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資料1


地域が参画する新しいタイプの学校運営の在り方について(検討メモ)
(再改訂版)




新たな制度の導入の意義・目的について

   学校の管理運営の在り方の改善方策の一つとして、保護者代表、地域住民代表等を 構成員に含む「運営協議会」等の組織が学校運営に参画する新しいタイプの公立学校 (いわゆる「コミュニティ・スクール」)制度を導入することの意義について
    趣旨・目的や期待される効果について
(例)・ 公立学校教育の活性化
保護者や地域住民の要請に応えた特色ある学校教育の実現
保護者・地域住民との連携の強化
学校の裁量の拡大
学校の管理運営体制の強化

(主な意見)
   平成10年の中教審答申以降、学校の管理運営についてはすでに多くの取組が進んでいる。今までの流れを全く変えて新しいことを始めるというのではなく、現在進められている取組を評価した上で、より良いものにするには何が必要かという視点で検討すべき。
   英国の学校には厳しい外部評価が課せられる。モニタリングの仕組みがないままに権限だけ委譲すると混乱を招く。まず現行制度下でできることを積み上げながら、評価の仕組みを整備していくべきではないか。
   「コミュニティ・スクール」は、特定の学校を対象としたモデル校として、特区の対応ともリンクさせながら検討し、現行の制度にプラスして必要な部分を制度化すればよいのではないか。
   現行制度の運用でできることも多いが、様々なところでなされている公教育への批判に対応するためには何らかの制度的な対応が必要。「コミュニティ・スクール」は、選択肢の一つとして市町村の判断で導入するのであれば良いのではないか。ただ、カリキュラムや予算はともかく、人事については完全な人事権を与えるのでなく、意見を聴いて尊重することを明文化するといった扱いになるのではないか。
   学校に一定の権限を与えて判断させるようにしないと活性化しない。学校評議員は校長の諮問機関に過ぎないが、運営協議会はそれぞれのグループを代表する構成員が発言権を持てる。「コミュニティ・スクール」は一律にではなく、新しいタイプの実験校として導入してみてはどうか。その場合、人事については最終的には教育委員会が判断するが、学校の要望を一定程度聞き尊重するようにするということではないか。
   コミュニティ・スクールの目的の一つは閉鎖的な学校運営からの脱却であろう。義務教育にも各学校の特色が求められており、そのためにも地域の意向を反映することは重要である。ただ、学校の運営である以上、最終決定権者は校長であり、運営協議会の意見をどこまで反映させるかという問題ではないか。


「コミュニティ・スクール」導入に当たって検討すべき事項について

   「コミュニティ・スクール」の設置手続きについて
     導入する学校種をはじめ「コミュニティ・スクール」の設置は学校の設置者の判断によることとなるが、例えば、市町村の小・中学校に「コミュニティ・スクール」を導入する場合、当該学校の教職員の任命権者は都道府県教育委員会であることから、設置者と任命権者との間であらかじめ何らかの協議を行うことが必要と考えられる。

(主な意見)
   「コミュニティ・スクール」は、選択肢の一つとして市町村の判断で導入するのであれば良いのではないか。(再掲)
   小・中学校の設置者である市町村に人事権がない現状では市町村の判断で「コミュニティ・スクール」を作ることは困難。
   現行の教職員の人事システムについても、学校のニーズに柔軟かつ迅速に対応できるよう改めるべき。


   運営協議会」の構成員、選任方法、身分等について
      (構成員の例)   校長、教職員代表、保護者代表、地域住民代表、行政関係者、その他有識者

   運営協議会が学校運営において意思決定に関与することとなる場合、構成員の選び方を慎重に検討することが必要。


   「コミュニティ・スクール」における教育の中立性、公正性の確保の観点から特に留意すべき事項について
    すでに制度化されている学校評議員については、教育委員会規則等で守秘義務等が定められている例が多い。

   「コミュニティ・スクール」に付与する権限について
1「運営協議会」の権限について
   特に、従来校長や教育委員会の権限とされている事項との関係をどう考えるか。

   学校評議員は、校長が行う学校運営に対して意見を述べる「学校外の意見を聴取する機関」であるのに対し、運営協議会は意思決定に関与する機関として位置付けることになると考えられる。
(例)・ 校長人事
教職員人事
教育方針の決定
予算計画
学校の教育活動の評価
2「コミュニティ・スクール」の効果的な運営のために、当該校長に必要な権限について
(例)・ 教職員人事
校長裁量経費

(主な意見)
   「コミュニティ・スクール」の提案は人事以外はすでに多くの学校で実施されている。
   特定の学校にだけ人事権を付与することは全体の人事の公平性を欠くことになり問題。
   カリキュラムや予算はともかく、人事については完全な人事権を与えるのでなく、意見を聴いて尊重することを明文化するといった扱いになるのではないか。(再掲)
   人事については最終的には教育委員会が判断するが、学校の要望を一定程度聞き尊重するようにするということではないか。(再掲)
   人事については、校長が教育委員会に要望を出して、教育委員会がそれを判断するが、要望の決定に運営協議会が関与し、これを公表するような仕組みにしていく必要があるのではないか。
   学校の運営である以上、最終決定権者は校長であり、地域の意見をどこまで反映させるかという問題ではないか。(再掲)
   東京都の高等学校では地域も含めた連絡協議会で学校の教育活動を評価しており、参考になるのではないか。
   校長のリーダーシップの必要性が指摘されることが多いが、実際には人事にも予算にも権限がないことが問題。
   権限には責任が伴う。運営協議会への権限を委譲する場合の責任の所在はどこになるのか明確にしておく必要がある。


   「コミュニティ・スクール」の評価の在り方について

(主な意見)
   英国の学校には厳しい外部評価が課せられる。モニタリングの仕組みがないままに権限だけ委譲すると混乱を招く。まず今の制度下でできることを進めながら、評価の仕組みを整備していくことが大事ではないか。(再掲)
   権限を委譲することは責任も委譲するということである。それを担保するために評価が重要。
   公教育の公平性・公正性・公共性を担保するためには評価が重要。評価の観点や項目と、各学校が特色を持つということとの整合性にも留意すべき。



参考    新しいタイプの学校運営の在り方に関する実践研究」における取組例(イメージ図)(PDF:27KB)



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