中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会
総則等作業部会(第6回)
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日 時 平成15年7月23日(水)10:00〜12:00
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場 所 フロラシオン青山 はごろも(1階)
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議 題 議論のまとめ(2) |
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配付資料
(机上資料)
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中央教育審議会答申、教育課程審議会答申 |
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小・中・高等学校等の学習指導要領 |
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諮問文、文部科学大臣諮問理由説明、初等中等教育局長補足説明等 |
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第1回〜第5回総則等作業部会配布資料 |
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出席者
(委 員)
安彦主査,浅田委員,今井委員,小栗委員,小久保委員,中許委員,西村委員,船津委員
(事務局)
| 文部科学省: |
金森初等中等教育局審議官,河野主任視学官,大槻教育課程課長,今里教育課程企画室長 |
国立教育政策研究所:月岡教育課程研究センター長 |
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議事等 |
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事務局より,資料2及び資料3について説明が行われた。 |
| (2) |
審議のまとめ(案)について,審議が行われた。主な発言は以下のとおり。(○=委員,△=事務局) |
○ まず「第1章 新学習指導要領や子どもたちに求められる学力についての基本的な考え方等」については,どうか。
○ 第1章−2「また,昨今の学力低下に関する議論は(中略)学力をどのように捉えるかの差異が問題となっていると思われる」とあるが,これに対する回答が全文の中で十分に果たし切れていない。[確かな学力]という言葉でそれを示していると思うが,これまで答申で使ってきた「学力」と今回の[確かな学力]の違いをより明確にしていただきたい。[確かな学力]というからには,「確かでない学力」という言葉の定義があるはずで,そのイメージがつかめない。
また,第1章−1「基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせ」と「教育内容の厳選」との時間軸的な難しさが解決されていないことが最大の問題ではないか。基礎・基本をおろそかにせず,それに加えて,自ら学ぶ力をつけることは,時間のかかることであり,学校週5日制の中ではかなり大変なことである。
○ 第1章−1の(新学習指導要領の基本的なねらい)については,よくまとめられている。「基礎的・基本的な内容を確実に身につけさせ,自ら学び自ら考える力(中略)をはぐくむ」とつなげて表現されているのはよい。
従来のやり方をそのまま学校で展開しているために,忙しいととらえられている面があるのではないか。今回のまとめでは,教える中身,指導法の改善,工夫を含め,学校教育の質的な転換を強調するとよい。
○ [生きる力]についての記述が少ないために,[確かな学力]と[生きる力]の位置づけがわかりにくい。[確かな学力]があって,[生きる力]がはぐくまれるという位置づけを明らかにし,[生きる力]についてきちっと説明しておくべきである。[生きる力]とは明らかに社会とのかかわりにおいての力であり,[確かな学力]はどちらかというと学校においての力であって,はっきりと違いが出るのではないか。
現在,子どもたちは学校にいるが,学校も地域社会の中の一つの組織であるから,勤労観や職業観,また進路などの個人と社会とのかかわりについての記述を[生きる力]の中で深めた方がよい。また,社会的適応力という観点から,職業意識やキャリア意識も持ち込んでもよいのではないか。[生きる力]は,思考力,判断力,考える力だけではなく,より具体的な,意思決定力や,結果責任意識などを書き込むことで明確になると思う。
○ 学力については,より明確になっており,基本的にはこの考え方でよいと思うが,平成12年の教育課程審議会答申における学力についての記述との整合性は考えておく必要がある。
また,第1章−3の

については,[確かな学力]をどう評価するかということでそのとおりだと思うが,

でもまた「学力」と出てきていて,その違いが分かりにくい。
○ ここだけ単純に「学力」という言葉が出てくるので,むしろほかの項目と合わせて,思考力・判断力・表現力などの力を示したほうがよいと思う。
[確かな学力]について,より明確にし,[生きる力]との関係もより明確にする。知的側面という言い方でもそれなりに伝わっていると思うが,同時に,[生きる力]の一部を学校で[確かな学力]として育てるという点をつけ加えたいがどうだろうか。
○ その点は,[生きる力]を学校で育てることが最終的なねらいであり,そのために,教員がどこから取り組むのかといったときに,それ以外の力もあるが,今回は[確かな学力]という面から取り組んでいこうということを宣言しているのだと思う。基礎・基本と,例えば自ら学ぶ力は同じ中に含まれているもので,それを別のものと考えるのではなく,ここでいう「学力」とは,本当に子どもに身につけさせたいものを意味している。
よって,新しい学力としてまた新たな考えを出してきたのではなく,教員がどこから取り組むのかということであり,それが第1章−2「育成を行っていくために,まず『生きる力』を知の側面から捉えた」の記述だと思う。
○ [生きる力]の定義をまたし直すというものではないし,むしろ今言われたような関係づけの部分を,はっきりさせればよい。
○ [生きる力]も「学力」も全部包括されてしまえば,[確かな学力]をつける必要性が理解しにくいので,[生きる力]をはぐくむために[確かな学力]をつけていこうという雰囲気にしたほうがよいのではないか。ただし,[生きる力]というのは社会とのかかわりが強いので,その部分の記述を深めればよいと思う。
○ [生きる力]と[確かな学力]の関係の部分は少し意識して修正したい。
第2章−1「学習指導要領の『基準性』の一層の明確化」はいかがか。
○ (2)の(学習指導要領の記述の見直し等)の,「学習指導要領に示された各教科等及び各学年の目標や内容の趣旨を逸脱しないこと(中略)無制限に行われることがないように配慮すべきである」の主語がわからない。また,無制限とは一体どういう状態をいうのか。上級学校への接続の問題が常に気になっており,教える教員だけが配慮すべきかどうかを判断して,客観的なところが何もなくてよいのか気になる。
また,(2)の(入学者選抜における取扱い)に,「特に,大学にあっては,各大学がそれぞれの方針に基づいた選抜をどのように行っていくのか,すみやかに検討していくことが求められる」とあるが,この表現で本当に大学の入試についての歯どめになるかが心配である。もう少しはっきりとした表現のほうがよいのではないか。
○ 学習指導要領の道徳などで,「学校の教育活動全体を通じて行う」という表現があるが,この表現は教育課程以外の例えば部活動や生徒指導などの活動も含むのか。
△ 部活動や生徒指導などの学習指導要領に示されている内容以外の部分も含んでいる。
○ 学習指導要領の「基準性」については,記述の見直しと書かれており,よいと思う。小学校では,学習指導要領に記述があっても,指導する際には教科書が中心になるため,教科書について,何らかの言及をしておかなくてよいのか気になる。
△ 発展的な学習についての指導と教科書とのかかわりについて,このまとめの中で言及することはあり得ると思う。
○ 第2章−2「教育課程を適切に実施するために必要な指導時間の確保」についてはいかがか。
○ (1)の(授業時数の「標準」の趣旨等)の「個に応じた指導などの指導方法,教材等の工夫を行うといった指導の質を高めるという面も含めて,指導に必要な時間を確保することがその趣旨である」については,必要ではあるが,これを考えることに時間とエネルギーが必要であり,現状ではそこまで時間を割く余裕がない。
また,(2)の「実質的に指導に必要な時間を確保する」のところは分かりにくく,説明が必要である。指導方法や指導体制の質的な改善については,例示や他機関における研究が必要ではないか。
私立学校に生徒が流れているという意見,中学生で塾へ行く生徒が増えていることや,日本の子どもたちが階層化していく危険性が高いのは問題ではないかとの意見もあるので,各教育委員会の判断による学校週5日制の弾力的な運用について検討いただきたい。
○ 学校週5日制はむしろ望ましい方向だと思う。高校は今年度から新学習指導要領が始まったばかりであり,検討についてはもう少し経験と時間が必要ではないか。
○ (1)の(授業時数の「標準」の趣旨等)に「教材等の工夫を行うといった指導の質を高めるという面も含めて,指導に必要な時間を確保することがその趣旨である」とあり,内容を充実すれば時間が有効に使えるという雰囲気で書いてある。同じ時間をかけるなら質的な充実を図ってほしいということであって,質的な充実を図ったら相対的に時間が短くなるということではないと思う。
○ 従来の指導の仕方を前提にするという意味ではないことを明確にする。
○ 「(2)当面の充実・改善方策」で,授業時数の管理について記述することは,それぞれの時間を意識して充実させるという意味において,非常に効果があると思う。ただし,「校長判断による長期休業日の増減や二学期制等の学期区分の工夫等について」とあり,各教育委員会が行うべきだということはそのとおりなのだが,「校長判断による」という文言は一部に誤解を与えるのではないか。
△ 各学校に委任されている場合があり,そういう意味を含めて記述したが,確かに誤解を招きかねない。
○ その点の表現は改めたい。
次に,「3『総合的な学習の時間』の一層の充実」はいかがか。
○ 今回,「総合的な学習の時間」が[生きる力]をはぐくむ一環として導入されたが,これまでも,教員は子どもたちの[生きる力]的な部分を育てたいという気持ちを持って教育活動に取り組んできており,教育課程外の活動が重要な部分を担ってきた。よって,教育課程内に改めて導入する意味や,道徳と特別活動の兼ね合いについて,より一層明確にしていただきたい。
また,教育課程外の活動についても,一方的に盛んにならないよう何らかの「はどめ」などがあるべきではないか。時間的な問題やエネルギーの問題があり,なかなか問題処理ができない現状である。
○ 「教育課程外の内容も含めて」という表現や,部活動などを念頭に置いた文言を加えることを検討したい。
○ 全体的に学校の中だけで取り組むような発想で記述されていると感じる。社会教育関係者は,「総合的な学習の時間」は,学校教育と社会教育の連携から融合に進む中での具現的な授業として設けられたと受けとめている。より一層,地域の教育力を取り入れて行うという姿勢が必要ではないか。12ページに「学校間連携や外部との連携」とあるが,「外部」だけでは分かりにくいので,社会教育施設・機関といった具体的な表現にしていただきたい。全国の少年自然の家では各教育委員会や学校と一緒に「総合的な学習の時間」に取り組んでいる。また,地域の教育力をつかんでいる公民館が社会奉仕体験活動や自然体験活動等の機会を学校に提供していくことにより,学校がもっと地域社会に出てこられる。
池田小学校の事件以来,学校開放が下火になってしまい,学社融合ということも出てこなくなって心配している。よって,ここのところは,社会教育との連携・融合のようなニュアンスが出るようにしていただきたい。
○ 部活動の指導については,教員の本務であるかどうかが曖昧であり,教員の愛情に頼っている面があるので,今後,スポーツ・青少年局と合同で,特別活動も含め早急に考えていただきたい。
○ ここでの「外部」というのは,「総合的な学習の時間」に必要な社会教育的なものとの連携という趣旨であり,その部分を記述することは可能であると思う。
○ 小学校では,[生きる力]をはぐくむためには,「総合的な学習の時間」を一層充実しなければならないと思っており,「学習指導要領の記述の見直し等」のところは,もう少し踏み込んだ表現にするとよい。ただし,「総合的な学習の時間」については,学校種によって違いがあると思うので,学習指導要領の記述を一律に見直すことは,少々無理があるのではないか。「各学校における取組内容の不断の検証等」については,各学校が大いに努力していく必要があると思う。
「教員の役割・責任を明確にし,教員が明確な目標及び内容をもって行き届いた指導を行うこと」とあり,そのとおりではあるが,そういうことについての「総合的な学習の時間」の研修をどこかでやらなくてはいけないと思う。どこかに「研修」という文言を入れていただきたい。
○ 学校現場は,新しい教育課程の目玉である「総合的な学習の時間」について,依然としてあまり好んで取り組もうとしないムードがある。よって,一層の充実を図るためには,研修の実施とともに,具体的に「総合的な学習の時間」をプロデュースしていく組織,あるいは学校の体制の提案があればよいと思う。
○ 企業の教育担当者などは,様々なことを子どもたちにやらせたいと思っているが,「総合的な学習の時間」において,補助スタッフとして学校の中で世話をしたりアレンジしたりということは,民間の人にやってもらってもよいのか。また,教員が呼んだ人が活動するのではなく,教員とチームを組んで,アドバイザーのような形で取り組むような形態はどうか。
△ 外部の方が入っても,教員と一緒に行えば問題なく,そのような取組は幾つも例がある。
○ 「総合的な学習の時間」がうまくいかない要因の一つには,教員の意識の問題があると思う。研修は必要であるが,教員の勤務時間の中でどれだけできるのかという問題がある。行政の施策は,ビルドして現場で取り組むとよいという考え方で出てくるが,そのためにはこれをスクラップすれば時間が生じるという提案や,スクラップをする部分をつくっていただきたい。そうしなければ,教員にゆとりがなくなり,生徒たちに正面向かって教育がしづらくなる。
○ それぞれの意見については,国,教育委員会に対する要望として何らかの形で反映させていければと思う。
次に,「4『個に応じた指導』の一層の充実」と「5教育課程及び指導の充実・改善のための教育環境の整備等」についてはどうか。
○ 「5」の(新学習指導要領の趣旨やねらいについての継続的かつ積極的な周知)に「また,保護者や国民一般に対しても,国及び各教育委員会,各学校において,『総合的な学習の時間』や『個に応じた指導』の取組等,新学習指導要領の趣旨やねらいについての継続的かつ積極的な周知を図ることが必要である。」とあるが,これまでは,文部科学省から各教育委員会,教育委員会から各学校,学校から保護者という過程を経ることもあり,学校の責任もあると思うが,保護者まで趣旨が伝わっていなかった。よって,文部科学省としても,保護者や国民一般に直接説明することが大事ではないか。
△ 文部科学省としても,新学習指導要領の導入に当たっては,「教育改革フォーラム」やPTAのフォーラムなどを通じて,保護者や国民一般に対して説明しているが,その他の媒体も通じて引き続き積極的に取り組んでいきたい。
○ ホームページなどはもっとPRする必要があると思う。
○ 「学習指導要領の記述を見直す」という記述が何ヵ所かあるが,具体的にどう見直すかは,事務局の責任になるのか。
△ この後,教育課程部会としての中間まとめをいただいた上で,公表し,様々なご意見を踏まえて,さらに審議を重ねて答申をいただくという形になる。答申を踏まえて,文部科学省で改正案を作成し,告示の前に審議会で意見を承る機会があると思う。
○ 教員の研修については,教員に全部責任があると受け取られないよう,表現を工夫していただきたい。答申を受けて,どう実行されるかが大切である。学校現場にすべてのしわ寄せがいかないよう,具体的で実現可能性のあるスケジュールやプランをあわせてまとめていただきたい。
△ 今後の議論にゆだねられる部分があるが,秋に答申をいただいた上で,学校や教育委員会が翌年度の計画を立てるまでに間に合うよう,学習指導要領の一部改正を告示し,通知を含めた周知徹底を図りたいと思っている。
○ その点については,教育課程部会で決めることであると思うので私のほうから付言させていただく。
○ 「3」の(各学校における取組内容の不断の検証等)に,「評価の在り方」とあるが,これは評価をするという前提で「評価の在り方」なのか,評価をするかどうかということも含めての在り方なのか,どちらか。
○ 評価をするという前提であり,既に実施しているところである。
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審議のまとめ(案)については,委員の意見を踏まえて修正し,修正の内容は主査一任とすることで了承され,内容を確定した上で,審議のまとめを教育課程部会へ報告することになった。
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| (4) |
事務局より今後の日程について説明があり,閉会となった。 |