平成17年8月24日
子どもたちの変化については、外遊びが減り、テレビやゲームの時間が長くなった、睡眠時間が不足している、実体験が少ない、塾通いなどで多忙になった等の意見が出された。また、我慢ができず、すぐにあきらめる傾向がある、主体性がなく受身である、学習意欲の低下や基本的な生活習慣が身に付いていないなどの意見が出され、朝食を食べていない子どもが多いことや偏食についての指摘も見られた。
さらに、基礎学力やコミュニケーション能力、体力の低下を指摘し、手のかかる子が増えている、学力や体力が二極化しているという意見が見られた。
こうした状況に対処するため、家庭での「早寝、早起き、朝ご飯」、テレビ視聴の制限などの生活習慣の改善のための働きかけなどの取組みも見られた。
一方、昔と変わっていない、今の子どもの方が、物おじしない、情報収集や発表が上手になっているなどの意見もあった。
教育内容、授業時間については、教科の授業時数が足りないなどの意見が多かった。
小学校における英語学習については、リテラシーの向上の面では成果がある、取組みに差があるなど様々な意見がある一方、ALTの配置を求める意見が多かった。
中学校の選択教科については、学校の実施能力や生徒の選択能力、生徒の集まり方などについての問題の指摘も見られた。
学校の取組みとしては、子どものコミュニケーション能力を高めるための話し方の指導や異学年交流を図る取組み、集中力・学力の向上を図るための朝の読書などの取組みが見られた。
総合的な学習の時間については、ねらいについては賛同する意見が多かった。小学校では地域の人との触れ合いなどにより、子どもの表現力、課題を見つける力などが向上しており、一層充実させたいなどの意見が多くみられた一方、特に中学校では、準備・計画の負担が重い、教科の時間との関係でジレンマを感じる、学校により取組み方に格差があるなどの意見が多くみられた。
また、総合的な学習の時間の今後については、方向性を明確に示すことや、小学校と中学校との連携、教員の研修の充実、専門の教員の配置や教員の加配、職場体験における受け入れ体制の整備などの外部の人材や施設の協力体制をつくることが必要という意見などがみられた。
学校週5日制については、維持すべきという意見があった一方、子どもが生活リズムが作れていないという意見や、平日が忙しくなった、土・日の子どもの活動の場が必要といった意見が多かった。土曜日の授業の実施については様々な意見があった。
今後は、土日の子どもの活動の場を保護者や地域住民の協力でつくることの工夫が重要という意見がみられた。
部活動に関しては、教育効果はあるものの、一部過剰になっていて、教員の負担にもなっている。もっと外部指導者を活用できるようにしてほしいという意見が多かった。
教育条件に関しては、少人数学級編制や少人数指導については、子どもの価値観が多様化している中できめ細かな指導の効果があることを指摘し、そのための教員の増員を望む意見が多かった。また、養護教諭やスクールカウンセラーの増員や、図書の充実や司書の配置、インターネット整備などの学習環境の整備、旅費や物品の購入費の不足の改善を求める意見もあった。義務教育費国庫負担制度については、廃止すると地方格差が広がるおそれがあるので堅持すべきとの意見が多かった。
特別支援教育に関しては、人的配置や予算の充実を望む意見が多かった。
教員の多忙感に関しては、授業や部活の準備、生徒指導、報告資料の作成などに追われ多忙となっており、児童生徒と接する時間が減少しているとの意見が多かった。一方、時間の有効活用などにより効率的に取り組むことが可能ではないかとの意見や充実感を得られない中に多忙感があるのではないかとの意見があった。
教員の資質向上に関しては、養成段階での、教育実習などの現場経験の充実や、小学校教員志望者の理科の学習の充実などを求める意見があった。また、授業方法の研究など研修の充実が必要という意見が多かった。また、教員の採用・配置等に関しては、人物面を重視してほしいという意見が多かったほか、校長がもっと弾力的な人員配置をできるようにすべきだという意見もみられた。
家庭や地域に関しては、保護者の価値観が多様化していることや、離婚の増加などによる家庭の多様化により、対応が困難になっているという意見や、家庭で基本的生活習慣を身に付けさせてほしい、しつけをしっかりやってほしいという意見が多かった。
また、保護者との対話や、授業への参加、通学路の安全確保、職場体験などにおける地域住民との協力の必要性を指摘する意見が多かった。
警備員や施設設備、防犯器具の配置等の学校の安全確保のための具体的な措置に関する意見が多かった。また、保護者や地域住民、警察との連携の必要性を指摘する声もあった。
文部科学省の方針が変わり過ぎるなどの批判や、スクールミーティングに期待している、現場の意見をもっと理解してもらえるような仕組みがあるとよい、国の方針をはっきりと現場にわかるような形で示してほしいという意見、教育予算の増額の要望などがあった。
初等中等教育局教育課程課教育課程企画室
-- 登録:平成21年以前 --