ここからサイトの主なメニューです
資料4−1

外国語科の現状と課題、改善の方向性(検討素案)(教育課程部会等の審議を踏まえて再整理したもの)

1. 現状
   外国語科は、外国語を通じて、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、聞くことや話すことなどの実践的コミュニケーション能力を養うことをねらいとしている。
 このねらいを実現するため、「言語活動」、「言語活動の取扱い」、「言語材料」等により内容を構成し、生徒の発達段階を踏まえ、具体的な言語活動を通して外国語の力を育成している。また、高等学校では、「オーラル・コミュニケーション1」、「オーラル・コミュニケーション2」、「英語1」、「英語2」、「リーディング」、「ライティング」の6科目を設けている。
 生徒の学習状況については、例えば、中学校においては「聞くこと」、「話すこと」に重点を置いた指導が行われており、全体として聞くことについては比較的良好である。また、高等学校においては、概要や要点を適切に把握するなど、読むことについては比較的良好である。

2. 課題
   中学校・高等学校を通じて、コミュニケーションの中で基本的な語彙や文構造を活用する力が十分身に付いていない、内容的にまとまりのある一貫した文章を書く力が十分身に付いていない状況なども見られる。
 英語が大切、普段の生活や社会に出て役に立つと考えている生徒は、他の教科に比べて多いのに対して、学年が進むにつれて英語が好きな生徒は減少する傾向が見られるとともに、中学校において、授業が分からない生徒の割合が他の教科と比べて高い傾向が見られる。
 高等学校については、「英語1」において、文法・訳読が中心となっている、また、「オーラルコミュニケーション1」において「聞くこと」「話すこと」を中心とした指導が十分になされていない実態があるなど、4技能の指導において偏りがあるとの指摘がある。

3. 改善の方向性
   社会や経済のグローバル化の急速な進展に伴い、単に受信した外国語を理解することにとどまらず、コミュニケーションの中で自らの考えなどを相手に伝えるための「発信力」の育成がより重要となっている。このため、「聞くこと」や「読むこと」を通じて得た知識等について、自らの体験や考えなどと結びつけながら活用し、「話すこと」や「書くこと」を通じて発信することが可能となるよう、中学校・高等学校を通じて、4技能を総合的に育成する指導を充実する方向で改善を図る。
 指導に用いられるコンテンツ(教材の題材や内容)については、外国語学習に対する関心や意欲を高め、外国語で発信しうる内容の充実を図る等の観点を踏まえ、4技能を総合的に育成するための活動に資するものとなるよう改善を図る。
 「聞くこと」、「話すこと」、「読むこと」及び「書くこと」の4技能の総合的な指導を通して、これらの4技能を統合的に活用できるコミュニケーション能力を育成するとともに、その基礎となる文法をコミュニケーションを支えるものとしてとらえ、文法指導をコミュニケーション活動と一体的に行うよう改善を図る。また、コミュニケーションを内容的に充実したものとすることができるよう、指導すべき語数を充実する。
 中学校における「聞くこと」、「話すこと」という音声面での指導については、小学校段階での外国語活動(仮称)を通じて、「聞くこと」、「話すこと」について一定の素地が育成されることを踏まえ、身近な事柄についてコミュニケーションを図ることができるよう、指導内容の改善を図る。あわせて、「読むこと」、「書くこと」の指導の充実を図ることにより、「聞くこと」、「話すこと」、「読むこと」及び「書くこと」の4つの領域をバランスよく指導し、高等学校やその後の生涯にわたる外国語学習の基礎を培う。その観点から、中学校において目指すべき目標の具体化を図る。
 高等学校においては、中学校における学習の基礎の上に、聞いたことや読んだことを踏まえた上で、コミュニケーションの中で自らの考えなどについて内容的にまとまりのある発信ができるようにすることを目指し、「聞くこと」や「読むこと」と、「話すこと」や「書くこと」とを結び付け、四つの領域の言語活動の統合を図る。
 高等学校において、中学校における学習が十分でない生徒に対応するため、身近な場面や題材に関する内容を扱い、中学校で学習した事柄の定着を図り、高等学校における学習に円滑に移行させるために必要な改善を図る。

4. 改善例
  【中学校】
 義務教育終了段階として中学校において身近な事柄についてコミュニケーションを図ることができるようにするとともに、高等学校やその後の生涯にわたる英語学習の基礎を培うこととして、次のような改善を図る。
(ア)  小学校段階での外国語活動(仮称)を通じて育成された素地を踏まえ、「聞くこと」、「話すこと」に関して、簡単な話しかけに対して正しく応答したり、身の回りのできごとなどについて、事実関係を伝え合ったり、自分の考えを述べ合ったりすることができるよう、指導の改善を図る。
(イ)  「読むこと」に関して、内容的にまとまりのある文章を読み、情報を整理して正確に読み取ったり、書き手の意図をとらえたりすることができるよう、指導の充実を図る。
(ウ)  「書くこと」に関して、自分の考えや気持ちなどを読み手に正しく伝えられるよう、内容的にまとまりのある一貫した文章を書けるように、指導の充実を図る。
(エ)  義務教育終了段階の目指すべき目標として、例えば、中学校第3学年で指導される内容について自然な速さで話される英語を聞き取ることができること、与えられたテーマについてまとまりのあるスピーチができること、ある程度の長さの英文を読んで概要をとらえることができること、短時間でまとまりのある英文を書くことができることなどを設定し、指導の充実を図る。
(オ)  言語の使用場面と言語の働き、言語材料を効果的に関連付ける指導を充実する観点から、文法指導の改善を図るとともに、指導すべき語数を充実する方向で見直す。また、コミュニケーション能力を育成する観点から、語彙や文構造を定着させるために必要な指導の改善を図る。
(カ)  日本語とは異なる言語の運用についての理解や、自国や郷土についての理解、国際理解などを通して、言語や文化に対する理解を一層深めるられるよう、指導の充実を図る。
(キ)  自発的・持続的な学習を推進するため、辞書の使い方、音声と文字との関係などに関する指導の充実を図る。

【高等学校】
 四つの領域の言語活動の統合を図るとともに、発信力の向上や、中学校との円滑な接続を図る観点から、科目の構成及び内容等を次のように改善する。
(ア)  「コミュニケーション英語基礎」は、身近な場面や題材に関する内容を扱い、日常的な事柄についてのコミュニケーション活動等を行うことを通して4技能を総合的に育成することにより、高等学校での学習に円滑に移行させることをねらいとして内容を構成する。
(イ)  「コミュニケーション英語1」は、4技能を総合的に育成することをねらいとして内容を構成し、統合的な活動が行われるようにするとともに、そうした活動に適したコンテンツを扱うこととする。その際、例えば、社会科や理科など他教科で学習する内容、自国や郷土の風俗・習慣、歴史、その他の様々な文化・伝統に関する内容、発明や発見などの科学技術や自然に関する内容、異文化コミュニケーションに関する内容等、コミュニケーションへの関心・意欲・態度の育成にも資するコンテンツを選択的に取り上げ、体系立てて扱うものとする。
(ウ)  「コミュニケーション英語2」は、「コミュニケーション英語1」の基礎の上に、総合的な英語力の向上を図る指導を行うことをねらいとして内容を構成する。
(エ)  「コミュニケーション英語3」は、「コミュニケーション英語1」及び「コミュニケーション英語2」の基礎の上に、総合的な英語力の向上を図る指導を行うことをねらいとして内容を構成する。
(オ)  「英語表現1」は、基本的な言語規則に基づいて、様々な場面に応じて適切に話すことや書くことができるようにし、あわせて論理的思考力や批判的思考力を養うことをねらいとして内容を構成する。
(カ)  「英語表現2」は、スピーチやプレゼンテーション、ディスカッション、ディベートなど高度なコミュニケーション活動を行うことができるようにすることや複雑な文構造を用いて正確に内容的なまとまりのある多様な文章が書けるようにすること、あわせて論理的思考力や批判的思考力を養うことをねらいとして内容を構成する。
(キ)  「英語会話」は、身近な場面や題材に関する内容を扱い、音声を中心にしたコミュニケーション活動等を行うことを通して必要な情報や考えを聞いたり、話したりすることができる力の向上を図るような指導を行うことをねらいとして内容を構成する。
(ク)  言語活動、言語材料、教材、指導上の工夫及び配慮事項については、各科目のねらいに配慮しつつ、中学校と同様の趣旨で改善を図る。また、ICTなどを指導上有効に活用することに配慮する。
(ケ)  「コミュニケーション英語2」は「コミュニケーション英語1」を履修した後に、「コミュニケーション英語3」は「コミュニケーション英語2」を履修した後に、履修させるようにする。


ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ