ここからサイトの主なメニューです

教育課程部会(第90回) 議事録

1.日時

平成26年12月4日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 東館3階 講堂

3.議題

  1. 初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について
  2. その他

4.議事録

【無藤部会長】  皆様,おはようございます。定刻になりましたので,ただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会(第7期第7回)を開催いたします。本日は御多忙の中,御出席いただきまして,誠にありがとうございます。
本日は,先般,11月20日の中央教育審議会総会において諮問がございました「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」まず,事務局より御説明いただきまして,その後,御議論を頂戴したいと存じます。
それでは,まず事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】  本日の配付資料でございますが,議事次第に記載しておりますとおり,資料1-1として諮問文及び諮問理由を,資料1-2としまして諮問の概要を,資料1-3として諮問の参考資料をお配りしております。
また,資料2といたしまして,英語教育の充実に関する有識者会議の報告とその概要を,そのほか,諮問に関係する参考資料を配付させていただいております。こちらの参考資料はかなり大部になりますので,傍聴席におきましては恐縮ながら割愛させていただいておりますが,後日ホームページの方に掲載させていただきますので,御了承いただければと思います。
不足等ございましたら,お申し付けくださいませ。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
本日は,報道関係者より会議冒頭の撮影及び会議内容の録音を行いたい旨の申出がございましたので,これを許可しておりますので,御承知おきください。
それでは,早速,本日の議事に入ります。
本日は,「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」,御議論いただきたいと存じます。
まず,事務局より,諮問の概要や参考資料などについて,順次説明をお願いいたします。めどといたしましては,この説明が全体で30分程度,その後,議論の時間をできる限り長く設けたいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。
それでは,事務局から御説明をお願いいたします。
【塩見教育課程課長】  失礼いたします。教育課程課長の塩見でございます。私の方から,諮問及び諮問の理由につきまして御説明させていただきます。資料といたしまして,資料1-1,1-2を御用意させていただいております。諮問文につきましては資料1-1の方でございますので,主にこちらを利用して御説明させていただこうと思っております。
資料1-1の1ページ目でございますが,これが諮問でございまして,11月20日付けで下村大臣から中央教育審議会に対して諮問をさせていただいたものでございます。「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」ということでございまして,その諮問の理由につきまして,次のページ以降に説明をさせていただいております。この資料につきましては,既に委員の皆様にお送りしてございますので,ごく簡単に説明させていただこうと思っております。
なお,11月20日に諮問をさせていただいた後,11月27日には初等中等教育分科会においても御議論いただいたところでございます。
それでは,理由について簡単に御覧いただければと思いますけれども,まず理由の冒頭の部分でございます。こちらは今後の社会の変化について展望している部分でございます。今後の生産年齢人口の減少,グローバル化の進展等を踏まえまして,社会構造,雇用環境が大きく変化していくだろうという予測でございます。こうした中で,一人一人が変化を乗り越え,伝統や文化に立脚し,高い志や意欲を持つ自立した人間として他者と協働しながら価値の創造に挑み,未来を切り開いていく力を身に付けるということが求められるのではないかという問題意識をまずここで掲げているところでございます。
それから,その次のパラグラフといいますか,大きな固まりの部分でございますが,こちらには現行学習指導要領の改訂の考え方でございますとか,あるいは現状の成果と課題について触れさせていただいているところでございます。今の学習指導要領につきましては,平成20年・21年に改訂されたわけでございますけれども,その際,教育基本法の改正によって明確になった教育の理念を踏まえて,子供たちの生きる力をより一層重視するという観点から答申いただき,改訂を行ってきたというところでございます。
特に学力につきましては,学校教育法の第30条第2項に示されております,いわゆる「学力の三要素」,「基礎的な知識及び技能」・「これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力」・「主体的に学習に取り組む態度」の三つの要素を重視して,「確かな学力」をバランスよく育てるという観点から今回の学習指導要領はできているわけでございまして,あわせて,こうした確かな学力をより一層効果的に身に付けるという観点から,言語活動あるいは探究的な学習活動を重視しているというところでございます。
こうした学習指導要領に基づきまして,各学校で真摯な取組を進めていただいているところでございまして,その結果が昨今の国内外における学力調査の結果などに表れてきているということでございます。
ただ,一方で,我が国の子供たちについてまだまだ課題もあるわけでございまして,ここでは,例えば判断の根拠や理由を示しながら自分の考えを述べることについての課題,自己肯定感あるいは学習意欲,社会参画の意識などについて課題として挙げさせていただいております。
次のページでございますけれども,こうした状況を踏まえながら,今後の新しい学習指導要領の在り方を考えていただく必要があるということでございます。
そして,その際に大変重要な考え方としてここでお示ししておりますのが,新しい時代に必要となる資質・能力の育成に関して昨今の国際的な潮流も踏まえた取組でございまして,例えばOECDが提唱するキー・コンピテンシー,あるいは国際バカロレアのカリキュラム,またESD(持続可能な開発のための教育)などの取組について言及してございます。
また,東日本大震災の被災地におきまして,困難を克服するために様々な現実的な課題と関わりながら新しい地域づくりを目指す,そうした教育の新しい取組の芽生えについても触れさせていただいております。
こうした取組を通じて共通して重要になってきておりますのが,ある事柄に関する知識の伝達だけに偏らず,学ぶことと社会とのつながりを意識しながら,こうした教育のプロセスの中で基礎的な知識・技能の習得とともに実社会と実生活の中でそれらを活用して自ら課題を発見し,その解決に向けて主体的・協働的に探究し,その成果等を表現し,更に実践に生かしていけるようにするということが大事だという新しい視点を掲げてございます。
こうした力を育んでいくためには,「何を教えるか」という知識の質や量の改善が大事なことはもちろんでございますけれども,「どのように学ぶか」という学びの質や深まりを重視することが大事であるというふうなことを掲げさせていただいているわけでございます。
あせまして,こうした学びの成果としてどのような力が身に付いたかに関する学習評価の在り方についても改善を図っていく必要があるということでございます。
こうした種々の問題意識の下に,今回,新しい学習指導要領の在り方について諮問を行わせていただくものでございまして,その際,特に中心として御審議いただきたい事項として3点お示ししております。
まず第1点でございますけれども,教育目標・内容と学習・指導方法,学習評価の在り方を一体として捉えた,新しい時代にふさわしい学習指導要領等の基本的な考え方についてでございます。この考え方につきましては,先ほど問題意識のところで申し上げましたけれども,こうした観点を踏まえて特に御検討いただきたい点としまして,次のページでございますけれども,何点か白丸でお示しをさせていただいております。
最初の丸でございますけれども,これからの時代を,自立した人間として多様な他者と協働しながら創造的に生きていくために必要な資質・能力をどのように捉えるか,ということでございます。また,併せまして,そうした育成すべき資質・能力と,各教科等の役割,あるいは相互の関係をどのように構造化していくべきか,ということでございます。
それから,その次の丸でございますが,育成すべき資質・能力を確実に育むための学習・指導方法はどうあるべきかと,いうことでございまして,その際,特に今後の「アクティブ・ラーニング」の具体的な在り方などについてどのように考えるか,また,そうした学びを充実させていくために,学習指導要領等において学習・指導方法をどのように教育内容と関連付けて示していくべきかという点でございます。
それから,三つ目の丸でございますけれども,学習評価の在り方についてどのような改善が必要か。特に主体的・協働的なアクティブ・ラーニング等のプロセスを通じて表れる学習成果をどのような方法で把握し評価していくことができるかということでございます。
次に,第2点としまして,こうした基本的な考え方を踏まえながら,新たな教科・科目等の在り方等についてどのように考えるか,という点でございます。中でも,特に以下の事項についてということで何点かお示ししております。
最初の丸でございますけれども,グローバル化する社会の中で,言語や文化が異なる人々と主体的に協働していくことができるよう必要な力を育むということ。特にその中で国際共通語である英語の能力について,文部科学省に設置いたしました「英語教育の在り方に関する有識者会議」の報告書の提言も踏まえながら,どのように改善を図っていくかということでございます。
具体的な観点についてはここにお示ししているとおりでございまして,小学校から高等学校までを通じて育成すべき教育目標の示し方,あるいは小学校で中学年から外国語活動を開始する,また高学年から教科として行うといったこと。また,中学校,高等学校でそれぞれ英語教育を高度化していくという観点についてでございます。
次に,高等学校教育についてでございますけれども,中央教育審議会におきまして,高大接続に関する議論なども行われているところでございますので,こうした議論を踏まえながら高等学校教育の改善を具体的にどのように考えていくかということでございます。
まず,国民投票の投票権年齢が満18歳以上となること,選挙権年齢についても同様の引下げが検討されていることなどを踏まえまして,満18歳をもって「大人」として扱おうという状況になっていることから,高等学校を卒業した時点で,国家及び社会の責任ある形成者となるための力を養っていくための新たな科目等の在り方について。
また,日本史の必修化の扱いなど地理歴史科の在り方について。
さらに,より高度な思考力・判断力・表現力等を育成するための新たな教科・科目の在り方。
また,探究的な学習活動を重視する観点からの「総合的な学習の時間」の改善。
さらには,職業教育の充実,義務教育段階の学習内容の確実な定着を図るための在り方などでございます。
また,幼児教育と小学校教育のより円滑な接続のための見直し。
また,2020年に東京にてオリンピック・パラリンピック大会が予定されていることを踏まえた体育や健康に関する指導の見直し。
また,インクルーシブ教育システムの理念も踏まえて,全ての学校において特別支援教育を着実に進めていくための見直し。
さらに,社会の要請等を踏まえた教科等を横断した幅広い視点からの取組が求められる教育の充実。
また,初等中等教育を一貫して充実していくという観点からの,より効果的な教育目標・内容の示し方などでございます。
それから最後,第3点でございますけれども,こうした学習指導要領の理念を実現していくための各学校におけるカリキュラム・マネジメントでありますとか,あるいは学習・指導方法,評価方法を改善するための方策についても併せて御議論いただければと考えております。
以上が中心的に御審議をお願いしたいと事項として挙げさせていただいているものでございますけれども,審議に当たりましては,学校と家庭や地域との連携強化の在り方なども含めまして,幅広い観点から必要な事項について御議論をお願いできればと考えております。
また,こうした様々な点について今回御審議いただくわけでございますけれども,我々としましては,できましたら,平成28年度中を目途に答申を頂くようなスケジュールで是非御審議をお願いできればと思っているところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【圓入外国語教育推進室長】  続きまして,英語教育の報告書に基づいて御説明させていただきたいと思います。資料2を御覧いただければと思います。「今後の英語教育の改善・充実方策について(報告)」とございます。
1枚目の表紙をおめくりいただくと2枚目がございますが,こちらがこの報告書の概要となっております。
最初に経緯を申し上げますと,もともとは政府の会議でございます教育再生実行会議,それから,現政府の成長戦略にございます日本再興戦略の中で英語教育の抜本的改革を御指摘いただきました。その際,昨年度でございますが,25年度中に検討に着手するということと,逐次見直しを行うという指摘を受けまして,昨年12月に文部科学省で改革の方向性を提案させていただいております。
表に書いております1行目でございますが,文部科学省の方では「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を提案させていただいておりまして,この提案を具体化いただくために有識者の先生方にお集まりいただきまして,26年2月から9月にかけ,9回にわたりまして御議論いただいたものをまとめさせていただいたものでございます。
こちらの内容でございますけれども,五つの改革が柱となっておりまして,改革1が学習指導要領の関係を中心にまとめさせていただいております。
次のページの改革2が,それに伴いまして指導と評価の改善ということを掲げさせていただいております。
また,改革3でございますが,英語教育につきましては4技能の適切な評価ということが課題でございまして,大学入試や高校入試におけます遡及効果というものが指摘を受けまして,そのあたりの改善についても,この報告書の中には提案をさせていただいております。
また,それに伴いまして改革4,教科書・教材の充実,さらには改革5といたしまして,目標や内容,指導の評価の改善に伴いまして,学校における指導体制の充実ということで,例えば大学の教員養成,現職の先生方の研修の在り方といったものも改革5で提案いただいたものでございます。
本日は,このうちの改革1と2について御説明をさせていただきたいと思います。
3ページ目に目次がございまして,まずは英語教育改革に入って,それから必要な改革,さらに,こちらの報告書がまだ具体的に議論をしていかなければならない論点が残っております。そういったものもどのような御議論があったか,様々な御意見がございましたので,議論の詳細ということで添付しておりますので,後ほど御参照いただければと思います。
次のページをおめくりいただきますと,1ページ目でございますが,英語教育改革の背景ということでございます。一番多く御意見を頂きましたのは,なぜ英語教育改革が必要かということでございました。大きくまとめまして2点ございます。1ページ目の下段の方を御覧いただきたいと思います。1点目は,グローバル化の進展の中で英語力の重要性は更に増しているということ,その中で具体的に英語教育改革におきましては,基礎的・基本的な知識・技能とそれらを活用して主体的に課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等を育成することは,児童生徒の将来的な可能性の広がりのために欠かせないというような御指摘にまとめていただいております。
また,右側の方を御覧いただきたいと思いますが,これまでも多くの英語教育改革の提言を頂いておりましたけれども,それらの蓄積を踏まえた上で,更にコミュニケーションの充実を図るといった改革の方向性について御指摘いただきました。
次のページをおめくりいただければと思います。改革1の内容でございます。先ほど塩見課長からも諮問の方で御指摘いただいておりますが,一番の課題といたしましては,学習指導要領におきまして,小・中・高等学校を通じて,1点目は各学校段階の学びを円滑に接続させる。それから2点目といたしましては,「英語を使って何ができるようになるか」という観点から一貫した教育目標(4技能に係る具体的な指標の形式の目標を含む)と書いてございますが,学習指導要領の中でそのような形での具体化を更に図るという方向性が示されております。
それから下の方,囲みの中の1,2,3とありますけれども,小学校,中学校,高等学校ということで,これらにつきましては,これまでの取組の実績を踏まえてということで議論をさせていただくものでございます。
それらを少し御紹介させていただきたいと思いますが,4ページ目を御覧いただければと思います。今回の大きな方向性といたしまして,小学校の段階におきまして,中学年で活動型を導入する。それから,高学年におきましては,教科型とするということの検討を昨年12月にも提案させていただいております。学校の取組につきましては,これまでの実績として,前の学習指導要領の改訂を受けまして,平成23年度から外国語活動を導入した後の状況の調査を二つほどさせていただいておりまして,4ページの左側を御覧いただければと思います。実績といたしまして小学生,中学生と外国語活動を経験した児童生徒でございますけれども,英語の授業は好き,もっと勉強したいという意欲は認められたという状況でございます。また,外国語活動を経て入学した中学生を御指導されている中学校の先生方にもアンケートを実施させていただいておりますけれども,以前と比べて生徒による英語の聞く力,話す力が向上したという御回答がございました。
また,小学校におきましては,研究開発学校ほか教育課程特例校で,かなり多くの学校で低学年,中学年から外国語活動を導入している学校がございます。どのくらいどのような形で行っているかという数を調べますと,現在2万1,000校のうち3,000校,約15%の学校で1年生若しくは3年生から導入しているということが分かってまいりました。
その中で検証をさせていただいたわけでございますが,中には, 5・6年生は教科として位置付けて行っている学校において中学校との連携に取り組んでいる学校もございます。特に効果を出しているという研究開発学校などを見ますと,例えば連携におきましては,情報交換だけではなくてカリキュラムの開発を一緒に行うような研修を行う,中学校の先生方が授業を小学校で行っているということが,この数年ではなくて, 5年,10年前から取り組んでいらっしゃるという実績の下で効果があるというような例がございました。そういったことからも,こちらの4ページに書かせていただいておりますように,小学校におきましては,児童生徒の発達段階を踏まえまして,中学年から「外国語活動」を導入し,音声に慣れ親しませながらコミュニケーション能力の素地(そじ)を養う。高学年につきましては,身近なことについて基本的な表現において「聞く」「話す」に加え,積極的に「読む」「書く」の態度の育成を含めたコミュニケーション能力の基礎を養うというような方向をおまとめいただいたところでございます。
それから,次のページをおめくりいただきまして,6ページ目以降でございますが,学校における指導と評価の改善ということでございます。目標・内容とともに指導と評価の改善ということにつながってまいります。このたび諮問の中で示されておりますけれども,新たに中学校では英語を基本として授業を行うということございます。全国のデータで,実施している状況は把握しているのですが,一方で中学校と高等学校の接続に課題があるという御指摘がございました。高等学校につきましては,平成25年度から既に英語での授業を基本とすることについて導入をしておりますが,中学校とうまくつながっていないという指摘でございます。そういった点も踏まえまして,方向性を打ち出させていただいているという形になっております。
また,高等学校につきましては多様性ということで,かなり授業時間数の幅がございます。そのような状況も踏まえながら,さらには幅広い話題について発表・討論・交渉などを行う言語活動を豊富に体験し,情報や考え方を的確に理解したり適切に伝えたりするコミュニケーション能力を高めるというような方向性を出させていただいております。
御参考までに37ページを御覧いただきますと,この報告書の中に新たな目標・内容のイメージを載せさせていただいております。その中で,改善例の中に,先ほど申し上げました指標形式のものがございますが,これらも各学校において取り組まれてきた,生徒の学習到達目標というものを掲げて取り組んでいる例を踏まえながら,一例として「何々ができるようにする」ということを挙げております。
それから,次のページをめくっていただきますと,39ページ,こちらは学習到達目標と観点別学習状況の評価との関係性というものを示しております。単に技能の評価ということだけではなくて,コミュニケーションへの関心・意欲・態度から,言語や文化についての知識・理解というところまでを一体的に評価するということも御報告いただいております。
このような様々な観点,論点というものも,現段階で有識者会議の中でおまとめいただいたということでございますので,是非こちらの中でも様々な御意見,御議論いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】  続きまして,今回の諮問,それから今後の審議の参考となる,背景となる調査結果でありますとか,様々なデータ,議論の状況などにつきまして,時間の許す限りで御紹介をさせていただきたいと思います。
資料が大部で恐縮ですけれども,まずは資料1-3にお戻りいただければと思います。これは諮問の際に総会でも配付させていただきましたけれども,諮問の参考資料としてお付けした資料でございます。
目次を見ていただきますと,「現行学習指導要領について」・「社会の変化と子供たちの現状について」・「諮問に関連する最近の動向について」の3点について,御説明をさせていただいている資料になります。
1枚めくっていただきますと,現行学習指導要領についてということでございますけれども,申し上げるまでもございませんけれども,学習指導要領は,社会の変化や子供たちの現状を踏まえ,おおむね10年に一度改訂をされているところでございます。
現行学習指導要領におきましては,諮問の理由にもございましたけれども,6ページにありますような,学力の三要素が明確化されたことなどを踏まえまして,これまでの理念を継承しつつ生きる力の育成を目指し,具体的には4ページ,5ページにございますように,知識・技能の習得と思考力等の育成のバランスの重視,授業時数の増加,それから言語活動や理数教育の充実などの指導内容の充実,小学校外国語活動の導入などを図ったところでございます。
続きまして,右下のページ番号7というところから,社会の変化と子供たちの現状についてということになりますけれども,今後,9ページにもございますように,生産年齢人口の減少ということも見込まれる中で,子供たちに未来を切り開く力を身に付けていくことが期待されているところでございます。
学力等々につきましては,10ページ以降になりますけれども,御覧のとおり,学力は改善傾向にあるということが言えるところでございます。
11ページにもありますように, OECDのPISAの結果におきましても,レベル1以下の下位層の割合の減少と上位層の割合の増加,また12ページにございますように,全国学力・学習状況調査におきましても全国平均と各都道府県の差が縮小傾向にあり,底上げの進展ということも見られるところでございます。
一方で,13ページ以下にありますように,学力が改善傾向にある一方で,例えば判断の根拠や理由を示しながら自分の考えを述べることについて課題が見られる。これは全国学力・学習状況調査の結果から言えることでございますけれども,また次のページ,これはTIMSSの調査結果から,例えば理科・数学の学習に対する態度,意識というような部分についての課題,それからその下の段になりますけれども,生徒の自己肯定感,社会参画に関する意識について課題も見られるところでございます。
そういった中で,17ページになりますけれども,指導状況と学力との関係ということも,またこれは全国学力・学習状況調査の結果からかいま見えるわけでございますけれども,指導の狙いを明確にした上で言語活動等の活動を適切に位置付ける学校や,探究活動を積極的に実施する学校ほど,学力についても平均正答率が高い傾向が見られるという結果が見えてきているところでございます。
一方で,18ページになりますが,そういった主体的な学びに関しまして,教員はどうかということでございますが,調査結果などからは,そういった学びが重要と考えている一方で,それを引き出すということについての自信がまだ低いというような状況も見えてきているところでございます。
ICTについても,実際に指導の実施割合が低いということでございますけれども,ICT環境の整備状況,活用指導力の推移ということもデータで付けさせていただいております。
21ページは,学校運営の組織的な取組について,これに取り組んでいる学校の方が平均正答率も高いという傾向があるということでございます。
22ページですけれども,先ほど圓入室長から御紹介ありました英語教育でございますけれども,生徒,英語教員それぞれの英語力につきまして,このような現状にあるということでございます。
また23ページ以降は,身長・体重平均値の推移,また24ページに体力・運動能力の年次推移を載せさせていただいております。体力・運動能力調査につきましては,参考資料2というものがございまして,こちらが諮問後に出された最新のデータになるところでございます。
資料1-3におきましても,依然として低い水準で推移しているということがございましたけれども,参考資料2を見ていただきますとおり,体力合計点につきましては,例えば小学校女子において,平成20年度以降最も高いというような数値が出てきているところでございます。
また,運動する子供としない子供の二極化ということにつきましても,この最新の調査におきましても同様の傾向が見えるわけでございますけれども,一方で,参考資料2の16ページ以降を見ていただきますと,運動が好きと答えている児童の割合が,小学校男女,中学校男女全てにおいて割合が高くなっているというようなことも見えてきているところでございます。
また,この調査におきましては,例えば幼児期の多様な運動経験との相関関係,また,様々な授業の中での工夫ということについてのヒントになるようなこともデータとして出てきているところでございます。
恐縮ですが,1-3に戻っていただきます。26ページ以降は,諮問に関連する最近の動向についてということで御紹介をさせていただいております。例えば最近,名古屋で世界会議が開かれました持続可能な開発のための教育でございますけれども,29ページにありますように,「あいち・なごや宣言」というものが採択をされております。下の方にございますように,今後,教育政策,カリキュラムがESDのゴールをどの程度達成しているか,また,教員等と教育,訓練,職能開発においてESDを十分に取り入れていくことを確保するというような宣言が採択されているところでございます。
続きまして,次のページをめくっていただきますと,30ページ以降,これは中央教育審議会の高大接続特別部会において議論されました高大接続改革に関する答申の,現状ではまだ案でございますけれども,ポイントになる部分でございます。本体資料につきましては,参考資料6に付けさせていただいておるところですが,そこにもございますように,高大接続改革の実現に向けて,高等学校教育,大学教育,大学入学者選抜を一体として改革していく,その中では,特に思考力・判断力・表現力の育成など,真の「学力」の育成ということを一体として目指していくという中で学習指導要領の改訂も含めて一体的な改革を図っていくということが提言されているところでございます。
また,この高大接続改革の答申に先立ちまして,35ページ以降になりますけれども,中教審の高等学校教育部会におきましても審議のまとめが出されているところでございます。ここにおきましては,全ての生徒が身に付けるべき力の確保というような共通性の部分と,一方で,多様な学習ニーズへの対応,共通性と多様性という観点から提言がなされているところでございます。
また,次をめくっていただきまして38ページになりますけれども,今,高大接続特別部会の答申案では,高等学校基礎学力テストと呼んでおります達成度テスト(基礎レベル)につきましても提言を頂いておるところでございます。
英語教育に関しましては,先ほど御説明がございましたので,割愛させていただきますが,41ページ以降におきましては,平成23年に出されましたキャリア教育・職業教育の答申について御紹介をさせていただいております。キャリア教育・職業教育の基本的方向性ということが整理された上で,めくっていただきまして,42ページになりますけれども,特に後期中等教育修了までに生涯にわたる多様なキャリア形成に共通して必要な能力や態度をしっかりと育成していくという観点からの提言がなされたところでございます。
続きまして,44,45ページにおきましては,道徳に関する答申,これは既に中教審においておまとめいただいておりまして,これにつきましては,答申を踏まえて,全体の改訂に先んじて学習指導要領の改訂をさせていただく方向で現在作業をさせていただいているところでございます。
また,47ページ以降,例えば教育再生実行会議のこれまでの提言とそれを受けた取組との関係,また諮問理由にもございましたキー・コンピテンシーの御説明,国際バカロレアが目指す学習者像の御説明,それから,次の50ページ以降は,平成26年3月に文部科学省の検討会という形で有識者の先生方の御意見を頂きながらまとめました育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会の論点整理も付けさせていただいております。最後にございますのがアクティブ・ラーニングの取組ということになります。
続きまして,参考資料の方でございますけれども,全てを御説明する時間は残念ながらございませんが,例えば参考資料3-1,3-2におきましては,公立小・中・高等学校における教育課程の編成・実施状況調査の結果を付けさせていただいております。参考資料3-1では,例えば,小・中学校におきまして標準授業時数を超えて授業時数を設定している学校が7割に上り,小学校5年では25%,中学校1年については21.7%が年間の70単位時間を超えて設定しているなどということのデータを付けさせていただいておりますし,また参考資料3-2につきましては,これも単位数,授業時数等々の関係,それから学び直し科目につきましてのデータなども付けさせていただいております。今後の審議の参考にしていただければと思っております。
また,参考資料4でございます。研究開発学校における取組について御紹介をさせていただいております。過去の学習指導要領改訂におきましても,こういった研究開発の成果を生かせていただいているところでございますけれども,最近の研究開発の成果の例といたしまして,例えば資質・能力の育成という観点から新たな教科・領域を設定している研究開発の例でありますとか,先ほど御紹介のありました外国語教育につきまして,例えば小学校3年生から実施している例でありますとか,また,新教科「公共」というようなものを設定して取り組んでいる例でありますとか,地歴に関する取組の例,幼小連携,特別支援,小・中・高等学校を通じた独自教科の設定などについて取組例を御紹介させていただいているところでございます。
また,参考資料5ですけれども,これは特別支援教育の現状と課題ということで,参考資料5,1ページ目にございますように,特別支援学校,特別支援学級に在籍する者,通級による指導を受けている者がそれぞれ増加傾向にあるということ,それから文部科学省の調査では,通常の学級に6.5%程度発達障害の可能性のある児童生徒が在籍しているという結果が出ているということでございます。
また,後半13ページ以降に,本年1月に日本も批准いたしました障害者の権利に関する条約への対応状況,条約に掲げられたインクルーシブ教育システムの理念等についても御紹介をさせていただいているところでございます。
それから参考資料7-1,これにつきましては,1枚めくっていただきますと,小中一貫教育の制度設計ということでございまして,それぞれ小中一貫教育学校,小中一貫型の小学校・中学校ということの制度設計のポイントが記されてございます。教育課程のところを御覧いただければと存じますけれども,それぞれ小・中学校の学習指導要領を準用した上で特例を設けて対応していくというような制度設計の案が記されているところでございます。
続きまして,参考資料8になります。これは学校安全の重要性にかんがみまして,中教審のスポーツ・青少年分科会の学校安全部会におきまして,安全教育を教育課程全体の中で検討するという視点から,必要な方策や手立てについて検討・審議が行われたものでございます。具体的には,安全教育のための時間の確保,指導内容のまとまりや系統性,中核となる教科等を位置付けることの効果・影響,教材の在り方,学習評価の在り方,指導体制の在り方などの諸課題について検討・審議がなされまして,先月,審議のまとめとして取りまとめられたところでございます。
そのほか,机上配付資料といたしましても,学習指導要領本体でありますとか,また幼小連携の報告書,ESDのジャパンレポートなども配付をさせていただいているところですので,適宜,審議の御参考としていただければと存じます。
長くなりまして大変恐縮ですが,事務局からの説明は以上とさせていただきます。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
それでは,いろいろな報告がございましたけれども,本日,特にこの部会での諮問に関わる審議の初回でございますので,ただいまの御説明を踏まえながら,初等中等教育における教育課程の基準等の在り方につきまして,大きな方向性を御審議いただければと存じます。御発言に際しましては,机上に名札がございますので,それを立てていただければと思います。順次御指名申し上げますので,よろしくお願いいたします。
なお,時間は12時までですけれども,その10分ぐらい前まではその議論の時間にしたいと思いますので,忌憚(きたん)のない御意見を頂戴できればと思いますので,よろしくお願いいたします。どなたからでも結構ですので,お願いいたします。まず,川嶋委員。
【川嶋委員】  ありがとうございます。
私が考える論点というのは,本日,事務局からいろいろ御報告いただいた中で尽きると思うのですが,私なりの理解の上に立って少しコメントさせていただきます。大きく分けますと二つの観点で述べさせていただきたいと思います。一つは,新しい学習指導要領の内容に関する観点,二つ目は,それを実現するための必要な財政的な支援の重要性ということであります。
内容に関しては,これも諮問の理由に書かれているとおりですけれども,従来より求められておりますように,evidence-based policy makingということで,現行の学習指導要領の成果,達成したことと課題というものを実証的に分析した上で次期の学習指導要領の内容を検討すべきである。その際に,これも諮問の理由のところに言及されておりましたけれども,この新しい学習指導要領で学んでいく児童生徒というのは,ある意味,21世紀中盤の社会で活躍が求められている世代ということになりますので,21世紀中盤の社会が一体どういう社会なのかということについてのある程度実証的なデータに基づいた予測,これは非常に困難かと思いますけれども,その予測に基づく学習内容,あるいは育成すべき能力等の検討を是非お願いしたいと思います。20年前に,例えばアップルとかグーグルがこれだけ私たちの日常生活に影響を及ぼしているということは誰も予想できなかったのですけれども,できるだけ予測に基づいた学習内容にしていただきたい。
それから,今回の学習指導要領の基本的な考え方の方向性としては,いわゆるoutcome-based educationといいますか,学習成果基盤型教育という枠組みに基づいているというふうに私は理解しております。したがって,重要なことは,まず児童生徒に身に付けさせるべき学習成果というものをきちんと明確にするということ。そして,それをどのように育成するのか。最終的に学習成果が一人一人に獲得されたかどうかを確認するというアセスメントという,この三つの要素が非常に重要になってくるのではないかというふうに思います。これらを整合性を持った形で今後検討していただきたい。
最後に,内容に関しては,これも英語の報告書にありましたけれども,必要な能力や共通の能力の要素については小学校1年生から高校3年生まで小・中・高等学校と一貫した形で育成する必要があります。例えば育成すべき能力と各教科と学年ごとに,これは今,高等教育の分野でもよく言われていますけれども,カリキュラム・マッピングということをしながら,それぞれの学年でどういう成果をどこまで育成するのかというようなことをできるだけ整理して検討していただきたいということです。その際,今,たくさんの報告者が御報告されましたけれども,いろんなことが要求されておりますので,その中でどこにプライオリティーを置くのかということも検討する必要があるのかと思います。
2点目の大きな観点は,これらを実現するための財政的な問題であります。一つは,学習成果を確実に一人一人の児童生徒に身に付けさせるためには,今以上に個別指導と言いますか,一人一人の違いに基づいた指導が必要になってくると思います。そうしますと,教員あるいは教員を支援するスタッフの量的な拡充及び研修等を含めた質的な向上が必要となってきますので,是非財政的な面でも文部科学省として強く要求をすべきだと思います。
特にそれに関わって言えば,今,財務省との間で教員定数をめぐっていろいろ議論がありますけれども,私のこれまでの理解によれば,40人定員を35人に減らしたからといって,それほど教育効果として改善するわけではなく,もっとドラスティックに教員一人当たりの児童生徒数を変えない限り,急激には改善されないというふうに思いますので,是非この点についても審議をお願いしたいということです。
あとは,少し関連して,一人一人に対して指導していきますと,どうしても学習成果を獲得できる児童生徒と時間が必要な児童生徒という形に分かれていきますので,そうなりますと,高等学校から大学への飛び入学というのがありますけれども,学校間での飛び進級,あるいは学年の間での飛び入学ということも少し考える必要がある。そうしますと,今お話ししたように,教員や教員支援スタッフの一層の増強も必要になってくるのではないか。
以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
文部科学省への注文,お願いとともに,私どもの部会の基本的な方向性を示していただいたかと思います。ありがとうございました。
それでは,松岡委員,お願いします。
【松岡委員】  ありがとうございます。
この諮問を拝見して,特に第2の柱でありますグローバル化への対応,また,先般御報告がありました英語教育の在り方に関する有識者会議の報告,そしてまた,2020年の東京五輪等を見据えてということで,この間,学習指導要領は10年ごとの改訂を経てきましたけれども,私の感覚として,本当にこれまでにも増して大きな改訂になるなという感が濃厚でございます。
「教育は人なり」という言葉がございますけれども,今,川嶋先生の方からも財政的な支援ということで御発言があったところですが,私も,どんなにすばらしい教育課程,カリキュラムを編成していっても,実際にそれを指導する子供たちへのインタフェースであります教員の質と数の充実を図ることというのは,本当に必須だと思うのです。これなくしてどんなすばらしいカリキュラムを編成しても,それは絵に描いた餅にすぎない。したがいまして,当部会では,教育課程部会ですから,もちろん教育課程の中身に関しての議論ということになるとは思いますけれども,常に誰が教えるのか,その教える教員をどうやって養成し,採用し,育成していくのかという,そういう視点も是非,本部会の皆様も全員お持ちになって,これからの議論を進めていただければなと,非常にそこを強く希望する次第でございます。
私からは以上でございます。
【無藤部会長】  ありがとうございます。
教職員の質及び量の問題は既に他の部会で議論中のものもありますけれども,もちろん教育課程を具体的にしていく中で,それを支える非常に重要なものですので,中央教育審議会全体としても,また文部科学省としても御検討をお願いしたいと思います。
それでは,ほかにいかがでしょうか。篠原委員,お願いします。
【篠原委員】  この間の初等中等教育分科会のときにも指摘をさせていただいたことなのですが,高等学校教育の公共についての部分です。国民投票年齢が18歳以上になることなども踏まえ,国家・社会の責任ある形成者として自立できる力を身に付けるというのは,学習指導要領の改訂における高等学校教育の一つの中心になるというか,非常に大事なポイントだと思います。ただ,高等学校教育の段階だけでこの部分について学習指導要領を見直すということで,果たして18歳以上になったときに,選挙の際は投票に行こうという意識が本当に養われるのかどうか。私は,小・中学校の頃からそういう意識を身に付けてもらうという流れを一方で作っていく必要があると思います。大学になってからではもっと遅いのですけれども,高等学校だけでもやや遅いような気がします。今,衆議院選挙が行われていますけども,自民党,公明党,民主党の各党が子供向けの政策集,マニフェストを作りました。自民党,公明党は前から作ってくれているのですけれども,今回初めて民主党も作ってくれました。主要政党が,小・中学生が読めるような,ルビを振ってイラストを入れたパンフレットあるいはホームページを作りまして,自分たちの主張を訴えていく。未来の有権者の皆さんへという,ひとくくりにすれば,そういうタイトルになると思うのですけれども,小・中学生を視野に置いた冊子でありホームページを作成するという動きが急速に,選ばれる側(がわ)の政党・政治家の方にも出てきているのです。ですから,学習指導要領の中でも,高等学校教育ということで切らずに,小・中・高等学校の初等中等全体の流れの中で,公共の部分についてどういう意識のかん養をさせていくかということを考えていくべきです。欧米では当たり前に行われているような教育が今まで日本の教育では余り行われていなかったのですね,はっきり申し上げて。国民投票だけではなくて一般の選挙の投票年齢も18歳にいずれなると思うので,ちょうどいいチャンスだと思います。今度の選挙も非常に投票率が低いと言われていることなども考えると,そういうことも頭に入れながら,子供の頃からそういうものへ関心を持ち,自分が18歳になったら投票に行こうという気持ちを養っていくのは大変重要な喫緊の課題ではないかと私は思っております。それは単なる投票率を引き上げるということだけではなくて,投票の質を高めることにもつながると思うので,是非この学習指導要領の改訂の中で,高等学校の段階だけではなくて小・中学校の段階でも,学習指導要領そのもので触れるとか,あるいは解説で触れるのかというテクニックの問題はあると思いますが,そういう流れは作っていただきたいということです。
長くなってすみません。もう1点だけ。これは質問なのですけれども,先ほど塩見さんが28年度中に答申を頂きたいということをおっしゃっていました。その後のスケジュールについて,整理すると,答申が平成28年度中に出た場合に,どういう教科書を作っていくかなど,いろんな過程があると思いますので,タイムスケジュールについてお示しいただければと思います。よろしくお願いします。
【無藤部会長】  今の質問,先に課長からお願いしていいですか。
【塩見教育課程課長】  ありがとうございます。
平成28年度中に我々としては答申を頂ければと思っておりまして,平成28年度中に答申を頂いて,その後,学習指導要領そのものの改訂をすることになります。仮に学習指導要領の改訂自体が平成28年度中に行うことができたといたしますと,そのうち新しい学習指導要領に基づく教科書を作っていくことになりますので,教科書を作るのに1年,検定に1年,採択・供給に1年ということで,教科書のプロセスで3年必要になってまいります。ですので,平成28年度中に仮に学習指導要領改訂ができたといたしますと,最速で平成32年度から新しい学習指導要領に基づいて教科書を使って実施いただくということが可能になるということだと思っております。平成32年度という年は2020年度でございまして,オリンピック・パラリンピックの年に学習指導要領の全面実施の最初の年を迎えることができればというのが一つの目標ではございますけれども,いずれにしましても,それは今後の御審議を踏まえて,答申などを頂いてからのスケジュールでございますので,今申し上げましたのは,仮にこうしたスケジュールでいけばということで,一つの仮定のスケジュールということでお聞きいただければと思っております。
また,これまで小学校,中学校,高等学校,それぞれ段階を踏んで全面実施というスケジュールにもなっておりましたので,今申し上げましたのは最速のスケジュールでございまして,平成32年度に小学校を全面実施するというのが最速のスケジュールではないかと考えております。
【篠原委員】  そうすると,中学校,高等学校はもっと遅れるということですか。
【塩見教育課程課長】  答申は一緒に頂くのでございますけれども,改訂自体も,前回の改訂の例で申し上げますと,小中は一緒に改訂いたしまして,高等学校は1年遅れての改訂ということでございました。実施については,小学校,中学校,高等学校それぞれ1年ずつずれる形で全面実施という形になってまいりましたので,スケジュール全体を今の時点で決めるのは難しいわけでございますが,これまでの状況などを踏まえて考えますと,今申し上げたようなことでございます。
【無藤部会長】  ありがとうございます。
私が余計なことを言うことでもないのですけれども,通常の手順で考えれば今のようなことですが,10年前などを考えても,例えば教科書を完全にそろえてからの実施でない部分について先行実施とか部分実施はやってまいりましたので,私どものこの部会での議論も踏まえていただきながら,そういうことも場合によってはあり得るのではないかと予想しております。今の回答でよろしいですか。ありがとうございます。
篠原委員の最初の論点も非常に大事な御指摘を頂きました。高等学校の部分について,諮問では,「国家及び社会の責任ある形成者となるための教養と行動規範や,主体的に社会に参画し自立して社会生活を営むために必要な力を,実践的に身に付けるための新たな科目等の在り方」という提言があるわけでありますけれども,その名称として,例えば「公共」という案もあります。いずれにしても,教科・科目としてそういうものを検討するというのが高等学校としての提言となっているわけですが,当然ながら,今読み上げた公共的な精神といいますか,それは小学校教育からの基本の一つであることは言うまでもないと思うので,是非皆様方にもそれを踏まえながら御議論をお願いしたいと思います。
それでは,生重委員,お願いします。
【生重委員】  21世紀,「教育は社会総がかり」というキーワードが出ているかと思いますが,今般の改訂に向けて,大学に入るために求められる力も大幅に変わってくる。それが今回の英語とか様々なところに書き込まれているのかと思いますが,先ほど川嶋委員がおっしゃっていたように,かなり人員増ということを考えなければいけない。教育支援スタッフもそうなのですが,文部科学省が様々な政策を打っているコミュニティ・スクールや,学校支援についても,コミュニティ・スクールの数を増やしていくのと同時に,小・中学校の一貫教育ということも同じ土俵で語られているかと思うのです。そういうところも十分意識していただき,それともう一本入ってきている「教員のチーム力」という議論も始まっているかと思いますが,ここで学校の内と外を両方生かしたチーム力みたいなものも意識できる中身になっていってほしいと思います。学習指導要領自体はきちんとプロフェッショナルの教員が取り扱っていくものなのですが,子供たちの力を伸ばしていくときに,どこで外とつながるかということが未整備なままでいるのではないかと考えております。事務局の方でも,例えば産業界を含むネットワーク作りとか,県教委,市教委等にキャリア教育を支援するためのネットワーク作りなどのようなことも行っていらしたり,社会教育,生涯教育の方では,土曜日や放課後の子供たちの学習意欲向上のための情報発信のプラットホーム等も行っていらしたりする。そういうものを双方的に活用しながら,なおかつ,そこを柱として,どういうふうに実績や人材を育てていくかということが大切になってくるのではないかと考えます。
以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございます。
教育課程部会ですので,学習指導要領の改訂中心であることは言うまでもないのですけれど,御指摘のように,学校という組織,あるいはもう少し大きく学校教育全体の仕組みの議論が,他部会と並行して正に今進んでおりますので,初等中等教育部会などで全体的なところを見定めるのかとは思いますけれども,私どもの部会からもいろいろ提言できればと思っておりますので,よろしくお願いいたします。
それでは,髙木委員,お願いします。
【髙木委員】  今回の諮問の内容につきまして, 3点意見を申し述べます。
1点目です。教育課程が今回変わるわけですが,日本の教育課程というのは,海外に比して優れたものであるし,昭和22年からおよそ10年ごとに,これまでも8回の改訂の中で改善されてきたというふうに一つ判断をしております。今回,その内容を変えていくに当たりまして,これまでは内容が先に決まっていたわけですが,どのような学力をつけるかというところから評価の観点をより一層明確にするということがこの諮問の中にも書かれております。その点につきまして,平成13年4月に文部科学省の局長通知によって,目標に準拠した評価ということになりましたが,なかなかこれが20年たっても,学校において安定して定着していないだろうというところがあります。それは昭和23年から行われてきた相対評価,いわゆる集団に準拠した評価をいまだにやっているところもあるわけです。そういった状況の中で,現行の観点を含めて,評価ということを,教員がより理解できるような内容とすること,それと学習指導要領の内容とも整合性を図っていくことが,私は今回の改訂の中で一番重要になってくるだろうと考えております。それが第1点です。
2点目です。これは明治以降,日本の学校教育が国語,算数,理科,社会というような教科で行われてきておりますが,グローバル化してきている中で,基礎的な知識・技能という形で教科内容を教えることはもとよりで出てくるのですが,もう一方で,これまで国研ですとか文部科学省の方のプロジェクトで行われてきました21世紀型能力や資質・能力ということを支えるような学び方についても,もう少し学校教育の中に取り入れていきませんと,教科内容だけではもう学校教育はもたないだろうなと思っております。これが2点目です。
3点目です。今回の諮問の中にも出ております,非常に刺激的な言葉である「アクティブ・ラーニング」について,これが実は今,かなりのところで誤解の下に進んでいるということがなきにしもあらずと認識しております。講義一辺倒ではなくて,学習者が参加しながら能動的に学ぶということは非常に大事なことでありますので。指導方法は改善しなくてはいけないのですが,余りにその指導方法だけを明示化すると,固定的な指導方法がまん延し,その前に子供の現状や実態があり,教育内容に併せて指導法が生まれてこなければならないはずなのに,例えば「ねばならない」という状況が現状として出てきているわけです。特に指導主事の指導方法によって,この教科はこういう指導をしなければいけないというような固定的な指導方法が出てきてしまっている。ですから,「アクティブ・ラーニング」というのは基本的には賛成で,指導方法を考えなければいけないのですが,まず,学習者ありきという観点を是非考えていかないと,固定的な学習指導方法によって非常に狭まった,偏った学習指導が行われているということに対して危惧しておりますので,しなやかな指導方法を考えていく必要があると考えております。以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございます。
髙木委員の御整理のとおりが今回の諮問,また,私どもの部会の大きな使命の特徴だと私も理解しております。懸念とおっしゃった部分,「アクティブ・ラーニング」というのが確かに目新しい言葉なので,それだけが目立ち過ぎるかもしれませんが,諮問の文章に戻れば,2ページ目の真ん中ですけれども,学びの質や深まりを重視することが必要である,そのために課題の発見や解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習やそのための指導方法を充実させるとあって,それを一言で「アクティブ・ラーニング」として出しているわけでありますので,そういう意味で,正に学びの質や深まりのためにという点が重要かと私も理解しております。
もう一つは,評価のことをおっしゃっていただいて大変有り難く思います。個人的意見に近いものになってしまいますけれども,今回,諮問の中で最初から評価の問題を取り上げていただいているわけですけれども,10年ごとの改訂では,従来,学習指導要領を改訂しておおむねそれが決まったところで,学習指導要領を含めた教育評価の議論という流れになっていたと思うのです。そういう意味で,教育評価の議論は,その都度,時間の制約の中で一生懸命やってきたとは思いますけれども,議論がし尽くされなかったといいますか,あるいは現場に浸透する時間が十分ではなかったところはあったと思います。今回は学習指導要領と評価とを一体的に考え,私どもの部会として議論しなさいと,非常に大事な諮問だと私も理解してございます。
さて,それでは髙橋委員,よろしくお願いします。
【髙橋委員】  ありがとうございます。
社会で貢献していく人材を育成していくということでは,高等学校でも,就職した後,すぐ辞めてしまうといった問題も踏まえて,大学の選択や就職の選択にミスマッチがあってはならないなということは強く感じているところです。先ほど来お話がありました小学校,中学校,そして高等学校,場合によっては大学との連携というところを私たちも大事にしていかなくてはいけないと思っています。小中一貫の議論の中でも高等学校の教育までを考えてほしいと思っています。現在も既に中高一貫の教育がありますから,その中でどのように連携していくかということはすごく大事なことと思っております。
そういった意味で,それぞれの校種での主体的な学びも大事ですけれども,その前提として身に付ける知識・技能はそれぞれの校種で明確にしておかなくてはいけないと思っています。ただ,9年間の義務教育を通して児童生徒一人一人が多様な学習体験や体験活動をもち,そこで多様になった生徒の学習経験を踏まえて,意欲を持って主体的に学ぶかという観点においては,単に知識・技能を明確にするだけではなく,学び方というものを示していくことが大事だと思っています。
もう一つ,学校の中では個人でチャレンジすること,チームでチャレンジすること,そのチームも小規模からクラス,学年,学校全体と様々です。大学受験なども,本校では「受験は団体戦だ」と言って,皆で意欲を高めていく中で自己実現も含めて夢を達成させていくということが大事なことと思っています。その辺のバランスは考えていかなくてはいけないと思っております。
それからもう一つ,現行の学習指導要領でも,他教科・他科目の学習成果をしっかりと活用して連携させながらという部分がありますけれども,本校でも,校内研修等で,例えば漢文指導の中で,中国史を学んでおくと非常に学習意欲が高まるといったことがありますので,それぞれ教科・科目の指導をどういうふうな形で連携していくのかという,他教科・他科目を意識するということはすごく大事だと思っています。地理歴史科についても,今回,見直し・改善を図っていくわけですが,これまでも他教科・科目の学習成果を生かすといった点からも,日本史や世界史の学習成果を融合したり,自分理解や地域理解,国土理解にもつながる地理の学習成果を生かしたりするなど,バランスのよいものではなくてはいけないと思っています。また,様々な知識・技能をしっかりとした教養につなげていくという観点では,感性を含めて,日本の教育ではこれまで様々な部分で芸術科目等の力もあったかと思っております。こうした様々な部分でバランスを考えながら考えていくことが大事だと思っています。
以上でございます。
【無藤部会長】  ありがとうございます。
髙橋委員は,御承知のように,高等学校の校長協会の長(ちょう)でいらっしゃいますけれども,今回,諮問全体を見ると,特に高等学校の部分について非常に具体的に立ち入った項目が幾つも出ております。ある意味で,幼・小・中・高全体の中で,今回,とりわけ高等学校改革が重要であるということを文部科学省の大臣としても認識されていると思いますので,是非高等学校を代表する先生方に御議論を一生懸命なさっていただくことを期待しております。
【髙橋委員】  少し懸念していることがありまして,個人でチャレンジをしていくということが強くなっていくと,以前は,教員が言わなくても,保健室で少し具合が悪くなって休んでいた生徒に,放課後に大丈夫かなって声を掛けにきた生徒が多くいたのですが,それが最近少なくなってきているのではないか,減ってきているのではないかなという懸念が出てきているのです。そういった意味で,先ほどバランスというお話をさせていただいたのですが,人間関係の形成というところでも,チームで,あるいは個人でチャレンジするといった教育活動のバランスも考えていかなくてはならないと思っています。
【無藤部会長】  是非今後も実情をよろしくお願いいたします。
それでは,大島委員,お願いいたします。
【大島委員】  ありがとうございます。
今,我が国の置かれている少子化とともにグローバル化の方向ということを見据えて,今回の教育課程は知識偏重型からどのように学ぶかという,学びの質や深まりへの移行という,ある意味非常に大きな変革なのではないかと思っています。その中で,審議事項の柱として三つ上げられております。その中の2と3に関連して2点ほど申し上げたいと思います。
1点目は,教科としての在り方になります。これは本日,英語教育に関連していろいろ今後どうするかという方向性を示していただいたのですけれども,現行の教育課程は,英語,国語,理科と縦割りというか,教科が非常にしっかりしているというのは日本の教育の特徴だと思います。今後は,その知識をどうやって統合して,構築して問題解決をしながら主体的に学んでいくかということが大事になってくると思うのです。その中で,教科で共通課題というのもあると思いますので,それを整理しながら,教科を横断することによって学びの質や深まりというものをどうやって深めることができるかということを一度整理して,具体的に今後の学習指導要領の改訂も含めて考えていく必要があるのではないかと感じております。それが1点目です。
2点目は,それを実際に実行するための方法についてです。3点目にカリキュラムのマネジメントなどが出てきておりますけれども,最近,チームワーク及び「アクティブ・ラーニング」の話も出てきておりますので,そういうことをどうやって少人数制の中で実現していくかということが非常に大事になってくるのではないかと思います。その中で,現行の教員だけでやるというのは非常に難しいところがあると思いますので,そこを連携しながら,また, ICTなどを活用しながら,例えば小中連携,あと高大接続の連携もありますので,いろいろな教育課程及び地域とも連携しながら,「アクティブ・ラーニング」などに応用しながら,実際に実現していくということを今後具体的に考えていく必要があるのではないかなと思っております。
以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
特に第1点の部分は,教育課程部会の議論の進め方につながるのですけれども,従来,学習指導要領改訂は教科ごとの部会で専門家に御議論いただいて,それをここでまとめる形ですけれど,そこに行く前に教科間のつながりとか,教育課程全体の見通し等の議論というものを極めて丁寧にやる必要があるということで,また最後の方で御提案をしたいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。
それでは,銭谷委員,よろしいですか。
【銭谷委員】  ありがとうございます。
最初の教育課程部会ですので,気が付いたことだけ4点ほどお話をさせていただきたいと思います。
まず1点目ですけれども,先ほど川嶋委員の方からもお話がありましたけれども,審議に当たって将来社会をどう展望していくのかということを我々としても十分議論しておく必要があるのではないかなと思います。今年一番衝撃的だったのは,人口減少ということでございまして,例えば私が生まれました秋田県は25ぐらい市町村があるのですが,そのうち将来生き延びるのは1市町村,大潟村だけではないかという記事が出まして,県内で大変な衝撃を今受けているわけですけれども,こういう人口減少社会で,しかもITの技術革新は更に進むだろうし,グローバル化はもっと進むと思うのです。そういう社会を生きる子供たちの教育をどうするかという,こういう議論ですので,将来社会展望をしっかりすべきだと私は思います。これは今までの日本社会にない状況になっているわけですので,それだけ教育が非常に今重要になってきていると言いたいです。世の中の人に,教育というのはこう変わる,こういうふうに重視しなければならないということを訴えて,必要な財政的な措置もできるような,そういう報告を目指したいと思っております。その意味でいうと,この諮問文は大変行き届いた内容で,特に最初のパラグラフは非常にいい問題提起になっていると思ったのが第1点でございます。
第2点ですけども,実は今の学習指導要領が実施されてまだ経験が浅いのですが,2点目としては,実施の経験をきちんと踏まえるということが必要ではないかなと思いました。実施の経験というと,一つは子供の実態をよく見るということがあると思いますけれども,例えばいじめとか,子供の体力とか,学力とか,そういった子供の実態をよく見た上で方向性を決めればいいでしょうし,もう一つは,教育課程の編成・実施上の状況というのをよく見ておく必要があるだろうと。例えば,先ほど髙木先生の方からお話がありましたけれども,「アクティブ・ラーニング」というのは大変いいことでございますけれども,これは実は,世界的に見ると「アクティブ・ラーニング」というのは,ある意味では日本の強みでもあったわけでございまして,ほかの国と比べると,日本の授業というのは,ここで言われているところの「アクティブ・ラーニング」に近い,そういうことをやっていると私は思っておりまして,そういう日本の良さが生きるような教育方法についての記述ないし意見という方向に私は持っていきたいなと思っております。また評価についても,今回,一体的に議論するということは先ほど部会長もおっしゃったとおり大変意味のあることだと私は思いますが,評価は非常に難しいことで,短兵急に評価について個々の子供の評価の結論を出すのは非常に難しい場面もたくさんあると思いますので,評価の問題の議論は丁寧にやっていく必要があるのではないかなと思います。いずれにしても,実施の経験を踏まえるという点では,これまでに比べまして文部科学省の教科調査官や国立教育政策研究所の先生方が,いろいろと実地に行かれ,レポートをしておられますので,そういう成果を是非この会でも御披露いただきながら議論を深めていきたいと思っております。
3点目ですけども,今回の改訂で,これは一つの大きなポイントになると思いますが,高等学校教育について,これだけきちんと触れられたというのも久しぶりではないかと思います。是非,高等学校教育の議論は今回深めていきたいなと思っております。高等学校については世界史の必修とか,あるいは地歴公民科の設置とか,そういうことをやりましたのは平成元年ですので,その改訂以来ですから30年近く,半世紀ぐらい余り大きく変わっていないはずですので,高等学校教育の議論というのは今本当に必要で,報告書もかなり出ていますけれども,これはしっかりと議論していきたいなと思っているわけです。その際,高等学校教育というのは人間としての在り方生き方教育というのがずっと課題になっていましたので,そういう人間としての在り方生き方教育というのをどういうふうに具体に展開するのか。あるいはいつも問題になるのは,必修と選択のバランス,教育的内容と選択的な内容のバランスということですので,このこともしっかり議論したいと思いますし,最後に,高等学校は初等中等教育では最終段階でありますので,高等学校におけるキャリア教育,在り方生き方教育とも関連しますけども,そのこともよく議論をしていきたいなと思っております。
さらに,もしできましたら,今の地歴科,公民科でいいのかというところも踏まえて議論できたらいいと思っております。
最後,4点目でございますけれども,若干個別の話題になるかもしれませんが,先ほど部会長もおっしゃっていただきましたけれども,各教科の議論を丁寧にやっていきたいと思います。例えば,先ほど人口減少の話をしましたけれども,昨日,ある会合で家庭科の先生からいろいろお話を伺ったら,ちょうど家庭科の高等学校男女共修が始まって最初の生徒たちが今35歳ぐらいになっていて,言葉は正しいかどうか分かりませんが,男女とも家庭科を学んでいる。その世代は出生率も多少増えていて,育児にも父親,母親それぞれ参加するというようなことで,成果は出ているということでした。いわゆる5教科以外の家庭科あるいは音楽,図工,美術,あるいは保健体育,さらには高等学校における芸術といったような,こういう教科にも丁寧な議論を是非していきたいというのが感想でございます。
それともう一つ,余り触れられておりませんでしたけども,幼児教育については,今回,相当詰めた議論をしなければならないと思います。0歳からはじまり,普通であれば3歳以降の子供たちはみんな幼稚園や保育所などの公的なセクションでの教育を受けるのだという前提で就学前の子供たちに対してどういうカリキュラムを用意するのかという議論は,これからの日本社会から考えたときに極めて大切だと思いますので,是非その議論もよろしくお願いしたいと思います。
長くなりましたが,以上でございます。
【無藤部会長】  基本的な方向をありがとうございました。
それでは,松本委員,よろしいでしょうか。
【松本委員】  3点お話ししたいと思います。1点目は,グローバル化の進展という点です。この資料等に書かれてあるグローバル化というのは,日本全体を見据えてのグローバル化だと思うのですが,子供たちの世界においても既にグローバル化が進んでいるということについて,もう少し踏み込んで検討した方がいいのではないかと思います。日本社会のグローバル化に備えてというよりも,学校の中でのグローバル化ということについてもう少し検討されるといいと思います。
2点目は,教育方法についてです。今回,何を教えるのかということだけでなく,どのように学ぶかということも重視するという方向性ですが,either orではなくて両方重要なのだという発想や方向性については大賛成です。学校というのは集団で学ぶ場所ですので,いわゆる個人学習や家庭教師やコンピューターを使っての学習とは違う学習を展開することによって,学校らしい教育が展開されると思います。教えるのではなく,学ぶということを強調することによって,生徒が主体的に物事を考えるという先生方の発想にもつながるでしょうし,それから,どういう学習体験をさせたらいいのかということに目が向くのではないかと思います。現状では,「アクティブ・ラーニング」という言葉でひとくくりにしていますけども,「アクティブ・ラーニング」の中にも様々な活動があり得ますので,私は「何ができるか」ということだけではなくて,「どのような学習体験をする」のかということについても,更に検討していただきたいと思います。
3点目は評価です。どのような力が身に付いたかということに焦点を当てることは大賛成で,英語の方では何ができるようになったかというCAN-DOリストの活用に関する研究や実践が進んでいます。その点,他教科にそういう発想が受け継がれるというか,拡大していくということについて大賛成です。それに当たっては,教員研修を重視して,英語はかなり研修をしておりますけども,他教科においてもそういうことに関する研修を今後充実していかれることを切に願っております。
以上3点です。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
英語教育を始めとして,具体的なポイントについての御意見ありがとうございました。
では,押谷委員お願いします。
【押谷委員】  ありがとうございます。
この諮問文は大変よく書かれていると思います。いろんな調査や答申,報告などを踏まえていると思うのですが,五つほど要望をしたいと思います。
1点は,道徳教育改革ということで,既に本審議会でも答申が出ておりますけれども,その理念や提案を今回の教育課程改訂においてもどう具体化するかというようなことも論点にしたいと思います。
先ほど銭谷委員からも報告がありましたが,私も同じく,理由のところに書かれてあります3段の部分というのは大変うまくまとまっていると思います。基本的に,ここはこれからの未曾有(みぞう)の変動社会でいかに主体的に生きていくかという,その生き方に関わる根本的な力,こういったものを育んでいこうという理念が示されていると思います。そういったことを具体的な教育課程の中でどう具体化するかという話が進めばいいかなと思う次第です。例えば資質・能力の育成ということが言われています。その資質の中で最も重視しなくてはいけないのは道徳性ではないかと思います。さらに,感性,情操的なものもしっかりと育んでいく必要があります。どうも資質・能力といったときに,思考力・判断力・表現力ということが前面に出てまいります。それは大変いいことなのですが,その質的なことを考えたときに,どこへ向かうのかというと,よりよい社会を作っていく,よりよい自分を作っていくというところに進まなくてはいけないわけでありますので,そういった観点からも,資質・能力を道徳との関係で捉えることが大切だと思うのです。
そしてまた,大島委員から出されました教科横断型の指導について,そのことは社会の変化への対応ということで考えられると思います。基本的には,変動社会でいかに生きるかということに関わる課題でありますので,道徳教育をしっかり押さえながら,そういうプログラムを組むことを提案できるかと思う次第です。
2点目は,先ほどの銭谷委員の発言と重なるのですけれども,幼児教育の改善についてのアピールをしっかりしていく必要があるかと思いました。既に認定こども園等に関わっていろいろな審議がなされているわけでありますけれども,幼稚園も保育所も新しく変わっていく。特に両方ともに教育的な機能もしっかりと付けていこう,保育的な要素も含みながら教育的な要素をしっかりと押さえて小学校へと接続していくということでありますので,その幼児教育についてもしっかりと御審議いただければと思います。
3点目が英語教育であります。先ほどの松本先生のお話もありましたが,私も賛成なのですけれども,そこで危惧されるのは,日本の伝統的な日本語による教育についてです。英語教育でも言語活動を重視するということにおいて,もう一つ,日本語と日本の伝統文化を大切にする,そういうところと並行して取り組まれるといいのかと思います。つまり日本の文化を他者に紹介するなど,そういう外国の人々とコミュニケーションを交わしていくだけではなくて,私たちを外国にアピールしていくことと重ねて取り組まれるとよいと思うのです。そういう我が国の国語や伝統文化を大切にするということと英語教育を充実するということと一体的に捉えられればと思う次第です。
4点目は,高等学校の改革です。私も銭谷委員と同じく,在り方生き方教育というのを前面に出しながらの改革が必要だろうと思います。公共等,具体的な提案もなされておりますが,高等学校における道徳教育をどうするかという点も一歩踏み込んで検討いただきたいと思います。
最後,5点目ですけれども,これからの教育を考えたときに,学校・家庭・地域連携というのがベースになければいけないのではないかと思うのです。これまでは,教育課程を学校独自に作りながら,その補充的な形で学校・家庭・地域連携を考えていくようなニュアンスがあるように思うのですけれども,もっと学校・家庭・地域連携を前面に出した教育課程編成の仕方についても提案できるといいと思いました。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
押谷委員には,特別な教科としての道徳について道徳教育専門部会主査として先行しておまとめいただきましたが,更に御検討をお願いしたいと存じます。
それでは,土井委員,お願いいたします。
【土井委員】  ありがとうございます。
今回の諮問は,いずれも重要な内容ですので,全てしっかり今後御審議いただく必要があるのだろうと思いますが,私の方からは,少し個別の論点になりますけれども,国家・社会の責任ある形成者の育成の点について意見を申し上げさせていただきます。
先ほどから,今回,教育課程への基準等の在り方を検討していく際に,今後の社会の在り方,21世紀中盤以降の将来の社会像について想定して検討すべきだという御意見が多く,私もそのとおりだと思います。ただ,そうは言っても,読み切れないのが現実で,恐らく今の子供たちは,我々が予想し得ないような状況に対して自らの最善の知識等を使って対応していくということを期待されることになると思います。そこで,正にそのように取り組んでいかなければならないという心構えといいますか,姿勢といいますか,そういう責任感を養成していくのがこの科目の目標だろうと思いますので,その意味で重要な検討課題だと思います。
先ほど篠原委員がおっしゃいましたように,これは高等学校だけの問題ではなく小・中学校にも関わる問題です。ただ,小・中学校にも社会科ですとか,今後教科化される道徳等,関連する科目は既にございますので,そのあたりの内容,あるいは教育方法についてどう考えるのかということを検討していただく必要があろうと思います。
それから,こうした教育をしっかりしていこうとしますと,突き詰めますと,やはり自尊心の問題ですとか自己肯定感,あるいは他者への共感の問題は避けて通れないと思いますので,そういう意味では,幼児教育の段階からこうした点について配慮していただくということが必要だと思います。
高等学校につきましては,そうした教育を目的とする教科の在り方を検討するということになろうと思いますけれども,今言ったように,小・中学校も重要ですので,その際には小・中学校との連携に十分配慮していただく必要があろうかと思います。また,その内容の検討につきましては,今回の審議事項の柱の中に書かれています「自立した人間として多様な他者と協働しながら創造的に生きていくために必要な資質・能力」の育成という目的を踏まえて,国家・社会の責任ある形成者としての能力育成をしっかりとしていただく必要があろうかと思います。そうした目的を置きますと,こうした教育については一方的な知識の教え込みという方法は適さないと思います。もちろん基本的な概念ですとか価値の理解は重要だと思いますが,思考力・判断力あるいは具体的な状況において行為する能力という方に結び付けていく必要があるだろうと思います。そういう形で教育をしていただくということになりますと,正に教育方法としては「アクティブ・ラーニング」というのが重要で,先ほど髙木委員が,「教育内容が方法を決める」とおっしゃいましたが,この教育については内容が大きく方法を決めていくことになります。知識は重要ではありますけれども,やはり議論あるいは活動といったものを重視しながら検討していただければと思います。
以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございます。
正に公共的な在り方は教科を超える問題だと思いますので,是非御検討をお願いしたいと思います。
それでは,田邉委員,よろしいですか。
【田邉委員】  ありがとうございます。
私の方からは1点,子供の体力についてということで,参考資料2になります。大変貴重なデータで分かりやすくまとめていただいておりますが,このデータを見ますと,子供の体力をもう少しうまく伸ばすことができるチャンスであると思っております。一つには,2020年東京オリンピック・パラピンピックが来ることによって,子供たちのスポーツにおける関心も高まり,実際に試合を見に行きたいというような関心も高まってくるそのような流れの中で,授業の内容や,地域のスポーツクラブというものを工夫することで,子供の体力向上がすっと伸びてくるチャンスではないかと感じております。世界でも子供たちの体力というのは大きな問題の一つになっております。その中でも,海外からは,日本の学校での体育の授業は非常に高く評価されている状況でもあります。授業の中身ももちろんそうですし,体を動かす機会,どのような場所でできるのか。体育の授業,地域のスポーツクラブ,部活動の充実,これが子供たちにとってはスポーツをする機会になると思います。それと同時に,施設の環境も大切です。体育館の整備であったり,用具の施設等であったり,もちろん安全ということで学校側も十分配慮してあるかと思いますけれども,もう少し設備や用具の環境も充実することによって,子供たちも興味を持ってくれるのではないかと感じています。施設や用具などの問題と体を動かす機会,この二つのバランスをうまく整える必要があるのではないかと思っております。よく小学校や中学校に行って,私も授業に参加したり教えたりする機会があるのですが,そういう中で,武道必修化になってから,畳が固いとかいう問題もあります。今は非常にいい畳ができていますし,受け身をしてもそんなに痛くないような初心者向けの畳もある中で,まだ昔の古い固い畳を使っていたりするところもありますので,そういう施設や用具の問題も少し考えていただけたらと思います。
以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございます。
スポーツの専門家としてこれからも貴重な御提言をお願いしたいと存じます。
それでは,尾上委員,お願いいたします。
【尾上委員】  私も数名の委員から出ていますように,新しい時代をどう見るかがまず必要ではないかと考えます。生産年齢人口は減っていくということが必ず確定している部分であり,社会や職業が変化しているのも実態であります。その中で,国力を低下させないためには,やはりその人材をどう育てるのかというのが大事だと思いますし,当然,これは国の発想でもあり,企業の発想でもあると思います。教育の中でどうやって社会に必要な人材を送り込むのかということを考えますと,これは就職する前から親の教育という部分も必要かもしれませんが,教育課程の中でしっかりした教育内容等が必要と思われます。先日もある数名の教職員の先生にお伺いしたのですが,「必要な教科というのはどういう教科ですか」と言ったら,「全てです」と言われるのです。時代は変化していきますよと,10年後,20年後を考えると,本当に全て必要なのでしょうかという部分が我々にとっては本当に疑問です。国力を低下させないという面からしますと,将来を考えますと,世界が一つになるのか,また,つながっていくのか,国家形成が第一なのか,国際協力をどう保つのか,オールジャパンでどうやっていくのかということを本当に考えていかないと,当然,教えるべきものも決まらないし,育てるべき人材も決まってこないと思いますので,この新しい時代をどう読み切るかということは大事だと思います。読み切れないという部分のお話も出ていましたが,人が減ることは確かなのですから,そういった面では,生産性を上げていくためには,技術革新も当然ながら,知的財産や特殊技能・技術の財産の海外流出というのを避けなければいけないでしょうし,国のためにしっかりとした人間力といいますか,日本人意識というのは作っていかなければならないと感じております。基礎をしっかり押さえ,教え,専門的なところをどううまく切り換えていくのかというところは,家庭力も含めて共に学んでいかなければならないことだと思っております。
以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
正に今の尾上委員の指摘が学校教育に対する社会からの期待を代表する御意見かと拝聴いたしました。
それでは,橋本委員。
【橋本副部会長】  ありがとうございます。
2点申し上げたいと思います。1点は,格差ということです。よく経済的な格差ということを言われるのですが,この頃,町村の教育長さん方と話をしてみますと,都市部では様々な財政投入をして非常にいい状況で進めているけれども,私たちはできないというような嘆きの声を聞くわけであります。教育委員会制度も変わりますので,前ほどではなくなっていくかと思いますけれども,例えば具体的に申し上げますと,今回,英語のお話が出てまいりましたけれども,地方でも子供たちの英語教育は非常に重要だと思っておりますが,外国人が全然いない,ALT活用といってもなかなかできない,海外にいた人材という方もいないという中では,今回の改革の一つに出ていましたデジタル教科書というのが大変興味があるところであります。そういうためにも,ICT環境を充実していくことが必要となっていくわけであります。そういう意味で,公教育というのは,どこに住んでいても,柱というか,基本的な環境というものはできるだけそろえる。そして具体的な授業の中身,教育の展開はそれぞれの設置者や学校に委ねる,特色ある教育をしていただくというものであり,そのための基準や道筋というものが示されるといいと期待を持っております。
それから2点目としては,たくさんの委員の方と重なってしまうのですけれども,将来を見据えてということももちろんありますけれども,これまでの様々な教育の積み重ねとして次の教育課程があるわけであります。現状でもかなりできる部分があるのですけれども,どうしてもこういう諮問がなされますと,新しい教科はどうなるのだろうかとか,何が必須になるのだろうかという話が先に,どうしても周りでは騒がれるわけでありますけれども,例えば,言語活動の充実というのが今入っているわけですが,これで中学校の教育などは随分変わってきたのではないかという感触を持っております。例えば数学とか理科のような授業の中でも,自分の考えを言葉にして説明してみようということをやって,そしてそれを発表し合って,自分の考えを深めている授業の姿を見ますと,学び方ということを次の改訂に向けて考えていくということは,具体的に教員が授業を展開する上で非常に進めることができるということで,その辺については,私たちも十分研究していかなければいけないし,そして現行の中でも,できることをもっと進めていくということが次の教育課程につながるものではないかと考えております。
以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
2点とも重要だと思うのですが,特に最初の地域間格差といいましょうか,市町村の間の格差については国として大いに検討することが必要かと思いますので,御議論をお願いしたいと存じます。
本日,委員の皆様から一通り御意見を頂戴いたしました。まだまだいろいろな御意見をお持ちかと思いますけれども,次回以降に是非お願いしたいと存じます。ありがとうございました。
それでは,最後のところでありますけれども,もう一つあります。教育課程企画特別部会というものをこの教育課程部会の下に設置したいということをお諮りしたいと存じます。事務局から御説明をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】  失礼いたします。先ほど部会長からも御指摘ございましたけれども,学校種又は教科・科目ごとの改訂の方向性に関する検討に先立ちまして,基本的・総論的な考え方として教科・科目等の在り方,学習・指導方法及び評価方法の在り方等に関する基本的な考え方や方向性を検討するため,この教育課程部会の下に教育課程企画特別部会を設置するということの御提案をお手元の資料3においてさせていただいたところでございます。よろしくお願いいたします。
【無藤部会長】  ということで,お手元の資料3というのは,今お話しいただいた文そのままでありますけれども,途中で申し上げたように,個別の教科等の議論に先立ちまして,この教育課程部会としての大きな方向性を考えるというところで,特別部会のもとで具体的な議論を進めながら,この教育課程部会本体と連動させていきたいということでございます。御了承いただけますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【無藤部会長】  ありがとうございました。
それでは,特別部会を設置し,本部会にも随時報告していくということでございます。メンバーはまだ全く決まっておりませんので,事務局の方でいろいろ御検討いただきながら,私どもで決めたいと存じます。
本日予定していた議題はここまででございます。
最後に,次回以降の予定について事務局から御説明をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】  次回の教育課程部会の日程につきましては,部会長と御相談の上,追って御連絡をさせていただきます。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
それでは,これで本日の教育課程部会を終了させていただきます。

── 了 ──

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

電話番号:03-5253-4111(内線2369)

-- 登録:平成27年03月 --