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資料8 小学校段階における教育目標の明確化等についての意見

平成17年10月31日

中央教育審議会初等中等教育分科会
 教育課程部会長 木村 孟 殿

全国連合小学校長会長 寺崎 千秋

 中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会が、我が国の初等中等教育の教育課程に関する重要事項を精力的に調査審議を進められていることに敬意を表します。今回の「小学校段階における教育目標の明確化等について」のお尋ねに対し、全国連合小学校長会としての意見をとりまとめましたので、下記により提出いたします。

1.「「基礎・基本」の徹底」、「自ら学び自ら考える「力」の育成」について

(1)教育目標の明確化・体系化について

 全連小は先に「基礎的な知識・技能と自ら学び自ら考える力は相互に関連させながら総合的に育成すべきものである。」との意見を申し上げた。今回はその基盤に立って意見表明をしたい。

(ア)「生きる力」を育てることは「人間力」を育てること

 中教審義務教育特別部会は「学校の教育力(「学校力」)を強化し、教師の力量(「教師力」)を強化し、それを通じて、子どもたちの「人間力」の豊かな育成を図ることが国家的改革の目標である。」と述べている。「人間力」がこれからの社会を生き抜く理念であるなら、学習指導要領に示された「生きる力」を発展させた理念と捉えて良いと考える。人間力戦略研究会の報告書によれば、「「人間力」とは、この理念(生きる力)をさらに発展させ、具体化したものとしてとらえることができる。すなわち、現実の社会に生き、社会をつくる人間をモデルとし、その資質・能力を「人間力」として考える。本委員会の採用した人間力の定義とは、「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」ということになる。」としている。
 また、その構成要素を

  1. 「基礎学力(主に学校教育を通じて修得される基礎的な知的能力)」、「専門的な知識・ノウハウ」を持ち、自らそれを継続的に高めていく力。また、それらの上に応用力として構築される「論理的思考力」、「創造力」などの知的能力的要素
  2. 「コミュニケーションスキル」、「リーダーシップ」、「公共心」、「規範意識」や「他者を尊重し切磋琢磨しながらお互いを高め合う力」などの社会・対人関係力的要素
  3. これらの要素を十分に発揮するための「意欲」、「忍耐力」や「自分らしい生き方や成功を追求する力」などの自己制御的要素

 などを挙げており、これらを総合的にバランス良く高めることが、人間力を高めることとしている。
 義務教育特別部会で「人間力」の理念を採り入れたことから、これらの視点から基礎基本、自ら学び自ら考える力なども再構築することが必要である。

(イ)学校教育は目標が多すぎ、何を実現するのか不明確になっている。この点整理し、より明確になるようにしたいものである。

中教審義務教育特別部会は「義務教育の目的は、一人一人の国民の人格形成と、国家・社会の形成者の育成の二点」としている。学校教育法では、第17条「小学校は、心身の発達に応じて、初等普通教育を施すことを目的とする。」とし、小学校教育の目標を第18条で八項目挙げている。

  1. 学校内外の社会生活の経験に基き、人間相互の関係について、正しい理解と共同、自主及び自律の精神を養うこと。
  2. 郷土及び国家の現状と伝統について、正しい理解に導き、進んで国際協調の精神を養うこと
  3. 日常生活に必要な衣、食、住、産業等について、基礎的な理解と技能を養うこと。
  4. 日常生活に必要な国語を、正しく理解し、使用する能力を養うこと。
  5. 日常生活に必要な数量的な関係を、正しく理解し、処理する能力を養うこと。
  6. 日常生活における自然現象を科学的に観察し、処理する能力を養うこと。
  7. 健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養い、心身の調和的発達を図ること。
  8. 生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸等について、基礎的な理解と技能を養うこと。

 また、第18条の2(平成13年追加)において次のように規定している。

 小学校においては、前条各号に掲げる目標の達成に資するよう、教育指導を行うに当たり、児童の体験的な学習活動、特にボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動その他の体験活動の充実に努めるものとする。この場合において、社会教育関係団体その他の関係団体及び関係機関との連携に十分配慮しなければならない。

 これを見る限り、義務教育が目指すべき目的、目標は明確であり、初等普通教育の内容は明示されており、学校教育でなすべき事が大まかにわかるようになっている。また、これらの条文により、何について、どのような方法で、どのような力を、どうするのかが示されており、学習指導要領はこれらの条文に基づいて作られていることがわかる。
 従って、学習指導要領が総則、各教科、道徳、特別活動で構成されているのである。
 学習指導要領では「各学校において,児童に生きる力をはぐくむことを目指し,創意工夫を生かし特色ある教育活動を展開する中で,自ら学び自ら考える力の育成を図るとともに,基礎的・基本的な内容の確実な定着を図り,個性を生かす教育の充実に努めなければならない。」とされており、教育課程編成の中で目標が定められている。「生きる力」は「確かな学力」「豊かな人間性」「健康・体力」の三つの柱からなっているが、これらについても下位目標が設定されることになる。
 また、各教科、道徳、特別活動には固有の目標があり、その目標実現のための内容が設定されている。
 また、学校には学校教育目標、教育委員会には行政単位で教育目標があり学校の目標を規定する項目が作られている。さらには、社会の要請として、学習指導要領には示されないが、金銭教育、租税教育、放送教育、…と呼ばれるものがあり、目標と内容を提供してくれている。
 とにかく学校は目標ばかりが目立ち、教育活動を展開している現状があり、全体と部分との関係がぼやけたものになってしまっている。これを整理していく必要がある。

(ウ)義務教育の機会均等、水準の維持等を考えると国の基準は最低限必要である。その基準を学校の実践に有効に働くよう示し方を工夫してほしい。

 「学校において編成する教育課程とは、学校教育の目的や目標を達成するために、教育の内容を児童の心身の発達に応じ、授業時数との関連において総合的に組織した学校の教育計画である。」(総則解説)とされ、各学校で指導要領等を基準に作成することになる。
 学校では、学習指導要領に示された授業時数や総則、各教科、道徳、特別活動を基に、学校の置かれた状況(児童の実態、家庭・地域の実態等)を判断しつつ、教育課程の編成を行っている。
 実践は年齢を基準とした学年を単位として集団をくみ教育を行っている。しかし、学習指導要領は、学校教育法の教育目標を受けて作られたものであるため、教科ごとの目標の中に、学年ごとの目標、内容、内容の取り扱いが示されている。つまり、総 則で理念・授業時数・配慮事項等を示してはあるが、教科中心に示されており、この構成は何十年と変わっていない。
 学校で教育指導を行うについては学習指導要領で示された目標・内容等を再構成しなければならず、学年の教育課程全体が見えにくいものになっている。教科の系統性は見えるのであるが、学年の実践段階では全体が見えにくく、指導にばらつきができてしまうことが多い。教員の資質によっても解釈の違い、指導の違い等の問題があり、発達段階に即した目標内容の設定が全体と部分を関連させて有効な資質能力の育成ができにくい。
 「生きる力」の「確かな学力」「豊かな人間性」「健康・体力」の三つの柱から学年の全体目標を作り、その下に教科等の目標・内容等を示してくれると、教育課程編成には役に立ち、指導要領自体を大切にすると考えられる。学校の現状は、学習指導要領より教科書会社の指導書を大切にしているのが実態である。
 中学校教育との関連から、教科の系統性が必要な面も当然あるので、現行の示し方も残して良いと考える。

(エ)実践化するための理論を大事にしてほしい。

 「新しい学力観に立つ教育課程の創造と展開」(文部省平成5年9月)によれば、当時「自己教育力の育成」と「個性を生かす教育」の実現を目指しており、それを実践化するための理論として、「新しい学力観に立つ教育」と「子供のよさを生かす教育」を文部省が提唱した。
 新しい学力観のとらえ方は、これまでの「学力」は知識・理解・技能のレベルでとらえた狭義の学力で、新しい「学力」は生きて働く力としての諸能力と広義にとらえるもので、「学ぼうとする力」(意欲)、「学ぶ力」(学び方)、「学んで得た力」(知識)と解釈している。
 また、「学力観」は、学力とその学力形成の問題を統合して考えたものであり、ア学力の基本的な考え方、イ学力形成に当たっての学習内容の問題、ウ学力形成に当たっての学習指導など、教育方法の問題、エ教育実践全体の問題と受け止める必要があるとされていた。
 新しい学力観に立つ学習指導では、

  1. 子供の考え、夢や希望などの思いや願いに基づき、よさ、可能性を生かしながら展開する。
  2. 環境のよさと関わりながら豊かな心が組み込まれる過程にする。
  3. 学習指導と表裏一体を成す評価の改善。
  4. 子供が自ら考え主体的に判断し、表現できる資質や能力の育成を基礎的・基本的な内容の中核にし、子供が自らの力によって獲得することを基本とする。
  5. 家庭や地域との連携…よさを発揮する場、体験の確保。学校週五日制
  6. 基礎的・基本的な内容…子供の側に立ち、子供が身に付ける必要がある資質や能力としてとらえる。…弾力性、多様性のあるもの

 また、子供のよさや可能性を生かす教育は、「子供一人一人が豊かなよさや可能性をもち、それを発揮しつつ、主体的、創造的に生きることができる資質や能力を育てる教育」をさしており、

  1. まず、子どもありきという考えに立つ。
  2. 子供は、本来、様々なよさや可能性を内に秘め、よりよく生きたい、より向上したいという望ましい欲求をもった存在としてとらえる。
  3. 主体的な学習活動を重視…内発的動機を重視
  4. 適切な教材の選択と人間関係を豊かにする配慮。
  5. 学習の過程を大切に、子供一人一人が生きる評価の重視。

 これらのことは、考え方において「不易」の部分であり、「生きる力」をはぐくむ実践理論としても役立つと考えられる。このたびの改訂においても、不易の部分、教育の基礎基本を大切にしていただきたい。

(2)指導上、児童(生徒)の発達や学年の段階ごとに重視すべき点(幼稚園や中学校との連携の在り方を含む)

(ア)生きる力を育てるためには、子供の問題解決力を段階において育てること。

 『これはなんだ。それは大きいか、小さいか。遠いか、近いか。どこか。いつだ。どんな原因ですか。なんの目的ですか。いくらか。等々…
 すべてこれらの疑問は、われわれがすでに、心の中にもっている構造との関連においておこっているのだ。つまり、どんな人も各自の心の中に、分類、系列化、説明体系、自分-個だけの空間、時間、価値尺度などをもたぬものはない。また、各自は、そのような自分-個にしか通用しない時間、空間などの外に、社会に通用する時間、空間、数系列の体系をもっているものである。で、このような構造は疑問が起こると突然出てくるのではなく、その人の一生を通じて心の中にあるのである。
 われわれは、子供の時から事物が出てくれば、それを分類し、比較し、時間、空間の中に秩序だて、説明し、目的と手段とを評価し、計画し、等々のことをやっているのである。
 で、新しい事実が現れてきて、それがまだ分類されておらず、系列化されておらず、説明されておらないとき、まさにその程度に応じて「問題」が提起される訳だが、それはこの心の中の全体体系との関連においてなのである。…』
 (ピアジェ『知能の心理学』p.86)

 上記のように、どんな小さな子供であっても「認識の機能」は大人と同じであり、習熟の程度が違っているにすぎない。学校教育は「自分探しの旅を扶ける」ことであるが、要は意識化させたり、自覚させたりしていくことであり、気づきができない場合は必要なことは情報提供したり、教えたりして指導し、社会に適応できるより望ましい力を身に付けさせることであると考える。
 たとえば、生活科で「春の公園」では、公園の木に自分の名前を付して、その木の変化を季節ごとに観察し比較することによって問題意識を高めたり、町探険に行ってお店の様子と働く人に着目し、問題をもつなど、これらは低学年の生きる力に結びつく問題解決の過程である。自分だけのものから社会に通用する考え方や方法を身に付けていくのだと考えている。
 このようなことを考えて問題解決学習を中心に、子供に魅力ある学習の場を与えていけば、「生きる力」の「確かな学力」に示されている思考力、判断力、表現力、課題発見力、学ぶ意欲、学び方、知識・技能、問題解決能力を伸ばすことができる。
 学校では、「1分間スピーチ」を「朝の時間の活用」や「ゆとりの時間の活用」(52年指導要領)「国語のスキルの時間」などで実践してきている。話題は自由(出来事、自分のこと、高学年ならニュース関心など)、人前で話すことになれる、自己課題の追求のために等様々な目的や目標をもって実践されてきた。実践に当たっては、最初は400字詰めの原稿を渡し、書き方を教えることからはじめ、何が言いたいのか聞き手に分かるように書かせる、先生が読んでよい表現・考えに丸を付ける、話す順番を決め毎日数人ずつ発表させる。
 発表に当たっては、原稿を暗記させる、まっすぐ立ちものにさわらない、礼儀をきちんとする(聴いてください…聴いてくれてありがとう)(聴かせてください…聴かせてくれたお礼に感想を言う)等を大切にする。相互に向上し合うことに結びつく。
 高学年になればなるほど、自分を知り自分の考えをもつようになる。自分を見つめることができると同時に他者を思いやることができるようになる。
 これらを経て大人になった子供からは、入試の面接に役立った、人前で話すのが怖くない、結婚式のスピーチに役だった等の話が聞かれる。また、1分で原稿用紙1枚、2分なら2枚と予測をもって対応できるなども身に付いた力になっている。
 算数についても低学年の時から具体物の操作を通して、課題解決学習を重視している。一人学びでは、ブロックを操作したり、テープ図を使って考えたりして自力解決を図ることを重視し、みんなで学ぶ過程では、一人学びで得たことを他者に表現し、比較し、共通性と差異を認識することを大切に扱い、解決のよろこびなどを味わわせている。思考のための道具を身につけさせ解決に至る過程の繰り返しが、学年発達に応じて学びの見通しを持たせ、多様な見方考え方ができるようにさせ、法則化や一般化、統合へと連続し、習熟していくものと考えている。これらをまとめると

  • 低学年:体験を通して、数量や図形の感覚を育てる、知る楽しさ・できる喜び・考える充実感を味わわせる、操作的活動を重視
  • 中学年:既習事項を基にした創造的な思考活動を重視、具体から抽象への過程、図などのモデル化を重視
  • 高学年:論理的に説明する力を育てる、式のよさを感得して式を用いて表現・処理する力を育てる

 このような系統性がとらえやすい学習指導要領が示されることを期待したい。
理科学習においては、見通しを持たせ問題解決を図ることを大切にしている。特に3年生では共通性と差異、4年生では変化、5年生では条件の付与、6年生では多面的な見方・考え方について指導し、個の状態から仕組み、個体差から種の特徴、部分から全体への認識を深めることを重視している。漠然と見るからマクロ的に見る、ミクロ的に見るといった学び方も大切にし、自然のすばらしさ、命のすばらしさなどを感受し生きる希望などへ結びついてもらいたいと願っている。
 現行学習指導要領では、科学的な見方や考え方、問題解決能力の育成が重視されており、この目標は現行どおりでよい。しかし、科学のおもしろさにふれる機会があまりにも少なすぎる。3年生から理科が始まることから考えて、小学校理科は「A生物とその環境」といった示し方よりも、次の内容から示すことも考えたい。

  • ア 科学に親しむ実験・観察
  • イ 仮説を立てて追究し、説明する問題解決
  • ウ 生活に生きるものづくり

(3)小学校段階における各教科等間の関連

 スピーチと教科学習を考えてみても、課題解決学習という面からつながっている。課題解決学習は学習問題・自己課題・予想・方法の選択・検証・まとめ・日常の生活化など一連の過程を通じて解決力を高めるものである。
 国語とは、読みの課題でつながるとともに、論理的な思考、言語の精選、表現で
 社会とは、学習過程で、課題の発見、資料の精選・選択、
 算数とは数学的な考え方において、理科とは実験・観察、総合的な学習とは体験、追究課題等のあらゆる過程でつながっている。特に、自分の考えの明確化という点で共通である。
 「生きる力を育てる各教科等の指導」(平成8年、東京都教育庁初等教育指導課)が作成した資料を参考にされたい。

2.各学校の特色を生かす教育の在り方について

(1)小学校段階の学校の特色を生かすための枠組み(例えば学校設定科目等)とその留意点

  • (ア)現在、小学校では総合的な学習の時間に(105時間~110時間)を当てている。研究開発学校をのぞいては基準に従うことになるため、総合的な時間の中での活動を設定するか特区申請による科目設定やカリキュラム開発を行っている。今後益々地方分権が進むことになれば、特区申請によるものが多くなると思われる。そこで、総合的な学習の意義を認めながらも、35~40時間は他の教科科目の時間としていくことが望まれる。
  • (イ)特区指定ということで多くの行政体が、外国語学習、日本語学習、新カリキュラム編成などを行っているが、これらが今後も認められていくとすれば、国が定めた基準、学習指導要領の基準等があってなきがごときになる可能性を秘めている。学校設定科目等の構成についても授業時間の設定についても弾力的にできる枠作りをしてもらいたい。

(2)国として定める小学校段階の共通指導内容の在り方

 現行学習指導要領の指導内容が少ないとの指摘があるが、「生きる力」を育てる教育のシステム内で充実させることが重要である。学校では知識の生成過程を踏まえ、学習計画をたて指導を行っている。塾へ行っている子は、問題の解き方に習熟しているといえるが、必ずしも原理を知って説明できる子が多いとは言えない実態がある。他国のように行事、特別活動等のない学校システムを作れるのであれば、内容・時間の課題は解決できるであろうが、保護者の考えの中には、塾と同じことをやってほしいとの要求はない。また、保護者は人としての在り方を学ぶ学校を望んでいる。従って

  • 生きる力を育む指導を中心としたものを踏襲すべきである。
  • 各教科の目標、指導内容を明確に示す。
  • 小学校教育で習得させる基礎・基本を焦点化し、学校が裁量できる時間を確保する。

3.「子どもたちの変化への対応」、「社会の変化への対応」について

(1)基本的な生活習慣や学習習慣の確立に当たっての家庭との具体的な役割分担の在り方(例えば、いわゆる小1プロブレムを含む。)

 学校教育は家庭教育の基礎の上に築かれていくことが望ましいが、この状況にあるところは少ない。中教審の「幼児期からの心の教育の在り方について」答申「新しい時代を拓く心を育てるためにー次世代を育てる心を失う危機ー」で提言されてきたようには見直しは進んでいない。いくつかの都市や教育委員会が「心の教育」について運動を展開したり、行動を進めてはいるが必ずしも効果が上がっているとは言い難い。
 学校では、新1年生の保護者に対して、学校生活が円滑に進められるように、身に付けておいてほしいことを話して協力を求めている。

 言葉に関すること

  • 自分の名前がいえる。
  • 「はい」の返事がはっきり言える。
  • あいさつができる。
  • 必要なことがはっきり言える。

自分に関すること

  • 洋服の脱ぎ着が一人でできる。
  • 学校のトイレで用が足せる。
  • 自分の持ち物が分かる。
  • ものを大切にする。

食事に関すること

  • 食事は20分くらいで食べ終わる。
  • 食事中は落ち着いて食べることができる
  • 好き嫌いをしないで、何でも食べる。
  • 食前、食後のあいさつができる。

遊びに関すること

  • 誰とでも仲良く遊べる。
  • 自分勝手にしないで遊べる。
  • 安全に注意して遊べる。

 など

 個人として最低限できることが大切であるが、集団生活ができないのであれば、家庭に協力してもらわねばならない。学校は、今、説明責任を求められている。権利の主体としての保護者であることから、公教育としての住民サービスの一部と考えられる。また一方で、学校が選択されるような状況にある。権利の主体としての保護者が選択した学校であるなら、義務を果たしてもらわなければならない。
 これからの時代、学校の目的・目標を明確に理解して、学校と契約を結ぶということが考えられなくてはならないと考える。義務の主体としての保護者は、自己責任を果たす手だてが考えられなければならない。PTAや学校評議委員会との連携を図り、具体化する必要がある。
 先に学習指導要領の示し方を学年単位にした場合、生きる力を育てるという面から家庭の協力の項目を起こして具体的な提言ができる。教科中心の示し方ではこのことは総則にとどめるを得ない。このような点も考慮に入れてほしい。

(2)社会の変化に対応した教育内容の改善

 時代と共に、様々な変化があるが、今の課題に対応していても、子どもが大人になる頃にはまた違った課題が生じている。その変化に対応できる力を育てていくことである。それが、自ら学び自ら考える人間の育成である。基本は、「ものを大事にする」「人に親切にする」などといった価値観を育てることである。道徳の時間の内容を、社会の中で生きる人として必要な事柄を具体的に示すことでよい。

4.その他直面する教育課程上の課題について

 英語学習については、特区として実施しているところがあるが、基礎・基本の定着と個性を伸ばす教育という観点で必要なことから教育課程の改訂に着手(国語や算数の充実、総合的な学習の時間の在り方の検討を優先させる)し、国として条件整備を行った上で実施してもらいたい。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)

-- 登録:平成21年以前 --