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資料5 「「基礎・基本」の徹底」、「自ら学び自ら考える「力」の育成」について(論点案)

平成17年10月24日

 学校教育については、各種調査においても、学力の低下や指導のばらつきについての不安が指摘されている。
 もとより保護者の70パーセントは、学校に満足していると回答(義務教育意識調査)しており、平成15年度小中学校教育課程実施状況調査では、全体としては、各学校における基礎的事項を徹底する努力等により学力の低下傾向に若干の歯止めがかかっているが、国語の記述式問題の正答率や学習意欲、学習習慣に課題があると考えられる。(各種調査の概要)

  • 保護者の76.1パーセントが学力低下を心配(全国PTA協議会調査)
  • 教員の約8割、保護者の約6割が「国語や算数・数学などの教科の授業時間数を重視すべき」と回答(義務教育意識調査)
  • 約6割の保護者が教育内容を増やすべきと回答(内閣府インターネットによるWebアンケート)
  • 総合的な学習の時間に関して、「教師の力量や熱意に差があり指導にばらつきが出る」、「国で指導内容や学習活動を明確にすべき」などの意見が多数(義務教育意識調査)

 このような課題に対応するためには、1.国として教育内容の量や授業時間数をどのように示していくかという量的な視点のほか、2.教育内容の示し方をどのように工夫するかという視点が考えられる。1.については、今後各専門部会の専門的な検討を踏まえ審議を重ねることになるが、教育内容の量や授業時間数については、自ずから限りがあり、2.の視点が重要と考えられる。
 そこで、本日は、上記2.の視点から検討をお願いしたい。具体的には、教育内容の量や授業時間数にかかわらず、教育内容の示し方などを工夫して、育むべき力や各教科等の教育内容の相互の関係を明確化することによって、社会経済の変化の中で教育の質の保障と更なる向上を図ることができないかという点について、ご意見をいただきたい(文部科学大臣の審議要請における「学習内容の定着を目指す学習指導要領の枠組みの改善」)。

 各専門部会においては、「「基礎・基本」の徹底」、「自ら学び自ら考える力の育成」という現行学習指導要領の大きなねらいに即して、学校での指導を充実するための手立てを明確化するとの観点から議論を進めてきている。

論点1

 現行学習指導要領においては「生きる力をはぐくむ」という大目標が示されている。全国の各小・中学校において、義務教育の機会均等を担保していくためには、例えば、社会経済の変化などを踏まえ実生活のなかで子どもたちに求められる力といった観点から、もう一段具体的なレベルでの育むべき目標を設定し体系化することにより、わかりやすく示していくことが必要ではないか、現行学習指導要領はこの点が不明確だったのではないかとの意見があるが、どうか。その場合の留意点及びより具体的なレベルでの目標の示し方は如何にあるべきか。

より具体的なレベルでの目標の示し方(例)

  1. 主体性
     判断力・課題解決力、計画力・人生設計力、権利と責任、健康や体力
  2. 自己と他者との関係
     人間関係構築力、協調力・他者の尊重、集団内の利害調整力
  3. 個人と社会との関係
    言語・技術・情報活用能力、課題発見能力、感性・想像力・鑑賞力、文化理解

論点2

 各教科等で育むべき力、例えば、「自ら学び自ら考える力」については、目標とすべき水準を明確化し共通理解とすることが難しいので、範囲や程度を明確にするために、教科横断的な類型化、具体的な活動例の提示などの工夫が必要との意見があるがどうか。

能力の類型と具体的な活動(例)

  • 情報を得、思考・表現する力
     → 読んだことをもとに、A4一枚(1,000字程度)で自分の考えを分かりやすく表現
  • 仮説を立て、観察・実験、討論・論証する力
     → 情報を整理し、分類し、関連付け、表・グラフ・図にまとめる
  • 体験から感じ取ったことを表現する力
     → 感じ取ったことを言葉や歌、絵、身体で表現
  • 学習意欲や学習習慣
    → 読書習慣

論点3

 「基礎的・基本的な知識・技能を定着させる」という目標が示されているが、保護者の学力低下への懸念を払拭するためには、義務教育における基礎的・基本的な知識・技能とは何か、体系的に理解できるよう整理することも大切と考えるがどうか。
 その際、各教科の専門部会では、

  1. 知識・技能の定着や習熟に当たって反復学習や暗記暗誦といった繰り返し学習する場や機会を設けることが有効なものについて、適切な指導が行われるような工夫をしてはどうか(例えば、九九(乗法)や都道府県名など該当する知識の明確化)。
  2. 知識は覚えるだけでは剥落するので、知識の定着に当たって、体験的な理解や意味の理解ということを徹底すべきではないか。
  3. 知識について、理解を深めたり、活用を促すという点を考えると、概念や法則についての理解ということを徹底すべきではないか。

 などの意見があるが、この点どう考えるべきか。

論点4

 論点1~論点3で、目標設定の明確化・体系化という点について論じたが、その際に、指導上、児童生徒の発達段階ごとに重視すべき点、教育内容の特質ごとに留意すべき点があるのではないかと考えるが、どうか。

  • 児童生徒の発達段階ごとに留意すべき点(例)
    • 小学校低・中学年・・・技能(知的・身体的)と感覚(人間(道徳)・自然・社会)の重視具体物を活用した体験的な理解反復学習や暗記暗誦の重視
    • 小学校高学年~中学校・・・体験と理論の往復(概念や方法の重視)討論・実験・表現による思考力育成
      (参考)安彦忠彦委員の昨年9月29日の中教審初等中等教育分科会における意見発表(「小学校高学年の独自性について」)

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初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)

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