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資料4−1

未定稿

● OECDにおける「キー・コンピテンシー」について

【経緯】
 
 教育の成果と影響に関する情報への関心が高まり、「キー・コンピテンシー(主要能力)」の特定と分析に伴うコンセプトを各国共通にする必要性が強調。
 こうしたなか、OECDはプログラム「コンピテンシーの定義と選択」(DeSeCo)を1997年末にスタート。(2003年に最終報告。PISA調査の概念枠組みの基本となっている。)

【コンピテンシーの概念】
 
 「コンピテンシー(能力)」とは、単なる知識や技能だけではなく、技能や態度を含む様々な心理的・社会的なリソースを活用して、特定の文脈の中で複雑な要求(課題)に対応することができる力。

【キー・コンピテンシーの定義】
 
 「キー・コンピテンシー」とは、日常生活のあらゆる場面で必要なコンピテンシーをすべて列挙するのではなく、コンピテンシーの中で、特に、1人生の成功や社会の発展にとって有益、2さまざまな文脈の中でも重要な要求(課題)に対応するために必要、3特定の専門家ではなくすべての個人にとって重要、といった性質を持つとして選択されたもの。
 個人の能力開発に十分な投資を行うことが社会経済の持続可能な発展と世界的な生活水準の向上にとって唯一の戦略。

【キー・コンピテンシーの3つのカテゴリー】
 
 キー・コンピテンシーは、
 
1 社会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する能力 (個人と社会との相互関係)
2 多様な社会グループにおける人間関係形成能力 (自己と他者との相互関係)
3 自律的に行動する能力 (個人の自律性と主体性)
 この3つのキー・コンピテンシーの枠組みの中心にあるのは、個人が深く考え、行動することの必要性。
 深く考えることには、目前の状況に対して特定の定式や方法を反復継続的に当てはまることができる力だけではなく、変化に対応する力、経験から学ぶ力、批判的な立場で考え、行動する力が含まれる。
 その背景には、「変化」、「複雑性」、「相互依存」に特徴付けられる世界への対応の必要性。
具体的には、
 
1  テクノロジーが急速かつ継続的に変化しており、これを使いこなすためには、一回習得すれば終わりというものではなく、変化への適応力が必要に。
2  社会は個人間の相互依存を深めつつ、より複雑化・個別化していることから、自らとは異なる文化等をもった他者との接触が増大。
3  グローバリズムは新しい形の相互依存を創出。人間の行動は、個人の属する地域や国をはるかに超える、例えば経済競争や環境問題に左右される。

【3つのキー・コンピテンシー】

 
キー・コンピテンシーの具体的な内容 当該能力が必要とされる背景等 教育課程部会における議論等
1  社会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する能力

   
 言語、シンボル、テクストを活用する能力
 
 様々な状況において、話したり書いたりする言語のスキルや数学的なスキル等を効果的に活用する力。
【PISA調査・読解力、数学的リテラシー】

← 社会や職場において十分に役割を果たしたり、他人との効果的な対話に参画する上で、核となる手段(ツール)。
 初等中等教育は単なる国内問題ではなく、国際的な影響を受けていることを前提とすべき。
 今必要なのは社会的なコミュニケーション能力。
 日常生活に結びついた数学的リテラシーを育む必要。
 知識や情報を活用する能力
 
 情報それ自体の本質について、例えば、その技術的なよりどころや社会的・文化的な文脈などを考慮して、批判的に深く考えることができる力。
【PISA調査・科学的リテラシー】
 他人の意見や選択肢の理解、自らの意見の形成、意思決定、確実な情報に基づいた責任ある行動を可能とする基盤。

← 現代社会におけるサービスや情報部門の重要性や知識経営の必要性の増大のなかで、情報や知識を双方向で使いこなす力が必須に。
 科学的な視点に基づいてデータを検討・考察し、科学的に表現する指導重要。
 イギリスなどの批判的に情報に接する研究なども参考可能。
 テクノロジーを活用する能力
 
 個人が日々の生活においてテクノロジーが新しい方法で活用できることに気付くことが第一。
 テクノロジーには、遠隔地間の協働、情報へのアクセス、他人との双方向のやりとりなど新たな可能性。そのためには、E-mailの送信など単なるインターネットの活用スキル以上の が必要。

← テクノロジーのイノベーションは、職場の内外にかかわらず個人に新しい能力を要求。
 コンピュータはあくまでもツールであることを教えるべき。
 科学技術のガバナンスを教えることも重要。
2  多様な集団における人間関係形成能力

   
 他人と円滑に人間関係を構築する能力
 
 個人が知人や同僚、顧客などと個人的な関係を作り出し、維持し、発展させる力。
 具体的には、「共感する力」、「感情を効果的にコントロールする力」。

← 社会の安定や統合のためだけではなく、情動知能が強調されるなど企業や経済が変化するなかで経済的に成功する上でも重要な能力に。
 低学年のうちに「聞く」ということを学ばせることが大切。
 今不足しているのは「人格教育」。バランスのとれた人格形成を目指すべき。
 協調する能力
 
 協調に当たっては、各個人が一定の能力を持っていることが必要。グループへの貢献と個々人の価値とのバランスを図ることができる力が不可欠。また、リーダーシップを共有し、他人を助けることができることも必須。

← 多くの需要や目標は一人では達成できず、グループのなかで同じ目的を共有し、協力する必要。
 目の前の仕事に一生懸命取り組み、そこから楽しみを感じる力を身に付けさせることが重要。
 利害の対立を御し、解決する能力
 
 利害の対立に建設的にアプローチするには対立を否定するのではなく、それを御するプロセスを認識すること。他者の利益や双方が一定の利益を得るための解決方法への深い理解が必要。

← 家庭、職場、より大きなコミュニティで生じる紛争は、社会の現実の一側面で、人間関係に不可避の存在。  
3  自立的に行動する能力

   
 自立とは孤独のことではなく、むしろ周囲の環境や社会的な動き、自らが果たし果たそうとしている役割を認識すること。 ← 自立的に行動することは、社会の発展に効果的に参加するためだけではなく、職場や家庭や社会生活など人生の様々な側面のそれぞれをうまくこなす上でも必要。  
 大局的に行動する能力
 
 自らの行動や決定を、自身が置かれている立場、自身の行動の影響等を理解したうえで行える力。
【PISA調査・問題解決能力】

 
 文明的社会を希求した人間の発展の歴史を理解させる必要。
 人生設計や個人の計画を作り実行する能力
 
 人生の意義を見失いがちな変化し続ける環境のなかで、自らの人生に一定のストーリーを作るとともに意味や目的を与える力。

 
 社会のなかで自分は何をしたいのか、社会とどうかかわるのか、人間の幸福な暮らしと調和や発展をどうリンクするのか考えることが重要。
 権利、利害、責任、限界、ニーズを表明する能力
 
 成文のルールを知り、建設的な議論のうえ、調整したり対案を示したりする力。
 自分自身の権利などを表明するためのみの力ではなく、家庭、社会、職場、取引などで適切な選択をすることができる。
 
 社会の構成員としての責任と義務を理解させる必要。
 法律などルールを守ることを身につけさせることは重要。

OECD『The Definition and Selection of KEY COMPETENCIES』などを参考に事務局で作成


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