1.国際的に質の高い教育の実現を目指す

学校、家庭、地域の連携を強化する方策、土曜日や長期休業日の活用方策の検討

積極的な意見

  • 比較的多く寄せられた意見 子供たちにとって土日は家庭や地域で様々な体験を行う機会として定着している。
  • 比較的多く寄せられた意見 学校週5日制は堅持すべきである。
  • 比較的多く寄せられた意見 学習時間を長くすることと「学力向上」を短絡的に結びつけるべきではない。
  • 学校週5日制により、子供の生活が伸び伸びしたものとなり、家族との触れ合いも増えている。現状をしっかり把握しながら、先進国の状況も考慮に入れ考えていくべきである。
  • 学校とは違う場で生き生きと活動している子どもたちを見て、テストでは計れない「学力」が身に付いてきていると実感。
  • 「ゆとりとすべての子どもにわかる授業を保障する」真の学校週5日制を目指すべきである。
  • 強い国民を育てるためには、家庭に対し国家として指導を行うべきだ。
  • 地域や企業の協力をえるために、校長が直接地域の人や企業の人に会うべきだ。
  • 本来の「ゆとりがあって・わかる・楽しい学校」を目指すべきである。
  • 1日だけの休みだと、出かける場合、宿題をする暇がないから。
  • 世界のワークシェアの状況から、労働時間の短縮、学校週5日制は当然のことである。
  • 中学校では土曜に部活を行い、日曜は一週間の疲れをとるために、教員にとっても休養が必要である。

消極的な意見

  • 月2回は土曜日も出校した方がいい。質・量共に、絶対的な学習時間の不足が万年続いている。
  • 土曜日は半日でも出校させ、一週間分のおさらいをしたほうがよい。
  • 学校週5日制は授業時数との関わり、家庭教育の実態からも問題がある。
  • 学校週5日制導入後は塾通いが増えており、一考を要する時機になっている。
  • 授業時間数の不足と、そのために学力低下を引き起こした。PTAや学区との共催行事も実施が困難になった。土曜日休業は隔週休日でよい。
  • 廃止してほしい。土曜日があった時の方が児童の勤勉意欲もあり、月曜日の顔がいきいきしていた。土曜日を学校にして、夏期休暇をしっかり取った方がいい。
  • 土曜が休みになった分、月曜日~金曜までのカリキュラムがぎっしりで、授業時間数も増え、子どもたちは平日疲れている。

その他の意見

  • 「学力低下」ということばが一人歩きしている。学習時間と内容を十分に論議し、いかに意欲を高めていくのか考えるべき。
  • 学力低下論と学校週5日制については無関係である。学力低下に対しては、学習事項を活かして考えることへの転化ができているか、という質の観点で応えるべきである。
  • 学力低下は学校週5日制より学習指導要領の問題。
  • ゆとり教育により、結果的に学習塾が喜んだだけで、学校も塾に頼ってしまっている。
  • ゆとり教育について、ゆとりが必要なのは間違いないがそれは教える内容を減らす事ではなく、勉強に使える時間を増やす事である。
  • ゆとりある教育の一つとして学校週5日制になったのに、文科大臣は「学びのすすめ」を発表し、「学力向上施策」を出したことから、子どもや教職員が多忙になる逆転現象となっている。
  • 週7日制にして、経済的な弱者にも教育の機会を与えるべきだ。
  • 高校では土曜セミナーや補習、本来の主旨に反した動きが多く見られ、ゆとりのない状況にある。
  • 社会全体で、子どもたちが安心して実体験できる施設設備の充実を実現するべきである。

義務教育に対する公財政支出の拡充

積極的な意見

  • 教育の平等が大事。そのためには、教育費の負担軽減、教育条件の格差の是正、奨学制度の充実、貧困家庭への財政援助等を行うべき。
  • 義務教育は無償と憲法に定めてあるので保護者に費用を負担させるものは即廃止するべき。
  • 校舎の建て替え、空調の設備、衛生的な栄養のある食事へ予算をあてるべきだ。

基礎的な知識・技能と、自ら学び自ら考える力の両方を総合的に育成

積極的な意見

  • 「生きる力」をつけるための最低限の学力を子どもたち全員に身に付けさせることが大切。

総合的な学習の時間の具体的な在り方についての再検討

積極的な意見

  • 比較的多く寄せられた意見 生活科や総合的な学習の時間をしっかりやっている学校ほど学力低下はないといえるので、より充実させるための条件整備を望む。
  • 比較的多く寄せられた意見 効果はあがりつつあるが、中・高校では予算・人員等の不足により十分な成果をあげていないので、条件整備が必要である。
  • 比較的多く寄せられた意見 成果の可否についてこれまでの短い時間の情勢の中で、正当に評価しきれるものではない。より一層の条件整備の拡充をするべきである。
  • 盲学校との交流学習により、知識だけではなく、体験的な活動をすることで子供達はバリアフリーを深く理解することができた。
  • テスト学力だけではなく「学ぶ力・意欲」「判断力」「洞察力」も大切な学力です。大きな意味での学力を身につけさせる意味で総合的な学習の時間は必要である。そのためには、総合学習の専門の教員を数名配置すべき。
  • 「総合的な学習の時間」に児童・生徒の最も身近な親達が教師役になった「進路の時間」を指導したり、進路担当の教師を設けるべきである。
  • PISA調査結果で世界トップレベルのフィンランドでは、「総合的な学習の時間」で想定された学習方式を大幅に採用している。
  • 総合的な学習の時間は地域にあわせた学習が今まで以上にできればいい。例えば土曜や日曜に活動できるようにしたり、自由に時間を確保できれば魅力的。
  • 知識注入型学習の弊害を克服するものとして、思考力と探究心を深めるために有効で貴重な時間。予算の裏づけが無いことと、多忙化で教材研究や準備の時間が確保されないことこそが問題。
  • ゆとり教育や総合的な学習の時間はよい結果がたくさん報告されているので、短絡的に見直しをするべきではない。
  • 体育祭、文化祭とともに人間関係を育てる教育の総合的な学習の時間をつぶさないでほしい。
  • 現在「学力低下」が言われているが、「ゆとり教育」に全面的に取り組み始めてからまだわずか。どっしりと構え、維持していくべき。

消極的な意見

  • 比較的多く寄せられた意見 今や子どもたちの生きる力は危機的に低下している。その現状を見ずして大衆受けする総合的な学習の時間に力を入れるのは大きな問題である。今一度、きちんと教えこむことの大切さを認識するべきである。
  • 総合的な学習の時間の見直しは、3年前から試行錯誤でやってきた教育現場に、教育政策の不信感を抱かせる結果になった。
  • 総合的な学習の時間が意図する事象の関連的思考能力は教科学習の中においても習得できる。
  • 生徒10名につき1名の専門のスタッフを配置できないのであれば、総合的な学習の時間は廃止すべきである。
  • 総合的な学習の時間は教師、生徒を混乱させるだけであり、それをなくし特別活動を充実させた方が有意義である。
  • 学力低下は生活科の導入、学習内容厳選及び授業時数の削減、総合的な学習の時間の導入によって引き起こされた。

その他の意見

  • 総合的な学習の時間をどうこうする前に、伝統的な子どもの文化の再生を図ることが大切である。

国語力の充実

積極的な意見

  • 具体的に、授業時数をどれだけ増やすのが新しい指導内容にふさわしいかを、現場の声を捉えて検討されたい。
  • 国語・漢文の時間を倍増し、語彙を豊かにすることが、道徳性の涵養につながる。
  • 系統的な思考能力の発展が期待される文化の伝達創造に必須なものは道具教科と言われる国語、数学である。その学習時間を増やすべきである。

理数教育の充実

積極的な意見

  • 系統的な思考能力の発展が期待される文化の伝達創造に必須なものは道具教科と言われる国語、数学である。その学習時間を増やすべきである。
  • 小学校低学年の「生活」をやめ、理科、社会にもどしてほしい。

その他の意見

  • 数学は進学のための道具として考えられており、受験のための数学は暗記の教科になっている。

小学校段階における外国語教育の充実

消極的な意見

  • 小学校で英語を教えることは論外。思考は日本語でします。英語で思考する人はいません。もっと日本語を大切にしないと思考力は低下する一方です。
  • 下手な日本人の英語教師に幼少から教わっても百害あって一利なし。しっかりとした日本語、言葉の基礎判断力が出来てからでよい。
  • 小学校では全員英語を学ぶべしという結論が個性化教育を奨める現要領からどうして出てくるのかわからない。

その他の意見

  • 外国籍の子供達のために、外国語の授業を英語に限定することなく、母語を使えるような教育課程を作ってほしい。
  • 小学校に英語教育を導入する事も大切ですが、中学校や高校での英語の授業のあり方、また大学入試での英語のあり方を見直す必要もあるのではないか。

学校図書館の充実

積極的な意見

  • 現在どの学校でも「朝の読書」に取り組み始めているが、学校図書館の蔵書数が足りない。
  • 幅広い知識を伸ばし、想像力や思考力をつけるため学校図書館の充実とともに12学級以上の学校のみならず全学校に司書教諭を配置すべき。
  • 現在のような司書教諭の配置の仕方では、司書教諭の負担が非常に大きい。図書館への予算、司書教諭、学校図書館を担当する職員の充実を図る必要がある。
  • 司書教諭の専任化をするべきである。
  • 司書教諭については、教務主任並みの時間軽減措置をすべき。

習熟度別指導、少人数指導、個に応じた指導の積極的な実施

積極的な意見

  • 習熟度別テキストを使用した習熟度別授業、飛び級をできるだけ早急に実施してほしい。教師も私学や塾の習熟度別のきめ細かな指導法を学ぶべきだ。
  • クラスの人数は教科や行事により弾力的に運用するほうがよい。
  • 「覚えるまで・理解するまで」勉強すれば、勉強は楽しいものだとわかり、「読み、書き、計算」は生きる力を醸成するものと考える。

消極的な意見

  • 小学校低学年から、差別・選別の教育が強化される。
  • 習熟度別学習で、早い時期から下のクラスになってしまった子どもは、ずっと差別感を味わい、結果劣等感、挫折感からよくない行動をとるのではないか。
  • 習熟度別指導によって小学校低学年から差別・選別の教育が強化されている。「子どもの権利条約」に基づき、自主的・創造的な教育課程づくり、実践を行うべきである。

その他の意見

  • 習熟度別指導でなく、少人数学級で協同学習をしていくことがすべての子供の学力を高めていくことになる。
  • 学力低下に対し、早急に何らかの手を打つべきだ。

全国的な学力調査の実施

積極的な意見

  • 比較的多く寄せられた意見 客観的なデータを得て、指導方法の改善や教育制度等が適当であるかどうかを見直すために、学力調査は必要である。
  • 比較的多く寄せられた意見 子どもの実態から制度や施策等を見直す為の調査は必要だが、学校間や地域間の競争をあおり学習意欲を高める考えは間違いである。
  • 学力調査は子どもの実態を知るためにはよい。結果は教育の一部分が現れたものにすぎないので、扱いも十分考える必要がある。
  • 子供達の学力に地域間格差を生じさせないためには、全国的な学力テストで水準を把握することが必要である。
  • 学力調査の結果を受けて、教職員がどのように改革・改善に関わる事ができるか、教育行政がどのように条件整備を行っていくかということに反映されることが最も必要である。
  • 実態把握という点から教師として、子供の理解度を知るために必要とは思うが、小さい子に対しては必要ない。

消極的な意見

  • 比較的多く寄せられた意見 子供や学校間や地域間の競争をあおり、学校や地域の序列化や学力偏重に結びつくテストは導入すべきではない。
  • 比較的多く寄せられた意見 子ども同士、学校間、地域間で競争をあおることは好ましいことではない。
  • 今の学力検査は、子ども、学校、地域間の競争をあおり、序列化や学力偏重に結びつく。マスコミを通じて発表等考え直してほしい。
  • 判断力や問題解決能力・企画力・創造力などといった、本当の意味での学力はこのような学力調査でははかることができない。
  • 調査結果が公表され、平均点をあげるための不正な指導や特定の子供を排除するなどの問題点が報告されている。
  • 全国学力調査は学校、個人が評価され、子供たち一人ひとりの個性が打ち消される。学校は、子どもたちの基礎学力をつけさせながら、1人ひとりの個性を大切にした豊かで深く幅の広い「学力」をめざしていくべき。
  • 子ども達の個性を尊重しながら、子ども達自身を大切にしながら、子ども達が意欲を持って学習できる環境を作りあげていく工夫が大切。
  • かつての「学力テスト」における問題を踏まえ、目的・手法について中教審で慎重に論議されることを要望する。

その他の意見

  • 教員や学校にプレッシャーをかけたりせずに、子どもたちにとって為になるようなものにしてもらいたい。
  • 生きる力につながる学力の養成に力を入れてほしい。
  • 一生学び続ける意欲の持続が培えることが大切。

自然体験、職業体験、就業体験、奉仕体験等の推進や年齢、学年、学校種を超えた交流の機会の拡大

積極的な意見

  • 子供達の生活実態を把握し、体験的学習がもっと充実するように考慮して下さい。
  • 職業観や勤労観の育成などのキャリア教育の推進は、積極的に進めて欲しいと考えます。
  • 今後の大量退職期に職を離れた人達に、リーダーシップをとってもらい、子供の育成に加ってもらいたい。

少人数教育の推進のための教職員配置の改善

積極的な意見

  • 今の子ども達は個別に支援を必要とする子が多く、40人でも多すぎる位。今以上に教育環境を劣悪にするかもしれない。
  • 個別学習ができるように、30人以下学級の実現をするべきである。
  • 現在子どもの生育環境が、少人数の個別の対応で育っているため、40人学級では指導が難しい。
  • 現場で40人学級は大変きつく教育にならないため、早急に30人学級を実施してほしい。

その他の意見

  • 40人学級は維持し、ベテラン教師と新米教師のペアによる複数教師の担任が望ましい。
  • 児童数減により、1学年1学級なので職員一人あたりの負担も大きい。
  • 現在実施されている小規模校の再編統合(40名学級の基準)との整合性をどう考えたら良いのか。

9年制の義務教育学校の設置やカリキュラム区分の弾力化の検討

その他の意見

  • 中高一貫6年制と、中2修了で進学する普通科、職業科の4年制高校を設置する。
  • 例えば、義務教育の年限を10年間とし、その期間は教育を受ける権利を有するが、受講内容は本人の理解度に応じて決定する。

幼稚園への就園奨励事業の拡大や幼稚園の保育内容の改善充実、総合施設の実現

その他の意見

  • 児童手当をもっと増やすか、保育園、幼稚園を安価な統一料金にしてほしい。

フリースクールなど学校外の教育施設での学習を就学義務の履行と見なす仕組みの検討

積極的な意見

  • 一般の学校は無理でも、小さい人間関係の中ではやっていける子供が多数おり、卒業後は全く他の人と変わらない生き方ができる。

LDやADHD等の児童生徒への支援の充実

積極的な意見

  • 障害を持つ子どもたちに、社会性やコミュニケーション性を基盤とした「生きる力」を育てる特別支援教育を進める必要がある。
  • LD等の新たな課題に対応した教職員の研修を保障すべき。
  • 小・中学校と盲・聾・養護学校との連携、小・中学校内の特別支援教育の体制作りなど、現場の状況をくみとりながら進めていってほしい。
  • 教師の数が少ないと同じ障害を持つ子同士で教師を奪い合うことになる。障害のある子どもの教育に対する予算を充実させ、教師の数を増やすべき。
  • 就学前から社会に出た後までの一貫した支援の充実を図って欲しい。

その他の意見

  • 在籍者数が少ない割りに教員数が多いことを批判材料にして、盲・聾・養護学校の一本化や統廃合をすべきではない。子供たちと共に学習する中で教員も磨かれるのだから。
  • 特別支援教育は、決して人減らしのための施策にならないようにしてほしい。

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初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)

-- 登録:平成21年以前 --