【報道発表】　平成23年度公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査の結果について

平成24年1月31日

1．調査内容

（1）調査対象

　 全ての公立小学校，中学校，中等教育学校前期課程の平成23年度計画について（一部平成21年度実績，22年度実績，24年度予定を含む。）

（2）調査手法

 　都道府県・指定都市教育委員会を通して調査を実施
　 （ただし，岩手県，宮城県，福島県，仙台市については，東日本大震災の影響により，調査を見送り）

（3）調査期間

 　平成23年7月22日～平成23年9月16日

2．調査結果の概要

【A票（教育課程の編成・実施状況全般について）】

1．小・中学校の授業時数の状況

　 平成22年度には，9割程度の公立小・中学校において，各教科等の授業が学校教育法施行規則に定める標準授業時数を超えて行われている。そのうち標準授業時数を年間35単位時間（週1コマ相当）程度以上，上回っているのは，例えば，公立小学校（第5学年）で57．9％，公立中学校（第2学年）で64．5％，同様に年間70単位時間（週2コマ相当）程度以上，上回っているのはそれぞれ18．6％，23．4％である。

2．年間総授業時数を増やす取組

 　平成23年度から各教科等の授業時数を増やす予定の学年がある学校は，公立小学校で87．3％，公立中学校で32．6％となっており，特に小学校第1学年及び第2学年において授業時数を増やす予定の学校の割合が高い。

3．総合的な学習の時間の実施状況

　 平成23年度，総合的な学習の時間について，中学校の新しい学習指導要領で新たに例示した「職業や自己の将来」に関する学習活動を行う予定の公立中学校の割合は，92．5％である。

4．個に応じた指導の実施方法

 　平成23年度，理解や習熟の程度に応じた指導を実施する予定の学校の割合は，公立小学校において78．0％，公立中学校において68．5％であり，平成21年度と比べて増加している。

5．小学校における教科等の担任制の実施状況

　 平成23年度，公立小学校において，教科担任制による指導の予定が多い教科は，第3学年以上の音楽，第4学年以上の理科・図画工作，第5学年以上の家庭などである。その中でも理科の伸びが高く，第5学年で31．8％，第6学年で34．2％（平成21年度は第5学年で26．4％，第6学年で29．4％）が，教科担任制による指導を予定している。

6．土曜日等の活用の状況

 　平成23年度，教育課程内において，土曜日等を活用して，保護者や地域住民等への公開授業を実施する予定の学校の割合は，公立小学校は65．0％，公立中学校は56．4％であり，このうち，代休日を設けずに，保護者や地域住民等への公開授業を実施する予定の学校の割合は，公立小学校は5．7％，公立中学校は6．4％である。

【B票（外国語活動・外国語科について）】

1．小学校における外国語活動等の実施状況

 　平成23年度は5，6年生における外国語活動が全面実施となっているが，今回調査での平成23年度計画によれば，研究開発学校や教育課程特例校等により教科としてまたは開始学年を早めた外国語教育を行う等，学習指導要領で示されている外国語活動に加えて，または替えて，5，6年生で独自に外国語教育を実施している学校は，全体の9％である。また1年生から4年生についても，半数以上の学校で，総合的な学習の時間や特別活動等において何らかの形で外国語に触れる活動を計画している。

2．外国語指導助手等活用状況・活用計画

　 小学校5，6年生の外国語活動等におけるALT活用総時数は，調査対象校数が減少した中で，前回調査における平成21年度計画の1,234,958時間から，今回調査の平成22年度実績では1,296,372時間と61,414時間増加しており，その割合は外国語活動等総授業時数の約54％。
 　中学校における外国語等でALTを活用した時数の割合は，外国語等の総授業時数の増加に伴い，前回調査での平成20年度実績の約25％に比べ，平成22年度実績は約22％と減少。

3．小中連携の状況

 　外国語教育に関して小中連携に取り組む中学校区の割合は，平成21年度実績は約56％であったが，平成22年度実績は約63％と増加している。また，連携内容ごとに見ても，情報交換，交流，小中連携したカリキュラムの作成ともに，取り組む中学校区が増えている。