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教育課程部会(第93回) 議事録

1.日時

平成27年6月22日(月曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

東海大学校友会館「望星の間」

東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル35階

3.議題

  1. 初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(意見交換)
  2. 国際バカロレア・ディプロマ・プログラムの導入を促進するための教育課程上の措置について
  3. その他

4.議事録

【無藤部会長】    それでは、お時間かと思いますので、ただいまより、中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会第3回を開会いたします。本日、報道関係者より会議の録音の希望がございますので、これを許可しております。御承知おきください。
  それでは、配付資料につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    失礼いたします。それでは、配付資料の確認をさせていただきます。本日は議事次第に掲載のとおり、資料の1-1から資料の2-2まで、及び参考資料の1から8までを配付させていただいております。初めに、参考資料につきまして、少し御説明を併せて申し上げたいと思います。
  参考資料の1でございますけれども、教育再生実行会議第7次提言、本年5月14日付けで取りまとめられたものでございます。
  併せまして参考資料の2というものをお付けしておりますけれども、先月26日に中央教育審議会と教育再生実行会議との意見交換会が開催されまして、その議事録になっております。その会におきましては、例えば次期学習指導要領の狙いを実現していくためには、それにふさわしい教職員定数の改善や組織体制の構築が不可欠であるというような御意見でありますとか、現在、教育課程部会、教育課程企画特別部会におきまして、教育内容の在り方、学習指導要領の在り方を議論していただいているわけでありますけれども、こういったことが、まさに教育財源をいかに生かすか、定員の減というのはあってはならないということであろうというような議論をしてまいっておるということ。基本的には、様々な形で教育のコンテンツの問題、教育の方法論の問題、こういったことを根本的に考えながら、それが生かされるような教員配置の在り方も考えていただきたいというような御意見があったところでございます。
  続きまして参考資料の5を御覧いただければと存じます。参考資料の5、選挙権年齢の引き下げについてでございます。報道でも取り上げられておりますとおり、先週17日に選挙権年齢を18歳以上とする改正公職選挙法が成立、19日付けで公布されたところでございます。これによりまして、来夏の参議院通常選挙より、現在の高校3年生は全員が、現在の高校2年生で選挙時点で18歳になっている者については、高校在学中に有権者となるということでございます。文部科学省といたしましては、総務省とも連携・協力いたしまして、今年夏をめどに、模擬選挙などの実践例やワークシートなども盛り込んだ、政治や選挙等に関する指導の充実を図るための副教材を全ての高校生に配付いたしまして、公民や総合的な学習の時間において、体験活動も含めた指導を徹底してまいりたいと考えているところでございます。
  併せまして、少し戻りまして恐縮ですが、参考資料の3と4でございます。前回の教育課程部会におきましても、高校3年生の英語力調査の結果を御紹介させていただきましたけれども、参考資料の3は、教員の指導力なども含めまして、小・中・高の具体的な施策の状況などを調査した結果でございます。
  また、参考資料の4でございますけれども、今月5日に文部科学省において取りまとめさせていただきました、中高生を対象とした生徒の英語力向上推進プランでございます。本プランにおきましては、生徒の英語力に係る国の目標を踏まえた都道府県ごとの目標設定公表の要請、それから英語教育実施状況調査に基づきます都道府県別の生徒の英語力の結果の公表、それから中学生の英語の4技能を測定する全国的な学力調査の実施、それから中・高・大学での英語力評価及び入学者選抜における英語の4技能を測定する民間の資格・検定試験の活用の促進、この四つを柱といたしているところでございます。文部科学省といたましては、これまでの英語教育の取組に加えまして、本プランの実施を通じて、英語教育の抜本的な改革を推進していく予定でございます。
  参考資料については、御説明は以上でございます。資料の不足等ございましたら、事務局までお申し付けください。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  本日は、この後、議題1におきまして、初等中等教育の教育課程の基準等の在り方についての報告と意見交換を予定してございます。これに先立ちまして、関連する文部科学省との検討、また、他部会等での状況につきまして、事務局から御説明いただきたいと思います。
  まず、教育に関する条件整備につきましての御説明をお願いいたします。
【池田財務課長】    おはようございます。財務課長の池田でございます。
  参考資料の6という後ろの方にある資料に基づいて、教職員定数をめぐる動きが最近いろいろございますので、その状況を御説明させていただきたいと思います。参考資料の6という横長のものでございます。表紙をめくっていただきまして、具体的な内容についていきなり入っておりますので、中身について説明する前に、少し経緯を御説明させていただきたいと思います。
  今年の5月上旬に、財制審、財政制度等審議会という、これは財務大臣の諮問機関に、財務省の事務方から資料が出されました。例年、教職員定数、子供が減っているのだから学校の教員ももっと減らせるだろうというような議論が財制審において行われてきているわけですけれども、今年度、新しい要素としては、加配定数の削減ということと、それから、それも含めて教員合理化計画を策定するようにという提案がなされてございます。財制審は財務大臣の諮問機関でございますので、財制審の場で文科省としての反論をする機会はございませんけれども、下村大臣が国会審議や記者会見等で再三反論をして、文部科学省の考え方を主張してきたところでございます。
  この提案に対して、6月1日に、建議という形で財制審の財政健全化に向けた建議が取りまとめられましたので、その直後、6月5日に、文部科学省としての反論と考え方をまとめて公表いたしました。この資料、本日お配りしている参考資料6は、その抜粋でございます。
  基本的に、1枚目を御覧いただきたいと思いますが、上の方のところにございますが、加配定数の削減などにより教職員定数合理化計画を策定すべきというのが財制審の基本的な主張でございますが、これに対して文部科学省としては、学校現場を取り巻く課題が複雑・困難化しているということと、それから、新しい時代に応じた教育に取り組む必要があると。こういうことを考慮すると、機械的削減ではなく、加配定数をはじめとする教職員定数の戦略的な充実が必要ということで反論をしております。
  次のページを御覧いただきたいと思いますが、今回、特に財制審で指摘されている大きな要素としては、先ほど申し上げた加配定数というのがございます。これは公立の小・中学校、特別支援学校の定数が全国でざっと70万人おりまして、このうちの9割の63万人は、法律に基づいて機械的に定数が算定される基礎定数と言われるものでございます。残りの1割弱が6万4,000人ぐらいいますけれども、この加配定数というのは、70万のうちの約1割弱でございます。今回、財務省の指摘は、この加配定数も削れるだろうということでございます。
  しかしながら、その下の部分、文部科学省としての考え方にございますように、アクティブ・ラーニングやチーム学校の推進をしていかなければならないということと、それ以上に、学校現場の今、大変たくさんの課題を抱えておりまして、特別支援教育や、いじめ問題への対応であるとか、貧困問題への対応と、こういったものは、機械的に学校の規模や子供の数に応じて算定される基礎定数では対応できないということで、学校の実情や子供たちの実態に応じて加配定数というのを措置しておりますので、この加配を切るということは、学校現場がいろいろな課題に対応できない、立ち行かなくなるということでございます。
  このページの右側に少しグラフがございますけれども、これを御覧いただきたいと思いますが、加配定数は、ここ10年、平成16年度と直近の年度を比べてみますと、平成16年度を100として指数を取った場合に、加配は確かに120、したがって1.2倍、10年で増えているわけでございますが、加配を充てる原因となるような学校現場の様々な課題は、例えば障害児の数は218ということは、ここ10年で2.2倍ぐらいに増えている。あるいは暴力行為や日本語指導が必要な外国のお子さんの数なども、相当、1.8倍、1.5倍に増えている。
  こういった状況を考えますと、加配は確かに増えてはおりますけれども、とても現場の複雑になっている課題には対応できるのに十分ではないということで、むしろ加配の改善が必要だと私どもは考えております。
  次のページを御覧いただくと、これは細かく説明をしている時間はございませんが、要は文部科学省としての考えというところを御覧いただきたいと思いますけれども、財務省は、子供が3割減っている中で、教職員定数は9%、1割弱の減に留まっているではないかと指摘していますけれども、その余り減少していない要素としては、先ほど申し上げた加配定数が増えているということと、それから特別支援学校や学級に在籍する子供が増えていますので、これに対応するための教員が増えていると。したがって、子供の減りに応じて定数が減っていない状況はございますけれども、これは学校現場の直面する喫緊の課題への対応の分だということでございます。
  もう1枚めくっていただきますと、左下に円グラフがございますけれども、財務省は財政支出の観点でOECD平均やG5のほかの国と比べておりますけれども、決定的に考慮していない事項は、欧米諸国と日本の学校が果たしている役割を全く考慮していません。日本は授業以外の業務の割合が約6割という現状でございますが、イギリスは授業が7割ぐらいで授業以外は約3割ということで、そもそも学校や教員の担当している職務の範囲が全く違うということがございます。これを考慮せずに単に財政支出や給与だけを比べるというのは、意味がないのではないかと思っております。
  以上、この後もエビデンスベースのいろいろな資料を付けておりますけれども、お時間の関係で、後ほどお目通しいただければと思います。
  私どものこの反論に対しましては、実は国会で衆議院と参議院の文部科学委員会、文教科学委員会がございますが、ここは与野党の全会一致で財制審の建議に懸念を表明し、定数をしっかり付けるべきだという決議を全会一致でしていただいております。それから学校関係者や校長会やPTAはもちろんですけれども、今回大きな動きとしては、全国知事会や全国首長会、あるいは全国町村会などの首長さんの団体が、かなり反対の声明を出していただいたりということで、相当反発をしていただいていると。それから、こうした動きは、県議会などの請願という形でも、今、広がりつつございます。
  私どもとしては、今後、政府全体で経済財政諮問会議の骨太の方針というのを、今、最終調整で政府内で議論していますが、ここでも同じような議論が出ておりますので、定数確保に向けてしっかり意見を申し上げて、夏の概算要求につなげていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
  以上でございます。
【無藤部会長】    どうもありがとうございました。
  次でありますけれども、チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会における審議状況と、教員養成部会における審議状況について、御説明をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    失礼いたします。本日、資料が大部で大変恐縮でございますけれども、続きまして参考資料の7、それから参考資料の8になります。
  まず、参考資料の7をお手元にと存じますけれども、チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会における中間まとめの案でございます。7月の上旬に向けて取りまとめが進んでいる状況を御紹介させていただきます。
  1枚おめくりいただきますと、チームとしての学校が求められる背景ということで、次代を生きる力を育むための教育課程の改革や授業方法の革新ということで、これから求められる力を身に付けさせるためには、学習指導要領改訂の動きも踏まえ、学校全体でカリキュラム・マネジメントや指導方法、評価方法の開発・普及等に取り組むことができる体制を整備していく必要があるということ。また、複雑化・多様化する課題を解決するための体制整備が必要であるということ。また、次の2ページ目にもございますように、子供と向き合う時間の確保のための体制整備が必要であるということであります。
  チームとしての学校の在り方ということでありますけれども、学校のマネジメント機能の強化、それから3ページ目になりますが、専門性に基づくチーム体制の構築、教職員一人一人が力を発揮できる環境の整備ということでございます。
  4ページ目以降が具体的な改革方策ということでありますけれども、学校のマネジメント機能の強化ということで、管理職の適材確保、それから5ページ目に主幹教諭制度の充実、それから5ページ目の下ですけれども、事務体制の強化ということ、また6ページ目の下になりますけれども、専門性に基づくチーム体制の構築ということで、教職員の指導体制の充実、それから教員以外のスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなども含めた専門スタッフの参画、それから8ページ目、医療的ケアを行う看護師、特別支援教育支援員なども含め、こういった様々な多様な人材を含めたチーム学校の在り方、それから10ページ目ですけれども、地域との連携体制の整備ということでもまとめていただいているところであります。
  また、(3)としまして、教職員一人一人が力を発揮できる環境の整備、業務改善、教育委員会等における学校の支援の充実などをおまとめいただき、学習指導要領改訂の動き、アクティブ・ラーニングなどの検討も踏まえた中間まとめを、現在のところ検討していただいているということでございます。
  続きまして参考資料の8になりますけれども、これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上についてでございます。参考資料の8の次に、資料番号は付いてございませんけれども、中間まとめ(骨子案)の本体がございますので、こちらを御覧いただければと存じます。1枚おめくりいただきまして、2ページ目、「はじめに」、また「検討の背景」、それから3ページ目、「これからの時代の教員に求められる資質能力」ということで、新しい時代に必要な資質・能力の育成、そのためのアクティブ・ラーニングの充実や、小学校における外国語、ICTの活用、学校間連携など、学校を取り巻く課題は多種多様であるということで、こうしたことに対応できる資質・能力の育成ということ。
  また、3ポツでございますけれども、教員の養成・採用・研修に関する課題という中で、おめくりいただきまして4ページ目の下の、教員養成に関する課題というところでも、アクティブ・ラーニング含め、新たな教育課題に対応した教員養成が必要であるということ。
  また、5ページ目からが改革の具体的な方向性でございます。教員の養成・採用・研修を通じた改革の具体的な方向性ということでは、例えば教員育成指標ということで、過去、都道府県の教育委員会ごとに、大学等との関係者との協議・調整を行い、学校と地域の連携・協働体制を構築しつつ、こういった教員育成指標ということを整備していくことが必要ではないかということ。
  また、6ページ目の上のマルは、国は、整備指針、研修指針、教員過程コア・カリキュラムなどを、大綱的に示していくべきではないかということでございます。
  また、7ページ目のマル3でございますけれども、新学習指導要領の検討を踏まえた養成・研修の在り方も必要ではないかということをおまとめいただいております。
  また、(2)教員研修に関する改革の具体的な方向性でございますけれども、これにつきましても、8ページ目、マルの2として、ICT、英語教育等々含めた新たな教育課題への対応ということで、おまとめいただいているところでございます。
  同様に、10ページ目以降の教員採用に関する改革の具体的な方向性という中、また、教員養成に関する改革の具体的な方向性、11ページ目以降の中でも、そうした新たな教育課題への対応ということも含めて御提言を頂き、また、12ページ目の一番下になりますけれども、教職課程の質の保証・向上というところでは、現在の様々な検討状況を踏まえた教科に関する科目の充実についてということも、おまとめいただいているところでございます。
  駆け足になりまして恐縮ですけれども、以上、チームとしての学校、チーム学校作業部会の検討状況と、教員養成部会における審議の取りまとめ状況ということで、御紹介をさせていただきました。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  それでは、本日の議事に入りたいと思います。議題の一つ目でありますけれども、「初等中等教育の教育課程の基準等の在り方について」につきまして、事務局から教育課程企画特別部会における議論の報告を頂戴して、その後で皆様方の意見交換をお願いしたいと存じます。
  まず、事務局から御説明をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    失礼いたします。それでは資料、戻りまして恐縮ですが、まずは資料の1-1を御覧いただければと存じます。
  これまでの教育課程部会、それから教育課程企画特別部会の検討状況をおまとめしたものですけれども、資料の1-1を1枚おめくりいただきますと、前回教育課程部会、4月20日に開催させていただきまして、第5回までの教育課程企画特別部会の状況を御報告させていただきましたが、その後、第6回から第9回まで4回にわたって企画特別部会が開催されておりますところでございます。本日はこの状況を御紹介させていただきますけれども、今後のスケジュールといたしましては、企画特別部会、あす、第10回開催予定でございます。また、7月にも2回にわたって開催させていただきまして、8月には論点の整理ということでさせていただければと思っておりまして、それに向けての様々な御意見を、きょう頂ければと存じます。
  資料の1-4、それから資料の1-6、それから、戻りまして恐縮ですが、資料の1-2、この3点を少しお手元に御用意いただければ有り難く存じます。資料の1-4、1-6、それから資料の1-2になります。
  教育課程企画特別部会におきましては、幼・小・中・高、それぞれの学校種ごとの様々な教育課題につきまして、第5回から前回まで議論をさせていただいたところでございます。まずは幼・小・中の教育課程に関する論点ということで、企画特別部会で議論させていただきました資料を御紹介させていただきたいと思いますけれども、幼・小・中の教育課程に関する論点としての課題認識でございますけれども、資料の1-4になります。
  例えば、おめくりいただきまして、スライドが上下で印刷されておりますけれども、スライドの左下、13という番号が付いているページを御覧いただければと存じます。例えば全国学力・学習状況調査の結果から、例えばですけれども国語におきまして、根拠を明確にした上で発言をするであるとか、判断の理由をしっかりと提示しながら説明していくことに課題があるのではないかということ。
  それから1枚おめくりいただきますと、これは抽出調査の国研の方で実施されました学習指導要領実施状況調査でございますけれども、同様の課題でございますけれども、例えば目的に応じて文章を要約することなど、課題解決に向けて主体的に文章を読むということが例えば国語の課題として見られたり、また、スライド17になりますけれども、社会科におきまして、資料から読み取った情報を比較、関連付け、総合したりして、社会的事象の働きや役割を考えて表現することなどに課題があるのではないかということで、様々な思考力・判断力・表現力という観点から、教科ごとの様々な課題が見えてきたということでございます。
  おめくりいただきまして、体力の現状につきまして、スライドの45になります。例えば親の世代と比べて、身長・体重など、子供の体格は向上しているが、体力・運動能力は依然として低い数字にあるのではないか。こういったことを、2020年オリンピック・パラリンピックの開催を契機として、運動への関心の向上を図っていくべきではないかということも指摘されております。
  それからスライドの51です。少しおめくりいただきまして、情報活用能力といった面でも、例えば小学生について、整理された情報を読み取ることはできるが、特定の情報を見付け出して関連付けたり、情報を整理し解釈したり、受け手の状況に応じて情報を発信するような情報活用能力の面からも課題があるのではないかということが指摘されております。
  続きましてスライドの96を御覧ください。これは幼稚園教育につきましてですけれども、幼・小連携という観点から見た際に、現在、小学校の学習指導要領は、国語、音楽、図画工作については幼稚園教育との関連性が明記されておりますけれども、下にございますように、97ページ、スタート・カリキュラムということで、幼児期の学びと小学校教育ということを円滑に接続するというカリキュラム全体で考えたときには、もう少し幅広い教科で考えていく必要があるのではないかということ。
  それからスライドの100、それから101です。幼児期の終わりまで、5歳児の終わりまでにこういった姿に育ってほしいという幼児の具体的な姿というのが、こういった報告書においても取りまとめられているという状況でございますので、こういった姿と小学校教育の接続を、より図っていく必要があるのではないかという御指摘も頂いているところでございます。
  それから特別支援教育でございますけれども、スライドの109を御覧ください。現在、公立小・中学校の通常の学級に在籍している発達障害の可能性のある特別な教育支援を必要とする児童生徒の割合が、6.5%であるという現状であるということ。
  また、そういった状況も踏まえながら、スライドの110を御覧いただきたいのですけれども、これからの支援について、特定の児童生徒を取り出して支援することだけではなく、学級全体に対する指導をどのように行うのかを考えていく必要があるのではないかというようなこと。
  また、スライドの116、117を御覧いただくと、高校への進学状況ということも少し整理をさせていただいております。
  こういったもろもろの状況を踏まえまして、スライドの131を御覧ください。スライドの131、障害者権利条約によれば、インクルーシブ教育システム、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な機能等を最大限まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするという目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであるということ、こういった観点を踏まえて、教育の見直しを図っていくべきではないかということでございます。
  また、スライドの141につきましては、障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に学ぶことができるように配慮する観点から、交流及び共同学習を一層推進していくことが必要ではないかということでございます。
  最後に、英語教育につきましても様々な資料を御用意しております。御覧いただきたいのは、文章の方になりますけれども、右下に184という番号が付いているところでございます。
  小学校の課題というところでありますけれども、例えば小学校高学年段階で、抽象的な思考が高まる段階であるにもかかわらず、体系的な学習が行われていないという現状があるということ。これまでの外国語活動の実績を踏まえながら、次の在り方ということを考えていくべきではないかということ。それらの小学校の英語教育の学びということは、小・中・高を連携した観点から考えていく必要があるであろうといったことを御議論を頂いているところでございます。
  続きまして高校教育でございますけれども、資料1-6を御覧ください。これも高校について御議論いただいた際に使わせていただいた資料ですけれども、特に高校教育、18歳までに必要な共通の力を身に付けるべき、そういった力がどういった力であるのかというような観点から、様々、御意見を頂いているところでございます。
  その観点からは、スライドの1、高等学校教育部会においてまとめられたコアというものに関する考え方なども踏まえながら、1枚おめくりいただきますと、各教科ごとに身に付けるべき力の整理をさせていただいております。例えば国語において、実社会・実生活に生きる国語の能力や、伝統的な言語文化を今に生かし活用できる能力。例えば歴史におきまして、自国の歴史とグローバルな歴史を横断的・相互的に捉えて歴史に関わる諸課題を考察する力など、各教科において育成すべき力と、それらを構造的に考えるとどのような構造が考えられるのかという整理を御議論いただいているところでございます。
  少しそれぞれ見ていきたいと思いますけれども、スライドの10ページが公民教育に関する現状でございます。公民教育に関する現状、特に積極的に社会参加する意欲が国際的に見て低いということ、理念や概念の理解、情報活用の能力が十分に身に付いていないというような実態が指摘されているところでございます。
  こういった御指摘を踏まえまして、スライドの20になりますけれども、公民科目の今後の在り方についてということで、国家や社会の形成者として必要な選択・判断の基準を形成し、それらを使って主体的な選択・判断を行い、他者と協働しながら様々な課題を解決するために必要な力を、右にありますような討論、ディベートなどを含め、実践的な学習活動を通じて、また、様々な外部の関係機関と連携しながら身に付けていくための新たな科目の在り方ということを御議論いただいているところでございます。
  また、歴史教育、スライドの28を御覧ください。スライドの28は歴史教育に関する現状についてでございますけれども、特に近現代史の学習の定着状況が、他の指導内容に比べて低いのではないか、また、課題解決の学習を取り入れた授業など、学習活動の工夫に課題があるのではないかということでございます。
  これらを踏まえまして、スライドの39が歴史科目の今後の在り方についてということですが、自国のこと、グローバルなことが影響し合ったり、つながったりする歴史の諸相を学ぶ科目として、新たな科目のイメージを御議論いただいております。
  続きまして地理教育につきましても、スライドの43にございますように、最低限の地理的知識や地球環境の危機、防災に関する教育を受けずに卒業する生徒がいるということを課題意識として、新たな科目の在り方を御議論いただいております。
  スライドの47が地理科目の今後の在り方についてです。持続可能な社会作りに必須となる地球規模の諸課題や地域課題を解決する力を育む科目として、御議論を頂いております。
  また、理数教育につきましては、スライドの53で、高校生において、理数の主体的・自主的な研究・探究活動を行っていくことが必要ではないかという課題認識の下、スライドの55にございますような、SSHにおける取組事例なども参考にしながら、数学と理科の知識や技能を総合的に活用して主体的な探究活動を行う新たな選択科目の在り方などを御議論いただいているところでございます。
  続きまして国語教育です。国語につきましてはスライドの60を御覧ください。主体的な言語活動が軽視されているのではないかということや、古典に関する興味・関心を高める指導に課題があるのではないかという御議論を頂いており、スライドの68にございますような、今後の在り方について、実社会・実生活に生きる国語の能力の育成や、古典を含む我が国の言語文化に関する理解を深めるといった観点からの科目の在り方について、御議論を頂いているところでございます。
  続きまして英語教育につきましては、スライドの74になります。先ほども少し調査の結果など御紹介させていただきましたけれども、生徒の英語力や学習意欲、それから教員の指導力ということも含めまして課題を踏まえますと、これは少し資料が続きますけれども、スライドの101を御覧いただければと存じます。
  スライドの101になります。英語による思考力・判断力・表現力を高めるための科目の在り方の見直しの中で、生徒が実社会・実生活の中で自らが課題を発見し、主体的・協働的に探究し、英語で考えや気持ちを互いに伝え合うことを目的とした学習ができるよう、4技能統合型の科目を核とする科目や、発信能力の育成を更に強化する科目の在り方を検討していきたいということでございます。
  続きまして情報教育につきましては、スライドの108にございますように、様々な場面で、生徒の情報活用能力、情報の科学的な理解、プログラミングや情報セキュリティー等の理解の重要性などが指摘されているところございます。
  こうしたことも踏まえまして、110にございますけれども、情報と情報技術を問題の発見と解決に活用するための科学的な考え方等を育成する科目の在り方について、御議論を頂いているところでございます。
  また、体育でございますけれども、体育科目の今後の在り方、120ページでございます。様々な運動課題を主体的に解決していけるような力を育成する、生涯にわたって豊かなスポーツライフを継続する資質や能力の育成を目指した改善ということを御議論いただいているところでございます。
  続きまして保健につきましては135になります。健康の保持増進のための総合的な実践力を育成する科目の在り方ということを御議論いただいております。
  それから芸術科目につきましても、見直しの方向性としまして、例えばスライドの143にありますように、音楽の見直しの方向性。感性を高め、資質・能力を育成する主体的・創造的な学習活動を更に充実させていく。また、音楽文化についての理解を更に深めていくということ。
  また、例えば美術におきましても、スライドの146になりますけれども、資質・能力の育成、豊かな感性や情操、生活や社会の中での美術の働きや美術文化の理解ということを、より重視していくということでございます。
  長くなりまして恐縮ですが、スライドの160、これが家庭科目の今後の在り方ということでございます。家庭科の中で、しっかりと社会の変化への対応、生涯を通じて自他の生命を守る衣食住生活の実践力を育成するということ、生活者の視点などなど、こういったことを踏まえた科目の在り方をしっかりと検討していきたいということでございます。
  また、これらを踏まえた総合的な学習の時間の在り方ですけれども、176になります。総合的な学習の時間を通じて育むべき資質・能力の在り方を更に明らかにしていくべきではないか、総合的な学習の時間の意義を改めて明確化する必要があるのではないかということでございます。
  同様に特別活動の在り方につきましては、194でございますけれども、特別活動の意義の明確化ということを議論していく必要があるということでございます。
  これらを踏まえて企画特別部会で頂いている御意見でございますけれども、資料の1-2を御覧ください。資料の1-2、「今後の教育課程の在り方について(これまでの議論等の要点のまとめ)(案)」というものでございます。前回も少し片仮名語が多いのではないかという御指摘を頂きましたが、これにつきましては、部会で出された御意見をそのまままとめさせていただいておりまして、今後、論点整理を取りまとめていくに当たりましては、様々な用語の整理などは図らせていただきたいと存じます。
  前回部会におきまして、1ページから14ページまでは御覧いただいておるところでございます。その後、第6回は幼・小・中につきまして、簡単に御紹介をさせていただきたいと思います。
  1番が育成すべき資質・能力と幼児教育、義務教育の充実・改善についてということでございますけれども、上から四つ目のマルにございますように、高等学校を卒業する18歳の段階で身に付けておくべき力がどのようなものなのかという見通しを持った上で、小学校教育、中学校教育、高校教育を考えていく必要があるのではないか。次のマルになりますけれども、小学校段階、中学校段階、高校段階で、それぞれの子供たちがどういう状況になっていることが求められるかが示されていなければいけないのではないか。どんな力を18歳のときに持つべきなのか、小学校からどういうことを培うべきか、そういったことを整理する必要があるのではないかという御意見であります。
  次の16ページの下から二つ目のマルになりますけれども、資質・能力ということを整理する中で、各教科の本質に関わる見方、考え方、本質的な問いということを、全体で整理していくことが必要であろうということ。
  それから17ページの上から三つ目のマルになります。社会の要請に応えていくアクティブ・ラーニング含め、実践的な課題ということを扱っていくと、それはむしろ生半可な知識では扱えず、しっかりと正確を期したり、様々な知識を持ち込んで多面的・多角的に吟味をせざるを得なくなるということで、高度な水準に上がっていく可能性があるのではないかということ。
  それから18ページ目を御覧ください。グローバル化する社会の中で求められる資質・能力などでございます。小学校における教科化という話がございますけれども、2ポツの二つ目のマルですけれども、教科にするに当たりましては、様々な条件整備も必要であろうということ。また、下から二つ目のマルは、小学校の教科化につきましては、母語以外の言葉でコミュニケーションする体験をさせることの意義、これが役に立つものだということの観点からも必要ではないかということ。
  また、19ページ目の下から二つ目のマルになります。小学校に教科としての英語を入れることについては、各教科が教育課程の中でどういう位置を占め、どういう役割を果たしており、その教科が互いに他の教科と連動し合いながら、どういう形で学校の教育活動を作り出すのかという観点から検討する必要があるのではないかということ。
  それから20ページ目の一つ目のマルですけれども、英語を話せるようになることが即主体的に協働できることにつながるわけではないということ。言語学的なスキル・トレーニングなども考えなければいけないのではないかということ。
  それから20ページ目の3ポツ、幼児教育の充実、小学校教育との円滑な接続でございます。5歳児の生活の中に、小学校以上につながるような学びの芽生えがたくさん見えてくるということ。そういう観点から幼・小のカリキュラムの議論が必要ではないかということ。
  21ページ目の下から二つ目のマルは、小学校のスタート・カリキュラムにつきましては、指導要領本体に、よりしっかりと位置付けていくことが必要ではないかということでございます。
  22ページ目の4ポツでございます。体力の向上や健康の維持等について、学校体育で運動する時間をある程度確保してあげないと、生活の中で運動や体力作りの時間を確保できない時代になっているのではないか。また、自分自身をコントロールする力や、ルールの中で競い合っていく力ということが重要ではないかということでございます。
  また、22ページ目の下から、特別支援教育の充実についてであります。23ページ目の上にございますように、全ての学校・学級に発達障害を含めた障害のある子供たちが1割以上在籍することを前提にして、通常学級の中でどう指導していくかということをしっかり書いていく必要があるのではないかということ。
  それから24ページ目の一つ目のマルは、様々な個別指導計画におきましては、しっかりとニーズを踏まえて行っていく必要があるということ。
  また、最後に6ポツとして、社会の要請を踏まえた教科横断的な学びということでございますけれども、小・中・高縦断的な視点が必要ではないかという御指摘を頂いております。
  7回目以降でございますけれども、7回目以降は、主に高校について御議論を頂いております。
  25ページでは、大学を見据えることが議論の中心になりがちであるが、大学に行かない子がいることも踏まえると、18歳の段階で付けておくべき力ということをしっかり整理していくことが必要であるということ。
  また、一番下のマルでございますけれども、大学入試だけを目的にしてしまうと、アクティブに何かを学んだ経験というものがないまま卒業してしまうのではないかということ。
  また、26ページ目、二つ目のマルになります。卒業レポート等のみならず、各教科の普通の習得の授業の中でもできるアクティブ・ラーニングということをしっかり入れていく必要があるのではないかということ。
  それから26ページ目、下のマルでございます。海外の大学にも挑戦できるようなプレゼンテーション、ディスカッション、ディベートやネゴシエーションの力が必要ではないかということ。
  それから27ページ目、上から二つ目のマルでは、地域社会やクラスなどの一定の社会の中で、一定程度自分が力を持ち活動することで、いろいろな地域社会や組織などを変えることができるという実感を持つことが必要ではないかということ。
  また、27ページ目の下でございますけれども、専門高校における様々な協働的な学びというのは、普通高校でも参考になるのではないかということ。
  また、28ページ目、下から二つ目のマルでございますけれども、ICT含め、学校全体でのインフラの整備が必要ではないかということでございます。
  また、一番下のマルでございますけれども、高校の教育課程を考えるとき、教科の関連、高校としての一体性という観点からの問い直しが必要ではないかということ。
  29ページ、一つ目のマルですけれども、実社会の出口に近いところで、高校生が本気で総合的な学習の時間に取り組むことが必要ではないかということ。
  下から二つ目のマルでございますけれども、学び直しの必要性。
  一番下のマルでございますけれども、地域を支える人材としての高校生への期待。
  30ページ目の上にございますけれども、市民性に対する教育、主権者教育、公共というような中で、高校生が自分の地域に関心を持って参画できるようにしていくことが必要であるということ。
  30ページ目、一番下ですけれども、グローバル化する中で、日本のことをアピールするだけではなく、他国との違いや様々なことを、歴史的なことも含めて、日本史と世界史の両立の仕方なども重要。また、地理的なものの見方も必要になってくるということでございます。
  また、31ページ目の上でございますけれども、2020年を想定したときに、日本が世界の中で何ができるのか、地球規模の問題に自分がどう関われるのかという観点が必要であるということ。
  下から三つ目のマルにも、社会とのつながりということで、小・中・高と連続した教育の必要性なども御提言いただいております。
  また、32ページ目、下から二つ目のマルでございますけれども、高校生がアクティブに学んだことが大学につながっていくようなシステムが必要ではないかということも、御発言を頂いているところでございます。
  33ページ目、真ん中より下が特別支援教育でございます。インクルーシブ教育の観点、また、個々の生徒の発達特性や学習スタイルの多様性を含めた指導評価の重要性ということでございます。
  また、34ページの5ポツでございますけれども、アクティブ・ラーニングや英語教育の充実などを踏まえると、教員の確保・拡充が重要であるという御発言も頂いているところでございます。
  第8回目、36ページ以降になりますけれども、総論部分は重なるところがありますので、少し飛ばさせていただきます。38ページでございますけれども、高校において、高校こそアクティブ・ラーニングがまさに求められているのではないかという御意見。
  それから39ページでは、知識のインプット重視であったものを、主体的な思考や表現を重視するものにしていこうという方向性と、それから社会生活で活用していけるようにしようとする方向性、これらについては原因を分析して丁寧に進めないと、また同じようになってしまうのではないかという御指摘。
  それから40ページ目、41ページ目、歴史及び国語等について御指摘を頂いているところでございます。歴史につきましては、グローバルなことと日本のことを互いに相関的に見ながら身に付けていく力が必要ではないかということ。国語につきましては、古典も含めて、現代の学びにつながるような、今日的な関心や生活につながるような学びが必要ではないかということでございます。
  また、情報活用能力の必要性、理数における充実の必要性なども、御発言いただいているところでございます。
  それから、最後になります、44ページ目からが第9回になりますけれども、第9回におきましては、例えば特別な才能があったときに、これを伸ばすという視点も必要ではないかということ。それからまた、アクティブ・ラーニング、これを総合だけでやるのではなくて、各教科でやっていく必要があるのではないかということも含めて、資質・能力への御提案も頂きました。
  また、46ページ目以降は、主に芸術教育、それから体育教育に関する重要性、この重要性ということが資質・能力という中でも必要ではないかというような御発言を頂いたところでございます。
  その他、家庭科等々も含め、総合等も含め、48ページ、49ページで御提案を頂いております。
  また、最後、50ページ目では、高校の学習指導要領における学校設定教科・科目というものの活用の仕方などについても、御発言を頂いたところでございます。
  大変資料が大部にわたりまして、なかなかコンパクトに御説明できず恐縮でございますけれども、こうした議論の流れを踏まえながら、本日、様々な角度から御意見を頂ければ有り難く存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
【無藤部会長】    どうもありがとうございました。
  一通り、大部な資料でしたけれども、御説明いただきましたので、これから、今の特に企画特別部会での議論に対しての意見交換の時間と致したいと存じます。時間としては45分ぐらい、ちょっと短いかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
  そして御意見のある方、挙手とともに名札を、立てても私のところからは見えないものも多いので、すいません、無理に立てないで、資料の上か何かに置いていただくとよろしいかと思います。なるべく全員に御発言をと思っておりますが、よろしくお願いします。
  羽入先生、どうぞ。
【羽入委員】    羽入です。今、細かな御説明を頂きましたので、企画特別部会の雰囲気を少し御説明したいと思います。2点あります。
  企画特別部会では大きな方向性として、幼・小・中・高に関して統合的・全体的な視点から、今回の指導要領を見直そうという基本的な姿勢を持ってまいりました。そのときに、学校教育というのは、社会とつながること、そして世界とつながること、これが重要であるという視点で論じております。
  その際に私どもが考えておりますのは、統合的・総合的ということを申しましたが、多様な在り方に対応できる環境を作ること、そしてそれによって教育を充実するということが重要であると思っております。そのために、具体的にはカリキュラム・マネジメントというのが大変大きな役割を示すだろうと考えております。このようなことで、現場の先生方にできるだけダイレクトに伝わるような、そして将来を見通し、そして社会全体を見通した教育の在り方を、この指導要領の中に示そうという姿勢で臨んでまいりました。
  2点目は、このように考えましたとき、先ほど御説明いただきましたけど、財制審の教員定数のことについては、非常に強い危惧をそれぞれの委員の方々から発言がありました。このような形で私ども今、指導要領を改訂しようと考えております中で、教員の数というのは非常に重要な要素を占めるものでございますので、ここであえて一言、発言させていただきました。
  以上、2点です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  それでは松本委員、お願いします。
【松本委員】    すいません、途中で退出させていただきますので、早めに発言をさせていただきたいと思います。
  今回の資料等を読ませていただきますと、教育が根本的に変わるということで、俗な言い方をすれば、わくわくするなという気持ちを持っております。財制審の議論について大変危惧しておりましたけれども、先ほど御説明ありましたように、様々なエビデンスを提示されたということと、それから全国的にも文科省の考えをサポートするという動きができてきているということ、大変うれしく思っております。そして、後半、きょう議論されるであろう国際バカロレアに関しても、様々な今までの文科省の取組、及び、英語のみならず、ほかの教科の抜本的な指導法の改革という流れに沿っているものですから、基本的に賛成いたします。
  その中で、どうしてこういうふうに指導法を変えなければいけないのか、指導の中身を変えなければいけないのかということについて、現場の先生にどれだけ理解していただくかが最重要課題ではないかなと思います。研修というお話が出ていて、それがもちろん大切なことですけれども、そのもう一つ一歩手前、あるいは半歩手前に、なぜこういう教育改革が必要なのかということについて御理解いただけないと、研修に対しても積極的に参加しないのではないか。ですから、その点について、丁寧な計画が必要ではないかと思います。どうしても現場は上から下りてきたというような印象を持ちがちですので、その点について、是非御協議いただければと思っております。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  それではどなたか。篠原委員。
【篠原委員】    私からは主権者教育について触れさせていただきたいんですけど、18歳選挙権、あるいは憲法改正の国民投票の18歳投票権ということが、来年の参議院選挙以降、順次始まると思うんですが、この問題は、私も随分これ、いろんなところで主張させていただいてきたんですけれども、私らが主権者教育について取り組み始めた頃は、文科省も自民党もえらく腰が引けていて冷たくて、主権者教育という言葉自体を入れることを物すごく抵抗されるような時代状況でございました。
  この18歳選挙権ということで、がらりと雰囲気が変わりまして、主権者教育、主権者教育と。安倍総理まで主権者教育、主権者教育ということをおっしゃるようになって、私はそれ自体は大変うれしいというか、好ましいことだと思っているんですが、この学習指導要領の中で、きょうも御説明を聞いていて、是非お願いしたいと思うのは、高校生の段階だけで、この主権者教育をやると。公共という例えば科目を入れるとかね。そういう切り取りをしないでいただきたい。小・中学校の頃から、どういうふうに主権者意識を育んでいくかという流れを、小・中の段階でも学習指導要領の中にしっかりと盛り込んで、それがいよいよ18歳、高校生の選挙権、投票権につながっていくんだという流れをしっかりと作っていただきたい。
  今、私が心配しているのは、政党もそうだが、何か18歳、18歳ということで、切り取りのような雰囲気があるので、これでやったら、欧米のような本当の意味の主権者教育の流れは、僕はできないと思うんです。是非そういうところは少し時間かけてでも、そういうつながり、流れをしっかりと作るということを、この学習指導要領の中で、私ははっきりと示していただきたいと。どういうふうに入れるかという問題はあると思いますけれども、大枠としてはそんな流れを踏まえて作っていく必要があるのではないかなと思います。
  以上でございます。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  吉田委員、お願いします。
【吉田委員】    ありがとうございます。すごい量を物すごい勢いで説明していたので、全てがカバーできているかどうか分からないんですが、最初に今、篠原委員の方からお話ございました主権者教育については、我々高校現場としては本当にびっくりしているというか、全く我々の意見もなく、あっという間に18歳というのが決定され、それが来年から実施されるということで、今、それをどういうふうにしていけばいいのかということでございますけれども、そういう中で、今おっしゃったように、私も小学校からというか、下からの積み重ねというのが必要だと思います。
  そういう中で、もう1点、主権者教育とともに、国民の義務と言うと言い方変ですけれども、納税等についても、もう少し話していただきたい。今の子供たちというのは、親から聞いていることだけで、何か税金取られるのは悪いことであるというような要素もあるわけであって、それと主権者教育というのは、バランスをとってやっていただきたいという思いでございます。
  あと、指導要領等について、いろいろ本当に御協議いただいているんですが、いろいろ伺っている中で、非常に課題がクローズアップされている。課題が出てきて、何が足りないとか、何が育っていないとか、そういうことが多くなっているんですけど、何を減らすのかという議論が全くないです。ただマークシートの暗記型から思考力を育てるということまでは分かるんですけれども、何を減らすのかと。極端な言い方すれば、歴史用語一つとっても、もうこの10年ぐらいで2,000から4,000に倍近くなっている。それが全部暗記してマークシートで答えるということになっているわけですので、そういう意味でも、是非しっかりとした、減らすという部分も示していただけるような見直しをしていただきたい。
  それから、あとチーム学校に絡んでというか、支援教育ですけれども、このままいくと全ての学校1割というようなお話もございます。ただ、実際に私立学校にとっては、ハードとしてのバリアフリーとかをやることは、校舎の建て替え等でできます。ただ、ソフト面で、本当にそういう方たちが、例えば着替えも、更衣もできないような子供たちを入れなければならない状況になったときに、その人たちに関わる人材というものは、これは国の方でフォローしていただかなければ不可能だと思います。かといって入学を拒否するということも、理論的にも、私は教育の面でもおかしいと思いますので、そういう部分をしっかりとやっていただきたい。
  そして、英語の見直しというのも本当に分かるし、実際にどんどん我々進めていますけれども、そういう中で、アイビーのことが後ほど出てくると思いますが、別にダブルディグリーというわけではないですけれども、英語教育を新たな形に変えていくとなれば、現状の英語の、例えば語彙数一つとっても、3,000が1万なきゃ足りないというような状況になってくるわけであって、そうすると、そこに力を入れれば、当然ながら何らかの形で未履修みたいな問題が出てくると思うんです。そういう意味での特例なり何なりというものがどういうふうになっていくのかなというのが疑問の一つになっておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
  それから教員の配置うんぬんの話もございますけれども、私立学校も実際に今、生徒数が減ってやっているわけですけど、例えばこのチーム学校の話なんか一つとっても、私立学校はこれに対してどうすればいいのかということは何も示されておりません。是非その辺のところも含めて御指導いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  それでは荒瀬委員、土井委員、生重委員と。
【荒瀬委員】    ありがとうございます。篠原委員と吉田委員が続けておっしゃった主権者教育について、私も申し上げたいと思います。
  早い段階からというのは当然そうでありまして、選挙権年齢が引き下げられたというのは、子供たちにとって政治が近付いたということとみなすことができると思います。ただ、きょうの御説明もそうなんですけれども、どうもそういった動きが、縦軸でしっかりとしていくことは大切なんですが、横軸でもやっぱり、今回の学習指導要領の改訂を機にやっていくべきかと思います。情報をどのように受け取るかとか、あるいはそれをどう表現していくのかとか、あるいは具体的にどう議論するのかとかいったようなことは、これは例えば環境問題なんかに関して言うならば、理科的な知識や技能も必要になってくるわけですから、決して一つの教科とか科目の中に閉じ込めることはできないと思うのです。
  ですから、選挙権年齢が18歳に引き下げられたということを機に、それこそカリキュラム・マネジメントではありませんけれども、それぞれの学校、高等学校なら高等学校として、どのような主権者教育をしていくのかということを重視するべきだと思います。それが恐らく、高等学校教育部会でかつて議論されていた市民性というものにもつながっていくのではないかなということを思っています。
  それに関連してなんですけど、きょう頂いた資料の1-6なんですが、これは非常に詳しく丁寧に書かれていますが、どうもこの資料の在り方自体が現状の学校の在り方をそのまま反映しているかのようで、どの教科も共通していません。それぞれの教科がそれぞれ独自に発想していて、それはそれで教科の特性というのがあるから、それを全部等し並みにするべきだとは思いませんが、もう少し、この教科ではどういう力を付けて、そのためのプログラムをどんなふうに組んでいくのかといったことが、それぞれの教科の比較ができるような形で出ないと、結局これが現場に下りれば、それぞれのまた教科の中で、それぞれがばらばらに話し合うということになってしまって、全体的な動きにつながらないという危惧を致しますので、併せて申し上げたいと思います。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  では土井委員、お願いします。
【土井委員】    私も新しい公民科目の在り方中心に、主権者教育について話させていただきます。
  既に篠原委員等おっしゃっておられるように、この種の教育が小学校段階から必要だということは、そのとおりだと思います。ただ、今までやってこなかったかというと、そうではありませんで、社会科を中心にして、小学校6年生ぐらいから政治、日本国憲法始まっておりますので、小・中・高と段階的にやってきております。ただ今回、高校でこういう新しい科目を想定されているというのは、特に選挙権年齢の引き下げ等もありますし、市民として生きていく能力を高めたいということで、これを強化しようという趣旨のものだというふうに理解をしております。
  ただ、この科目で取り扱う事項というのは、現代社会の重要な課題を取り扱うことになります。こうした重要な課題を的確に判断しようとしますと、それは非常に多くの知識を必要とします。例えばエネルギー問題を考える際に、物理とか化学が分からないというようなことであれば、それはできないわけでして、したがってこうした課題を的確に判断しようということになれば、それは荒瀬委員おっしゃっておられるように、全ての教科を通じてこうした能力を育成していくということが重要になるのは当然かと思います。
  そういう教科でいろんな知識、あるいは思考力を高めていくことを前提にして、それを現代社会の問題を考える際にどう統合していくかということを考えさせるために、新たにこの科目を作られるということだと思いますので、この科目だけで何とかなるという話じゃないというのは、そのとおりであろうと思います。この科目をやるにしても、それほど多くの時間をとることはできないと思いますので、やはり精選する必要がございます。
  やはり重要なのは、見方・考え方をしっかり身に付けていただくということだと思います。なぜ見方・考え方が重要かというと、見方・考え方というのは、そもそも何が問題なのかということ、なぜこうした問題を考えないといけないのかということをしっかり身に付けてもらうということです。その目的が明確になれば、その考え方という手段がはっきりするということで、これを分からないままに個別の知識を身に付けますと、結局使い方が分からないということになると思います。
  見方・考え方がしっかりしないから、先ほど事務局からの説明にもありましたように、論拠を的確に提示することができない。どの点をどう比較して検討していいかが分からないということになるものですから、その辺りを改善していくということであれば、やはり基礎となる概念、あるいは見方・考え方をしっかり身に付けていただくということだと思います。
  もう1点、最後に申し上げたいのは、歴史科目の方について、近現代史を中心に、世界史を日本史を結び付ける形で新たに科目を検討されているというふうに理解をしましたが、もしこういう方向で御検討いただくとすると、実はこれは新しい公民科目と密接に関連をしております。現代社会の課題というのは歴史の中から現れてきていますし、先ほど申し上げた見方・考え方というのも、歴史的経験の中から培われてきているものでございます。
  例えば民主主義にしても、法の支配にしても、あるいは市場経済の在り方にしても、これは歴史の中から出てきているものですから、特に近現代史を中心におやりになるということであれば、この二つの科目を十分に連携させて、市民として歴史から何を学び、今の在り方をどう考えるのかということを結び付けていただくのがいいのではないかと思います。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  生重委員、お願いします。
【生重委員】    受け止めるのが大変なぐらいの説明の時間で、ただ、聞いていて1点、物すごくぐさっと刺さったのが、アクティブ・ラーニングの御説明のところで、きちんとした学力の定着がない限り、どうしても上側の表層を議論するところに留まる。ということは、今回の教育課程の改革においては、きちんと義務教育下において、学力の定着がしっかりなされることが大事なんだということだと私は考えております。
  今、現状で私が関わっている児童生徒の中でも、小学校・中学校でほとんど分からないまま高校に行って中退するというお子さんたちをたくさん見てきています。そのためには、私が申し上げたかったのは、文部科学省内にもいろんな協働体制が敷かれているんですが、今回の改革こそ、縦割りではなく、コミュニティー・スクールが全国に設置されることの重要性、それから学校支援体制をきちんと置いて、そして貧困に置かれている子供たちにも、放課後等などを通じて、夏休み・冬休みを通じて、学力の定着が図れるような地域環境を構築していくことも併せて背景として、その準備をしていくべきではないかと。
  これだけのことを変えていくというのは、私も、松本委員がおっしゃっていましたが、わくわくするぐらい楽しみなんです。これから社会・世界につながる、そういう教育なんだということは、社会・世界に出ていく自立した若者の育成を目指しているんだ、人作りなんだということがすごく重要なことだと思いますので、その横をつなげて、体制作りというのも併せて、学校の授業の中だけではやり切れないものを、外との連携、社会とのつながりの下で、興味を持つ学びの体制作りというものも、併せて後押ししていけるような体制を作っていただきたいなと思います。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  田邊委員、お願いします。
【田邊委員】    ありがとうございます。大変膨大な資料をまとめていただき、ありがとうございます。私の方からは、子供の体力と運動能力についてということでお話しさせていただきますけれども、先ほど以来、一つの流れとして、小・幼稚園、それから小・中・高ということが必要だということも言われております。体力の面についても、幼稚園、そして小学校、そして中学校、高校という一つの流れで捉えなければいけないと思っております。
  今現在、日本の状況は、2020年東京オリンピック・パラリンピックを控えて、子供たちにとって、スポーツというのを非常に高く関心を持っているかと思います。東京オリンピック・パラリンピックを迎えるに当たって、世界の人々とまたつながったり、接する機会も増えてくるという中では、うまくこのチャンスを捉えれば、体力の向上というのも、もう少し見られるのではないかと思っております。
  特に子供たちの体力を上げることによって、集中する時間等も長くなってきますし、落ち着きも、そして子供たちのストレスも解消されるかと思います。そういう中では、学校体育というだけではなく、部活動を通して、また部活動では地域の連携もとれるかと思いますので、できるだけ、今現在の子供たちの状況を考えると、学校が中心となって、そこで体を動かすという機会を作ってあげないと、なかなか運動する機会というのも少なくなってきていることも考えられるかと思います。
  そこで子供たちの体力に関しましては、体育の専任教員というのが小学校では考えてもいいのではないかと思っております。専任の教員を置くことによって、ずっと体力の向上と言ってきても、なかなか体力向上が数値として現れないところで、機会であったり時間であったり、それから運動の方法であったりということをうまく教えることによって、子供たちの体力というのは伸びてくるはずだと思っております。
  もちろん体格のところでは、非常に体も大きくなって、栄養状態も良くなっているということを考えれば、運動する時間であったり、運動する場であったり、それから指導法であったりというのをうまく入れることによって、体力の向上が望めるのではないかと思います。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  では天笠委員ですが、宮本委員、大島委員、安藤委員、神長委員ですかね。天笠委員、お願いします。
【天笠委員】    失礼いたします。先ほどの荒瀬委員の御発言と、私、同じ思いも持っておりまして、高等学校における教科・科目の方向性というんでしょうか、その科目それ自体、一つ一つについての方向性というのは特に異論がないと、こういう申し上げ方をさせていただきたいと思います。ただ、その一つ一つが全部集まったときにどういう姿になるかというと、私が描く次の時代の高校改革の方向性とは違う姿になって現れる可能性が危惧されるというか、そこのところはどういうふうにしていくのかという意味において、きょう御説明いただいた教科・科目の検討する進め方が、一つ、アイデアが欲しいところになってくるんじゃないかと。仮に全体の方向性を出して、じゃあ次、あと各教科にお願いしますというふうな、そういう段取りからすると、せっかく全体の方向性が出たのに、またそれぞれの教科は教科それぞれのお立場がありますから、そこでというふうな形になって。という意味で、そこのところをどういうふうにつなげながら重ねながらという意味で、検討の次の進め方ということも大変しっかりと押さえていかなくちゃいけない、そういう点じゃないかなと思います。
  それから、先ほど松本委員がおっしゃった、どう現場の先生にお伝えしていくのかどうなのかというのは、これは学習指導要領の、ある意味で歴史的課題と申し上げても私はいいんじゃないかと思っているんですけれども、このたびの場合には、どういうお伝え方をすることが一番受け止めていただけるかとか、あるいは私どもと先生方が一体になれるかどうかという、そういう伝え方とかということも、また一つ、工夫しなくちゃいけないんじゃないかとか。
  それやこれや考えていくと、中身の方法の検討とともに、伝え方とか進め方とか、それを併せて検討することが、一層テーマになってきているように私には思えてならないわけで、そういう点では、きょう、チーム学校と教員養成の関係の資料が出て御説明いただいたというのは、すごく私は、縦割りを少しでも一緒にしていこうという一つの工夫ではないかというふうに受け止めているわけですけれども、そういう意味において、学習指導要領改訂のマネジメントというんでしょうか、そのこと自体も一つのテーマとして我々は受け止めて、そのところにアイデア、知見というものを集積していくというふうな、またそういうことも問題意識を持つ必要があるんじゃないかなと思います。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  宮本委員、お願いします。
【宮本委員】    今、私が言おうと思ったことの半分以上は天笠委員に言われてしまったんですが、これが成功するかしないかというのは、先生方の意識、これがどう変わっていくのか、あるいはどういうふうにこの改革の方向性を理解をするのかというところにかかっているんだろうと思います。そういう意味で、趣旨から含めて丁寧に説明をしていくということが必要だと同時に、研修ですね。しっかり研修させるということが必要だと思います。
  例えば歴史で新しい科目というふうに言っても、現在、歴史を教えている教員は、大学で例えば日本史を専攻して、今も日本史を教えている。世界史を専攻して世界史を教えている。だから日本史と世界史を融合した新しい科目と言われたときに、自分が体験していないわけですから、なかなか踏み出すのは結構難しいと思います。ほかの科目についても恐らくそうだと思います。つまり自分が実際に学んだ経験がない、今まで余り教えた経験がないことを、これから生徒たちに教えていくためには、趣旨の理解と、それから十分な研修、これをしっかりしていかないと、なかなか定着しないと思います。
  そのためには、それだけの時間をどこかでしっかりと確保していただきたい。細切れの研修だけでは、多分、十分理解しないままスタートしてしまうということになりかねませんので、是非そういうことをしっかり教員が研究し、学べる時間の確保をお願いしたいと思います。
  それと併せて、中身の精選ですね。先ほど吉田委員もおっしゃいましたけれども、たくさんの知識を求められるような状況の中で、それをやりつつこれもやるということは、なかなか難しいわけです。ですから、高校段階で最低限どこまでしっかり知識として定着させるべきなのかというところを精選をしていただきたいと思います。これは、今、議論が進んでいる大学入試との関連ともなってくるわけでしょうけれども、その辺りを含めて、精選を一方でする、そしてその一方で新しいものを入れていくというバランスをしっかりとれるような形にしていただければと思います。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  では大島委員、お願いします。
【大島委員】    2点、荒瀬先生、天笠先生も既に多数の先生が申し上げている横断教育についてと、あとICTの2点について申し上げたいと思います。
  まず1点目ですけれども、多数の先生が申し上げているんですけれども、現場の教える先生がどのように横断教育に対応していくかというのが、一番重要な観点ということは、もう皆さんがおっしゃっていることと思います。その中で、今後、カリキュラムも含めて、指導要領の検討を行っていくことになるかと思うんですけれども、指導要領の検討の際には、教科書を中心とした、どうしても生徒さんが受動的に学んで先生が一方的に教えるという、その点を前提とした指導要領の作成というのが今までのスタイルだったと思うんですね。
  アクティブ・ラーニングなど、いろいろな多様な視点を持って、総合的に、かつ統合的にいろいろな面を見ていくということが必要になっていますので、実際のアクティブ・ラーニング、及び先生が指導する際にどうしていくかということも考慮して、今後、そういう指導要領の検討をしていく必要があるのではないかなというふうに思っています。
  あと、2点目ですけれども、冒頭、実際に統計を見せていただいて、イギリスと日本の教員が非常に忙しいということを申し上げていて、その中で経済的に財政的に厳しいということも御説明がありました。現場の先生が忙しい中で、新しくまたアクティブ・ラーニングの指導方法及び研修をしていくというのも、なかなか物理的に難しいというのも現状だと思うんですね。
  なので、もちろん教育としてICTを取り上げるということも大事ですけれども、実際に今、アドミニストレーティブな意味でのICTも非常に余り普及されていないんですね。大体プリントベースで、多量のプリントを配らないといけない。しかも今は情報保護法がありますので、それをシュレッダーにかけないといけないという。それだけでも非常な時間がかかるというのは現状だと思いますので、実際にもう少し現場の先生たちが、授業や新しい教授法が学べるような時間が作れるようなシステムというのを、一方で考えていく必要があるのではないかなというふうに思っております。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  安藤委員、お願いします。
【安藤委員】    ありがとうございます。私は特別支援教育の立場からお話をさせていただきます。
  今、特別支援教育がとても重要度を増しているというふうに言いますが、よく見てみると、これはしっかりと二つに分けて考える必要があると私は思っています。従来の学校教育法の改正以前の特殊教育のときからずっと続いている、障害を持っているお子さん、はっきりと障害を持っているお子さんのための個人教育と、それから、グレーゾーンと言われている、通常の学級にいて、普通の小・中学校にいて、あるいは高校、あるいは大学にもいますけれども、そういう児童生徒の中にある特別支援教育とは、はっきりと分けていく必要があると私は思っています。
  一つ目の、もともとはっきりとした障害を持っているお子さんたちのための教育は、更に学校が今は特別支援学校に分かれているわけですけれども、特別支援学校が独自にあるのではなくて、独自性を持ちつつ、地域の中できちんと一定の役割を果たしていくことが重要であるというふうに思います。それは先ほど、例えば重度の子供がインクルーシブ教育の中で通常の小・中学校、あるいは高校に来た場合にはどうするのかというような御議論がありましたけれども、そういう御発言の中にも、地域の中には必ず特別支援学校があるわけですから、その中の人的な物的なノウハウは、必ずその地域というエリアの中での通常の教育に生かせていけるはずですので、しっかりとその機能を果たしていくということが一つ重要だと思います。
  きょう私がこれから申し上げることは、そこではなくて、通常のグレーゾーンと言われている、障害があるかないか、はっきりと分からない、診断がほとんどないというお子さんたちを中心とするところの教育についてです。その目的は、通常の教育の底上げを図っていくというところにあるのであると思います。もちろん特別な支援を必要とするお子さんのためにあるのですけれども、そこに支援を投入するということで、全体的な学力の向上とか学校の安定化を図るという意味であるのだと思います。
  それをもう少し具体的に言うと、学力の向上のための様々な学び方の措置だとか、教授法の措置だとか、あるいは不登校等のいろいろな背景にある要因はLDであるというふうに言われていることもかなりありますので、学び方が分かれば、そういう学校の中で不適応を起こしている子供たちも学びやすくなるだろうと。
  それから、近年問題となっているもう一つは、ソーシャルスキルが低学年のうちから、学校に入るべき、昔はできていたことができていなくなってしまっていると。そういうソーシャルスキルを特別に高めていくということも必要だと。それは全ての子供たちにとって、例えばスタート・カリキュラムというようなこともありますが、その中にも含まれていて、大変全ての子供たちに有用であろうということです。
  それからアクティブ・ラーニングのベースとしては、主体的に学ぶために、その根底となるような、ベースとなるようなスキルを既に持っていることが大事なので、その学び方のプロセスの違いだとか、学びのスタイルの違いだとかを、低学年のうちからきちんと捉えていくということ。
  以上、幾つかの例を申し上げましたが、そういう意味で、通常の教育の底上げを図り、学校教育の安定化を図るという意味で、とても大事だと思っています。その結果、この今までの議論の中にも書いてありましたけれども、個別の指導計画について一言お願いをしたいと思います。
  個別の指導計画とか、それから個別の教育支援計画は、現在の特別支援教育の中で、障害があるお子さんにとっては必要であるというふうに明示されていますが、私が先ほど述べた2番目の人たち、グレーゾーンの人たちには、ほとんど手をつけられていません。ただ、報道の中では、例えばホームスクールとかフリースクールのような場所で学ぶ子供たちのために、個別に指導計画を作ることが必要であるということも報道で載っておりますけれども、この教育課程の検討に当たっては、このような教育的ニーズのある全ての子供たちに対して、しっかりとした個別の指導計画を作るということを盛り込んでいただけたらと思います。
  それによって、一人一人の指導計画がカスタマイズできて、PDCAサイクルの中で本当にこの学習が子供たちの手に届いているのか、子供たちが学べているのかということを常に評価をし、修正をしながら、教育課程を子供たちと一緒に進めていくということにつながると思います。
  最後に、その結果として、学校の中では、チーム学校の中で、多様性のあるプログラムを、つまり一人の先生が考えるのではなくて、様々な学校内外の人たちが寄り集まって会議を開きながら、この個別の指導計画を検証していくという見方が大事かと思います。
  もう一方、システムの問題としては、先ほど申し上げたように、地域にある特別支援学校を含め、様々な今ある特別支援教育のリソースをうまく組み合わせて、教育課程が特別な教育課程と通常の教育課程が全く切り離されてしまっている、連続的でないというところから、より柔軟で連続的なものに変わっていくということを期待したいと思います。
  以上、よろしくお願いします。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  神長委員、お願いします。
【神長委員】    私は幼児教育の充実と小学校教育との接続についてということで発言いたします。ただ、内容としては、これまで皆さんの御意見にありました、学習指導要領をどう伝えていくかとか、どう実践に移していくのかということと、非常に共通しております。特に小学校以降の生活や学習の基盤を作るという、これは現行の幼稚園教育要領の言葉にある文言でございますけれども、そのことの意味をより一層現実のものにするというのは、非常にちょっと曖昧な言い方かもしれませんけれども、実際そのことを十分に定着していくということが、今回ここに書かれております幼児教育の充実と小学校教育の円滑な接続につながるのではないかなというふうに考えております。
  それで、この文言は現行の中にもあるわけですけれども、幼児教育を担う先生方が、これを踏まえながら、園の教育課程ないし指導計画、実践をしているわけですけれども、なかなか定着していかないという背景には、今回も取りまとめの御意見の中にありましたけれども、小学校といかに接続していくのかということに対する、小学校の側からのスタート・カリキュラムという形で提案されておりますけれども、それが進んでいくことに非常に左右されて、大きな要因になるのかなと思っております。
  そのときに、幼児期の教育から小学校教育に移行していくことを踏まえますと、幼児期の教育を担う人材も、それなりの実践力を付けていかないと、小学校、5歳児に確かに小学校につながる学びの芽生えというものが十分に見られますけれども、それをより豊かな体験として、心揺さぶられるような体験として一人一人の子供たちの中に定着していくためには、そこで先生方の実践力といいますか、物や人との関わりを作りながら子供たちの活動を豊かにしていくという、そういった力をしっかり付けていかなくてはいけないのではないかなというふうに思っております。
  先ほど研修という話もありましたけれども、もちろん研修も十分必要ですし、小学校につながっていくということを、連続して子供たちの発達や学びを見ていく、そういった視点をしっかりと身に付けていくことも大事かと思っております。
  もう一つは、小学校の側からすると、スタート・カリキュラムという中で、生活や学習の全般を幼児教育で担っているものがあるので、その全般から見ていただくということはとても大事かなと思っています。
  ただ、更にそういった小学校以降の生活や学習の基盤を作るという視点からすると、家庭との連携というのは非常に不可欠な問題でして、家庭の理解を得るというために十分な啓発をしていくということも大事ですし、啓発をしながら幼児教育を一緒に担っていくという、そういった連携を作っていくことも不可欠だと思っています。そうするためには、先生方の資質というところに来るわけですけれども、養成から現職へ移行していく際に、先生方がそれをしっかり支えていくようなシステムも作っていかなくてはいけないのではないかなと思います。
  小学校以降の生活や学習の基盤を作るということが、学習指導要領や幼稚園教育要領の中に入ってはいるわけですけど、それをより強化するということを入れたとしても、それを支える仕組みということを十分に考えていくことが必要ではないかなと考えております。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  では髙木委員、尾上委員、若江委員ということで、髙木委員、お願いします。
【髙木委員】    お願いいたします。私はカリキュラム・マネジメントとしての教育課程の作成について述べたいと思います。
  現在も教育課程は各学校ごとに作成されておりますが、しかし現状は、教科書に合わせてそれぞれの各教科書会社から示されていると言っても過言ではありませんが、そういったものを教育課程として示されている現状が多い。特に教科書の内容に沿ったものでありまして、学校独自の教育課程が組めていないというような状況もあるかと思います。
  そこで、教科書の在り方も含めて、どういうふうに教育課程を各学校ごとに組んでいけるかというようなことを考えませんと、先ほど天笠委員からも出ているような、カリキュラム・マネジメントとして総合的に教育課程を考える場合に、各教科ごとのものが強くそこで打ち出されてしまうという危惧を持っております。できましたら各学校で、目の前の子供たち、それから児童生徒に合わせて、教育課程の内容を検討も含めまして、学校ごとに実態に合った教育課程を作るシステムが、これからの時代に求められてくる。それが今回の指導要領の改訂にも生きてくると考えております。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  では尾上委員、お願いします。
【尾上委員】    私は学校内外の役割をもっと明確化しておくべきかなと考えております。親として保護者として、乳幼児期の時期に知っておくべきこと、やっておくべきことという、その事前の部分がすごく大事だと思いますし、当然ながら学校内だけの教育課程の部分ではあるんですが、家庭とか地域社会との関わりであったり、世代間交流をすることによって、また組織であったり、子供たちがいろんな面で身に付けられる場面が多々あると思いますし、当然ながら保護者の関わり方というのはすごく大事だと思います。
  その関わる前段には、広報であったり理解であったりという部分は当然必要であるというふうに思いますので、今、情報に関する、特に携帯、スマホに関するモラルということに関しては、学校ということより家庭というところが、今、勉強すべきというか、教えるべきポジションにあります。そういった流れで、このICT教育、デジタル教科書というところに流れていくに当たっては、本当に今やるべきことということを明確にしておくということが大切かと思いますので、是非とも事前広報といいますか、周知といいますか、そこをやっておいて、この段階に入っていくということが大切かなというふうに思います。
  以上でございます。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  では若江委員、お願いいたします。
【若江委員】    全体的なことに関わるんですが、この教育改革のあらゆるテーマが、どれもがつながっているということを、教員のみならず、社会の人たちだとか家庭にどう伝えていくかということが、すごく重要じゃないかというふうに思いました。ですので、教育に関わる私たち、私は民間の立場ですけれども、そういう情報発信の仕方、それが大切だなと。
  例えば、きょうお話の中に出た、いろいろな教育の要素が増えるから、どれを減らすかということよりも、どうやって交わりですね、クロス・カリキュラムだとか横断的な学びということで、その交わりの部分によってロスをなくしていく。だって、どれも減らすことができないはずなんですね。
  ですので、少し視点を変えて、うまく組み合わせをしていくことによってロスをなくしていくということが重要で、それは教員だけの力に頼るのではなく、私は教員養成部会にも所属をさせていただいているんですけれども、もちろん教員の資質・能力は重要であると。向上は重要であると言われますが、教員だけに頼るものではないでしょうし、冒頭にお話のありました、財政面で人数を減らしていくというのは、人数の問題ではなくてコストの問題である。
  そうすると、それをサポートしていくのが、社会教育だったりだとか地域の力というようなもので、既にそういったものは、生重委員の話にありましたように、コミュニティー・スクールの考え方ですとか、学校支援地域本部というようなことで、もう既にいろいろなことが議論されているわけですよね。
  ですので、本当に欧米が教員が指導の方に力を注げるというのは、そういう体制が整っているからであるということだとか、全てがいろんなことでつながっているということを本当にどのように伝えていくか。これは私たち教員だけに伝えていくのが重要ではなく、世の中にどうアピールしていくかということが、マスコミも含めて重要じゃないかなというふうに感じました。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  堀竹委員、どうぞ。
【堀竹委員】    ありがとうございます。今までのいろいろな議論を聞く中で、今回の教育改革の改訂がどういうことから始まったかと。そのときに、覚えた知識の量じゃないと。その覚えた知識を使って何ができるようになったかを大事にするというようなことで、今回の学習指導要領の改訂の議論が始まったと思っています。
  そうした中で、個々の教科の中身をどうするかということの議論になったときに、先ほどからもいろんな先生方から話が出ていますが、結局、覚えた知識の量というようなところに、知らず知らず議論が向いているのではないかというようなことを危惧しております。
  これからの子供たちを考えたときに、どのような社会の中で力を果たしていけるか、その力をどう育てるかということが、最大の今後の教育の眼目だろうと思ったときに、必要な資質・能力ということが、本来であればもっと議論されるべきことであるだろうと思っているのですが、どうしても議論が、今は教える中身の方に行ってしまっているので、その辺のところはバランスをとりながら進めていただくということが必要だろうと思っています。
  極端にそれがこうなっているというようなわけではありませんけれども、英語の授業のことに関して見ても、教えなければいけない、今の状況の中で英語力が必要だという議論は分かりますけれども、何をどの程度教えるかということを考えていかないと、結果的に授業の時間が足りないというようなことになったりとか、教える中身と身に付ける資質・能力というようなことのバランスということを、もう一度、議論をしていくときに、きちっと考えていく必要があるのかなと思っております。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  では奈須委員、お願いします。
【奈須委員】    今の堀竹先生との関係で、結局、僕らが問題解決をするときに使う知識の質ということが大事だと思います。大人でさえも、学問的・理論的に了解が全部できている知識を使って問題解決するわけではありませんし、僕らも問題解決をする際に、慌てて事実的知識は調べて、それで事足りるわけです。だから子供たちが高校教育の中で、現実的問題解決をしたりするときに使う知識の全てを事前に何年も前に系統的に学問的に教えようとすると、パンクをするんだと思います。
  だから、子供たちが現実の問題解決をしようとしたときに、その場で知識は集めてきます。事実的な知識は。その事実的な知識が何を意味するか、その知識がどんなことと関連しそうかという当たりが付くような力を付けるということが、各教科の任務であろうと思います。
  もちろん、その当たりを付けるためには、その基盤となる一定程度の事実的知識は必要です。何が本当のエッセンシャルなものか。つまりそれは教科の本質であるとか、応用の利く知識というようなもののうちの何がエッセンシャルで、またその関係構造に関して、どんな認識、ものの見方・考え方が欠くことができないのかということを押さえていく。それによって、事項的知識量はやっぱり減らしていかざるを得ないんだろうと思います。
  事項的知識量が増えてしまうと、その一つ一つを潰してしまうという授業になりがちで、それはアクティブ・ラーニングからどんどん遠のいていきますし、実際、問題解決に使うときに、何年も前にとりあえず聞いたことがある知識なんか、全部忘れて使えませんから。また結局、そのときに調べるわけですよね。
  だから、そういった現実の問題解決、あるいは子供たちが学校を離れた後、一生涯にわたって、より良き問題解決者として生きていく。また、それは市民として生きていく、主権者として生きていくということでもありますけど、その基盤となるような資質・能力、その資質・能力を支える根底的な知識と、その関係構造を押さえるということが、各教科の指導要領の内容の議論をする根幹に、今回なるといいなと思っております。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  市川委員、どうぞ。
【市川副部会長】    今日もたくさんお話が出ましたけど、今回の改訂に当たって一つのポイントとなっているのは、教科の連携ということではないかと思います。
  その教科の連携の反対の状態というのは、教科ばらばらということですね。実際に小学校・中学校・高校を拝見していると、小学校ですと、学校としての何かテーマを決めたり、それから一つの算数の授業とか国語の授業というのでも、全部の先生が授業検討会などに出て意見を述べ合うという光景はよく見られます。ところが中学校になった途端に教科の壁が厚くなって、仮に一緒に集まるにしても、ほかの教科に対して口を出すということがほとんどなくなってくると。高校になるともっと極端でして、もう学校としてのテーマを決めるとか、教科を越えて一緒に集まる協議会ということすらめったに見られなくなっていきます。もちろん全ての学校がそうだというわけではありません。それを乗り越えている学校もあります。
  ただ、今回、教科横断的に資質・能力を育てるとか、そして教科方法としては共同学習とかICTとかアクティブ・ラーニングということが入ってきたときに、教科を越えて先生方が授業検討をすると、授業作りの体制を作るということが、どうしても求められてくるし、また、それをしないとうまくいかないだろうと。あるいは、しないのはもったいないと私は思っています。
  ところが実際には、中学・高校となるにつれて、学会というのも○○教育学会ということで完全に教科ごとの体制ができていますし、教員養成の方も○○教育の先生を養成するという体制が出来上がっている。その中でこういうことを進めていくというのは大変難しいだろうと思います。
  どうすればということになるんですが、研修とか意識改革という話も出たんですけれども、私はそれはもちろん大事だと思います。ところが研修といっても、教育委員会が先生方を集めて理論研修をするというだけでは、なかなか進まないのではないかと。私は、そのときにかなり大きな影響力を持つのは、モデル校ではないかと思います。学校の先生は理論的な話を聞くよりも、具体的な先生の姿、学校の姿、子供の姿を見て、ああ、なるほど、こういうイメージなのかということが湧いてくると。
  そういう、教科を越えて指導案作りをするとか、あるいは授業後の検討会をするというところが決してないわけではありません。そういう学校の姿を見るということと、それから授業の姿だけを見るのではなくて、よく教育委員会も、例えば県の方からこういう授業がいい授業ですよというようなことを配るという、DVDを配るというようなことも今ありますが、その授業の姿だけをDVDで配付して見せるのではなくて、その授業ができる前に、その学校は一体どんな体制を作って授業作りをしているのか、授業検討会をやっているのかということまで含めないと、各個人の力量ということにされてしまうと、なかなかそういう授業も出来上がらないのではないかと思います。
  そのときに、今日出たチーム学校というお話なんですが、私は余り詳しくないので、出ていたら恐縮ですけど、こういう教科を越えた授業作りの体制をどうやって作っていくかという話は、もっと入ってもいいのではないかと思っています。これは十分強調するだけの困難な課題でもありますので、是非そういうことを盛り込んでいただけたらと思いました。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  まだまだ議論あろうと思いますけれども、今日のところは時間ですので、引き続き教育課程部会として、教育課程企画特別部会における検討状況を随時御報告いただきながら、今日の議論を継続させていきたいと存じます。また、事務局におかれまして、今日の議論のまとめを企画特別部会の方に御報告いただきながら、十分に連携して議論を進めたいと存じます。
  まだもう一つ、議題がございます。次の議題でありますけれども、「国際バカロレア・ディプロマ・プログラムの導入を促進するための教育課程上の措置について」ということで、事務局から資料の御説明をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    議題2の前に、議題の1に関しまして事務局説明の補足でございますけれども、本日、説明の中で、4月20日の前回部会からの流れの中で御説明をさせていただいたわけでございますけれども、ある意味、カリキュラム全体で何を目指すか、それから各教科の意義、この両面から迫っていく必要があるという御議論を、企画特別部会では頂いているところでございます。
  前回、4月20日におきまして、そのカリキュラム全体につきまして、ある程度御議論を頂いた中で、本日は、ある意味、各教科の意義の方に光が当たってしまった中で、各教科の方が従来型の議論をしているのではないかというような誤解も与えてしまった部分があるかもしれませんが、そういうわけではございませんで、前段のカリキュラム全体で何を目指すかという資質・能力を踏まえて、各教科はこうしていくべきであるというような今日の資料になっているところでございますので、その点は事務局からの説明が大変不十分で誤解を与えてしまったことを、一つおわびを申し上げたいと存じます。
  失礼いたしました。議題の2に移らせていただきます。国際バカロレア・ディプロマ・プログラムの導入を促進するための教育課程の特例措置についてでございます。お時間ございませんので、資料の2-1の1枚を中心に御説明をさせていただきます。
  国際バカロレア・ディプロマ・プログラムにつきましては、これは16歳から19歳を対象といたしましたプログラムでございます。2年間で履修し、最終的には国際バカロレア資格を取得できるというものでございまして、詳細につきましては資料の2-2におきまして御説明をさせていただいておりますが、特に平成25年の閣議決定におきまして、一部日本語による国際バカロレアの教育プログラムの開発・導入等を通じまして、認定校の大幅な増加、2018年までに200校ということが閣議決定されているところでございます。
  また、先般出されました教育再生実行会議の7次提言におきましても、認定校におきまして、学習指導要領と国際バカロレア・ディプロマ・プログラムの双方を、より無理なく満たせるようにするための措置を講じるということが提言されているところでございます。
  これを受けまして、お手元には少しグレーの紙ファイルがあるかと存じますけれども、その中にも少し履修例ということで載せさせていただいておりますけれども、現在、両方を、学習指導要領と国際バカロレア双方を履修しようとしますと、正直、毎日8時間目ですとか、かなりの履修の負担が生じているところでございますけれども、これを高校の標準履修単位でもございます90単位程度で双方が満たせるというようなことを念頭に、特例措置の新設を御提案させていただいているところでございます。
  特例の内容といたしましては、具体的には一つは、学校設定教科・科目として設置しましたディプロマ・プログラムの科目につきましては、生徒及び学校の負担を軽減するために、卒業に必要な単位数に参入できる上限を拡大するということ。具体的には20単位から36単位に拡大するということ。また、二つ目は、英・数・理の必履修科目及び総合的な学習の時間、これらにつきましては、バカロレア・ディプロマ・プログラムの内容と学習指導要領の内容に整合性がございますことから、関連する科目の履修をもって、これらの必履修科目の履修に代えるということができるということ。また、国語以外の教科について、英語による指導が可能となるというような措置を本日御議論いただきまして、できますれば本年夏頃をめどに、公布・施行してまいりたいと考えてございます。
  時間の関係で、資料の2-2の方は割愛させていただきますけれども、御質問等ございましたら、また御発言の中で頂ければと存じます。よろしくお願いいたします。
【無藤部会長】    ありがとうございました。時間が押し迫っておりますけれども、多少の御意見、御質問を頂く時間をとりたいと存じますので、何かある方はお手をお挙げいただくということでございますが、いかがでしょうか。
  荒瀬委員、お願いします。
【荒瀬委員】    ありがとうございます。今御説明いただいた履修例を見ても、要は現在行っている教育改革、新しい学習指導要領を含めたこういったものを、言わば本体をより補強するためにも、この国際バカロレアの内容について広げていっていただくと。
  だから新たなものをやるわけですけれども、しかし、飽くまでも本体は我が国の学習指導要領を充実させて、我が国の高等学校・中学校・小学校・幼稚園の教育を良くすることだと。ですからこういう、余計なものとかそういう意味では全くなくて、このことが学習指導要領を理解してもらう上でも意味を持つように、是非様々な形で広報していただきたいということを思います。
  以上です。
【無藤部会長】    非常に大事なポイントをありがとうございました。ほかにございますか。
  時間が押し迫っているとプレッシャー与えてすいませんでした。じゃあすいません、本当に時間なので、今日のところはここまでにさせていただくということでよろしゅうございますか。
  何か御質問、御意見等あれば、先ほどの企画特別部会のこともそうですけれど、事務局にメモをお渡しいただければ、事務局の方で対応していただけるかと存じます。ありがとうございました。
  それでは、本日予定いたしておりました議題、ここまでにさせていただきます。次回の予定につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    失礼いたします。次回ですけれども、企画特別部会のスケジュールの方も踏まえさせていただきまして、企画特別部会は実は12回目が7月の22日、13回目が8月の5日という予定でございますけれども、論点整理がまとまる前に教育課程部会においても御意見が頂けますよう、また予定を調整させていただきたいと思います。
  また、本日、かなり資料が大部にわたってございますので、郵送の方をさせていただきますので、必要な先生方は机の上に置いておいていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  それでは、本日の教育課程部会はここで終了させていただきます。御苦労さまでした。

──  了  ──

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