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教育課程部会(第92回) 議事録

1.日時

平成27年4月20日(月曜日) 10時00分~12時30分

2.場所

旧文部省 6階 第2講堂

東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 教育課程部会運営に関する手続きについて
  2. 道徳に係る学習指導要領の一部改正等について(報告)
  3. 初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(意見交換)
  4. その他

4.議事録

【大杉教育課程企画室長】    皆様、おはようございます。本日は中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会(第92回)のためにお時間を頂きまして、誠にありがとうございます。
  初めに、小松初等中等教育局長より一言御挨拶申し上げます。
【小松初等中等教育局長】    皆様、おはようございます。初等中等教育局長の小松でございます。本日は、大変お忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。最初に趣旨説明を兼ねまして、ごく簡単に御挨拶を申し上げさせていただきます。
  まず、文部科学省では、昨年11月に「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」という諮問を行いまして、次期学習指導要領改訂に向けて議論をスタートしたというところでございます。この議論の中核を担っていただきますのが、皆様に御参加・御協力いただきます、この教育課程部会でございます。
  これが第1点でございまして、第2点、本日は臨時委員の先生方を含めまして今期、すなわち第8期の委員がそろった形での最初の教育課程部会ということになりますが、御承知おきを頂ければありがたいと存じますのは、本日の会議に先立ちまして次期学習指導要領に向けた検討等を遅滞なく進めるために、本年の2月25日の今期の中央教育審議会の総会の後、この初等中等教育分科会を開きまして、その終了後に成員のみで教育課程部会そのものにつきましては開催をいたしまして、部会長の互選等委員改選に伴う手続のみ行っているところでございます。
  最後に、もう1点、次期学習指導要領の改訂に向けた議論は、今期、第8期中央教育審議会の中でももとより最も重要な審議事項の一つでございます。その議論の中核を教育課程部会の皆様方に担っていただくことになりますので、大変お忙しいところをお時間・お手を煩わせますけれども、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
  以上をもって御挨拶とさせていただきます。
【大杉教育課程企画室長】    次に、本部会の委員を御紹介させていただきます。お手元の資料1-1といたしまして、教育課程部会委員名簿をお配りさせていただいております。それでは、お席の順とは前後いたしますけれども、名簿の順に御紹介をさせていただきます。
  生重幸恵委員でございます。
【生重委員】    生重でございます。よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    尾上浩一委員でございます。
【尾上委員】    尾上です。どうぞよろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】    篠原文也委員でございます。
【篠原委員】    よろしく。
【大杉教育課程企画室長】    田中庸惠委員でございます。
【田中委員】    よろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】    田邉陽子委員でございます。
【田邉委員】    田邉です。よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    福田純子委員でございます。
【福田委員】    よろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】    無藤隆委員でございます。
【無藤部会長】    よろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】    米田進委員でございます。
【米田委員】    よろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】    天笠茂委員でございます。
【天笠委員】    よろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】    荒瀬克己委員でございます。
【荒瀬委員】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    安藤壽子委員でございます。
【安藤委員】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    市川伸一委員でございます。
【市川委員】    よろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】    大島まり委員でございます。
【大島委員】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    神長美津子委員でございます。
【神長委員】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    銭谷眞美委員でございます。
【銭谷委員】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    髙木展郎委員でございます。
【髙木委員】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    土井真一委員でございます。
【土井委員】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    奈須正裕委員でございます。
【奈須委員】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    堀竹充委員でございます。
【堀竹委員】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    松岡敬明委員でございます。
【松岡委員】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    松本茂委員でございます。
【松本委員】    よろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】    宮本久也委員でございます。
【宮本委員】    よろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】    吉田晋委員でございます。
【吉田委員】    よろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】    若江眞紀委員でございます。
【若江委員】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    ありがとうございます。
  それから、本日は御欠席ですけれども、羽入佐和子委員、廣田康人委員のお二人が本部会の委員として御就任を頂いております。
  続きまして、文部科学省からの出席者を紹介させていただきます。
  初等中等教育局長の小松でございます。
【小松初等中等教育局長】    よろしくお願い申し上げます。
【大杉教育課程企画室長】    大臣官房総括審議官の德久でございます。
【德久総括審議官】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    大臣官房審議官生涯学習政策局担当の徳田でございます。
【徳田大臣官房審議官】    よろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】    大臣官房審議官初等中等教育局担当の中岡でございます。
【中岡大臣官房審議官】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    大臣官房審議官初等中等教育局担当の伯井でございます。
【伯井大臣官房審議官】    よろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】    教育課程課長の合田でございます。
【合田教育課程課長】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    幼児教育課長の淵上でございます。
【淵上幼児教育課長】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    特別支援教育課長の井上でございます。
【井上特別支援教育課長】    よろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】    高等教育改革プロジェクトチームリーダーの水田でございます。
【水田主任視学官】    よろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】    主任視学官の清原でございます。
【清原主任視学官】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    情報教育振興室長の新津でございます。
【新津情報教育振興室長】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    外国語教育推進室長の圓入でございます。
【圓入外国語教育推進室長】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    国立教育政策研究所長の大槻でございます。
【大槻国立教育政策研究所長】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    教育課程企画室専門官の小野でございます。
【小野教育課程企画室専門官】    よろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】    私、教育課程企画室長の大杉と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
  それでは続きまして、冒頭局長から御説明申し上げましたとおり、2月25日の総会後に行われました教育課程部会、これが91回になりますけれども、それにおきまして資料1-2の3ページにございます中央教育審議会令第6条3項に基づきまして、委員の互選により無藤隆委員に教育課程部会長が選任されています。
  ここからの議事進行につきましては、無藤部会長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【無藤部会長】    はい、よろしくお願いいたします。
  部会長を仰せつかってございます無藤でございます。よろしくお願いいたします。
  先ほど局長より御挨拶の中で趣旨説明もありましたけれども、今期の教育課程部会は2年間だと思いますが、大変重大な使命を仰せつかっております。学習指導要領の改訂ということが予定されているわけです。
  後で事務局から御説明があろうと思いますけれども、既に1月末より、この教育課程部会の下で教育課程企画特別部会というものが作られております。そこでは学習指導要領の方向性についての知見というものをまとめていくということだと思いますけれども、それを受け、また並行しながら、この本部会として学習指導要領の在り方、どういう方向での改訂なのかということを皆様方に御検討いただきたいと存じます。
  具体的には大臣からの諮問をベースにしながら、また企画特別部会の議論というものを参考にしながら、ある程度本部会で方向をまとめた上で、恐らく本年のどこかで個別の幼稚園から高校まで、また様々な教科等についての議論を分科会で行いながら、本部会で取りまとめていくと、そういう段取りであろうかと理解しておりますので、皆様方、忌憚のない御意見を頂ければと存じます。
  それでは、早速ですが、議事に入りたいと存じます。まず中身の前に、組織的なことですけれども、部会長代理の指名というものをさせていただければと存じます。中央教育審議会令第6条第5項の規定によりまして、部会長に事故あるとき、あらかじめ部会長が指名する委員にその職務を代理いただけるわけでございますが、既に教育行政の実務に携わっておられます田中委員に、教育課程部会長の職務を代理する副部会長への就任をお願いしてございます。
  田中委員におかれましては、よろしくお願いいたします。
  そしてまたもう1人でありますけれども、部会運営をお助けいただく副部会長として、教育課程に造詣の深く、また前期までも様々な形で御助力いただいた市川委員にお願いできればと思います。いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【無藤部会長】    はい、皆様よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
  それでは、次でありますけれども、教育課程部会の運営規則及び教育課程企画特別部会の設置についても、資料1-2でありますお手元の資料ですが、そのとおりに、これは決定済みでありますけれども、御報告させていただきたいと思います。
  内容について、事務局から御説明をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    失礼いたします。それでは、資料1-2を御覧いただければと存じます。
  まず初めに、その資料の1-2を裏返していただきますと、一番後ろに組織図を付けてございます。総会の下に設置されている初等中等教育分科会、その下に本部会、教育課程部会、初等中等教育の教育課程に関する重要事項を審議するため、設置いただいているものでございます。それから、その下に専門部会といたしまして教育課程企画特別部会というところで基本的な方向性を、現在5回にわたりまして御審議を頂いているというような状況でございます。
  お戻りいただきまして、ページの4ページをお開きいただければと存じますけれども、中央教育審議会令におきまして、その表にございますとおり初等中等教育分科会の二というところにございますけれども、「初等中等教育の基準に関する重要事項を調査審議すること」というふうに規定されてございます。
  続きまして、16ページをお開きいただければというふうに存じますが、初等中等教育分科会運営規則におきまして、第2条でございますけれども「部会を置くことができる」、この1号におきまして「初等中等教育の教育課程に関する重要事項」ということで前回、2月25日の総会後に開催されました初等中等教育分科会におきまして設置を御了承いただきましたのが、本部会教育課程部会となるわけでございます。
  続きまして、21ページを御覧いただければと存じます。初等中等教育分科会教育課程部会運営規則でございます。ここにおきまして、「趣旨」に続きまして第2条専門部会及び臨時委員・専門委員の位置づけに関する規定、それから第3条会議の公開に関する規定、第4条会議の傍聴に関する規定、第5条会議資料の公開に関する規定、第6条議事録の公開に関する規定、続きまして第7条雑則ということで規定させていただいておりますので、御了承いただければというふうに思います。
  以上です。
【無藤部会長】    ただいま御報告いただきましたが、何か御質問等はございますか。よろしいでしょうか。
  それでは、次の議事に進めたいと思います。議題二つ目ですけれども、「道徳に係る学習指導要領の一部改正等」につきましての御報告をお願いいたします。事務局よりお願いします。
【合田教育課程課長】    教育課程課長でございます。
  それでは、今、部会長からお話がありました道徳の充実に関する学習指導要領等の一部改正について御報告を申し上げたいと存じます。お手元の資料の2-1から2-5というもので、簡単に御説明をさせていただきたいというふうに存じます。
  昨年10月に道徳教育の充実については本部会でも御審議の上、中教審として御答申を頂いていたところでございますが、先月、3月27日にこれに係ります学校教育法施行規則及び学習指導要領の一部改正というものが行われたものでございます。その御報告でございます。
  資料2-1、A3判の大きな資料でございますけれども、これにつきましては、先生方御案内のとおり、教育再生実行会議において、道徳の新たな枠組みによる教科化ということが提言をなされたところでございます。それにつきましては、下の左側でございますが、「道徳教育の充実に関する懇談会」、これは本委員でもいらっしゃいます土井真一先生にもお加わりをいただいて御審議を頂いたものでございますが、それを前提にしまして中央教育審議会、真ん中でございますが、御審議を賜った上で、今回の改正になったという全体の運びでございます。
  資料2-2を御覧いただければと思います。今回の枠組みでございますけれども、道徳の懇談会におきましても、それから中央教育審議会の答申におきましても、道徳は、昭和33年の特設道徳の創設以来60年行われてきたわけでございますけれども、「道徳の時間」は各教科に比べて軽視されがちではないか、あるいは読み物の登場人物の心情理解のみに偏った形式的な指導が行われているのではないか、発達の段階などを十分に踏まえず、児童・生徒に望ましいと思われる分かり切ったことを言わせたり書かせたりする授業が行われているのではないかということが、これは学校現場の先生方のアンケート調査などからも出てきた課題でございます。
  これらを踏まえまして、「道徳の時間」を「特別の教科  道徳」と、引き続き週1コマ1時間でございますが、新たに位置づける学習指導要領等の一部改正を行わせていただいたというものでございます。先ほど申し上げましたように、昭和33年の特設道徳の創設以来、60年ぶりの道徳の抜本的な改善・充実ということになります。
  その具体的なポイントでございますが、道徳科に検定教科書を導入する、それから内容につきまして、いじめの問題への対応充実や発達の段階をより一層踏まえた体系的なものに改善するということ、それから三つ目でございますが、問題解決的な学習や体験的な学習などを取り入れて、指導方法を工夫すると、この点は非常に大きなポイントでございまして、これまでのように特定の価値観を、いわば押し付けると申しますか、教え込むというような道徳ではなくて、答えが一つではない課題について道徳的に向き合って議論したり考えたりするというようなことを、どういうふうに取り組むのかということが今回大きな課題として、道徳教育の枠組みとして位置づけられたということでございます。
  また最後でございますが、数値ではなく、児童生徒の道徳性に係る成長の様子をいかに把握するかという観点から評価を行うということでございまして、これによりまして「考え、議論する」道徳科への転換によって、児童生徒の道徳性を育むということを今回の大きな主眼といたしております。
  一番下にございますように、小学校については平成30年度、中学校については平成31年度から検定教科書を導入して「道徳科」を実施するということでございます。
  この内容についてでございますが、資料2-3というものを御覧いただければと思います。これは3月27日に告示の改正を公示をいたしました際に、私どもの事務次官から出させていただいた通知でございますけれども、1枚おめくりいただきまして、1枚目の裏を御覧いただければと思います。ただいま御説明申し上げましたように、裏のところの上から7行目でございますが、「今回の改正は」という文章がございます。平成26年10月の中央教育審議会答申、まさに本部会でも御議論いただきました「道徳に係る教育課程の改善等について」というものを受けまして、道徳教育の改善・充実を図るために特別の教科である道徳として新たに位置づけたということが書いております。
  その後、少し飛びまして、「このことにより」という文章がございます。このことにより、これは答申の文章でございますが、「特定の価値観を押し付けたり、主体性をもたず言われるままに行動するよう指導したりすることは、道徳教育が目指す方向の対極にあるものと言わなければならない」、「多様な価値観の、時に対立がある場合を含めて、誠実にそれらの価値に向き合い、道徳としての問題を考え続ける姿勢こそ道徳教育で養うべき基本的資質である」、まさに本部会でも御議論いただいたことでございますが、この中央教育審議会答申を踏まえて、発達の段階に応じ、答えが一つではない課題を一人一人の児童生徒が道徳的な問題と捉え向かい合う、「考える道徳」、「議論する道徳」へと転換を図るものですということで、私どもとして、今回の道徳の特別教科化の趣旨を御説明をさせていただいているところでございます。
  資料2-4でございますが、この今回の改正につきましては、いわゆるパブリックコメントということで、広く国民の方々からも御意見を頂いたところでございます。結果的には5,993件の御意見を賜りまして、これはさきの、平成20年度の全体の改訂に匹敵するほどの多くの御意見を頂いたものでございまして、国民の高い関心を表しているというふうに思っております。また、連日、国会でも御質疑を賜っておりまして、私ども、一つ一つ丁寧に説明をさせていただきながら、御理解を頂きながら、この道徳の特別教科化を実のある形で前進をさせたいというふうに思っております。
  2-4につきましては、御説明を省かせていただきたいというふうに思っております。
  最後の資料の資料2-5でございますけれども、このように3月27日に答申を踏まえまして学校教育法施行規則と学習指導要領の一部改正を行ったところでございますが、今後、この2-5の括弧が入ったところでございますけれども、この改正を受けまして夏にかけて小学校学習指導要領の解説・総則と、それから「特別の教科  道徳」、及び中学校学習指導要領の解説の作成・公表を行うということで、今現在整理をいたしているところでございます。
  また、近く「道徳の評価の在り方に関する専門家会議」の設置・審議を行うということにしておりまして、先ほど申し上げましたように、数値ではなく記述式で子供たちの伸びを個人内評価としてどう評価するかというのは、なかなか難しいことでございますので、専門家・実務家の方々に集まりいただきまして御審議を頂くということになっております。
  その上で、27年度内というふうにありますけれども、「道徳の評価の在り方に関する専門家会議」の審議を踏まえて、道徳の指導方法等に関する教師用資料の作成・配布などを行いながら、27年度、28年度、29年度ということで編集・検定・採択というプロセスを経まして、平成30年度から小学校で、31年度から中学校で「特別の教科  道徳」がスタートするということになってございます。
  私どもは、これをしっかりと前に進めるためには、一つは今申し上げました評価の問題、それから教科書をいかに、考える道徳、議論する道徳の素材とするかという意味での教科書の充実、それからもとより教師に対する研修ですとか、あるいは教員養成の在り方というものも含めた改善・充実というものが必要だというふうに思っておりまして、これらを総合的に30年度・31年度に向けて引き続き取り組ませていただきたいというふうに思っている次第でございます。
  簡単ではございますが、御説明は以上でございます。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  今、課長の御説明のとおりでありますけれども、「特別の教科  道徳」の学習指導要領の改訂そのものは3月に済んだところであります。本部会として、今後、評価の問題と多少議論するべきことはあろうと思いますし、また他の部会などで、例えば教員養成等も議論していただけると思いますし、また教科書の在り方についても、多分もう1度議論されるのかと理解しております。
  今の課長の御説明につきまして、御質問・御意見がある方はよろしくお願いいたします。恐縮ですけれども、目の前に名札がありますので、挙手するときに、この名札を縦にしていただいて、分かりやすくしていただければと思います。どなたかございますか。
  よろしいでしょうか。はい。もし後で何か思い付ければ、戻っていただいても構いません。とりあえず先に進ませていただきたいと思います。
  それでは、議題の3番目になりますけれども、「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方」についてであります。事務局から教育課程企画特別部会における議論の報告をお願いしたいと存じます。その後、意見交換をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    失礼いたします。それでは、少しお時間を頂きまして、諮問を受けた「教育課程の基準等の在り方」に関する議論、特に特別部会における議論の状況の御報告を申し上げたいというふうに存じますけれども、第8期のスタートということでございますので、改めて少し諮問の内容につきましても御説明を申し上げたいというふうに存じます。
  資料3-2、3-3、それから3-4が諮問の関係の資料になってございます。諮問本体は3-2になりますけれども、概要ということで3-3の黄色い横の資料を御覧いただければというふうに存じますけれども、諮問の概要というところでございます。
  趣旨といたしましては、これからの様々な社会の変化を踏まえて、そうした時代を乗り越え、伝統や文化に立脚し、高い志や意欲を持つ自立した人間として、他者と協働しながら価値の創造に挑み、未来を切り開いていく力、こういう力を育む教育の在り方ということを一層進化させる必要があるのではないか、そのためには、学ぶことと社会とのつながりを意識しながら「何を教えるか」という知識の質・量の改善に加えまして、「どのように学ぶか」という学びの質や深まりを重視することが必要ではないか、また、学びの成果としての「どのような力が身に付いたか」という視点が重要ではないかという投げ掛けでございます。
  審議事項の柱といたしましては三つでございます。一つ目が、「教育目標・内容と学習・指導方法、学習評価の在り方を一体として捉えた、新しい時代にふさわしい学習指導要領等の基本的な考え方」、これからの時代を、自立した人間として多様な他者と協働しながら創造的に生きていくために必要な資質・能力の育成に向けた教育目標・内容の改善、課題の発見・解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習の充実と、そうした学習・指導方法を教育内容と関連づけて示すための在り方、それから学習評価の改善ということでございます。
  概念図といたしまして、2ページに構造化のイメージということを示させていただいているところでございます。
  1ページの審議事項の柱に戻っていただきまして、2本目の柱が「育成すべき資質・能力を踏まえた、新たな教科・科目等の在り方や、既存の教科・科目等の目標・内容の見直し」ということで、これは後ほど3ページ目以降で御説明をさせていただきます。
  それから3番目が、「学習指導要領等の理念を実現するための、各学校におけるカリキュラム・マネジメントや、学習・指導方法及び評価方法の改善支援の方策」ということで、各学校における教育課程の編成・実施・評価・改善の一連のカリキュラム・マネジメントの普及、「アクティブ・ラーニング」といった新たな学習・指導方法や、新しい学びに対応した評価方法等の開発・普及ということが3本目の柱でございます。
  2本目の柱に関連いたしまして、3ページを御覧いただければと思いますけれども、「教科・科目の在り方や、教育内容の見直し例」ということで、一つ目がグローバル社会で求められる力の育成、(1)(2)(3)(4)とございますけれども、グローバル化の中で言語や文化が異なる人々と主体的に協働していくことができるよう、外国語で躊躇せず意見を述べて他者と交流していくための力や、我が国の伝統文化に関する深い理解、他文化への理解等をどのように育むべきか、特に英語の能力について以下のような点をどのように考えるべきかということでございます。
  それから高等学校教育でございますけれども、中教審における高大接続改革に関する議論、これまでの関連する答申なども踏まえつつ、高校生が国家・社会の責任ある形成者として、自立して生きる力を身に付けることができるよう、以下のような課題についてどのように改善を図るべきかということで、今後、国民投票年齢が満18歳以上となることなども踏まえまして、主体的な社会参画という力を実践的に身に付けるための科目の在り方、地歴の見直しの在り方などなどを掲げさせていただいているところでございます。
  4ページに移りまして、「幼児教育」、幼小連携の円滑な接続の在り方、「体育・健康」ということで、オリンピック・パラリンピック開催を契機といたしました運動・スポーツへの関心・意欲の向上、「特別支援教育」ということで全ての学校において発達障害を含めた障害のある子供たちに対する対応ということを着実に進めていくための対応ということ、「その他の課題」ということで掲げさせていただいているところでございます。
  資料3-4は、この諮問に関連いたしましたデータをまとめてございますので、また御覧いただければと存じます。
  この諮問を受けまして、現在、教育課程企画特別部会におきまして、これまで5回にわたって議論をさせていただいているところでございます。資料3-1を御覧いただければというふうに思います。26年11月20日の諮問を受けまして、12月の教育課程部会におきまして特別部会の設置を了承いただいたところでございます。第1回が1月に開催されましてから、2月のヒアリング。ヒアリングにおきましては様々な校種におけますアクティブ・ラーニングの実践等について企画特別部会としてじっくりヒアリングをさせていただいているところでございます。
  また2月の改選を経まして、3月の第3回、ここにおきましても様々な国際協力の状況ということも踏まえまして、例えばOECDとの政策対話、これにつきましては2030年に向けた教育の在り方ということで、OECDの事務次長、シュライヒャー教育局長と当省の鈴木大臣補佐官との間で政策対話を行ったところでございます。また、ESD、東北スクール、国際バカロレア、それから各都道府県における様々な資質・能力の育成に向けた状況ということもヒアリングを行ったところでございます。
  1枚おめくりいただきまして、これを受けまして3月26日、4月15日と開催いたしまして、現在自由討議という形で様々な角度から御意見を頂いているところでございます。本日4月20日の教育課程部会で御報告をさせていただきますけれども、こういった形で教育課程部会本体と密にしながら議論を進めさせていただければというふうに思っております。
  今後は、教育課程企画特別部会を月2回のペースで開催いたしまして、夏までに論点整理のような形で取りまとめをさせていただければというふうに思っております。それを受けまして秋以降、各学校種別、教科等別の議論をスタートさせ、審議のまとめをおまとめいただきまして、中教審として28年度中に答申を頂くということを目指していただければというふうに思っているところでございます。
  それでは、企画特別部会の議論の状況でございます。前後して恐縮ですけれども、資料3-5を御覧いただければというふうに思います。このペーパーにおきましては、これまでの企画特別部会における御意見や、様々なヒアリングにおける発表内容や資料、諮問の内容、報告されました各種答申・提言の内容や、調査等の結果、補足資料の内容などをおまとめさせていただいているものでございます。
  まず初等中等教育の教育課程に関する現状と課題ということでございますが、社会の質的変化等と教育課程の課題ということで、例えば二つの震災を経て公共心やきずなといったものに対する評価が高まる一方で、他者との関わりを軽視する傾向も懸念されるのではないか、人口減少社会への対応ということも真正面から取り上げる必要があるのではないか、人間の様々な活動の増大が環境に大きな影響を与えるという時代において、持続可能な社会づくりを担う子供たちを育成するという観点が重要ではないか、グローバル化の中で日本人が外に出て行くときに、自分の意見を積極的に主張できるという力が必要ではないか、世界的な雇用ニーズを見ると、高い問題解決能力を有する仕事のニーズが高まっているのではないか、社会の変化の「スピード感」に対応していくことができるかどうかで格差が生じているのではないか、親がどれだけ教育に関心を持つかということで、学力にも体力にも二極化ということが懸念されるのではないか、今後の社会を踏まえれば、自分の生活や行動等をセルフコントロールできるということが重要ではないかといった御意見が出されているところでございます。
  続きまして、前回改訂の成果と次期改訂に向けた課題ということでございますけれども、前回の改訂では子供たちの生きる力の育成をより重視するという観点から、特に学力については学力の3要素をバランスよく育てるということを目指されたところでございます。これを踏まえて各学校では真摯な取組が重ねられており、その成果の一端が近年改善傾向にある学力調査の結果にも表れているのではないか、しかしながら、その一方で、判断の根拠や理由を示しながら自分の考えを述べることについて課題が指摘されたり、自己肯定感や社会参画の意欲ということに関しても課題が指摘されているのではないか、これまでの学習指導要領は学問的な体系に沿って体系化をされているが、教科横断的にどういう力を育てるのかという観点からの体系化はこれからではないか、教科ごとに連携しながら指導要領をつくっていこうというのが、今回の改訂の重要なポイントではないかといった御意見を頂いているところでございます。
  続きまして、新しい学習指導要領の在り方についてでございますが、終戦から70年という節目におきまして子供たちに必要な力をどう育成していくかという観点から改訂が必要ではないか、子供たちはもともと学びたがっているし、成長しようとしている、そうした力を洗練させるという立場から議論をしていくべきではないか、子供自身のニーズに応えるような価値観の転換を伴う改訂が必要ではないか、子供たちが何をできるようになるかということを明確にしていくべきではないか、対話をしながら自分の考えをまとめていく、そういった対話の機会を意識的に作り出すということが学校では重要ではないか、また知識も身についたら楽しいし、おもしろいと思うから生徒はやるのであって、どうしたらおもしろくなるのかという観点が必要ではないか、また学校と地域社会とのつながりということで、外の風を教室に入れていくことで教育現場も変わっていけるのではないか、OECDとの政策対話でも、日本がPISAの結果に満足するのみならず、その先へ進もうとしていることへの賛辞が送られ、諸外国の例も参考にしつつ、キャッチアップということではなくて、それを超えるようなものが必要ではないか。
  また、4ページに移らせていただきますが、高等教育改革と大学入試改革をセットで進めていく必要があるのではないか、専門高校でも学校で教える基本・基礎と社会で役立つ内容・人材との隔たりが大きくなるという観点から、大きく変わらなければいけない時期に来ているのではないか、高校生に地域と向き合う機会を持たせることが重要ではないか、他学年・異世代との交流を通じて子供は大きく成長するのではないか、特別支援教育の対象となる子供たちが増える中で、特別支援学校か通常の学校かと分ける二極的な考え方に限界があるのではないか、オリンピック・パラリンピックを契機として新たな文化が生まれるというような改訂とする必要があるのではないかといった御意見が出されているところでございます。
  続きまして、育成すべき資質・能力についての基本的な考え方でございますけれども、教育基本法を踏まえて、資質・能力の上位には常に「人格の完成」を位置づけなければいけないのではないか、また、今後自立した人間として他者と協働しながら新しい価値を創造する力として、例えば主体性・自立性に関わる力、対人関係能力、他者と協働する力などなど、こういった力が必要なのではないか、また主体的に主体性を持って学ぶ力、豊かな人間性、思いやりや優しさ、また芸術性やスポーツの文化でも重要な資質・能力が育まれているのではないかといった御意見。
  また、新しい時代に求められる資質・能力として、他者と協働してチームを編成できる人、異なる価値を統合できる人、根拠等を明確に説明できる人といった人間として必要な力などが考えられるのではないかといった御意見を頂いているところでございます。
  5ページですが、資質・能力の構造の捉え方といたしまして、知識、理解、技能、能力、タイトルや価値、そういったものを全体的に膨らませながら、人間が大きく成長していくというイメージを持つのがいいのではないか、「学力の三要素」を議論の出発点としながら、主体的に学ぶ情意や協同性、認知面と情意面を統合するメタ認知などに拡張して考えていく必要があるのではないか。
  6ページに移りまして、知識についてはばらばらに獲得するのではなくてネットワーク化させることが必要ではないか、思考するためのスキルが重要ではないか、知識がどのように使われるかということをしっかりチェックしていくことが必要、一方で土台となるベーシックスキルということも重要ではないか、学習意欲というものは、起業家精神等においても重要だし、その一つではないかといった御意見を頂いております。
  また、特にこれからの時代に求められる資質・能力等といたしまして、シチズンシップにつきましては、固有の組織においてどのように生きるかということではなく、変化の激しい社会の中で、どのような位置づけ、他者とどのように生き、課題を解決していくのかという力として捉えるべきではないか、また、市民性の基礎として、様々な出来事を受け止め、自分で判断していくということが重要ではないか、グローバル化に対応していくために日本文化を学ぶ必要があるのではないか、日本の歴史的な過程を語り合える能力や姿勢を重視し、また近現代の歴史的な過程をしっかり知ることが重要ではないか、自国とグローバル双方の観点から、地理的・歴史的に考える力を高めることが重要ではないか。
  7ページですが、国語の重視、外国語になれ親しむことの重視、また英語だけではなく、多様な言語の重要性、プログラミングの重要性、基礎的な健康、コントロール、規範というものが問われているのではないか、また、レジリエンシ-を付けさせることが、様々な社会的不適合を予防するために重要ではないか、また、様々な現代的な課題に対応した「○○教育」のような横断的なテーマについては、資質・能力との関わりで捉え直す必要があるのではないかといった御意見を頂いております。
  また、発達段階や成長過程のつながりといたしまして、幼小、小中、中高などの校種間の接続・連携、また子供たち一人一人の個々の発達課題や教育的ニーズを踏まえる必要性、また現場の先生方が子供たちに本当にどんな力を付けるのかというのを自分で再構成できるようになることの重要性、8ページに移りまして、幼児教育の質、幼小のカリキュラムのつながりの重要性などの御意見を頂いております。
  続きまして「指導要領等の構造化の在り方」ですけれども、何を知っているかにとどまらず、それを使って何ができるようになるかまで含めて議論するということは、大きな変化と言えるのではないか、コンピテンシーと呼んでいるものの中に二つの層があり、教科内容に依存しないようなものと、教科ならではのものの見方・考え方というものがあるのではないか、コンピテンシーをまず整理してブレークダウンするというやり方よりも、むしろ教科の本質を上げていって、それをコンピテンシーにするという筋道を考えて整理していく必要があるのではないか。
  9ページに移りまして、指導要領全体の構造と言ったときには、教科等の構成と目標の明示から内容の取り扱いといった構成、また指導要領のみならず解説書や指導事例集も含めて、全体の姿の中で「アクティブ・ラーニング」なども含めて考えていく、整えていく必要があるのではないか、また、表現と対話ということの重要性、また子供たち自身が学ぶ意味ということを捉えられるような構造の重要性、またボトムアップ的なプロセスのみならず出口のところで具体的にこういうことができるという姿をしっかり押さえておくことの重要性、また学習指導要領は最低基準であるので、もっと発展的な能力をどのように付けていくかということを許すような構造をつくっていくべきではないかという御意見を頂いております。
  10ページ目に移りまして、学習活動の示し方や「アクティブ・ラーニング」の意義ですけれども、「何を教えるか」はもちろんのこと、「どのように学ぶか」という学びの質や深まりを重視すべきではないかということ、学習活動と教科等の内容をつなぐという構造化の観点はかなり有効であるが、一方で内容と資質を押さえることにより、学習活動が固定化されたものにならないようにしなければいけないということ、学習指導方法の議論が単なる手練手管やテクニックにならないようにしなければいけないということ、また一つの正答にいかに上手に至らせるかということではなく、物事の多面的で深い理解に至らせるための表現や対話が重要ではないかということ、システム的な思考やクリティカル・シンキングなどを育成する必要があるのではないかということ、全体的な整理とともに、各教科特有の学習プロセスの意義についての整理が必要ではないかということ、言語活動に関する分析も踏まえつつ、見通しを立て主体的に課題の発見・解決に取り組み、振り返るといった過程が重要ではないかということ、指導要領とともに解説書や指導事例集も含めた中で「アクティブ・ラーニング」を議論していくということ、それから事例集というものをきっちり組み上げていく必要があるのではないかということ。
  11ページですが、発達の特性を踏まえた学習のスタイルの違いを踏まえる必要性、「アクティブ・ラーニング」が「学ぶ意欲」につながるようにすべきだというご意見、学校や社会とのつながりを重視したことをやっていくことの重要性、子供だけではなく授業者自身が「アクティブ・ラーニング」に意義を見出していくことの重要性、また「アクティブ・ラーニング」の実施について時数の確保、これは継続的に取り組むことで一層効果的で効率的な学習が可能になるという視点も重要ではないかということです。
  12ページに移りまして「評価の在り方」ですが、評価については、子供自身が関わる自己評価など、自ら獲得していけるものにする必要があるのではないか、新たな評価なしに新たなカリキュラムはあり得ない、引き続き国内外の専門家も交え、新たな手段や道具を開発していく必要があるのではないか、「目標に準拠した評価」というのは学習指導要領の内容や事項に合わせた評価ができるシステムである、そういった中で何を評価すべきかということを明確にしていくべきではないか、評価の観点といたしましては、学力の重要な要素である3観点が分かりやすいので、これをベースに議論していくべきではないか、また評価を出口として考えるだけでは十分ではないのではないかといった御意見を頂いております。
  長くなって大変恐縮ですけれども、最後に、学習指導要領の理念を実現するために必要な方策ということで、「アクティブ・ラーニング」等の実現に向けて必要な支援方策です。「アクティブ・ラーニング」の充実に向けて、思い切ってやってみようと思えるような後ろ盾が必要ではないか、指導要領にいろいろ盛り込んだとしても、最終的には教員の資質や能力ではないか、先生方がいろいろ活用できるような外部のリソースなども明示していく必要があるのではないか、社会人の教育現場への参画への御意見、ICT活用への御意見、教材・教科書の在り方への御意見を頂いております。
  また、カリキュラム・マネジメントといたしまして、子供たちの資質・能力をしっかりと捉えられる教員の目を養えるよう、カリキュラム・マネジメントという考え方を、学校の中での研究体制の在り方という意味でも重視していくべきではないか、カリキュラム・マネジメントを学習指導要領の書き方と連動させ、その中で具体化を図ってもらえるようにするということが重要ではないか。
  14ページになりますが、教科の枠を越えた柔軟な話し合いが必要ではないか、先生方に様々な話し合い・研修を個々に求めるというよりは、それをカリキュラム・マネジメントして位置づけながら全体の中でやっていく必要があるのではないかというような御議論を頂いており、今後、「5.」の「各学校種、各教科等における改訂の具体的な方向性」について議論が進められる予定となってございます。
  最後になりますが、本日、参考資料といたしまして幾つか調査結果を付けさせていただいております。参考資料の1といたしまして、国立教育政策研究所の「小学校学習指導要領実施状況調査」の結果のポイントということで、御紹介をさせていただいております。参考資料1を1枚おめくりいただきますと、教科ごとに課題が書かれております。成果が上の段、下が課題という形になりますが、例えば国語におきましては課題解決に向けて主体的に文章を読むことや、文章の種類や特徴に応じて効果的に文章を書くことに課題があるのではないか、社会科におきましても、地図から読み取った情報を適切に表現することに課題があるのではないか、算数におきましてもグラフを用いて考え、説明することなどについて課題があるのではないかといった課題を、教科ごとに御指摘いただいているところでございますので、こういったことも踏まえながら企画特別部会の議論を進めさせていただいているようなところでございます。
  また、次の参考資料になりますが、参考資料「情報活用能力調査」についても御紹介をさせていただいております。情報活用能力調査は、児童制度の情報活用能力がどの程度の状況にあるかを計ろうとした我が国で初めての調査になりますけれども、例えば整理された情報を読み取ることについては一定程度できているのであるが、複数のウェブページから情報を見つけ出し関連づけること、情報を整理し、解釈することなどについて課題が見られるといった結果が挙げられているところでございます。
  少し簡単な御紹介で大変恐縮ですけれども、また続きまして参考資料、英語力調査の結果も御紹介させていただいているところです。これは高3生の英語力の目標を設定いたしまして、それに対する検証を行ったというものでございまして、全国の高校3年生約7万人、国公立約480校を対象に英語の4技能をバランスよく育成されているかという観点から把握・分析を行わせていただきました。
  結果といたしましては、4技能の全てにおいて課題があるとともに、特に話すこと・書くことについて課題が大きいということが見られたところでございますので、今後、英語を使って何ができるようになるかという観点から、様々な改善を図っていく必要があるということが議論になっているところでございます。
  長くなりまして恐縮でございましたが、事務局からの説明は以上でございます。
【無藤部会長】    はい、ありがとうございました。
  それでは、本日ですけれども、残り70分くらい取れるかと思いますが、委員の皆様から御意見を頂戴したいと思っております。特に今回最初でありますので、学習指導要領改訂全般ということ、また特に今御紹介いただきましたが、教育課程企画特別部会である程度の議論を進めております。まだ中間的なものだと思いますけれども、それらを踏まえながら、御質問がある場合には御意見の中に含ませていただいて結構ですので、意見交換の時間とさせていただきます。
  今回なるべく多くの委員に御発言いただきたいと思いますので、大体お一人3分以内くらいかと思いますので、よろしくお願いいたします。
  それでは、どなたからでも結構ですので、先ほど申し上げたように挙手と、この名札を立てるということで、よろしくお願いいたします。おおむね大体というところで全員に回るかなとは思いますけれども、どうぞ、順番は問いません。
  篠原先生、ありますか。はい、お願いいたします。
【篠原委員】    しょっぱなで。この学習指導要領のところなのですけれども、高等学校教育です。これでいわゆる国家・社会の責任ある形成者として自立して生きる力を身に付けると。それで丸1として新たな科目などの在り方と、国民投票年齢が18歳以上になることなどを踏まえて、いわゆる公共というような科目になるのですかね。それで、これはやはり事実上一種の主権者教育だと思うのです。
  だから、私はこれを大いに推進して学習指導要領の中でそこをしっかりとした方向づけをやることが大事だと思っているのですけれども、高校生だけでこれをやるというのは、僕はちょっと遅いと思うのです。やはり小・中学校の頃からこういうものをやはりならしでずっと身に付けさせていくと、そういう流れがあって初めて18歳投票権のときに生きてくるので、高校生だけを切り取って主権者教育をやるというのは、ちょっと近視眼的ではないかなと。だから、小中高という流れを、是非この学習指導要領の中でつくっていただきたいと。道徳の今度は教育の拡充・強化ということもあるので、そういうものと生かしながら小中のときにできるのではないかなと。
  既にこの主権者教育というのは、選ぶ側だけではなくて選ばれる側にも、今、努力してもらっているのです。例えば政党側は子供向けの政策集というのを選挙のために出して、今度の統一地方選挙でも自・公・民が出しています。それは全部漢字にルビを振ってイラストを入れて、小学生でも読めるような政策集を出してもらっているのです。ところがこちらは、学習指導要領は高校からだと。やはり、選ぶ側と選ばれる側とのコラボですから、そういうことも考えて、小中の頃からどうこうしていくかということをひとつお願いします。
  それからもう一つは、これは学習指導要領というのは学校教育なのですけれども、どうしても、道徳もそうですけれども、この主権者教育、公共の精神をどう育むかということも全部、やはり家庭の役割というのが一方であるので、ここを促していくような学校教育、学習指導要領のベクトルを是非つくってもらいたいなと。今までのを見ていると、余りそちらの方が入っていないのです。是非お願いしたい。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  特に今の高校教育の問題は、18歳から選挙権というのが可能性が高いそうですけれども、18歳というのは高校卒業ではなくて、高校在学中の投票があり得るということでありますので、高校教育は非常に大きな問題だと思いますし、また、私がこういうふうに言うのもあれですけれども、大臣諮問でもアクティブ・ラーニング、また高大接続の議論を別にやっておりますが、そういう意味で高校教育の改革というのが今回の学習指導要領で非常に大きな柱になろうということと、当然、高校につながる中学・小学校の検討というのが問題かと理解しました。
  それでは吉田委員、よろしくお願いいたします。
【吉田委員】    ありがとうございます。
  今回の教育課程の改訂というのは本当に大変な作業になると思っています。ただ、そういう中で、きょうも御説明をいろいろ伺ったのですけれども、新たな改革とは言いながら、本来なら今までもやってこなければいけなかったこと、それがなぜか点数1点刻みの記憶型の大学入試というものにとらわれて、何か教科書を教えるみたいな、覚えることによって判断する、それから子供たちの資質というものも点数さえあればいいという判断で来てしまったことが、こうやってマイナス要素になってきたのではないかと、だからといって、今度は急に変えるということなのだと思いますが、そう簡単に本当にできるのかというのを大変心配しております。
  と言いますのは、例えば今、「アクティブ・ラーニング」という言葉が今回の中ではすごくたくさん出てきています。ただ、このアクティブ・ラーニングというもの自体を本当にわかっている人が今どのくらいいるのか、それからアクティブ・ラーニングになるということによって教科書というのはもう大幅に様変わりしなければならないと思います。それが追いつくのかどうか。
  この学習指導要領の改訂で私が気になっていますのは、例えばきょうの道徳教育のスケジュールで2-5の資料でありましたように、今年3月にこの学校教育法施行規則の一部を改正して、指導要領の一部も改正して、道徳教育を変えていくと言いながら、結局、中学校に至っては2019年、31年まで実際に施行することができないわけですね。ということは時間がかかるわけです。
  今もう、この新しい教育と言われていますけれども、実際に今年中学校1年生に入ってきた保護者たちは、新しいテスト、2020年の試験というものをどういうふうになるのかと気にしていることも事実です。それに対して、今我々が何が言えるかといったら、この高大接続のテストのこともどうなるかも分からない、学習指導要領もどうなるかも分からない、そうやってそれがどこでどう変わっていくのかということは、かなりこれは国民に対しても責任があると思うし、それからここに書いてあることが、大変失礼なのですけれども、理想的なことは書いてあるけれども、何かこれを読んでいると増える一方で、子供たちが本当にここまで全部フォローできるのかどうか、それから全部の子供たちにこれまでのことを課すことが本当にできるのかどうか、英語教育一つとってもそうだと思います。
  そういう意味でも、是非、その改訂するに当たって、この10年間変えられない教育課程というものを、できればもう基本的な柱はしっかりとつくっていただかなければならないと思います。ただ、その柱の部分と、柱でない、サイドで幾らでも学校によって変えられるような部分を作ることによって、そういう臨機応変な対応ができる、そういう学習指導要領にするということもこれからの大きな課題なのではないかなという思いがございます。
  長くなって申し訳ございませんが、それから実際にあと、先ほどもお話が出ていましたが、この3-3の資料の3ページ目の、今篠原さんがおっしゃったことですけれども、国民投票が来年から実施されるという可能性があるわけです。そこにおいて、少年法の刑法に関する部分など全く変わらないで、選挙だけについて変わってくるという。子供たちにとって教育をどういう部分で、選挙違反だけはいけないけれども、ほかは保護者の責任になるんだよということでいいのかどうか。
  それから、今までも二十歳で何度か言っていたのは、やはり大学生の自治とか何とかいう問題を言いますけれども、大学において一応自治ということで、自分たちの力によって判断する力が一、二年できたから、選挙権が与えられてもオーケーだったのかもしれません。そういう意味での成人というものも、もう1回考え直さなければいけないのではないかなという思いです。ありがとうございました。
【無藤部会長】    ありがとうございました。特に「アクティブ・ラーニング」がうまく行くか否かというようなことを含めて、本部会の大きな課題というふうに理解しました。ありがとうございます。
  それでは、天笠委員、お願いします。
【天笠委員】    失礼いたします。このスケジュールというのでしょうか、そういうところについて、お願いしたいことを含めて申し上げさせていただきたいと思います。
  今回、御説明の中で、どういうシステム、仕組みで議論を進めていくかという、そういう中教審の総会から特別部会までこういう関係の中だとか、それから、今後こういうスケジュール感でおおよそ進めていくんだという、おおよその説明を頂いたわけでありますけれども、そういう中で、是非検討していただきたい点というのがあるわけです。
  それはどういうことかというと、振り返ってみると、おおよそ10年に一遍ずつ学習指導要領というのは誕生させてきたわけでありますけれども、それぞれ時代時代に誕生した学習指導要領が生まれる過程というのは、必ずしもいつも同じような議論のシステム等々で行われているわけではなくて、それぞれの時代時代を反映しながら、その意見の吸収等々をするためのシステムを作りながら、そして誕生していくと。
  ついては、例えば前回の学習指導要領のああいう議論の積み重ねとシステムの中で作られたわけであって、片や昭和50年の初めくらいのゆとりと充実等々の場合には、その当時はその当時の理論の進め方をしたわけであって、当然今回は今回なりの課題からするならば、これから問われてくるというのは、どういう議論の場を作り出していくのかどうなのかという、一つの議論の進め方のシステム開発みたいなことが、実は我々に問われているのではないかというふうに思います。
  例えば、小中一貫教育に関わるカリキュラムの議論というのは、一体どこでどういう形で検討を重ねていくことがよりベターな学習指導要領をつくっていく、そういうプロセスにつながっていくのかどうなのかとか、あるいは中高一貫の場合はどうなのかという場合に、振り返ってみると10年前、あるいは20年前のそのシステムで、小中高別々にやっていけばいいということにはきっとならないのではないかというふうに思いますので、そうした場合には、例えば小学校と中学校での議論の場をどういうふうにここにセットしていくのかとか、あるいは今回教科横断というふうなことというのがテーマになるわけですけれども、その成案を得るには、どういう組織をつくって、この中に位置づけていくと、より成案になっていくのかどうなのか。
  ですから、骨格は御説明していただいたとおりではないかというふうに思っておりますけれども、その折々に、どういうふうにそのテーマテーマに応じながら、その議論の場を作り、そしてこれを入れていくのかどうなのかということを、是非工夫をしながら進めていただきたいということなのですが、何を危惧しているかというと、せっかくアイデアが出ても、議論のフィールドを従来どおりにすると、また従来どおりの中での定まったような結論というか、というふうな形になってしまうことはないのかどうなのか。
  考えられることは教科ごとと学校ごとという結論が出ることにはなるのだと思いますけれども、そのプロセスとか、そういうことに是非今のような議論の進め方、システムの開発の仕方と重ね合わせながら進めていくということを、是非この中に検討していただき、組み入れていただきたいと、そんなふうに思っております。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございます。非常に重要な指摘で、きょう事務方ですぐ答えられるというわけではないと思うのですが、何かありますか。
【大杉教育課程企画室長】    はい。今後の具体的な進め方はまた部会長とも御相談させていただきながらというふうに思いますけれども、天笠委員から御指摘がございましたように、その教科横断的に資質・能力という観点からは議論をすることが大変重要になっているのが今期の改訂というふうに受け止めてございます。
  そのために、今回、教育課程企画特別部会を先に設置させていただきまして、そこでまずは教科横断的な方向性を一旦論点整理していただくと、それを踏まえまして教科の議論を始めるという形式にさせていただきましたのが、まず、いわゆる工夫ということの一つであろうかというふうに思います。
  また、夏以降、その専門部会の議論がスタートしまして、そこに横串を通していくのか、事務局ではもちろん影響を図らせていただきますけれども、企画特別部会、それから本部会の絡ませ方というようなことも含めて、今後御相談をさせていただければというふうに思います。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  今のようなことで、夏以降、従来のやり方ですと、各教科等の部会と幼小中高それぞれの校種別部会と組み合わせになるのですけれども、それは指導要領とか、そういうものなので、当然必要な部分ですけれども、今御指摘いただいたようなことで、現在、教育課程企画特別部会で資質・能力とか、アクティブ・ラーニングとか、あるいはカリキュラム・マネジメントとか、要するに教科・校種を問わず共通に必要な部分の枠を検討していただいておりますので、それをどう生かすか、別な部会としてやるだけではなくて、それぞれの専門部会の中にそれをいかに組み込むかについて、事務方とこの部会とで検討していきたいと思います。
  それでは、松岡委員から、はい。
【松岡委員】    よろしいですか。ありがとうございます。
  今回始めるということでございますので、私はグローバル化社会への対応という点で1点、意見を述べさせていただきたいと思います。今回、グローバル化社会への対応ということで、特に外国語、英語教育がかなり今までにないほど大きな進展を目指していくと思っていますけれども、よく外国語によるコミュニケーション能力の向上というのが取り上げられますが、私も常に思うのですけれども、そもそも今の児童・生徒というのは、日本語によるコミュニケーション能力が本当に育っているのかなと。
  そもそも、そのコミュニケーション能力とは何なのだろうか、あるいは何をもってコミュニケーション能力が高いとか、低いとか、判断しているか、そのあたりは常々疑問に思っています。とりわけ、日本語という言語は英語と比較しますと、どちらかというとやはり聞き手、受け手の理解力に対する依存度が高い言語ではないかなと。それは例えば母音の種類が少ないために、同音異義語が非常に多いですね。これを文脈の中から読み取りましょうというような指導というのは、もう小学校に入った国語の授業からずっとスタートしている。そういう言語環境の中で育ってきている私たちが、あるいは子供たちが、本当にそのコミュニケーション能力と、言語を問わずコミュニケーション能力と言ったときに、どういうふうにそこを育てていけばいいのだろうと、それを非常によく考えています。
  したがいまして、今回これから様々な議論を、企画特別部会でも議論されていることだと存じますけれども、特にグローバル化ということに特化せずに、やはり全体的にコミュニケーション能力というのはどう育てていくか、これはどの教科でも当然必要なことでございますので、是非そういう視点でも御議論いただければありがたいと考えているところでございます。
  以上でございます。
【無藤部会長】    ありがとうございます。コミュニケーション能力は、恐らく言語力というのもありますけれども、それを広げながら全ての教科時間での検討だと思いますので、それも是非検討したいと思います。
  それでは安藤委員、お願いいたします。
【安藤委員】    はい。申し訳ありません。戻ってしまうのですけれども、先ほどの教科横断的なところの議論のところに是非加えていただきたいことがあります。インクルーシブ教育システム構築のためには、特別支援教育が通常の小・中学校の中で、あるいは高校の中で推進されなければならないということが12年に出されましたけれども、実際に4.5%の子供たちが通常の学び方では学べないというところで義務教育の中にいるということはわかっています。
  学習指導要領を見ると、特別支援学校の学習指導要領と小・中学校の学習指導要領が非常に分断されているなというのを常に感じています。やはり文部科学省のおっしゃっているように連続的な学びというのを保障するには、その辺を両者が一緒に考える場というのを是非どこかでつくっていただいて、議論していただけたらありがたいなというふうに思います。よろしくお願いします。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  それでは、宮本委員、お願いします。
【宮本委員】    今回のこの学習指導要領の改訂の方向性は、やはり今の時代を反映したものだと思って非常に評価をしています。
  ただ、例えばアクティブ・ラーニングというのがかなりたくさん出てきているわけですが、自分で課題を見つけて、そして探求すると。これはとてもいい活動だと思うのですけれども、その半面、非常にこれは時間がかかる教育活動なのです。すぐにこういう力は付かないので、長い時間を掛けて計画的にこういうふうな形の指導を行っていかなければ、本当にこういう力が付かない。
  そこで、やはり一つ問題になってくるのは、知識とのバランスだと思います。例えば今、高等学校では、もう現行でもいっぱいいっぱいの中でとにかく教育活動を行っているわけで、この知識の部分が今のままで、さらに「アクティブ・ラーニング」というふうに言われてしまうと、これはもう幾ら時間があっても足りないということなのです。
  ですから、本当に必要な知識はどれくらいなのかということをやはりしっかりと見極めていただいて、そこを押さえた上でアクティブ・ラーニングという新しいものを入れていただかないと、今のものの上にというふうになっていくと、これはやはり非常に難しいのかなというふうに思います。
  それともう1点ですけれども、やはりこういうことをやっていくためには、教員自身がしっかりとした認識を持って指導に当たる必要があると思うのですけれども、残念ながら今の教員、特に高校の教員には、こういうふうなことに対する理解が必ずしも十分ではないです。したがって、やはりしっかり研修をする、意識を改革していく、そういうことをやっていかないと、なかなかこれがうまくいかないのではないかなという気がいたします。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  では、尾上委員、先に出られると聞きましたので、どうぞ。
【尾上委員】    失礼します。
  将来、社会とか、職業の在り方が大きく変わるというようなもくろみの中で、いろいろな形でこの教育改革が行われていくわけですが、どの時点をねらっているのかというのも大変重要だと思っております。
  大きく職業が変化していくということからしますと、今教えていることは、そういったことにつながっていくのかということで、厳しい挑戦の時代というのは過去の歴史を見てもたくさん事例がありました。そういったことの過去の歴史をうまく活用するのか、ましてや、また違ったところの形で、そういったもくろみを考えながらやっていくのかというところからしますと、ある面温室育ちにならないような政策と言いますか、指導要領の改訂をやらなければいけないし、知識の植え付けにもならないような形が、当然ながら必要だと思います。
  その時代時代に変化があったということから考えますと、やはり自ら切り開いていく力ということが本当に大事であると思いますので、そういったところを大人が導いていくという部分より、子供たちの発想というのがすごく大事かと思いますので、発想力を豊かにするような働き掛けというのは、これから必要かなというふうに思います。意見です。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  それでは、松本委員から順番にということで、松本委員、お願いします。
【松本委員】    1点目はアクティブ・ラーニングですけれども、大学でもアクティブ・ラーニングを積極的に取り入れて、その効果が出ているので、基本的には大賛成です。
  ただ、今回の改訂において、シンボリックな意味で使われてしまっているところが危ないなという、前回のゆとり教育のように、考えるゆとりを与えるはずが何もしないことがゆとりみたいなことで、アクティブ・ラーニングも生徒に丸投げという意味で置き換えられてしまうことがとても危険だというふうに思っています。
  本来は、綿密な指導計画を練ってリフレクションもしっかりやらなければならないものであるにもかかわらず、何か独り歩きしてしまうのが怖いという点と、それから教師主体の授業とか、個人での学習と、何か二者択一の議論になってしまうところが問題だというふうに思っていて、あくまでも指導法・学習法の一つであるというところを踏まえないといけないのではないかというふうに思います。
  それから2点目は英語力ですが、松岡委員がおっしゃったように、コミュニケーション能力ということを日本語・英語でも捉えるということは大賛成です。これまでの文科省の資料において、コミュニケーション能力をしっかりと定義したものは見当たりません。ですから、今度の学習指導要領の改訂においてコミュニケーション能力とは何なのか、それが母語の場合は何であって、外国語の場合はどうなのかということの定義をしっかりとすべきだと思います。
  その上で、今回の先ほど資料が出ました英語力調査の結果がありますように、話すこと・書くことについて大きな課題があるということですので、学習指導要領においては「can do」という、何ができるようになるのかというような書き方を、是非今度していただければというふうに思っております。
  以上です。
【無藤部会長】    はい。それでは堀竹委員、お願いします。
【堀竹委員】    ありがとうございます。
  アクティブ・ラーニングの話題が続きますけれども、私どもが考えているアクティブ・ラーニング、捉え方の概念が非常に漠然としていて、むしろ小・中・高、同じアクティブ・ラーニングであってもアプローチの仕方が当然違ってくるだろうというふうに思っているのです。そのあたりのところが明確に示されないと、やはり現場で実際に授業の中で問題解決学習しかり、そういうような言葉が先行して授業の改善ということの実態に結び付かない、こういうようなことに十分配慮して、今後議論していく必要があるだろうというふうに思っております。
  それともう一つは、学校現場におけるカリキュラム・マネジメントがどの程度各学校単位でできるかという問題でございます。特に大都市圏を中心にして若い教員が多くなっている学校の中では、学校独自のカリキュラム・マネジメント、これを進めていくというのは非常に難しい状況があるだろうと思っています。
  そうした中で、このカリキュラム・マネジメントを進める学校の独自性と、それを支援していく行政の役割といったようなことについても、議論する必要があるのではないかと思っております。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  では、米田委員、お願いします。
【米田委員】    先ほどの松岡委員、それから松本委員とも若干関係するのですが、例えばグローバル化に対応するためのコミュニケーション能力というのは、大変いろいろなところに出てまいります。私も、外国語によるコミュニケーション能力というのは特に表に出て行っているのですが、基本的には日本語によるコミュニケーション能力というものを全ての教科を通じて、やはり養う必要があるというふうに考えています。
  かつて2011年の8月29日に文部科学省でコミュニケーション教育推進会議というので、審議の経過報告にコミュニケーション能力をある程度点にしたような形で出しているのを、私はいろいろなところで話をしているのですが、いろいろな価値観や背景を持つ人々による集団において、相互関係を深め、共感しながら、人間関係やチームワークを形成し、正解のない課題や経験したことのない問題について対話、ここでの対話というのは情報や価値観を共有していない相手との言葉による交流、それをして情報を共有し、自ら深く考え、相互に考えを伝え、高め合いつつ、合意形成・課題解決する力というふうにうたっている、最終的に目指すところはここだろうと思うのですが、そこを目指していろいろなステージで言葉を使って力を付けていくというふうなところを、せっかくこういうふうな、私にとっては非常にいいなと思われる説明がありますので、そういう部分をまたいろいろなところに使っていただければありがたいなというふうに思います。
  それから、もう一つお願いします。議論等の要点のまとめをいろいろな形で様々な視点から意見を出していただいています。いろいろな、そのように片仮名で書かれたものが多いですが、それでコンピテンシーにしても、レジリエンシ-にしても、クリティカル・シンキングにしても、部分的に捉えて、これはこういうふうな意味だろうというふうにある部分だけを捉えてしまうと、それがまた大きく歩き出して、それで正確な一つの本来意図していたものが伝わらないというふうなところがやはり出てくると思います。
  学校の方にだんだん流れていくと、そういう傾向が見られますので、ある程度深くディスカッションしていただいて、これはこういうふうな意味を持つんだ、こういうふうな意味を持つんだというふうなところを出していただければ、それに基づいて学校の方でもいろいろ考えて指導していけるのではないかなというふうに思っております。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  では、福田委員、お願いいたします。
【福田委員】    アクティブ・ラーニングのお話を聞いて、現場は余り形に走り過ぎないようにしないといけないなというふうに考えました。アクティブ・ラーニングと言っても、手法的な面とか、態度的な面とか、又はイベント的な側面とか、いろいろなところがあるので、やはりそこでどういう理念の下に目標ができたかということの徹底が図られないと、私たちは何回も学習指導要領の改訂を経験してきていますけれども、理念はよく分かるのですが、ただ活動して実際に何を学んだとか言ったときには、得たものが明確でなかったり、子供によっての差が大きかったり、そういうようなことを気を付けていくということだろうなというふうに思いました。
  それから、もう一つは、学校というのは集団で学ぶ場ですから、集団で学ぶ意義って何なのかなということを改めて考えました。一つはやはりアクティブ・ラーニング的な関わりの中でしか育めないものというものがあると思います。それから日本が昔からこれだけの教育を国民に実行してきた中には、一斉でやはり生活指導を含めて学ぶことの効率と言いましょうか、そういう分かりやすい教育を、知識・理解面であれ、一斉に行うことができたということも、やはり忘れてはいけないと思います。
  ですから、そのアクティブ・ラーニング的な活動を子供に保障するだけの、そういう基礎的なものをいかに効率的に学ぶかという、教師の力だけでなく、条件設定を多様な面から考えていく必要があるかと思います。
  最後に、道徳のことなのですが、私は若い教員の頃から道徳教育について学んできた一人として、問題なのは、やはり学校間とか地域によっての差が大きいというところがあるのではないかというふうに思っています。内容については現行の学習指導要領でもよく読み込めば、今うたわれているものとそれほど違いのないことをうたっているのです。心ある教師であれば、道徳教育について座学とか、教え込みとか、そういうことはなされてきていなかったはずです。
  ですから、やはりやり直しではなく、確認と、それから方向性の強調という意味合いで出していっていただけると、ありがたいなというふうに思いました。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  では、田邉委員、お願いします。
【田邉委員】    ありがとうございます。
  私の方から体育と健康についてということで、1点お話しさせていただきます。日本の体育教育は非常に世界的にも高く評価されているのが現状であります。今、スポーツ界の方では、日本のこの体育教育を見て、それを広めていきたいという国も増えているという状況で、また日本においては2020年、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に子供たちの運動、それからスポーツに対する関心・意欲もかなり高まっているという状況があります。
  一方、授業の中で様々な子供の体力と、それから中学生女子の3割は1日10分も運動していないという調査等があったり、あとは早熟によって体は大きくなっているけれども体力の方がいま一つ伸びていないという現状もあるということで、あとは運動する子供と運動しない子供の二極化が進んでいるという現状もあるかと思います。
  そこで、最近見た中では、日米の競技者の自己の達成度の評価について載っていたものがあるのですけれども、日本人の競技者は個人の上達と他者の比較の両方を統合して、スポーツ場面における達成や成功を判断する傾向にあるそうです。また一方、米国人の競技者は個人の上達と他者比較の二つの基準を明確にして達成や成功を判断しているということも載っておりました。
  今、国連もスポーツを通しての世界のユースリーダーシップ教育もスタートしているということで、スポーツの価値というものをもう1度見直して、もちろんスポーツをすること、それから見る、そして支えると、この観点からスポーツの持っているフレンドシップ、それから尊敬とか、フェアプレイというのを、このカリキュラムの中にどのような形で入れ直していくのかというのを、もう1度考える必要があるのではないかと思いました。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  それでは、荒瀬委員から順番にお願いしたいと思います。
【荒瀬委員】    ありがとうございます。
  既におっしゃいましたけれども、私もコミュニケーション能力であるとか、アクティブ・ラーニングであるとかいったことについては、きちんと定義を共有して話し合っていかないと、それぞれが違ったイメージで話し合ってしまうことになっては大変もったいないと思いますし、それからまた、それが学校に伝わったときに誤解を生じても何のことか分からなくなってしまいますので、是非その定義を共有していくべきだと思います。
  特に、アクティブ・ラーニングについては、大学教育に関する答申の中で用語集の中で定義されていまして、その中には先ほど松本先生もおっしゃっていました教授・学習法というような明解な定義もあるわけですから、そういったことの資料をまたお出しいただければということを思っています。
  私はこの参考資料1、小学校の学習指導要領実施状況調査結果のポイントというところの3ページ目にもありますが、一番後ろのページに学校質問調査のポイントというのが出ていまして、その中で3ページにも書いてある体験的な学習の充実、学校全体の教育課程の検証・改善、基礎的・基本的な知識及び技能の習得の3項目については90%以上の学校が実現できていると回答というふうにまとめていただいているのですけれども、このグラフを拝見すると、「十分実現できている」というのと「どちらかといえば実現できている」というのを合わせれば90%で、しかし「十分できている」というのは実は極めて数字としては小さいような気がいたします。
  むしろこういう問いがあると、学校、高校に長くいましたが、学校の感覚で言えば、「どちらかといえばできている」というところにチェックをしそうな気がいたしますので、「どちらかといえば実現できていない」というのと「どちらかといえば実現できている」というのは、もう少し詳しく見ていかないと、そういうデータがあるのかもしれませんが、ちょっと何とも言えないのではないかなと思いつつ、一方で、この学校全体の教育課程の検証・改善が90%以上できているとして、にもかかわらず思考力・判断力・表現力の育成とか、問題解決的な学習の充実とか、自主的・自発的な学習の促進という、学力の3要素の二つ目と三つ目が十分にできていないというような結果が出てきているというのは、一体何が問題があるのかというのをきちんと見ていく必要があるように思います。
  現行の学習指導要領は、当然のことながら時代の流れの中で考えていくべきだし、先ほど天笠先生がおっしゃいましたような、きちんとしたプロセスを経てつくっていくべきだとは思うのですが、この教育課程部会であるとか、あるいは文部科学省の事務局を担当してくださる方は変わっていって、それぞれの時代に応じた指摘というのをしていくことが大いにあってしかるべきではあるわけですが、しかし実は学校の教員というのは長年ずっとそのままそこにいて、ずっと同じことをしているわけです。ですから、その教員に対して、具体的に教室の中にいる教員に対してどのようなメッセージを出していくのかというようなことを十分に考えないと、よくないのではないかなということを思う次第です。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  では、大島委員、お願いします。
【大島委員】    ありがとうございます。
  知識の蓄積と、それをいかに身についた知識として応用していくかということが今回の教育課程の見直しの争点ではないのかなと思っております。その中で、科目を横断した話であったり、アクティブ・ラーニングが出てきているかと思っております。
  では、実際にその横断であったりとか、アクティブ・ラーニングを現行の正規の過程にカリキュラムとしてどうやって落とし込んで、それを教えていくかということが一番の課題であるかというふうに認識しております。
  その中で、やはりバランス、先ほども何回か出てきているのですけれども、各教科での現行の教えている課程と、あとそれを横断及びアクティブ・ラーニングで取り入れる際のバランスというのが結構問題だと思うのです。なので、やはり現行のカリキュラムを分析して、その中でどうやって横断していくかというのをきちんと検討していった方がいいのではないかなというふうに思っています。
  例えば、あと2点目で、現行でいろいろ行われている取組ってあると思うのです。例えばSSHであったりとか。SSHは実際に課題解決型として研究的な要素を入れているのです。実際に英語で発表したりとかしておりますし、あと国語で論理的思考を学ぶなどもやっておりますので、そういうふうな実際に、SSHも10年以上やっておりますので、やはり成功する例とかもございますので、あと最近では科学の甲子園というのがございまして、それは物理であったりとか、生物とか、いろいろなものを横断した中で質問を出したりとかしているのです。
  なので、現行で実を言うといろいろな取組が、理科を中心にされておりますし、多分ほかの教科でもいろいろあると思うのです。なので、そういう行われている取組を是非分析していただいて、それを今後横断科目であったりとか、アクティブ・ラーニングに、是非データとして活用していただければと思います。
  あと、もう1点、最後なのですが、先ほどからも出ていますけれども、大学では結構アクティブ・ラーニングが実際に取り入れられているのです。なので、教授法という話も出てきておりますので、そこは是非連携しながら、ケーススタディをしながら、是非この新しい学習指導要領の中にフィードバックできるのではないかというふうに思っております。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  では、神長委員、お願いします。
【神長委員】    私は学校段階の円滑な接続という視点からお話をしたいというふうに思っております。
  先ほどというか、冒頭にもありましたけれども、やはりそれぞれの学校段階で、発達段階に応じた学校種それぞれに幼・小・中・高とあるわけですので、先ほど来から話題になっております、そのアクティブ・ラーニングについても、それぞれの学習の進め方というものがあると思うのです。
  特に幼児期の問題で、幼・小というところでお話をしたいのですけれども、幼稚園の場合には幼児期の学校教育という言い方でお話をいたしますと、やはり20年の改訂のときに幼児期の発達段階を踏まえながら独自性のあるものと、やはり学校教育として一貫性を持つという、そのバランスをどうとっていくかということが前回の改訂の中で議論され、幼・小の連携ということが幼稚園の教育の中に位置づいております。
  そこから10年がもうそろそろたつわけですけれども、その議論から随分幼稚園の現場の中で、いわゆる小学校との円滑な接続について議論も重ねることができたし、また実践も重ねてきたかなというふうに思います。
  連携すると、当然交流が生まれてきますし、子供同士の交流は先生方のいわゆる研修の交流ですか、そういったいわゆる幼稚園の教育の在り方、小学校の教育の在り方という、それぞれの学校段階のカリキュラムの考え方の違いとか、進め方の違いとか、その違いを学ぶことが交流を通してできてきたわけですけれども、それを通して、最近よく私はそういう中に参加させていただいて感じることは、その円滑な接続に対してやはり一貫性を持って考えていくことの大事さなのです。ちょっと漠然とした言い方ですけれども、いわゆる幼児期の中で培ったものが、小学校教育の中にどう生きてくるのかということを見通しながら、幼稚園そのもののカリキュラムの見直しを図っていく、それぞれの教育課程や指導計画ですけれども、そういった見方も大事だなというふうに思うわけです。
  それが小学校の先生ですと、1年生からという形ではなく幼稚園、満3歳からですから3年間で学んできたことを生かしながらという視点から、小学校1年生のカリキュラムを見直していくという、そういったことがいわゆる交流を通して円滑な接続が生まれてきていると、そのことが大事かなというふうに思っています。
  特に感じることは、そのときにも幼稚園の立場からしますと、幼稚園のカリキュラムを作る場合に、子供たちが経験していることというのを読み取りながら、それを指導内容にしていくわけですけれども、経験し、その育っていることは何かという、3歳・4歳の場合には、本当に夢中になって遊びの中で子供たちが身に付けていることですが、そういったことを経験し、身に付けていること、そこで結果的に育っていくものは何かということを見通しながら、週案であり、日案なりを作成していくのですけれども、5歳くらいの時期になりますと、経験し、そこの中で子供たちが身に付けていることや育っていることを見通していくことは大事なのですけれども、まさにその経験し、学んでいることは何かというところに焦点を当てながら、つまり子供たちがそこの中でおもしろく活動しながら、獲得しているもの、自分の世界を広げるという学びにつながる視点というものをしっかり持つことで、次の日の環境構成であったり、次の週の週案なりが大分変わりますし、子供たちの意欲を育てていくことができるし、それが力となって知識や技術が身につくということにつながっていくのです。
  企画特別部会の報告書の中に、これからの学習指導要領の在り方という中に、いわゆる意欲と知識の関係が書かれておりましたけれども、まさに子供たちがおもしろいから学習すると、学習する中で知識や技術を獲得するということの、その学習を、幼児期の独自性で言えば遊びという言葉に置き換えて考えても、少しも異和感がない。
  つまり5歳の後半くらいになってくると、子供たちが経験し学んでいることは何かということに焦点を当てながら、そこの中で力となって、身に付けている知識や力というものをしっかり読み取っていくということが、実は1年生、2年生、3年生以降のやはり学習の基盤になっているのではないかという考え方なのです。
  そうしますと、幼児期のと言いますか、それぞれの学校種段階の独自性と一貫性ということを、幼稚園は特別だからと言うよりは、むしろ学ぶ力、学びに向かう力という視点からすると、まさに幼児期の学校教育から始まっているなというような感想を持っております。
  是非こういった考え方を盛り込んで、学校段階間の滑らかな接続、円滑な接続の問題を考えていただければというふうに思っております。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  では、銭谷委員、お願いいたします。
【銭谷委員】    お願いやら感想ということになるのでございますけれども、まず1点目は道徳についてでございます。このたび指導要領の改訂までなされたということを、大変私は評価したいと思っております。その上で、これは教育課程部会の話ではないと思いますけれども、今後、教科書の編集ということになるわけでございますけれども、是非今回の改訂の趣旨を説明会などで丁寧に行っていただいて、この改訂の趣旨が生きる教科書が作成されるように御努力いただきたい。
  こういうことを申し上げると大変恐縮でございますが、平成10年の改正のときに、あれは内容を随分厳選をして減らしたわけですけれども、逆に教科書の説明は丁寧にしようという思いでみんな臨んだわけですけれども、結果的に教科書が物すごく薄くなって、今、その回復を行っているわけですけれども、そういうこともありましたので、是非新しい道徳の、教科道徳の趣旨が生きるような教科書の編集が行われるように、丁寧な対応をお願いしたいというのが1点でございます。
  それから二つ目でございますけれども、これは教育課程企画特別部会の資料3-5についての感想でございますけれども、一つ目は、もう荒瀬先生、米田先生の方からも出ておりましたけれども、もう少し片仮名を控えていただいた方がいいのではないかなということでございます。それと、やはりその片仮名語については、意味についてやはり共有できていないと、いろいろな混乱が生じるおそれがあるということでございます。
  特に、例えば5ページに「メタ認知」という言葉がございますけれども、これがさっと意味の分かる一般の方はどれくらいいるのかなという気がいたします。それから7ページに「レジリエンシ-」という言葉がありますが、これも多分大方の方は分からないのではないかなと思いますし、話題になっておりますアクティブ・ラーニングについても、皆さんがいろいろな感想をお持ちだと思いますので、できるだけ用語については分かりやすい用語を使うということを心がけたいものだというふうに思っております。
  二つ目は、大変いいなと思ったところは6ページでございまして、特にこれからの時代に求められる資質・能力等で、下の二つの丸でございますけれども、近現代史、あるいは地理の学習の充実について触れておられます。
  御案内のように、今年は戦後70年の節目の年でございますし、余り話題にはなっていませんけれども、間もなく明治150年ということになるのでございまして、日本が近代国家の道を歩み始めてから、もう150年という時代がたつわけでございますが、毎回改訂ごとに近現代史の充実ということはうたわれていますが、なかなかそれが実現されていないのが実情ではないかというふうに思っております。
  むしろ近現代史から授業を始めるくらいの気持ちで、指導要領上、示してもいいくらいの感じを私は持っておりまして、この近現代史の充実ということを毎回課題にはなるのですけれども、実現できないということで、今回は是非頑張っていただきたいと思います。
  最後にあと1点でございますが、9ページに、上の丸で学習指導要領全体の構造ということについて触れられた意見がございます。これは大変重要な意見でございまして、これから議論していく中で、学習指導要領で記載することなのか、解説書なのか、指導事例集の方がむしろ適当なのか、そういう点を十分踏まえて、学習指導要領全体の構造ということをお考えいただいて、議論していただければよろしいのではないかなというふうに思いました。
  この教育課程企画特別部会の御議論は、大変いろいろな御意見が出ていて、よく整理されていたものだと思って感心して拝見をさせていただきました。
  以上でございます。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  では、若江委員、よろしいですか。
【若江委員】    若江でございます。民間の立場で参加をさせていただいておりますので、社会と関連する教育推進ということで、その視点でお話をさせていただきたいと思います。
  これまで私たち民間企業は、学校の状況を少しでも応援をしなければならない立場として関わりをしている中で気づいていることは、学校とか、教員とかという人たちが一番日本の教育で掲げている資質・能力の向上に対して意識が低いというか、無関心ではないかなということを感じているのです。
  というのは、これまでの指導要領にもいろいろと具体的なことが示唆されていて、私たち企業はそれを基に学校現場のお手伝いを展開をしてきたのです。それから言うと、今回頂いた資料の3-3にありますような教育目標の内容のことであるとか、例えば「育成すべき資質・能力を踏まえた、新たな教科・科目等の在り方」というふうにあるのですが、当然この資質・能力には、20年以上前から民間が気づいていたコミュニケーション能力のことであったりですとか、英語のことであったりですとか、ICTの活用であったりとか、そういうことがもう含まれて当然であり、その表現の仕方をできるだけ現場の先生方に分かりやすく伝えるということが非常に重要ではないかなと思うのです。
  まさにここに書かれていることは、本当にそういう資質・能力を向上させるためには当然今までとは違う学び方を展開しなければならないので、事例としてアクティブ・ラーニング、協働型の学習というようなことが挙げられているでしょうし、それは、そういうスキルというのは繰り返しによって身につくものですから、幼・小・中・高・大とやはり継続的に展開されてこそ、初めて成果が出るというふうに言われているので、それを考えますと、実はもう小中一貫だとか、連携だとか、総合的な学習で教科横断型だとかというようなことが、もう現場には投げ掛けられているのですけれども、それがどうも今まで現場がそれをうまく咀嚼できていないことが大きな原因で、またさらに今回指導要領がよりよく改訂されるということは好ましいことなのですが、そういう点でいくと、2ページ目なんかは非常に分かりやすいのです。
  「何ができるようになるか」、「何を学ぶか」、「どのように学ぶか」があり、でも3ページ目にある教育内容の見直し例になった途端、物すごくそのギャップが生じてしまう。例えば「グローバル社会で求められる力の育成」のところで申し上げますと、(3)のところの「中学校では、授業を英語で行うことを基本とし、身近な話題についての」という1文があるのですが、小学校段階の今の外国語活動からは全くここにはつながらないわけですよね。そうすると、小学校段階の外国語活動をもっと変えていかないと、これが実現できないというようなことは、もう明らかなわけですから、やはりもう少しそういう系統性をきちんと齟齬の内容に詰める必要があるということと。
  それともう1点申し上げますと、高校のところに書いてあることなのですが、(3)のところ、「高度な思考力・判断力・表現力」、これもいつも私は現場で申し上げるのですが、これを呪文のように唱えても、子供たちにこの力がつくわけではないですので、こういったことのスキルが身につく学習活動を組み込まなければいけない。そうすると、やはりプログラム・デザインであったり、系統的なカリキュラム・デザインというふうなことが必要になってくるのかと思いますし、1点申し上げるとするならば、それを育成するための新たな教科・科目というようなことをどんどんつくっていくと、余計に現場の教員の指導力というか、意欲というか、そういうものが低下をさせてしまうので、これまでにもあった総合的な学習の時間をやはりもう少し体系的な学習で新たなスキルを身につくような統合型の学習の機会にということで、もう1度はっきりと位置づけを御提示を頂き、それでこれから、今までもやってきたことなのだという、そういう印象をきちんと現場に与えていただきたいと思っております。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  では、生重委員、お願いします。
【生重委員】    今回私は、かなり画期的な改革にならなければいけないと思っているのです。これはずっと高大接続の委員会に出席をさせていただいていまして、それと同時に社会を見渡しますと、自立をしていない人間がいかに多いかということ、そこに向けての、これは大学の入試改革ととらまえている方が多いと思いますが、私はそれよりも高校が変わらなければいけないのだというふうに言われているのだなというふうに、変革の内容、これからの改革の内容をつかまえております。
  高校はもちろん本当にトップ校からどこに行っていいか分からなく迷って入る、そういう、それでまた途中でやめていく。その現状も含めて、我々地域から教育に関わっている人間がもっともっと切実にならなければならない。これは家庭教育の問題も含めてですが、義務教育課程をきちんと履修できているのかといったら、できていないというところも問題なのだと。
  社会総がかりだということは相当前から言われているので、かなり意識をして、それぞれの子供のそれぞれの能力に合わせてきちんと教えられたものが最低8割は定着できる、そういう地域、学校を取り巻く環境社会を創らなければいけないのだということは、私が個人的に思っていることで、ただ、高校の先生が、長いこと小・中・高・大と付き合ってきて、一番変わっていかないのが高校の先生だということもここで現実。
  これはもうパラダイムシフトだと書いてあるわけですよね。アクティブ・ラーニングを入れると混乱するのではなく、チーム学校という検討も昨年度からやっていたり、それも学校なりの教員のチーム体制、それと地域社会とのチーム体制、そういうものも問い掛けられているわけですから、コミュニケーション能力自体、それから英語能力自体も場を作らないと、効果的な場を作らない限り、その身について生かしていくという体験はできないわけですよね。だからいかに身につくような体験の場を作り、また翻って自分の知識・能力が足りていないところを学習しようという個人的な意欲に持っていけるような、そういう学習環境をつくっていくことと同時に、それに見合った学習指導要領が教育課程の中できちんとうたわれる必要がある。社会科の変革も相当期待をしておりまして、これはやはり篠原委員がおっしゃったように高校だけでやるのではなく、やはり小・中・高と、ここにはシチズンシップとうたわれていますが、市民性としてそれぞれ育っていく過程の中で身に付けていくことがちゃんと、それと社会とつながっていくということが大事なんだなと。
  基礎的な学力は土台だと、そしてそれが応用できる力を試す場としてのアクティブ・ラーニングがあるのだということ。そういうことをいっぱい場を与えていかないと、今の子供たちが地域社会と関わる機会というのはほとんどないのです。それでいて、今度の、私がすごくもう1個期待している道徳の方でも、人間関係構築能力をやはりきちんと身に付けていくということは、社会との距離感をそれぞれが計れなければいけないし、自分のいる場を持たなければいけないんだという、そういう自分が社会との関わりをどうつくっていくのかということを考える場というのを、今後の道徳と、それから様々な教科を横断・連動しながら、アクティブ・ラーニングがうまく活用されていくということが重要なのではないかというふうに考えます。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  では、髙木委員、お願いします。
【髙木委員】    学力育成という大枠でこれからの評価で行うべきこと、それから教育課程の編成という2点から意見を述べます。
  学習指導要領改訂の考え方は、先ほど天笠委員が述べられておりましたが、私としては、今の日本の現状は悪くないなと思っていますし、先週、4月15日にOECDの事務総長が日本にいらっしゃっていて、2030年に向けての教育制度について語られたときに、日本の教育は今、世界のフロントランナーにあるというふうに大変期待されておりました。大変うれしかったです。
  そこで、今日学校で、今まで行っていることにさらに上乗せる、そういう形だけではなくて、学校の先生方が実践を行いやすい制度設計を行っていかなければならないだろうと。特にそのことは、評価について、私は大変重く受け止めております。さらに今回の改訂で、この評価の問題を先生方が行いやすいような制度設計をしていかないと、現状のまま流れていくのではないかというふうに考えております。
  これまでは、学力の育成を結果のみの評価ということだったのですが、ここへ来ましてプロセスの評価等が大事であるということは言われてきています。そういった中で、個人内評価そのものは子供たちの自己成長を支えるものとして考え、成長するため、成長を支えるためにどういうふうに評価をしていくのか。そこで考えると、どうしても個別に評価を考えなければいけないので、評価が記述に、記述だけに収束化するということが考えられてしまいます。例えば現状でも、児童・生徒指導要録の表記面を見ますと、総合的な学習の評価のところが記述式で大変多くなっていますし、今後さらに小学校の外国語教育等が入ってきますと、この指導要録の記述というのが先生方の御負担にならないのかなというふうに大変心配しております。
  さらに、先ほども出てまいりましたけれども、道徳教育がまた記述になっていくと、年度末に先生方は相当量の記述における評価ということを行っていかなければならないというような状況も生まれかねないというふうに思っております。
  したがいまして、今この場においては、やはり教科横断だけではなくて、それぞれの教科における評価の在り方、これは先に大島委員もおっしゃっていらっしゃいましたけれども、やはりバランスをどういうふうにするか、そしてそれを全体像を考えながら評価の在り方というのを考えておかないと、それぞれの科目ごとのものでは、評価をする先生方の問題にこれから非常に御負担になっていかないような、いい評価を行えるような状況を作り出していきたいということが第1点目でございます。
  それから第2点目ですが、これは教育課程の編成に関してですが、これまでの学習指導要領の作りというのは、時間的にもそうなのですが、小学校を先に作り、中学校を作り、高等学校を作りということで、上に積み上げていく形でした。ところが今回問題になっているのは、例えば大学入学制度の問題から出ているとなると、中等教育の出口でどのような能力育成の構造を考えておくかということが大変重要になるし、そこを明確にしておかないと、高等学校教育で育成すべき学力というのが明らかになってこない。
  さらに、その高等学校教育で行うためには中学校、先ほどもこれは英語の話で出ておりましたが、教科構造の積み上げ方そのものをもう1度考え直していって、日本の子供たちにどういう学力を育成するかということを明確にした上で全体構成を考えるということが必要というふうに考えております。
  以上でございます。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  それでは、土井委員、奈須委員ということで、土井委員、お願いいたします。
【土井委員】    ありがとうございます。
  私からは2点申し上げさせていただきます。第1点目は、先ほど来から出ていますように、知識の習得・活用・探求のバランスでございます。知識の理解取得につきましては、私自身には過剰と過少の両者の問題があるというふうに思っております。一方で、入学者選抜試験の影響等もございまして、細かな知識の記憶のみに追われているのではないかと思われる子供たちもおります。知識の記憶にも限界効用逓減の原則が働くとすると、明らかにその学習努力は別の活動に当てていただいた方が絶対によいという子供たちもいます。また、知識そのものは用いて活動ができなければ意味がありませんので、その意味で活用・探求といったものに力を注いでもらわなければいけない子供たちもいると思います。
  しかし他方で、基礎的な知識の定着が問題となる子供たちが相当数いることも確かでございまして、この子たちに、例えば考える力ということを言っても、やはり基礎的な知識を欠いて考えるというのはなかなか難しいことですので、やはりそこは考えていかなければいけないというふうに思っております。
  今回まとめていただいたところにいろいろなことが書かれてあって、恐らくこれを全部できればスーパーマンじゃないかというような形になっていますけれども、それは結局のところ、教育全体について語るとこうなるわけです。ただ、これだけ社会が高度化していくと、当然分業が進んでいくことになるわけで、それぞれ子供はその適性に合わせて自分の力を伸ばしていくということになると思います。だからこそ、協働だとか、対人関係が重要になるわけで、そういうことを考えますと、先ほど生重委員もおっしゃっておられたように、子供たちの抱えている課題は一様ではございませんので、それぞれの課題に合った形で改善が図っていけるような、そういう形にしていただければと思います。
  2点目は、それとの関係でアクティブ・ラーニングの問題です。アクティブ・ラーニングにつきましては、先ほど荒瀬委員がおっしゃいましたように、大学教育の質的転換答申の中で定義があります。この定義は比較的広く定義をしていただいていて、一方的な講義ではなくて、子供たちが能動的な学習参加をすれば、広くアクティブ・ラーニングだという定義にしていただいていると思います。
  実際、アクティブ・ラーニングは、今回探求学習に中心に用いられていますけれども、知識の理解・取得から活用に至るまで、どの段階でも用いることができますし、また、自然法則だとか、事実に関する理解から、道徳や国家社会の責任ある形成者の育成のような価値判断に関わる事項に至るまで使うことはできます。
  ただ、それぞれに応じたアクティブ・ラーニングの使い方が必要です。これからの議論の中でどのやり方が真のアクティブ・ラーニングかという議論になっていきます。これは余り生産的なやり方ではありませんので、むしろそれぞれの学習目標・内容に応じてアクティブ・ラーニングの類型化をして、適時活用できるように議論が進んでいければと、そういうふうに思います。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  では、奈須委員、お願いします。
【奈須委員】    今回の議論の中で、答えが一つ定まらないということが出てきているのですが、これはとても大きいのかなと思っています。やはり全体的にこれまで、ややもすれば答えを教えて、それを覚えるということだった、先ほど道徳の批判でもありましたけれども、それを答えが一つに定まらないものに対して自分たちで知識を生み出すのだという話、もちろんそうやって自分勝手でいいという話ではなくて、事実に基づき教科等で培った多様な方法で科学的に学問的に吟味し、さらに民主的に議論して、主体的・協働的に妥当な最適解を生み出すということでしょうけれども、やはりこれはかなり大きな転換になるのだろうと思います。
  もちろん、既に総合等でやっておりますし、そういった総合等に取り組んでいる学校が教科学力も高いというデータも出ておりますので、方向としては間違いのないことかなと思います。きょう、道徳の方でもそのような方向に少し舵を切るのだということがあって、好ましいことだなと思っています。
  ただ、現場はやはりとても戸惑うのだろうと思っています。シチズンシップのような教育に取り組んでいる学校へこの間行きましたけれども、やはり何を教えたらいいのですかと聞かれて、つまり正解を教えるとやはりどこかで思っているでしょうし、それから授業をまとめなくていいのですかというのを聞かれるのです。教師がまとめなくていいのか。やはりそこの知識観が変わっているというところがなかなか難しいなと思っています。
  あるいは偏るということに対する恐怖。何かを授業中に話題にしたことで、やはり保護者からクレームが来ないか、政治的な中立性というようなことに対しての危惧も現場にはあるでしょう。
  つまり正解を教えていく、間違いのないことを教えていくということをこれまでやってきたから、そういうことは起きなかったわけですけれども、そこの感覚を変えていくと、当然そういうことは起こってくる。それにどう対応していくかということが問われるのだろうと思っています。先ほど主権者教育という言葉がありましたけれども、当然そうなってくると答えが一つに定まらないものについてぐんぐん切り込んでいくということになってくるでしょうから、難しいなと。
  もちろんこれは欧米ではポリティカル・リテラシー、クリティカル・シンキングというような言い方で、学力の中核として既に扱われてきたものですから、我が国でも扱っていくべきだと思いますけれども、少しそこは転換なのかなと、知識の質ということが転換していくということに、今回どう取り組むかということが難しいなと思います。
  それでもまだ総合・特活・道徳のようなところはやりやすいと思いますが、教科はどうするんだろう。教科はやはり答えがあるものとして教えるのか、それとも教科もそれは唯一絶対の正解ではなく、極端に言えば教科の内容も、科学・哲学などというような長年にわたって生き残ってきた仮説なのだと、そういうふうに考えるのか、この辺の教科の知識内容をどう僕らが位置づけ、扱うかということも大事かなと思っています。
  それは学習指導要領の示し方です。極端に言えば33年以来、目標、学年の目標、内容という示し方をしてきましたけれども、あの示し方自体が、やはり正解を列挙して、それを教えるということを前提にしているのかなと思います。そこも若干なりとも変えるとすれば、あれでいいのか。あるいはそこは変えないにしても何らかの示し方、内容として示したものは正解としてやはり教えるというふうにまだ現場は思っていると思うのですけれども、そこをどう変えていくかということはとても大事かなと思います。
  ただ、知識の質を変えるということは、先ほど来議論にあった、アクティブ・ラーニングすると時間が足りないのではないかという話も解決に向かう契機になるかなと思います。アクティブ・ラーニングすることで知識の質が変わると、それはいわゆる「Less is more」と言いますけれども、少なく教えて豊かに学ぶと欧米では言いますけれども、学問上の量を減らしても子供の学びは豊かになるという戦略が一つかなと。それによって量・時間等の考え方を変えるべきでしょうし、先ほど来議論になっている、これまでの上に積み上げるのではなくて、これまでの中身自体の構造を変えるのだということだろうなと思います。
  そうなると、つまりその一つ一つのお弁当箱の中に何を詰めるかという議論ではなくて、枠組みそのものから、先ほど来から出ていますけれども、議論するというところに行くのかなと考えております。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  では、市川委員、お願いします。
【市川委員】    では、私もアクティブ・ラーニングに対して3点申し上げようと思います。1点目は、やはりこれだけアクティブ・ラーニングという言葉が使われるようになって、改めてどう概念化するのかということを部会としても持っておかないといけないのかなと思いました。
  ただ、そのときに、余り「アクティブ・ラーニングとはこれこれのものである」という硬い定義というのも多分できないし、伝わらないだろうと思います。これは土井委員もおっしゃったことですけれども、一方には非常に緩い、広い定義があります。つまり一斉講義式の授業とか、あと生徒が黙々と問題演習をするというような授業でないものは、全てアクティブ・ラーニングだと、能動的な活動が入っていれば全てアクティブ・ラーニングだという定義が一方ではあると。一方ではもう少し厳しい条件がついていて、協働学習を入れるとか、あるいは問題解決を行う、しかもその問題解決というのにも、高次の問題解決を行うという相当厳しい条件がついたもの、これをアクティブ・ラーニングと言うというふうに書いてあるものもある。
  その中で、結局はその間にグレーゾーンのようなものがいっぱいあるわけです。両極を見ておくことは大事だと思いますけれども、その間にはいろいろな形のアクティブ・ラーニングがあるということを押さえた上で、じゃあ、どういうアクティブ・ラーニングをどこに入れるのかというふうな議論をしていく必要があるかと思っています。
  2番目は、アクティブ・ラーニングが大事だと充実を図るということは私も賛成ですけれども、じゃあ、アクティブ・ラーニングでないものと、どうバランスをとるか。アクティブ・ラーニングでないもの、例えば一つは一斉授業です。もう一つは完全個別、一人学びと言われているようなものです。例えば教師が教材・教具を工夫して分かりやすく教える一斉授業、これの重要性はやはりあるわけです。それから個々人が一人一人で自分で勉強の計画を立てて進めていくような学習、完全に個別的な学習というのも一方ではあると。そういうものと、このアクティブ・ラーニングをどういうバランスをとっていくかという議論が必要で、全てアクティブ・ラーニングに転換しましょうというようなメッセージを出すと、これは大変な混乱を招くと思います。
  それから3番目は現状をどう見るかということなのです。もともと大学の授業というのは確かに一斉授業風のものが多くて、それが余りにも学生の能動性を引き出せないというので、大学からもアクティブ・ラーニングということは起こってきたと。高校の授業でもかなりその傾向はあるかもしれません。そこでもっとアクティブ・ラーニングを入れましょうと、現状から見て、それは入れるべきだという議論はいいと思うのですが、小学校の先生にアクティブ・ラーニングの話をすると、「小学校ではとっくにやってますよ」という答えが出てきます。特に広い意味でのアクティブ・ラーニングというのは、今小学校は相当入っていて、一斉授業形式だけで進めていく小学校の授業は、今私も学校に行ってもほとんど見ません。それで、小学校に対するメッセージ、中学校に対するメッセージ、高校に対するメッセージというのはやはり違ってくると思います。
  それをはっきりと、現状をこう認識しているので、こういう方向にということを打ち出していくべきかなと思います。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございます。
  では最後に田中委員、お願いいたします。
【田中副部会長】    それでは、私の方から、地教委の立場からちょっとお話をさせていただきたいと思います。
  内容はアクティブ・ラーニングになるわけですけれども、このアクティブ・ラーニングを教育現場に分かるように伝えるということが大事なことであろうというふうに認識をしております。そう考えますと、アクティブ・ラーニングの中身と言いますか、教員向けの研修内容、それをどう仕組んでいくかということがやはり大事になってこようと、こういうふうに考えます。
  では、その研修内容を誰が教えるかといったときに、これは市町村教育委員会のやはり指導主事が前面に出て、きっと教えていくことになるであろうというふうに考えます。そうすると、やはり地教委にあっては、指導主事の育成というのはやはり避けて通れないだろうということが一つ。
  それから、地元の大学、特に教職員大学、あるいは教育学部を抱えている大学といかに連携をとりながら、この事業を進めていくかということが言えるのではないかと、そのように思います。
  それからもう1点は、新しい学習指導要領に向けての考え方でございますけれども、やはりこれまで、それぞれの小・中学校でやってきたその財産というのがあると思います。既存の財産をいかに生かして次につなげるかということが、やはり大事だというふうに私は思っております。
  そう考えますと、教科領域、あるいは教育活動を一つの縦串とするならば、今の現行の指導要領の中で進めている言語活動を横串に取り入れていく。あるいはきょう話題になっておりますアクティブ・ラーニングを横串に差し込んでいきながら、教科横断的な取組というものを模索していくことがやはり大事ではないかと、そういうふうに考えます。
  これからはやはり学びと育ちの連続性というものが大きな教育のキーワードになってくるのかなと、そんなようにも考えているところです。そのためには、やはり幼・小・中・高の連携を避けては通れないだろうと、このように考えているところであります。
  以上です。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  委員全員の皆様にそれぞれの御意見を頂戴いたしました。
  事務局として整理していただいて、この教育課程部会として引き続き議論すべきこと、また教育課程企画特別部会にフィードバックして、そちらでの議論を経て、またこの教育課程部会に御報告をお願いしながら議論を進めることなどがたくさん出たように思いますので、ありがとうございました。
  本日予定しておりました議題はここまででございます。
  次回の予定につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    本日は貴重な御意見をありがとうございました。
  次回の日程につきましては、日程調整の上、御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
【無藤部会長】    ありがとうございました。
  それでは、本日の教育課程部会を終了させていただきます。

──  了  ──

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電話番号:03-5253-4111(内線2369、4732)

-- 登録:平成29年02月 --