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教育課程部会(第84回) 議事録

1.日時

平成25年6月3日(月曜日) 10時~12時

2.場所

文部科学省3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 教育課程部会長の選任等について
  2. 教育課程部会運営規則について
  3. 幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定について
  4. 日本語指導が必要な児童生徒を対象とした「特別の教育課程」について
  5. その他

4.議事録

○新しい教育課程部会長について,無藤委員がふさわしい旨の発言があり,了承された。
○部会長代理について,無藤部会長から橋本委員の指名があった。また,副部会長について,無藤部会長から橋本委員,市川委員の指名があった。
○事務局からの関係資料の説明の後,資料3のとおり初等中等教育分科会教育課程部会運営規則が了承された。

【無藤部会長】

 それでは,第7期教育課程部会の立ち上げに必要な手続が終了いたしましたので,これより議事を公開させていただきます。
 まず,事務局を代表いたしまして,布村初等中等教育局長より御挨拶を頂戴したいと思います。

【布村初等中等教育局長】

 改めまして,委員の先生方,おはようございます。第7期の,最初の中央教育審議会・教育課程部会でございますので,一言御挨拶を申し上げたいと思います。
 このたびは,この教育課程部会の委員に御就任いただきまして,誠にありがとうございます。また,日頃から初等中等教育行政,初等中等教育の振興に御指導,御協力を賜っておりますことを重ねてお礼申し上げたいと思います。
 先生方御案内のとおり,新しい学習指導要領が,小学校,中学校に続き高等学校でも,今年の4月から年次進行で実施に至っているところでございます。文部科学省としては,新しい学習指導要領の趣旨が全国の学校現場で理解をされ,実現されるよう,周知・広報を推進しているという段階になります。特に今回は,学校教育法にも規定をいたしました思考力,判断力,表現力などの効果的な育成に向けて,各教科等を通じた言語活動の充実のための取組を推進いたしますとともに,児童生徒のコミュニケーション能力や情報活用能力の育成,観察・実験の重視をはじめとした理数教育や外国語教育の充実のための指導体制の充実,教材の整備の支援に取り組んでいるという状況でございます。
 今期の教育課程部会では,当面は,まず,幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の在り方,子ども・子育て支援新システムについては,平成27年度の本格実施に向けて今,条件整備をしているという段階ですので,まず,この保育要領の御審議をお願いしたいと思っておりますし,外国人の児童生徒などの日本語指導が必要な児童生徒を対象とした「特別の教育課程」の在り方についても,御審議いただきたいと考えております。
 一方で,安倍内閣の下,教育再生が経済再生と並ぶ国の最重要課題とされ,本年1月には,「教育再生実行会議」が官邸に設置をされたところでございます。この会議が2月にまとめました「いじめの問題等への対応について」という第一次提言では,道徳の新たな枠組みによる教科化など,道徳教育の抜本的な充実が提言されたところでございます。これを踏まえまして,文部科学省としては,「道徳教育の充実に関する懇談会」を設置させていただきまして,「心のノート」の全面改訂の作業に入っていただいておりますし,並行して,新たな枠組みによる道徳の教科化の論点整理についても検討を始めていただいているところでございます。こういった点で,今後,具体的な教育課程の在り方について,御審議をお願いするということになろうかと考えております。さらに,5月28日の第三次提言「これからの大学教育等の在り方について」におきましては,グローバル人材の育成という観点から,例えば小学校の英語学習の抜本的な拡充,実施学年の早期化,指導時間数の増,教科化などの御提言を頂いたところでございます。今後,これらの検討につきましても,また教育課程部会に御相談を申し上げていくということになろうかと思っております。
 一方で,自由民主党,与党の方におきましても,「教育再生実行本部」という形で様々な教育再生に向けての御提言を頂いている状況ですので,今後,教育課程に関しまして重要な課題が生じた際には,その都度御報告をし,御意見を賜る形で教育課程部会の先生方の御指導を仰ぐということをお願い申し上げたいと思います。
 これらを含めて,教育再生の時期に当たりまして,幅広い観点から充実した御審議,御指導を賜りますよう重ねてお願いを申し上げまして,第1回に当たりましての御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【無藤部会長】

 どうもありがとうございました。
 それでは,改めて私の方からも一言御挨拶させていただきます。御選任いただきました,無藤でございます。
 私は,教育課程部会につきましては第2期以来,委員として参加させていただいておりますが,この第6期,引き続きまして,更に部会長を務めさせていただくということになりました。何とぞよろしくお願いいたします。
 今,局長にも御挨拶いただいたわけでございますけれども,新学習指導要領は,小・中学校に続きまして,高等学校でも本年4月より年次進行で実施ということでございます。そこで,本部会として今後,全国学力・学習状況調査あるいは国際的な学力調査の結果などを踏まえまして,新学習指導要領の実施状況,また学校現場が抱える課題の把握などに努め,より良い教育課程の実現に向けて議論を行うということが,第一の仕事かと存じます。
 また,今,局長より御説明もございましたけれども,道徳教育の充実に関する懇談会が,4月から開かれてございます。「心のノート」の活用,その他いろいろと議論があるわけであります。私も,そちらの懇談会の委員でもございますけれども,ここにいらっしゃる何人かの先生方も,お加わりいただいているわけであります。それにつきましては,将来的に懇談会の成果など踏まえまして,本部会において具体的な教育課程の在り方等の検討につなぐということが必要になろうと考えてございます。
 それ以外に,本日の審議事項はもとよりでありますが,教育課程をめぐる課題への対応が必要になるかと存じます。
 おおむね大きな方向として,局長の御挨拶にあったようなことかと理解しておりますけれども,私といたしましては,ここにお集まりいただきました各界の専門家の委員の皆様に御協力いただきながら,精一杯務めさせていただく所存でございます。どうぞ御協力方よろしくお願いいたします。
 それでは,早速,本日の議事に入りたいと思います。
 お手元の議事次第にありますけれども,本日は二つの主な議題がございます。一つは,幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定についてであります。もう一つが,日本語指導が必要な児童生徒を対象とした「特別の教育課程」についてというものでございます。この二つに加えて,多少のその他がございます。
 それでは早速ですけれども,「幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定について」ということで御審議いただきたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。

【蝦名幼児教育課長】

 それでは,一つ目の議題でございます「幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定について」,まず,本日配付しております資料につきまして,御説明をさせていただければと思います。配付資料の資料4-1,それからその後ろに,クリップ留めされております資料4-2というものと2種類ございますが,これらにつきまして御説明させていただきます。
 資料4-1で「子ども・子育て関連3法について」ということでございますが,昨年の8月に,子ども・子育てを総合的に推進していくための法律,大きく三つございましたけれども,それらを国会でお認めいただいたということでございます。
 1ページおめくりいただきまして,その子ども・子育て関連3法の趣旨と主なポイントについてのページでございます。今回,保護者が子育てについての一義的責任を有するという認識の下に,幼児期の学校教育・保育と地域の子ども・子育て支援を総合的に各地域でもって推進していけるような仕組み作りを目指すということでございます。主なポイントとして,一つ目には,幼稚園あるいは保育所というものが,この就学前の教育・保育機関としてございます。これらにつきましては,現在,財政支援の仕組みなどが全く異なっておりますが,今回,認定こども園も含めて幼稚園,保育所を通じた共通の給付を創設して,財政支援をこれまで以上にしっかりと行っていけるようにしていくということが柱の一つ目でございます。柱の二つ目として,本日の議題にも関わってまいりますが,認定こども園制度の見直しということでございます。特に,後ほど資料で御説明しますが,幼保連携型認定こども園の改善を今回の法改正で行ったところでございます。また,地域における子ども・子育て支援には,各市町村が実施主体となって様々な事業が行われておりますけれども,その施策の充実を図っていこうということを大きな柱として,昨年の8月に,国会で関連の法律をお認めいただいたところでございます。
 2ページ目を御覧いただければと思いますが,こうした取組を進めるために,一番下の丸でありますけれども,地方の代表あるいは労使の関係者,あるいは幼稚園,保育所の関係者や有識者などから成ります「子ども・子育て会議」というものが内閣府に設置されておりまして,今後,先ほど申し上げた三つの柱に沿って,制度設計の詳細についての議論をしていくこととなっております。この新しい仕組みの本格的な施行は,早ければ平成27年度からということで,27年10月とされております消費税の税率の引上げに伴って,この分野にも消費税財源から安定的な財源を得ることとセットで考えられているところでございます。
 3ページ以降に,この子ども・子育て新制度の柱の一つであります認定こども園制度の見直しについて,資料を御用意させていただいております。
 3ページの左肩の方に類型というところがありまして,幼保連携型,幼稚園型,保育所型,地方裁量型と四つの類型が示されております。この認定こども園の仕組みは,平成18年度からスタートしてございますけれども,基本的に従来の幼稚園,それから保育所の仕組みをうまく組み合わせる形で,一つの施設で幼児期の学校教育と保育の両方を提供できるような姿を目指した仕組みでございます。4類型ございますのは,図にしてありますところから御覧いただけますように,まず,幼保連携型は,幼稚園と保育所それぞれがあって,その二つの施設が相互に連携をしながら一体的に一つの施設で,幼稚園で行う教育と保育所で行う保育の両方を提供できるような仕組みを持っているものでございます。また,幼稚園型については,幼稚園を母体に,保育所そのものは持っていないものの保育所の機能を果たせるような仕組み作りをしていて,これが一体的に運用されているもの。保育所型は,逆に保育所があって幼稚園的な機能を持っているもの。地方裁量型は,その両方の機能を,認可施設はございませんけれども持っているものという四つの類型でございます。今回,この四つの類型のうち,特に幼保連携型認定こども園については,幼稚園と保育所の組合せで一つの施設で幼児教育と保育をやっておりますけれども,実際にこれを設置しようとした場合には,幼稚園の認可も取らなければいけないし,保育所の認可も取らなければいけない。また,その上で認定を受けるわけですが,それぞれにまつわる認可の事務的な負担,あるいはそれにまつわる指導監督について,別々に受けるということからしまして,設置をされている方や保護者からの評価は非常に高いわけですけれども,何とかもう少し作りやすくできないだろうか,もう少し運営しやすくできないかという声もございました。そこで,今回,この幼保連携型認定こども園については,幼稚園と保育所をそれぞれ一つ屋根の下に持っている施設ということではなくて,学校としての性格と,それから児童福祉施設としての性格を法律上持つ単一の施設として,新しい施設の類型として再構築をしまして,右側に幼保連携型認定こども園というものを,名称は同じですけれども,作り替えることといたしました。これによりまして,認定については一つの主体が一つの基準に基づいて行いますし,指導監督も一本化をされる。先ほど申し上げた新しい給付を受けることによって,お金の面でも一体的な運営が可能になるということになります。
 4ページを御覧いただければと思いますが,具体的な施設の行う事業のイメージとして,4ページ下の右側のところに示してございます。新しい幼保連携型認定こども園におきましては,3歳以上の子供さんの受入れを義務付けまして,受け入れた全ての子供さんに対して,幼稚園が行っているのと同様の学校教育を行う。その上で,保護者が就労するなどして保育が必要とされる子供さんに対しては,それに加えて児童福祉法に基づく保育も行う。このように,一つの施設で,3歳以上であれば全ての子供に学校教育も行えますし,保育の必要性に応じて保育も行うような,一つの施設で二つの機能を有するということになってございます。
 5ページ以降では,制度設計について細かい資料を御用意させていただいておりますけれども,ポイントとなるのは,従来の幼保連携型認定こども園では,幼稚園と保育所のそれぞれの施設が一つ屋根の下で連携をしていたものが,今回は単一の施設になるというところでございます。赤字でお示ししておりますように,ここで行われる教育や保育の内容の基準についても,従来であれば教育部分は幼稚園の教育要領,保育部分は保育所に保育指針がございますので,これらを組み合わせれば一つの施設で運用ができたわけでございますが,今回これが単一の施設になりました。幼稚園とも保育所とも違う全く新しい類型になりましたので,ここで行われる教育と保育の内容の基準を別途定める必要が出てまいったというわけでございます。同様に,設置基準や配置職員についても,単一の施設であることを前提にした制度設計になってございますけれども,これも同じような形で整理をしてございます。7ページでは,従来の幼保連携型認定こども園の諸般の制度と,新しい制度との比較について整理しておりますが,今ほど申し上げましたように,従来の幼保連携型認定こども園であれば,幼稚園教育要領又は保育所保育指針をそれぞれ適用させる,借りてくるということで良かったわけですが,今回は全く新しい幼保連携型認定こども園のための教育・保育の基準を作る必要がございます。
 資料4-2という1枚紙を御覧いただければと思います。今回,検討体制についてお示ししてございますけれども,この幼保連携型認定こども園の保育要領については,法律上,幼稚園教育要領と保育所保育指針との整合性を確保して作成するということが言われてございます。先般開かれました初等中等教育分科会で,この幼保連携型認定こども園の保育要領について御審議をお願いしたいという審議の要請をさせていただきまして,本日この部会では,具体的な内容についての審議を進めるために,教育課程部会の下に認定こども園教育専門部会を設置していただきたいということで,お諮りさせていただくものでございます。
 なお,幾つか補足的な説明をさせていただきますと,この基準は,学校教育の基準という内容とともに,児童福祉の基準という内容も含んだものとして定める必要がございます。したがって,教育の観点から,中教審におきます御検討をお願いしたいということとしてございますが,別途児童福祉の観点から,厚生労働省の社会保障審議会の中の児童部会の下に,認定こども園保育専門委員会というものが既に設けられることが決定されておりますので,是非この専門委員会と合同で会議を行い,その内容の御審議をお願いしたいと考えてございます。
 また,このような検討体制や今後の検討の動向につきましては,冒頭,子ども・子育て会議において詳細な審議を行っていくと申しましたけれども,この保育要領につきましては専門的な内容であることから,両部会の合同会議にてお願いしたいと考えてございます。その上で,適宜,子ども・子育て会議に対しましても,審議の内容について報告をしながら,全体として整合的な内容となるように進めていければと考えてございます。なお,子ども・子育て支援新制度の施行は,最速で平成27年度からとされてございますので,できればその1年前には,この新しい保育要領につきまして告示を行いたいと考えてございます。
 本日御審議いただきましてお認めいただきましたら,速やかに準備を行い,審議を開始したいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

【無藤部会長】

 ありがとうございました。ただいま事務局より御説明いただきましたけれども,それについて審議を行いたいと思います。御質問,御意見等があれば挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。
 では,秋田委員。

【秋田委員】

 御説明ありがとうございました。子ども・子育て会議並びにこちらの中教審と社会保障審議会,それぞれに出させていただいております者からのお願いでございます。
 1点は,子ども・子育て会議の方でも現在,基本指針を作ってございます。そちらの文言と,保育要領の検討に係る合同会議において作られていく保育要領の文言について,子ども・子育て会議は内閣府の法律,保育要領は学校教育法並びに児童福祉法というふうに,法体系がそれぞれ違うのですけれども,やはり一貫して整合性を持った形で,既に内閣府で議論されているものを踏まえた形で御検討いただくようなことを,この合同会議の委員の方にきちっと御説明いただいて審議が進められるようお願いしたいと思います。
 また,両会議で,例えば用語でございますけれども,学校教育法の方では,幼稚園教育要領では教育を目的として行う行為を保育というふうに呼んでございますが,児童福祉法の方では,保育というのは養護と教育の一体的展開において行うものを保育──乳児から5歳までを保育と呼んでおりまして,その用語の違いによって,長い歴史の中でそれぞれのイメージ等が違ってございます。このように異なる法体系の下で要領を一つに作っていくということで,是非とも事務方にきちっと整理いただきまして,審議ができるような形をお願いしたいというふうに思ってございます。
 もう1点,その合同会議がそれぞれに報告をするわけですけれども,最終的には,この合同会議に優先的な審議の決定権というものを頂かないと,相互のやりとりでそれぞれのお立場から頂くと常に揺れていくと思いますので,この点についてもお考えいただけると有り難いと思います。
 以上でございます。

【無藤部会長】

 ありがとうございます。事務局,何かございますか。

【蝦名幼児教育課長】

 今御意見いただきました点は,いずれも重要でございます。今回,法律上,用語の定義などについても検討させていただいたことを前提にしているつもりではございますけれども,内容の検討にわたる過程で食い違いが生じないように,しっかりと整理をして進めさせていただければと思っております。
 また,子ども・子育て会議というのが内閣府に設置をされておりますけれども,そちらでどんな意見が今出されていて,どんなことが審議をされているかについての情報も,しっかりとこの合同会議に提供させていただき,逆に合同会議での検討の進捗についても子ども・子育て会議に適宜報告をさせていただければと思っています。
 冒頭申しましたように,全体として整合的な内容で審議が進められるように心掛けてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

【無藤部会長】

 ありがとうございました。何しろ親委員会といいましょうか,双頭ではなく三つの頭があるわけで,ややこしいですけれども,よろしくお願いいたします。
 ほかにございますでしょうか。どうぞ,隂山委員。

【隂山委員】

 失礼します。質問と,それから意見ですけれども,この間待機児童ゼロということで,保育所等も非常に急激に増えたと思うんです。それ自体は非常に好ましいことではありますが,それをきちんと保育していくだけの人材といいますか,指導する方々がきちんと担保されているのかということを,不安に思っております。
 私自身は保育の方は専門外でもありますし,直接そういうやられている方々と触れ合う機会はなかなかないんですけれども,一部の評論的な方のお話を聞きますと,ちょっと保育の質としてどうかというようなことがあると聞いています。
 具体的に申し上げると,幼児虐待でありますとか,高齢者,福祉に対する虐待がございましたね。子供と違いまして乳幼児になりますと,本当にそういう問題があったとしてもほとんど隠蔽されてしまって,そういうことをされたということを訴えることができない。ところが,現実問題として,そういう非常に悪い条件の中でたくさんの子供たちを扱わなければならないので,そういう問題が起きているという話だけは聞くんですね。
 具体的な実態がないので,本当に言いがかりになっていたら申し訳ないのですが,いずれにしましても,こういう問題が急拡大をしてきたときに,人材の指導者の担保がきちんとなされるように,十分準備されているのかどうか。非常にきっちりしている分,ちょっと時間がかかるのではないかということを少し不安に思っているのですが,どうでしょうか。

【無藤部会長】

 今の人材の質の確保のこと,よろしくお願いします。

【蝦名幼児教育課長】

 待機児童に関しましては,この4月にかなり総合的に施策を打ち出しておりまして,平成29年度頃に待機児童がピークだと言われておりますが,その時点で解消できることを目指した取組を,厚生労働省を中心にやっていこうということになっています。
 その中でも,現在待機児童が発生している理由として,保育所の数が少ないという側面もありますがやはり人材の不足があり,その人材をどう確保するかということも一つの大きな柱になっていると思います。
 特に,現在認可を受けていない保育所がなぜ認可を受けられないかといえば,資格を持っている人が十分確保できないという事情もあるようでして,そのような認可を受けられないような保育施設で働いている方にも資格を取りやすくするために,就学資金を貸し付けるようなことも考えているようでございます。
 そうした新規の人材の確保とともに,この分野は潜在的な保育士さんといいますか,保育士さんをやっていたんだけれども結婚,出産とともに現場を離れて,再度現場に復帰することがないという方が数十万人いると言われています。そういった方についても,是非復帰をしていただけるような研修プログラムを組んだり,あるいは,これはいろんな見方ができるかもしれませんが,保育所という職場自体を魅力的なものにするための処遇の改善を,もう少しやっていったりすることはできないだろうか。復職するにしても,メリットを感じてもらえるような効果も考えて,そういったことができないかということについても,去る4月の後半に発表した待機児童解消のためのプランの中にはうたわれているところでございます。御指摘のように,まず数を増やしても人がいなければどうしようもございませんので,その点の手当はしっかりやっていってということも,併せて考えられているところでございます。

【無藤部会長】

 ありがとうございます。ほかに御質問,御意見ございますか。お願いします。

【田邉委員】

 田邉です。おはようございます。私の専門は,スポーツ,柔道でございますが,今スポーツの方でも,子供たちの体力の低下ということが言われています。児童期の基本的な走る,跳ぶ,はねるなどの運動が十分ではないのではないか。またそれ以前の段階において,ハイハイする時期が少なくなっているなどの記事も目にしたことがあります。体をひねりながら物を投げるボール投げなどの動作など,幼児期の運動発達過程の中で経験しておきたい運動が十分でないため,その後の小学生における体力も落ちている,ということも言われております。幼児期における基本的な運動,体を動かすというところにおいても,教育の中に入れていただけたらと思います。これは私の御意見として言わせていただきます。

【無藤部会長】

 ありがとうございます。今の点,運動指針でしたでしょうか,いろいろ御努力の様子なども御紹介いただけますか。

【蝦名幼児教育課長】

 幼児期につきましては,昨年運動指針が策定されまして,現在これを普及・定着させるべく,様々な形で努力を積み重ねているところでございます。いずれにしましても,運動能力や学びなど,小学校以降教科学習に入っていくための基礎として,極めて重要な役割を幼稚園教育は持っていますし,基本的なそこでの生活に耐えられるような体作りも必要だろうと思っております。そうした運動指針の普及,あるいは各園の取組なども支援できるような形で,引き続き努力をしていきたいと考えています。

【無藤部会長】

 ありがとうございます。ほかに。生重委員。

【生重委員】

 認定保育園の関係者である知人の方から伺ったのですが,保育園の方と幼稚園の方は,それぞれ立場が違いますが,良く歯車が回り出すと,立場の違いを乗り越えて新しい局面が見えてくるため,子供たちの成長の場としては効果が高いものが出てくるだろうという,とても明るいお話でした。これは良いことだと思ったのですが,今おっしゃったように,いろいろな保育園を拝見すると,やはりスペースの問題がすごく大きいと思います。跳んだりはねたりのこともそうですが,スポーツに行く前の基礎的体力を付けていくための,子供たちが自然に表現していく体の動き,体幹を鍛えていくような動きを十分に取るスペースが確保できないというのが現状かなと。
 都心部では,小学校のスペースができてきて,認定保育園も小学校のスペースに入っていくということがこれからますます増えていくのかなというふうに考えられるのですが,そうした小学校の教育活動と,それから認定こども園の教育活動というところで,両方同じスペースをいかに分け合って有効に使っていくかというような条件整備等もしていただきたいなと。
 厚生労働省,文部科学省と立場が違う中でも,それぞれがセクションを超えて,こういう前向きな話合いが行われる状況が生まれているのはすばらしいことだなと思いますが,育っていく子供たちのために,教育として十分成立するようなスペース確保についても,一緒に御審議いただけると有り難いなと思います。

【無藤部会長】

 ありがとうございます。この保育要領そのものに細かい設置基準というものは入らないだろうとは思いますけれども,しかし現実の教育活動,保育活動の中で,例えば園庭が狭い等のときに近隣の幼稚園なり小学校なり,いろんな形で連携しながら活用するとか,公園を活用するとか,もっと融通を利かせる必要があろうと思いますが,事務局から何かありますか。

【蝦名幼児教育課長】

 今おっしゃっていただいたようなことが基本だと思います。特に,この教育・保育の内容の基準の検討を是非合同部会でと思っておりますが,一方,新しい幼保連携型認定こども園の設置基準をどうするかという問題については,子ども・子育て会議の方で整合性を持った形で議論していく必要がありますので,今後検討していくということになっています。
 その際にも,やはり幼稚園と保育所には,今回,非常に歩み寄って何とかここまで来ていますが,お互いに基準の内容が違うところがかなりあります。例えば,運動場はその典型でして,幼稚園は必ず設けるということになっています。保育所も,必ず設けるのですが,近隣にない場合は,近隣の公園の中で代替しても良いということになっている。そういった辺りは,実態もよく見てみなければなりませんが,幼保連携型認定こども園というところで,しっかりと幼児期の体力も,あるいは知的な好奇心の芽生えも生じさせていかなければならないときに,どういったものが基本的に必要になってくるかということは大変大きな議論になると思いますので,御指摘のようなことも踏まえながら,しっかりとした基準になるように議論をしていく必要があるだろうと考えております。

【無藤部会長】

 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。どうぞ,お願いします。

【川嶋委員】

 川嶋でございます。この問題については全く門外漢なので,基本的なことをお聞きしたいのですが,先ほど隂山委員の方からも職員の量と質のお話が出ましたけれども,今回この新しい認定こども園の職員というのは保育教諭で,幼稚園教諭の免許状と保育士資格を併用することを原則とすると書かれております。こういう方々は現在,十分確保されているのかということと,その養成の仕組みについて,もしお分かりであればお聞きしたいと思います。

【無藤部会長】

 はい。お願いします。

【蝦名幼児教育課長】

 新しい幼保連携型認定こども園の場合につきましては,従来は幼稚園部分は幼稚園教諭で,保育所部分は保育士でという組合せでやっておりましたものを,置かれる職員についても一本化ということにしています。それが保育教諭で,幼稚園教諭と保育士の資格の併用を原則としているということになっています。
 現在,幼稚園なり保育所で働いていらっしゃる方で両方の免許をお持ちの方は,8割ぐらいと言われています。新卒の方はもう少し多いというふうにも言われております。したがって,こういう形で保育教諭というものを設定しても,8割の方については心配ないだろうとは考えておりますが,片方の免許資格しかお持ちでない方も当然2割いらっしゃるわけですので,今回その新しい制度が27年にスタートをしたとすれば,向こう5年間については,どちらかの免許資格だけをお持ちの方でも保育教諭になれるという特例を設けております。
 あわせて,その5年間に,できるだけお持ちでない方の免許や資格も取っていただきやすくしようとするために,特例措置の検討を行って,その結論を得たところでございまして,関連の法令の改正につなげていきたいと思います。
 現在,幼稚園教諭の免許を取る場合は,一種は六十数単位で二種は三十数単位が必要でございますし,保育士の資格を取るためにも六十数単位の履修が前提になってございますが,今回,幼稚園の方の幼稚園の教諭としての実務経験を何か単位の軽減に生かせないだろうかという検討,あるいは保育士さんの保育所での勤務経験を単位軽減に生かせないかという検討を,昨年の秋ぐらいから文部科学省・厚生労働省でそれぞれやってまいりまして,有識者会議で得た結論としては,3年間の勤務プラス8単位の修得で免許や資格が取れるようにという特例措置を,その制度がスタートしてから5年間の措置として併せて講じていこうということになってございます。先ほど申し上げましたように,関連の教員免許法の施行規則になると思いますが,その規則の改正に今,着手しつつあるところでございます。

【無藤部会長】

 ありがとうございました。押谷委員。

【押谷委員】

 この会議等の中で幼保連携型認定こども園保育要領の議論もされるということですね。
 それに関わってなんですけれども,例の改正教育基本法の中で,幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであるということが明記されておりますが,学校教育法における幼稚園の教育目標の中では,従来「道徳性の芽生え」という形で表記されていたものが,「規範意識の芽生え」という形で表記されました。
 確かに規範意識と道徳性というのは,密接に関わっているわけですけれども,小中連携ということで考えたときに,規範意識に関わって連携は大変重要ですけれども,一般的に,もう少し広い概念の道徳性の育成ということに関わって,幼児期からの連携が,人格形成の基盤ということにおいてもポイントになるのではないかなと思います。
 そういう視点から,幼稚園教育要領と保育所保育指針を見ておりますと,もう少し整合性を図ってもいいと同時に,もう少しその部分を強調しながら小学校との連携なども工夫していけばいいのかなと思います。
 道徳性の芽生えということと規範意識の芽生えということが幼稚園教育の中でどのように押さえられていたのか,その辺りの経緯もお話しいただければ有り難いかなと思いますが。要望としては。

【無藤部会長】

 はい。事務局にもお答えいただきます。私も幼稚園教育要領の改訂に関わったので簡単に言いますと,現行の幼稚園教育要領では,「道徳性の芽生え」と「規範意識の芽生え」の双方の規定,記述がございます。「道徳性の芽生え」というのは,主として思いやりを中心に育てていく。規範意識というのは,子供同士が折り合いを付けるという中で規範に気付くような指導をしようという趣旨だろうと思いますが,その点,事務局から補足してください。

【蝦名幼児教育課長】

 ちょっと今お話の点に付け加えるべき内容を持ち合わせてございませんけれども,いずれにしても今,新しい教育要領と保育指針が平成21年度からスタートしていて,それをベースにして単一の施設で学校教育と保育を行っていく場合の教育・保育の内容の基準はどうあるべきかということを議論することになると思いますので,今の教育要領の内容というものをベースにした議論になっていくと思います。その過程で,御指摘のように全体として整合性があるということももとより,小学校との間での整合性について,現時点でもう少し深めて議論すべきところがあるとすれば,是非この機会に議論していただきたいと考えてございます。

【無藤部会長】

 はい。ということで,ありがとうございました。ほかに。橋本委員。

【橋本部会長代理】

 実際,認定こども園もなかなか増えていないという現状において,今回のような財政支援等の様々な充実が語られる中,この要領ができるということでありますけれども,先ほど指導者の質の問題は出されたのですが,教育委員会の立場で考えてみますと,公立がほとんどなくなってきて私立が非常に多くなっている。その中で,資格を持っていても,その理念──今回の幼保連携型の理念や,具体的な保育の中身を園長,教諭の方々に理解していただくための研修というものを,国あるいは県レベルも一緒になってやっていかないと,なかなか難しい。認定こども園が増えなかったのは,財政的な問題もありますけれども,やはりそういう理念をもっと言っていくということもやっていかなければいけないと思いましたので,今後のことでございますが,よろしくお願いしたいと思います。

【無藤部会長】

 ありがとうございます。大島委員。

【大島委員】

 私も,専門ではないですが,ちょうど子供が保育園に通っていたということもあり,一つお願いがあります。今,教育の質の話とともに,保育の質という問題もあると思います。やはり,両方が歩み寄りながら両立していくことが大事だと思います。
 保育園を見ていますと,預ける側(がわ)のニーズをかなり組み入れていただいているという点が多いように思います。例えば,夕食を用意していただいて,遅くまで預けていただけるなどといったサポートがあります。今後,実際にこども園として両方のいいところを組み入れようとするならば,やはり預ける側(がわ)のニーズですね。これから働く女性も多くなり,恐らくニーズも多様化してくると思います。それらをどうやって組み入れながら運営していくかというのが,一つ問題になるのではないかと思います。
 個人的には,そのようなニーズを酌んでいただくことにより,非常に子育てに助かったので,配慮していただけると非常に助かると思います。

【無藤部会長】

 ありがとうございます。認定こども園は,正におっしゃるような多様なニーズに応えながらも,幼児保育の質を保とうという試みだと思うので,その点は是非,合同部会でも御努力いただきたいと思っております。
 ほかにはございますか。隂山委員,お願いします。

【隂山委員】

 今の御意見に関連してなんですけれども,多様なニーズの中で,例えば,晩の8時,9時まで預かってくださいという家庭がどんどん増えてきたら,これはどうなるのかという問題もあろうかと思うんですね。極端な話,全ての子供たちが認定こども園などに預けられるということになってきますと,親が親として学んでいくことは一体どこに蓄積されていくのか。要するに,家庭との連携というところがものすごく考えられなければいけないのではないか。特に,小学校入学前というのは,日々子供たちが変化していきます。その様子を親が見ていくということは,親が親になっていく。とりわけ,男性の場合には,自分が産むわけではないので,親としての認識,自覚というようなものを高めていくことも重要だと思うんですね。
 一方,政府の方が,親子の推進ということをやっていきますと,いろんな反発を買うことにもなってきます。その中で,本来,子育てについての第一義的責任を保護者が有するということは,ものすごく重いと思うんです。ですから,この点をどのように参酌するのかということについては,ある一定の哲学を用意して,乳幼児を抱えている人たちの雇用なり労働の在り方ということと合わせて総合的にやっていかなければ,全てが経済優先になってしまったときに,土台から崩れてくるんじゃないかという若干の危惧をしております。幼保の連携と同時に,認定こども園と家庭,それから企業や労働との絡みについても,ある一定の哲学を用意されるべきではないかと思います。

【無藤部会長】

 ありがとうございます。正におっしゃるとおりだと思います。子育ては保護者に第一義的責任があることを前提として,幼保の保育・教育が成り立つということは基本かと思いますし,また,現行の幼稚園教育要領や保育所保育指針でも,親が親として育つことや,その支援ということも,園の責務の一つであると規定されているかと思います。
 また,子ども・子育て会議は,私も関わっておりますけれど,そちらの方で正に同じような議論が展開している最中でございまして,そちらの基本的な方針と,この合同会議というものが一緒になって,今の御指摘の方向に進むように,私としても考え関わりたいと思っております。
 ほかにございますか。お願いいたします。

【中川委員】

 幼稚園教諭と保育士の両方の免許が必要ということですけれども,養成機関の方の運用を見ますと,例えば,幼稚園教諭関係は文部科学省が所管,保育士であれば厚生労働省が所管となっていますね。そうすると,文部科学省がいいと言っても,厚生労働省が駄目だと言うとか,両者の間で養成機関が苦しんでいる様子があると思います。そういった部分についても,どちらかに統一するのか,どのようにお考えでしょうか。

【無藤部会長】

 それは資格の統一等々のことでしょうけれど,何かあれば事務局からお願いします。

【蝦名幼児教育課長】

 今回,保育教諭についての問題は,幼保連携型認定こども園の職員として新しく設けられた職にまつわる資格免許をどうするかということでありますが,引き続き,幼稚園は幼稚園として,保育所は保育所として存在し続けていくわけですので,幼稚園教諭の免許状や,保育士の資格というのは,必要な状況には変わりはないだろうと基本的には考えてございます。
 例えば,両資格の統一といったようなことについては,今回の法律の中で具体的な規定はございませんが,将来に向けた検討課題として政府側に検討を求めるということもございますので,直ちにやるべきこととは分けて,今後の課題として検討・整理をしていく必要があると考えております。

【無藤部会長】

 ありがとうございました。ほかに。篠原委員。

【篠原委員】

 ちょっと専門外的な発言になるかもしれません。意見というより質問なんですけども,そもそも,この認定こども園制度は,待機児童を減らすという発想から起きているんですか。最初は。

【無藤部会長】

 事務局,どうぞ。

【蝦名幼児教育課長】

 待機児童を減らすことそのものを第1の目的とした仕組みということではないだろうと思っています。基本的に,地域のそれぞれの教育・保育のニーズにより応えやすくするような仕組み作りということが,そもそものこの認定こども園制度を作ったときのスタートだと考えています。

【篠原委員】

 そうすると,近くまとめる政府の成長戦略の中で,待機児童をゼロにするという方針が打ち出されますよね。この認定こども園の制度そのもののウエートというのは,その成長戦略とは関わってこないんですか。あるいは,その中の位置付けとしてクローズアップされるんでしょうか。その辺が僕はよく分からない。

【無藤部会長】

 どうでしょうか。

【蝦名幼児教育課長】 

待機児童解消そのものを第1の目的にしたものではないと申し上げました。ただし,結果的に,例えば幼稚園が認定こども園をやってみようと保育の世界に踏み出すことによって,いわゆる保育の受皿のようなものが増えていくという副次的な効果はございます。今,待機児童を解消するための取組を加速化しようとしている中で,認定こども園の存在価値がゼロというわけではもちろんありませんけれども,メーンは,やはり認可保育所をどう作っていくか。あるいは,認定こども園までいかなくとも,幼稚園なり,幼稚園以外の様々な存在,預かり保育のようなことも,これまで以上にやっていく必要があるんじゃないかという辺りが中心と考えております。

【篠原委員】

 私が素人的に懸念をするのは,認可保育所がどんどん増えていって,そういう需要を満たしてくれば,認定こども園制度というのはどこまで普及するのかと。やはり,ちょっと関連してくるんじゃないかなという気が,どうしてもするものだから。それとは分かれた議論ばかりやっていても,現実と離れてくる可能性が今後あるんじゃないかなというような気がしているものですから。

【無藤部会長】

 子ども・子育て会議では,その点の現実的な見通しについてもかなり踏まえております。待機児童解消の方は,正に今年度,来年度と,すぐにでも実施しなければいけないことだと思うんですけれども,この保育要領も含めた新しい制度が早くて2年後ということですから,この2年間の緊急としては,国としていろいろな形で取り組んでいただき,平成27年度からは,認定こども園が増加し,特に,幼稚園が転換するということは,預かれる場が増えるということですので,かなり寄与があるのではないかと,そういう前提はあろうと思います。
 ほかには。秋田委員,お願いします。

【秋田委員】

 1点だけ,中川委員や他の委員の御意見に付け加えて私も考えるところですが,幼保連携型の認定こども園は,その前の議論で,総合こども園のような幼保をこれからどう一体化していくかという議論の下にあったと了解をしております。OECD先進諸国で一体化をしたところは,以前は厚生労働省管轄もありましたが,現在は全てが教育省に移り,それが乳幼児期から高等教育までの一貫した教育課程を作り出し,教育の質を上げていくという議論の下で進んできていること。また,先ほど幼稚園教諭と保育士の養成が今後も別々にいくであろうというように,保育教諭という両方の資格を持った職名は作るけれども別々であるという御説明がございましたが,一体化している国では,教師側に寄せたより高度な専門職に就けていくことによって,乳幼児期から,これからの知識基盤社会に合った教育ができる人たちを育成するというようなキャリアラダーを考えている。こうした射程を含めて御検討いただけると有り難いと思います。
 以上です。

【無藤部会長】

 ありがとうございます。生重委員。

【生重委員】

 どういう箱に預けるかということをなかなか選びづらい状況で,認可している保育園すらも足りなくて,無認可のものもどうしていくかという状況ですが,将来的な教育の価値としては,やはりこういうきちんとしたものを立ち上げていかなければならないということは間違いないと思うんです。乳幼児期における知徳体の教育力をどういうふうにしていくのか,今回の合同会議の中で明確に打ち出されていますが,子供たちが増えていくというのは一時で,また,人口統計からいうと,望ましくは生まれていってほしいですが,少なくなっていく。現状をどうするかということよりも,2年後に向けて,もっと多くの認定こども園がきちんと子供たちの教育の受皿となっていくためには,もちろん個々の働いている女性の就労率を上げていくのも大事なので,このニーズを受けるのは大事というのはとても良く分かるんですが,このニーズを受けることとは別に,合同会議の中で,子供をきちんと育てていくんだという教育的な観点から,きちんとその部分を積み上げて打ち出していただきたいなというふうに思います。

【無藤部会長】

 ありがとうございます。正に私もそれをお願いしたいと思っております。
 ほか,押谷委員からどうぞ。

【押谷委員】

 幼保一体化という話でありますけれども,この4ページの新制度というところを見ておりましても,要するに満3歳未満は保育ということになるわけでありますので,3歳未満までは,もちろん幼保一体化の中で考えられるんでしょうけれども,保育所でどうするかということが主な課題になりますね。3歳以上になって幼稚園と保育所との連携をどうするかと,こういうことになります。保育所は大体0歳児から5歳児までを収容しているというのがほとんどなのでしょうが,そういうことを前提にしていると,どうも,なかなか一体化というのは難しいような気がするんです。
 だから,むしろ0歳から3歳未満までは保育所における保育ということを基本とする。そして,3歳児以上からは幼稚園で一体化する。その上で,幼稚園の放課後保育を小学校の学童保育と同様に取り組むといったことも考えていいように思います。
 それはどういうことかというと,さっき秋田先生のお話もありましたが,5歳児というのが,これからいろいろ検討課題になると思います。つまり,小学校の方に移行するのか,そのままなのかといったこともあったりすると,3歳未満と3歳以上というので区別しながら更に3歳以上を文部科学省管轄で取り組めるようにするといったことが生産的なのかなという気がするんですが,いかがでしょうか。

【無藤部会長】

 当然,合同会議で検討する保育要領のイメージとしては,保育指針もそうですけれども,3歳未満と3歳以上を分けて記載してあります。もちろん,乳幼児も含めて一貫した理念の下で,全体としての保育だとは思いますけれども,教育形態としてはかなり異なっておりますので,その点の分けた記載と,5歳児,年長については,小学校との接続という視点も強調されるのではないかと思います。
 銭谷委員。

【銭谷委員】

 今,篠原先生と秋田先生のお話が非常に大事なところだと思うんです。考えてみますと,0歳から6歳までの期間というのは小学校の期間と同じぐらい長い期間があるわけでして,この間の乳幼児の教育はどこでやるのか,どういう内容をやるのかというのは極めて大事な問題でして,このこども園の議論が始まったときの最初の議論は,やはり総合的な乳幼児教育をどういうふうに構築していくのかというところがスタートだったように記憶いたしております。
 世界各国とも今ものすごく幼児教育は普及していて,日本は,極端に言うとちょっと後れ気味だと私は思うんです。ただ,日本の場合は,幼稚園と保育所という二つの制度があったり,幼稚園自体が3歳児以降しか対象にしていないという歴史的な経緯があったりして,そこに待機児童の問題もあって,理念と現実のどこに調和点を見いだすのかということで,認定こども園制度を更に今回は改良版というか,改善版ということになったんだと思うんです。
 非常に大事なのは,乳幼児を考えたときに,集団保育が良い時期,それがまた子供にとって非常に必要な時期と,そうでない時期の問題とか,あるいは家庭でどういうふうに子供を育てるのか。家庭の親との関わり方とか,いろんな課題があるので,今回のこの認定こども園の狙いの中にも教育・保育と家庭への養育支援ということも入っているようでございますので,是非0歳から6歳までトータルに考えた,更に小学校との接続も考えた,良い指針を作っていただければなと思っております。
 幼児教育は,これからの日本の教育を考えたとき大事な課題だと思いますので,これは,むしろ部会長にリードをよろしくお願いをしたいなと思っています。

【無藤部会長】

 ありがとうございます。正に大きな使命を担った部会や合同会議だろうと思っております。
 ほかにはございますか。お願いいたします。

【露木委員】

 全連小の露木でございます。幼児教育のことを分からないなんて言ってしまうと,語弊があるのですが,先ほど来,内閣府と厚生労働省と文部科学省で会議をやるにしてもやりにくいなという話が出ております。改正後は,この指導監督の一本化というようなことも考えられているわけですけれども,先ほどの説明を私が十分聞いていなかったのか,どこが一体指導監督するのかという点が,よく分からなかった。
 今,都道府県レベルでは,まだないのかも分かりませんけれども,区市町村レベルでいえば,もう保育所については教育委員会の方に所管させているようなところも徐々に増えてきているわけで,先ほど来の話でいうと,この幼保連携型認定こども園というのは,一体どこが指導監督していくのか。あるいは,ちょっと言い過ぎなのかも分かりませんけれども,保育行政,幼稚園の行政をどこがこれから所管していくのか。これまでどおりばらばらにやりながら,こういう連携という言葉を使ってやっていくのか。その点の見通しは,まだかなり先なんだろうけれども,何か文部科学省の方にお考えがあるのであれば,お聞きしたいなと思います。
 以上です。

【無藤部会長】

 ありがとうございます。そろそろ時間も過ぎてきたので。意見をまとめて最後に事務局からお答えいただくなり何なりしたいと思います。篠原委員。

【篠原委員】

 いいですか。先ほどちょっと私も申し上げたんですけれども,こういう議論をするときに,専門的な話の世界に入り過ぎて,全体の世の中の動きと乖離(かいり)していくようなことを非常に私は心配をいたします。
 先ほど言った成長戦略との絡みも一つ,是非これから専門部会の方々がやられるときに配慮していただきたいと思うし,それからもう一つは,今,幼児教育の無償化という流れがありますよね。これがこういう制度にどういう影響をこれから与えてくるのか。そういうことも常に総合的に把握しながら議論を進めないと,もうこの制度は見直しが決まっていて,何年までにこれをやらなければいけないということだけでいくと,先ほど言ったように現実とのミスマッチが先々起きかねない。その点だけ一つお願いをしたいと思います。

【無藤部会長】

 ありがとうございました。
 では,この辺りでこの質疑を終わりにさせていただいて,事務局から幾つかお答えできるところがあればお願いいたします。

【蝦名幼児教育課長】

 今回,認可,指導監督については一本化ということになっていますが,これをどこが担うかについては,基本的には首長部局ということにしているところでございます。それと,公立の幼保連携型認定こども園については,幼稚園的な性格と保育所的な性格の両方がありますが,これを教育委員会の所管ではなく,総合行政を担う首長の所管ということに法律上はなっています。ただ,その首長が指導監督等の権限を行使する場合には,教育委員会の意見を聞かなければいけないということについて,一定の範囲を示しています。
 実際,教育委員会の専門性も活用しながら首長がそうした権限を行使することを,法律上は想定していますが,各市区町村なりの運用をどうしていくかということを考えた場合に,現時点でも,教育委員会が法律上やるとは書いていないものも含めて,教育委員会が行うこともあります。今おっしゃるように,保育所の部分も含めて教育委員会が幼稚園と一元的にやっているといったところもございますし,先ほど申し上げたようなことが法律上の姿ではありますが,一方で,私どももできるだけ,小学校に上がる前の幼児期の教育や保育については一元的な形で進めていってもらえないだろうかということも,地方に対して要請しております。そうした中で,いろいろな形で,こういった業務を教育委員会に全てお願いしようというような市町村も出てくるだろうと考えていますし,首長部局の方で中心にやっていくところも出てくるかもしれません。
 いずれにしても,今回こういったような形で一体化も行いますので,全体を総合的に,相互に連携しながらやっていただきたいというのが,私たちの行政としての願いということになります。
 この問題については,施行が早くとも2年先ということで,この2年間でも様々なことがあるだろうと思います。御指摘いただいたような,国全体としての成長戦略にどう位置付けるかということ,あるいは,無償化の議論がどう進んでいくのかということも横目で見ながら,様々な議論も踏まえた実現可能な,現実的な仕組みを目指していくことが基本なんだろうと考えております。

【無藤部会長】

 ありがとうございました。
 それでは,まだあろうとは思いますが,次の議題がございます。次ですけれども,日本語指導が必要な児童生徒を対象とした「特別の教育課程」につきまして,事務局より御説明をお願いいたします。

【神代国際教育課長】

 国際教育課長の神代です。資料5-1と5-2のクリップ留めをしたものがあるかと思いますが,主に資料5-1を中心に御説明を申し上げたいと思います。
 国際化の進展等に伴いまして,ここにありますように,公立の義務教育諸学校に外国人の児童生徒が約6万2,000人,それから,そのうち日本語の指導が必要な外国人児童生徒は2万6,000人というような数に上っております。また,日本国籍の児童生徒で日本語指導が必要な児童生徒も約5,000人という数に上っております。
 このような子供たちに対する日本語指導というものでありますが,現行の制度の下ではきちんとした位置付けがございません。各地域や学校の取組に,今のところ任されている現状ですので,その指導内容,指導体制が各地で大きく異なっているという現状がございます。
 また,在籍している学校から日本語指導のためにほかの学校へ移動したり,あるいは,別の施設へ移動したりするような形で,特に放課後等に課外授業を受けるという例もたくさんございまして,そのような場合には児童生徒に対する負担がかなり大きいという指摘を頂いております。
 こういった状況を踏まえまして,「日本語指導が必要な児童生徒を対象とした指導の在り方に関する検討会議」という有識者の会議を昨年の4月に発足させまして,約1年間御審議いただきました結果,後ほど御説明いたしますような,一定の要件を満たすような指導を行った場合には教育課程上,「特別の教育課程」ということで編成・実施ができるようにしてはどうかということで,審議のまとめを頂いたところでございます。
 その概要について,2ポツ以下でありますけれども,この「特別の教育課程」として認めるに当たっての要件をおまとめいただいております。
 6点ございまして,一つは指導の内容。学校教育において各教科その他の教育活動に日本語で参加できることを目的とする指導ということであります。
 それから,二つ目の対象となる児童生徒ですが,小,中,中等教育学校前期課程等に在籍する日本語指導が必要な児童生徒ということで,この要否を校長が判断するところになります。
 裏面を御覧いただきまして,指導者でありますけれども,主たる指導者としては教員免許を有する教員。それから,それに日本語指導の補助者として,地域の人材ですとか,子供の母語が分かるような支援者,そういう方に入っていただくことを可能としてはどうかということでございます。
 それから,授業時数ということでは年間10単位時間から280単位時間。これは,特別支援を必要とする子供たちに対する通級指導ですとか,そういったものとの並びも見た上で,この時間を設定したところであります。
 5点目としては,指導の形態及び場所。児童生徒の在籍する学校において,別の教室に取り出す形で指導したり,あるいは他校において指導したりといったものを想定しております。
 6点目として,そういった日本語指導に関して,あらかじめ指導計画を作成するとともに,学習評価を実施するという,この6点の要件を満たすものについては,その児童生徒に関する「特別の教育課程」として認めてはどうかというような御提言でありました。
 これによって期待される効果としては,児童生徒一人一人の実態に応じたきめ細かな指導が実現する。それから,地域や学校において,そういった日本語指導が必要な児童生徒に対する関係者の意識の啓発あるいは指導力の向上につながるだろう。そういうことを通じて,学校教育の一環として,このような日本語の指導を,全国的な質を担保するとともに,子供たちが主体的に学び,希望する進路を選択できるような,そういった機会の保障につながるのではないかと期待をされているところでございます。
 今回おまとめいただきましたこの内容を,この場で,また御意見を頂戴するとともに,それを踏まえまして,今後の予定といたしましては,中教審の初等中等教育分科会へも付議をさせていただき,そこでの意見を踏まえた上で,最終的には学校教育法の施行規則の改正をさせていただき,できれば来年の4月から,この制度に基づく教育課程の実施を始めたいと考えております。よろしく御審議のほど,お願いいたします。

【無藤部会長】

 ありがとうございました。
 それでは今,事務局より御説明がありましたけれども,審議をお願いしたいと思います。御質問,御意見をお願いいたします。挙手をしてください。市川委員,お願いします。

【市川副部会長】

 この問題は,私も余り詳しくありませんので,基本的な質問ですみません。
 教科書や教材について,教育課程に組み込んでしっかり指導するといった場合に,教科書や教材の開発,それから,他の教科であるような検定ですとか,そういうところまで,きちっとしたコースを国として考えていくのか。それとも,学校等に任せる形になるのか。その辺りを御説明いただけますでしょうか。

【無藤部会長】

 お願いします。

【神代国際教育課長】

 今の点は非常に大事な点でございますけれども,今現に地域で行われているような,いろいろな学校における実践ですね。そういったところから,実は統一的な教材を開発ということは,なかなか難しい。つまり,それぞれの子供の実態として,日本語の程度が違うものですから,なかなか難しいのですが,これまでに各地域で実践されてきたことや,あるいは,どのような教材が使われてきたのかということについては,かなり蓄積がございます。それらを自治体に情報提供するために,「かすたねっと」という外国人児童生徒教育向けのウェブサイトで,そういった教材についてもオープンにしておりますので,まずはそういうところを活用していただきながら,その子供たちの実態に応じた形で御対応いただくということになろうかと思います。
 ですので,例えば将来的に,そういう外国人の日本語指導のための何か教科書を作るとか,なかなかそういうところまでは一遍には難しいかなと思っておりますけれども,今ある教材の中から,それを学校現場のニーズに応じて使いやすくするような,そういう意味での支援はしていきたいと考えております。

【無藤部会長】

 よろしいですか。どうぞ。

【市川副部会長】

 少し不安が残るんですけれども,例えば日本でも,大学に来る留学生のためのいろいろな日本語教育というのは,それなりに開発されてきていると思うんですね。あと,私たちも外国に行った場合に,例えば英語などではそういうニーズも長くあったでしょうから,きちんとしたプレースメントテストなどを行って,いろいろなレベルの人たちに応じて,どういう教材をというのも,それなりに蓄積があると思うんです。けれども,日本で,しかも発達段階からいえば小学校,中学校の子供たちに対して,いろんな学校がそれなりに取り組んでいるんでしょうけれども,かなりきちんとした研究開発というのを国としても体制をとっていかないといけないような気がするのですけれども,そうした体制は今後取っていくのでしょうか。私は取った方がいいような気がするのですが。

【神代国際教育課長】

 実は今回のこの会議と並行するような形にはなりますが,一つは,こういった指導を行うに当たって,日本語の能力の測定法ですね。それを東京外国語大学の方で3年にわたって研究開発をしていただきました。
 それから,もう一つは,こういう現場の先生方の指導の仕方についても,日本で生まれ育った子供たちに対する指導とは,また異なった指導法が必要になってきますので,そういうことに関して教員が研修できるようなプログラムを,東京学芸大学の方で並行して開発していただきました。
 まずはそういったものと,今回の「特別の教育課程」として認定していただくということをセットで進めていただいて,いずれは市川先生がおっしゃるような形の,もう少しきちっとした形のカリキュラムだとか,教材だとか,そういうものにつなげていくことは,今後も検討していく必要があろうと思っております。

【市川副部会長】

 ありがとうございます。

【無藤部会長】

 よろしいですか。生重委員,松本委員ですね。じゃあ,順番に。

【生重委員】

 記憶が定かではないですが,ずっと地域で様々な教育支援活動をしていく中で,七,八年ぐらい前まで,確か地域に日本語の指導員みたいな形で,半分ボランティアのような活動をなさりながら,各教育委員会の補助的な活動をやっていた方がいた記憶がございます。そのときに,「その制度が終わってしまうことで,子供は現に困っているのに,この制度がなくなるとその子たちはどうなるんだろう」という不満を伺った記憶があります。
 これがちゃんと特別な教育課程に位置付けられるということは,担当の教員がきちんと付いて,もちろん専門的な言語ですので,多様なお子さんがいらっしゃいますので,英語圏のお子さんばかりではなく,本当に全く英語でも通じないのでどうしたらいいだろうというような状況が,小学校や各学校現場では起きているので,これをやることによって,そういう専門人材も併せて入れていただきながら,担当の学校現場に日本語指導担当教員が置かれることなんですよね。
 それはとても良いことかなと思うのですが,1点確認として,今御説明いただいた資料の5-1の裏面の方の指導者の丸1,丸2の下の米印のところの「日本語指導補助者は必置ではない」というのは,できる先生がいるときは教員資格を持っている者が自らやる。特殊な言語で必要なときには,そういう地域の人材を求めていくという解釈でよろしいのですか。

【無藤部会長】

 お願いします。

【神代国際教育課長】

 そのとおりです。

【無藤部会長】

 ということでございます。
 松本委員。

【松本委員】

 国としてこういうことを進めていくということは,基本的に大変良いことで,どちらかというと,ようやく始まるのかなという感じがします。今の御質問と関わっていますが,指導者についての質問です。この丸1のところに教員免許を有する教員とありますが,これはもちろん小学校とか中学校の教員免許ということなんですよね。先ほどの市川副部会長の御懸念にも関係しますが,果たして教員免許を有する教員がこういう指導に適しているかどうかということが疑問です。小中学校の教員免許を持っていなくても外国語としての日本語教育について,それ相応の資格を持っている人の方が良い場合が多いのではないかと思うのですが,それについて御検討されているのでしょうか。
 もう一つは,取り出し指導についてです。これは当然必要ですが,該当する生徒の日本語の能力には大きな幅があると思うので,この指導に,小学校であれば担任,中学校であれば主要教科の教員が関わっていかないと,その子供にとっての指導としては十分ではないケースもあると思います。指導体制の問題ですね。日本語を教えれば良いという感じがどうしてもしてしまいます。また,その学級に溶け込んでいくようなシステムを作ってあげないと,幾ら日本語が上手になっても溶け込めないわけです。この取り出し指導の先生に任せていれば良い,という体制にならないかということが,ちょっと心配です。

【無藤部会長】

 2点,いかがでしょうか。

【神代国際教育課長】

 今の御指摘は,正にそのとおりでして,この「特別の教育課程」として位置付けるということの一つの意味になると思いますけれども,ここで教えるのは,本当に初期の段階では,基本的な生活に必要な日本語も教えるわけですけれども,日本語指導の中身は,それよりはむしろ,学校のいろいろな学習活動,授業を受けたり,あるいは特別活動に参加したり,そういうときに必要な日本語を中心に指導をしていくということになります。
 ですので,1日も早く,ほかの子供たちと同じように,ふだんの授業に適応といいますか,参加できるような,そこにつながっていくような指導を行っていくことが中心になりますので,指導者としても当然そういったことを求められる。したがって,単に外国人に対する日本語の指導ができればそれでいいということではなくて,学校の授業とかいろんな生活の場面で使われるような,そういった言語をきちんと教えられるような資格なり,あるいはそういう技能を持っている人である必要はあると考えております。
 ただ,それをその人たちに任せきりにするのではなくて,今御指摘がありましたように,担任の先生や,その学校に所属している先生方と一緒にやる。あるいは,先生方が一種,見守れるような環境の下で指導を行っていただくことを一つの要件として,「特別の教育課程」として位置付けるという方向で考えてはどうかと。そういう方向でおまとめいただいたものでございます。

【無藤部会長】

 はい。まだ。

【松本委員】

 大変すばらしい考えだと思うのですが,教員免許を有する教員だけにしてしまうことによって,幼児に対する日本語教育にたけている,あるいは,資格を持っている人を排除してしまうのは,いかがなものかなという感じがして,教員免許を有する教員,又は,日本語教育に資格を有する者といったような,もう少し柔軟に考えてもいいのではないかなという気がいたしました。これは意見ですので,御回答は頂かなくても結構です。

【無藤部会長】

 ありがとうございます。今の御意見については,教育課程ですから,教員免許を有する者がいないと成り立ちにくいですけれども,補助といっても,実質的にはその方が指導されるという点が一つにはあると思います。
 秋田委員,お願いします。

【秋田委員】

 今御説明いただいた点ともつながるんですけれども,私は,恐らく日本で最も外国籍の比率が高い小学校に,5年ほど校内研修で実際に入れていただいておりました。そこで一番大事だと思ったものは,日本語の指導と同時に,やはり日本の学校文化にどう適応するかという学習の在り方を,子供たちが学んでいくところです。
 ここで日本語指導担当教員というときに,「日本語」というところだけが余りにも強調されないように,むしろそこで,日本の学校の規律や規範の文化にどう適応するか。またその場合に,これは私が実際に学んだことですが,来られた子どもに対し,先生はすぐに適応させようとします。しかし,外国籍の子は,ある程度ゆっくり見ながら適応していって,いつ指導に入ると適応できるかというような,そういう感覚というものがあります。そうしたことを生かしていただくようお願いしたい。
 特に,外国籍のお子様の転出入は,4月からきちんと教育課程が組めるというよりも,親の必然性によって途中からの転出入が非常に多く,しかも,転入と同時に転出割合も非常に高いという不安定な状況の中で学習を受けるのが実態です。これを踏まえた上で,教育課程の在り方を考えていただくということが1点大事かと思います。
 もう1点は,川崎やほかの地区も見ていて思うことですけれども,小学校段階のこういう担当教員は大変手厚いのですけれども,小学校から中学校に送り出すと,学習は非常に難しくなるにもかかわらず,こうした子供たちへの指導が不十分であるために,地域が受皿になって様々なことをせざるを得ないという状況があります。ですので,特に今回,こういう課程を作っていただくことは重要なのですが,中学校や中等教育部分の研究も薄いと思うんですけれども,是非ともそこに力を入れていただくことで,そういう子供たちにとって言語がハンディにならないような形でお願いしたいと思います。

【無藤部会長】

 事務局からまとめてお答えいただくので,早川委員と,及川委員と,中川委員ですね。早川委員。

【早川委員】

 岐阜県では,外国人が30%を超える小学校もございまして,そうした中で,日本語の理解が十分でない子供たちが入ってくるときには,学齢の年齢にそのまま入れることを原則としていたのです。そして,理解の度合いに不足がある場合は,必要に応じて下学年へ通級させていて,そこで勉強させているような配慮を,教科によってしていたのです。なぜそういうことをしたかというと,例えば卒業時に,下学年に籍まで移して入れておくと,中学校2年生でもあるにもかかわらず,「15歳になったから卒業させろ」ということを言う親御さんが結構いらっしゃいまして,課程が修了していないにもかかわらず,そのまま中学校の卒業認定をもらって働かせたり,母国へ戻ったりということがあったので,学齢相当年齢に入れて下学年通級という手続をやろうじゃないかというふうに取り扱っていたのです。それが,このことについてあるマスコミから批判をされまして。相当年齢に入れているのは岐阜県だけだと。だから,「保護者が求めたときは,求めに応じて下学年相当に入れるべきではないか」ということで,そういうふうに変えたんですけれども,やはり,相変わらず義務教育の出口のところで,義務教育の教育課程を終わっていないにもかかわらず,卒業させろというリクエストがあったということが幾つかございました。
 ですから,こうした通級指導をやっていただくという措置は大変有り難いのですが,一つ指導者の問題が先ほどから出ていますが,特に丸2番で,日本語指導補助者について,あるんです。私ども本務教員については,青年海外協力隊でブラジルの学校へ1年半ぐらい働いてもらって,そうした養成をしたり,採用時に特別枠を設けて採用したりしているのですが,それだけではもちろん足りないわけですから,その補助者を作っていただくのは助かります。これはもちろん,国庫負担対象にはならずに,市町村が手当てしているんだと思うんですけれども,十分に補助金で国が手当てしていただきますことをリクエストしたいと思います。

【無藤部会長】

 ありがとうございます。及川委員,お願いします。

【及川委員】

 この「特別の教育課程」の編成・実施については,学校生活への適応ということから非常に重要な問題ですので,基本的にこうあるべきだと思います。
 その上で,本当に初歩的な質問で申し訳ないのですが,公立義務教育諸学校が対象ですけれども,私が勤務している高校は,帰国生枠が20名ございまして,入学者選抜はもちろん違うんですけれども,国語と数学で取り出し授業を行っています。ただ,指導内容は一般生徒と全く同じで,それから評価も全く同じということですので,これは通常の教育課程の中で行っているということで,確認したかったのは,そうではなく評価も含めて,指導内容も含めて「特別の教育課程」を組むということが,ここで言われている意味ということですね。分かりました。どうもありがとうございました。

【無藤部会長】

 はい。中川委員,お願いします。

【中川委員】

 以前,池袋の周辺にあります学校の校長を長くやったんですけれども,そのときに,場所柄でしょうか,どんどん外国籍の子供の割合が増えていくんですね。特に,中学生として入ってくる子供たちの扱いは,ほとんど担任の教員の,ボランティアと言うと言い方が良くないのですが,担任の教員のオーバーワーク的な要素に頼る部分がありました。そういった意味から今度,「特別の教育課程」というもので確立していただくことは,大変有り難いことだというふうに思うんですけれども,やはりその部分について財政的な裏付けといいますか,そういったものが併用して行われないと,この制度が生きてこないのではないかなという感じがしていますが,その点はいかがでしょうか。

【無藤部会長】

 以上ということで,質疑を終わりにさせていただいて,まとめて事務局からお願いいたします。

【神代国際教育課長】

 秋田委員から御指摘いただきましたこと,これは二つとも大変重要なことだと思っておりまして,特に中学校段階ですね。おっしゃるように,小学校段階はかなり意識も広がってきて,きめ細かく対応できてきているなという感じがしますが,正に中学校段階が課題です。早川委員の御指摘にもつながるかと思いますけれども,やはり,そこできちんと義務教育を修了したというような評価を,形だけではなくて,実を伴った形でできるように,そのための重要な手段として,この「特別の教育課程」の認定,実施というものを是非活用していただき,私どもとしても,制度ができました暁には,そういう形で取り組んでいきたいと思います。
 それから,早川委員,中川委員からも御指摘がありました,財政的な支援も非常に大事でございまして,今年度から新しい事業で,自治体向けにそういった取組に対する支援事業というものも,従来よりはその補助対象を広げて,より自治体のニーズに応じた形で支援できるような体制もとっておりますので,そこも並行して充実をさせていきたいと思っております。
 以上でございます。

【無藤部会長】

 ありがとうございました。御意見をいろいろ頂戴いたしまして,非常に積極的な御意見でございました。
 ということですので,資料5については基本的には御了解いただいたと理解してございます。文部科学省の方で改めて検討いただいて,もし文言等,必要があれば修正いただくということで,また,初等中等教育分科会で改めて御意見も頂くということでございますので,その方向でよろしゅうございますでしょうか。ありがとうございました。
 それでは,日本語指導が必要な児童生徒を対象にした「特別の教育課程」についての審議は終わりにさせていただきます。
 恐縮ですけれども,ここで第1の議題に,確認を忘れておりました。先ほどの御質問,御意見,いろいろ頂戴いたしましたけれども,基本的には,教育課程部会の下に認定こども園教育専門部会を設置して,本件について今後,専門部会で御議論いただくことでよろしいということですね。ありがとうございます。
 それでは,認定こども園教育専門部会を設置するということにいたします。
 第1,第2の議題が終了して,まだ参考資料が残ってございますので,その参考資料につきまして事務局から御報告をお願いしたいと思います。
 まず,参考資料1が「情報活用能力調査」の実施概要についてでありますので,報告をお願いいたします。

【新井参事官】

 生涯学習政策局参事官の新井でございます。
 お手元の資料,情報活用能力の実施概要についての2ページ目を御覧ください。まず,簡単に概要をまとめた資料を付けておりますので,そちらで御説明させていただきます。
 まず,この調査研究の背景でございますけれども,グローバル化,情報化が急速に進展する21世紀の知識基盤社会におきまして,そういった社会を生き抜くために必要となる資質や能力の一つとして情報活用能力の育成といったことが大変重要であるということは,国際的にも共通の認識になっております。
 また,我が国におきましても,新学習指導要領の下,小・中・高等学校の各教科を通じて,児童生徒の発達段階に応じてコンピューター,情報通信ネットワークなどの情報手段を適切かつ主体的,積極的に活用できるようにしたり,必要となる情報にアクセスし,情報を取り出し,整理,処理,解釈したりするといった情報活用能力の育成を図っているところでございます。
 こうした中におきまして,児童生徒の情報活用能力の実態把握につきまして,そういった現状を把握するとともに,今後の学習指導の改善ですとか,教育課程の検討に資するために,コンピューターをベースにした調査を行うこととしております。
 次に調査の概要でございますが,まず調査内容といたしましては,児童生徒の情報活用能力の3観点──情報活用の実践力,情報の科学的な理解,情報社会に参画する態度の3観点の育成状況について,小学校,中学校それぞれ2単位で実施する予定でございます。
 また,ICTを活用した学習状況に関する児童生徒の意識調査ですとか,教師及び学校に対する質問紙調査といったものを併せて実施する予定でございます。
 調査対象と実施時期でございますけれども,国・公・私立小学校の5年生と中学校の2年生を対象としております。25年度におきましては,調査の実施時期としましては,10月から1月と考えておりまして,小学校の5年生で100校,3,000人程度,それから,中学校2年生で100校,3,000人程度でございまして,こちらにつきましては,無作為に抽出されました学校の1学級に協力いただきまして,文部科学省が委託しました民間団体が学校にコンピューターを持参して調査を行う予定でございます。
 こちらの調査の結果でございますけれども,26年度に調査結果の公表を予定しておりますが,今後,その成果につきましては,情報活用能力の指導充実のための指導資料等の作成,指導の改善,充実といったものに努めてまいりたいと思います。
 こちらの調査研究を全体的に評価するという観点から,情報活用能力調査に関する協力者会議といったものを設けておりまして,本日御出席の市川副部会長に,その主査を務めていただいているところでございます。
 本調査結果につきましては適宜,本部会において御報告申し上げたいと考えております。
 以上でございます。

【無藤部会長】

 ありがとうございました。
 続きまして,参考資料2から6につきまして,御報告をお願いいたします。

【大金教育課程企画室長】

 参考資料2から6について簡単に説明をさせていただきます。
 まず,参考資料2についてでございます。この資料は,中央教育審議会で4月25日に答申されました第2期の教育振興基本計画でございます。この答申では,第2部で,「今後5年間に実施すべき教育上の方策」がまとめられております。
 教育課程の関係で申しますと,38ページからでございますけれども,「主として初等中等教育段階の児童生徒を対象とした取組」というところがございますが,その中で,例えば39ページからでございますけれども,基本施策1として,確かな学力を身に付けるための教育内容・方法の充実といったこと,41ページからは豊かな心の育成といったこと,45ページからは健やかな体の育成といったことが書かれております。また,基本施策5では幼児教育の充実,基本施策6では特別なニーズに対応した教育の推進といったこと,基本施策7では各学校段階における継続的な検証改善サイクルの確立といった事柄が盛り込まれているところでございます。
 続きまして,参考資料3から6までについてでございますが,今年の1月に教育再生実行会議が設置されまして,様々な教育課題について御議論いただいているところでございます。教育再生実行会議からは,これまで第一次提言から第三次提言まで御提言を頂いております。
 このうち,本年2月26日に取りまとめられました第一次提言を資料3として掲載させていただいております。第一次提言の中では,参考資料3の2ページのところでございますが,枠囲いの外側の記述や枠囲いの中の一つ目の丸の記述などでございますけれども,道徳の特性を踏まえた新たな枠組みによる教科化など,道徳教育の抜本的な充実についての提言を頂いているところでございます。
 これを踏まえまして,参考資料4でございますけれども,文部科学省では,「道徳教育の充実に関する懇談会」を設置し,「心のノート」の全面改訂や,新たな枠組みによる道徳の教科化に向けた論点整理などの検討を開始したところでございます。
 続きまして,参考資料5でございますけれども,4月15日に取りまとめられました「教育委員会制度等の在り方」に関する第二次提言でございます。教育長が地方公共団体の教育行政の責任者として教育事務を行うことができるよう,現行制度を見直すといったことを主な内容としている提言でございます。
 最後に,参考資料6でございますけれども,5月28日に取りまとめられました「これからの大学教育等の在り方」に関する第三次提言でございます。第三次提言の中では,参考資料6の4ページの丸3番で,「初等中等教育段階からグローバル化に対応した教育を充実する」という項目がございますが,その一つ目の丸で,小学校の英語学習につきまして,実施学年の早期化,指導時間の増,教科化等の抜本的拡充の検討などが提言されているところでございます。
 参考資料2から6までの説明は以上でございます。

【無藤部会長】

 ありがとうございました。以上の点は情報としてお聞きいただければと思います。
 本日用意してございました議題はここまでであります。
 最後に,次回以降の予定につきまして,事務局から御説明をお願いいたします。

【大金教育課程企画室長】

 次回の教育課程部会の日程につきましては,部会長と御相談の上,追って御連絡をさせていただければと思います。
 以上でございます。

【無藤部会長】

 ありがとうございました。
 それでは,これで本日の教育課程部会を終了させていただきます。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

電話番号:03-5253-4111(内線2369)

-- 登録:平成25年09月 --