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教育課程部会(第101回) 議事録

1.日時

平成28年12月8日(木曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

旧文部省庁舎 6階 第2講堂

東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. OECD生徒の学習到達度調査(PISA2015)等の結果について
  2. 答申(案)について
  3. その他

4.議事録

【無藤部会長】    それでは、定刻になりましたので、ただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会第101回を開催いたします。本日は、お忙しい中、御参集を頂きまして、誠にありがとうございます。
  本日でございますけれども、まず国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)、及びOECD生徒の学習到達度調査(PISA)の結果、及び答申案について御議論を頂きたいと思います。
  本日、御審議いただく答申案につきましては、今後、初等中等教育分科会での御審議を経て、12月21日、中央教育審議会総会において更に御審議を頂く予定でございます。教育課程部会での御審議は本日が最後となる予定でございますので、その旨よろしくお願いください。
  それでは、事務局から配布資料について確認をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    失礼いたします。配布資料の確認をさせていただきます。
  本日、議事次第記載のとおり、資料1から資料5、その他、机上に参考資料を配布させていただいております。
  また、いつものように、机上にタブレット端末を置かせていただいております。参考となります答申、関係資料等をデータで入れております。議事次第の裏面に目次がございますので、適宜御覧いただければと思います。
  また、ヒアリングを行わせていただいた団体から提出のあった資料、それからヒアリング対象団体以外の関係者からの要望一覧も、紙ファイルにおいて配布させていただいております。よろしくお願いいたします。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  それでは、これより議事に入りたいと思います。
  本日も、報道関係者より会場の撮影及び録音の申出があり、これを許可しておりますので、御承知おきください。
  それでは、国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)、及びOECD生徒の学習到達度調査(PISA2015)の結果につきまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。
【高木学力調査室長】    失礼いたします。二つの国際学力調査についての御説明をさせていただきます。
  まず一つ目、資料1、国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)のポイントでございます。先週火曜日、11月29日、世界同時解禁で発表させていただいたものでございます。
  国際教育到達度評価学会(IEA)が行っているものでございまして、小学校4年生、中学校2年生を対象に、算数・数学、理科の到達度を測るためのものでございます。小学校に関しましては、50か国・地域(約27万人)、中学校におきましては40か国・地域(約25万人)が参加したものでございます。我が国におきましては、抽出させていただきました小学校148校(約4,400人)、中学校147校(約4,700人)に参加いただいたところでございます。
  今回の結果でございますけれども、1ページ目の真ん中よりやや下の所に記載させていただいているところでございます。1995年の第1回の国際平均を500点という基準点にしまして、その年々の結果を見ておるんですけれども、今回、2015に関しますと、小学校4年生の算数が593点、理科が569点、中学校2年生の数学が586点、理科が571点ということでございまして、前回の4年前の2011に比べまして、全ての教科におきまして有意に上昇しておるといったことでございます。また、得点を見てみますと、1995年から見まして過去最高の得点といった形になっているところでございます。
  御参考までに、参加国中の順位を申しますと、小学校算数に関しますと49か国中5位、理科は47か国中3位、中学校数学は39か国中5位、理科に関しますと39か国中2位といった状況でございます。
  開いていただきまして、公表問題の例を表示させていただいておるところでございます。2ページが算数・数学、3ページが理科でございます。各国のカリキュラムに応じまして、知識、技能等の定着動向を見る問題でございます。全国学力・学習状況調査で申しますと、どちらかといいますとA問題に近い内容が多いのかなといったところでございます。
  4ページでございます。習熟度別の状況を見たものでございます。それぞれの棒グラフの左側が300点未満ということで低い層、550点以上、625点以上といったところが高い層になります。左から右へ行くほど高い層という形になります。一つ一つの棒グラフで申しますと、左から1995年、右に行くと2015年ということで年度が新しくなってくるといったところでございます。また、国際中央値を黒の折れ線グラフで示しているところでございますけれども、全ての教科にわたりまして一番上位層であります625点以上の層が増えています。今回の結果は、前回に比べて増えてきているという結果が見られるところでございます。
  下の欄に記載しております上位5か国の割合でございます。上位5か国で見た場合、下位層、400点未満、若しくは475点未満の所を見てみますと、5か国の中ではそんなに遜色のないところでございますけれども、625点以上の層を見てみますと、例えばシンガポールなどと比べますと、上位層が若干薄い傾向が見られるといったところでございます。
  6ページ、7ページは、併せてアンケート調査を行っています。その結果を示しているところでございます。
  6ページの方は、算数・数学に関するところでございます。「算数・数学は楽しい」「算数・数学は得意だ」といった上段の質問でございますけれども、太線が我が国の結果で、点線が国際平均でございます。また、濃い方が小学生、薄い方が中学生でございますけれども、特に「算数・数学が楽しい」というのは改善傾向が見られるところでございますけれども、国際平均と比べるとまだ差がある。中学生の方は国際平均との差は縮まっているところですが、国際平均と比べるとまだ差が見られるといったところでございます。
  下段の方でございますけれども、こちらは中学生のみに聞いておるものでございます。「数学を勉強すると、日常生活に役立つ」、若しくは「将来、自分が望む仕事につくために、数学でよい成績をとる必要がある」といった質問に関しましては、国際平均との差はあるものの、差が縮まってきて改善傾向が見られるといったところでございます。
  7ページの方は、理科について記載しているところでございます。「理科は楽しい」「理科は得意だ」に関しますと、小学校の方は国際平均よりも上回っているといった状況でございます。一方、中学校の方は国際平均よりも下回っているといった状況で、小学校の「理科は楽しい」「理科は得意だ」といったところが、中学校になると国際平均を下回る傾向が見られるところでございます。
  下段でございますけれども、「理科を勉強すると日常生活に役立つ」若しくは「将来、自分が望む仕事につくために、理科で良い成績をとる必要がある」といった質問に関しまして、数学と同様に改善傾向が見られて、国際平均との差は縮まっておるんですけれども、国際平均との差は依然残っておるといった状況でございます。
  続きまして、資料2-1でございます。OECD生徒の学習到達度調査(PISA2015)でございます。一昨日、6日、火曜日に世界同時解禁したものでございます。
  こちらの方は、義務教育修了段階の15歳児を対象としているものでございまして、我が国におきましては高校1年生に参加いただいているところでございます。そういった生徒を対象に、知識や技能を実生活の様々な場面で直面する課題に対してどの程度活用できるかといったことを評価しておりまして、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野について実施しているものでございます。
  3年に一度実施しているものでございまして、OECD加盟国35か国、非加盟国も合わせまして72か国、約54万人が参加しているところでございます。我が国におきましては、198校、約6,600人に参加いただいたところでございます。
  今回の特徴としまして、今までの筆記型調査から、コンピューター使用型調査に移行したといったところがございます。
  結果でございますけれども、1ページの下段を御覧ください。赤い折れ線グラフが読解力、青い折れ線グラフが数学的リテラシー、緑色が科学的リテラシーでございます。今回、先ほど申しました筆記型からコンピューター使用型への移行、及びOECDの中での得点の採点方法に若干変更があったことから、直接的な比較はなかなか難しいところではありますけれども、各リテラシーの基準点を先ほどのTIMSS同様に500点と設定しております。そちらで見た場合、科学的リテラシーは538点、数学的リテラシーは532点、読解力は516点といった結果でございまして、科学的リテラシー、数学的リテラシーに関しますとOECD加盟国中1位、読解力に関しましてはOECD加盟国中6位といった状況でございます。読解力が若干落ちた部分に関しましては、コンピューター移行型の調査等が見られるところでございますけれども、こちらに関しましては別途、御説明させていただきます。
  1ページ開いていただきまして、2ページでございます。今回、コンピューター使用型調査ということで、問題例を示させていただきました。コンピューター使用型ならではの調査ということで、気温でありましたり、湿度、水を飲むか、飲まないかといったことをマウスでクリックして動かしたりしながら、そういう条件下で走っている人が脱水症状を起こすのかとか、熱中症を起こすのかといったようなシミュレーションをして、それに対する解釈を答えるといった質問を出しているところでございます。
  科学的リテラシーに関しましては、コンピューター使用型調査ならではの調査を実施しておるんですけれども、今回、中心分野ではなかった読解力、及び数学的リテラシーに関しますと、前回までのペーパーで行ってきた調査をそのままコンピューター型に変えた形になっているところでございまして、コンピューター型ならではというのは科学的リテラシーのみといったところでございます。
  3ページでございます。OECD35か国における上位15か国の比較、下段の方は非加盟国も含めた72か国の比較といったところでございます。先ほど申したとおり、我が国は、OECD加盟国では科学的リテラシーは1位、数学的リテラシーは1位のところ、読解力に関しては6位という形になっているんですけれども、抽出による調査でございますので、95%の信頼区間として510点から522点の範囲内ということになります。ですので、アイルランドの521点と同程度の可能性もありつつ、ノルウェーとの同程度の可能性もあるといったことで、OECD諸国で言うと6位という形は出ているんですけれども、3位から7位の可能性があるといった形になっているところでございます。
  下段の方は、ちょっと見えにくいですけれども、網掛けになっているのが非加盟国でございまして、シンガポールでありますとか、香港などが我が国よりも上位にいるといった状況でございます。
  4ページでございます。科学的リテラシーの分野ごとの結果の状況を示しているところでございます。今回、3分野を示しておりまして、現象を科学的に説明する、科学的探究を評価して計画する、データと根拠を科学的に解釈するといった3分野につきまして、満遍なく上位に位置しているといった状況でございます。
  また、アンケート調査をPISA調査でも実施しているところでございます。前回、科学的リテラシーが中心であった2006年と比較しまして、理科学習に対する道具的な動機付け指標に関しまして、OECD平均に非常に近づくような改善が見られるところでございます。具体的な中身としましては、「将来、自分が就きたい仕事の役に立つから、努力して理科の科目を勉強することが大切だ」「理科の科目を勉強することは、将来の仕事の可能性を広げてくれるので、私にとってやりがいがある」といった質問に対する肯定的な解答が、2006年と比べて非常に増えてきているといった状況でございます。
  5ページでございます。習熟度別の状況でございます。上位8か国で比較しておるんですけれども、ゼロという太線が描いてある下が特に低いレベルということで、レベル2に満たないレベル1a、レベル1b、それ以下の層でございます。こちらの層を比べてみると、上位8か国の少なさから言うと我が国は遜色ないと思われるんですけれども、右に行くほどレベルが高くなりまして、レベルの高いレベル5、レベル6以上の所を見ますと、シンガポールなどと比べて層が若干薄いのかなといったところが見られます。
  今回、TIMSS、PISAともに好結果でございました。参加していただいた方々というのは、算数・数学、理科の授業時数を伸ばし、実験、観察を重視した現行学習指導要領を小学校の段階から実施している世代でございます。こういった効果とともに、学校教育全般における教職員全体の献身的な、熱心な効果を奏したのかなと考えられるところでございます。
  読解力につきましては、別途、御説明させていただきます。
【大杉教育課程企画室長】    失礼いたします。高木室長から説明ありましたように、PISAの3分野、全体的として上位グループに位置しているということでありますけれども、読解力につきましては紹介ありましたような課題があるということでございます。これを踏まえまして、資料2-2にございますような読解力の向上に向けた対応策ということで、しっかと対応を考えていきたいということでございます。
  今回の結果の背景でございますけれども、資料2-2の1枚目の裏面を御覧いただけますでしょうか。読解力の結果分析をさせていただきました。上のグレーの枠にございますように、従来から見られた自分の考えを説明することなどに課題があるということ。また、過去の結果と比べて正答率に大きな変化があった設問の誤答状況を分析いたしますと、例えば複数の課題文の位置付け、構成や内容を理解しながら解答することに課題がある。あるいは、画面上から情報を取り出して整理して、それぞれの関係を考えながら解答することに課題があるということでございます。コンピューターベースの問いに移行する中で、日本の子供たちの読解力に課題がある、少し弱いところがより明確に表れてきてしまったということで、読解力そのものの課題と、CBTへの移行という複合的な要因が背景にあるのではないかと考えているところでございます。
  習熟度別の生徒の割合ということで御覧いただきますと、特にレベル5以上の生徒の割合の低下が見られるところでございます。
  その下の方には、過去の結果と比べて大きな変動があった設問の誤答分析をさせていただいております。例えば、画面上、1ページ目に表があり、切り替わった2ページ目の画面で文章がありという、二つの情報を突き合わせて矛盾点を説明するというような設問に対して、情報を突き合わせてうまく解答することができなかった可能性があるのではないかということ。
  また、その下でございますけれども、比較的長い非連続型の文章を読んで解答することの中で、文章の末尾に注意書きという情報があったわけですけれども、この位置付けを画面上捉えて、しっかりと考えることができていなかったのではないかということ。あるいは、宣伝文、書評1、書評2というものを読んで解答することの中で、複数の文章の関係性を捉えて解答することができていなかった可能性があるのではないか、というような分析をさせていただいているところでございます。
  こうしたことの背景でございますけれども、一つ目は、まずは学校の学習におけるICT活用の現状ということでございます。2枚目の表面、【参考1】という所でございます。読解力というものが紙の上でも、コンピューター上でも、どんな場面でもしっかりと発揮できるようにしていくということが、今後、また求められるわけでございますけれども、授業におけるコンピューターの使用状況、諸外国と比較しますと、日本は一番右にございますように低い傾向にございます。また、授業における使用場面でございますけれども、一番下にございますように情報の収集という部分や情報の表現という部分に使われることが多い傾向でございまして、学習の中で情報を整理したり、他者と共有、交流させながら、自分の考えをまとめていくこととの学習上の関連付けが弱いのではないかというような分析もあるところでございます。
  また、何よりも子供たちを取り巻く情報環境の変化が影響を及ぼしているのではないかということも考えられるわけでございます。2枚目の裏面、【参考2】でございますけれども、例えば子供たちの読書状況、平均の読書冊数について、小・中学生は微増という傾向でございますけれども、高校生につきましては減少しているという状況。また、新聞を読んでいると解答する小・中学生の割合が現象傾向にあるということ。一番下のデータでございますけれども、スマホを活用したインターネットの利用時間は増加傾向にあるという状況。こうした中で、子供たちが一定量の文章と接する機会が乏しくなっているというようなことも考えられるところでございます。
  こうした分析、背景を踏まえまして、1枚目表面にお戻りいただければと思います。問題形式が変化する中で、子供たちの読解力の課題がより具体的に浮かび上がってきたのではないかということでございまして、指導の改善・充実、それを支える調査研究の充実、学校のICT環境整備の加速化、この3点を踏まえて対応策を考えていきたいと考えております。
  1点目は、何よりも学習基盤となる言語能力、情報活用能力の育成ということでございます。今回、御議論いただいております学習指導要領の改訂、国語教育の改善・充実も御議論を頂いております。その中で、以下の四つにわたる改善をしっかりと考えていきたいということ。
  今回、国語につきましては、恐縮ですが、お手元に資料3-4というものがございます。これは答申案の別添資料となるものでございまして、各教科の改善の基本的な方向性がイメージでまとめられたものです。1枚目、目次ございまして、1枚、2枚めくっていただきますと、右肩に別添2-3と付された図がございます。資料3-4の3枚目の裏面でございます。
  国語科における学習過程のイメージということで、読むことも一番下にございますけれども、文章の構造と内容の把握、精査・解釈、考えの形成。そして、この中でしっかりと言葉の働きや役割に関する理解でありますとか、情報を多面的、多角的に精査し、構造化する、自分の考えを情報を基に形成していく。こうしたことをしっかりと踏まえた高校教育の充実ということを、国語ワーキングを中心に御議論を頂き、おまとめいただいております。
  そうしたことも含めて、読解力を支える語彙力の強化、文章を読むプロセスに着目した学習の充実、情報活用に関する指導の充実、どんな場面でも読解力がしっかりと発揮できるよう、コンピューターを活用した指導への対応も図っていきたいということでございます。
  また、資料2-2の1枚目にお戻りいただければということでございますけれども、指導要領改訂2020年を待つということではなく、現行指導要領下でも指導の改善・充実を図っていくということで、上記のような次期学習指導要領の方向性を踏まえた指導改善のポイントを2017年度から活用できるように、普及をしてまいりたいと考えております。
  併せて、調査研究の充実、読解力の向上の基盤整備ということでございます。例えば、現在、国立情報学研究所では、中高生がしっかりと教科書の文章を読み解けているのかどうかというような調査も行っていただいておりますけれども、こちらとも連携して、高校生を対象とするリーディングスキルテストを2月に実施予定でございます。こうした中で、子供たちの読解力に関する課題を詳細に分析してまいりたいということ。
  文部科学省の事業といたしましても、来年度、言語能力の向上に関する調査研究を予定してございます。
  また、国立教育政策研究所の方で、諸外国の国語の授業におけるICT活用の現状分析と、事例収集なども行っていただく予定でございます。
  全国的な学力調査におけるICTの活用に関する調査研究ということも考えております。
  最後に、学校ICT環境整備の加速化ということで、子供たち一人一人が学習上必要なときに1人1台使える環境の構築を目指しまして、御覧の3点にわたるポイントに沿ってしっかりと対応を進めてまいりたいと考えております。
  事務局からは以上でございます。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  以上、二つの調査の御説明を頂戴いただきました。そして、対応策といいますか、言語能力をめぐっての対応も説明していただいたところでございます。御質問等おありの方につきましては、名札をお立ていただければと存じます。
【篠原委員】    お願いします。
【無藤部会長】    では、篠原委員、お願いします。
【篠原委員】    両方ともそれなりの結果が出ていて一安心なんですけれども、その上で、意見というよりも質問なんですけれども、【参考2】子供たちを取り巻く情報環境の所に子供たちの新聞を読む状況とありますね。僕はこの図が非常に分かりにくいんですけれども、例えば中学校、28年度、6.7、12.0、17.6、63.5というのは、ほぼ毎日読んでいる人が6.7ということですか。
【大杉教育課程企画室長】    図か小さく、分かりにくくて恐縮でございます。御指摘のように、左側の数字から、ほぼ毎日読んでいる、週に1~3回程度読んでいるということに対応したものでございます。
【篠原委員】    そうすると、17.6というのは月に1~3回程度というところになるわけですね。そういう順番になるわけですね。分かりました。
  もう一点は、両方の調査の学校、生徒は、日本の場合、どういう基準で調査の対象に入れているのか。それから、公立、私立、その辺の内訳はどうなっているのでしょうか。
【大野国立教育政策研究所国際協力・研究部長】    調査を担当しました国立教育政策研究です。
  PISA調査に関しまして、全国で高校200校を選んでおりますけれども、公立と国私立、それから普通科、専門学科等ということで四つのカテゴリーに分けまして、その割合が全国の縮図になるように選んでおります。ざっと申せば、公立の普通科が90校程度、公立の専門学科等が40校程度、国立・私立の普通科が60校程度、国立・私立の専門学科等が10校程度ということで、全国の縮図になるような割合構成になっております。それで、無作為に選んでおります。
【篠原委員】    もう一つの小・中の方も同じですか。
【高木学力調査室長】    基本的な方法はPISAと同じございます。ただ、小学校4年生については、国・私立の児童数が全体に比べてそれほど多くないので、設置者別に特に抽出を分けるということではなくて、基本的に都市規模別で、それぞれの割り当ての学校数、児童数を決めて抽出しております。
【篠原委員】    はい、分かりました。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  ほかに御質問などおありでしたら、お願いしたいと思います。今、特段おありでないようなら、またお気付きの点は事務局などにお問い合わせいただくとして、ここで区切らせていただいて、次の議題に入りたいと思います。
  それでは、答申案につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    答申案の前に、文部科学省、人事異動がございましたので、御報告させていただきます。浅田大臣官房審議官の人事異動に伴いまして、藤江大臣官房審議官が着任しております。
【藤江大臣官房審議官】    藤江でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    それでは、答申案の説明を申し上げます。机上には見え消し版も配布させていただいておりますけれども、資料の方は資料3-1と資料3-2になってまいります。こちらを御覧いただければと思います。適宜、見え消し版も御覧いただければと思いますけれども、ざっと御覧いただくと、章立ての整理でございますとか、表現ぶりを分かりやすく改めていくという部分、それから課題解決的な能力の必要性など、少し記述に重複感があった部分は思い切って削除、あるいは注に落としていくというような修正をさせていただいているところでございます。修正箇所につきましては見え消し版の方を御覧いただければと思いますけれども、説明の方は資料3-1、資料3-2、溶け込み版の方を中心に御説明を申し上げたいと思います。
  それでは、まず資料3-1でございます。
  タイトルでございますけれども、「学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」ということで、今回、学習指導要領の内容の改訂にとどまらず、それに伴う条件整備等、幅広く御議論いただきましたので、それを反映できるようなタイトルとさせていただいているところでございます。
  おめくりいただきますと、2ページにわたって目次を付しております。全体的に構造の整理を図りましたことと、章立ての番号の付け直しなどをさせていただいております。
  更におめくりいただきますと、1ページ目から、はじめにということでございます。ここから内容面でございますけれども、資料4-1と資料5には関係団体からの意見聴取の結果、あるいはパブリックコメントの結果を参考に付させていただいております。御覧いただきますように、条件整備の重要性でございますとか、外国語教育の様々な教材、指導体制の在り方など、また、様々な教科横断的な教育の視点、テーマ別に御意見を頂いたところでございます。こうした点を適宜盛り込みつつ、先ほど申し上げたような記述の精査をさせていただいたところでございます。
  資料3-1にお戻りいただきまして、はじめにの1ページ目でございます。ここでは、例えば4段落目「そこで本答申は」と始まる段落ですけれども、社会に開かれた教育課程の理念、理念自体の説明は後ほど出てくるわけでございますけれども、冒頭部分で少し分かりやすいように補足をさせていただいたところでございます。
  次の段落でございますけれども、学習指導要領に求められている役割がどのようなものなのかということを、改めて分かりやすく付させていただきました。
  2ページ目は、関係団体からのヒアリング、またパブリックコメントを行わせていただきましたので、こうした審議まとめ後の状況もプロセスとして反映させていただいたものでございます。
  おめくりいただきまして、3ページ目、第1部でございます。学習指導要領等改訂の基本的な方向性でございます。
  第1章は、これまでの学習指導要領等改訂の経緯と子供たちの現状でございます。ここについては、ほぼ修正なく審議まとめの案を生かさせていただいております。
  5ページ目でございます。子供たちの現状と課題でございます。ここにつきましては、先ほど御紹介をさせていただきましたTIMSS、及びPISAの結果を反映させていただきました。子供たちの現状と課題の二つの丸の部分でございます。
  加えて、6ページ目の上から三つ目の丸におきましては、特にPISA2015における読解力の課題、先ほど申し述べさせていただきましたような課題をワンパラグラフにまとめて、ここに記させていただいております。
  ここの項目につきましては、全体的に知・徳・体という順番になるように順序の並び替えを行わせていただきました。また、7ページ目の一つ目の丸の後半部分でございますけれども、子供たちが感性を豊かに、創造的に豊かな心や人間性を涵養していけるようということと、体験活動の重要性を併せて記載させていただきました。
  8ページ目からは、こうした課題も踏まえつつ、子供たちが活躍することになる将来の社会の在り方ということでございます。第2章、子供たち一人一人が未来の創り手となるように、ここもほぼ変わってございません。
  10ページ目、注28にございますのは、もともと本文にございましたものを少し注に落とすなどの文章の整理をさせていただいております。
  また、10ページ目の下の部分、「生きる力」の育成と、学校教育及び教育課程への期待という所でございますけれども、今回の資質・能力の議論が、これまで学校教育が育んできたものと全く異なる新しい力を目指すよりは、生きる力ということで重視されてきたものをしっかりと社会の変化の中で捉え直すことの重要性、これが項目名からも分かるように「『生きる力』の育成と」ということを付けさせていただいております。
  11ページの三つ目の丸、「学校と社会が認識を共有し、相互に連携することができる好機にある」辺りの文章も、少し分かりやすくなるように精査をさせていただきました。
  12ページ目、第3章でございます。「生きる力」の理念の具体化ということで、「生きる力」の理念と今回の資質・能力の議論の関係性が分かりやすくなるように、ここもタイトルの修正などを図らせていただきました。学校教育を通じて育てたい姿と「生きる力」の理念の具体化ということ。
  また、13ページ目の2.「生きる力」の育成に向けた教育課程の課題ということでございます。ここでは、教育課程の課題、4点にわたって整理を頂いております。教科を学ぶ意義と、教科横断的な視点の双方の重要性ということでございます。
  (1)二つ目の丸にございますように、子供たちの学力、今後の課題として社会とのつながりの中で学びを主体的に引き出すということ。言語活動につきましても、どのような力を育み、伸ばすのかということを明確にしながら実践していくこと、読解力の課題なども踏まえながらということでございます。
  現行学習指導要領の課題といたしましては、14ページ目の二つ目の丸でございます。教育課程全体として、教員が何を教えるかという観点を中心に組み立てられており、その先のどのような力を育むのかというつながりを考えていく必要があるということ。何ができるようになるかということにまで、指導をしっかりと展開していけるようにということでございます。
  15ページ目は、二つ目の課題ということで、社会とのつながりや、各学校の特色づくりに向けた課題。学校教育を通じて育む資質・能力の認識を地域とも共有していくことの重要性ということでございます。
  16ページ目は、三つ目、子供たち一人一人の豊かな学びの実現に向けた課題ということ。子供たちが潜在的に持っている、学ぶことを通じて未来に向けて成長しようとする力、17ページ目の三つ目の丸にございますように、こうした力を引き出し、高めていくこと、こうした一人一人の学びを支えていくという視点が重要であるということでございます。
  四つ目、指導要領の理念の実現と一体的に学習評価や条件整備等についても、今回、御議論いただいたということでございます。
  こうした学習指導要領をめぐる四つの課題を踏まえて、今後の改善の方向性ということで、第4章、18ページ目におまとめを頂いております。「社会に開かれた教育課程」の実現、19ページ目にその内容をマル1、マル2、マル3と整理を頂いております。
  そのために、学習指導要領をどのような方向性で改善していくのかということ。19ページ目の(1)でございますけれども、枠組みの見直し、各学校の創意工夫の活性化を促すような枠組み作り、20ページ目の下から二つ目の丸、マル1からマル6に字句をまとめていただいておりますけれども、こうした6点に沿って指導要領の枠組みの改善を図っていくということでございます。
  そうした中でも、21ページ目、一つ目の丸にございますように、指導要領の法的な性格を変えるものではないということでございます。
  そして、21ページ目、真ん中より下が総則の抜本的改善ということで、下から二つ目の丸にございますように、先ほどのマル1からマル6に沿った章立てとして総則を組み替えていくという方向性でございます。
  改善の大きな方向性の二つ目は、22ページ目のカリキュラム・マネジメントということでございます。カリキュラム・マネジメントの三つの側面は、22ページ目の下のマル1、そして23ページ目マル2、マル3とおまとめを頂いております。
  これを教職員全員参加でということ、また教科間のつながり、24ページ目にございますように学校評価との関係性、そして実施状況を把握しながら改善を図っていくことの重要性ということでおまとめを頂いております。
  25ページ目、改善の方向性の大きな柱の三つ目といたしまして、アクティブ・ラーニングの視点ということでございます。ここは審議まとめの段階では記載がいろいろございましたけれども、後半、アクティブ・ラーニングに関する詳細な説明をする章立てがございますので、そちらに譲ることにいたしまして、ここは記載ぶりをぐっと精査させていただいたところでございます。
  そして、第5章、まずは何ができるようになるかということで、先ほどの改善の方向性の柱に沿って、以下、一つずつ御説明を加えさせていただいたところでございます。
  第5章、何ができるようになるか、1.育成を目指す資質・能力についての基本的な考え方という部分。
  26ページ目の2.は、資質・能力の三つの柱ということでございます。三つの柱の具体的な内容は、27ページ目のマル1、28ページのマル2、29ページのマル3でございますけれども、特にマル3の部分につきまして、人間性等の涵養と体験活動の重要性との関係性を少し整理させていただきました。
  こうした柱に沿って、教育課程の枠組みの整理を行っていくということ、また、30ページ目にございますように、各学校が育成を目指す資質・能力を具体化していくということでございます。
  この章立てには、審議まとめの段階では学校団体間のつながりという章立てもございましたけれども、これは分かりやすさを期すために後ろに送らせていただいております。
  それから、3.教科等を学ぶ意義の明確化ということで、一つ目の丸にございますように教科等を学ぶ本質的な意義を明確にしていくということ。
  特に、32ページ目にございますように、「見方・考え方」の重要性ということ。習得・活用・探究という学びの過程において、どのような視点で物事を捉え、考え、思考していくのかという物事を捉える視点や考え方も鍛えられていくということ。こうした「見方・考え方」が、大人になって生活していくに当たっても重要な働きをするものになるということ。「見方・考え方」と資質・能力の関係を、四つ目の丸で分かりやすく整理をさせていただいたところでございます。
  33ページ目は、こうした教科の意義を踏まえつつ、4.教科を越えた学習の基盤の形成ということ。4.の二つ目の丸にございますように、先ほど読解力の指摘もございましたけれども、全ての学習の基盤は言語能力の育成の重視ということ。それから、情報活用能力、問題発見・解決能力などの重要性ということでございます。
  34ページ目、言語能力の例示でございますけれども、35ページ目から36ページ目にかけて、先ほどの読解力の向上に向けた対応策の内容を付記させていただきました。
  36ページ目は、情報活用能力の例示でございます。
  37ページ目は、同じく教科横断的な資質・能力ということで、現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力ということでございます。変化の中に生きる社会的存在として求められる力、38ページ目、グローバル化する社会の中で求められる力、ここについては記載の変更はございません。
  これらを踏まえて、現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力、39ページ目の下にございますように、健康・安全・食に関する力、主権者として求められる力、創造性、多様性を踏まえつつ挑戦する力、地域創生、持続可能な社会作り、スポーツライフの実現ということでございます。
  40ページ目、健康・安全・食に関する資質・能力の例示を挙げさせていただいておりましたけれども、これに加えまして、41ページ目にございますように主権者として求められる資質・能力ということ。小・中学校からの体験的な主権者教育の充実の必要性ということ。また、専門家や関係機関との協力、あるいは家庭や地域との連携の重要性ということでございます。
  ここに書き切れなかったより具体的な内容につきましても、別紙5という形で、別途、補わせていただくという形でございます。
  そして、もともと前の方にございました、資質・能力の育成と、子供たちの発達や成長のつながりということは、42ページ目、6.として置かせていただいております。
  続きまして、何を学ぶかという内容面でございます。44ページでございます。この内容につきましては、ほぼ第2部の各教科別に記されているわけでございますけれども、ここには総論的な部分を記させていただいているところでございます。学びの質と量の重要性ということで、学習内容の重要性は変わりはないということでございます。
  45ページ目からは、どのように学ぶか、アクティブ・ラーニングの視点でございます。こちらも、少し柱立てなどを整理させていただきました。
  1.は、学びの質の向上に向けた取組の重要性がなぜ求められるのかという視点。
  48ページ目からは、「主体的・対話的で深い学び」の実現の意義ということでございます。「主体的な学び」「対話的な学ぶ」「深い学び」それぞれについて、48ページ目、二つ目の丸、マル1、マル2、マル3で整理をさせていただきました。特に、「深い学び」につきましては、先ほどの「見方・考え方」の整理を踏まえまして、再整理をさせていただいております。身に付けた資質・能力と「見方・考え方」の関係性が、より分かりやすくなるような整理をさせていただきました。
  49ページ目は、教科の特質に応じた学習活動を改善する視点。
  50ページ目は、単元のまとまり、「深い学び」と「見方・考え方」の関係性ということでございます。ここの部分も、51ページ目の二つ目の丸、三つ目の丸にございますように、「見方・考え方」の整理ということを少し分かりやすく再整理させていただいたところでございます。
  そして、3.の部分で、発達の段階や子供の学習課題等に応じた学びの充実ということでございます。
  第8章、子供一人一人の発達をどのように支援するか。53ページ目にございますように、学級経営、学習指導と生徒指導の関係、54ページ目、キャリア教育、56ページ目、個に応じた指導の重要性、5.が特別支援教育、57ページ目、日本語の能力に応じた支援の充実ということで、テーマ別に整理をさせていただいております。
  第9章、何が身に付いたかという学校評価でございます。こちらも項目を少し整理させていただきました。学校評価の意義、59ページ目、評価の三つの観点。
  60ページ目、評価に当たっての留意点ということでございます。ここにおきましては、特に今回、学校評価の在り方を一体的に御議論いただいたという趣旨を整理させていただきました。今後、指導要録の改善・充実や、多様な評価の充実・普及など専門的な検討も行われることになりますけれども、それにつきましては本答申の考え方、観点別評価の三つの観点も含めて、これを前提として実現するものとして行われることが求められるということでございます。
  こうした方向性を踏まえつつ、それを実現をするために必要な方策ということで、第10章でございます。こうした条件整備の必要性、1.では次世代の学校創生プラン。それも踏まえつつ、63ページ目以降、教員の資質・能力の向上、65ページ目、指導体制の整備・充実、66ページ目、業務の適正化、教材や教育環境の整備・事実の必要性、68ページ目、社会との連携・協働を通じた指導要領の実施、69ページ目、高大接続改革の継続、理念の共有と広報活動の充実ということでございます。70ページ目、一番最後にございますように、今後、改訂される指導要領の内容を広く周知して、今後の教育課程の改善に生かしていくことを強く求めたいということで、第1部は締めさせていただいているところでございます。
  続きまして、資料3-2でございます。第2部、学校種別、あるいは教科等別のまとめでございます。こちらにつきましては、変更点のみを中心に御説明させていただきます。
  まず、幼児教育の部分でございますけれども、資料3-2、第2部、80ページ目をごらんいただければと思います。幼保連携型認定こども園につきましても、別途、幼稚園教育要領改訂の方向性を踏まえまして、御議論をしていただいたところでございます。この成果をこちらにおまとめいただきました。在園時間や1日の生活リズムが異なる幼児が一緒に生活することを念頭に、教育活動の充実を図っていくということ。いずれにしても、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を踏まえながら、教育・保育の全体的な計画を策定していくということ。
  81ページ目、2歳児から3歳児の学級を単位とした学級への移行に当たっての配慮、子育ての支援に当たっての配慮ということでございます。
  82ページ目には、こうした幼稚園教育要領、幼保連携型認定こども園教育・保育指針の改訂の方向性を踏まえつつ、幼・保、認定こども園全体と小学校との円滑な接続が一層推進されるようにということでございます。
  続きまして、小学校でございます。小学校につきましては、外国語の条件整備等を中心に記載を整理させていただいております。93ページ目の下から94ページ目、95ページ目にかけてでございますけれども、教材の開発、2020年の新指導要領開始までの移行期間における円滑な移行の視点、小学校外国語の教科化に伴う中学校の入学者選抜における扱い、教員の養成、採用、研修を通じた先生方の専門性を高めるという視点などでございます。93ページ目から95ページ目にわたって記載ぶりを整理し、充実を図らせていただいているところでございます。
  そして、教科別の方に移らせていただきたいと思います。
  122ページ目が国語でございます。国語につきましては、先ほどのPISAにおけます読解力の結果などを踏まえた記述の充実を122ページにおいて図っております。
  社会科でございます。社会につきましては130ページ目から始まりますけれども、135ページ目でございます。教育内容の見直しという部分で、グローバル化への対応、持続可能な社会の形成、情報化等による産業構造の変化や、その中での起業、防災・安全への対応や、海洋国家である我が国の国土の様子、主権者教育において重要な役割を担う教科として、選挙権年齢の18歳への引き下げに伴い、財政、税、社会保障、雇用、労働や金融といった課題への対応ということも留意した政治参加、少子高齢化等による地域社会の変化などを踏まえた教育内容の見直しということを、改めて整理させていただいたところでございます。
  加えまして、136ページ目に「主体的・対話的で深い学び」の実現という所でございます。四つの丸の所に、深い学びの実現のために必要な視点ということが記されてございます。末尾に、このような観点から、例えば主権者教育の充実のために指導法の改善、単元開発のモデル提示の実施、教育効果の高い指導上の工夫の普及などを図ることも重要であると整理をさせていただきました。
  続きまして、138ページ目からが算数・数学でございます。算数・数学、それから理科も同様でございますけれども、先ほどのPISA、TIMSSの結果の反映を冒頭にさせていただいております。143ページ目の理科も同様でございます。149ページ目、高等学校における数学・理科にわたる探究的科目についても同様の整理でございます。
  続きまして、外国語科でございます。外国語につきましては191ページ目から始まってございます。これにつきましては、194ページ目、外国語教育における学習評価、特に今回、小学校教科化ということで、観点別学習状況の評価の導入なども併せて図られることになってございますので、こうしたことも踏まえて必要な視点を整理させていただいているところでございます。
  199ページ目から200ページ、201ページ、202ページ、203ページにわたりまして、教材の充実、指導体制、教員養成・研修、教員研修の改善・充実、大学における教員養成の改善・充実、採用における改善・充実、202ページ目、地域・学校における指導体制の改善・充実ということで、特にヒアリング等においても意見の多かった条件整備などについて整理をさせていただきました。
  大まかな内容、修正点等は以上でございます。御審議を賜れれば幸いでございます。よろしくお願いいたします。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  それでは、主に修正点等ございましたので、意見交換の時間に入りたいと存じます。御意見のある方は名札をお立ていただければと思います。よろしくお願いいたします。
  では、尾上委員、どうぞ。
【尾上委員】    今回の学習指導要領の改訂につきましては、幼稚園から小学校、中学校、高等学校へと、子供の成長全体を見通して、必要な資質・能力の育成を目指しているということで、また、各学校段階においても教育内容を見直すとともに、学校間の接続をより深めていこうとしている方向性で、子供を中心に置いて教育を見直すということで、大変評価できると思います。
  資料3-4のポンチ絵にもありますように、幼児教育に関しましては遊びを通して資質向上を図るとともに、資料3-1の42ページの6.の一つ目の丸で、幼児教育において培われた基礎の上に小・中学校段階の義務教育を通して、各個人の能力を伸ばしつつということが書かれていて、この接続ということが大変大事かと思います。いろいろな面で小・中学校に関わっている度合いが多いんですが、やはりその前の幼児段階での教育が本当に大事だと感じております。
  また、資料3-2、審議のまとめの78ページの下から三つ目の丸にありますように、幼児教育の中で我が国や地域社会の文化や伝統に触れ、親しみを持ち、社会とのつながりの意識を育むことの必要性が盛り込まれているということですが、幼稚園でも家庭で少し希薄になりつつある正月や節句などの我が国の伝統的な行事を行ったり、国歌や唱歌、わらべ歌などに親しむ活動を通じて、徐々に日本の伝統文化に親しみを持てるようにしながら、接続につなげていけるような流れになればと考えますので、ここをしっかりやっていくことが大切かと感じております。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  どうぞ、合田課長。
【合田教育課程課長】    誠に申し訳ありません。1点だけ、先ほどの答申案につきまして、誤植と申しますか修正箇所がございますので、御覧いただければと思っております。
  社会科の関係でございますが、修正後の資料、第2部の方の136ページでございます。先ほど大杉の方から御紹介申し上げました、136ページ下から4行目「例えば主権者教育の充実のため」という所がございます。これにつきましては、また後ほど御案内をさせていただきますが、モデル事業の実施による指導法の改善や単元開発の展開、あるいは新しい教材の作成・普及など、教育効果の高い指導上の工夫の普及などを図ることも重要であるという形でございます。ちょっと修正漏れがございますので、併せて御報告をさせていただきます。失礼いたしました。
【無藤部会長】    分かりました。今の点は御了解いただきたいと思います。
  続きまして、市川委員、お願いします。
【市川委員】    審議のまとめの頃からの修正ということで、私、今、見え消し版を見ているのですけれども、大きな点、二つちょっと変わっているなと思って、どうもそれが引っ掛かっているんです。
  一つは、見え消し版でいうと38ページなんですが、今回、「見方・考え方」ということがかなり出ている。前から出ているんですけも、「見方・考え方」と資質・能力というのはどういう関係にあるかが、今回、若干修正というか変更されているように見えます。
  見え消し版の38ページですと、一番最後の丸に、「見方・考え方」を支えているのは各教科等の学習において身に付けた、前は「概念(知識)や考え方である」と出ていたんですけれども、今度は支えているのは「身に付けた資質・能力」と書いているんです。資質・能力が「見方・考え方」を支えるということの意味が、私はどうもよく分からないです。確かに、「見方・考え方」は大事なんですけれども、資質・能力というものがあって、それができて、それが「見方・考え方」を支えているんだというと、「見方・考え方」の方は各教科にかなり特有なもので、資質・能力もいろいろな意味で使っていますけれども、資質・能力というのはどちらかというと教科横断的な、汎用的なものに見えるという中で、これが支えているという辺りがまず分からない。
  それに連動して、私はこちらの方が非常に大事だと思うんですが、見え消し版で言うと54ページで、アクティブ・ラーニングの視点の中の一つである「深い学び」についての説明があります。この「深い学び」というのが、論点整理のときと審議のまとめのときと、今回、また変わっているんです。
  54ページの一番下を見ますと、赤になっているのはこう変わったという所だと思うんですけれども、マル3「各教科等で身に付けた資質・能力によって支えられた、物事を捉える視点や考え方の方法である『見方・考え方』を活用し」と、まずあるんです。これまでの議論では、アクティブ・ラーニングというのはむしろ資質・能力を育成するための手段、方法であると議論されてきたように思います。そのことは、この答申の前のカリキュラム・マネジメントの所でちょっと出されていますけれども、ここでも「アクティブ・ラーニングを通して」という言葉があります。アクティブ・ラーニングを通して資質・能力を身に付けるんだという側面が、むしろ非常に強調されていました。ところが、ここを見ますと、各教科等で身に付けた資質・能力が先にあって、それを発揮する場がアクティブ・ラーニングだというように何か見えてしまう。
  その後の文章でもあるんですね。次の段落ですけれども、「各教科等で習得した概念(知識)や思考力等も含め、身に付けた資質・能力を『見方・考え方』を活用しながら発揮して」とあるので、アクティブ・ラーニングを通してというよりは資質・能力、そして「見方・考え方」を発揮する場なんだというように、今回、なっている。
  これはちょっと大きな変更ですし、私は混乱を招きかねないような気がしています。これまで手段・方法だと言っていたものが、むしろそういうものがあったその先に発揮する場なんだと言われると物すごく高度なものに見える。
  それと連動して、ここに四つ「○○したり」というのか出ているんです。一つは、上から2行目ですけれども、「知識を相互に関連付けてより深く理解したり」が1番目です。これはいいと思うんですが、2番目で「情報を精査して考えを形成したり」、それから3番目に「問題を見いだして解決策を考えたり」、4番目として「思いや考えを基に構想して意味や価値を創造したりする」。
  この2番目、3番目、4番目というのは非常に高度なものが並んでいて、具体例で「たり」で結んでいるから、こういうものもあっていいということだと思うんですけれども、四つのうち三つは非常に高度なものが並んでいて、これも資質・能力を発揮する場だとなったらこうなるのかもしれませんが、非常に高度な探究的な学習を読み手の方はイメージするだろう。すると、これは探究の話なんだな、探究だけの話で、それは総合でやればいいのかなぐらいに取られてしまうと、むしろこれまでの、割とアクティブ・ラーニングは広く捉えて、ただし広いといっても何でもありではないですよと、この「深い学び」というところは押さえてください、「主体的・対話的で深い学び」という点は押さえてくださいと言っていたものが、「深い学び」がこれだけレベルの高いものとして設定されてしまうと、むしろ非常に限定的なものと捉えられてしまうような気がします。
  特に、「問題を見いだして解決策を考えたり」は3番目ですね。4番目にあるような「思いや考えを基に構想して意味や価値を創造したりする」というのは、具体的に初等中等教育の普通の学校で何をイメージしたらいいのかがどうも湧いてこない。SGHとかSSHならまだ分かりますけれども、非常に高度な活動に見えてしまって、むしろ現場の方から、これは何か特別な時間にやるものとか、ふだんの授業には関係ないものとアクティブ・ラーニングが捉えられてしまうことにもなるような気がいたしました。ですから、この修正については再検討いただきたいという気がします。
【大杉教育課程企画室長】    ありがとうございます。御指摘のような誤解がないように修正させていただきたいと思います。
  まず、1点目の38ページの部分は、御指摘のように身に付けた資質・能力というのは、教科横断的な、先ほどの現代的な課題に応じた資質・能力というものではなくて、むしろ知識でありますとか、思考力という三つの柱の方の話でありますので、それがしっかり分かるように修正をさせていただきたいと思います。
  それから、54ページ目の部分は、御指摘のとおり、身に付けたものを活用することが「深い学び」の主眼というよりは、既習の中で身に付けた知識や考え方を使いながら、次の新しい資質・能力を身に付けていくと。ただ、その根っこには、身に付けている既習の事項もしっかりと使うこともあるということ。ちょっと前者の方が前のめりに出過ぎているのかもしれませんので、その関係性が分かるように、また、御指摘いただいた意味や価値を創造するというのは、例えば図画工作において何か物を作るということも含めて考えておるわけですけれども、確かにこれだけを見ると物すごく壮大なことのようにも見えかねませんので、少し記述を修正させていただきたいと思います。
【市川委員】    図画活動や工作活動を奨励するということなら非常によく分かるんですけれども、ちょっと表現が大げさ過ぎるというか、抽象的で物すごく大きなもので、かえって訳の分からなくなるような気もするので、平易な表現をしていただく方が分かると思います。
【無藤部会長】    ありがとうございました。お答えのように、より分かりやすい表現を是非お願いいたします。それでは、吉田委員。
【吉田委員】    ありがとうございます。私はこれに対しましては、本当に大変な御労苦だと思って、感謝申し上げています。
  そういう中で、きょう、実は私、このPISAとTIMSSの結果の報告を御説明いただいて、資料2-2の「読解力の向上に向けた対応策について」で非常に気になるんですが、実際に今、CBT化されてきたことによって、子供たちがなれていないというのは事実だと思うんです。ただ、スマホレベルで、今、高校生とかが我々とはもうレベルが違うレベルで、例えばメール一つ読み込むのもすごく速いですし、打ち込むのも速い。それからスマホに向かっている時間というのが長い。ただ、実際にそれが長文を読んだりとかいうことじゃなくて、それこそ省略語で連絡取り合っているような、そういう感覚と、あとはゲームだと思うんですね。
  今回のこのテストでも、例えばTOEFLのiBTのテストが4時間半コンピューターに向かっている、あれだけでも今の日本人の子ってかなり耐えられなくて、スコアが上がらない理由の一つにもなっていると思うんですけど、なれていないというか、いろんな意味でのなれって必要だと思うんです。
  ところが、先ほどの2-2の資料の一番下に、例えば2020年に向けた教育の情報化に関する懇談会においては、3クラスに1クラス分の可動式教育用コンピュータが整備されれば、学習上必要なときに1人1台十分使えるんだというような非常に消極的な発想であって、今、ICTがすごく中心に進んでいるような気がするんです。
  きょうの3-3の資料の10ページからですか、ここで各教科等における情報活用能力の育成、改善・充実のイメージというのが全部各教科にわたって14ページぐらいまで出ているんですけど、これを見ていても、やっぱりICTって本当に必要なんだということは分かってきているわけですから、できればこの学習指導要領が変わって、教科書も変わって、そのときにすぐ対応できるようなICT環境の整備、それから子供たちのなれというものは是非進めておくべきじゃないかなと。
  そういう意味でも是非、こんな弱気で3クラスに一つなんていうことじゃなくて、生徒全員にそれが渡るような、日本としての教育力底上げのためにもICTの活用というものをしっかりとやっていただければという願いでございます。よろしくお願いします。
【無藤部会長】    ありがとうございました。それでは、松本委員、お願いします。
【松本委員】    すばらしいものをまとめていただきまして、ありがとうございます。2点あります。
  1点目は言語能力についてです。見え消し版の42ページと資料2-2の2ページ目ですね。42ページの一番上の赤いところですが、このような形で加えていただいたことはとてもよいというふうに思っております。ただ、日本の先生方がイメージしている読解力と、PISA調査におけるリーディング・リテラシーのテスト問題の間にあるギャップにもうちょっと注目して、踏み込んだ方がいいのではないかなというふうに思います。
  PISAでは、表で示されたデータと説明の間の矛盾点について説明できるかとか、読んだ内容について自分の考えを述べるといったクリティカルな読み方というのが必要であるということと、読むということと書くということが統合された活動として問題として登場しているということです。従来の指導とか、大学入試問題もそうなんですけれども、本文にある手掛かりを見付けて筆者の意図を読み取って、それで終わりということなので、資料2-2の2ページの一番上に書いてある「解答を課題文中から探そうとしているなどの誤答」というのは、ある意味当たり前というか、今までの指導を受けた子供たちがやることだというふうに思っているので、何らかの形で42ページに、批判的に読む活動が必要であるということとか、統合した活動が必要なんだ、それに向けた研修も必要というようなことのニュアンスを書き込んでいただけるといいなというふうに思いました。
  それから2点目は外国語についてですが、見え消し版の199以降なんですけれども、「領域別」というのを入れていただいたのは大変いいと思うんですが、これまでの会議で何度か私、確認したと思うんですけど、「指標形式というのは残るんですよね」「残ります」というレスポンスを頂いていたような気がするんですけど、「指標形式」が見事に全て消されている。この辺については是非残していただきたいなというふうに思います。
【無藤部会長】    ありがとうございました。今の点、特に外国語のところは何かございますか。
【井上国際教育課長】    領域別の目標につきましては、内容としてはCEFRを参考にしつつ、指標形式の目標について定めることとして、今、学習指導要領において検討しているところでございます。
  ただ、「指標形式の目標」という言い方について、指標というのが分かりにくいというようなこともございまして、今、「領域別目標」という形で、「聞く」「話す」の2領域、「書く」「読む」、全ての5領域について、今、きちっと指導要領の中では、小学校の高学年、中学校、高等学校について定めるとともに、小学校の中学年については「聞く」「話す」の2領域と3領域で定めるような方向で今検討しております。
【松本委員】    ということは、実質的には残る。
【井上国際教育課長】    残るということです。
【松本委員】    そのお言葉を頂ければいいです。
【無藤部会長】    よろしいでしょうか。それでは、篠原委員、お願いします。
【篠原委員】    ありがとうございます。私がこういう場でいろいろ御指摘し、注文したことをかなり盛り込んでいただいて、全体として評価をさせていただきたいと思います。是非、この方向でしっかりと展開をしていただきたいということです。
  その上で、一つだけ確認なんですけど、答申案の3-1の41ページですね。「主権者として求められる資質・能力」の○の二つ目、三つ目、これはこういうふうにざっと、ややかぶせる形、抽象的に書いてあるわけですけれども、3-2の資料の、2部の資料ですかね、この135ページ目のところ、真ん中から「教育内容の見直し」というところで、かなり防災教育の話だとか海洋教育の話だとか、税制、財政、金融と、いろいろ細かく例示をされていますけれども、いわゆる「主権者として求められる資質・能力」という部分にこういうのが全部、中味としては実体的に入ってくるというふうに捉えてよろしいですか。これが別々にあるわけじゃないわけでしょうから、そこの確認だけです。
【無藤部会長】    お願いします。
【合田教育課程課長】    今、篠原先生からお話がございましたけれども、篠原先生かねてからおっしゃっておられるように、主権者教育というのは様々な意味がございますが、今回の中教審のここで頂いた御意見というのは、それを政治参加にという狭い意味で捉えることなく、国家・社会の形成者というまさに教育基本法で書かれた資質・能力全体を指して、クロスカリキュラムで教科横断で育んでいくという御議論を頂いたというふうに思っておりますし、ここでの意味もそういう意味だというふうに御理解いただいて結構でございます。
【無藤部会長】    ありがとうございました。では、神長委員、お願いします。
【神長委員】    失礼いたします。先ほど発言がありました尾上委員の幼児教育に関してのところで、それに関連して発言したいと思います。
  今回のこの答申を読んでおりますと、本当に幼児教育の段階でいろいろ体験し、学んできたことが、そのものを学習や学校生活や学習に生かされていくという、何かその道筋がしっかりと答申の中に組み込まれて、その意味では、幼児教育で子供たちが体験し、学ぶことが大切なんだということを改めて確認できたという意味で、大変よかったなという感想を持っております。
  先ほどの話の中に、伝統文化に触れる機会、大事なことだと思います。園生活の中といいますか、幼稚園や保育園、認定こども園の中では結構たくさん年中行事といいますか、おひな祭りであったり、節句であったり、七夕であったり、いろんな中で日本の伝統文化に触れるというが当たり前のように行われています。そこの中では昔話に触れたりとか、わらべ歌を歌ってみたりとか、いろいろな日本の伝統文化に触れるわけですけれども、結構そこの中で子供たちが初めてということがよくあるんですね。
  といいますのは、家庭や地域の中でむしろ自然にいわゆるおひな祭りとかお節句とか、そういうものは多少あるかもしれませんけど、七夕をするなんていう、そういう体験が少なくなってきているので、園生活の中でそういった伝統文化に触れるということが大変貴重で、そこで触れることによって、また家庭の生活の中で見直したりということがあります。
  すごくそこには体験の差というものが、それぞれの家庭と園生活との中でいわゆる子供たちの体験というものを豊かにしていきたいというふうに思うんですけれども、初めてという子も非常に多いし、そういったことを考えますと、積極的に伝統文化に触れるという機会というものを設けていくということは大事なことと思います。
  いわゆる自然な形で幼児期から、また小学校の教育につなげていくという意味で、今までもやってきたんですけれども、家庭や地域の中で非常に失われつつある中で、さらに幼児教育の中で考えてみるという、そういった視点からこの課題というものを考えていくことが大事かなと改めて思いました。以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。それでは、銭谷委員、お願いします。
【銭谷委員】    答申案を拝見いたしまして、既にほかの委員の方からも出ていますけど、大変な労作で、事務方の御苦労がよく分かりまして、非常によろしいんじゃないかなと思いました。
  ただ、これは最後に言おうかと思ったんですけど、やっぱり長いですよね。せっかく社会に開かれた教育課程ということを今回標榜しているわけですので、多分、これから答申がもし出ましたら、一般向けの広報とか、そういうことをやられる必要があると思うんですけれども、是非、分かりやすいものを作っていただきたいというふうに思います。
  特に、今回もう間に合わないですけど、私いつも思っていましたのは、審議会でいろいろ意見が出ると、できるだけ意見を取り入れてまとめていこうとするので、審議の過程で文章に○を付けて、今回の答申案もそうなっていますけど、○が付いた文章がいっぱい並ぶわけですね。
  これは、かつてはそれを整理して、普通の日本語の文章にしていたと思うんですけど、最近は答申まで全部○が付いているので、そうすると、○から始まる文章を後で御覧いただくと分かると思うんですけど、例えば「こうした」とか「これら」とか「このような」とか、あるいは「なお」とか「また」とか、その次が「また」「また」「また」「また」とか、非常に文章が饒舌になる傾向があるので、本当は答申は私は○の文章はやめた方がいいんじゃないかなという気がしているんですけれども、それはこの次の宿題ということにさせていただければいいと思います。
  とにかく、社会に開かれた教育課程ということですので、大変いい内容なので、是非分かりやすくそういうのをお願いしたいというふうに思います。それが1点目です。
  それから二つ目ですけれども、答申にTIMSSとかPISAとか全国学力・学習状況調査などの結果を踏まえた議論を取り入れたのは大変いいと思います。非常に時宜を得て、その結果を踏まえて、また、今まで議論してきたことが結果からもある程度反映されているということが分かったわけですので、これは非常によかったんじゃないかと思います。
  それで、報告にも書いていますけれども、6ページ以下に書いていますけれども、一つはやっぱり、言語力、読解力、言語能力を全体として重視していくんだと。その後にも出てきますけれども、これは方向としては私は非常に大事なことじゃないかなと思います。
  それから二つ目にICTの活用能力のことを触れていますけれども、私が見ていましても、日本の教育の現場におけるICTの導入というのは、さっきの国語の授業のデータも出ていましたけれども、やっぱり日本は少し遅れているんじゃないかなという気がしまして、もっと授業にICTを活用していく必要があるんじゃないかなと思っていますので、このことを書いたのは大変いいんじゃないかなと思います。
  ただ問題は、学校におけるICTの整備ですね。これを今、一生懸命交付税でやっているわけですけれども、ばらつきが多いと思うので、学校図書館の図書の場合もそうでしたけれども、都道府県別、あるいは極端に言うと市町村別、学校別に、本当にどういう整備状況かというのをチェックするというか、整備を促すという姿勢を書き加えてもいいぐらいじゃないかなと思いましたので、その点をお願いできればなと思います。
  それから、言語能力、ICTの活用能力の上で体験活動を付け加えていただいたのは、これは非常に大切なことなので、この6ページ、7ページの記述は非常に私はよろしいんじゃないかなというふうに思いました。
  それから3点目ですけれども、33ページから、これも前から思っていたんですけれども、「教科等を越えた全ての学習の基礎として育まれ活用される資質・能力」ということで、言語能力とか情報活用能力とか全体的課題に対応して求められる能力とか、ずっと書いていますけれども、つらつら考えたら、例えば小学校で1人の学級担任の先生が、これ全部念頭に置いて40人の子供に向き合って、一人一人にこういう能力を育てる、これはなかなか、先生もスーパーマンで、ちょっと大変だなという感じがするので、こういう能力はもちろん先生方にも育てるように努めていただきたいんですけれども、学校教育全体で1人の先生に全部責めを負わせるようなことのないようにやっていくんだということが要るのかなという気がちょっとしまして。
  これだと、スーパーマンの先生がスーパーマンの子供を育てているような感じがするものですからね。ちょっとその辺を、しかも小学校にふさわしい内容とか、中学校的な段階の内容とか、いろいろあると思うので、その辺も十分配慮してやるんだということを、書かなくてもいいんですけれども、これから指導要領作成なんかに当たっては配慮していただければいいのかなという気がちょっとしました。
  ちょっと長くなってすみませんけど、それから4番目ですけれども、ちょっと戻って恐縮ですが、12ページに「学校教育を通じて育てたい姿と生きる力の理念の具体化」というところがありまして、これは非常に大事なところだと思うんですけれども、教育基本法の目的が出てきて、その後に急に「学校教育を通じて子供たちを育てたい姿を描くとすれば」ということで出てくるんですけれども、実は教育基本法には目的の次に教育の目標というのがあって、ここに書かれているようなことを5項目に分けて示しているわけですので、そのことをやっぱり触れておくべきじゃないかなと思うんですね。
  つまり、きちんと今回の審議というのは教育基本法の考え方にのっとって、これは教育の最高法規と言われているわけですから、その考えにのっとって、特に現時点、あるいは2030年を考えたときに、ここは子供たちに育ててあげなきゃいけないんだというニュアンスが出た方がいいんじゃないかなと。でないと、何か思い付きのようにこういう力を育てるんだと言っているわけじゃないんですよということをちゃんと明確にしておいた方がいいのかなと。余計なことですけれども、ちょっとそんなことを思いました。
  それから、長くなってすみません。5点目ですけど、これから指導要領を作られると思うんですけれども、私、特にお願いしたいのは、今回の答申に基づく指導要領に先行して、道徳が間もなく走り、今、走っていますし、教科書もできて、これから動くわけですので、どこかで、既に動いている道徳と今回の答申を受けた指導要領というのは一緒になるわけですけれども、同じ発想とか同じ考え方に立ってやっているんですよということをきちんと明記するなり、しておいた方がいいんじゃないかなと。
  道徳が先行したけれども、今回のほかの教科の、あるいは特活などの内容が合わさって新しい指導要領になるんだよということが分かるように、どこかでうまく説明をしていただきたいというのと、もう一つは、一番私が期待しておりますのは高等学校の地歴と公民の新しい科目でございまして、これは私は例えば歴史総合なんていうのは画期的な科目になるんじゃないかなと。
  みんなが必要じゃないかなと思いながら、なかなかできなかった科目の構想を今回されたわけですので、是非、こういう高等学校の新しい科目がいいものになりますように、また、これは教科書を作る人にとっても、なるほど、こういう教科書を目指せばいいのかというのが分かりやすい、そういうものをこれから示していっていただければいいんじゃないかなと非常に期待しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
  以上でございます。
【無藤部会長】    ありがとうございました。是非、5点ほどその方向でお願いいたします。
  それでは、大島委員、お願いします。
【大島委員】    このたびの答申案、すばらしい形でまとめていただいてありがとうございます。特に、知識偏重から、新しい形で主体的・対話的な深い学びということが非常に強調されて、よかったんじゃないかなというふうに思います。あと、最新のTIMSSとPISAの結果も反映していただいた点も非常によかったんじゃないかなと思います。そのことを含めて、ちょっと3点ほど、お願いしたいことがあります。
  1点目は、PISAの結果でも出ている読解能力の話なんですけれども、35ページですか、これ、新たにこちらの見え消し版ですと42ページで、ここは新しくPISAとTIMSSを含めて反映されたところなんですけれども、ちょっと気になる点というのは、読解能力、中盤の「文章を読むプロセスに着目した学習の充実、情報活用に関する指導の充実、コンピューターを活用した指導への対応など、学習指導要領の改訂による国語教育の改善・充実」ということで、これを読んでいると、情報活用に関する指導の充実とコンピューター活用した指導への対応というのが、何か国語教育だけの改善・充実に求められているという印象を受けるんですね。
  どちらかというと、これは教科横断型的な観点だと思うんですね。特にPISAは、科学に関する活動の指標というのが日本は非常に低くて、これ多分、文脈で科学の知識を使うことができる、いわゆる活用能力の話だと思うんですけれども、これ、ただ科学の理科とか数学だけに及ばず、全体に読解能力としてこういう情報活用、コンピューター活用したということが必要だと思うので、どちらかというと、言語能力の育成の前側に持ってきていただいた方がよろしいんじゃないかなというふうに思いました。そういうことも書いてあるんですけど、もうちょっと強調されてもいいのかなというふうに思います。
  あと2点目なんですけれども、ICTを活用するということが、ハード的な機器になれていないということが、読解能力が低かったということもありますけれども、是非、アクティブ・ラーニングの中にもそれを入れていただいた方がいいのかなというふうに思っています。アクティブ・ラーニング、結構ICT活用をすることによって効果が出てくると思いますので。
  これ、一つ提案なんですけれども、47ページの一番下の○なんですけれども、ここに「単元の構成や学習の場面等に応じた方法について研究を重ね」、ここに「ICTの活用なども含めてふさわしい方法を選択しながら工夫して実践できるようにすることが重要である」というように、このアクティブ・ラーニングの項目、45ページから入る中でICT関連のことが一つも言及されていないので、是非それを入れていただきたいということが1点あります。
  あと、最後3点目なんですけれども、これはちょっと難しいので、どこにどう入れるかというのが現段階で私自身も具体的な案がないんですけれども、PISAの調査によりますと、三つの科学的能力の中で、最後に、例えば科学的探求を評価して計画する能力というのが平均よりも低いということがあって、これ、例えば、アンケートをされている結構シミュレーションと関係するんですね。これ、プログラミング教育の観点でもあるんですけれども、こうやって評価して自分で計画するというのは、ある意味シミュレーションということとも関係するので、それを多分理科か数学の中に入れていただくと、このPISAの一つの課題が新しく反映できるんじゃないかなというふうに思いました。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。その方向で検討をお願いします。
  それでは、堀竹委員、お願いします。
【堀竹委員】    ありがとうございます。私の方から幾つかお話を申し上げたいんですが、まず1点は、今回のこの学習指導要領を見せていただいたときに、教育を担う人材の育成、それから教育環境の充実ということについて、今までに比べてかなり書き込んでいただいて、具体的になっているということで、今まではこうやるんだと内容の提示があっただけだけれども、それを支えるためにはこういうことを行政は支えていくということに言及していただいたことを、学校を預かる立場にいた者としては大変ありがたいなというふうに思っているところでございます。
  それから2点目でございますけれども、この学習指導要領、今回出た中で、教育環境の整備という視点から具体的な視点、こういったようなものも示されているということで、ただ学校だけではなくて、それを支えていく行政はどうそれを支援していくかということをここから十分読み取ってほしいという願いと同時に、それが読み取れる視点が出ているということで、さらに吟味をしていただいて、より具体的に推進していく行政にそれが伝わっていくような表記というようなことを考えていただけるとありがたいなというふうに思っております。
  それからもう一つは、新しい学習指導要領の中で、教員の指導力向上のための支援というような視点も今回かなり明確になってきて、今後の問題としては、いかにこれを学校を預かる校長が理解をして、こういった指導力向上というようなことを図っていくか、そのきっかけを今回この学習指導要領から頂けているかなというふうに捉えているところです。
  それから三つ目として、カリキュラム・マネジメントということがこれから必要になってくる。今までも学習指導要領が出されて、カリキュラム・マネジメントということは当然、学校現場でやってきたわけですけれども、このカリキュラム・マネジメントについての支援という部分については、もう一歩踏み込んで、学校が独自に何でもやるというよりは、こういった学習指導要領の趣旨の理解も深めて、支援ということを具体的に何か考えていただけないかというようなことでございます。
  それから最後になりますけれども、環境整備というようなことで、特に言語能力の育成というようなことで、学校の図書環境の整備ということについては、新たにやはり財政的に支援を考えていただく。次年度の予算については既に立ち上がっておりますけれども、本格的な実施に向けて、学校の図書環境、読む環境だけではなくて、読む本の量・質、こういうようなもの、それから読書活動そのものを見直していくというような意味での支援というようなことを是非、今後考えていただけるとありがたいなというふうに思っています。
  特に学校現場で困っている話をここでしていいかどうか、ちょっと迷うところですけれども、学校で図書を購入する予算は十分とは言えませんけれども、これは措置されています。ところが、先ほどからお話に出ていましたけれども、新聞、これを定期的に講読する予算というのがなかなか学校の中で措置をされていないんですね。
  これは、学習指導要領にこれだけ書いてありますので、これは何らかの形でやっぱり学校が、どこの学校も、しかも1紙だけ取っても、これは役に立たないわけです。主要なものを選択をして授業に使えるような、そういう支援を是非行政で考えていただけないかというようなことが私の意見でございます。
  ありがとうございました。
【無藤部会長】    ありがとうございました。髙木委員、お願いします。
【髙木委員】    ここまで来て、このような案が出たことは大変評価したいと思います。是非この内容を実現したいというふうに考えておりますし、それから、3月に報告が出ました高大接続部会においても、これからこの改訂、今回の教育改革そのものが日本のこれからの命運を左右するというところまで踏み込んで語ってくださっています。まさにそのとおりだと思います。
  そのためには、是非、前回予算配分のことで来ておりましたが、教員定数の数を増やしていただきたいという意見を申し述べたいんですが、実は昨日、ある県の小学校、これは1学年3クラス規模の学校ですが、授業をやっていると、職員室にはどなたもいらっしゃらない。それからいろんな状況があると、教頭先生まで授業へ参加しなきゃいけないような状態で、先ほどPISA調査の中でいわゆる読解力、読解力という言い方はまたこれはかなり問題があって、今まで来ていますが、リーディング・リテラシーの質を高めるためには、例えば子供に文章を書かせたり、その文章の内容を添削したり、一人一人の子供たちにかなり手を掛けて指導していきませんと、例えば全国学力・学習状況調査のB問題の最後のところも、いまだに無回答率が高いという状況が開始以来ずっと引き続いて行われているという、そういう状況の中で、やはり先生方の数を、特に小学校はもうぱんぱんで、お1人でも休んだらもう校長先生まで授業に出るような状況であるということをまず御理解していただいた上で、そこのところの予算というのを是非付けていただかないと、いくら今回の教育課程の案がよくとも、実現することの実質的な部分が非常に難しいというふうに私は思っています。
  難しいということは分かっていますが、こういった会で誰かが発言しなければ、それは実現していきませんので、是非、教員、特に小学校の教員定数、これは増やしていただかないと、日本の教育は滅ぶとまで私は思っています。是非ここのところはまげてお願いしたいと思います。
  それからもう1点、これは確認なんですが、実は、きょうの答申案の4ページのところの注があるんですが、上の3行目、言語活動について、記録、要約、説明、論述、ここで「話合い」という言語活動を書いてありますが、123ページ、もう1個の上から三つ目、もう御理解いただけているようですが、ここでは「討論」になっていますので、「話合い」の方が私はいいと思いますので、統一をお願いいたします。
  以上です。
【無藤部会長】    非常に重大な指摘ありがとうございました。
  それでは、生重委員、お願いします。
【生重委員】    引き続きお2人の委員から教員増員、定数削減がないようにというお話が出たんですが、私もそのお願いをしたいと。
  本当によく書き込まれている、これからの方向性に合った答申案になっていると、私も大変感謝を申し述べたいと思います。その中で、これから望まれる教育の中に、インクルーシブとか、全ての教科を巻き込んでのキャリア教育、子供たち一人一人の生きていく道をみずから見付けていく力というもの、それは全部教科に通じているんだよということがきちんと書き込まれている。
  これから先生たちにとっては、次の段階でキャリア・パスポートが出てくるとか、それからカリキュラム・マネジメントの問題もそうなんですが、新しい手法としての主体的・対話的な深い学びを実現するためのアクティブ・ラーニングを実現していく、先生たち自体、ICTのこともそうなんですが、それぞれ得意・不得意がある中で、今までの教員現場というのは、チームという意識に私が外部から見ている限りは若干欠けている部分があって、一人一人のお力が、優れている方たちの力が表現される場合であって、余りみんなで助け合うというのがうまくスムーズに行かない現場も多いかと思うんです。
  そういうことを、この答申案がより前向きにいい形で実現しないと、おっしゃっていたように、日本の命運をというぐらい、この教育の改革のこれからの方向性は重要性を帯びるんだとしたならば、現場の先生の数を減らすなんて最もナンセンスなことですし、それぞれがやらなければいけない役割をこれから新しいものとしてきちんと研修で受け止めていかなければいけないし、自分なりの創意工夫を凝らしてほしいですし、外部の機関とうまくつながるということすらも今まで余りお上手にできていないことを、どう外とつながるのか。
  もちろん、それぞれの市町県の行政がいかにサポートしていくかということも重要かと思いますが、そういうことを全部の教育関係者が理解しつつ、どこの部分は誰とどういうふうに何を、それぞれ現場で子供に向き合う時間を確保しつつ、自分はどのようなことを研修を受けながら子供たちに向き合っていく力を付けていくのか。
  インクルーシブの問題も、通級として通っていくんじゃなくて、いずれは通級を学校に持ってくるというふうにならないと、子供たちの学ぶ現場のよりよさの実現というところには行かないと思うんですね。授業を抜けて自分が通級に通っているというのは、私の町では次年度から徐々に、それぞれの学校に通級にいた先生たちが学校の側に来て、それぞれ子供たち一人一人が在籍校において通級の適応指導を受けるという体制になっています。本来的なインクルーシブを考えると、やはり一人一人の子供たちの学ぶ場の安定確保であり、それから所属している学校において学べることということが授業なんじゃないかなというふうに思っております。
  そういうこと全てを実現していくためには、そういうのを全て総称してチームと言うならば、先生の数を絶対に減らさないでいただきたい。文部科学省さんがどれだけ努力しているかもよく存じ上げた上で言うんですが、公式発言で何人もの人が言っておいた方が私もいいと思いますので、先生の数は絶対に減らさないでいただきたいというふうに思います。
  これからのそれぞれの、この答申案が出た、答申が通った後の体制として、どうつながるということが明確に書き込まれているんですが、私、現場を研修で歩いていて、すごく聞かれる質問を受けることが、ああ、そうか、根本的なところでお分かりいただけていない。カリキュラム・マネジメントのこともそうですし、アクティブ・ラーニングのこともそうですし、それからもっと残念なのは、どなたもおっしゃっていましたが、早くICTの活用が全ての現場で行われるようにというのと同時に、ICTを支援してくださる体制も外側からしばらく持ってこないと、現実、電子黒板を入れていても、きれいにほろが掛かったままで、神棚に飾ってあるような町も存じ上げておりますので、ああいうものは使って、子供たちが活用できるようになって、日々なれることが大切というふうに思いますので、いち早い普及と、それから誰でもが使える体制というのを実現していただきたいなというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【無藤部会長】    大事な提言ありがとうございました。
  では、天笠委員、お願いします。
【天笠委員】    失礼します。二つ申し上げます。
  まず一つ目なんですけれども、この答申を通しまして、それがそれぞれの立場で普及のための戦略・戦術を練っていただくというんでしょうか、そういう呼び水になるようなことが大切なんじゃないかというふうに思います。そうした場合に、何をするために何が必要、実施するために何が必要か、第10章、これがあるわけですけれども、そこら辺のところが、今、申し上げたようなところを触発することになるのかどうなのかあたりが、もう一段あるとよかったかなというのが正直な感想です。
  要するに、これを受けて、どう市町村教育委員会なら市町村教育委員会、学校は学校、あるいは県は県として、これを普及するためのまさに戦術・戦略を練る、場合によっては工程表というところまで下ろして、具体的な取組のスケジュール表化というんでしょうか、そんなものが必要で。
  そのときに一つ、今回、こういう視点というのもあっていいのかなと思うんですけれども、学校と地域でともに作るという、そういう社会に開かれた教育活動や理念というのを、今申し上げたような観点から具体化するような、そういう取組、動きというのもあっていいのかなというふうに思います。学習指導要領を地域と学校で共有するという、そのための具体的なスケジュールですとかプランですとか、どんな練り方をしていったらいいのかどうなのか。
  例えばコミュニティスクールなんていうのはその一つの場としてはあるんじゃないかと。必ずしもコミュニティスクールに限らずに、学校と地域の関係作りの中に学習指導要領の地域を含めた理解を広げるという、そういう視点というのを今回、これを契機に一つの試み、取組としてあるといかがなものかなというふうに申し上げたいと思います。それがまず1点であります。
  それからもう一つは、資料3-4であります。これが、御説明では既にありますように、おぼろげながら学習指導要領の原型というんでしょうか、というふうにも受け止めることができるんじゃないかというふうに思って、そういうふうに見ています。これをさらにリファインして、文章化して、文言化して、そして学習指導要領という形で姿を現すという、そういうプロセスをこれからたどるんじゃないかというふうに捉えておりますけれども、少なくとも、きょう、ここに提示された資料を見る限りにおいては、一つの点については、私は十分、今回の意図、狙いが既に現れているというか、そういう方向で出ているなというふうに捉えさせていただきました。
  それは、資質・能力で学習指導要領の構造を見直すという、その視点ですけれども、これはしっかりとここに示された、描かれたという、こういうこととしてこれは捉えることができるんじゃないかと思いますし、今後、当然、その方向でより具体的な形になっていくんじゃないか。
  もう1点なんですけども、こちらの方はまだどうかなと思っています。それは教科横断的な視点というあたりの具体化、浸透というあたりのところは、まだ見え切れていないというのが正直なところであって、それは、各教科の配慮事項あたりのところに、各教科との連携性という、せいぜいそういう文言で済ませるという話では今回当然ないわけでありまして、例えば、こちらの方の生活科の文言の中には「教育課程全体における生活科の役割」という、こういう小見出しの下にその記述があるんですね。また、総合的な学習の時間にもそういう記述がある。
  また、こういう小見出しはないんですけれども、道徳教育についてはいわゆる要という意味を込めて、「教育活動全体との」ということで、一部の教科等については教育課程とその教科との言及ということがそれぞれあるわけなんですけれども、必ずしも全教科を通しての足並みがそろっているとは、こちらのところにまだ言い切れないというところがあるわけで、それが今後の具体的な学習指導要領の文言化という、各教科におけるときに、教科横断という視点というのをそれぞれの教科がどう受け止めて、どうそれを表現するのかどうなのか、今後のありようというのは、私は今申し上げたような立場から着目していきたいと思いますし、是非その点についてはいろいろ御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。では、荒瀬委員、お願いします。
【荒瀬委員】    ありがとうございます。前回の現行学習指導要領に向けた中教審の議論の中で、2008年1月17日に答申が出たのでありますけれども、答申としてまとめられたのでありますけれども、そのとき、答申の文章の中で私が一番心に残っている言葉というのが、「自己との対話を重ねつつ、他者や社会、自然や環境ととともに生きる積極的な開かれた個であることが求められる」という、この「開かれた個」という言葉は非常に印象的な言葉でした。2回出てまいりました。もう1回は、「閉じた個でなく開かれた個」という、よく分からない部分でありましたけれども。
  今回、資料3-1で申し上げますと、10ページに、今回の学習指導要領の一つの、私の中では大変印象に残る言葉というのがございました。○の三つ目なんですけれども、○の二つ目からちょっと見ますと、今回、特に人工知能についての意識というのが相当働いていまして、「人工知能がいかに進化しようとも、それが行っているのは」という、「それ」で受けるあたりは、非常に強烈に人工知能に対する対抗意識があるというのを思いつつ、読むわけであります。
  この後を読んでいくと、だんだん怖くなってくるんですね。「強みを持っている」とか、人間はこれができるとか書いてあるんですが、じゃ、これ、できないとどうなるのかということさえ感じさせるような、非常に力強いまとめ方をしていただいて、大変感謝しておりますが、この○の三つ目の1行目に「このために必要な力を成長の中で育んでいるのが、人間の学習である」という、非常に平易な言葉を二つ「の」で結んだだけなんですけれども、「人間の学習」という表現は非常に斬新な表現であるように私は思っております。
  何が言いたいかといいますと、ここで答申がまとまっていって、今年中に答申として大臣にお渡しになるということでありますけれども、それがこれから本当に具体化していくときには、それぞれの学校でもって具体的にこの答申をどう読むのか、何を手掛かりにして読むのかというのは大変大事ではないかなと思います。
  私は前回の答申が出たときには高等学校現場におりましたので、この「開かれた個」というのをどう実現していくのかということを軸にしてカリキュラムを考えていくということが大事ではないかというふうに思ったわけですけれども、今回、いろんな場所で「人間の学習」ということを申し上げますと、先生方は大変真摯に受け止めてくださるというふうに感じております。
  何もこれを大々的に出していたただいてということをお願いしたいわけではなくて、少なくとも今後、学習指導要領が具体的に編まれるわけですけれども、それの基になったこの答申というのがどういうものであるのかというのを読み込んでいくときに、手掛かりになる言葉を見付けていくというような読み方を、各県の教育委員会の先生方とかにお伝えしていくことが私は大事なのではないかなと思いましたので、感想のようなことで申し訳ありませんが、御発言させていただきました。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。では、篠原委員。
【篠原委員】    先ほど銭谷さんから、学校の先生はスーパーマンじゃないんだ、いろいろヘビーじゃないかというお話があったし、それから堀竹さんから、学校で新聞を確保するのがなかなか大変なんだというお話もあって、それから天笠さんの方から、地域と学校でもっと連携してこの指導要領を現実化していったらどうだと。私は、地域も大事なんですけれども、やっぱり家庭だと思うんです、もう一つは。だから、家庭の教育力をどう高めるかということについて、この指導要領にかなり今回は踏み込んで書いていただいておりますので、是非それを現実、実現の方向へちょっとエンジン掛けてやってください。
  新聞なんかも、家庭で読むという癖もやっぱり大事だと思うんですね。何部取れるかというのはありますよ。新聞も右から左まで最近非常に論調が分かれていますから、幾つか取らないと、幾つか見ないと、全体が分からないというような状況もございますけれども、そういうものに触れるというのは、家庭、学校両方ある。だから、家庭と学校のコラボ、地域の三者のコラボと言っていいかもしれません。それでこの学習指導要領を是非推進していただきたいというふうに思いますけれども、藤原局長、いかがでございましょうか。
【無藤部会長】    ありがとうございました。一通り様々な御意見を頂戴いたしましたけれども、皆さん方に御議論いただきました内容を踏まえまして、この答申案を初等中等教育分科会へと報告させていただきたいというふうに思います。
  その際、いろいろな意見頂戴したところを含めて、文言の調整等につきまして、部会長である私に御一任いただくということでよろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
【無藤部会長】    ありがとうございました。それでは、本答申は、21日水曜日に中央教育審議会総会がございますが、そこで御審議いただき、了承頂いた暁には、答申に基づいて、文部科学省において学習指導要領の改訂に取り組むということになる予定でございます。教育課程部会といたしましては、その結果や状況につきましてまた報告を受けたいと考えております。
  それでは最後に、事務局より事務連絡をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    先生方には約2年間にわたり充実した御議論を頂きました。誠にありがとうございました。先ほど部会長からもお話ありましたとおり、答申案につきましては今後、初中分科会、総会において御議論を頂きたいというふうに存じます。
  本日の配付資料でございますけれども、机上に置いておいていただければ、後ほど郵送させていただきます。今後の予定については後日御連絡をさせていただきます。
  それでは、最後になりますが、事務局を代表いたしまして、初等中等教育局長、藤原より一言御挨拶申し上げます。
【藤原初等中等教育局長】    失礼いたします。初等中等教育局長の藤原です。本日、教育課程部会が一つの区切りを迎えるに当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。
  まず、本日、いろいろな委員の先生方から様々な御意見を頂きました。特に、今回の答申を実現する上での条件整備、この点についての御指摘ありました。とりわけ教職員定数の確保、これは非常に重要な問題だと思っております。私も概算要求の段階では、まず発達障害についての通級指導についての教員の基礎定数化、あるいは外国人等への日本語指導についても基礎定数化、それらを含めまして、10年間を見通して義務標準法の改正を含む加配定数も含めた増員という要求をしている次第でございます。
  現在、財務省の方と最終的な折衝を大変厳しくやっている次第でございます。厳しくという意味は、我々も厳しく主張しますが、財務省も厳しく主張してくる、こういうことでありますが、文部科学省といたしましては、年末の予算編成に向けて、大臣折衝をして必要な教職員数を確保し、当然のことながら義務標準法の改正も目指し、今後10年間を見通した定数改善に向けての道筋を付けたい、それがまさにきょう御指摘いただいたこの答申を、新しい学習指導要領をきちんと円滑に遂行していく前提条件であるというふうに考えておりますので、不退転の決意で財務省との折衝に臨んでいきたいと考えている次第でございます。
  それからまた、新聞を含めて、学校図書の関係についての御指摘もございました。今年度が学校図書関係の整備計画の5か年計画の最終年ということでありまして、現在、来年度以降、5か年計画を新たに立てるべく、これは地方財政措置でなされていることでございますので、現在、総務省の方に地財の要望を出している次第でございます。
  その中には図書の整備、それから新聞についてもきちんと整備していく、あるいは学校司書の配置、こういったものについて、前回の5か年計画よりもかなり増額の要望をしておりまして、昨日もちょうど議連がございまして、河村建夫先生が会長ですが、議連にも御支援を頂きながら、今後、最終的に総務省との詰めをして、前回の計画よりも増額ということで頑張っていきたいと思っている次第でございます。
  また、篠原委員から、家庭の教育力を高める、これが非常に大事だということを御指摘いただいて、まさにそのとおりでございます。現在、教育再生実行会議でもこの点、議論をしているわけですけど、文部科学省といたしましては、この答申を受け、また教育再生実行会議での議論も見据えながら、きちんと対応をしていきたいと考えております。
  それらを踏まえまして、きょうで第8期に入ってからこの教育課程部会11回目の審議をしていただきました。当部会では社会に開かれた教育課程を実現するという理念の下で、主体的・対話的で深い学びの実現、アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善、子供たちの学びを支えるカリキュラム・マネジメントの確立、教科横断的な視点から子供たちに必要な資質・能力の育成を図ることの重要性など、次の学習指導要領において中心となる考え方をおまとめいただいたわけでございます。
  教育課程部会におきましては、学校を取り巻く様々な状況を踏まえながら、全体を見渡して、大所高所からの御審議を頂いたと思っております。この方向性に従いまして、学校段階別、教科別のワーキンググループ等で専門的な検討を行っていただき、そこでは教科などを学ぶ本質的な意義に立ち返っての御議論を頂きました。
  これまで教育課程部会をはじめといたしました各部会では、延べ200回以上、400時間を超える大変長い時間を費やした充実した御審議をしていただいておりまして、その成果として、本日、この答申案ということでおまとめをいただいておる次第でございます。
  無藤部会長をはじめ、各委員の皆様方におかれましては、それぞれの御専門を超えて、子供たちの未来の作り手となるための資質・能力を育む観点から御議論を頂きまして、本当にありがとうございました。
  この答申案につきましては、今後、初等中等教育分科会での御議論を経て、今月21日の中教審総会で御審議を頂く予定でございます。その後は、文部科学省として、年度内に学習指導要領を告示をするということで、それに向けて作業を進めていきたいと考えております。その結果あるいはその状況につきましては改めて御報告をさせていただきたいと思います。
  今後、皆様方におかれましては、この答申案の内容を各所で周知・広報をしていただければ大変ありがたいなと思っております。本日は本当にありがとうございました。
【無藤部会長】    ありがとうございました。ただいま藤原局長より御挨拶を頂戴いたしました。
  局長の御挨拶にもありましたけれども、今後、委員の皆様におかれましては、この答申等の内容につきまして、各所で周知・広報を是非していただければ幸いでございます。
  それでは、本日の教育課程部会を終了させていただきます。ありがとうございました。

――  了  ――

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