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教育課程部会(第98回) 議事録

1.日時

平成28年8月26日(金曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 東館3階 講堂

東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 次期指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ(案)
  2. その他

4.議事録

【無藤部会長】    それでは、定刻となりましたので、ただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会第98回を開催いたします。本日は、お忙しい中、御参集いただきまして、誠にありがとうございました。
  それでは、事務局から配付資料についての御確認をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    配付資料でございますけれども、本日、議事次第のとおり、資料の1から3、その他、机上に参考資料を配付させていただいております。不足等ございましたら、お申し付けくださいませ。
  また、いつものように机上の黄色の紙ファイルに学校段階・教科等別ワーキングの議論の状況をまとめてさせていただいております。
  また、机上のタブレット端末でございますけれども、いつものように審議会の答申等関連データを入れさせていただいております。
  また、指導要領見直しに関しまして各団体から届けられました要望の一覧、机上の紙ファイルにて配付しておりますので、御確認いただければと思います。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  それでは、これより議事に入ります。
  初めに、本部会の審議等につきまして、初等中等教育分科会教育課程部会運営規則第3条に基づきまして、原則公開により議事を進めさせていただいてございます。また、第6条に基づき、議事録を作成し、原則公開するものとして取り扱うこととさせていただいてございます。よろしくお願いいたします。
  なお、本日でございますけれども、報道関係者より会議の撮影及び録音の申出がございます。これを許可しておりますので、御承知おきください。
  さて、本日でございますけれども、次期学習指導要領等に関するこれまでの審議のまとめ(案)につきまして御審議をお願いしたいと思います。
  まず、事務局より関係資料の説明を受けた後に、皆様方から御意見を頂戴したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    失礼いたします。それでは、資料に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。
  まず、資料1でございますけれども、これにつきましては審議のまとめ(案)のポイントということでございまして、資料2-1以降の審議のまとめのポイントのみを抜粋させていただいたものでございます。
  今後の社会の在り方の中でどのような力が求められるのか、「生きる力」の具体化、教育課程とのつながりということ、「社会に開かれた教育課程」、それを分かりやすく見通せる「学びの地図」の役割ということ、また、2ページ目、育成すべき資質・能力の在り方、「アクティブ・ラーニング」、また、こうした教育課程の構造を分かりやすく総則において示していくということ、それをもって「カリキュラム・マネジメント」を促していくということ、ICT環境ですとか学習評価というような様々な条件整備、指導要領の理念を実現するための方策ということも併せて実施していくということでございます。
  3ページ目は、その方向性を図示したものでございます。
  4ページ目は、今後の指導要領の総則がどのように変わっていくか。左側が現状でございますけれども、これを各学校の教育課程編成の手続に従って分かりやすく整理をしていくということでございます。
  そして5ページ目が、具体的な改善の方向性ということで3点でございます。学習指導要領の枠組みの見直しということ。資質・能力の三つの柱に沿って教育目標や内容を再整理し、教科横断的な力ということもしっかりと育んでいくということ。全ての学習の基盤となる言語能力でありますとか情報活用能力、あるいは現代的な諸課題に対応して求められる健康・安全・食に関する力、主権者として求められる力、グローバル化の中で多様性を尊重して、伝統や文化を尊重し、目標に向かっていく力などでございます。また、地域との連携・協働。学習評価、目標と評価の一体的な検討。6ページ目でございますけれども、一人一人の学習課題や進路に応じた対応ということでございます。
  2番目が「カリキュラム・マネジメント」の実現ということでございます。教育課程全体として、子供たちの資質・能力を育成できるよう、力を発揮できるようということで、3点にわたって「カリキュラム・マネジメント」の三つの側面を整理いただいております。
  3点目が「アクティブ・ラーニング」でございます。「主体的・対話的で深い学び」、7ページ目に整理いただいておりますけれども、これを、教科を越えた授業改善の視点として共有していくということでございます。
  また、学校段階等別。「キャリア・パスポート」などで学びをつなぎながらということでございますが、8ページ目、幼児教育、それから小学校、特に言語能力の育成ということ、そして10ページ目には小学校全体においての時数の増についても整理をさせていただいております。
  11ページ目には、外国語教育の抜本的教科のイメージということでございます。これまで御議論いただいた内容について整理をさせていただいております。
  12ページ目は、中学校ということで、部活動など、「カリキュラム・マネジメント」を軸としながら、学校教育目標の中で資質・能力の育成を図っていくということ。また、学校教育の一環であるということを踏まえて在り方を検討していくということ。また、教員の業務改善ということも見据えながら、地域との連携ということもしっかりと図っていくというようなことでございます。
  13ページ目、高等学校。高等学校につきましては、教科・科目の見直しということが科目別に、13ページ、14ページ、15ページ目、16ページ目と整理させていただいております。
  17ページ目には、具体的な単位数のイメージでございます。
  そして、18ページ目が特別支援教育ということでございます。
  これが概要版ということになります。
  続きまして、資料2-1、資料2-2、資料2-2の前半・後半というふうに分かれておりますけれども、こちらをごらんいただければと存じます。
  審議のまとめでございますけれども、企画特別部会におきまして、例えば用語の整理、知識の構造化というようなことを専門的な用語は少し分かりやすくかみ砕いた方がいいのではないか、あるいは、「カリキュラム・マネジメント」、地域の中での学校というところでの特色づくりということを分かりやすく整理していった方がいいのではないか、また、全体の構造につきましても、子供たちの現状というところから議論をスタートした方が、特に現場の先生方にとっては目の前の子供たちの在り方ということから次の指導要領の在り方を考えていくということで分かりやすく整理できるのではないかといったような御意見を頂いたことを踏まえまして、加えて、条件整備、教材の在り方ということ、指導要領の理念を実現するための方策ということをもう少ししっかり書き込んだ方がいいのではないかというような御意見を頂いたことを踏まえまして、総合的に整理をさせていただき、資料2-1、このような資料とさせていただいております。
  目次、1枚めくっていただきますと1ページ目、「はじめに」ということでございます。ここは、ほとんど考え方は変わってございませんけれども、例えば「社会に開かれた教育課程」ということをこの「はじめに」にも位置付けることで、全体の議論とのつながりを分かりやすく文言の整理などをさせていただいたところでございます。「学びの地図」につきましても、全体像を分かりやすく見通せるということ、各学校の創意工夫を促すというための手だてとなるようなものというようなことで整理をさせていただいております。
  それから、2ページ目以降でございますけれども、第1部は、学習指導要領改訂の経緯を踏まえた子供たちの現状ということから章立てをスタートする形に改めさせていただいております。前回改訂までの経緯ということで、10年ごとの改訂ということの積み重ねの上に現在の学習指導要領があるということ。3ページ目でございますけれども、量的軽減を目指す方向性の中で行われたこれまでの改訂の経緯、特に平成20年の改訂の中で「ゆとり」か「詰め込み」かの二項対立を乗り越えといった、これまでの経緯を整理させていただいております。
  4ページ目は、こうした学習指導要領の経緯を踏まえた子供たちの現状と課題ということでございます。これも、既にごらんいただいたものに整理をさせていただいたものを前に持ってきたというような形でございますけれども、学力の現状ということ、改善傾向にあるという一方で、子供たち、判断の根拠や理由を示しながら考えを述べることなど、あるいは学びの意義ということの実感ということの課題ということでございます。また、4ページ目から5ページ目にかけて、読書ということも、受け身の読書体験のみならず、みずから能動的に読み解き、自分の考えの形成に生かしていくという能動的な読書ということの必要性なども企画特別部会で御意見を頂きましたけれども、そういったことも含めて、教科書の文章を読み解くということも含めて、言語能力の育成の重要性、あるいは体力、健康、そして5ページ目の下、豊かな心や人間性ということの課題でございます。
  そして、こうした全般的な傾向に加えて、子供たち一人一人の成長を支えていくキャリア教育ということも含めて、6ページ目に整理をさせていただいております。
  そして7ページ目が、こうした子供たちの現状・課題を踏まえた、子供たちがこれから活躍することになる将来の社会の在り方ということでございます。知識基盤社会という認識を受け継ぎながら、知識・情報・技術をめぐる変化の早さは加速度的となっているということ、複雑で予測困難となる時代の中で、子供たちがどのような職業や人生を選択するかに関わらず、こうした変化が子供たちの生き方に影響するものになっているということ。8ページ目、こうした変化を前向きに受け止めながら、人間ならではの感性を生かしながら、よりよい人生・社会の在り方を考えていく力が求められているということでございます。
  8ページ目、学校教育への期待と教育課程の改善。こうした力は、学校教育で育まれてきたものとは全く異なる新しい力ということではなく、長年目指してきた「生きる力」ということを現代的な文脈の中で改めて捉え直して、しっかりと育んでいくということであろうということでございます。
  9ページ目、我が国の子供たちの学びを支え、世界の子供たちの学びを後押しするということでございます。
  そしてその上で10ページ目、これからの教育課程の在り方を考えた際の課題ということでございます。学校教育を通じて育てたい姿、3.丸の二つ目にポツで三つ並んでございますけれども、特に企画特別部会で、他者への思いやりを持ってということも重要ではないかというようなことも御指摘いただいたことも踏まえて、再整理をさせていただいております。こうした姿を踏まえながら、「生きる力」の現代的な意義を踏まえてより具体化し、教育課程とのつながりを明確にしていくということ。
  11ページ目、下から三つ目の丸でございますけれども、「生きる力」という理念について、どのような資質・能力を目指すのかを具体化し、教育課程・教科の授業をどのように工夫したらいいかということにつなげていくということでございます。そして12ページ目、何を知っているかにとどまらず、何ができるようになるかということまでを視野に入れて改善を図っていくということ。また、13ページ目、教科のつながりということ、特にESDや主権者教育など、教育課程全体で育むべき力の重要性ということが言われているということでございます。教科の本質的な意義を重視しつつも、縦割りにとどまらず、教育課程全体で子供たちに資質・能力を育んでいくということでございます。
  そして、こうした認識を、14ページ目、地域と学校と共有していくということ。教育課程ということ、当たり前のように見過ごされがちなその意義や存在ということを改めて捉え直し、学校の特色づくりに生かしていくということでございます。
  また、二つ目、一人一人の子供たちの豊かな学びを実現することの重要性ということ。学校も含めた社会の中で自分の存在が認められること、自分の活動によって何かを変えたり、よりよくしたりできることの実感が持てるような学びということ。15ページ目、子供たちの未来に向けて成長しようという潜在的な能力をしっかりと引き出す学びを実現していくことの重要性ということでございます。
  また、3点目、学習評価や条件整備等、こうした指導要領の在り方を一体的に議論することの重要性ということでございます。
  16ページ目、こうした課題を踏まえて、「社会に開かれた教育課程」を目指していくということでございます。
  (1)教育課程を通じて、子供たちが変化の激しい社会の中で必要な力の育成を目指すということ、社会と連携・協働しながら特色づくりを図っていくこと、現実の社会との関わりの中で豊かな学びを実現していくということでございます。「社会に開かれた教育課程」の定義といたしましては、17ページ目の一つ目の丸の丸1、丸2、丸3でございます。
  そして、17ページ下にございますように、指導要領の枠組みを、「社会に開かれた教育課程」の理念の下、見直していくということが必要な点の第1番目ということでございます。「生きる力」を具体化し、教育課程との関係性を分かりやすく示していくということ。子供たちの質の高い学びを引き出すために、子供たちが身に付けるべき18ページ目の資質・能力や学ぶべき内容などの全体像を分かりやすく見通せるようにしていくということでございます。そして、「何ができるようになるのか」という観点から「何をどのように学ぶか」ということを組み立てていくということ。そして、そのためには、「子供の発達をどのように支援するか」、「何が身に付いたか」、「実施するために何が必要か」という視点も重要であるということで、18ページ目、下から二つ目のローマ数字1から6にございますような視点を軸に必要な改善を図っていくということでございます。これはそのまま総則の軸にもなってくるということでございます。19ページ目にございますように、総則の見直しということ、また、各教科の目標・内容の見直しということを図っていくということでございます。一方で、19ページ目、一つ目の丸にございますように、指導要領、法規としての性格を有している一方で、具体的な内容や方法については、学校や教員に求められるべき裁量を前提として、明らかにその範囲を逸脱したような場合に反するというふうに言われるというふうに限られるということでございます。資質・能力の育成、指導方法につきましては、各学校の創意工夫ということが前提とされるものでございますので、特定の目的や方法に画一化されるものではないということを改めてここに記させていただいたところでございます。多様な工夫や改善の取組を活性化するということでございます。
  19ページ目、中ほどから総則の抜本的改善ということでございまして、先ほどの6つの軸に沿った総則の改善を図っていくということでございます。20ページ目、それによって、「アクティブ・ラーニング」の考え方でありますとか「カリキュラム・マネジメント」ということをしっかりと実現できるような手引としていくということでございます。
  そして二つ目が、「カリキュラム・マネジメント」の確立ということでございます。教育課程の編成主体は各学校であるということでございます。指導要領、必要な事項を各学校が組み立て、目の前の子供たちの姿を踏まえながら改善を図っていくということ。教科横断的な視点や学年を越えた視点で改善を図っていくことができるようにということでございます。
  三つの側面ということで、21ページ目の上にございます。
  こうした考え方の下、全ての教職員が学校の特色づくりを共にしていくということ。生徒指導主事や進路指導主事なども含めて、資質・能力の育成ということに向かってそれぞれの役割を捉え直していくということでございます。21ページ目、一番下にございますように、校長のリーダーシップの下、地域の文化や子供たちの姿を踏まえながら、地域の中にある学校としてどのような姿を目指していくかという視点を定めて、学校の特色づくりを図っていくということでございます。
  22ページ目は、教育課程編成と教科のつながりということ、また、各種データに基づく実施の見直しということでございます。
  22ページ目、下、3点目、「アクティブ・ラーニング」でございます。学習内容を人生・社会の在り方と結び付けて深く理解すること、あるいは、資質・能力を身につけて、能動的に生涯にわたって学び続けるということのためには、「主体的・対話的で深い学び」が重要であるということでございます。これは、一人一人の学びの在り方を引き出すということと、学習の在り方そのものの問い直しを目指すということ。また、「カリキュラム・マネジメント」とともに、学校の授業あるいは経営の改善を行うためのものであるということでございます。
  ここまでが総論部分でございまして、以下、総論の中で更に一つ一つの項目について解説しているものが5.以降でございます。
  資質・能力についてということで基本的な考え方、これは既に整理をさせていただいたものでございますけれども、様々な教科の力あるいは学習の基盤となる力、現代的な力、資質・能力については様々な課題があるわけでございますけれども、24ページ目、中ほどにございますように、こうした教科・諸課題に共通する資質・能力の要素ということをしっかりと整理し、高めていけるようにする必要があるということ。この共通の要素ということを、教科や課題の分野を越えて、学習指導要領の新しい枠組みとしていく必要があるということでございます。それを通じて「生きる力」を具体化し、教育課程との枠組みを整理していくということでございます。
  そして、こうした枠組み、25ページ目の三つの柱として整理されておりまして、これは先頃のG7倉敷大臣会合等においても国際的に共有されているということでございます。丸1が「何を理解しているか、何ができるか」、26ページ目、丸2が「理解していること・できることをどう使うか」、そして27ページ目が「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」というとでございます。
  この三つの柱を基に、資質・能力の整理あるいは教科目標・内容の整理を行っていくということでございます。
  そして、それを学校段階、教科横断的に、あるいは学校種を越えてつないでいくということでございます。28ページ目にございますように、初等中等教育段階の出口のところで身に付けておくべき力ということをしっかりと考えながらつないでいくということでございます。
  ま、29ページ目、資質・能力ということでは、一人一人の発達や成長をしっかりと支えていくということも重要であるということでございます。今回、30ページ目、一つ目の丸にございますように、資質・能力の考え方などを特別支援教育とも連携させることによって、組織的、継続的な支援が子供たちの状況に応じて可能になっていくというようなこともあるということでございます。
  こうした枠組みを踏まえながら、教育課程の編成主体である各学校は、学校教育目標として、資質・能力の在り方、学校教育目標の現代的な在り方をしっかりと具体化していくということが重要であるということでございます。
  (3)は各教科を学ぶ意義の整理ということで、これは第2部において見方や考え方あるいは資質・能力の在り方を整理させていただいているところであります。
  そして33ページ目が、教科を越えた学習の基盤として必要な情報活用能力、言語能力等でございます。
  34ページ目、言語能力、そして35ページ目には情報活用能力について、例示的に整理をさせていただいております。特にICT環境の整備ということも37ページ目の上で整理をさせていただいております。
  また、現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力ということでございます。37ページ目、変化の中に生きる社会的存在として求められる力。
  あるいは、38ページ目、グローバル化する社会の中で求められる力。
  総合的に考えますと、39ページ目にございますように、健康・安全・食に関する力、主権者として求められる力、創造性といった力が、今後の社会の在り方を考えると重要になってくるということ。各学校において、子供の姿や地域の実状を捉えながら、学校教育目標に照らした重点化を図りながら体系的に育成していくことが求められるということでございます。
  ここでは例示的に健康・安全・食の資質・能力を整理させていただいております。
  そして40ページ目、何を学ぶかというところでございます。教科の学習と資質・能力の在り方ということをしっかりと結び付けられるよう、三つの柱ということを踏まえながら整理していくということでございます。教科における学習の意義ということも改めて再確認されるということ、また、学びの質と量を重視するというから内容の削減ということは適当ではないということなどでございます。
  42ページ目、どのように学ぶか。「アクティブ・ラーニング」ということでございます。個々の先生方の指導改善の工夫や教材研究の努力、こうし工夫や努力の上にこの改善の視点ということが整理をされているということでございます。
  43ページ目は、そうした「授業研究」の考え方ということを整理させていただいております。44ページ目にございますように、特定の「型」ではないということ、あるいは、先生方一人一人の授業改善の工夫を引き出すための議論であるということでございます。
  「主体的・対話的で深い学び」について、44ページ目から45ページ目に整理をさせていただいております。
  また、何か新しいものを入れるというよりは、これまで行われてきている言語活動、課題解決的な活動、様々な各教科の活動、45ページ目の下にございますようなこういった活動を更に改善・充実させるための視点であるということ。46ページ目、上にございますように、今までの授業時間とは別に新たに時間を確保しなければできないというものではないということ。重要なことは、これまでも重視されてきた各教科の学習活動が、子供たち一人一人に意味のある学びとなるようにするという改善の視点であるということでございます。
  また、46ページ目にございますように、単元のまとまりを見通しながら、47ページ目にございますように、指導内容のつながりを意識していくということが重要であるということでございます。
  また、「深い学び」と「見方・考え方」。
  48ページ目には、発達の段階・子供の学習課題に応じた学びの充実ということ。また、「アクティブ・ラーニング」ということの中では、読書活動のみならず、子供たちが統計や新聞等の選択や情報の収集ということに当たるような学校図書館の役割に期待が集まっているということ。また、ICT環境の整備も重要であるということでございます。
  そして8点目は、子供たち一人一人の学びということでございます。ガイダンス機能とカウンセリングということも49ページ目の頭に整理させていただいておりますが、学級経営の充実、学習指導と生徒指導、50ページ目、二つ目の丸にございますように、学習指導と生徒指導を分けて考えるのではなく、相互に関連付けながら学級経営の充実につなげていくということ。
  また、キャリア教育の充実ということ。
  51ページ目、個に応じた指導ということ。
  あるいは、52ページ目、インクルーシブ教育システムの構築を目指す特別支援教育ということ。
  53ページ目、子供たちの日本語の能力に応じた支援の充実ということを整理させていただいております。
  また、54ページ目、何が身に付いたか、学習評価ということでございまして、評価の三つの観点、これまでの四つを、資質・能力の三つの柱ということも踏まえながら三つに整理していくということ。従来、「理解」とされていたものも、今回、「知識」という中に整理を入れさせていただいております。
  また、評価に当たっての留意点ということ、56ページ目にかけまして、特に「主体的に学習に取り組む態度」についての考え方の整理。あるいは多面的・多角的な評価の充実ということ。また、57ページ目にかけましては、キャリア形成を見通すキャリア・パスポートということの活用ということ。それから、大学入学者選抜の質的改善ということについても触れていただいております。
  58ページ目、最後に、実施するために何が必要かということでございます。中教審3答申を踏まえました「次世代の学校・地域」創生ということと足並みをそろえながら、指導要領の在り方、教員の資質・能力の向上、指導体制の充実、様々な条件整備を足並みをそろえて図っていくということでございます。
  59ページ目が、教員の資質・能力の向上ということ。
  そして60ページ目が、教員定数の拡充も含めた指導体制の整備・充実ということ。
  そして61ページ目が、先生方が教材開発でありますとか授業改善に向かっていただけるよう、業務の適正化ということを図っていくということ。
  62ページ目は、教材や教育環境の整備・充実ということ。特に企画特別部会におきましては、今回の指導要領の理念が教科書の在り方にしっかりと反映される必要があるという御意見をかなり強く頂きましたので、こういったことも含めて整理をさせていただいております。また、ICT環境の整備・充実ということでございます。
  63ページ目、家庭・地域との連携・協働、学校評価との整理。
  そして64ページ目、高大接続改革の継続。
  そして、新しい指導要領が目指す理念の共有ということでございます。
  ここまでが第1部、総論部分となってまいります。
  そして、資料2-2の前半・後半とございます。
  学校段階別あるいは教科等別の具体的な方向性ということで、65ページ目からは幼児教育、三つの資質・能力の整理でございますとか、幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿ということの整理でございます。
  76ページ目からは小学校、特に低学年・中学年・高学年それぞれの課題を踏まえた在り方。言語能力の育成、国語教育の充実、そして78ページ目、外国語教育の充実ということ。
  そして、そういった方向性も踏まえました、83ページ目以降、弾力的な時間割編成の在り方。これにつきましては文科省といたしましても検討会議を設けて、現在、検討を進めておりますけれども、こうしたこと。
  あるいは、86ページ目にございますように、外国語教育の教材開発、指導者の確保ということでございます。
  87ページ目、中学校教育ということ。特に多様化する課題に対応するためのカリキュラム・マネジメントの充実ということ。
  あるいは、88ページ目、将来にわたる持続可能性を踏まえた部活動の在り方ということでございます。
  91ページ目、高等学校でございます。高大接続改革の継続の中での充実ということ。
  あるいは、93ページ目にございます学び直しということ、そして評価の充実、あるいは95ページ目、キャリア教育の充実ということ。
  そして96ページ目以降は、先ほどごらんいただいた教科・科目単位数も含めて考え方ということでございます。
  そして101ページ目が、特別支援教育について方向性と具体的な改善事項ということでございます。
  そして108ページ目からは学校段階間の接続ということで、幼小接続、小中接続、中高接続、そして110ページ目が幼、小、中、高と特別支援学校との連続性、そして高大接続、そして111ページ目が職業との接続ということでございます。
  そして112ページ目以降、各教科別の内容について整理をさせていただいております。こちらは、既にごらんいただいているものから少し文言の修正等を図らせていただいたものでございますので、適宜、お気付きの点を御指摘いただければと存じます。
  大変長くなりまして恐縮ですけれども、以上です。
【無藤部会長】    はい、ありがとうございました。
  それでは、ただいま御説明いただきました資料をめぐっての審議をお願いしたいと思いますけれども、いつものように名札をお立ていただければと思います。どなたか。じゃ、篠原委員、お願いします。
【篠原委員】    大変よくまとめていただいて、特に私が前から強調させていただいている主権者教育の部分、それから家庭教育の充実、この二つについてかなりしっかりと盛り込んでいただいているので、大変評価をしたいと思います。
  ただ、その上で幾つか注文ということでございます。この2-1の資料の39ページ目ですね、7行目、「このように、現代的な諸課題に対応して」云々というところで、健康・安全、それから主権者として求められる力と、ここ、ずっと羅列があって、それで、「健康・安全食に関する資質・能力」というところが白丸で具体的にイメージが湧くように出ているんですけど、これ、ぜひ主権者のところもこういう白丸を作って、もっと具体的なイメージが湧くように是非充実した明記をお願いしたいということが一つでございます。
  それから、やはり前から申し上げているように、主権者教育というのは高校生・大学生の段階でやるんじゃ遅いんですよね。やっぱり小・中の段階から起こしていって、それを高校の「公共」ですか、今度、そういうものにつなげていくと、そういう流れをしっかりと作ることが大事だと思うので、そういう面で、小・中の部分について、高校には、副教材をこの間、18歳選挙権に合わせて配布したわけですけれども、何らかの小・中向けの副教材を作成することを是非検討していただきたいということが一つと、それから、全部の学校にいろいろやるというのは、小・中の場合、なかなか難しいかもしれませんから、少し特定のモデル校を作ってパイロット的に主権者教育をしっかりやってもらうと。で、その成果をまた検証して次へ生かしていくと。そういうサイクルを是非作っていただきたいなということが1点。
  それからもう1点は、この資料2-2の前半のところなんですが、130ページ目に「教材や教育環境の充実」、イというところが下の方にございます。その中に「授業において、新聞や公的機関が発行する資料等を一層活用する」と、これ、新聞の活用というのを入れていただいて、私、大変評価しているんですけれども、今、御承知のようにNIEという「教育に新聞を」というムーブメントがございます。これ、是非「NIE」という言葉も含めてここに入れていただけないかということと、それから、NIEでもそうなんですけど、新聞の活用というと、どうしても学校の授業に取り入れるということに頭がみんな行くんですが、私は、学校の授業で取り入れることも大事だけれども、もっとそれ以上に大事なのは、家庭で親子で新聞を題材にして社会のことを話し合うとか、そういう面の教材というか、ツールにこの新聞を生かせると思うんですよね。だから、家庭における新聞の活用ということも少し踏み込んで、家庭教育の部分、かなり全体的に充実させていただいているんですけど、新聞の部分についても「NIE」という言葉、それから家庭における活用、この辺を是非盛り込んでいただきたいなと思います。
  以上でございます。
【無藤部会長】    はい、ありがとうございました。主権者教育の記述をもう少し独立させて表に出して小・中からの流れを明確にといったことや、今後の展開のための様々な手だて、また、新聞活用についても、踏み込んでNIE等について、あるいは家庭での活用についてということで、御意見ありがとうございました。そういう方向で検討したいと思います。
  それでは、ほかの委員の方、どなたからでもよろしいのですが、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。予定としては、この審議については本日が皆様方に詳細に御意見を頂く最後のチャンスになりそうですので、是非あればよろしくお願いします。
  では、天笠委員、お願いします。
【天笠委員】    失礼いたします。それでは、特に58ページの10のところについて発言をさせていただきたいと思います。58ページ以下のところ、この10のところというのがいわゆる条件整備に関わってのところかと。理念を実現するために必要な方策ということで、主に条件整備のことが書かれているわけですけれども、ここについて発言をさせていただきます。
  今回のこのまとめに、折々にそのことについての必要な条件整備についての記述がそれぞれあると、そういうスタンスがまず一つあって、それで、それぞれのところにその条件整備に関わる記述があるという、まず一つ、そこの方向は、私、よろしいのかなと思っております。その上で、この10がいわゆる条件整備のまとまった箇所としてあるんだということで、ですから、それぞれのところに書かれているものと、この10のところが、ある意味でいうと重複するということも結構だと思いますし、あるいはより関連させてこのところについてまとめて記述するって、その両方でこの10というのが大変大切なのかなと思っております。
  それで、今回の改訂に限らず、学習指導要領の実現に当たっては条件をどう整えていくかということが常々指摘されてきたかと思います。そういう意味では今回もやはり同様のことであって、私の認識ですと、とりわけ条件をどういうふうにしていくのか、整えていくのかどうなのかということが、より大きなポイントになっているというふうな認識を持っております。理念とか、それから全体としての学習指導要領の見直す方向性ですとか、この方向というのは私は大変よくまとめられたものだと受け止めているんですけれども、これを今度それぞれ学校現場におろしていくには、そのおろし方を含めて条件をどういうふうに取り組んでいただけるかどうかって、その条件をどう整えていただくのかというところで、そういう観点からこれを見たときに、現在のこの段階で大きくは三つに記述されているということが読んでいくとある程度見えてくる部分なんですけれども、それはどういうことかというと、1点目は、既に、例えばチーム学校ですとか地域とともにある学校づくりですとか、既にそれぞれの委員会等で提言された方向性とか諸策というんでしょうか、そういうものを紹介しつつ学習指導要領の今回の実現と関わらせてこのところに記述するという、そういう方向がまず一つの固まりとしてあるということで、ですから、学習指導要領を実現するためには、これまでの施策をより関連させていくとか重点させていくというような、その方向ということを出そうとしているんですけれども、ただ、もう一つ、これまでの提言されたことについての記述にとまっているような印象を受ける部分もありますので、それをどう学習指導要領の理念の実現と絡ませていくのかどうなのか、あるいはそういう提言された施策がどうして学習指導要領のそれになっていくのかどうなのか、その辺りの提言された政策との連携、学習指導要領実現とという辺りのところ、もう一段踏み込んで整理されると、記述されると、一つ目はいいかなと思っています。
  それから二つ目は、言うならば経営資源の人とか予算とか時間とか情報とか施設・設備とか、そういうものをある程度整えていきましょうと。これ、読んでいきますと、大体その旨の記述が順次提言されてここに記述されていますので、それはこの方向でいいのかなと思っているんですけれども、もう一段、そこら辺のところはメリハリを付けられて書かれたらよろしいのかなと思いました。
  もう一つとして三つ目なんですけど、それが、先ほども御発言があった家庭との連携ですとか地域との連携ですとか、いわゆる協働という、こういう言葉も出てくるんですけれども、今回の学習指導要領の場合にはそういうもろもろの関係の人々とか関係の機関とか学校等、様々な地域とか、そういうところとのつながりとか連携が大切なんだと、そういうことを説こうとしているというのは、基本的にはその方向、大切じゃないかと思いますので、ですから、そういう点からするならば、様々なネットワークを作る中で学習指導要領の実現を図っていくんだと、そういう条件の整え方ということもしっかりとメリハリを付けられて整理して示されるとよろしいのかなと思います。
  そういうふうに、とりわけ三つ目のところを見てきたときに、ここに学校評価ということが記述されているんですけれども、果たして学校評価の記述がこの箇所でよろしいのかどうなのかというのは、やっぱりかなり検討すべき事項の一つかなと思っております。それはどういうことかというと、この記述にもあるんですけど、「カリキュラム・マネジメント」と学校評価の関係をどうするのかということは、もう既に現場の関係者の中ではかなり大きなテーマ・関心になっていると、そういうこともいろいろありまして、その「カリキュラム・マネジメント」のそれと学校評価で評価をしていることとがどう脈絡していくのかというと、ここに書いてある学校評価の記述の部分は、むしろ前の「カリキュラム・マネジメント」のところに移動させて、そこのところでまとめられた方がより落ち着くんじゃないかと思います。条件整備というところの位置付けからすると、むしろそういうふうに移動させた方がよろしいのかなと思っております。
  なお、最後ですけれども、広報活動を国としても充実することが大切なんだというふうな、そういう旨が最後のところに記されているわけなんですけれども、正にそういうことなんだと思うんですが、改めてそういう記述をするならば、例えば都道府県教育委員会は何を展開していかなくちゃいけないのかとか、あるいは学校としてはどういうふうに備えていかなくちゃいけないのかとか、あるいは地域や家庭はどうかとか、そういう働き掛けとか提起の仕方ということもまたあるんじゃないかと思うんですけれども、そこら辺のところについてはまた御検討いただければと思います。
  以上です。
【無藤部会長】    はい、ありがとうございました。条件整備のところについて大きく構造化するということでしょうか。
【天笠委員】    はい。
【無藤部会長】    施策との関連とか、省資源の充実とか、連携の拡大等々だと思いますけれど、同時に、広報をめぐっての、更によりそれを広げ、深めるための手だて。学校評価の位置付け、「カリキュラム・マネジメント」の方という、それぞれ御指摘、非常にそうだと思いますので、これも検討してその方向を考えたいと思います。ありがとうございました。
  それでは、安藤委員、お願いします。
【安藤委員】    全体を読ませていただくと、「発達」という言葉がたくさん出てきて、すばらしいと思います。つまり、日本の教育を一人一人の子供たちの視点から捉え直したというところが随所に出てきて、よかったと思います。例えば、29ページに、一人一人の発達や成長をつなぐということで、各発達段階をどういうふうに見て、それを指導計画にどうつなげていくかという連続した学びの場という考え方が反映されていると思いますし、30ページには、様々な学びの場があるということも書かれています。それから、48ページのところですが、発達段階や子供の学習課題ということが書いてあります。それから、49ページには、それを支える「チームとしての学校」ということで、心理や福祉の専門家ということが書いてあります。ただ、これを実際に、52ページ、53ページ辺りに書いてあります、特に52ページですけれども、一人一人のニーズに応じて「個別の指導計画」を立てていくというところまでは書いてありますが、実際に49ページにある「チームとしての学校」のスタッフである心理や福祉の専門家が、どのようにこの「個別の指導計画」に関わっているかというところまでもう一言書いていただくとよいのではないかなと思います。
  なぜそのようなことを言うかといいますと、「個別の指導計画」というのは、特別支援学校はもちろん全部作っていると思いますが、特別支援学級でも大方作られていますし、通級指導教室においても現状ではかなりの部分書かれていますが、そこに書かれていることは、学習評価、つまり54ページにあるような教育課程の方から見たアチーブメント評価ということにしかなっていなくて、一人一人の発達をどう見取るかという個の発達的視点が書かれていないものがほとんどです。諸外国のIEPというふうに言いますが、「個別の指導計画」と照らし合わせて見たときに何が問題かというと、結果としての学習評価だけ、アチーブメント評価のみでは、なぜこの子が学習できなかったのか、なぜつまずいたのかという背景が見えてこないんですね。背景が見えてこないと、どのように指導してよいのか、効果的な指導法につながっていかないんですね。アチーブメント評価だけでは、つまずいているお子さんの適切な指導計画を立てていくという意味の「個別の指導計画」にはつながっていかないんです。ですから、是非チームの一員としての心理や福祉の専門家の力を、子供一人一人の、つまずいている子供の認知的状況とか心理的状況をどう評価するか。言葉で言うと、発達をどうアセスメントするかというところの「アセスメント」「発達のアセスメント」という言葉をどこかに入れていただけたらと思います。それは、例えば55ページの「評価に当たっての留意点等」に入れていただくのか、あるいは52ページの「個別の指導計画」を立てなさいというふうに書いてある後にでも「発達的アセスメント」を誰がどのように教育に対して提供するかということを書いていただくと、より明確になるんじゃないかと思いますので、是非その点を検討していただきたく、よろしくお願いします。
  以上です。
【無藤部会長】    はい、ありがとうございました。特に特別支援に関わっての個別指導計画における専門家の活用とかアセスメントの必要性、より踏み込んでということで、是非お願いしたいところでございます。ありがとうございました。
  それでは、吉田委員、お願いします。
【吉田委員】    ありがとうございます。本当に大変な量の資料をまとめていただいたと思って、感謝申し上げます。
  そういった中で何点か御提案と御質問をさせていただきたいんですが、最初に、天笠委員と同じように58ページからの「実施するために何が必要か」という部分においてお尋ねというか、意見を言わせていただきたいのですけれども、やはり今回の改訂で重要なことは、今までにない、本当に新しい教育をどんどん入れていこうと。ただ、その割には、例えばの話が、一番最初に配られています資料1のポイントの一番後ろから2枚目に、「高等学校の各学科に共通する教科・科目等及び標準単位数」というのが出ておりますけれども、この表だけぱっと見たときには、あくまでも何か科目の名称が変わったというだけにしか見えないような、ほとんど単位数の間では変わりがないような、それから、当初出ておりました合教科とか合科目といったような話も全く見えてこない。そして、そういう中で今回の学習指導要領の改訂の中では、幼・小・中・高の連携ということで、特に小中一貫教育校ができたことによって、2-2の資料などには小中一貫を強化するとか、その後ろでは今度は中高一貫教育制度があるんだから中高の連携をというようなことも書いてあるわけですけれども、できれば小・中・高を通した時間割というか、教育課程の表みたいなものもやはり出した方がいいのではないかなと。
  そして、そういう中で大切になってくるのが、私は教科書ではないかと思います。まだ教科書には具体的に入っていかないわけですけれども、先ほども申しましたように、科目の名称等は変わりましたけれど、何が変わったかと見えるのはやはり教科書だと思うのです。ですから、この教科書というものをこれからどういうふうに作っていくのか、それを是非しっかりとしていただきたいなと。
  その中で、せっかく、先ほど来申し上げている10番のところで「学習指導要領等の実施に必要な人材や予算、時間、情報、施設・設備といった資源をどのように整えていくかという、条件整備等についての検討を欠かすことはできない」と言っていただいて、やはりいい教育をするためにはお金が掛かっていくのだと。それをしっかりと負担していただきたいという願いがここに述べられたような気がするのですが、実はデジタル教科書に絡んで、「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議の中間まとめというのが先般出されました。この中で私は非常に疑問を持ったんですけれども、教科書の無償給与とデジタル教科書に関する費用負担の在り方についてまでその検討委員会で意見を述べられて、はっきりここで、「紙の教科書とデジタル教科書の双方を直ちに無償とすることは財政的に困難なことから、保護者や設置者の一部負担となる可能性も考えるとし、国としても、その価格は可能な限り低廉に抑えられるように関係先に働き掛けを行い、さらに、必要な経済的な支援も含めて、使用を希望する地方自治体等において全ての児童生徒が支障なくデジタル教科書を使用することができるようにするための積極的な取組が必要であるとしている」という意見を検討会議で出していること自体に、私は非常に疑問を持っているのです。やはりやっていくからには、国が教育再生という旗印の下、教育再生実行会議を創って実施するのであったら、地方自治体を当てにしていたって、地方自治体は今、財政的にもみんな厳しいと言っています。そして、教員の加配その他についてもあれだけ言われているにも関わらず、今度の新しい学習指導要領ではやはりどうしても人も物もお金も必要になってくると思うのですね。ですから、是非その辺のところでこの部分をもっと強調していただいて、特に私どもは私立でございますので、私立にとっては、公立と違って地方自治体が提供してくれるという可能性はなくなってくるわけですから、やはり国が教育を改革する、新しい学習指導要領を定める、そういう中でしっかりとした御支援をお願いしたいと思います。
  以上です。
【無藤部会長】    はい、ありがとうございました。条件整備の記述を表を含めてもう少し詳しくということと、教科書についてはもちろん触れてありますけれども、指導要領の考え方をよりはっきりさせていくような教科書を求めたいということをより書き込むということでしょうか。
  最後のデジタル教科書のところは私はよく分かっておりません。何か事務局からコメントありますか。
【大杉教育課程企画室長】    まとめの部分で御指摘のとおりとなっておりますので、本日の議論は担当の方にしっかり伝えたいと思います。
【無藤部会長】    はい、よろしくお願いいたします。
  それでは、ほかの方、いかがでしょう。じゃあ、若江委員、どうぞ。
【若江委員】    ありがとうございます。今年の夏休みに、私、いろんな教育委員会、校長先生ですとか校内研修とかに伺わせていただいて、この新しい学習指導要領改訂について研修をさせていただいたところ、本当に若い先生方は、特に何ができるようになるか、何を学ぶか、どのように学ぶかという今回のまとめ方、「社会に開かれた教育課程」ということに関してすごく理解を示されて、関心を持っておられる。
  そんな中で、ちょっとささいなことかもしれませんが、資料2-1の21ページのところですね、新しい時代に求められる資質・能力の育成について、各学校での創意工夫に基づいた指導の改善というところがあって、「全ての教員で創り上げる各学校の特色」というところがありますが、その二つ目の丸のところなんですけれども、研修の中でいろいろ資質・能力に焦点を当てていこうというふうになったときに、いつも学校教育目標を見直してみて、その学校・地域で必要としている資質・能力はどんなことかというふうに投げ掛けますと、大体いつも学校教育目標というのは、強く、優しく、たくましくみたいな抽象的なことがあって、それを具体的にどんな資質・能力に落とし込むかというところを話し合うことによって、現場は物すごくこの意味というのを理解していただけるんですね。そうなってくると、この二つ目の丸のところの2行目ですね、「このように、『カリキュラム・マネジメント』は、」のところの2行目の「各学校が地域や社会の変化を受け止めながら、学校教育目標や育成を目指す資質・能力を明確にし」というところなんですが、「学校教育目標で」とかに変えていただくと、「学校教育目標をもう一度見直しましょう」みたいなことの必要性も出てくるはずだと思うんです。ですので、そういうことが少し読み取れるような表現にここは変えていただいた方がいいのかなと思っています。
  現場は本当に、特に今までだったら小・中だけの研修だったのが保・幼・小・中の先生方が集まるような研修であったりだとか、学校全体でということになると校内研修の重要性というふうなことがすごく必要になってくるんですが、なかなか校内研修の在り方というものも視点が変わっていないようですし、さらには、校区ですね、一貫ということであれば中学校区での、地域によっては選択制もあるのでいろいろあるでしょうけれども、校区研修の在り方だとか、あとは、要するにコミュニティ・スクールのことも含めて、やはり地域だとか家庭だとかがもっと学習指導要領の改訂のことをきちっと理解しなければいけないので、保護者だとか地域に向けての研修とかも考えるべきじゃないかというようなことを少しどこかで触れていただいてもいいのかなと思いました。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。特に学校教育目標の辺り、本当に現場の動きはそれを生かしていく、また、資質・能力との関係で考え直すという動きが出てきたと思いますので、その辺り、より明確になるように是非書き込みたいと思います。
  それでは、奈須委員、お願いします。
【奈須委員】    よろしくお願いします。25ページのところなんですけれども、「資質・能力の三つの柱」で三つの柱の説明があるんですけれども、その最初の知識・技能のところ、生きて働く「知識・技能」と、これまでの知識・技能ということが生きて働くということについて非常に目指すべき知識観がしっかりしてきた。これは、先ほどから話題になっている教科書等の在り方についてもいい形で大きな影響を及ぼすんじゃないかなと期待をしているところですけれども、8月1日の最初の案のところでは、その知識・理解についての説明が、「個別の事実的な知識のみを指すものではなく、概念的な知識」という言い方をしてあったんですけど、今回、「社会の中で生きて働く」となっていて、生きて働くというところに行くんだろうと思うんですけど、この「概念的な知識」という言葉、その下の脚注に今度は落ちているんですけれども、ちょっともったいないような気もしております。
  その後の技能というところについては、「習熟した技能」という文言になっていて、「主体的に活用できる習熟した技能」と。で、知識のところは「社会における様々な場面で活用できる知識」となっているんですけど、「習熟した技能」に対するタームとして「概念的な知識」というタームが対応するとひょっとしたらいいのかなと思ったりもしていました。
  「概念」という言葉はなかなか理解が難しいので、説明上、避けているのかもしれませんけど、実際、45ページ等、後ろでも使っておりまして、45ページでも、見方・考え方のところですが、「各教科等で習得した概念や考え方を活用した『見方・考え方』」、「各教科等で習得した概念(知識)」となっていたりして、結局、その「概念」という言葉を後では使っているので、であれば、やはりこの知識について一番中核的に本格的に説明している場所で「概念」という言葉を出してしまった方が得策かなと思ったりもしています。
  また、単なる知識が生きて働く知識になるというメカニズムとの関係で、47ページのところですけど、「深い学び」に関わるところで、今回、教科ならではの「見方・考え方」という概念が出てきて、これもとても大事な概念で、先ほど来の教科書等の改善の中核になっていってほしいと思うんですけれども、ここの下から三つ目の丸のところで、「『見方・考え方』は、新しい知識・技能を既に持っている知識・技能と結びつけながら深く理解し、社会の中で生きて働くものとして習得したり、」云々となっていて、正に25ページの知識について書かれていることと同じようなことがここで書かれています。すると、実は「見方・考え方」を働かせるような学びにするということが、正に知識を関連付け、社会の中で生きて働く、つまり「概念的な知識」にしていき、生きて働く知識にするという筋道に関わってくるので、後先になるのでひょっとしたらいけないのかもしれないですけれども、その「『見方・考え方」を働かせる」というふうな表現も、この25ページのところにあるいはあってもいいのかなというふうにも思っていました。その辺りのことをどう出すかということです。
  ただ、それとの関係で、25ページの脚注のところにあるとおりですが、生きて働くということについて、脚注の43というところで、「子供たちが学ぶ過程の中で、新しい知識が、既に持っている知識や経験と新しい知識と結びつけられることにより、」で、ここに二つあるんですね、生きて働くと。一つは、「現実の様々な場面で生きて働く」ということです。もう一つは、「各教科等における学習内容の本質的な理解に関わる重要な概念」というふうな意味ですね。つまり、概念的な理解という言葉は実は二つニュアンスがあって、一つは、その教科の本質、正に教科の「見方・考え方」が理解され、そしてその教科ならではの「見方・考え方」の中で個別の知識が概念的に統合されていくようなものですね。それは正にその後の教科の学びとかこれまで学んだものが構造化されて、整理されて、より定着するとかいうことで、これは今後、教科の学びを促進するとか学力を高めるところにも行くわけだと思うんですけど、さらに、それが現実の様々な場面、社会の中で生きて働くということになるんだろうと思うんですけどね。既にこの表現だと二つの生きて働くものとして「概念的な知識」という言葉を使っているんだろうと思うんですけど、だったら、生きて働く知識・技能の習得ということで、本文の中に何らかの形で「概念的な知識」ということを入れてもいいのかなと思ったりもしていました。すごく単純な直し方をするとすれば、26ページのところですけれども、「関連付けたり組み合わせたりしていくところに、学習内容の深い理解と、知識・技能の定着を図るとともに、社会における様々な場面で活用できる」、これ、さっきの脚注の二つはちゃんとここに出ているわけですね。その教科の本質的な理解で知識・理解の定着が図られる。それで、社会の中で様々な場面で適用できる。ということは、それがいわゆる「概念的な知識として身に付けていく」でもいいのかなと思ったりもしていました。
  この点について、きょう御欠席なんですけれども、市川先生にもちょっと御教示いただいたところでは、ちょっと面倒な話もあって、「概念的知識」という言葉は、ただ、学術的にはいろんな使われ方をして、論者によって考え方が違ったりすると。とりわけ社会生活や実社会において生きて働くということまでは含めなくても、「概念的知識」と呼び得ることもあると。つまり、その教科の本質に照らしたような理解が成立していれば、それは「概念的知識」なんだというふうな理解というのは結構あって、それが社会生活の理解とか解釈に生きて働くにはもう一段あるんだというふうな議論も厳密にはあるという話もあるので、「概念的知識」という言葉を本文に入れると学術的な論争ももたらしかねないので、面倒といえば面倒ですけれども、ただ、既に前回の20年度改訂のときにこういう議論があるのであれば、この辺では「概念的知識」という言葉は、一つは、その教科内の本質的な理解と、それから、それを通しての個別知識・技能定着を促すような働きがあって、もう一つは、更にそれも発展することによって、社会において様々な活用できるような段階にまで行くんだと。その二つの側面を「概念的知識」とここでは括弧付きで呼ぼうという話にしてもいいのかなと思ってはいます。ですから、脚注はこのままでいいと思うんですけれども、何らかの形で「概念的知識」という言葉を、あるいは「概念」という言葉を本文にここで入れてくださるといいのかなと。これはもうじっくり検討して、すごく大事なところなので。知識というのは何かというところに関わることなので、正に先ほど来の教科書編成の在り方や授業の展開の在り方に大きく影響する部分なので、慎重かつ分かりやすい説明でまた御尽力いただければと思います。
  以上です。
【無藤部会長】    はい、ありがとうございました。今のポイントは、教育課程企画特別部会でも多少議論が出たところでございますけれども、知識・技能というものをしっかり位置付けて、個別的なただ覚えるという話ではない、理解に本質的に関わるという位置付けを今回していると思いますので、それが見えるようにということでの専門的に筋が通りながら、しかし、現場で十分理解していただけるような、また、それを発展できるようなものにするという工夫だと思いますので、奈須委員の御指摘を受けながら、もう少しこの部分については吟味して考えたいと思いますので、ありがとうございました。
  それでは、福田委員、お願いします。
【福田委員】    学習内容を減らさずに英語の枠を増やし、かつ、「アクティブ・ラーニング」等の学習を取り入れて、これからの時代にふさわしい子供の資質・能力を育成するという、このことには何の異論もありません。そのとおりだと思っています。ただ、これまでにも何回か述べてきましたことを、繰り返しにもなりますけれども、最後に訴えておきたいと思って発言させていただきます。
  学校にも教員にも、やはり人間ですから限界があります。改善・充実であって、決して何かプラスをすることではないという御説明もありましたが、例えば英語枠にしても、例示も出ていますが、御存じのとおり授業枠はもう目一杯です。モジュールをやはり考える現場が多くなると思うのですが、これまでに取り組んできた朝学習、朝読書とかベーシック算数・漢字、短時間習熟学習等は、授業時数としてみなされていないという経過もあります。ですから、校長たちは皆、実際にどういうふうに、うちの学校は、うちの自治体は踏み切るのかということで心配をしているところです。「アクティブ・ラーニング」にしても、プラスでその時間を設けるわけではないにしても、一斉指導よりは明らかに一人一人へのケア、それから時間的な確保が必要とされる授業だと思います。ですから、そのためには、いかに基礎的・基本的と言われる学力を効率的に身に付けさせるかが勝負になってくる、ますます重要になってきます。そのためには、是非継続して人材配置とか学校内外の連携による人的環境の整備、それからICT機器やドリルフラッシュなどの教材の整備、あとは習熟のための家庭学習を含めて保護者や地域の参画意識の高揚など、国としてのレベルアップした基準を示すなどを強くプッシュしていっていただきたいと思っています。
  具体的には、先ほどからお話も出ていますとおり、予算が掛かることだと思います。やはり人と、私はICTの機器1個にしても重点的な予算の掛け方が必要だと思います。ICT機器の整備については、拝見しましたら、随所に国としてもその方向性を示してくださっていると思います。ただ、「加速が望まれる」とか、それから「必要であろう」とか「強く要請する」とか、そういう文言が、これから具体的にどこがお金を出すのかとか、どこまで整備が最低望まれるのかとか、そういうところを個々に任せたのでは、この学習指導要領の趣旨が全国的に足並みがそろうことになるとは思えません。ですから、ここで終わりではなく、これから先にどうなっていくかということについても見守り続けていただきたいと思っています。
  それから、「社会に開かれた教育課程」という趣旨ですが、いつも、「生きる力」のときもそうだったのですが、学校現場を通じていろいろ保護者に学校説明会を全部義務付けられたり――うちの区だけかもしれませんけれども、いろいろな形で説明を繰り返してきました。今回についてもやはりパンフレット等が出て、各校長はその周知・浸透に努めていくと思います。ただ、「社会に開かれた」と言う限り、これまで以上に、学校を通じてではなく、じかに関わったり、一般にコマーシャルを進めていく手だてが必要だと思います。できれば学校外の社会の意識がより高まって学校が迫られるぐらいになれば、学校間格差・温度差というのが埋められていくのではないかと思っています。テレビコマーシャルとまでは思っていないんですけれども、具体的にどういう手だてがということは私も探していきたいなと思っています。
  最後です。各教科について三つの資質・能力の柱立てについて、目標から柱が整理されて、それがかつ評価の観点も連動して示されることになり、教科間の見通しとか指導の見通しも分かりやすくなったと思っています。かつ、さきに出ました「特別の教科  道徳」についても、その教科ごとの特性を考慮されたこと、それから、さきに出た道徳についての学習指導要領の部分とか解説と連動し妥当なところを示していただけて、よかったなと思っています。また、「アクティブ・ラーニング」と、考え、議論する道徳の関係についても整理していただいたと思っています。そして、指導方法についてですが、これまでの熱心な教師たちの取組にも立脚した上で、さらに、今回の改訂の目指す方向性に必要な膨らみとか可能性とかがある柔軟な部分が増えたと捉えられる記述になっていたと思います。まだ曖昧な部分はあるかと思いますが、これがまたどんどん狭まった方向に行くということがないように見守りつつ、実際には、今後の現場での実践と子供たちの成長の結果によって、よいものに淘汰されていくことが望ましいと考えています。全体を通して、これまでの経過やそれぞれの考えが結集されたよい審議のまとめになっていると思っています。ありがとうございました。
【無藤部会長】    ありがとうございました。特に最初のポイントの、例えばモジュールとか「アクティブ・ラーニング」というものが相当現場に対する負担を増やす可能性はもちろんあるので、改めて条件整備を本気でということかと思いました。また、一般の方々への周知も、ただパンフレットを配ればいいわけでは多分ないので、いろいろな工夫を一層考えていきたいと思います。ありがとうございます。
  それでは、生重委員、お願いします。
【生重委員】    私も、本当によく分かりやすくまとまっているなと思っております。特に私の関連しているところで申しますと、キャリア教育(進路指導を含む)と置いていただき、なおかつ、キャリア教育というのは、学校教育の中で学ぶ全ての特別活動、道徳、それから各教科の全てが含まれていると、生きるための力を付けていくための総合的なところを指すんだということが、これを読んでいても分かりますし、ここまで書いていただいて、なおかつ、今後検討が始まりますキャリア・パスポートの位置付けなどもきちんと書かれているんですが、ここの部分で、51ページの真ん中の辺りに、「10.において述べるように、地域との連携・協働を進めていく必要がある」というふうにして、10の部分に、ほかのところもそうなんですが、期待が寄せられるんですが、この10を読んで、それぞれ日本中の先生たちがこれをきちんと分かるのかなというのが若干感じておりますところで、先ほど天笠委員もおっしゃっていましたが、せっかく出た3答申がもう少し具体的に位置付けられ、そして、できましたらこの組織の中には教員と地域社会、企業社会、様々なつなぐコーディネーターの存在があって、道徳でもそうですし、防災教育、安心・安全、全ての面で先生たちを表舞台に押し出しながら、陰から支える存在はうまく動いているところこそ、この社会総掛かりであるこれからの「開かれた教育課程」を支えていく組織が円滑に動くための必要人材であり、必要な条件であるというふうに私は思っております。是非そこのところを下の注釈のところでも構わないので、それぞれのコミュニティ・スクール、地域・学校連携推進、それとチーム学校というところをつないでいくコーディネーターがいるよと。
  文言的にこれがはまるのか分からないんですが、常々、私も全国の研修に行っていて感じるところなんですが、先生ばかりが学んでいるのでは駄目なんですね。地域も共に学ばなければいけないんです。共に学ぶということは、やっぱり地域側にも求められてしかるべきというふうに強く感じておりまして、できないことを一方的に責める地域ではなく、共に学び合い、今からの教育を支える社会的な存在としての大人のありようみたいなことを実現していくためには、学び合う機能が必要なんだということをどこかにお入れいただければなと。先生ばかりに負担が掛かるのではないというところをお伝え申し上げたいなと思って発言させていただきました。
  以上です。
【無藤部会長】    はい、ありがとうございます。地域との連携、特にコーディネーターの存在を含めながら、地域とともに学び合っていくという表現、ありがとうございました。
  それでは、尾上委員、お願いします。
【尾上委員】    私は、幼児教育について少し意見といいますか、要望を述べさせていただきたいと思います。
  74ページにある必要な条件整備等に入るのかもしれませんが、資料1の8ページの三つ目の丸にありますように、「5歳児修了時までに育ってほしい具体的な姿」ということが書かれていますが、これは決して学校とか施設とかでその姿を身に付けるのではなく、家庭も含めた形で、5歳児までしっかりこういった形で家庭教育も含めて育っていってほしいということを周知徹底していく必要があると思われます。このスケジュール感からしますと、平成30年に新たな幼児教育がスタートするとなっていますので、29年度にしっかり周知徹底する方法ということが、この中では条件整備としては必要ではないかなと感じます。
  どうやってそれを周知徹底するのかというのは大変難しい話かもしれませんが、今後においては、5歳児までに、幼稚園、保育所、認定こども園等、その他というのもあるかもしれませんが、もしそこのバランスがうまくいっていないとこの絵姿が描けないと思いますので、保護者自身が認識しておく必要が当然ながらあると思います。そこをどうにかこの中で書き込んでおく必要もあるし、すぐスタートしなければいけないかなと感じます。
  意見です。
【無藤部会長】    はい、ありがとうございました。家庭との連携あるいは一緒に子供を育てる姿勢というのは、いつの時期も大事でしょうけれど、とりわけ幼児教育ではそれは要になる部分ですので、御指摘のような方向、是非進めたいと思います。
  それでは、大島委員、お願いいたします。
【大島委員】    ありがとうございます。この論点整理、審議のまとめを読ませていただきまして、18ページのところに書いてあります1から6に従って、「社会に開かれた教育課程」の実現ということで整理していただいて、それも教科間及び家庭の横軸、縦軸も含めていろいろ整理していただきまして、ありがとうございました。その上で2点ほどコメントさせていただきたいと思います。
  1点目は、先ほどもありましたキャリア教育についてです。このまとめにも書いてあるんですけれども、これからの社会、予測困難な時代だということを言っているんですけれども、このキャリア教育の部分ですね、ページ50から51を読んでいますと、どうしても現行のいわゆるキャリア及び仕事の枠組みでのキャリア教育という意味合いが非常に強いんですね。これからは産業構造も非常に変わっていて、今までは技術が経済及び社会を牽引していたところもありましたけれども、IoTにも見られますように、もう社会と技術が一体になって、社会も技術を発展させていきますし、技術も社会を発展させていくという、そういう両輪の時代にだんだんなっていますので、やはりキャリア教育というのは、どちらかというと現行の仕事の枠組み以外にも社会をデザインしていくようなキャリア教育というのも非常に大事だと思いますので、具体的にどこにどういう形で盛り込むかというのは難しいかと思うんですけれども、社会的な部分を含めたキャリアをデザインしていくようなキャリア教育の必要性というのも、是非キャリア教育の中に入れていただけると有り難いなと思います。それが1点目です。
  あと2点目は、こちらで書かれている「学びの地図」ですね、私、この表現、すごいすばらしいなと思っていて、非常にポエティックなところもあると同時に、まだ概念的ではございますけれども、これが一つ示されているところを表しているところなのではないかなと思っています。23ページ、何ができるようになるかということで、こちらの「育成を目指す資質・能力についての基本的な考え方」ということで、こちらでまとめとして5以降でまとめられている1から6の軸に沿って、これを今後、「学びの地図」として充実した教育課程の編成へということなので、まだ具体的に今後の話になるかと思うんですけれども、この「学びの地図」ですね、地図としての絵が私自身これを読んでいてまだ描けないところがあるんですけれども、もう少しこれを具体的にしていただいて、やはり教科間の連携も含めて、あと家庭のシームレスなことも含めて、是非この「学びの地図」ということを念頭に今後の指導要領の作成と、最終的にはこの「学びの地図」が教科書という形になると思いますので、その教科書作成に是非反映していただくようにしていただきたいなと思います。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。キャリア教育、より積極的な、子供たちがいわば未来を切り開く方向というようなことになると思いますけれども、御指摘と、「学びの地図」という概念を使いながら、教科書を含め、学習指導要領なり、それに基づく教育課程がいろいろなところで見えるようにしていく方向、ありがとうございました。
  それでは、宮本委員、よろしいでしょうか。
【宮本委員】    はい、ありがとうございます。全体的に非常に体系的によくまとめられたまとめになっていると思います。何人か、さきに委員の方からもありましたけれども、問題は、これが今後具体的にどういう形で示されるか。その中でやはり教科書の役割が非常に大事だと思っています。資料2-1の62ページで、「教材や教育環境の整備・充実」というところでそのことについては触れられているわけです。特に3ポツ目で、「高等学校については、」というところで記述があって、ここで例示されていますのが「理数探究」なんですけれども、私は、是非ここのところに新しい歴史の科目についても記述を入れていただきたいなと思います。特に2-2の131ページでも指摘されていますように、これまでともすれば歴史科目というのは膨大な知識を覚えるような教科書になっていて、それを今度は「歴史的な見方や考え方」を踏まえた形に変えるということで、恐らく今回のこの学習指導要領の大きな変化を一番表す科目がここになるのではないかなと思います。新しい科目の設定の中では、「歴史総合」、「地理総合」2単位、「日本史探究」、「世界史探究」3単位となっていますけれども、実際にこれが今までのような膨大な知識を覚えなければいけないような教科書になってしまうと、当然この標準単位では教え切れないというふうなことにもなってきますので、是非そういうような意味でも、象徴的な科目ということで、ここのところに例示としてこの新しい地理歴史科の科目についても入れていただけると大変有り難いと思っております。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。教科書が指導要領の今回の考え方を反映していただくのは当然ですけれど、より具体的な部分に踏み込んで、正に御指摘の方向を目指したいと思います。
  それでは、銭谷委員、よろしいでしょうか。
【銭谷委員】    前回拝見したときのものに比べますと、大変よく整理をされた審議のまとめの案になっているというのが印象でございます。前回は、印象としてちょっと難しいんじゃないか、理屈っぽいんじゃないか、くどいんじゃないかという印象を持っておったのでございますけれども、きょう拝見しますと随分整理されたという印象をまず持っております。ただ、まだ若干ややくどいなというところはございますけれども、全体としてはよく整理をしていただいたと思っております。
  その上で幾つか申し上げたいんですけれども、実はこの夏、いろいろな先生方の研修会に出ましたら、やっぱり先生方、何を学ぶかだけじゃなくて、何ができるようになるか、どのように学ぶかという、この三つの構成で議論を進めてきたということに大変共感を覚えてくださる先生方が多かったように思いますので、これは思いのほか先生方には理解が進むんじゃないかなということを感じました。その上で、何を学ぶかに加えて、何ができるようになるか、どのように学ぶかということまで入れた法的拘束力のある指導要領の示し方というのは、これは大変意欲的な試みになるわけですので、これから是非いいものに仕上げていただきたいなという印象を持っております。
  申し上げたいのは4点ほどございまして、1点目は、40ページからでございますが、何を学ぶかということについて40ページから記述があるわけでございますけれども、41ページの一番下の丸で「今回の改訂は、学びの質と量を重視するものであり、学習内容の削減を行うことは適当ではない」と、こういうふうに言い切っておられます。これは一つの見識だと私は思いますけれども、誤解も招く表現でもあるかなと思うので、ここでも少し補足されておられますけれども、もちろん、時代の変化とか、あるいは小中一貫とか中高一貫とか、義務教育全体として考えたり、あるいは高校の今の在り方というのを考えたときに、何を学ぶかの見直しとか、あるいは科目の新設といったような変化はあるんだけれども、全体として内容の削減ということではないんだよということの説明が、上との関連でもう少し丁寧に書いてもいいのかなと思いました。私は、余りに多くのことを学ぶという、これは学ぶというよりも教えるのはやっぱり課題があると思っていまして、学ぶのは、どんどん深く学んでいくのは、あるいは広く学んでいくのは、これは当然のことなのでありまして、余りに多くのことを教え込むなというのは、この精神はやっぱり大事にすべきじゃないかなと思っておりますので、その辺を少し丁寧に書いていただいていただければ有り難いなと思いました。
  それから二つ目でございますけれども、これはもうきょうの会議でもたくさん御意見が出て、私もほとんど賛成でございますが、58ページから「実施するために何が必要か」ということで、「指導要領の理念を実現するために必要な方策」というのを入れていただいたのは大変いいことじゃないかなと思いました。ただ、まだ少し遠慮がちじゃないかなと思っております。もっともっと書いていいんじゃないかなと思いました。実は今年、ちょっと個人的なことで恐縮でございますが、世界の学校図書館の大会というのを東京で本日まで開いておりまして、きょうの午前中、閉会式だったんですけれども、今週の月曜日からずっとIASLという世界の国際的な学校図書館大会というのが開かれておったんですが、そこでやっぱり各国の人がみんな共通して言っておりましたのが、学校図書館の問題一つ取り上げても、大事なことは三つあるけれども、3番目に大事なのはやっぱり図書館の施設の整備だと。2番目に大事なのは図書館の本をはじめとする資料の整備だと。一番大事なのは図書館を担う人をきちんと育て、輩出することだと。日本の場合で言いますと司書教諭、学校司書ということになると思いますけれども、そういう本を愛する子供たちの指導ができる人を輩出するのが一番大事だというのが、この5日間の会議を通じてのみんなの共通理解だったように思うんですが、そういう意味でいうと、すぐれた教員の確保と、それから養成ということは非常に大事ですので、チーム学校ももちろんいいんですけれども、教科の指導に当たる教員の定数の改善あるいは給与の改善ということをもっともっとやるべきだということはもうちょっと強く書いてもいいし、それから、教材ということでいうと、教科書にやっぱりもっと金を注ぎなさいと。いい教科書を作ってほしいと。人もどんどん投入して、いい教科書を作ると。それから、デジタル教科書、先ほど吉田さんがちょっとおっしゃっていましたけれども、なんかも、やっぱりこれは無償でちゃんと子供たちに行き渡るように私はしなきゃいかんと思いますので、そういう教材にも、教科書にも力を注ぐということをもっとこの「必要な方策」のところで書いてもいいんじゃないかなと。いろいろあるかもしれませんが、審議のまとめですので、大いに書いてほしいなと思いました。
  それから3点目でございますが、これは先ほど大島委員がおっしゃったことと全く同じて、キャリア教育のことなのでございますが、いろんなところに「キャリア教育」という言葉が出て、また、まとまって書いてあるところもあるので、非常にいいんですけれども、これからの教育においてキャリア教育は非常に大切なことだと思います。教育関係者が「キャリア教育」と言い出した辺りから、どうも学校の教育と職業というか、就職というか、そういうことがマッチングしないケースがどんどん増えてきておって、何となく、例えば高校修了後は、今、ほとんど就職できないと。なかなかいい就職先がないと。大学を卒業しても、希望の、自分の学んできたことと関連する職業が最近は大変厳しくなっていると。世の中が変化しますから、学んだことと職業の関連ということがこれから非常に難しい時代になってくると思うんですけれども、それゆえに、これから働いて生きていくという意味で、キャリア教育というのを学校教育の中で変化する社会の中でどう取り上げていくのかということは、これからの教育の課題としてむしろもっとそういう悩みもきっちり書いて、そのためのキャリア教育の改善を行うということを書いていったらどうかなという感じがいたしております。
  最後、4点目でございますけれども、これは前にも申し上げたことがあるんですが、資料の百四十二、三ページぐらいから、例えば地理歴史科、公民科の高等学校の新科目などについての説明がございます。高等学校の新しい科目、内容的に大変意欲的で、私はその実施に期待をいたしております。「地理歴史」、「歴史総合」あるいは「公共」という科目が是非新しい指導要領の下で定着し、その狙いが発揮できるようにしていくということが、これは地理歴史科、公民科に限らず、高校の新しい科目、特に総合的な新しい科目というのは、これまで余りうまくいっていないケースが多いわけでございますので、是非、ここに書くかどうかは別にして説明を丁寧にして、それから、そのための担い手である先生方の研修とかそういうことが各教科の新科目を実施するためには本当に必要なんだということを、どの部分でも結構ですけれども、書き加えて、そのための支援策もきっちり講じていくということを是非お願いしたいなと思います。なかなかやっぱり総合科目というのは指導が大変難しいという経験がありますので、これを成功させる、うまくいくための手だてというのを講じていただくよう、また、そのことを求める記述をどこかにきちんと書いていただきたいなと思います。
  以上でございます。
【無藤部会長】    はい、ありがとうございました。4点ということで、内容の削減をしないことについて丁寧にということと、条件整備をもっと踏み込んでということですね。また、キャリア教育の難しさをはっきり出そうということと、最後、高校の新科目についての定着・充実についての様々な手だてを御提言いただきました。ありがとうございました。
  それでは、神長委員、お願いいたします。
【神長委員】    毎回毎回、この資料を読ませていただくと、その都度、ここで出た意見が大変すんなりとといいますか、全体を見極めながら入っていること、とても感動しながら読ませてもらっております。
  私は幼児教育の立場から1点だけお話をしたいと思っています。特にページ数からいいますと69ページに書かれている内容ですけれども、今回の改訂の中では、本当に幼児教育から小・中・高という一貫した流れの中で教育課程の編成の課題を整理しながらその基準を考える、方向性をしっかり出すという意味で、幼児教育の立場からすると、それぞれの学校段階、特に幼・小、幼児教育から小学校教育への見通しというのがしっかりできたなと思っております。感謝しております。そして、研修会等に行きますと、そういった幼・小の連携が非常にお互いに見合えるような形で、特に「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の10項目が出ることによって、幼児教育から小学校教育も、小学校から幼児教育もと見通せるというようなことができるようになったというか、しやすくなったという意味では、今回のこの「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」ということが出ることは、とても意味があると思っております。
  ただ、1点、心配しているといいますか、そういった議論がとても加熱すればするほど、幼児教育における教育課程の考え方ってものは、基本的には、じゃあ、この10項目が出たので今までのこういうところをこんなふうに改めていくというよりは、むしろ、5領域の、69ページの下から数えて四つ目の、上から数えると一つ目ですけれども、枠の中の内容ですけれども、やはり5領域をしっかり発達の諸側面から見た子供の姿というものをしっかり見極めながら、そこの中で育ちつつあるものに焦点を当ててねらい・内容を組織していくと。その組織したものについて、やはりその時期の子供たちの物や人との関わりというものが豊かになる方向で教育課程を作っていくという今の考え方をしっかり行いながら、その結果としてこの10項目というのが見えてくると思います。そういう道筋を語らずして、研修会等の辺りに行くと10項目ばっかりを議論していると、とても心配になることがございます。その意味で、69ページに書いてあります内容は、先ほどの丸のところも、その次の丸のところも、その次もなんですけれども、5領域との関連がしっかり書かれているんですが、伝わっていくときにはやはり変わったというところにどうしても集中するって、それは当然のことだと思うし、そこをしっかり学ぶことが大事だと思うんですけれども、先ほど来、教科書が大事だというお話が出ておりましたが、幼児教育は教科書がなくて、教育要領そのものが教科書として先生方が活用するということを考えますと、やはりその5領域にわたってそれぞれの園の教育課程をしっかり立てていくということが、ここで言う「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を育成すべき観点としてこういうものを持つということにつながっていくんだということだと思うんです。それをいかに伝えていくかということがこれからの課題だなと思います。教科書がない分、やっぱりこれまでの考え方とここで資質・能力というところに焦点を当てながら一貫性を考えていくということを先生に広く理解してもらうということが大事なことだなと思っております。
  そのときに、ここで言えば、その次のページに書いてあります、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」ということ、三つの観点で話しているところなんですけれども、知識・理解というところに、幼児教育で言えば個別知識の基礎、思考力・判断力・表現力の基礎って付けている部分の、幼児教育の場合には非常に分け切れないんですけれども、その基礎というものの中でどういう体験を大事にしているのかということを、今ある現行のそれぞれの園の教育課程の中でそれがどういうふうに保障されているかとか、その基礎と言われているものの中身について話し合いながら共通理解していくということが大事かなと思います。学びに向かう力とか人間性というような視点については、幼児教育の場合には心情、意欲、態度ということがねらいや内容の中にすごく色濃く反映しておりますので、むしろ基礎という部分がそれとどう絡んでいるのかということを、もう少しこれから勉強していかなきゃいけないかなと思っています。
  また、教育要領の中にどうそれが反映されてくるかということだと思うんですね。よりよいものを作っていくためには、やはり教育課程の中でそこの修了までのところだけに焦点を当てるのではなくて、5領域をいかに豊かに実践していくかということが大事なことなのかなと思っています。これは先ほど家庭教育の問題も出していただきましたけれども、やはり教科書のない分、研修を通してとか、それをいかに豊かにするかということについてのいろいろな施策を考えていくことが必要かなと思っております。
【無藤部会長】    ありがとうございました。幼児教育の本質といいますか、中心というか、幼児期にふさわしい教育の在り方というものの本筋の上で、例えば「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」というものが結果的には育つということになろうと思いますので、その辺りが誤解ないように伝わる努力を更にしたいと思います。ありがとうございます。
  それでは、堀竹委員、よろしいですか。
【堀竹委員】    ありがとうございます。2点、お話をしたいと思っております。
  1点目は、「カリキュラム・マネジメント」に関わってということでございます。「カリキュラム・マネジメント」については、校長がリーダーシップを発揮していくことの大切さ、それから地域とともにある学校というようなことを取り上げ、そのためには何を大事にしていくかということを視点にしていくことが大切だということを今回書き込んでいただいて、これは極めて大事なことだと思っています。この場面での校長のリーダーシップって何なのかと考えたときに、地域の実態を的確に把握することだとここに書いてあるわけですけれども、そのためには、やはり校長自身が地域に足を運んでいく、そして地域と対話をしていくというようなことがこれからますます重要になってくると思っています。是非この案の中に校長のリーダーシップということをもう一歩踏み込んで書いていただいて、それがしっかり次の教育課程の充実につながっていくようになっていけばいいと思っております。
  それから2点目でございます。この「カリキュラム・マネジメント」を進めていく上で地域の実態を把握することが重要だと言われていますが、特に今、地域の実態の中で目を向けなければいけないのは、家庭の貧困の問題と、もう1点は地域コミュニティの活性力が低下している地域が全国的に増えているのではないかというような状況です。こうした現状を踏まえることなくして、やはりこの問題の解決ということは難しいだろうと思っています。
  この2点に何らかの形で触れていただけるとより現在の学校の実態に即したものとなると思っているところでございます。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。校長のリーダーシップ、地域との対話を中心にということと、家庭・地域における困難ということについてもしっかり見据えながらやっていこうという御提言、ありがとうございました。
  それでは、髙木委員、お願いします。
【髙木委員】    54ページの9.の評価のところです。9.の上から三つ目の丸の「また、」と書いてあるところで一つちょっと気になるのは、その文章、「子供の学びの評価にとどまらず、後述する『カリキュラム・マネジメント』」、これは後述の対象だけになってしまうかなと。恐らくいろいろやっている中でのことだと思う。ちょっとここは気になります。
  実はここの丸の内容は、私は、これまでの評価論とはかなり違う評価論をこれから展開する大変大事な内容だと思っております。それは、学習評価というのは、一人一人の子供の学習の成果に帰結するというような考え方であったものが、「カリキュラム・マネジメント」と一緒にすることによって、教える側の指導の在り方――この全体を見ますと、例えば18ページの1から6、論点整理の中で「何を学ぶか」とか書いてありますが、ここにどのように指導するかという指導の側の問題、言い換えると学校での教育のそのものの在り方が実は評価とは表裏一体だということは、今までも指導と評価の一体化で言われてきているんですが、要するに、単に子供を教師が値踏みするという評定だけの評価だけではなくて、指導そのものが評価によって逆に教師にその指導の在り方が問われてくるというようなことがここから読み取れてくることですので、指導の在り方そのものを今後考えるときにはこの指摘が大変大事になると。今までのこういったものにはそういった点がなかったので、この点は大変大事になるというふうに指摘しておきたいと思います。
  そのようなことから、さらに、進学に用いる内申書、特に中学校や高校、その内申書の在り方の改善についても考えておきませんと、これまでの進路指導の中で用いられてきたものが継続されかねないのではないか。ですから、内申書を含めて、ここまで踏み込んで書いている以上、要するに、指導の在り方を含めて評価というのがどういうふうなものであるか、子供の視点だけではなくて、正に指導と評価の一体化ということからここを考えておかなければいけないと思っております。
  以上です。
【無藤部会長】    はい、ありがとうございます。正に今回、評価については教師側の指導の反省あるいは改善ということが非常に重くなっておりますし、その中で内申書の在り方の検討ということも入ってくるように思います。ありがとうございます。
  それでは、土井委員、お願いします。
【土井委員】    はい、ありがとうございます。非常に充実した審議のまとめを用意していただいたと思います。先ほど来、教科書の問題が出ています。その中で「地理総合」、「歴史総合」あるいは「公共」についても委員の方から御意見を頂いたところです。実際そのとおりだと思います。ただ、教科書という形で限定して御検討いただくのではなく、こういう授業が成立するための教材を広く検討していただく必要があるんだろうと思います。例えば「歴史総合」は、「近代化と私たち」から始まるわけです。しかし、「近代化と私たち」ということを考える際には、その前の段階がどうだったのか、あるいはそこと比較してどうなったのかを知らなければ、本当は「近代化と私たち」は理解できないわけです。そのときに、では、その前の段階を現在の教科書のような形で詳しく記述をして、これを覚えなさいということにすると、それは違うという話になるわけです。したがって、探究学習を行わせるためには、教材はより充実したものにしていかなければいけませんし、その教材の中で考えさせようとするといろいろな見方がその中に含まれていなければならない。そのためにどのような形の教材が必要かを議論した上で、その中で教科書はどういう役割を持つのかということを御検討いただく必要が、恐らく探究学習の場合にはあるのだろうと思います。
  それからもう1点は、主権者教育のことで、先ほど来、小・中・高を通じて対応していくべきことだという御意見を頂いて、そのとおりだと思いますし、実際、社会科、地歴、公民科でもそのような形で対応できるように検討をさせていただいたところでございます。主権者教育というのは広く捉えますと、やはり国家・社会の形成者としての必要な資質・能力を十分育成していくということですので、余りそれを限定的に捉えて、選挙との関わり、あるいは政治の在り方との関わりだけに限定して捉えてしまいますと、それはそれで非常に限られた分野について限られた時間でやる教育というようなイメージにも陥ってしまいます。そういう部分はとても大事なんですけれども、しかし、全ての教科を通じて適切な判断をしていくために必要な能力・資質というのは、主権者の育成に向けてやっていただく必要があります。主権者教育に関する記述を充実させていただく必要はあるとは思うんですけれども、余り限定したような理解にならないように御配慮を頂ければと思います。
  以上です。
【無藤部会長】    はい、ありがとうございました。特に最初の部分の教科書のところは、教科書はもちろん主たる教材で、それが主に使うものではありますけど、特に探究的な部分については教科書以外の教材も当然提供されるでしょうし、生徒自身が様々なものをいわば学習材とでもいいますか、見付けながら、それを教材化していく部分もありますので、その辺の記載、記述が必要だと思います。また、主権者教育は正にそのとおりだと思いました。ありがとうございます。
  それでは、松岡委員、お願いしたいと思います。
【松岡委員】    はい、ありがとうございます。本日のまとめは、これまでの審議における各委員の意見等を本当によく反映していただきまして、たいへん有り難いと思っています。今までは触れていなかったことですけれども、本日の資料で、第2部の方になりますけれども、「各学校段階、各教科等における改訂の具体的な方向性」と、2分冊になっております。前半に特に各学校段階、幼児教育から特別支援教育までずうっと紙片が割かれているわけでございますけれども、特に今回、小学校においては外国語が教科化されると、非常に大きな変更になります。また、高等学校においては、新しい教科・科目の構成でありますとか高大接続の問題と、こういう非常に大きな問題があります。ところが、この真ん中の中学校、これがいわゆる目玉がないという感じを受けまして、この報告書においても、小学校は11ページ割いておりますね。高等学校は10ページ。中学校は実は4ページなんですね。しかも、4ページ目の最後は僅かです。特に後段は部活動に関わる記載になっていて、これは大変有り難いと思っています。教育課程外の教育活動ではありますけれども、学校における教育活動、これは現行の学習指導要領の総則から明確に位置付けていただきまして、今回、特に適切な運営の仕方、また、生涯スポーツの基礎を築くという視点からも示されていますけれども、特に部活動以外の中学校教育が今後どうなるかというところを読むと、前段の2ページにわたって記載されていますが、小学校の基礎の上に中学校教育を通じて身に付けるべき資質・能力を明確化しなさいよと。さらに、それを高等学校に円滑に接続させていくようにしなさいというところで、本来、確かに高等学校への進学率が98%という記載もございますので、限りなく高等学校教育も義務教育化に近いとはいえ、現行法令では中学校というのは義務教育の最終段階。ということは、例えば主権者教育にしろ、あるいはキャリア教育のキャリア発達、キャリア形成という視点からも、やはり中学校教育が担うべき役割というのは非常に大きなものがあると思うんですね。この記載で、もちろん単語を見ていくと網羅はされているのでしょうが、ややもすると、中学校の教員が「中学校はそんなに変わらないんだな」というような印象を持って新しい学習指導要領を受け入れるというのは、これはよろしくないという、そんな不安があります。文言の整理というレベルではなくて、やはりその辺りが是非明確に伝わるような審議のまとめ(案)ということで、今更ながらではございますけれども、お願いできれば有り難いと考えているところでございます。
  以上でございます。
【無藤部会長】    はい、ありがとうございます。中学校については確かに目玉と言われるとなかなか難しいんですけれど、逆に言えば、今回の指導要領で、例えば資質・能力の三つの柱とか「アクティブ・ラーニング」に関わる三つの学びというのは、もちろん全ての校種でやるわけではありますけれど、正に義務教育の完成段階としての中学校でとりわけしっかりやっていただく。特に中学校において教科を越えた横断的な部分をどう作るか、非常に難しい課題で、実は中学校教育で本当にチャレンジングな課題が与えられてきていると私は思いますので、そういうことが見える形を是非お願いしたいと思っております。ありがとうございました。
  一通り皆様方の御意見を頂戴できたかと思います。時間もそろそろでございますので、きょうはここまでにさせてください。限られた中での御発言でございましたので、追加の御意見など、是非事務局にお寄せいただければと存じます。様々な御意見ありがとうございました。
  最初にも申し上げましたけれども、この審議のまとめについての議論につきましては、きょうの御議論、また、追加もあればそれを踏まえながら必要な修正を行い、次期学習指導要領等に関するこれまでの審議のまとめ(案)という形で取りまとめをさせていただきたいと存じてございます。その際の文言の調整等につきましては、きょうの議論を踏まえながら、部会長としての私に御一任いただくということでよろしゅうございますでしょうか。はい、ありがとうございました。
  それでは、私、一言だけ御挨拶させていただきたいと思います。実は、特別な説明はありませんでしたけれども、お手元の中に審議実績という、幾つ会議をしたかということなんですけれど、出ております。それを見ますと、教育課程部会は7回でありますが、企画特別部会というのが20回ですか、総則・評価特別部会10回等々と、こういうふうになっております。特にかなりの先生方につきましては複数の分属でいろいろな形で関わっていただいたと思いますので、非常に多くの会合が開かれました。私も前回のことをそんなに覚えてはおりませんけれども、多分、前回以上に会議をされてきたと思います。それはもちろん、ただ会議の数が多ければ自慢できる話ではないのですけれど、多分それだけこの教育課程部会に課せられた使命が非常に大きかったことと、また、今回の改訂が非常に大きいかどうかは毎回それぞれに大きいとは思うんですけれど、分量というよりは改訂の質の違いみたいなものがあって、単純にこれまでの延長での手直しではない、やはり今後の日本というもの、10年、15年先を踏まえながら一生懸命考えてというところでの皆様方、事務局を含めた問題意識の共有、非常に切実で、日本の今後を考えれば本気で学校教育をよくしていかなければ困る、個々の子供たちが大人になって大変だというだけではなくて、日本社会そのものがどう生きていくかが問われると、そういう問題意識というものを共有しながら考えることができて、委員の皆様方のおかげでかなりしっかりしたものになったと私は理解しております。もちろん、これを具体的な形にするのは、何度も何度も御指摘があったような条件整備というものを伴う必要があるわけですので、これは文部科学省の方にお願いして、是非今後頑張っていただきたいと言うしかございませんけれども、ということで改めての御挨拶を申し上げました。
  今後の予定でございますけれども、この次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめにつきましては、本日頂いた意見など踏まえまして必要な修正を行います。その上で、9月に中央教育審議会の総会と初等中等教育分科会がございますので、そこに報告させていただきます。また、並行してパブリックコメントに付させていただくことになります。さらにまた、パブリックコメントと並行して、教育課程企画特別部会におきまして関係団体からのヒアリングを行いたいと思います。本教育課程部会におきましては、それらのパブリックコメント及び関係団体からのヒアリングの状況につきまして随時報告を受けると。その上で中央教育審議会としての答申という形にまとめることになりますので、それに向けての議論を更に頂戴してというふうに考えてございますので、よろしくお願いいたします。
  それでは、最後に事務局に連絡等をお願いしたいと思います。
【大杉教育課程企画室長】    先生方、ありがとうございました。本日の御意見は、部会長と御相談の上にしっかりと反映をさせていただきたいと思います。また答申に向けまして引き続きよろしくお願いいたします。
  次回以降の予定につきましては、追って御連絡をさせていただきます。
  本日の資料、郵送を御希望される場合には机上に残しておいていただけましたらと存じます。
  最後に、事務局を代表いたしまして、初等中等教育局長の藤原より一言御挨拶を申し上げます。
【藤原初等中等教育局長】    初等中等教育局長でございます。本日、学習指導要領改訂の方向性を「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」としておまとめいただきましたところ、事務局を代表いたしまして私の方から一言御挨拶を申し上げたいと思います。
  無藤部会長をはじめ各委員の先生方におかれましては、多岐にわたる課題につきまして大変深い御意見を頂いたところでございます。心より感謝申し上げたいと思います。
  9月以降は、パブコメあるいは企画特別部会における関係団体ヒアリングを実施した上で、更に引き続き答申に向けて議論を続けていくという運びになっております。また、この審議のまとめにおきましても言及いたしておりますし、さらに、本日の議論でもいろいろ御指摘がありましたとおり、子供たちの質の高い学びを実現していくためには、教育条件の整備・充実が不可欠でございます。文部科学省といたしましては、教職員定数など指導体制の充実をはじめ、各種予算要求をしていき、しっかりとこの問題について取り組んでいきたいと考えております。最終的には中教審として今年中に答申を取りまとめていただくことを考えておりまして、委員の皆様方におかれましては、引き続き御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
  どうもありがとうございました。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  それでは、本日の教育課程部会はここで終了させていただきます。皆様、ありがとうございました。

――  了  ――

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