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資料1 教育課程部会(第3期第1~5回)における主な意見

1.教育課程についての基本的な考え方

基本的な考え方

  • 現行学習指導要領がねらいとする生きる力は,誰も反対しないのではないか。それを実施する手段として「ゆとりの中での教育」があり,実施するツールとしての総合的な学習の時間があって,今まさに実践の段階にあるということである。
  • 自ら学び,自ら考え,自ら判断し,自ら行動するという生きる力の学力観は現在も異論がないのではないか。
  • 同じ学習指導要領でも現場でどれだけやる気があるかが非常に大切であり,校長が教師のやる気を引き出している学校はいい結果を出している。教育は国家百年の大計のもとにやっており,基礎・基本となる考え方はあまり変えるべきではない。
  • 現行学習指導要領の理念や考え方に誤りはないが,実際にねらいが達成されているか,必要な手立てが十分講じられているかに課題がある。
  • 基本的な考え方として,「生きる力」を目指すことはますます必要になっている。学校と家庭や地域が連携をとりながら生徒指導,学習指導に取り組んでいくことが必要。
  • 学習指導要領の内容について,これまで学問的視点が重視されてきており,もっと社会とのつながりを考え,子どもたちにこういうことを学んでほしいという視点が必要ではないか。
  • 中学校卒業で一人前という社会をもう一度取り戻すため,ものづくり教育や職業観を重視し,子どもたちの達成感やものづくりへの個性の反映などを実際に学び取らせることが必要。
  • 教育の目的には,生活者としての教育,将来の専門家を育てることを目的とした能力を高める教育,主権者としての国民を育てる教育の3つがある。これらは,相互排他的ではなく,年齢によって重点も変わる。
  • 一定のことは暗記し,反復により定着させて,相手に話すことができるようにすべきである。
  • 学ぶということは,自分に足りないものをもっと知りたいという欲求が背後にあり,生徒が学ぶということは大切だが,基礎・基本をしっかりと教え込むということも非常に大切。
  • 限られた時間数の中で教育課程が複雑になるとそれぞれが薄くなってしまうので,必修教科を重視し,時間をかけて徹底すべき。
  • 考える力の育成には,体験を通して言いたいことを作っていくことと,言葉を通して組み立てていくことの両方の強化が必要。
  • 地方分権,規制緩和の推進により,現場に権限と責任が降りることで,現場にやる気が生まれ,学力の向上にもつながっている。
  • 我が国の教育がきちんと行われている原因は,質の高い教員であり,それを前提としているからこそ教育課程の議論も意味を持つのであり,その基本をゆるがせにすべきではない。
  • 子どもたちの「生きる力」を考えたときに,一番優先しなければならないのは,教師の生きる力であり,教師の資質を高めることが必要。
  • 自分で考える力が身に付いていない原因のひとつとして,大学入試があるのではないか。少ない出題教科・科目に勉強の対象が絞られ,また,マークシート式に対応した勉強に終始している。入試の在り方をもう一度考えていくべき。
  • ゆとりが失敗する経験を奪っている。うまくいくことばかりして,失敗する経験がないために,失敗したときにどうしたらいいのか分からなくなる。小さいときから,一定程度の負荷を与え,多くの経験を積む必要があるのではないか。
  • 学習指導要領の見直しの前提として,学力の低下傾向に歯止めがかかった要因を分析する必要がある。一つの分析としては,学習指導要領が最低基準であることを明確にし,規制緩和をすることで,現場のやる気が生まれ,学力の向上につながったと考えられる。

見直しに当たっての視点

  • ニートの問題を含め,義務教育の在り方,教育課程の在り方が問われており,日本の教育や各教科の水準,ナショナルミニマムがどうあるべきかの検討が必要。
  • 学習指導要領の実践的対応力により問題が起こるのか,授業時間数を含めた現行学習指導要領に内包する問題によって起こるのか整理をした上で,今後の議論が必要。
  • 10年,20年といった中・長期的な視点で目標を考えるとともに,科学的・客観的に判断し,定量的な解釈をすることが必要。
  • 現在の学習指導要領の内容,教育の実施に当たって,どこに問題があるかを分析することが必要。その際,国際的なカリキュラム比較を行い,日本のカリキュラムの課題を検討しないと,今後の国際的な競争時代に対応できないのではないか。
  • 基礎・基本を積み重ねていくという観点からは,幼稚園,小・中・高等学校の系統性という視点が必要。
  • 今般の学習指導要領の見直しに当たっては,緊急に各教科の学力低下について議論するのか,教科の再編成の議論も取り上げるか,検討が必要。
  • 国家・社会の側から考えるのではなく,子どもの視点に立って考えるべきである。子どもの側からすれば,教育を学校だけに求めているのではなく,親や地域など大人全体に求めているのであって,全部学校だけで抱えることはできない。
  • 教科間で類似の内容の学習時期が異なるなど,学びの体系に齟齬がある。学びの体系をきっちり見直すことが必要。
  • 子どもたちの現状を論じるに当たって,そもそも論と対策が混同されている。家庭的に困難な状況を抱えているなど,何らかの対策が必要な場合はあるが,それを標準とするのではなく,複眼的な見方が必要。
  • 義務教育における設置義務について,建物だけではなく,教育内容も含めて考えるべきであるということを首長が認識することが必要。
  • 一律に教育内容を3割削減した現行の学習指導要領の現状について,教科ごとだけではなく教科間の相互の体系性という観点も踏まえて,具体的に検証することが必要。
  • 学年によって教科や時間配分の重点化を検討すべき。
  • 職場体験などの体験活動や教育課程外の部活動などをどのように扱うか検討が必要。
  • 国として方針を示すところと各地域や学校が対応すべきことを区別して考えることが必要。
  • 総合的な学習の時間が「生きる力」とどのように関連しているか,また,成果があがっているかどうかの評価指標をはっきりさせることが必要。
  • 「生きる力」は,国家,社会あるいは国際社会といういろいろな場で生きていくという多様な要素を持っており,きちんと区分けして教育の在り方を考えなければならない。
  • 現代の子どもたちをとりまく環境を十分に把握しながら,国家・社会の形成者を育てるという観点と,一人ひとりが充実した人生を送るために個性や能力を伸ばすという観点から,現行学習指導要領の問題点を分析していくことが必要。
  • 学習指導要領を変更するということは,システム自体を変えることであり,良い事例の発表や知恵の共有とは分けて考えるべき。
  • 現場で実際に使われるのは教科書であり,また,日本の教育が優れているのは授業の在り方にあると海外からも注目され研究が行われている。学習指導要領や教育課程が,実際にどのように子どもたちの教育活動のためになっているかを多角的に検討することが必要。
  • 学習指導要領の見直しに当たっては,平成15年の一部改正の延長で考えるべきであるが,学問の進展と子どもたちの発達の変化という新しい視点での議論も必要。
  • 教師は学習指導要領よりも教科書を教えているのが実情であり,学習指導要領の問題点と教科書の問題点,現場教師の問題点を整理して考えることが必要。
  • 学習指導要領はノウハウ集なのか,マニュアルなのかが明確ではない。教科書との関係,実際の教師の実践や評価を踏まえ,PDCAのサイクルで考えるべき。
  • 教員の資質向上のためには,自己啓発が重要であり,学習指導要領の中にそれぞれの教科を教えるために必要な参考資料などを加えることができないか。
  • 日本のカリキュラム,授業や教科書はあまりに知識偏重であったことの反省に立って,生活科などが導入されたと考えるが,いまだに知識偏重になっている。例えば,理科で生活理科という考え方があるが,そういったことも検討する必要がある。

2.学習指導要領の見直しに当たっての検討課題

1. 「人間力」向上のための教育内容の改善充実

1.社会の形成者としての資質の育成

  • 記述力の向上のためには,立論する力の教育を重視すべきであるが,そのためには,社会文明の発展の経緯を理解させることが必要。
  • 国際社会においてはモラリティー,道義というものが重要。
  • 社会の中で自分が何がしたいのか,社会とどう関わっていくのか,人間の幸福な暮らしと調和や発展をどうリンクさせていくのかを考えるさせることが重要。
  • 社会科で諸外国について調べるのは,小学校6年生の3学期で,都道府県の学習についても,例えば九州と北海道の風土の違いを学習する時間が少なく,総合的な学習の時間に調べ学習を行おうとしても,基本的な知識が十分でない状況である。
  • 生活者としての技術を教えることはあっても,科学技術のガバナンスを教えることはなされていないなど,主権者としての国民を育てるという観点の教育がなされていない。
  • 日本の社会を支える仕組みとして,例えば社会保障や税の重要性をしっかり教えるべきである。
  • 学習内容が「市民生活面からのニーズに十分合致していない」という意見がある一方,小学校3,4年生の社会では,自分たちの地域や町を理解することが中心となっており,実態がどうなのか踏み込んで議論する必要がある。
  • 日本人あるいは,社会人としてしっかりとした素養を身に付ける必要がある。そのためには,日本の伝統や文化,歴史の教育が重要である。また,社会の構成員としての責任と義務,政治そのものの重要性をよく理解することや,国際化の中で,しっかりとした宗教観を育てることが必要である。
  • 国際化,IT化,知的財産権,環境の問題,企業の社会的責任などが日本の社会全体として遅れている。世界的な事象がある程度理解できる素養を身に付ける必要がある。
  • 民主主義,自由と平等など哲学的,倫理的な内容について,言葉だけでなくそれが何かを問わせることが重要である。
  • 社会科の課題は感動があるということ。文明的社会を希求した人間の発展の軌跡を理解させることで感動が生まれ,その価値の理解が深まり,自由をはき違えるということもなくなるのではないか。
  • 小学校の社会科は5年生で地理,6年生で歴史と政治経済が中心となっており,中学校1年生で学ぶ地理や3年生で学ぶ政治経済など接続に断層があるのではないか。
  • 学校における問題行動や犯罪の低年齢化などの問題を考えると,小学校3,4年生から,社会の成り立ち,個人が社会において果たす役割やルールなど,社会的な規範性を身に付けさせるようにすべきである。
  • 世界各国の国名や主権国家平等の国際社会において首都を覚えることが重要。
  • 差別を突破あるいは克服するために努力してきた人々やその足跡を教えることで,愛国心については,若い世代が慈しむべき自分の国という感覚をもつことができるのではないか。
  • 社会科において多様性への視点を重視すべきである。例えば,世界各地で同じ10歳の子どもがどういう生活をしているかを学ぶことで多様性が生まれる。
  • 社会科の課題は,生活科,総合的な学習の時間などとの関連を明確にしていくことである。例えば,生活科との関係で,具体的な地域とのかかわりについて生活科をどのように発展させていくかが重要である。
  • 子どもたちのベースとなる体験や感覚が非常に異なってきており,小学校高学年での地理的内容,歴史的内容の指導が難しくなっている。総合的な学習の時間との関連を通した体験が重要であり,例えば,社会科の教科書の発展的項目に,総合的な学習の時間における活動例を入れるなどの工夫が必要である。
  • 国際社会で対等に伍していくためには,自分の国を愛し,自分の国の歴史あるいは文化を自分の言葉で語れなければならない。一方で歴史教科書の評価で大変な議論が起こる現状は問題である。
  • 現場で近・現代史が十分指導されているか,しっかりと議論する必要がある。
  • 社会科においても義務教育の9年の系統性が重要であり,覚えるべき基礎的・基本的なものを具体化して絞り込む作業が系統的なものにしていく土台となる。

2.豊かな人間性と感性の育成

  • 戦後教育に不足しているのは知識教育ではなく,人格教育である。総合的な学習の時間ができたことはとてもよく,じっくり内容を充実させ,単に学力だけでなく,バランスのとれた人間をつくることを考えていくべき。
  • 美に対する教育,文化に対する教育をしっかりするとともに,その機会の充実が必要。
  • 芸術・文化について,生徒の理解が伸びる方向できっかけを提供していくことが必要。
  • 大学において教養課程が減ってきて,日本人全体に教養がなくなってきている。その中で総合的な学習の時間は絶対に必要であって,これを継続するとともに,高校と大学の在り方も考えていくべき。
  • 心を伝えるということ,感動を伝えるということが一番の基本である。教育現場と文化は離れがちであるが,文化,情緒,心を教育の中に取り入れ,先生の個性が少々乱暴でもどんどん入っていくことが大切である。

3.健やかな体の育成

  • スポーツを多く行い,体力の向上だけでなくチームワーク,連帯感などを子どもに植えつけることが重要。
  • 体力と脳の力の関係についても,体力が低く,きちんとした生活習慣が身に付いていない子どもたちが増えており,視点を絞ってエビデンスベースで調べることが必要。

4.国語力の育成

  • 日本の中では相当知力の高い人のグループであっても,その人たちの書く文章の論旨がたどりにくい。自己主張力や自己主張意欲とも関係するが,どのような文章,表現がモデルとして使われるべきか,望ましい国語力を見直すことが必要。
  • 日本の国語教育の教材は少し文学作品に偏り過ぎており,自分が言いたいことを相手に分からせる論旨の展開を教えるような教材が重要。
  • テレビやIT化というメディア時代において,子どもたちの読書離れが国語力の低下に影響しており,国語だけでなく各教科において,読書を通じて教育内容の理解を深めることが必要。
  • 国語力は国語科だけの問題でなく,初等中等教育で行う全教科にわたる非常に重要なポイントであるが,そのためには学校図書館,司書教諭の充実が必要。
  • 教養教育の中心が総合的な学習の時間であり,従来は国語の中で自然科学,社会科学,文学など多様な文章を読むことで扱ってきた。国語力を高めることが,総合的な学習の時間を高めることになるのではないか。
  • 国語力の向上には,基本として教師が子どもに対する言葉遣いに気を付け,美しい日本語で子どもと話すことが重要。また,大量に美しい日本語を読むことが必要であり,そのためには,学校図書館の充実とあわせて学級文庫も重要。さらに,教科書を読むことで読書量を確保できるような教科書が必要。
  • 言葉は暗記であり,国語において美しい詩などを暗記させるような指導が必要。
  • 日本の教育において不十分なのは発表能力であり,調べたことを自分で表現したり,読んだ内容を人に伝えることが重要であり,3分スピーチの導入などわずかな時間でも工夫ができる。
  • 国語力の育成に当たっては,人間力などの文化としての切り口,ディベートの力,日本人としてのアイデンティティが入ってくるのではないか。
  • 覚える力だけではなく,IT等を活用し,情報を読み取り,文章を探し当て,その情報を比較して,事実がどうか確かめる力が必要。
  • 日本語は論理的なものを表現するのに適当な言語かということがよく言われるが,日本語がどのようなリテラシーを持つべきか議論が必要。
  • 現在小学校4年生で学ぶことになっているローマ字については,小学校3年生で始まる総合的な学習の時間での英語学習や,中学校の英語との接続を考えると,もっと早く教えるべきではないか。特に,パソコンの活用がローマ字の定着を図るために有効。
  • 一定程度の国語力が身に付いていないと,ローマ字で表記しても何をどのように表現するか分からないのではないか。子どもの実態を考えると,ひらがな,カタカナ,漢字とたくさん覚えるものがあり,あまり早くローマ字を入れることはどうか。
  • ローマ字やパソコン学習は否定しないが,文章作成の際の推敲のプロセスや手書きのよさがなくなってしまうのではないか。ローマ字と英語の関係は慎重に考えるべき。
  • ローマ字や漢字,毛筆・硬筆など,日本語をきちんと書く力,漢字を理解する力,言葉を作っていく力など,子どもたちが実社会に出て求められる力を総合的にパッケージで考えることが必要。
  • 国語は最も総合的な教科であり,他教科との関係を体系化し,相互に発信して影響を与えることが必要。また,すべての教科を通じて国語の大切さを位置付け,各教科における文章の作成や発表,ディベート等で国語の指導を行うことが有効。
  • 各教科における国語力の育成については,読書だけでなく,読解活動や表現活動を通じて幅広く行うことが必要。
  • 国語でも科学的教材など他教科の教材を取り入れ,国語と各教科の枠を取り払って,国語が全知識に関わることを意識することが必要。
  • 教科の枠を超えるためには,国語の教師と社会の教師,理科の教師などとのコミュニケーションによって国語力を多面的に捕らえていくことが必要。
  • 国語では文学作品を学ぶとともに,コミュニケーション能力を育成することが必要。その際,コミュニケーション能力を体系化し,プレゼンテーションを中心としたスキルを柱として入れることが必要。また,論理的に構成して短い言葉で伝える力,質問する力,文章を作成する力等の育成や,声,発音などの指導も重要。
  • 日本文学は日本人のオリジナリティに関わるものではあるが,言語能力と論理構造という日本語を扱う技術を教えることが国語の第一義である。
  • 国語は生活の中で培われるものが多く,暗記,音読など入門期では型が重要。大事なことは徹底的に指導すべきであり,一直線に表現力,コミュニケーション能力に行くのはどうか。
  • コミュニケーションを重視するのであれば,高等学校の国語表現の必修化を検討することが必要。
  • 文学的な作品では優れたものがあるが,論理的な作品でも定番でこれだけは読むことが必要というものを提示することが必要。
  • 日本では句読点やカンマの使い方などがバラバラであり,もう少し統一して教えることが必要。
  • 日本語は曖昧な言語であり,句読点などの統一のルールを作るのは無理であるが,学校教育の場においては,ある程度標準的なものをつくることが必要。
  • 読書指導について,図書館は大切であるが,司書教諭が兼務になっており,専任教諭を配置することが重要。
  • 外国籍の子どもが増加しており,その子どもたちに対する日本語指導,教材,指導方法の検討が必要。
  • グローバル化の中で日本人のアイデンティティが重要になっており,教科「日本語」とした方がグローバル化の中で日本語の大切さが理解できるのではないか。
  • 「話すこと・聞くこと」,「書くこと」,「読むこと」の順序性に意味があるのか,それでいいのか検討が必要。

5.理数教育の改善充実

  • 理数系の教育では,将来の専門家を育てる教育は早い段階から行われるが,必ずついていけない子どもを生み出し,理科離れが進んでしまう。そういった子どもたちに,どう手当てをするかということをきちんと考えておかなければならない。
  • 理数教育は,人が考える力を養うのに大切であるが,現行の学習指導要領では,そのためのハウツーが中心になっている。子どもが疑問を持ったことに,教師がしっかりと答えられるような力をつけるようにする必要があるが,そのためには,小学校であればフォローする専門家がつく必要があるのではないか。
  • 理数科離れが社会全体の深刻な問題となっている。「理科離れ」については長年議論され,対策も講じられており,その効果はどの程度のものか検証するべきだ。
(算数・数学)
  • 算数・数学を教える中では,なぜ学ぶのか,どういうところで使うのかということがわかりにくい。実生活との関係や,中学校では他教科との関係でどう生かされているか教えていく必要があるのではないか。
  • 小学校5,6年生で帯分数がなくなったっことが象徴的であるが,子どもたちがどこにつまずくのかを考えて,どのような力をつけるのか全体の系統性を考える必要がある。
  • 算数・数学は体系に沿ってならんでいるだけで,学ぶ目的が分からない。与えられた問題を時間内に早く解くだけの指導になってしまって,自分の考えた筋道を論理的に表現することが評価されていない。
  • 計算だけではなく,数学的な考え方についても学習指導要領で言及して,教師はそれを理解して進めていくべきである。
  • 学習指導要領の問題ではなく,教科書の問題が現場では大きい。例えばアメリカの教科書は文章が多くなっているが,論理的な思考力を育てるためには,教師の指導力だけでやっていくのは難しく,教材とセットで考えていく必要がある。
(理科)
  • 最近の理科教育は観察・実験に偏っているところがある。時間数が少ない中で,本から学ぶことと観察・実験の両方をバランスをとってやっていく必要がある。
  • 理科については,高校まで見通した体系だったカリキュラムを考えるべきである。小中の学習内容が減っている中で,高校にしわよせがきている。
  • 中学校の理科の教科書から法則名が消えているが,系統性の観点からも覚えるべきものは覚えさせるべきである。
  • 生活科が,社会科的な内容が多くなっているため,以前は低学年の理科で学んだ基礎的な体験学習が不足してしまい知識とのズレが生じている。低学年において理科を復活するか,生活科に理科的な要素を入れるべきである。
  • 探求的な活動は大切であるが,少ない時間では難しい。実験などを多く取り入れるためには,時間が必要。
  • きちっとした教材研究,授業研究を行って,子どもたちがより楽しく,より理解できるような授業ができるかどうかが大切であるが,実際に実験して具体的に見せるためには教材研究費,教材費が十分でないと,創意工夫ができない。
  • スーパーサイエンスハイスクール(SSH)は,学習指導要領を超えた内容をやっているが,子どもたちは十分理解できており,全国でできるように広げていくべきである。

6.外国語教育の改善充実

  • 日本の若者は自己主張,自意識が弱く,英語力も弱いため,21世紀の国際社会で自己主張していくことができないのではないか。
  • 外国語教育の小学校への導入を検討すべきである。その際,臨界期までにやらなければ間に合わないので,発音力の大幅な改善のためにきちんとしたネイティブスピーカーを導入すること,家庭の事情によって差が生じないよう一定水準の教育内容を提供することが必要。
  • すべての小学校でネイティブスピーカーによる授業を実現するためには,大きな仕掛けが必要であり,国をあげて取り組まなければならない。
  • 英語力を規定するのは,日本語をどれだけ使いこなせるかという国語力である。
  • 日本人は自分の表現に自信をもっていない。全ての児童生徒が発音力を身に付け,表現できるようにすることが公教育の哲学として重要。
  • 英語が国際語となっていく中で,日本人として英語に対してどういったスタンスに立つべきなのか議論が必要である。
  • 中学校における英語教育の指導法が大きく変化し,文法や辞書を引くこと,発音記号といったことが教えられなくなっている。ALTやインターネットを使うことで実際にコミュニケーションをする場面は増えているが,学習のツールとして文法や辞書を引くこと,発音記号は必要であり,バランスのある指導が重要である。
  • 中学校で目標となっている実践的コミュニケーション能力の規定が現場でまちまちに解釈されており,場合によってはゲームをやっていればよいということになっている可能性があるのではないか。
  • 文法を体系的に理解するということは重要であり,中学校でそういった学習に時間をかけるためにも小学校から英語教育を始めるべきである。
  • 言語の習得は基本的に単語量によるので,反復練習を通じて語彙数を増やすことが重要である。また,自分がいかに表現できるかということが重要であり,例えば5分間スピーチなどの練習を通じてそういった能力を身に付けさせる必要がある。
  • 小学校に英語教育を導入する場合に,ALTにはしっかりとした資格を与え,その水準についても常にチェックすることや指導に当たる小学校の教員のTOEFL(トーフル)の水準を問うなど発音をよくしていくための措置が必要である。
  • 小学校において英語活動を進める中での課題は,日本語の力との関係と高学年になるほど中学校の英語の雰囲気になり低学年で楽しくやっていたのと変わってしまう。また,親の入試を重視する意識も実践的なコミュニケーション能力の育成という点では難しくしている場合もある。
  • 教育課程の議論では結局時間数が足りないということになり,小学校でも重点を絞り込むことが必要である。英語教育についても,教科や総合的な学習の時間ではなく,教育課程の外の時間でやるべきである。
  • 日本が国際化していく中で,コミュニケーションの手段として必要な言語はハングル語や中国語ではないか。また,英語は必要になれば身に付けることができるということも聞くので,中学校からしっかり教えるようにするとともに,2ヶ国語を教えることもあっていいのではないか。
  • 小学校で英語教育を進めるとしても,多くの課題が期待されている中で担任に指導を任せることは無理である。また,ALTについても,必要な人数を確保することが難しく,かなりたくさんのALTが入ってくると質の問題になり,熱心な先生とそうでない先生との間に差が出てくることが考えられる。
  • 小学校における英語学習については,教材の研究が重要であり,IT機器の活用などを積極的にやっていくべきである。
  • 小学校における英語活動の現状については,既に多くの学校で取り組まれているという印象があるが,実際は全体の1パーセントの時間であり,ALTが参加している時間となると学期に1回から2回程度であり,ほんのわずかだというとらえ方をすべきである。
  • 小学校における国際理解教育を考えた場合に,どの国の人でも人間として共通しているということをしっかり身に付けることが大切であって,英語の発音や英語が話せるということは少し早い。むしろ日本語を正しく使える,自分の思いをきちんと相手に伝えることができることが小学校では重要である。
  • 小学校でナショナルミニマムとして日本語のコミュニケーション能力を育てていかなければならないということを考えたときに,英語を本当に必修化しなければならないか,その余裕があるのか考えなければならない。
  • 小学校の高学年からせめて週1時間程度は英語を導入するべきである。その際,総合的な学習の時間における国際理解とは切り離して,中学校の英語教育の基礎として位置付けるべきである。また,教材が決定的に重要であり,AV機器やIT機器などを活用してALTがいないときでも学習できるようにする必要がある。
  • アジア諸国でALTに対する大量の需要がある中で,日本がALTを質,量ともに確保していくためには,人材獲得の面でアジア諸国との競争に勝つということが必要。
  • 海外に駐在する家庭が多くなり帰国子女が増えてくれば,日本全体としては英語を使える人が増えるので困らないという考え方があるが,どの子どもも将来英語を使う仕事に就くという可能性はあり,子どもの未来を予断せずに,民主主義の中の公教育の役割として全ての子どもたちに英語教えるべきである。
  • 小学校の英語教育については,必ずしも教科にする必要はないが,教育の内容については国が関与する必要がある。
  • 小学校で英語を教えるのであれば,外国人と話す面白さや楽しさを覚えれば十分である。それによって,子どもたちは自発的に伸びていくのではないか。
(生活科)
  • 現場においては,生活科は社会と理科を統合したものという受け止められ方をしており,一方で,総合的な学習の時間との違いが判然としていない。
  • 生活科は総合的な学習の時間と異なり教科として位置付けた方がよいが総合的な学習の時間とのつながりを意識した指導ができるようにする必要がある。
  • 第1学年と第2学年の内容をまとめて表示したことで,地域に合わせた指導がしやすくなった。
  • 人とのかかわりや社会とのかかわりに比べて,自然とのかかわりが薄くなってしまう。明確に目標を立て,自然に対する関心を高める必要がある。
  • 生活科の理科的な内容が薄く,一方で,理科は系統性が求められる教科であるので,生活科の中で取り組むべき理科的な内容を明示するべきである。その際,低学年の幅広い興味・関心にあった内容を取り入れるべきである。
  • 生活科が社会科に傾斜し理科の内容が手薄になっているという指摘については,担当する教員や地域の状況などによるところが大きい。学習指導要領や教科書はバランスがとれており,現場において理科的な内容に十分配慮した指導ができるようにすべきである。
(総合的な学習の時間)
<考え方>
  • 総合的な学習の時間は地方のふるさとの山川草木から沸いてくるエネルギーを教えることであり,地方の力を引き出すためにも総合的な学習の時間を発展させるべき。
  • 課題発見能力や課題解決能力など見えない学力を育むためにも,総合的な学習の時間は重要である。
  • 総合的な学習の時間をすればするほど各教科の力が求められるし,逆に各教科の力を充実するほど総合的な学習の時間の学習が進むものである。各学校において,その共通理解をもう一度見直してみることが必要。
  • 基礎・基本である教科はしっかり教え込み,総合的な学習の時間は児童生徒の内発性を引っ張り出すような教え方をする必要がある。
  • 中学校は,生活指導や専門とする教科の指導,高校入試などの現実的な問題があり,意識調査などで総合的な学習の時間に対して消極的な結果になる。中学校ではまず必修教科をしっかりやるべきである。
  • 自ら学び考えるなど方法論に主眼が置かれている総合的な学習の時間と各教科は正確が異なり,教育課程全体における位置付け,評価,系統性などの点について,もう一度整理する必要がある。
  • 学習指導要領に見直しに当たっては,環境や情報,国際理解など各教科等にまたがる内容を各教科等に入れるか,総合的な学習の時間で学習するかという内容の割り振りのようなことを検討する必要がある。
  • キャリア教育など新たな課題への対応が求められる中で,総合的な学習の時間の内容が細切れになっている。各教科と総合的な学習の時間のどこで学習するかということを検討していく必要がある。
  • 現場における総合的な学習の時間が横断的,総合的な課題になっているか,あるいは体験が表層的なものになっていたり問題解決的な学習が十分できていないなど,検証すべき課題がある。
  • 平成15年の学習指導要領の一部改正により,総合的な学習の時間の充実・改善が図られたが,その趣旨が現場に十分伝わっていない。
  • 総合的な学習の時間は,事例集や教科書がなく,教師の力量に左右される。全ての教師がきちんと指導できるようになるためには,校長のリーダーシップにより各教師をまとめ,学校全体として取り組むことが必要。
  • 学校として総合的な学習の時間をどう位置づけ,どういう内容にするかという教育目標を立て,組織的に取り組んでいく必要がある。
  • 高等学校の総合的な学習の時間に求められるのは,スクールアイデンティティとかかわりが深いものであり,各学校が先進例などを取り入れながらどんどん工夫していく必要がある。
  • 社会が教育に参加することが必要であり,その窓口として総合的な学習の時間は重要である。総合的な学習の時間の意義としてアピールしていくべきである。
  • 総合的な学習の時間は始まって3年であり,試行錯誤の中で各学校で取り組まれているが,一方,サポート体制は不十分なので,その整備が必要であり,また,評価の方法についても工夫が求められる。それらができて初めて総合的な学習の時間の評価ができるのではないか。
<示し方>
  • 総合的な学習の時間における内容について,現場に任せるのか,それとも方向性としてある程度内容を示すべきか考えるべき。
  • 総合的な学習の時間は,今の子どもたちに欠けている重要な考える時間であるが,学校によって取組の差が大きく,学習指導要領の中でもう少し踏み込んだ記述をすべきである。
  • 基礎的に学ぶべきものはしっかりと学習して,それをもとにして自主的に様々な方向に学習を展開していくことが必要である。また,中学校では受験の問題があり総合的な学習の時間はどうしても引き気味になっている。そういうことから考えると,各学校がばらばらというのではなく,もう少し明確に目的を示すべきである。
  • 総合的な学習の時間について,年間で100時間以上設定されているが,事前の準備などの時間の確保や学級規模など,授業の基本的な条件の面で難しいものがある。
  • 総合的な学習の時間の授業時数について,他の教科とのバランスや中・高等学校において波型になっていることからも,70~105時間というような波があってもいいのではないか。
<支援>
  • 総合的な学習の時間については,再度その意義を確認し,統一カリキュラムを導入するのではなく,各学校の創意工夫や自立性を引き出すための支援体制をどうするか検討すべき。
  • 総合的な学習の時間の課題は,まだ十分定着していないことと条件整備が不十分なことである。ひとつは授業の方法などの面で研究を重ねていく必要がある。条件整備については,地域で取り組むための時間や,人的,財政的な援助などを含めて,総合的に,いろいろな角度から援助体制を組むことが必要である。
  • 義務教育に関する意識調査の結果などからも,総合的な学習の時間の充実のためには,民間との連携やそのための財政的な支援などサポート体制の整備が必要である。
  • 総合的な学習の時間については安易な課題設定も見られ,教師も考えなければならないことがあるし,教育委員会の指導力も問われる問題である。
  • 総合的な学習の時間は非常に重要であり有用であるが,それを教師が教える手だてをみんなで共有する訓練が必要であり,教師を同じ水準に引き上げていくことが求められる。
  • 中学校は教科担任であり,他教科との関連を深めたり小学校より高度な学習をするために学校全体として取組みを進めるには,一人の教員では難しく,全体をつなぎコーディネートする役割の教員が必要である。
  • 総合的な学習の時間を充実させるためには学校図書館が重要である。図書館司書が総合的な学習の時間を含めて全体のイニシアチブをとることで各教科等とも有機的に結びつけることができるようになるのではないか。
  • 総合的な学習の時間の充実を図るための支援として研修を行い,管理職も含めて本当の意義を理解できるようにしていく必要がある。
  • 中学校,高等学校段階になるとある程度専門的な内容を理解した上で,総合的な学習の時間の指導をすることが求められる。そういった能力のある教師を養成の段階から積極的に育てていく必要がある。
  • 総合的な学習の時間についてのプランを大学の教育学部や民間の研究機関などが提案し,その内容を競い合うことで,実践内容やカリキュラムの具体化において進歩していくのではないか。
  • アメリカでは学習プログラムを企画し調整するようなプログラマーがいて,学校における様々なニーズに機動的に対応できている。日本にはそういったプログラマーが決定的に不足しており,特に総合的な学習の時間では,外部の人材を活用したり,アイデアを出してもらったりすることが必要である。

2. 学習内容の定着を目指す学習指導要領の枠組みの改善

1.各教科等の到達目標の明確化

  • 学習指導要領の共通に教えるべき内容についての最低基準としての性格をどう考えるか,子どもたちが目標を達成できない場合にどうするか,また,評価の在り方についてもその考え方と表現の工夫を検討すべき。
  • 各教科専門部会で,現行学習指導要領で削減された内容について見直すという検討も必要だが,その際,学校教育法上の小・中・高等学校の目的・目標も含めて,それぞれの学校段階で到達目標をどう設定するかを検討することが必要。

2.国民として共通に必要な学習内容の示し方

  • 子どもたちが本当に身につけるべき基礎・基本を踏まえた応用力をトータルに考えた上で,学習指導要領をさらに検討すべき。
  • 教師にも個性があり,能力の違いもあるので学習指導要領がそういった差を埋めるためのマニュアルであることが重要。
  • 学習指導要領には教えるべき内容と教え方に関する記述が混在しているが,具体性があるか,現場にとって分かりやすいものとなっているかという観点から,性格付けを見直すことが必要。
  • 基本的に時間が短い中で,社会の要求するままに,内容を増やすことはできなので,スリム化と合わせて考えることが必要。
  • 教科の内容の中に,日常生活や他の教科への応用がもう少し必要ではないか。
  • 学校の創意工夫をできるだけ生かせるようにすることは重要であるが,その際,学習指導要領で示す範囲を限定して裁量を広げるのか,位置付けそのものを見直すのかという検討が必要。
  • 教科によっては,目標や内容を2学年まとめて示したり,1学年だけ示しているが,これでよいか検討が必要。また,小学校6年生と中学校1年生の段差がないか,9年間を見通したカリキュラムとなっているか検討が必要。
  • 多様な子どもたちに指導するのであり,最低基準とともに,発展的な内容を示すなど,幅広い示し方をするべき。大切な内容は,小・中・高であえて学習内容を重複させることも必要である。

3.授業時数等の見直し

  • 子どもたちにものを考えさせ,課題解決させるためにはとても時間がかかる。考える授業を行うためには何らかの時間を確保する手立ては必要であるが,社会全体で子どもが考えるようなシステムを作っていくことが必要。
  • 学力低下傾向と授業時間数を増やすことを直結すべきではなく,家庭学習や地域学習とセットで考えるべきである。
  • 総合的な学習の時間などにおいて,思考力,発表力,討論する力を養い,実験や実習をする力など,授業の内容を質的に高めようとすれば,一定の時間は必要。
  • 低学年の授業時間数を増やして,日本語を読んだり,反復練習をするなど,頭で理解することだけではなく,耳でも体でも覚えることで後の学習にも効果があるのではないか。
  • 学校週5日制をこのまま継続するならば今より授業時数を増やすのは難しく,総合的な学習の時間を含めて,教科の割り振りをどうするのか方向付けをすることが必要。
  • 子どもたちの未来を真剣に考えていくなら,横並びではなく授業の工夫や改善が必要で,そのために時間数が必要であれば,学校週5日制についても考えていくことが必要。
  • 学校週5日制は,子どもが後の2日間で自由に発展する余地を与える積極的な意味で維持すべきと考えるが,登校日は全体的にもっと多くしても良いのではないか。
  • 現在の授業時数は,年間35週で割り切れないため,時間割が組みにくい状況になっている。

3.学ぶ意欲を高め,理解を深める授業の実現など指導上の留意点

1.個性や才能を伸ばす教育の推進

  • 基礎基本の確実な定着と個性を生かす教育には実体験が重要であり,体験的な学習をどう取り入れていくのかが課題であり,総合的な学習の時間を充実させる観点から人の問題,お金の問題など必要な手立てを検討すべき。
  • 全体のレベルを上げることも非常に重要だが,トップのレベルを上げることも視点に入れるべき。

2.補充的な指導の必要な児童生徒への教育の在り方

  • 平成15年度の教育課程実施状況調査で一定の改善傾向が見られたことはよかったが,今後の課題として学習が遅れている子どもの意欲をいかに向上させるかを考えることが必要。
  • 小学校では1人の担任の教師が様々なタイプの子どもの生活や学習を見ているが,遅れをサポートする専門の教師が必要ではないか。

3.教科書,指導方法等の改善

  • 国際学力調査にみられる学力の二極化や,教育課程実施状況調査での国語の記述式の正答率の低下などが問題となっており,わかる授業が非常に重要になっている。
  • 教えずに考えさせ,教師は指導しないで支援することが行き過ぎており,教えて考えさせる指導がなされるよう改善が必要。
  • 学級規模を小さくすることや教科によっては専科教員による指導を充実させるべき。
  • 読み書き計算の反復練習を朝に行うことで,子どもの脳の力が向上し,学力全般を向上させることができている。
  • 優れた教師を確保するための条件整備はかなり進んでいるが,教師一人一人が創意工夫ができるようにして,やる気を引き出していくことが必要。
  • 社会科の教科書は現状では薄いが,いろいろな内容を全て教科書に盛り込むのは難しい。副読本のような形で充実させ,教科書は必ずしっかり理解し,覚えさせる知識を中心にすべき。

4. 地域や学校の特色を生かす教育の推進

1.地域や学校の特色を生かす教育の推進

  • 学校現場での改善について,現在多くの裁量を学校現場に与えつつあるが,裁量を与えるだけでなくサポートを増やしていかなければ,その裁量を十分活用できない。総合的な学習の時間についても,国や自治体のサポートが少なかったことにより,問題が生じたように思う。
  • 教育課程実施状況調査の結果についても,総合的な学習の時間や,少人数学習,学習指導要領の最低基準性の明確化による成果と考えられ,さらに地方の力を引き出す方向で検討すべき。
  • 全国各地で行われている良い取組を広げていくことが必要。そのためには,現場の優れた取組をどんどん吸収していく体制と,それを広げていく仕組みを作ることが重要。
  • 小・中学校の9年間で基礎的な内容をしっかり身に付けていれば,高等学校では一層特色化して,総合的な学習の時間を発展的に行ったり,基礎となる国語に傾斜して総合的な学習の時間はやらないという学校があってもいいのではないか。
  • 学校がいかに創意工夫を生かして教育課程を編成し,そのために国や教育委員会がどのような支援体制を整備するかということが重要である。
  • できるだけ現場に権限を下ろし,現場が指導方法や教材などの授業づくりに挑戦していけるようにすることが重要である。

2.学校と家庭,地域社会との関係の在り方

  • 学ぶ意欲の低下に関しては,学校だけではなく,家庭の役割を明確にして国民,保護者の理解を得るということが非常に重要。
  • 保護者に,早寝,早起き,朝ご飯などの基本的な生活習慣の徹底や家族の団欒などをお願いしてきた結果,子どもたちが元気になり,短期間で学力も向上した。
  • 教育は教育界だけの問題ではなく,例えば,教育界と産業界の人的な相互交流の促進など,民間や産業界など国を挙げて取り組まないといけない。また民間の力を信じることも重要。
  • 地域との連携は不可欠であるが,完全に地域や塾任せにするのではなく,学校でミニマムのことを行い,経済的に十分恵まれない子どもたちでも活用できる準公教育のようなシステムを検討すべき。
  • 学習塾については,学力向上のために資するところもあるが,家庭や地域とのかかわりを減少させるという面もある。学習塾への依存度を減らし,家庭や地域による教育を促すことを検討すべき。
  • 十分な形式知と暗黙知を子どもたちに与えるためには,学校・家庭・地域が責任を果たし,適正な生活習慣を育てることが重要。
  • 学校週5日制になっていることの自覚と,それにどう対応していかなければならないかという責任を,家庭や地域に対してどのように説得していくかが重要。

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