえた検討といたしまして、ここでは3ページ目の一番下のまるでございますけれども、学習指導要領の見直しの検討に当たっては、これまで主体性や自律性といった社会的な自立や、自己と他者、個人と社会との関係などの社会参画を重視してきており、教育課程部会における検討の方向性はこれらを重視する新しい教育基本法の理念と軌を一にしているとしております。しかしながら、4ページ目の一番下のまるでございますけれども、例えば宗教に関する知識の一層の理解が必要との観点から、中学校の社会科における世界の宗教の特色ですとか、社会生活における役割に関する指導の充実など、今後さらに検討することが必要なものもあると整理されております。
 続きまして5ページ目以降は、教育内容の改善、教育課程の枠組みの改善等についてでございます。5ページ目の(1)でございますけれども、各学校段階の教育内容の改善といたしまして、まず教育課程部会に設置されました小・中・高校の各学校段階の部会の検討について紹介させていただいております。1つ目のまるですけれども、学習指導要領の改訂の基本的な考え方である言葉と体験などの学習や生活の基盤づくりをそれぞれの学校段階でどのように図るかといった観点のほか、発達の段階に応じた指導の重視などについて検討を行っているといたしております。
 小学校につきましては、5ページ目の下から2つ目のまるでございますけれども、中学年までは体験的な理解や具体物を活用した思考や理解、反復学習などの繰り返し学習、中学年から高学年にかけて以降は、体験と理論の往復による概念や方法の獲得、討論・実験・観察による思考や理解を重視するといった発達の段階に応じた教育課程編成や指導の工夫が必要であるといった点が指摘されております。
 また、6ページ目に移っていただきたいと思いますけれども、中学校につきましては、増加する教育内容に適切に対応するためにはすべての教科等にわたって学習スキル(方法)をしっかりと身に付けさせることが重要である。また、下から2つ目のまるでございますけれども、選択教科に加え総合的な学習の時間が導入され、教育課程が複雑化していることから、必修教科の時間を充実させることが適当との意見が大勢であった。また、最後のまるでございますけれども、小学校と中学校の円滑な接続を図ることが極めて重要であり、中学校段階においては、単元に応じて小学校段階の教育内容を中学校教育の観点から再度取り上げて指導するといった工夫を通した効果的な指導が求められるといたしております。
 7ページ目でございますけれども、高等学校段階に関しては、生徒の実態は多様化しているが、国民的な教育機関としての共通性は何かといった議論が行われた。実生活との関連をもって学ぶことや知識・技能を活用すること、コミュニケーション能力や論理性、想像力の育成などが重要といった議論が行われていると紹介しております。
 続きまして8ページでございますけれども、各教科等の教育内容の改善といたしまして、一番下のまるでございますが、基礎的・基本的な知識・技能の育成と自ら学び自ら考える力の育成とは、対立的あるいは二者択一的にとらえるべきものではなく、この両方を総合的に育成する具体的な方策を示すことが必要である。このため、いわば活用型の教育ともいうべき学習を両者の間に位置付ける方向で検討が進められている。
 9ページ目に移っていただきまして、すなわち、1基礎的・基本的な知識・技能を確実に定着させることを基本とする。2といたしまして、こうした理解・定着を基礎として、知識・技能を実際に活用する力の育成を重視する。さらに、この活用する力を基礎として、実際に課題を探究する活動を行うことで、自ら学び自ら考える力を高めることが必要である。このような課程を各教科等に即して具体的に検討している。
 続きまして、「基礎的・基本的な知識・技能の着実な定着については、実生活との関連やその後の学習の基盤としても重要な事項を重視し、具体的には例えば、次のような検討を行っている」といたしまして、例えば3でございますけれども、算数や数学におきまして、学年間等で反復(スパイラル)する教育課程を構成することによる計算能力などの確実な習得などが指摘されてございます。また、次のまるでございますけれども、「同時に、これらの知識を活用し、探究型の学習へと発展させる観点から、これまで必ずしも具体的な過程が明確ではなかった思考力や表現力の育成などを各教科等において相互に関連付けながら図る具体的な方法を、例えば次のように検討している」といたしまして、2でございますけれども、言葉や数、式、図、表、グラフなどの相互の関連を理解し、それらを用いて説明・表現する指導の充実などが指摘されてございます。また、11ページの上から2つ目のまるでございますけれども、理数教育については、審議経過報告では国際的な教育課程比較なども参考にしながらその充実を図ることが必要としているという点を指摘してございます。
 続きまして、教育課程の枠組みの改善でございます。12ページをご覧いただきたいと思います。(2)といたしまして、授業時数の在り方と学校、家庭及び地域の役割分担と連携についてでございますけれども、国語や算数・数学、理科については、内容を充実する方向で具体的な検討を行っているといたしております。2つ目のまるでございますけれども、これらの教科については、基礎的・基本的な知識・技能を確実に定着させるとともに、知識・技能を活用して考えさせる授業を展開する必要がある。このような考えるための時間が必要不可欠であるといたしております。
 また、13ページでございますけれども、国語力の育成や理数教育、英語教育の充実の観点から必要な授業時数を確保すべきとの意見が多いことを受けて、具体的にどのように見直すかについては更に検討を深める必要があるといたしております。
 また、13ページの下から2つ目のまるでございますけれども、他方、学校教育に対しては様々な課題が求められていることから、すべてを学校で抱え込むのではなく、学校の教育活動と家庭や地域、企業、NPOなど学校外における教育活動の役割を明確にした上で、それぞれの分担と連携を具体的に推進することが必要であるとも指摘してございます。
 続きまして、高等学校の必履修科目の在り方についてでございますけれども、15ページ目をご覧いただきたいと思います。2つ目、3つ目のまるでございますけれども、高校生にとって最低限必要な知識と教養とは何かという観点から必履修科目を見直すことが求められる。必履修科目について、教科や科目の範囲といった幅の広さについて検討を深める必要があることは勿論であるが、同時に、その履修や単位修得の水準確保についても併せて検討しなければならない。高等学校教育の水準を確保するとともに、高校生が目標を持って学習に取り組むことができるようにするといった観点から更に審議を深める必要があるといたしております。
 16ページ目以降につきましては、学校教育の質の保証のためのシステムの構築の観点から、教育課程におけますPlan・Do・Check・ActionといったPDCAサイクルについて議論の紹介をしております。
 以上が第3期教育課程部会の審議の状況についての概要でございます。
 続きまして、資料9をご覧いただきたいと思います。先ほども若干ご紹介させていただきましたけれども、現在教育課程部会におきましては、今後検討が必要な主な項目といたしまして以下に掲げる事項について検討を行っているところでございます。これまで第4期発足後6回にわたり開催されまして、「国語力の育成」のための具体的な方途や、小・中学校の教育課程の枠組みの在り方、高等学校の必履修科目の在り方など、教科横断的な課題や関連事項につきまして、専門的な知見を有します委員の方々からご報告をいただきまして、審議を行っているところでございます。
 資料が前後して恐縮でございますけれども、続きまして、資料7をご覧いただきたいと思います。教育3法の改正について、資料7を使いましてご説明申し上げます。教育3法につきましては、中央教育審議会におきまして第4期発足後早々に精力的なご議論をいただきまして、法改正の方向性について本年3月10日に答申をいただいたところでございます。その後、その内容を具体化した法案を国会に提出させていただきまして、去る6月20日に成立したところでございます。
 教育3法は、「学校教育法の改正」、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正」、「教育職員免許法及び教育公務員特例法の改正」を内容とするものでございますが、ここでは学校教育法の改正につきまして、教育課程にかかわる部分のみご説明させていただきたいと思います。
 資料7の3ページ目から、学校教育法の改正についての条文を載せさせていただいております。新旧対照表といたしまして、上段が改正後の条文、下段が改正前の条文でございますけれども、新旧対照表の下のページ数といたしましては5ページ目の第21条をご覧いただきたいと思いますが、教育基本法に義務教育の目的が規定されたことを受けまして、義務教育の目標が第21条として新たに規定されたところでございます。目標につきましては、教育基本法の教育の目標に規定されました事項などを受けまして、これまで学校教育法における小学校、中学校の目標に規定されていた事項に加えまして、第1号では規範意識、また、公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。第2号といたしまして、自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。第3号といたしまして、我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化の理解を通じて、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。第4号につきましては、家族と家庭の役割、情報。第5号につきましては、読書が新たに規定として盛り込まれたところでございます。
 続きまして、1枚めくっていただきまして下に9と書いてある新旧対照表のページをご覧いただきたいと思います。上段の31条の前の条文でございますけれども、今回新たに設けられました30条の第2項におきましては、第1項につきましては小学校教育について書いてございますけれども、「前項の場合においては、生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない」といった、これまで議論になった学力についての規定が新たに盛り込まれたところでございます。この条文につきましては、中学校、高校、その他の校種についても同様に準用という形で適用されてございます。
 また、左に目を移していただきたいと思いますけれども、33条といたしまして、文部科学大臣が定める学習指導要領の根拠となる規定が改正となってございます。
 教育3法につきましては以上でございます。
 そのほか、資料5及び資料8は、教育基本法や教育3法改正に関します国会審議における主な議論の例をまとめたものでございますので、適宜ご参照いただければと思います。
 私からの説明は以上でございます。

【中原主査】
 どうもありがとうございました。資料がたくさんございますが、特に資料6に基づきまして、第3期教育課程部会の審議の状況について、それから資料7で教育3法の改正、とりわけ学校教育法の改正について要点を説明していただきました。何かこれに関連しましてご質問等ございましたら、挙手をお願いしたいと思います。渡邊委員、どうぞ。

【渡邊委員】
 先ほど説明いただいた資料6の9ページの上からまる2つ目の1でございます。ここに、「国語の美しい表現やリズムを身に付けるといった観点から」とあるんですけれども、私として違和感を覚えたのは、表現やリズムを身に付けるというよりは、美しい表現を味わい、そのリズムが持っているよさを体験するとかいうものじゃないかなと。単にリズムをつけさせたり、美しい表現を覚えさせてもしようがないので、美しい表現がどういう効果を持つとか、リズムがどういう機能を果たすかということを子どもに体験させるのかなと思ったんですけれども、このままの表現で間違いないですね。

【中原主査】
 いかがでしょうか。

【合田教育課程企画室長】
 教育課程部会でのご審議をご紹介させていただきます。ここについては当初、教育課程部会の議論、それから国語の専門部会の議論などを踏まえまして、「小学校における易しい古文や漢文の音読や暗唱を重視、漢字指導の充実」ということを書いておりましたけれども、教育課程部会の中で、むしろ先生の今のご発言のような観点から、そういったものを重視する必要性と申しますか、理由というものを明確にすべきであるというご指摘があったところでございます。その上で、「国語の美しい表現やリズムを身に付けるといった観点から」という表現を加えさせていただいて、文章表現としてはこれで教育課程部会の議論のまとめということですが、長い文章にならないように、できるだけ簡潔に書かせていただいておりますので、若干先生のような受けとめがあろうかと存じますけれども、書いておる趣旨といたしましては、今先生が仰っていただきましたように、そのリズムやよさというものを味わった上で、国語のよさなどに慣れ親しみ、そしてそういったものが定着していくということを重視すべきであるというご議論を紹介させていただいたものでございます。

【中原主査】
 ありがとうございました。よろしいでしょうか。ほかに。芝田委員、どうぞ。

【芝田委員】
 失礼いたします。高等学校の必履修科目の在り方にかかわって、今の資料6の冊子の15ページのところであります。実は高等学校の全国の校長協会から学校裁量の部分を増やしてほしいという要望書が出ているということは、多分事務局の方はご存じかと思います。その中では、土曜日の授業についても学校の裁量にしてほしいとかいろいろな議論があるわけなんですけれども、加えて必履修科目のところで言えば、算数・数学はあまり関係ない部分なんですけれども、例えば、地歴という教科から1つ選んで、その中の世界史というものまでは指定しないでほしいみたいな議論が入っております。
 学習指導要領の必履修科目にかかわってのところで申し上げますと、例えば、現行で言えば保健体育の保健の科目は1年で1単位、2年で1単位という、学年、単位数まで指定している部分がありまして、私は、ここまでいくのは学習指導要領の大綱的な性格からいうとおかしいんじゃないかなというのは常々思っていたんですけれども、その辺は学校裁量になっていくという要望というのは非常によくわかるというか、実感として思っております。
 例えばそういうことがあるんですけれども、数学のところに戻ってくれば、高等学校で言えば数学123の順番というあたりが学校裁量との関係で言うと、考えてみる必要はあるかなと思っています。そのときに、数学123123の順番でとりなさいということなんですけれども、そういうのをわざわざ規定しなくても、内容的にもそうなっているんだったら、そんなことまで言う必要はないんじゃないかとかいうことがどこかで議論になってくるんじゃないかなと思っております。
 高等学校長協会では、ともかくあまりにも細かく規定しないでほしいという議論があるということを皆さん方にも知っておいていただきたいと思いまして、紹介させていただきます。

【中原主査】
 ありがとうございました。必履修科目についてあまり細かく規定しない方がいいのではないかというご意見ですが、事務局の方で何かそれについてお考えとかお答えがございましたらお願いします。

【合田教育課程企画室長】
 必履修科目の在り方につきましては、まさにこれから各教科の専門部会のご議論を踏まえ、また教育課程部会の方でも、全体としてご議論いただくべき事柄でございます。後ほどご議論があろうかと思いますけれども、数学についても数学の観点からご検討いただき、教育課程部会にご報告いただければと思っております。
 なお、ただ今お話がございましたように、必履修科目の在り方につきましては、各学校の裁量を求める意見というのが校長会等から寄せられておるところでございますけれども、他方で関係の学協会等からは、必履修科目の単位数の増加を求めるご意見等もいただいているところでございます。これらを踏まえて、全体として引き続き検討させていただく必要があると考えております。
 以上でございます。

【中原主査】
 どうもありがとうございました。それでは、ほかに何か。小西委員、どうぞ。

【小西委員】
 失礼します。後でまた議論になるのかもしれないんですが、資料4の一番下のところなんですが、「平成19年度中の学習指導要領の改訂を目指して」というあたりが何となくあいまいなんですけれども、どう考えたらいいんでしょうか。もし聞かせてもらえたらと思うんですが。

【中原主査】
 よろしくお願いします。

【合田教育課程企画室長】
 学習指導要領の改訂につきましては、先生方にもこれまでご議論いただきまして、平成18年当初に当時の小坂文部科学大臣がまとめました「教育改革のための重点行動計画」におきましては、早ければ平成18年度内、遅くとも平成19年度を目途に学習指導要領の改訂を行うということで作業を進めさせていただいた次第でございます。その間、本専門部会の先生方にも大変なご尽力をいただいておったわけでございますが、先ほど私どもの南野からご説明申し上げましたとおり、様々な状況の中で平成18年度内、あるいは第3期中央教育審議会で一定の結論を出すまでには至らなかったという状況でございます。
 そういう状況の中で、私どもの当時の局長から6月に参議院の文教科学委員会でご答弁申し上げたご説明としては、「そういった全体の状況の中で、平成19年度中の学習指導要領の改訂を目指して作業を進めてまいる所存でございます」という答弁をさせていただいております。どの学校種について、どういう形で、どういうスケジュールでという具体の事柄については、これからさらにこの専門部会の場も含めまして、詰めの作業をさせていただく必要があります。その結果によってまた状況が変わってまいろうかと思いますので、はっきりしたことは現段階では申し上げられませんけれども、少なくとも一定の議論の取りまとめ、一定の形での改訂の方向性の作業というものを平成19年度中を目途に行わせていただく。そのために、先ほど申し上げましたように、本専門部会を含め、教育課程部会においてこれから詰めの作業をお願いしたいと考えておる次第でございます。

【中原主査】
 ということでよろしいでしょうか。

【小西委員】
 はい。

【中原主査】
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、1番目の論点についてはこれぐらいで終わりにさせていただきたいと思いますが、私の個人的な意見かもしれませんが、学校教育法の中で先ほどご説明いただきましたが、9ページの30条の2で、簡単に申しますと、主体的な学習についてしっかり取り組むように特に意を用いる必要があることが学校教育法の中に明記されたということは大変重要な、また意義のあることだと思っております。この実現に向けて、一層努力というか工夫が求められると認識しております。
 論点の1については、時間もまいりましたのでそれぐらいにさせていただきまして、次に議論の2番目ですが、言語力の育成についてということでございます。これは、教育課程部会の審議経過報告の中に、「言葉と体験を重視すべきである」といった文言がございます。これに基づきまして、言語力育成協力者会議というのが設定されまして、学校教育各教科における言語力の育成について、審議、検討がなされております。そういった観点から、算数・数学教育の改善、充実について、ここでは審議、検討したいと思っております。これにつきまして、まず事務局の方から、言語力育成協力者会議での審議の状況についてご説明をお願いしたいと思っております。井上視学官、よろしくお願いいたします。

【井上視学官】
 失礼します。それでは、私の方から資料10、11、12につきまして簡単に説明いたします。
 まず資料10をご覧いただきたいと存じます。言語力育成協力者会議の趣旨についてでございます。この会議につきましては、ただ今中原主査からご紹介をいただきましたが、言葉や体験などの学習や生活の基盤づくりを重視すべきとされました教育課程部会で昨年2月に公表された「審議経過報告」を踏まえて、昨年の6月に初等中等教育局長決定により設置された会議でございます。梶田教育課程部会長に同会議の座長としてご就任をいただいているところでございます。
 この審議経過報告でございますけれども、言葉につきましては、「『確かな学力』を形成するための基盤であり、生活にも不可欠である。言葉は、他者を理解し、自分を表現し、社会と対話するための手段であり、家族、友だち、学校、社会と子どもとをつなぐ役割を担っている。言葉は、思考力や感受性を支え、知的活動、感性・情緒、コミュニケーション能力の基盤となる。国語力の育成は、すべての教育活動を通じて重視することが求められる」とされているところでございます。また、これにつきましては、資料6にございますが、第3期教育課程部会の審議の状況につきましても、同様に言及されているところでございます。
 これらを受けまして、言語力育成協力者会議では、教育課程部会における学習指導要領全体の見直しに際しまして、その参考資料を得ることを目的として、児童生徒の発達の段階に応じた言語力の育成について検討していただいているという状況でございます。この会議は、これまで7回開催されたわけでございます。本日資料11、12という形でお示しさせていただいておりますけれども、それぞれ7回の会議を踏まえた議論のまとめということで、本日の会議において提示させていただいております。本専門部会におかれましては、言語力の育成ということも踏まえまして、学習指導要領改訂のためのご審議をお願いさせていただきたいと存じております。また、この資料11、12につきましても、ご示唆及びご意見等をいただければ幸甚でございます。
 なお、この資料11、12でございますけれども、本専門部会をはじめ、関係の各専門部会にご説明、ご依頼等をさせていただくこととなっております。今後は、この専門部会をはじめまして、関係の専門部会でいただきましたご示唆等も踏まえた上で、修正し、次回の言語力育成協力者会議においてご審議をいただきまして、最終的に資料11、12の確定版を作成するという予定となっております。
 続きまして、資料11をご覧いただきたいと存じます。これにつきましては、大きく分けまして言語力育成のための基本的な考え方などをまとめました総論部分と、各教科等の具体的改善事項についてまとめました各論部の2部構成となっているところでございます。それでは、この資料11のうち、算数・数学に主に関係するところにつきまして、簡単にご説明いたします。
 まず、資料11の1ページの、「1.基本的な考え方及び課題」の、「(1)言語力について」をご覧いただきたいと存じます。この(1)の上から4行目でございますが、言語力育成協力者会議では、言語力については、「言語力のうち、主として国語に関するものについて論じるが、言語種別を問わない普遍的かつ基盤的な能力を培うとの観点から、外国語や非言語等に関する教育の在り方についても必要に応じて言及する」としているところでございます。
 続きまして、飛んで恐縮でございますが、3ページをご覧いただきたいと存じます。上から3行目でございますけれども、知的活動に関することでございますが、「数学、理科、社会科などで様々な具体的な事象から概念を導き出したり、具体的事象にあてはめて説明したりする活動を大切にして、基本的な概念の理解を確実にする指導などが求められる」という提言をいただいているところでございます。
 続きまして、また飛んで恐縮でございますが、9ページをご覧いただきたいと存じます。9ページの算数・数学のところでございますが、具体的な改善事項を提言したところでございます。まず、算数・数学の初めのまるでございますけれども、「算数・数学科では、算数・数学を活用する活動に重点をおき、その活動がよりよく行われるよう筋道を立てて説明したり論理的に考えたりして自ら納得したり他者を説得したりすることを大切にし、予測や推測を生み出すための指導を行うことが考えられる」。続きましてその下ですが、「その際、帰納的な考え方や類比、予測や推測を後付け検証するための演繹的な考え方をはぐくむ必要があり、それらの考え方をよりよく用いるために必要な言語力を身に付けさせること。例えば、事実の説明あるいは理由や手順の説明の仕方を身に付けさせることなどである。なお、指導にあたっては正答が不明であるような事象についても忌避せず、子どもたちが対処できるよう適切に扱うことが期待される」という提言をいただいているところでございます。
 続きまして、資料12をご覧いただきたいと存じます。資料12の議論の整理用一覧表につきましては、言語力育成のために必要であるとされております各種の活動をそれぞれの領域ごとに整理しまして、簡単に一覧表にまとめたものでございます。
 説明は簡単で恐縮でございますが、以上でございます。

【中原主査】
 どうもありがとうございました。ただ今、言語力の育成ということについて、言語力育成協力者会議の審議の内容についてご説明いただきました。全体的な言語力の育成にかかわることでも結構でございますし、資料11の9ページの算数・数学科では特に、言語力の育成にかかわって、こうした観点からの指導が求められているというか、考えられるのではないかということが記載されてございます。それにかかわることでも結構でございますが、ご意見とかご質問がございましたらお願いいたします。
 中村委員、どうぞ。

【中村委員】
 資料12の「解釈・説明」のところの「論理的思考力の育成にかかわる教科等」のまるの3番目の表組みの中に「文章や図表、数式などから様々な情報を的確に読み取り、これらを用いて説明する活動」という文章がございます。これは、資料11のどこに対応している部分かというのを。つまり、先ほどの算数・数学の中では、数式などからというところがなかったように私は思いますので、これはどこに対応しているのか伺いたいと思います。

【中原主査】
 井上視学官、よろしいでしょうか。

【井上視学官】
 ここに書いてあることすべてがこの報告書案、すなわち資料11に網羅されているというわけではないんですけれども、資料11に書かれております能力をはぐくむために、具体的に各教科、各領域で必要とされる具体的な活動例といいますものを例示した形、あるいは想定されるものとしてピックアップさせていただいておりますので、資料11に書いております各種のいろいろな力がございますが、それらを具体的に学校教育において実施するための例ということでございます。

【中原主査】
 ということですが、いかがでしょうか。

【中村委員】
 そうしますと、資料12に書かれている内容の、ここで言う「図表や数式などの情報を的確に読み取り」ということは、私は算数・数学の言語力といったものにもかかわってくるのではないかという気はしております。
 以上です。

【中原主査】
 浪川委員、どうぞ。

【浪川委員】
 私も今の中村委員のことと密接に関連するんですけれども、今仰っていただいた数式、あるいは中学の資料にあります文字式証明という部分は、むしろ国語と並行した言語的な基礎の部分だと思うんです。言語的な部分を各教科で用いていくというのは、理科や社会で数式を用いたりグラフを用いたりという部分にも関係しているわけで、結局、国語力と言ってしまうと通常の意味での言葉だけになってしまう。そうではなくて、(1)の「言語力について」という中に、「国語を中心とするが」の次に、「外国語や非言語等に関する」云々と書いてありますけれども、やはりここのところに算数・数学という言葉も、本来入るべきものである。諸外国でも国語と数学は、むしろ並行して基礎的なコミュニケーション能力と言われているわけで、その意味では、申し訳ないんですけれども、この視点は非常に大事な部分を欠いているのではないかという印象がいたします。この点について、いかがでしょうか。

【中原主査】
 よろしくお願いします。

【井上視学官】
 今いただきましたご指摘でございますが、資料11の1の(1)のところでございますけれども、言語力育成協力者会議においてどういったものを対象にしてご議論いただいているのかということでございますが、今先生からご指摘いただきましたとおり、ここでは、「主として国語に関するものについて論じるが」となっておりますが、まさに趣旨としましては、算数・数学、数式も入っているところでございます。こういった意味で、言語力育成協力者会議の言語力といいますものは、大変に幅広いもの、いわゆるバーバルなものだけではなくて、ノンバーバルなものまでも含んでいるということでございます。もしここに算数・数学といったものも明記した方がよいというご意見でございますれば、これはまた言語力育成協力者会議に持ち帰りまして、その場でご検討させていただきたいと存じます。

【浪川委員】
 それは非常に大事なポイントなので、是非よろしくお願いいたします。これは諸外国等の国際的な研究を踏まえて考えてみても、それは必要なことだと思います。よろしくご検討をお願いします。

【井上視学官】
 すみません、1点ご確認をさせていただきたいのでございますが、その場合に入れ込みますワードは、数式、数字でございましょうか。

【浪川委員】
 ここで言語と言えば、それに対応するのは普通はやはり数学という言葉だと思います。数学的な表現というものとして、数式が主ですが、ほかにグラフ等があるとお考えいただければと思います。

【中原主査】
 今の点は、また後の算数・数学の課題というか検討素案でも出てくるかと思いますが、数学では、数、式、図、表、グラフといった数学的表現というのを総括して数学的な言語ととらえて、それの相互関係とか活用が重要であるという考え方できておりますので、それを含めてご検討いただければと思います。
 ありがとうございました。そのほか、いかがでしょうか。芝田委員、どうぞ。

【芝田委員】
 同じところになるんですけれども、「非言語等に関する教育」というところに数学も入れ込んでここの文章はおつくりになったのか、はたまた全く違う非言語等に関する教育というか、何か想定されているものがあったのでしょうか。

【井上視学官】
 非言語の典型的なものは、いわゆる身体表現になろうかと存じまして、ここは各論部分でございますけれども、例えば保健体育というのもあるわけでございまして、身体コミュニケーションというのもございます。11ページでございましょうか、ダンスなどの身体表現といったものが典型的な事例ということでございまして、そこで、総体としまして、先生がご指摘ことにつきましては、おそらく数学、言語ということも関係しようかと存じますので、ここは全体的にとご理解いただければと存じます。かなり厳密な意味で定義付けをするのは困難かと存じますが、清水先生も言語力育成協力者会議の委員としてかなりリードしていただいているところでございますが、数学について、言語か非言語かというお問い合わせにつきましては、これは両方とも相当密接に関連しているのではないかなと考えてはおります。いずれにせよ、内容としては含まれているということでございます。

【中原主査】
 橋本委員、どうぞ。

【橋本主査代理】
 時間が押しているところ申し訳ございません。言語力とのかかわりで、読解力ということもPISAなどを通してよく言われているわけですけれども、先ほど中村委員の指摘、あるいは浪川委員の指摘にもありましたように、算数・数学というものが、例えば何かあったらその事象を数学的に表現してみる、表現されたものをまた解釈する、読み取るということでも、算数・数学での読解力ということを基点に規定すれば、そうとらえられるわけですよね。ですから、一方広く言語力と言ったときに、そういったものも勘案して考えると、その昔にも有名なダンツィクという人が、『数は科学の言葉』という本を出されて、最近も再版のものが出ておりますけれども、やっぱり算数・数学というのは日常生活ばかりではなく、いろいろな意味でも非常に大事なので、何か位置付けていただけるとよろしいのかなと思います。

【中原主査】
 ありがとうございました。言語力とは何かというとらえ方は広義、狭義いろいろあるということをめぐってのご意見と受けとめております。
 ほかに何か、ご質問、あるいはご提言はございませんでしょうか。非常に大事な問題でございますので、どなたかございませんか。もうよろしいでしょうか。
 それでは、ご意見がございませんようですので、この議事についてはこれぐらいで終わりにさせていただきたいと思います。いろいろ重要なご指摘をどうもありがとうございました。
 それでは、3番目の論点というか、議事ということになりますが、「算数・数学科の現状と課題、改善の方向性(検討素案)」に入ります。これは今日お配りしております資料がたくさんございますが、主として資料16に、今申しました「算数・数学科の現状と課題、改善の方向性(検討素案)」というのが新しい資料として出されております。これまでの検討案とあわせて、これらの資料について教科調査官の吉川先生にご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【吉川調査官】
 失礼いたします。それでは、資料16を中心にご説明したいと思います。あわせて資料15、また、資料14もご覧いただきたいと思います。
 今回、資料16を事務局においてまとめましたけれども、まずその経緯についてお話ししたいと思います。昨年の2月に中教審の教育課程部会におきまして、審議経過報告が取りまとめられました。この審議経過報告の中では、理数教育の改善についての意見が3つの課題を軸にして整理されています。その1点目は、基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着についてです。2点目は、思考力・表現力の育成についてです。そして3点目は、学習意欲の向上についてというものです。理数教育の改善の中におきまして、算数・数学に関連する意見として、例えば次のようなものが取り上げられています。数や計算、図形などの基礎的・基本的な知識・技能は、生活や学習の基盤となるものであって、具体物を用いた実感的な理解、実生活への活用などを考慮に入れながら、反復学習など丁寧な繰り返し指導を行うことや、学年の段階に応じたスパイラルの中で確実に定着させることができるよう、教育内容の工夫を行うことという意見が紹介されております。
 次に、今申し上げました審議経過報告を踏まえまして、昨年の7月には、本算数・数学専門部会におきまして、資料14について審議していただき、取りまとめていただきました。資料14のタイトルが、「算数・数学科の現状と課題、改善の方向性(検討素案)」となっております。資料14のこの検討素案を、昨年8月に開催されました中教審の教育課程部会に報告いたしました。その際に、教育課程部会におきましては、本日の資料15のようなご意見がありました。
 資料15のご意見はたくさんありますけれども、その中の幾つかをご紹介したいと思います。例えば、算数・数学の指導内容をチャートのような一覧表で示すことによって、教師に項目の発展を意識させ、それを子どもに伝えることによって、算数・数学のおもしろさが出てくるのではないかというご意見。また、カリキュラムの基本的な考え方として、小学校から高等学校まで系統的に一貫性を持たせる視点が必要とのご意見。また、子どもたちのつまずきなどを精査した上で指導内容を検討すべきとのご意見がありました。また、実体験を通して、学習する内容が生活のどこに役立っているのかを子どもや教師が理解できるようにすることが必要とのご意見がありました。このほか、PISAやTIMSSなどの国際調査の指摘をしっかりと受けとめ、教育課程に反映していかなければならないというご意見などがございました。そのほかのご意見につきましては、時間の関係でご紹介できませんけれども、詳しくは資料15をご覧いただきたいと思います。
 その後、昨年の12月には教育基本法の改正、また、本年6月には学校教育法の改正がありました。特に算数・数学科に関連しましては、例えば先ほどもご紹介されましたが、改正された学校教育法第21条に新たに義務教育の目標が規定されたところですけれども、その目標の中の1つに、次のようなものがあります。「生活に必要な数量的な関係を正しく理解し、処理する基礎的な能力を養うこと」。第6号ですけれども、こうしたことが規定されています。
 本日ご討議をお願いしたい資料16につきましては、昨年本専門部会において取りまとめていただきました資料14の検討素案をもとにしまして、これまでの教育課程部会の検討なども踏まえ、委員の皆様に共通理解をしていただくための資料として、事務局において再整理をさせていただいたものです。資料16の主なポイントを申し上げたいと思います。
 まず1の現状ですけれども、ここでは算数・数学科のねらいと、それから各学校段階における内容領域、また、科目構成などについて述べられています。この点は、昨年までの資料14と同じものです。
 2の課題ですけれども、国内調査や国際調査の結果から見ての課題などについて述べられています。この部分も、昨年までの資料14とほぼ同一の内容です。
 ページをめくっていただきまして、3の改善の方向の部分。これまでの資料とほぼ同じ内容です。1番目には、算数的活動・数学的活動の充実などについて述べられています。2番目には、基礎的・基本的な知識・技能の定着などについて述べられています。3番目には、論理的な思考力やコミュニケーション能力を高めることについて、また、言葉や数、式、図、表、グラフなどを用いて自分の考えを表現する力を高めることなどについて述べられています。4番目には、数量や図形についての豊かな感覚を育成することについて述べられています。
 その次の4の改善例の部分について申し上げたいと思います。ここは、今回新しく整理したものです。小学校、中学校、高等学校という学校段階ごとに述べられています。
 初めに小学校の部分を申し上げたいと思います。まず(ア)です。小学校においては、数量や図形を身の回りから見いだしたり、具体物を用いて調べたり、言葉や記号を用いて表現したりする活動や体験を重視する。その際、数学的に表現したものを活動や体験によって確かめたり、活動や体験したものを数学的に表現したりするなどの相互の往復によって、理解を深めたり、数学的な思考力・表現力を高めたりできるようにする。また、数量や図形についての知識・技能の確実な定着や、思考力・表現力の育成を図るため、複数学年にわたるスパイラルな学習指導を進められるようにする。
 (イ)です。算数的活動を今後も一層重視していくため、各学年の内容において、算数的活動についての記述を位置付けるようにする。数量や図形についての意味を理解したり、知識や技能を活用したり、考える力を高めたりするための算数的活動を具体的に示していくようにする。
 そのほか、「数と計算」、「量と測定」、「図形」、「数量関係」という領域ごとに、改善例として考えられる点を挙げています。
 ページをめくっていただきまして、中学校の部分です。(ア)、中学校においては、思考の過程を振り返り、考え続けようとする態度を育て、将来にわたって自らの学びの目標を持ち続け、追究する意欲を失わない生徒の育成を目指す。
 (イ)、数学的活動については、実生活や実社会で数学を利用する活動や、数学的に伝え合う活動など具体例を示し、内容の指導において実現できるようにする。また、課題学習を数学的活動が実現される場面と位置付け、より一層充実させる。
 そのほか、「数と式」、「図形」、「数量関係」の領域ごとに、改善例として考えられる点を挙げています。また、新しい領域として、「資料の活用」を設けることについても述べています。
 次に高等学校の部分です。高等学校の(ア)です。高等学校数学については、数学を学ぶ意義やその必要性が明らかになるよう、数学学習を通じてどのような人を育てようとしているかを重視し、その目標等を見直す。
 (イ)、科目構成については、数学学習の系統性や生徒選択の多様性の双方に配慮して、現行の科目構成を見直し必要な科目を設ける。
 そのほか、(ウ)では必履修科目の考え方について、(エ)では数学を活用する態度を育てることをねらいとした科目を設けることなどについて、(オ)では新しく構成する科目の考え方について、また、(カ)では数学的活動を重視して行う課題学習を位置付けることなどについて述べられています。
 以上で資料16の主なポイントのご紹介を終えたいと思います。

【中原主査】
 どうもありがとうございました。資料14、15、16がございまして、14はこれまでこの専門部会で考えておりました課題と改善の方向性でございます。それに基づきまして、教育課程部会の方で検討がなされた主な意見が資料15。それを受けて、事務局で今日この資料16にありますような検討素案を考えていただいたという流れになっていると思います。資料16を中心にしてご議論していただきたいと思いますが、これは時間がゆっくりございますので、いろいろな観点からご意見とかご質問、あるいはご提案等をいただきたいと思っております。最初は簡単な質問というか、確認的なものがございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは、ご意見やご提案等も交えてよろしくお願いいたします。真っ先に手が挙がりました、芝田委員の方からお願いします。

【芝田委員】
 資料16の改善例の、高校は科目構成とかいうあたりで、なるほど、こういうところを従来に比べて検討して新しくしていこうかというのが、それはそれでわかるといいますか、伝わってくるんですけれども、例えば小学校で、「数と計算」では計算の意味を理解すること云々と書いてあるんですけれども、これは今まででも強調してきたんじゃないかなとつい思ってしまうんですが、ほかのところも同じなんですけれども、いかがなものでしょうか。というか、今まではこうだったけれども、ここを改善したいという雰囲気には感じられなかったんで、ちょっとこんなことを申し上げるんですが、申し訳ございません。

【中原主査】
 斉藤委員からも手が挙がっておりますので、斉藤委員にもご意見を述べていただいて、それから事務局の考えをとさせていただきたいと思います。

【斉藤委員】
 今のことと関連するのかもしれないんですけれども、先ほどの学校教育法の改正の説明の中でも、学力の定義がきちっとされました。今後、学習指導要領等の中にどのレベルまで目標をきちっと定める必要があります。今、芝田委員が仰った、これまでもやってきているじゃないか、それなのにまだ十分でない、それは何が悪いんだといったものの1つに学力としてきちっと明文化された思考力・表現力があります。現場等は努力していますけれども、特に思考力とか表現力にかかわる目標というのが学習指導要領上あいまいであることがあると思います。
 先ほどの、言語力とも関係しますけれども、ちょっと見ていただきたいのが、今回4月に行われた全国学力・学習状況調査で、小学校算数の解説資料があります。例えば、解説資料の124ページを見ていただけますか。124ページに、大問1番の主として「活用」に関する問題があります。活用に関する部分はまたこれも課題になっているわけですけれども、例えばこの小問3番、具体的な問題は少し前、87ページにあります。87ページの問題は、「わけを、言葉や式や図を使ってかきましょう」という、まさに説明する力の部分です。これはペーパーテストですから、どんな観点でしっかり評価、採点するかというところがありますので、124ページにはかなり詳しく採点の際の条件が書かれています。それが「(3)正答の条件、次の1234のすべてを書いている」です。例えば評価するに当たっては、1から4までの事柄を書いている、つまり説明文の中に表現されていなければということが評価として求められているわけです。
 それから、よく見ますと、この中に先ほどの数学的な表現、特に式を用いて表現しているかどうかというのが、採点の条件にあります。これは、その後の正答例の下の、123を「6かける9ひく3かける5」という式です。これだけ細かく説明する力、表現する力、何を用いてどう表現するのが望ましいかということを分析して示している。みんなこれと同じようにしましょうという意味ではないですが、目標として求めることであるから当然こう書かれているのだと思います。すなわち評価の観点として定めている。
 したがって、今後思考力であるとか表現力などを身に付けさせたいといったときには、どんな表現方法で、どうそれを思考に用いて、あるいはどう表現するかというレベルのことを、すなわち、目標のどこまで学習指導要領に書かなければいけないのか、かなり難しいことですが、それが1つの課題であると思っています。
 もう一つ同様に活用の場面でありますけれども、先ほど算数・数学で学んだことをどう実生活で活用するかということに関しても、この調査の結果を見ないとわかりませんが、仮にかなり低かった場合にどこで育てるのかを明らかにする必要がある。教科の中で活用力を育てるのか、あるいは、例えば総合的な学習の時間の中で教科で身に付けたものを使いましょうということなので、総合的な学習の時間で意識的にどんな力を身に付けるのか。時数との関係にもなるのかと思いますけれども、その辺を明らかにしていかないと決まっていかないといけないと思いました。
 以上です。

【中原主査】
 いろいろとご質問、あるいはご指摘がなされたかと思いますが、今日出されました資料16にいろいろ記載されていることが重要なのはわかるんだけれども、これまでも力を入れてきたことではないか。どういう点に新しさというか、今回の改善の方向の特色があるのかをもう少し明確に打ち出した方がいいではないかというのが1つだと思います。
 それから2つ目は、思考力・表現力は重要な改善の方向として打ち出されているわけですが、それが大事なことは皆さん異存はないと思いますけれども、それを達成していく上で、もう少し達成目標を明確にしていかないと、なかなか実現が難しいかなというご意見かと受けとめました。
 それから3番目が、同じようなことですが、活用ということがPISA等の結果も受けて重視されてきているわけですが、これについて、評価との関係で、あるいは活用というのをどう、どこで力をつけていくかということについての改善の表現をどうしていくかということかと思いますが、大変重要な問題ですが、いかがでしょうか。吉川調査官、よろしくお願いします。

【吉川調査官】
 ご意見ありがとうございます。資料16の2ページの下で、小学校の改善例が書かれています。例えば「数と計算」のところでは、計算の意味を理解すること、計算の仕方を考えること、計算に習熟し活用することの重視という3点を書いているところです。ご指摘のように、こうした考え方は現行の学習指導要領においても重視されているということもご指摘のとおりです。今回整理するに当たりまして、今までの経緯も踏まえながら、これまで教育課程部会や専門部会でいただいたご意見を再整理するという形で示していくようにしました。したがいまして、今までと比べて新しいところも含まれておると同時に、これまでと同じところも含まれていると思います。さらに委員からご意見をいただきまして、新しいところもまた追加していくような形にしていきたいと思います。
 なお、計算指導の3つの重点につきましては、今どれだけ実現されているかというところも考えていかなければならないと思います。国内の調査でもだんだんと成績が上がっているところも見えています。例えば、計算の意味理解については、以前に比べて現在の方が少しずつよくなっているというところも見られますが、まだ一部には十分でないというところも見られる。したがって、これからも一層重視しなければならないというところも出てくるかもしれません。これはまた、今後学習指導要領にどう示していくかとあわせて考えていかなければならないと思います。
 また、斉藤先生からご指摘がありました思考力・表現力につきまして、今年の4月の全国学力・学習状況調査でも出題されているところを例に挙げながらご指摘していただきました。自分の考え方を式や言葉、あるいは図などを用いて説明するということで、今回この評価を行っているところです。これは学習指導要領の今後の改訂にもかかわってくると思いまして、こうしたものが学習指導要領のどこに位置付いてくるか、例えば目標のところ、あるいは内容のところ、あるいは活動などに位置付いてくるかもしれませんので、今後それをどこに反映させていくかということで、またご意見をいただきながら、これから反映させていくことになっていくかと思います。そういうことを考えていました。

【中原主査】
 活用については、何かご意見はございませんか。では、永田調査官、よろしく。

【永田調査官】
 ありがとうございます。それも踏まえて先ほどのお話ですが、小・中学校はあまりかわりばえがしないじゃないかという厳しいご意見をいただきましたけれども、やはりかわりばえがしないということは、それだけまだ課題が残っているということですので、残したまま先のところには行けないというのが我々の認識でもあります。ただ、それぞれの課題については、今もお話がありましたが、各種の実施状況調査や特定の課題に関する調査、まだ結果は出ておりませんけれども、全国学力・学習状況調査を通じて、ポイントとなるところはより明確になってきていると思いますので、それに対応する方法を今後考えていく。この資料は改善の方向性のみを示しておりますので、どういう手立てを打つかということに関しては、今後またここでのご意見等を伺って検討していくということになると思います。
 ただ、その中にはかわりばえした内容も入っております。例えば、先ほどからお話がでていますが、表現力にかかわることです。それから思考力に関すること。そういったことはこれまであまり明確には表に出てきていなかったと思うんですが、そういうものが入っているというところも是非ご理解いただければと思います。
 それから活用に関することなんですけれども、特に中学校の数学に関して言えることですが、やはり大変苦しいなと思っているのは、現場の指導はどうしても内容優先になりがちなんです。内容として何を教えるかということが非常に重視されてしまいますので、そこでどういう考え方を使っているのかとか、どういう表現を使っているのか、要するにどう活用していくのかという視点がなかなか見えてこないというところが確かにあります。
 ですから、先ほどのご意見にもありましたけれども、1つは教科の中で使っているという認識が持てるようにするということが重要であるとともに、やはり教科外、教科横断的に共通する部分に関しては、先ほど総合というお話がありましたけれども、それ以外の教科、例えば理科や国語、そのほかの部分ともなるべく連携をとってやっていけるようにしなければいけないと思っておりますが、具体的にどうするかということに関しては、やはりまたここでご意見をいただいて、検討させていただければと思っております。

【中原主査】
 どうもありがとうございました。清水委員、どうぞ。

【清水委員】
 1つはお願いというか議論の種と、もう一つは質問の2つお願いしたいと思います。
 1つは、先ほど来、学校教育法のご説明の中で、30条第2項に明示された内容がございました。それから、言語力の育成に関してのところでも、知的な活動に関して大きく3つの柱が立てられています。これらについては、教科横断的にどの教科もやるという前提だろうと思いますけれども、そうなってまいりますと、教科の改善の具体的な方向として目標をどう記述するかということは、明確に方針が述べられるべきではないかと思います。
 したがいまして、今日は改善の方向ということで5つの柱がございますけれども、それぞれの末尾の表現にかかることは、すべて教科の目標を構成する大変重要な要素なわけです。ということで、改善例のところも、各教科の領域、科目を柱に整理されておりますけれども、これは指導内容に関するポイントでありまして、学習指導要領はその前提に教科の目標がありますし、さらには育成すべき資質、能力というものを前提にした教育になるはずですから、そこに食い込んでいかないと、今回の改訂の趣旨は必ずしもご理解いただけないのでないかということで、改善の方向を整理するということは、いろいろこの前の経緯がありますのでこのような形になると思いますけれども、改善例につきましては、是非目標レベルのことと内容レベルのことを分けて、小・中・高通して目標をどう構成すべきなのかということについての方針も整理していくことはいかがと思います。これが第1点です。
 第2点は質問でございますが、そのご説明に対して機会があればご意見を申し上げたいと思いますけれども、2ページの改善の方向性の最後のまるです。ここでは、算数的活動・数学的活動を充実するという文脈で、これまでの内容に関する記述に加えて、活動に関する記述を充実するという記述になっています。昨年の検討素案におきましては、資料14の6ページにございます。これは5.算数的活動・数学的活動の充実という項目の例の2つ目のまる、あるいは1つ目のまるで、内容を構成する際に、2つの視点といいますか、つまり従来の「内容に関する領域」に対して、新たに別の視点として活動に関するものを加えていく、位置付けることはどうかということになっていたのですけれども、この意味と、今日いただいた資料16の内容に関する記述に加えて活動に関する記述を充実するという、私から見ると少しトーンダウンしている印象を持つのですけれども、この辺の背景についてのご説明をいただきたいと思います。

【中原主査】
 では吉川調査官、よろしくお願いします。

【吉川調査官】
 ありがとうございます。算数的活動・数学的活動を学習指導要領の中に記述していこうという考え方については、今回も変わっていないと思います。具体的には、今回改善例の小学校と中学校のそれぞれの(イ)のところに書くようにしています。2ページの下のところの小学校の(イ)のところでは、「各学年の内容において、算数的活動についての記述を位置付ける」という考え方の例を示しているところです。内容の一部につけ加えていくということで考え方を提案しているところであります。中学校においても、内容の中においてということで共通的に書いていきたいということで、今回の資料を再整理しているところです。

【中原主査】
 もう一回清水委員。

【清水委員】
 その内容についてというときの内容というのは、それぞれの領域で示す内容に埋め込むという意味ですか。

【中原主査】
 どうぞ。

【吉川調査官】
 ご承知のように、学習指導要領の構成としましては、教科の中では1が目標、2が各学年の目標及び内容、3が指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱いとなって、大きく3つに分かれているわけですけれども、2番目の内容に位置付けていくということではどうだろうかということが今回の考え方であります。ですから、2のところでは幾つかの領域が構成されていますけれども、その中に入れていくということになっていくと思います。

【中原主査】
 清水委員。

【清水委員】
 ということは、複数の内容領域がありますけれども、その中に位置付けることもあるし、別途内容の中の1つの領域として位置付けることもある。今後の検討の結果を見てするということになりますか。

【吉川調査官】
 そうですね、記述の仕方については、領域の中に入れるか領域外にするかは、今後学習指導要領を実際に作成する場合にどうしていくか具体的に決めていかなければならないわけですけれども、今そこまで詳しくはまだわからないというところだろうと思います。

【中原主査】
 算数的活動・数学的活動の充実ということについては、各学年の指導内容に即して活動について記述するという方向で検討されているということかと思います。
 いろいろご意見をいただきまして、先ほど冒頭に芝田委員から新しいという視点がわかりにくいというご意見もございましたが、言葉が新しいとか内容が新しいとか、そういうことが必ずしも求められていることではないかと思います。これまでねらってきたことが、あるいは重要視したことができていない、できていないとすればそれをどう工夫、どう改善したら達成できるかという意味での新しさが表現されていればいいのではないかと思いますが、そういった観点からいろいろとご質問が出ておりますけれども、委員の方から、こういった視点からの改善をしたら算数・数学でねらったことがよりうまく達成できるのではないかという、積極的な改善の提案というか工夫の提案というものも、せっかくの機会ですので出していただければと思っておりますが。

【橋本主査代理】
 今せっかく主査の中原先生から改善の提案ということでしたので、ちょっと前に戻ってよろしいでしょうか。清水委員が指摘されたことに対しまして、今吉川調査官が答えられたんですが、私の理解というか、ちょっとよろしいでしょうか。せっかく多くの資料を事務局で用意してくださったので、先生方もよくご承知かとは思うんですが、小学校学習指導要領をご覧いただければ、例えば国語ですと、1学年、2学年一緒ですが、8ページにABCの後に両括弧がついて言語事項と、一応中身の話の中に位置付けられているわけですよね。細かい話はともかくとしまして、これまでの経緯、それからいろいろ算数・数学教育の改善ということで、先ほど詳しい説明があったんですけれども、私自身は、算数的活動・数学的活動というものは、やはり1つの項目として積極的に位置付けていくべきであると考えております。積極的に位置付ければ、この部会、あるいはもう一つ上の教育課程部会でも示唆されていることの実現がより一層しやすくなるのではないかと考えております。
 以上です。

【中原主査】
 ありがとうございました。今、算数的活動・数学的活動のことが議論されていますが、それにかかわることでも結構ですし、そのほかのことでもよろしいんですが。浪川委員、どうぞ。

【浪川委員】
 その他の方になるんですけれども、先ほど清水委員の方から目標ということを明確にするようにというお話がありまして、そのことで1つ提案といいますか意見なんですが、やはり目標を非常にわかりやすく明確にする必要があると思うんです。学習指導要領をご覧になりますと、小・中の場合には、全体の教科の目標は数行なんですが、その次に実は各学年の目標ということがあって、かなり明確にさらに具体的に書かれているわけです。ただ、高等学校になりますと、教科が幾つにも分かれるということがあって、結局教科ごとの目標というのは、小・中でありますと算数あるいは数学という目標のような、数行にわたる目標になっている。これですとやはりわかりにくい、どうしても一般的な発言になってしまうわけで、やはり高等学校の数学の場合には、数学の教科ごとに、いわば各学年の目標に当たるような、さらに具体的な記述というものが必要なのではないかと思います。それが私からの意見です。
 それからもう一点、これは質問になるんですが、中学のところで今回新しい領域を設定されるということが提案されております。これはまさに新しいことだと思います。このあたりをもうちょっとご説明いただければと思うんですが。
 以上です。

【中原主査】
 2つほどご質問、ご提案が出ておりますが、では最初に永田調査官の方から、新しい領域についてお伺いします。

【永田調査官】
 ありがとうございます。それでは、中学校の新しい領域の今考えている事柄について、もう少しご説明させていただきたいと思います。現行の中学校数学科においては、統計にかかわる内容がございません。確率は今2年生に残っておるんですけれども、統計にかかわる内容がないということで、PISA調査等の結果もあって、こうした内容を充実すべきであるということについてご指摘いただき、検討を重ねてまいりました。
 その結果、現在、確率と統計にかかわる内容を独立させて1つの領域を設けてはどうであろうかということを検討しております。今日の資料16の3ページの中学校の(カ)に当たる部分ですけれども、一応「資料の活用」という名前をつけておるんですが、この名前が一応、我々の考え方をかなり色濃く反映しているんじゃないかなと思います。というのは、従来も教育課程上、確率と統計を独立させて領域にしておった時期がございます。そのときは、特に確率・統計という言い方をしておりましたが、今回はそういう言い方はとらないようにしようと。その気持ちは、従来の確率・統計というと、特に統計部分に関しては数理統計といいますか、実社会の関連よりも数式等を中心にしたものに行ってしまいがちではないか、それから確率に関しては、どうしても確率を求めることばかり、計算することばかりに行ってしまいがちではないかという懸念があったということです。
 それから同じように、従来統計に関する内容が中学校にあったときには、資料の整理という言い方をよくされたんですけれども、整理ということが目的ではないでしょうという認識で、そもそも整理したものからどういうことがわかるのか、原因を探ったり、将来を予測したりという事柄に重きを置くという意味では、資料を活用するところこそ目的なんだという認識で、今仮称ですけれども、こういう名前をつけさせていただいている。
 したがって、統計や確率の内容を持ち込みますけれども、やはり課題解決型に行っていく。何らかの形で調べたい、知りたいことがあって、そのために確率や統計を用いるのだという活動中心の領域にできないだろうかというのが、漠然としておりますが、現在の我々の思いです。

【中原主査】
 ありがとうございました。それからもう一つのご質問の、高等学校の方で目標をもう少し詳しくというか、丁寧にというご提案だと思いますが、各学年というのは高等学校の性格から少しどうかなと思うんですが、長尾調査官、その辺につきまして基本的なお考えがございましたら、よろしくお願いします。

【長尾調査官】
 目標については、できるだけわかりやすくということでいろいろ考えております。例えば、総括目標、具体的目標という書き方で書けば非常にわかりやすいものになる。そういう方向はどうだろうかということを考えていますけれども、ただ難しいのは、数学科だけで決められることではありませんので、もうちょっと全体の横の打ち合わせというか、話し合いというものが必要なんだろうと今思っているところです。わかりやすくという方向で考えてはいます。
 以上です。

【中原主査】
 わかりやすくという方向で考えてはいますということでございます。次に大橋委員、よろしくお願いします。

【大橋委員】
 すいません、高校の話が出たところで、ちょっとお伺いしたいことと感想なんですが、資料16の3ページの高等学校の(エ)のところにある、新しい「数学を活用する態度を育てることをねらいとした科目を設ける」とありますけれども、もうちょっと具体的に、どういうことかなというのがあったら教えていただければと思うんですが、よく読めばそうじゃないとはわかるんですが、さらっとこういうのを読んだときに、あまりにも数学の活用、実生活とかいうことに重きが行ってしまっているかなという感想を持ちました。
 それから、実生活に何が活用されるのかというのは、高校ぐらいになるとすごく難しいですよね。例えば方程式が生きていますと言っても、それはほんの入り口でしかないということがあるわけで、実生活への活用というよりもむしろ、そのまま役に立たないけれども、文化的側面ということを高校では強調していってもいいんじゃないかなという気もするんですけれども、そういうのはどう読み取ったらいいのかな。そういうのが読み取りやすいようになっていた方が、高校の現場としてはありがたい気がするんですけれども。

【中原主査】
 これも高校数学の目標とのかかわりとなるかと思いますが、長尾調査官、よろしくお願いします。

【長尾調査官】
 今回学習指導要領で習得、活用、探究ということを重視する方向で検討がなされています。活用ということで言うと、高等学校ではあまり指導が行われていないのが現状だと思うんです。今、数学基礎という科目があります。数学基礎は、履修状況が極端に低いというところがありますが、それをさらに充実させて、活用ということを重視した科目にしたらどうだろうか、もう少し幅広に履修できるような科目にしたらどうだろうかということで考えています。そのほか、活用ということで言いますと、中学校である課題学習のようなものを、必履修科目や、より広く履修が考えられるような科目を設けて、活用ということを重視していったらどうかということも考えています。
 以上です。

【中原主査】
 ありがとうございました。

【中原主査】
 藤本委員、どうぞ。

【藤本委員】
 失礼します。1ページ目の課題のところで、すいませんけれども、小・中学校に関係する内容なので、算数・数学の好き嫌いの調査で、まず前々から1つの課題であった中1ギャップとよく言われたんですけれども、改善例の小学校と中学校を今読ませていただいたんですが、この部分が少し弱いんじゃないかなと感じているんですけれども、その部分はどう考えられているか、お伺いしたいんです。

【中原主査】
 学習意欲とかかわって、数学嫌いが中学校1年でやや多くなる。その辺について何か改善の手立て、あるいは方向が示されているのでしょうかという趣旨かと思いますが。

【永田調査官】
 なかなか難しい課題だと我々も認識しています。やはり中学校1年生の段階の我々の指導を在り方を見直す必要があるという認識は持っておるんですが、学習指導要領でどこまで対応できるかということはよく考えなければいけないと思っています。例えば、中学校に入って最初に学ぶ正の数、負の数、それからその後の文字の式のあたりが非常に高いハードルになっているんだということは現場の先生方からしばしば伺うことです。
 そうしますと、こういった内容について、例えば指導法で対応すべきなのか、教育課程そのもので対応すべきなのか、どれもやらなきゃいけないと思うんですけれども、どのように対応していくのかということについては、検討しなければならないと思うんですが、このこと自体を詰めていくと、例えば教育課程の枠組みの話、時間数の話とかいったことにも深くかかわってまいりますので、今の段階だけで具体案をお示しするということがなかなかできないので大変心苦しいんですが、むしろ何かお考えがあってご提案いただけるようであれば、こちらとしてもいただきたいと思っております。

【中原主査】
 斉藤委員、どうぞ。

【斉藤委員】
 今のことに関連して、1つのデータですけれども、東京都では5年生と中学校2年生全員に4教科の調査をしています。その中で、算数・数学にかかわって、よくわかるとか、楽しいとか感じる子どもたちにさらに質問紙調査しています。複数の多様な解き方で考える、それから自分の力で問題を解決する、それとともに、先ほどの言語力の中の最後のところにありました、討論、議論というところですが、互いに討論し合う、議論し合うことで、わかるとか、楽しいと感じる結果が出ています。これは指導方法にかかわる内容です。明らかに言語力についても指導方法なのか教育課程そのものの対応なのかというところがあると思いますけれども、参考までに。

【永田調査官】
 ありがとうございます。今お話しいただいたことが我々の考えていることと重なる部分があると思うんですが、算数的活動・数学的活動を何らかの形で示していこうということは、ある意味では指導法にふれる部分が出てくるわけです。ですから、それがどれぐらいできるのか、どういう形でできるのかということについては、今後検討しなければいけないと思いますけれども、やはり学習指導要領でできることは確実にやっていきたいと思っております。

【中原主査】
 学習指導要領レベルでは、そこのところはなかなか難しいというか、苦労が多いということですが、一般的に小と中では時間数も違いますし、内容が算数から数学へということで指導する先生方も変わりますから、中学1年に非常に丁寧な指導が要るということはどなたも認めておられることだと思いますが、そこで出されたいいアイデアを、何らかの方法で先生方にアピールしていくというか、広げていくという手立てもあわせて考えていくといいかなとは思います。
 浪川委員、どうぞ。

【浪川委員】
 2点ございます。最初は、今議論されている中1ギャップのことなんですが、今、永田調査官からご説明がありましたが、接続ですので、同時に小学校も中1ギャップの解決のためにはいろいろなことが必要だと思うんです。そんな意味で、吉川調査官のご意見もお伺いしたいと思います。
 それと2番目は、先ほどの大橋委員のご意見に関することでありますけれども、活用ということを考えたときに、やはり高等学校レベルですと、生活という範囲が小学校とははっきり違って、単なる身の回りではなくて、教育基本法等でも公共云々として「公」ということが言われておりますけれども、社会的な視点まで生活という範囲が拡大している。そこのところで数学がどう使われているかということで考えていかないと、特に高校の場合には、数学的活動として何をしていくかということが出てこないし、また、そうすることが特に高等学校の場合に必要な視点なのではないか。社会的という意味まで生活と言われている部分を拡大して考えていくことが大事なのだと思います。
 以上です。

【中原主査】
 ありがとうございました。最初の方で、小・中の接続で小として何かお考えがおありでしょうかということですが。

【吉川調査官】
 これは随分議論になったところで、小学校6年生で算数が好きという子どもが中1になって随分減ってしまうということで、注目されているところなんですけれども、理由は様々に考えられるかと思います。指導の内容が小と中で違うこと、指導の方法が違うこと、また、先生と子どもとの接し方が違うことも原因かもしれない。小学校の先生が中学校に行って授業を見たときの印象が大分違うとも聞きます。中学校の先生が小学校を見ると、また随分違う。ある先生は随分丁寧過ぎるのではないか、いや、丁寧なのがいいという先生もいらっしゃる。
 そういうところで、小と中でいろいろな場面で情報交換することも大切だと思いまして、今学習指導要領を中心に考えているわけですけれども、内容構成についても十分考えなければいけないし、指導方法についても提案できるところは提案しなければいけないし、また、先生の指導の在り方についてもお互いが見習うところもあるのかもしれないということも少し感じるところです。小と中のどちらがいいということではなくて、どちらもいいと思いますけれども、いろいろな情報交換は必要だと思います。

【中原主査】
 どうもありがとうございました。それでは中村委員、どうぞ。

【中村委員】
 すいません、今のスパイラルの教育課程にかかわる内容と、それから算数的活動・数学的活動について質問と意見ということになります。
 資料14の段階で、「スパイラルな教育課程を構成し」というところの例示が、小学校、中学校で出ているわけですけれども、改善例の中の小学校の(ア)の方では、複数学年にわたるスパイラルな学習指導を進められるようにすると書いてありますが、これは学習指導を教育課程上に位置付けるのか、教育課程においてスパイラル的な内容を配慮するのかというところがあるかと思います。特に中学校の方は、スパイラルというところで、資料14では「学び直しの機会」という言葉が出ているわけですけれども、先ほどの中1ギャップのことを含めたときに、おそらく「思考過程を振り返り、考え続けようとする態度を育てる」という中にも入っているのかもわかりませんが、教育課程上に「学び直しの機会」というのを設けるのかどうなのかということが1点あります。
 それから2点目は、算数的活動・数学的活動の重視というのは、先ほどのお話を伺って、内容記述で加えるというところですが、例えば小学校の(イ)の段階で、算数的活動を示すという意味合いが、これは数量や図形についての概念を理解したり、知識・技能を活用したり、考える力を高めたりするためにという、1つのねらいがあると思うんですが、やはり先ほどの数学的に表現したり、解釈したりというのも、算数的活動の中には例示として挙げられておりますので、そういったことを小学校でも挙げていただけたらと思っています。
 一方中学校では、数学的活動が、「実生活や実社会で数学を利用する活動や、数学的に伝え合う活動など」ということが出ていますが、「など」の中に含まれると言われるかもしれませんが、「自分の考えや判断を評価し改善する活動」というのが資料14の中には出ておりますので、そういった、なぜ算数的活動・数学的活動を行うのかという目的をやはり明示した方がいいのではないかなと思います。
 以上です。

【中原主査】
 ご提案ということでございます。では、続きまして清水委員、どうぞ。

【清水委員】
 1つは、先ほど藤本委員からお話がありました、1ページの下から2つ目の好き嫌いの問題なんです。国際調査の関係とかいろいろあって、好き嫌いの問題がクローズアップされておりますけれども、平成13年と15年の教育課程実施状況調査では同様に質問紙調査をしておりまして、好きについては、指摘されるようにあまり高くないんですけれども、大切だと思うとか、もっと勉強したいということについては、子どもたちの意識がかなり高いんです。ということは、好きになるかどうかは大切なことですが、やはり実際にできることをしっかりすることによって自信を持つとか、それを踏み台にして次の学習に挑戦するとかいうレベルのことを是非表に出していただくことはできないか。
 例えば、中学校の(ア)のところで、目標を持ち続けるとか、意欲を失わないようにするという趣旨がありますけれども、その後ろに、やればできるという自己効力感というものに裏付けられた経験が必要だろうと思うんです。そのためには、先ほど来話題になっておりますように、活動というのは、いわゆる方法論としての活動は大変重要だと思いますけれども、それと同時に、自分でやってみるということ自体を明確に位置付けることが必要ではないか。そのことを通して、子どもたちが自信を持ち、あるいはうまくいかないのであれば何をどうしたらいいかという次の学習への意欲がわいてくると思いますので。つまり、もっとわかりたい、あるいは大切だと思っている割合が大変高い日本の子どもたちに対して、それを踏まえて、その上に楽しさがともなえば鬼に金棒だろうと思いますので、是非そのことをお願いしたいというのが1つです。
 それから2つ目は、説明するとか考えるとか調べるという動詞がたくさん登場しますし、また、そういう能力が大事だと言われますけれども、これはずっと言われてきたことなんです。しかし、それが実現できるためには、説明するには何をどうしたらいいのか、あるいは数学を学ぶときには基本的に何をどうしたらいいのかという、方法知と言われているようなレベルのことも、内容として位置付けるようなことはできないのか。つまり、知識というと数学的な事実とかアルゴリズムの基本に関することが中心になってしまって、調べるとか考えるとか学ぶということについてのノウハウが、どうしても後ろ側に行ってしまっていますので、これまでずっと議論されてきた経緯からしますと、そういう方法論についても、急所を整理して内容として明示するということは検討すべきではないのかと思います。

【中原主査】
 ありがとうございました。それに関連して、私も一言なんですが、先ほども申しましたが、学校教育法の第30条2項で、せっかく主体的な学びの態度を育てるということが明示されましたので、これはこれまでもちろん小・中・高の算数・数学で重視してきたことではあるんですが、引き続きそういうことについて一層重視するといった、探究型というか、主体的な学びを一層重視するという、今の中学校の(ア)あたりはそういうことを意図しているかと思いますが、その辺も含めて、そういった表現がもう少し強く打ち出されればと期待したいと思います。
 橋本委員。

【橋本主査代理】
 今のことにというか、中原先生は探究型とか、これまでも活用、それから清水委員の自分でやってみるということに関連して、一言発言させていただきたいと思います。
 先ほど坂下さんから、両面ありますけれども私のA4の1枚刷りのものを配付させていただきましたが、私自身で表題としては「算数・数学の役割」と書かせていただきました。その裏側には、最近桜美林大の芳沢さんが書かれた話も出ております。
 何を申し上げたいのかというと、最近本屋さんに行きますと、インドの数学、あるいはドリルがたくさん出ております。私自身は2年ほど前に学会誌に「エビデンスをもとに述べること」ということで、インドの掛け算九九の話を書かせていただきました。考えてみますと、11かける11から19かける19までは10の位が1ですから、掛け算九九と、13たす18とかの簡単な暗算ができさえすれば、11かける11から19かける19まではすぐにできるんですよね。清水委員の言葉をかりれば、「自分でやってみる」を自分で考えてみればできるということ。ですから文字を使えば、中学校3年生の多項式の掛け算でなぜそうなるかということもきちんと説明できるわけですし、この場合は実に簡単です。詳しくは申し上げませんけれども、資料11の9ページでもまとめてくださった「事実の説明あるいは理由や手順の説明の仕方を身に付けさせる」といったことが児童生徒に身に付いて、自分自身で考えていくという姿勢が非常に大事なことだと思います。インドの数学ということも、いろいろ間違って報道されている部分もあるかもしれませんが、その裏にある芳沢さんの意見は私も同感する部分がたくさんございます。お時間があればご高覧いただければ幸いです。
 以上です。

【中原主査】
 ありがとうございました。そろそろ時間が来ておりますが、これだけは是非ということがあれば。米谷委員、どうぞ。

【米谷委員】
 少し戻りますが、資料11のところで、先ほど事務局から紹介いただきましたけれども、9ページの算数・数学の2つ目のまるになお書きのところがございまして、「指導にあたっては正答が不明であるような事象についても忌避せず、子どもたちが対処できるよう適切に扱うことが期待される」と書いてございます。「忌避せず」というのは、誰が忌避しないのかというのは書いてはいないんですけれども、やはり最終的に生徒がこだわりを持って問題に取り組めることが期待されるのではないかと思われます。
 高校の数学の教科書の中身というのは、かなり盛りだくさんでございまして、また、すべて正解があるような中身ではあるんですけれども、以前福島委員が仰っていましたけれども、実際に我々がタッチする中では答えがないもの、正解がないような問題もございます。そういうものを高校の教科書の中に取り込むというのはなかなか難しいと思いもするんですけれども、しかし一方、高校の領域を外れますとそういった問題があるわけでございまして、発展的な内容、あるいは他の教科との連携等で工夫ができるのであれば、そういった問題への糸口のようなものでも取り込めればいいなという気がいたします。
 以上でございます。

【中原主査】
 ありがとうございました。正答が不明であるような問題も価値があるというご意見と思います。
 小西委員。

【小西委員】
 失礼します。学校現場に長くいましたし、今も学校現場とかかわることが多いんですけれども、算数的活動が非常に重要であるということについては先生方も認識していますし、それからスパイラル的に基礎・基本を身に付けさせていきたいということも、あるいは説明する力をつけさせたいということもすべてわかっているんですけれども、要は時間がないということなんです。指導時間の確保ということがものすごく大事になると思うので、算数・数学の改善の方向性はこういう形で出ていくと思うんですが、あと時間の確保ということを是非、どこで要望したらいいのか私もわからないんですが、要望したいと思います。
 以上です。

【中原主査】
 ありがとうございました。これは今日に限らずこの席におられる皆さん全員の強い願いだと思います。先ほどの教育課程部会等で、朝の時間とか夏休みとかいう提案も出ておりましたが、それももちろんですが、特に中学校においては、やはり毎週の時間をきちんと増やすということが算数・数学の課題を解決する基本になると思いますので、これは私も重ねてお願いしておきたいと思います。
 もう時間ですが、よろしいでしょうか。
 最後に私、もう一言なんですが、今日、資料16を出されて、例えば時間数が決まっていないので、なかなかご苦労されたと思うんですが、最初に芝田委員が述べられたように、ぱっとこれを一読したとき、何をどう改善しようとしているかというのがいま一つ伝わりにくいかなと。いろいろご苦労があると思うんですが、その辺で、言葉は同じでいいんですが、工夫した、改善するという方向性をもう少しより明確に思い切って打ち出されてもいいのではないかなと印象を持ちました。
 ということで、いろいろとご意見をいただきましてありがとうございました。時間が来ましたので、今日の議論はこのあたりで終わりにしたいと思います。お出しいただきましたいろいろな貴重な意見につきましては、事務局の方で論点ごとに整理していただくようにお願いしたいと思います。また、限られた時間でございましたので、ご発言が十分でなかった点、あるいはなされなかった点、また、これから後思いつかれた点がございましたら、ペーパーで事務局の方にお送りいただければ、またそれも整理に加えていただきますので、是非そうしたこともお願いしたいと思っております。
 それでは、今後の日程等について事務局の方からご説明をお願いいたします。坂下専門官、よろしくお願いします。

【坂下専門官】
 本日は長時間ご審議いただきまして、どうもありがとうございました。今後の日程でございますけれども、また改めて、後日調整させていただいた上で連絡申し上げたいと思ってございますので、大変恐縮ですけれどもよろしくお願いしたいと思ってございます。
 それから、先ほど中原先生からご紹介いただきましたように、ペーパーによるご意見も受け付けさせていただいております。本日は限られた時間ということもございましたので、本日の資料につきましてご意見がございましたら、大変恐縮でございますけれども、整理の都合上、8月1日(水曜日)までにファクス、メール、郵送等にて教育課程課あてにお送りいただければありがたいと思ってございます。
 以上でございます。

【中原主査】
 どうもありがとうございました。
 それでは、今日はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

―了―

(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)