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理科教育に関するもの

学習指導要領、教科の在り方・学習内容に関する意見

  • 教育内容は基本的概念,法則の基礎をなすものにする。
  • 21世紀の国際社会では、日本は、改めて、「ものつくり」を大切にした「科学技術立国」を目指す必要がある。小・中・高校を通じて、生徒全体を対象とした理科教育に、現在以上に時間を割く必要がある。
  • 次期指導要領改訂では、様々な工夫をして、理科の時間数を確保するよう提言する。
  • 科学技術に関する教育が初等,中等教育には無いため,その拡充をする必要がある。物理化学の学習を通覧してわかるとおり,目的やはたらきを持った人工のシステムを把握し理解し運用する能力は,自然科学の法則性の理解だけでは不十分であり、科学技術の教育のために,工学の固有性を背景とした教科(または理科に第3分野等)が必要だと考える。
  • 小中高を見渡して,理科の必要な内容が生徒の認識力の発展に対応しながら教えられていくことが必要である。小中高を通じて,実験的内容の授業が,教師,時間,予算,受験等の問題があり、実施しにくい状況である。
  • 科学的な知識が必要な場面は広がっているのに、現行の学習指導要領では内容を削減している。科学の研究は進歩している。真に国民に必要な内容を再検討して、教えるべきことは削除せずに教えるように、削減してしまった内容であっても復活させることが必要である。
  • 義務教育終了までにどの程度の科学的素養を身に着けておくべきかという視点から、理科の教育内容を考える必要がある。現在の学習指導要領では、この点の配慮が感じられなく、進化やイオンが中学校理科からはずされているが、このままでは、高校に進学して生物や化学を選択しない限り、進化やイオンについて全く知らない日本人が出てくることになる。
  • 従来の学習指導要領の作成過程では,学校種を超えた連携が十分に図られていない。機械的な内容削減,上級校への先送りがされた結果,電子,イオン,運動の法則,仕事とエネルギー,進化など重要な概念が義務教育段階で学ばれず,高校では選択制で,科学リテラシーの欠如した一般市民を大量に生み出し,国の政策決定に致命的なことにならないか。
  • 小学校理科の選択項目と中学校の選択教科を廃止する必要がある。児童生徒の多様性に対応することを目的にしている「選択」の考え方は,児童生徒に自ら選択する能力がある場合に初めて,その有効性を発揮することができる。
  • 生活科には、理科としての要素が目標としてなく、とりわけ、空気、磁石、水などの子どもに取って身近な素材を遊びを通して認識する体験ができなくなっている。生活科を廃止し、理科を復活させるか、もし生活科が廃止できない場合にも、生活科の目標に、理科の要素を入れることを提案する。
  • 中学校での選択の時間をなくすまたは減少する。選択の時間をなくすか、減少させて理科の時間数を増やすことが望まれる。
  • 高校では多くの選択科目が設定されており、全員の高校生が共通に学ぶ内容が存在しない状況である。そこで、高校理科の科目設定を以下のように提案する。1.高校1,2年次において、物理・化学・生物・地学の基礎的な内容を盛り込んだ総合科目を設置し、全員が必修で学習させる。その合計履修単位数は8単位程度とする。2.専門的に理科を学ぶ必要のある生徒は、3年次に物理・化学・生物・地学(各科目とも4単位程度)の中から、必要に応じて2科目程度選択履修させる。
  • 高校の理科教育については、物理、化学、生物の3教科を必修とする。現代社会において科学知識は、個人の生活および仕事の上で不可欠であるばかりか、我々の生活に重要な影響をおよぼすエネルギー政策や環境政策を国民が判断する際にも政治基盤として必要不可欠である。従ってその基礎となる物理、化学、生物の3教科は高校生まで必修にすべきである。
  • 学習内容を規定するにあたっては、教科間の関連をもっと考慮すべきである。特に、小学校では算数と理科の関連に配慮が必要である。算数でまだ教わっていない概念が理科で出てくるようでは、学校現場を混乱させるだけでなく、学習指導要領への信頼性も著しく損ねることになる。
  • 「物理」、「化学」、「生物」、「地学」の4科目および関連する「技術」、「家庭」、「保健」の内容の再整理を行う必要がある。そのためには海外の理科(科学)教育課程を十分に検討し、参考とすべきである。「総合的学習の時間」についても、各教科との関連の下に実験・探求学習が進められるよう、評価の問題も含めて孤立的な扱いとならないよう改善すべきである。特に地学の分野についてはその内容が多岐の分野にわたることから、児童生徒の発達段階による内容の取り扱いについて、他科目との有機的な関係に配慮すべきである。
  • 小学校学習指導要領解説の理科編第2章第1節に、“新しい科学観”として、いわゆる相対主義的科学観と理解される考え方が記されている。評価がいまだ定まらない、あるいは広く受入れられていない学説を公教育の場に導入するには慎重である必要がある。
  • 学習指導要領が「最低基準」であるならば,それを指導要領に明記し,発展学習の内容については現場の裁量に任せるべきである。教育の硬直化を改善するには,文部科学省が出す指示はできるだけ少なくし,現場での自由な研究と運営の裁量を保証するシステムを作るべきである。
  • 小学校でも、算数で立体や立方体の体積を計算するが、その辺にある石の体積を学ぶ場面や、「体積とは何か」を扱う場面はあるのか。「ものには体積がある」とか「ものには重さがある」ということを小学校で学習し、また、質量、密度、重力は、中学でしっかり学習できるようにする必要がある。
  • 現在の学習指導要領では、これまで中学校で扱っていた力の合成分解の内容が高等学校へ移行したが、力は質量や体積とは違い、いわゆる「平行四辺形の法則」を用いないと加法ができないという性質を持っている。力を他の量と大きく区別する性質を学ばないことは、国民の科学リテラシーを低下させることになる。
  • 現状の理科教育における問題は次の2点である。(1)基礎からの積み重ね:科学教育は知識の習得とそれを用いた演習を基礎から積み重ねることによってなされるものであるから、一旦落ちこぼれるとその程度はますますひどくなり、その結果、理科嫌いになってしまう。(2)物理を基礎とした体系的知識:その知識といっても、科学の性格からして、断片的な辞書的知識ではなく、論理的に関連づけられ体系化された知識でなければならない。基礎物理からの積み重ねにより体系的知識を学び、それによって各分野の相互関係を理解して科学的自然観を養うことが大切である。したがって、物理を抜いた理科教育は間違っていると言いたい。それゆえ、理科の教科目選択制を廃して、物理を基礎にし、かつ扇の要とする包括理科を必須とすべきである。
  • 物理現象で、熱の学習を行わないことは大きな問題である。物理領域の重要な教育目標は運動やエネルギー概念の形成であり、熱はエネルギー概念形成に必須なものと考える。これに関連して、“比熱”の概念についても学習しなくなったために、第二分野(4)「天気とその変化」で、大陸は岩石からできているために比熱が小さく、“温まり易くて冷え易い”、海は水でできているために“温まり難く、冷え難い”という事実を理解しておくことが、気圧配置等を理解するのに大切である。
  • 周期律表は、物理、化学、生物のすべての分野にとって重要な知識、人類の知的財産である。周期律表を暗記させるのではなく、必要になったときには、周期律表から情報が取り出せるように教育するべきである。
  • 化学の教育の目的は、化学の裾野を広げる → 科学の時代を豊かに生きる現代人の素養として、化学のレベルを上げる → 専門家を養成する基礎としてである。そのためには,上記のどちらにも対応できる新しい化学教育の体系が必要である。そのコンセプトは、 同じことを何度でも教える(スパイラル・アップ方式)→ 誤りやすい概念は角度を変えて指導する。中高一貫の流れとし,小学校から大学初年度までつなげる →身近な現象と最先端の科学がひとつながりのものであることを知る。先の(より進んだ)項目に対する指示とネットワーク(プルダウン方式)→ 興味をもった事柄は自分で進んで学習し、先端までの知識を得られる場を提供する。その際,生活や自然との関連を重視する。→ 化学が、広く自然科学・社会科学の各分野と関連し,種々の自然現象の底にあることを学ぶ。
  • 生物の学習の特徴は、「生物の多様性」と「統一性」にある。多様性の生じる原因も進化にあり、また多様性の中に統一性を求める際にも「進化的な考察」が重要である。是非「進化」に関する学習を復活すれば、各大項目にも進化的な内容を盛り込むこともできる。
  • 1『実社会からの乖離』若者達や実社会のニーズである「遺伝子・DNA」、「ガン・エイズ・免疫・臓器移植などの医学的内容」、「バイオテクノロジー」などをほとんど全く扱わない現行教育課程では、何のために学んでいるのかわからないのは当たり前である。2『科学的思考という楽しさからの乖離』→理科教育再生のキーワード「難しいけど面白い」への転換 3『自分という生命からの乖離』→ヒトに関する記述はほとんどなく「自分とは一体何なのか」ということに極力ふれず、「生と死」を実感しない科目になっている。
  • 必修科目「生命科学」(高校必修3単位)設立を提案する。必修科目「生命科学」とは、科学や思考をエンジョイしながら、生命の本質「自分・人間・心とは何か」に迫るものであり、生命に対し、科学に対し、「生命はすごい、科学は面白い」という感動や衝撃を与え、「もっと勉強したい」と思わせるものである。キーワードになると考えられるのは、「人間」「自分」「心」「遺伝子」「環境」「進化」「生命(いのち)の教育」などである。
  • 高校教育での「生命(いのち)の教育」の実践を提案する「自己決定」が基本といわれる「生と死」に関する諸問題(脳死・臓器移植・尊厳死・末期緩和医療・不妊対策生殖医療・遺伝子診断などの)が、一般市民にとって無視できない状況となっているのは周知の通りである。
  • 天文分野は小学校4年に学習すると中学校3年まで学習がなく,逆に地質分野は小学校5,6年と中学校1年がほとんど同じ内容である。現在の枠内で考えられるよりよい配列は,小学校4年で気象,5年で地質,6年で天文,中学校1年で気象,2年で地質,3年で天文とすることだと思う。
  • 天文分野は小学校4年生の理科C区分で、満月、三日月程度しか扱わない。中学校の「地球と宇宙」では、太陽系や恒星を中心に学習が進められるが、太陽と各惑星の関係を理解するには、「三次元的な見方」が必要である。
  • 中学校における天文分野の学習について、現在の学習指導要領では、太陽系を中心に取り扱い、恒星については簡単な取り扱いに留まっている。簡単でも「恒星の世界」や「宇宙」について学習することが望ましい。
  • プレートテクトニクスの扱い方が、中途半端である。理科総合Bでは、プレートテクトニクスが、かなり大きな比重を占めているが、地学1ではあまり取り上げられていない。物事を総合的にとらえるという力を養成する上でプレートテクトニクスは適切な教材と思うのでその辺の取り扱いを考えるべきである。
  • 初等中等教育理科においてもっと「地学」を重視する必要がある。具体的には、カリキュラム内に地学を定着させまた分量を増やすこと。地学教員の採用を増やすこと。空間的には広大な宇宙をそして、150億年という時間を取り扱い、その目的は、「この広大な空間と悠久の時間の流れの中で個人がどういう位置にいるか」を認識させることにある。このように「個人の大切さ、他人への思いやり」を認識させることができる教科・科目は他にない。ただ、資源・環境・防災だけでなく、このような「地学教育の大切な役割」を考慮して、教育の在り方、学習指導要領など教育課程の基準作りにあたっていただくことを強くお願いする。
  • 「地学」や「地理」を通した環境教育の重要性は高まっており、全生徒が履修する科目として、またいろいろな教科が関わるものとしての環境教育科目を考える必要があるのではないか。
  • より一層の地震教育,地震災害・防災教育が必要である。理科,および総合学習で適当な教材であり,生きる力,考える力をつけるのにも適しており、小学校の単元で必修化する。中学校では、自然災害の教材を火山や地震から地域の特性で選ぶ形式は不十分であり、各々の自然災害に関して教えることが重要である。高等学校では「地学」履修者数が極端に減少している現状を憂えている。高等学校での教材として「地震」は適当であり,「地学」のあり方も含めて様々な角度から検討して貰いたい。

実験等の設備の整備や関係機関との連携についての意見

  • 自然観察教材が地域・学校によって、容易にできるところとできないところがあり、教師の頭を悩ませるところとなっており、物的支援が必要である。
  • 理科の設備予算が減少している。理振法の予算が年々削られ、地方の学校では設備の予算がほとんどゼロで、理科室が惨憺たる状況である。昭和40年当時は、大きな予算があり、設備が充実していたが、今、それらの設備、機器が寿命になりつつある。新しい設備を更新できず苦慮している。理振法を含め、十分な理科教育のできる環境を確保して欲しい。
  • 2人1組で実験を行えるように、理科室を充実・拡大する。理科教育等設備補助の増額理振法に基づく補助の増額する。中学校には複数の理科室を設置する。「理科大好きスクール」「スーパーサイエンスハイスクール」のような重点化事業の規模を拡大し、全国的網羅的に行うために予算を増額する。IT活用事業を生かした授業を行うための情報インフラの充実のための予算化する。
  • 理科の授業において,できれば学級の人数そのものが30人以下になることが理想的だと思う。一人の理科教員に対して40人よりも30人の方が,顕微鏡やガスバーナーの使い方を丁寧に指導できるのは当然である。根本的な解決策として,学級の人数を30人以下にしていただきたい。
  • 大学内に設置され、高校教育に精通し連携教育のノウハウをもった教職員を中心に、大学の研究員・学生や施設を感動の対象としてうまく活用する連携教育センターの設立を提案する。

教員の指導力の向上等に関する意見

  • 教員養成課程に基本的な理科素養を勉強する講座を必修とすることが求められる。
  • 小学校の理科は理科専門でない教員が教える場合が多く、しかも現在、小学校教員養成課程は高校の進路指導や受験産業において文系として扱われているときく。理科を苦手とする受験生が、入学後も充分に自然科学を学ぶことのないまま教員免許を取得して教壇に立ち、理科を教授するのは甚だ好ましくない状況である。
  • 小学校の高学年の理科を専科教師が担当できるよう条件整備をすること。
  • 教科専門に強い小・中学校教員を養成していくためには、教科専門教育体制が整った教育系大学で6年一貫教育を行うことや、学部で免許を取得していない理工系大学学部卒業生を主対象とし小学校免許取得も可能なような教育専門大学院の設立も考えていくことがこれからは必要と考える。
  • 教材や情報(資料)の収集、野外観察を中心とした研修などを行い教員をサポートする機関を各地域に設置することを提案する。
  • 教員が能力を高め、教育内容・方法の質を高めていくため、「自主的な」研究を行えるように条件を整えていく必要がある。
  • コンピュータ及び視聴覚教材を生かす授業方法を形成すべきであって、その方策を検討する必要がある。
  • 日本の熱心な教師が作り上げてきた教材、実験、方法などをもっと活用する施策をお願いしたい。

その他の意見(教科書、外部機関・人材との連携、評価の在り方等)

  • 科学的な素養の基礎である重要な概念や法則(原子・分子・電子、重さ、力と運動、仕事とエネルギーなど)の多くは、従来の教科書では理解度が低いというような理由で、小・中教育から次々と削除され貧弱化しており、教科書の内容を充実するなど教科書の編纂の見直しを行う必要がある。また、教科書検定に当たっては、科学的事実の間違いや誤記誤植の指摘だけにとどめるようにする必要がある。
  • 高等学校では、教科書をできるだけ早く終え、センター試験対策、二次試験対策、実験などしたつもりで結果を覚えさせるような授業が中心であり、このままでは将来を担う科学者の育成に支障をきたすことから、この問題を解決する方法として、大学入試問題の検討,センター試験の廃止などを考える必要がある。
  • 博物館、科学館、プラネタリウム、水族館などには教員免許や学芸員資格をもち、専門分野の豊富な知識経験を有する職員が少なくない。このような、ミュージアムの人材を理科教育に参加させてみてはどうだろうか。
  • 理科教育の重要性が指摘される中、生徒の理科に対する関心・意欲の低下が懸念されている。指導と評価の在り方についての検討を要望する。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)

-- 登録:平成21年以前 --