平成19年11月29日
財団法人全国高等学校体育連盟
専務理事 梅村 和伸
1.現代の教育諸課題の原因と背景
- 「・・・、「生きる力」で重視している、・・・体力などに課題がある。」
「・・・これまでは家庭や地域において自然に確保されてきた、・・・異年齢の子どもたちとの遊びやスポーツなどを通した切磋琢磨・・・などの重要さは言うまでもない。」等
(「教育課程におけるこれまでの審議のまとめ」【以下、省略】、
「4.課題の背景・原因」16ページ)
現代社会をどう捉えるか、その中で様々な教育課題がどのように発生しているか等について更に詳細に分析し、明らかにするとともに、将来に関する展望・予測についても同時に明らかにし、言及する必要がある。
2.子どもたちの現状
- 「・・・、子どもたちの体力水準が全体として低下していることがうかがえるとともに、積極的に運動する子どもとそうでない子どもに分散が拡大しているとの指摘がある。」
(「子どもたちの現状と課題」、15ページ)
上記のようないわゆる二極化の問題、体力低下の問題はじめ、その他人間関係の希薄化、最後まで頑張り抜く力の低下、コミュニケーション能力の貧困化等があげられる。さらに、これらのことがらが関係しあい、より問題を複雑化、深刻化している。
3.豊かな心と健やかな体を育てるために
(1)学校教育の教科「保健体育」が求められているもの
- 「・・・学校教育は、・・・体育に関する指導を充実させ・・・」
(「学習指導要領の理念を実現するための具体的な手だて」、19ページ)
- 「体育については、・・・、基礎的な身体能力と知識を身に付け、生涯にわたって運動に親しむことができるように、・・・体系化を図る。」
(高等学校「保健体育」、105ページ)
- 「生涯にわたって健やかな体を培うための身体能力や知識を定着させ、個人に応じた豊かなスポーツライフを実現する資質や能力を育成するとともに、・・・」
(「高等学校:保健体育」、107ページ)
学校教育では、体育指導を重視し、その中で生涯にわたってスポーツに親しみ、実践できる力を培うことを求めている。その力をさらに育む意味においても運動部活動が果たす役割には大変大きなものがあることを指摘しておきたい。
(2)学校・地域・家庭の独自機能と相互の連携・協力の中での豊かな心と健やかな体の育成
- 「・・・、特に、豊かな心や健やかな体の育成については、家庭が第一義的な責任をもつものであり、その自覚が強く求められる。・・・」
(「家庭や地域との連携・協力の推進」、145ページ)
- 「・・健やかな体の育成について、社会の大きな変化の中で家庭や地域の教育力が低下した事を踏まえた対応が十分でなかった・・・」
「・・・健やかな体の育成に当たっては、学校、家庭及び地域の役割分担と連携が重要である。・・・」
(「学習指導要領の理念を実現するための具体的な手立て」、19ページ)
特に、地域と家庭での教育プログラムやその支援体制の具体化が求められている。
4.運動部活動の位置づけ
生涯にわたるスポーツ実践と高校期における運動部活動との相関関係には高いものがある。また、体力低下対応、望ましい人間関係の構築、コミュニケーション能力の育成等運動部活動が果たしている役割は極めて大きい。従って、各学校での運動部活動が一層活性化していくために「高等学校学習指導要領」総則での運動部活動の明確な位置づけが大変大きな意味を有することとなる。そのことを、全国の高校教育関係者は強く望んでいる。
- 「・・・。中学校と同様に、生徒の自発的・自主的活動として行われている部活動について、学校教育活動の一環としてこれまで高等学校教育において果たしてきた意義や役割を踏まえ、教育課程に関する事項として、学習指導要領に記述することが必要である」
(高等学校の「年間の授業週数、週当たりの授業時数等」、42ページ)
5.運動部活動が日々の教育活動の中で、意義ある活動として活発に行われるための重要な条件として、教師の事務負担軽減を中心とした以下の内容に関する整備がなされなければならない。
- 「・・・、「生きる力」をはぐくむという理念を実現するに当たっては、・・・。・・・教師が子どもたちと向き合う時間を確保することが必要である。このため、それに要する教師数を確保する観点から、教職員定数の改善が重要である。また、外部人材の活用や地域全体で学校を支援する体制の構築なども求められる。・・・」
(「・・・教育条件の整備等」、138ページ)
- 「・・・、各教科の指導や生徒指導をはじめとした本来の職務と使命を十分に果たすことができるようにするためには、教師の事務負担の軽減等が不可欠である。」
(「教師の事務負担の軽減等」、139ページ)