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教育課程部会(第83回) 議事録

1.日時

平成24年8月24日(金曜日) 10時~12時

2.場所

中央合同庁舎第7号館(文部科学省)東館 3階 講堂

3.議題

  1. 産業教育の施設・設備の基準の改訂について
  2. 小中一貫教育に係る教育課程の基準の特例について
  3. 高等学校教育部会報告について
  4. 平成24年度全国学力・学習状況調査の結果等について
  5. その他

4.議事録

【無藤部会長】

  それでは、お時間になりましたので、ただ今から中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会第6期第3回を開催いたします。本日も御多忙の中、大勢の方に御参集いただきまして、ありがとうございました。
  議事に入る前に、新たに教育課程部会の委員になられた方がお二人いらっしゃいます。御紹介申し上げます。まず、青山彰委員にかわって委員に御就任いただきました、東京都立三田高等学校長、全国高等学校長協会長の及川良一委員でいらっしゃいます。
  それでは、一言御挨拶をお願いいたします。

【及川委員】

  及川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【無藤部会長】

  それから、後ほど御出席のようでございますけれども、大江近委員にかわりまして、東京都新宿区立西早稲田中学校長、全日本中学校長会長の三町章委員が新たに就任されてございます。
  次に、事務局のほうで人事の異動がありました。御紹介いただきたいと思います。

【大金教育課程企画室長】

  このたびの事務局の異動につきまして、紹介させていただきます。
  尾崎審議官の後任として着任しました髙橋審議官でございます。

【髙橋審議官】

  髙橋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【大金教育課程企画室長】

  千原特別支援教育課長の後任として着任しました大山課長でございます。

【大山特別支援教育課長】

  大山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【大金教育課程企画室長】

  中井国際教育課長の後任として着任しました神代課長でございます。

【神代国際教育課長】  

  神代と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

【大金教育課程企画室長】

  袖山初等中等教育局主任視学官、産業教育振興室長の後任として着任しました望月主任視学官でございます。

【望月主任視学官】  

  望月でございます。よろしくお願いいたします。

【大金教育課程企画室長】

  徳永国立教育政策研究所長の後任として着任しました尾﨑所長でございます。

【尾﨑国立教育政策研究所長】

  引き続きよろしくお願いします。

【大金教育課程企画室長】 

  神代国立教育政策研究所教育課程研究センター長の後任として着任しました勝野センター長でございます。

【勝野教育課程研究センター長】  

  勝野でございます。よろしくお願いいたします。

【大金教育課程企画室長】

  事務局の異動につきましては以上でございます。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。
  次に、事務局より配付資料の御確認をお願いいたします。

【大金教育課程企画室長】  

  それでは、配付資料を確認させていただきます。
  配付資料につきましては、議事次第にございますとおりでございまして、資料1は教育課程部会の委員名簿。資料2は産業教育の施設・設備の基準の改訂に関する資料。資料3は3-1から3-3までございまして、資料3-1は「小中一貫教育に係る教育課程の基準の特例について(案)」、資料3-2は学校段階間の連携・接続等に関する作業部会で取りまとめられました「小中連携、一貫教育に関する主な意見の整理」、資料3-3は資料3-2に関する意見募集の結果でございます。資料4は4-1から4-3までございますが、「課題の整理と検討の視点」という高等学校教育部会の報告に係る資料でございます。資料5は5-1から5-7までございますが、平成24年度全国学力・学習状況調査の結果等に係る資料でございます。資料の不足等がございましたら、事務局にお申し付けいただければと存じます。
  なお、参考資料1から3につきましては、時間の関係もございまして、本日は特段説明はいたしませんので、後ほど御参照いただければと存じます。
  配付資料につきましては以上でございます。

【無藤部会長】 

  よろしいでしょうか。
  それでは、本日の議事に入ります。本日は4つの議題ですけれども、「産業教育の施設・設備の基準の改訂について」、2番目が「小中一貫教育に係る教育課程の基準の特例について」、3番目が「高等学校教育部会報告について」、4番目が「平成24年度全国学力・学習状況調査の結果等について」でございます。それらを中心に進めさせていただきます。
  それでは、まずはじめに、「産業教育の施設・設備の基準の改訂について」、御審議をいただきたいと思います。産業教育の施設・設備の基準につきましては、産業教育振興法と同法施行令によりまして中央教育審議会の議を経るということになってございます。なお、審議会・分科会の運営規則上、本部会の議決をもって中央教育審議会としての議決となるということでございます。
  それでは、事務局からの御説明をお願いいたします。

【望月主任視学官】

  それでは、資料2につきまして私のほうから御説明をいたします。
  資料2を御覧いただきたいと思います。
  まず、「産業教育振興法施行規則の一部を改正する省令案について」という概要が1ページ目にございますけれども、今、産業教育の状況につきまして、まず簡単に御説明をしたいと思っておりますけれども、資料2の37ページをまず御覧いただきたいと思います。専門高等学校、いわゆる産業教育を行っております高等学校の農業、工業、商業、水産、家庭、看護、情報、福祉の学科につきまして、現在、高等学校の20%弱の生徒が、この8つの専門学科で学んでおります。そのほかの専門学科、例えば英語科とか数学科とかございますし、あと、総合学科につきましては、専門学科などを改組してつくられて、今5.2%の者が学んでいるという状況でございます。過去、昭和30年からの経緯もございますけれども、いわゆる専門学科、職業が関与する学科については、生徒の構成比については減少してございます。
  次の38ページを御覧いただきたいと思っておりますけれども、今回お諮りいたします産業教育振興法施行規則の一部改正の前段となっております産業教育の振興に関する制度に関してでございますけれども、産業教育振興法に基づきます産業教育に関わる施設・設備については、産業教育振興法が昭和26年に制定をされまして、その後、いろいろな改訂を経まして現在の施設・設備の基準になっているわけでございますけれども、その産業教育振興法に基づいて、その施行令で施設・設備の基準について定めてございまして、30の科目群、それから各科目群に通常必要な施設・設備を定めてございます。そして、その施設・設備の基準を更に細かく細目として今回お諮りする産業教育振興法の施行規則で具体的に定めているわけでございます。
  具体的には、3ページを見ていただきますと、今回の改正案、左側の欄になっております。ちょっと見にくくて恐縮でございますけれども、産業教育振興法の施行令、政令において、なぜ科目群というのをつくっているかといいますと、科目群というのは、先ほど申し上げた8つの学科が共通して施設・設備とかを使う場合がございます。ですから、その補助を受ける施設・設備につきまして、複数の学科にまたがって実験・実習の内容が類する場合、同類の場合には比較的類するものをまとめて30の科目群に分類しているわけでございますけれども、政令のほうでは科目群と施設名まで定めておりまして、この施行規則、省令のほうでは細目として別表第一で施設の床面積を定めてございます。
  それから、4ページ目の設備に関しては、政令で科目群と設備名まで定めておりますけれども、施行規則、省令では設備に相応する、より詳しい細目ですね、品目として定めてございます。そういう体系となってございまして、今回は、御案内のとおり、高等学校につきましては、新しい学習指導要領が25年度の入学生から年次進行により実施されます。移行措置期間が一部実施されてございまして、専門学科の専門性の基礎・基本を一層重視しながら、専門分野に関する知識と技術の定着を図る観点から、その科目の構成や内容の改善を図ったことに対応いたしまして、今回の省令で補助の基準となる細目に関するところを改訂するものでございます。
  具体的に、その別表につきまして簡単に御説明しますけれども、1ページ目に戻っていただきまして、1ページ目の2の「改正の主な内容」の3つのマルを見ていただきたいと思っておりますけれども、前回の改訂、平成15年のときから、先ほど申し上げました例えば設備に関する品目について、新しい学習指導要領に即して、現場の先生方に入っていただいた検討会で熱心な議論を行っていただいた結果、品目の変更などに対応して改訂をしてございます。規則の別表第一の(二)関係でございます。
  また飛んで恐縮ですけれども、例えば15ページの13、「建築に関する科目群」というところで、新たに品目として「福祉住環境実習機器」というものを追記してございますけれども、この追加は、例えばバリアフリーな建築のために障害のある方々の行動を体験するために車いす等を整備するというものを改訂して付け加えておりますし、1ページには列挙しておりませんけれども、例えば22ページ目の「デザインに関する科目群」のところでは、設備の「デザイン用機器」に新たな品目を付け加えるとか、様々な改訂をしてございます。
  それから、1ページ目の今の2の「改正の主な内容」の2つ目のマルでございますけれども、「規則別表第二関係」とございますけれども、これは科目群に属する科目名につきまして、まさに新しい学習指導要領に対応した改訂を行ってございます。具体的には、例えば29ページから30ページの中で新しい学習指導要領に即して科目が設けられたということに対応して、例えば「環境工学基礎」というものを追加しているといったものを例示として挙げさせていただいております。
  それから、マルの3つ目、別表第三に関わるところ、32ページからのものでございますが、科目群ごとの単位数につきまして、これも新しい学習指導要領に対応した改訂をしてございます。29の「保育・福祉に関する科目群」と30の「看護に関する科目群」につきまして、新しい学習指導要領で生徒が履修する科目数が増加していることに伴いまして、生徒がたくさんの科目を履修した場合、それらを合計した最低の単位数が増えているということに対応いたしまして、「保育・福祉に関する科目群」については13単位から26単位までの基準だったのが13単位から30単位、「看護」に関しては、履修するべき内容を全部最低単位として合計した場合に16単位から32単位が16単位から37単位に増加していると、これに伴う改訂でございます。
  以上、別表第一、第二、第三で補助の基準になる施設・設備の基準に関する細目及び学習指導要領に対応した科目等の変更を今回お諮りするものでございます。
  今後、25年4月になるべく早く間に合いますように本日お諮りいたしまして、お認めいただきました後、パブリックコメントを行いまして、10月末ぐらいの公示を、そして現場のほうにおろしていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。
  ただ今事務局より御説明いただきましたが、改訂案の審議を行いたいと思います。御質問、また御意見等ございましたら、御自由に御発言をお願いいたします。

【國井委員】

  ありがとうございます。いろいろ検討された上なので反映されているかとは思うんですけれども、ITに関しては技術が非常に進歩が早いんですけれども、それに対する対応というのは、ここにどのように反映されているのでしょうか。

【望月主任視学官】

  今の御質問でございますけれども、例えば今の資料2の4ページ目でございますが、「情報基礎に関する科目群」の中で、設備名で「データ処理用機器」としまして「コンピュータ周辺機器」というものを新たに追加をしてございます。これは情報化社会が進みまして、情報基礎でもプリントアウトの周辺機器の整備が更に必要になってきているということがございます。また、「視聴覚教育用機器」のところで「机類」というものを品目で追加してございますけれども、これはOAデスク等の整備が必要なものと高等学校生に整備するものといった形で、高等学校の情報化、専門教科の情報の改訂につきましては、新しく情報と問題解決という科目、あるいは情報のテクノロジーという科目を新設するなどいたしまして、まさに情報を表現するとともに、それを適切に管理して活用する能力・態度を育成するといった形で今回の資料の改訂を行ってございます。そういった今回の情報化に関する改訂につきまして、必要な設備について改めて検討いたしまして、なるべく現場で多く使うことが必要であろうということにつきまして検討いたしまして追加もしているところでございます。

【無藤部会長】

  ということですが、よろしいですか。何かあれば、またどうぞ。

【國井委員】

  すみません。情報分野ではもちろんのことなんですけれども、情報は、ありとあらゆるところで活用されているようになっていますので、そういう観点で、いろいろな列挙されている情報分野以外のところで、どのようにITが活用しやすくなっているのか、そこら辺をお伺いしたいのですけれども。

【無藤部会長】

  今の点はいかがでしょう。

【望月主任視学官】

  確かに情報関係につきましては、他の専門学科につきましても、いろいろな教科を専門的に学ぶ中で、情報の技術の進歩、あるいはネットワークの改善等に伴ういろいろな情報を活用しながら学ぶということが重要になってきていますし、そういう改訂が行われております。具体的に設備の品目とかの中で、今直ちに明示するというのはなかなかできないんですけれども、学習指導要領の中では、それぞれの専門教科において、1つの専門教科を学ぶ中で、例えば商業などでは、いろいろなビジネスの基礎、あるいはマーケティングのことを学んでいかなければいけないという中で情報機器も活用した、あるいはプログラミングなどを活用した学習が行われるということになってございますので、今回、それに対応した形での設備について、特に商業において、今は表れてございませんけれども、例えば、ほかの品目の中でも、従来から材料技術に関する科目群の中でデータ処理用の機器としてコンピュータが含まれていて、これは前から入っていますので今回の見直しの中でもそのまま入れてございますけれども、例えば工業でも「化学工業に関する科目群」等についてもデータ処理用機器でコンピュータというものが入っておりますし、「土木・造園に関する科目群」でもデータ処理用機器でコンピュータ、あるいはコンピュータ周辺機器というものを入れてございます。これは従来からあったもので、今回の改訂におきましてもやはり必要であるということで引き続き整備は残しているところでございます。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

【川嶋委員】

  今の御質問に多少関連しているのですが、39ページにございます検討会の結果の概要のところですけれども、今の御説明は従来の規定・規則に新たに加わった装置等の御説明が主だったんですが、39ページを見ますと、例えば「LAN装置を削除」とか、一番下に「直示天秤を削除」という、削除したことについては、ほとんど言及はなかったのですが、これについてもいろいろ理由があると思うのですが、全てについてではなくてもいいので、こういうふうに削除された機器について、もし何か理由がおわかりでしたら、御説明願いたいと思います。

【望月主任視学官】

  失礼いたしました。例えば今、39ページで御覧いただいています、情報応用に関する科目群の「通信用機器」から「LAN装置」を削除しているわけでございますけれども、現在はLAN装置はネットワーク実習装置に実際含まれておりますので、ネットワーク周辺機器、あるいは実習装置というものが通信用機器の中に設備として品目として入ってございます。それに含めているというもの。それから、実際のところ、先ほどありました食品化学に関する科目群の「計量・計測機器」の「計量機器」から「直示天秤」を削除などにつきましては、実際の学校現場での活用具合等を考えて必ずしも明示しなくてもよくなったというものもございます。
  そういった品目の整理をいたしまして、ほかの品目にもう既に含まれているだろうというものとか、あるいは現在使用がもう既にほとんどないということなどを考えあわせての改訂となってございます。

【無藤部会長】

  よろしいですね。ありがとうございます。
  ほかにいかがでしょうか。特にはございませんか。それでは、事務局案ということで、御了承いただけるようでございますので、産業教育の施設・設備の基準の改訂につきまして、同部会としては資料のとおりということにさせていただきたいと思います。先ほど御説明もありましたけれども、今後、パブリックコメントを経て告示という形をとりますので、よろしくお願いいたします。
  それでは、以上をもちまして産業教育の施設・設備の基準の改訂についての審議を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
  次の議題でございますけれども、「小中一貫教育に係る教育課程の基準の特例について」でございます。事務局から御説明をお願いいたします。

【小谷教育制度改革室長】

  教育制度改革室長の小谷と申します。それでは、私から資料3-1から3-3までを用いまして、小中一貫教育に係る教育課程の基準の特例につきまして、御説明をさせていただきます。
  まず、小中連携、小中一貫教育ということで、現在、小・中学校が互いに情報交換や交流することなどを通じて小学校教育から中学校教育への円滑な接続を目指す様々な教育として小中連携が行われておりますし、その中でも特に9年間を通じた教育課程を編成して、それに基づいて行う系統的な教育として小中一貫教育という形で捉えまして、小中連携、小中一貫教育について中央教育審議会初等中等教育分科会に学校段階間の連携・接続等に関する作業部会というものを設けていただきまして、まず御審議いただきました。
  そちらの審議の内容を先にちょっと御紹介したいと思いますが、資料3-2を御覧いただきたいと思います。これは先月の13日に初等中等教育分科会に御報告いただきました主な意見等の整理でございまして、目次にございますように、小・中学校間の連携・接続に関する現状や課題認識を整理いただきまして、小中連携や小中一貫教育の推進につきまして、その目的、効果ですとか、教育課程、指導方法、推進体制、地域との連携等、教員人事、教員免許、更には校地・校舎等、更に新たに一貫した9年間の学校として義務教育学校制度というものの創設が必要かどうか、その是非について、御審議をいただいたところでございます。
  こちらにつきましては、飛んで恐縮でございますけれども、資料の111ページ、終わりから1枚めくっていただきますと、このように審議の経過がございます。合計10回、こちらにございますように、貝ノ瀨委員が教育長をお務めになっていらっしゃいます三鷹市ですとか、あるいは梶田委員が理事長をお務めになっておられます聖ウルスラ学院の英智小・中学校などからの実態報告もいただきながら、つぶさに現状について分析していただきました。一番最後の113ページのほうに委員の名簿を付けさせていただいておりますけれども、教育課程部会からは無藤部会長、貝ノ瀨委員、天笠委員、村上委員に御参画いただきまして、御審議をいただきました。
  その教育課程に係る御提案を御紹介させていただきますと、またページが飛んで恐縮でございますが、37ページを御覧いただければと思います。まず、37ページのIIの1の「目的、効果」の「目的」のところでございますけれども、こちらにございますように、そもそも義務教育の目的・目標に掲げる資質、能力、態度等をよりよく養えるようにしていくことは、全ての小中連携や小中一貫教育に共通する基本的な目的であって、今後、その取組の広がりが期待されているという前提に立って、そのような中で設置者が小中一貫教育に取り組みやすくなるようにということで、最初の提案として2の「教育課程」という形で提案をいただいております。
  そちらを御覧いただきますと、まず(1)にありますように、小中連携や小中一貫教育を進める際には、教育課程の系統性確保のために教職員が互いの教育課程を理解することが必要であること、こういった大前提に立ちまして、また、(2)にありますように、教育課程上の区分として、現在、4・3・2等、様々な試みがなされておりますが、そういった学年区分につきましては、児童・生徒の実態に合わせた柔軟な教育課程の在り方を工夫する観点から、今後も多様な取組が進められて、その成果が蓄積されることが期待されること。
  そして、(3)として、現在におきましても、学習指導要領等の教育課程の基準の特例として、その必要性として、そもそも新学習指導要領は校種間の円滑な接続・連携の観点が特に重視されて改善が図られておりまして、この趣旨を十分に踏まえつつ、小・中学校に教育課程特例校制度等を活用した取組について、国、学校、市町村等が内容や成果等を対外的に周知することによって多様な取組が蓄積されることが期待されていること。また、更には学校、市町村において積極的に小中一貫教育を推進できるよう、設置者の判断に基づいて一定の教育課程の基準の特例を活用できるようにすること、こういったことを御提案いただきました。
  そして、具体的な特例の内容といたしましては、1つ目として、小・中学校が9年間を通じた特色ある教育を実現できるよう、設置者の判断で一定の範囲内で各学年の各教科等の授業時数を減じて、その内容を代替できる内容の学校設定教科の授業時数に充てることができるようにすること。そしてもう一つは、小・中学校における指導内容に関する学校間ですとか、あるいは学年間での入替えや移行を可能にすることについて、義務教育における全国的な教育の機会均等等の観点から十分な検討を経て取り組むといった御提言をいただいたところでございます。
  こういった御提言を踏まえまして、事務局として用意させていただきました案が資料3-1のカラー刷りの資料でございます。まず、「特例の意義」でございますが、同一の設置者が設置する小・中学校について、設置者の判断により、9年間を通じた計画的かつ継続的な教育課程の編成ができるように、教育課程の基準の特例を設けることでございます。
  そして、特例の内容でございますが、こちらは、まず先ほどの提言に基づきまして、第1点目が学校設定教科に係る特例でございます。学校設定教科につきましては、各教科、道徳、外国語活動、総合的な学習の時間、または特別活動の授業時数を減じて、当該各教科等の内容を代替できる学校設定教科の授業時数に充てることができることとしております。
  次に、(2)が指導内容の入替え・移行に係る特例でございます。マル1からマル4までにありますとおり、小・中学校間、あるいは小学校から中学校へ、中学校から小学校へ、そして、それぞれの学校段階で、各教科、または外国語活動につきまして、指導内容の一部について入替えや移行を認めるものでございます。ただし、これらにつきましては一定の要件を設けております。
  裏面の3でございますけれども、まず、教育課程の基準の特例を活用する小・中学校が次の基準を満たしていると。これはきちんと設置者がお認めになっている場合としております。具体的には、マル1からマル8までございますように、1つ目として、9年間の計画的かつ継続的な教育課程を編成・実施する必要があること。マル2でございますが、教育基本法や学校教育法に規定する小・中学校の教育目標に関する規定等に照らして適切であること。3つ目として、小・中学校の学習指導要領において、全ての児童・生徒に指導すべき内容として定められている事項が適切に取り扱われていること。4つ目として、標準的な総授業時数が確保されていること。5つ目として、児童・生徒の発達段階や各教科等の特性に応じた内容の系統性や体系性に配慮されていること。6つ目として、そもそも児童・生徒の過重負担にならないこと。7つ目として、保護者の経済的負担など、教育の機会均等の観点からの配慮がなされていること。8つ目として、転出入に関する配慮がなされていることということでございます。
  更に(2)にございますように、設置者には、特例の内容と(1)に挙げてございます基準を満たしているということをホームページ等を活用して公表していただくということ。また、(3)にございますように、設置者は、特例を活用した教育課程の実施状況の把握と検証をしっかり行っていただきまして、その結果を公表することとしております。
  更に、具体的な配慮事項といたしまして、(1)にございますように、設置者につきましては、公立学校であれば教育委員会規則で、国立や私立学校であれば学則で特例を活用する小・中学校が小中一貫教育を施すものである旨を明らかにしていただくとともに、各学校において学校間の協議を経て教育課程を編成する旨を定めるものとすること。
  また、(2)にございますように、要件にも示しておりますけれども、学習内容の系統性や体系性に留意していただいて、各学年の各教科等の目標がおおむね達成されるとともに、9年間で指導しない内容といったことが生じることのないように留意していただいて、義務教育段階の教育目標が9年間の教育課程全体の中で確実に達成されるようにすること。
  更に、(3)として、児童・生徒の転学ですとか、進路変更等に際して、転学先や進学先の学校における教育課程の実施に支障が生じることのないよう、必要に応じて当該児童・生徒等に対する個別の補助指導を行うなど、十分な配慮を行っていくことを求めたいと考えております。
  また、国といたしましては、定期的に実施状況を把握して、優れた成果の普及にも取り組みたいと考えております。
  また、資料の3-3でございます。こちらは、御参考までに、先ほど御紹介いたしました作業部会の意見等の整理につきまして、7月20日より8月10日まで意見募集、いわゆるパブリックコメントを行いましたものでございます。その中で教育課程に係る御意見を整理させていただきました。●と○がございますが、●が特に多く寄せられた御意見でございました。教育課程の内容や指導方法に関する御意見ですとか、小中一貫教育の効果に着目した御意見、あるいは教職員の負担軽減のための条件整備の必要性に着目した御意見、裏面に参りまして、教育制度に着目した御意見、学校の裁量拡大に着目した御意見、あるいは施設に着目した御意見、こういった御意見がございましたので、御紹介をさせていただきます。
  以上でございます。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。
  ただ今事務局より特例案につきまして、御説明いただきました。審議を行いたいと思います。御質問、御意見等、お願いいたします。まず、中川委員。

【中川委員】

  小中一貫教育に係る特例の意義は非常に重要なことだと思っております。しかし、具体的に、一貫型小学校あるいは一貫型中学校の運用の仕方によっては、本来の目的から外れ、いわゆる受験競争の低年齢化、あるいは過度な競争主義の導入などに陥る危険性があると思われます。その点について文部科学省ではどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。

【無藤部会長】

  お願いします。

【小谷教育制度改革室長】 

  この作業部会でも御議論いただきましたが、やはり小中一貫教育の目的、これは先ほども申し上げましたけれども、何と申しましても義務教育の目的というものをしっかりやっていただくと。それを達成するために、小・中学校教職員の皆さんが、学校長が教育課程を編成する権限を有しているわけでございますけれども、しっかりとカリキュラムの見直しを行っていただいて協働できる体制を整えていただきながらカリキュラムを編成していただく。それが眼目でございますので、そういった点をしっかりと、この制度の趣旨とともに、きちんと周知していきたいと思っております。

【無藤部会長】

  私も委員でしたので一言だけ加えさせていただくと、今、中川委員の御指摘のことは非常に議論になった点でございます。直接、受験指導してはいけないとか、そういうことよりは、今御説明いただいたように、小中義務教育として、その責任をしっかり果たせるような体制が大事だと思います。具体的には小中9年間の学習指導要領において規定されていることは、きちっと指導していただけるようにする。ただ、その際に学年間の動きとか、小中で多少の、いわゆるらせん的というんでしょうか、重なりもございますので、その辺で融通を利かせる部分はしてもいいんじゃないかと、そういう方向の案であろうと理解しております。
  それでは、露木委員。

【露木委員】

  全国連合小学校長会の露木でございます。御説明ありがとうございました。設置者の判断で特例に基づいて小中一貫校を設置していくというわけですけれども、小中一貫校といっても、市全部あるいは区全部を小中一貫校にするとか、あるいは市で1つだけ小中一貫校をつくっていくとか、あるいは、かなり児童数の少ない地域で小中一貫校をつくっていくのか、きっと状況はそれぞれなんだろうと思います。そういう中で作業部会等でどういう議論があったのかというあたりをお聞かせいただければありがたいのですが。全国の小学校を見たとき、100人に児童数が満たない学校というのが、御存知のとおり全国でいうと4分の1ぐらいあるわけですよね。25%がそういう比較的規模が小さい地域で、そういうところですと、一村なのか、統廃合がありますから旧一村なのかわかりませんけれども、そういうところで小中も1校しかないというような地域もあると思います。
  そういうところで小中一貫校という形でつくった場合に、例えば教職員の配置の面で何か加配をしたり工夫をしたりして手厚い指導体制が組めるんだろうかとか、あるいは地域によっては、小中一貫のために採用の段階から小学校免許と中学校免許を持っていないと採用試験に合格しないよという形にして人事交流も積極的に行っている地域みたいなものがあって、そういうところは小中一貫校を比較的つくりやすいだろうなということもあったりすると考えます。
  3つ目は、小中一貫、例えば、これから東北の被災地等で校舎を再建するというときに、小中一緒の建物にして小中一貫校にしますよといったような場合に、これは過疎地においても同じですけれども、補助金みたいなものが、小学校を建てるときと中学校を建てるときとで別に配慮されて小中一貫校みたいなものを建てられるようになっているのかとか、小中一貫校にすることによって、教育課程上のメリットというのは大変よくわかると思うんですけれども、そうではなくて、条件整備のような意味の教職員の数とか、施設・設備を建てるときのよさとか、そういった面の議論がありましたら、御説明いただけるとありがたいと思います。
  以上です。

【無藤部会長】  

  お願いします。

【小谷教育制度改革室長】

  まず、条件整備等に係る議論と、もう1点、そもそも都心部ですとか、あるいは過疎地ですとか、そういったきめ細かい目配りがあった議論がなされたのか、大きく2つの御指摘だったと思いますけれども、まず、先ほど申し上げました都心部や過疎地といったことにつきましては、111ページから、どのような団体あるいは学校をお招きしてヒアリング等を行ったのかということも書かせていただいておりますけれども、先ほど御紹介した東京都の三鷹市や品川区、あるいは神奈川県の横浜市といった大都市、あるいは逆に東京都の檜原村ですとか、熊本県の産山村ですとか、それこそほんとうに過疎が進んでいて児童・生徒の数が少ない学校、そういったところのそれぞれのお取組を伺いながら先生方には御議論をいただいておりまして、本日御欠席でいらっしゃいますが、天笠委員からもまさにそういった御指摘をいただきながら、東北の中でもそういった動きがあるけれども、そういった配慮もしなければいけないという御意見もいただいておりまして、そういった内容につきましても作業部会の意見等の整理の中では書かせていただいております。
  それから、条件整備ということでございまして、1つ、施設面ということでございますが、これは現在、小学校と中学校の校舎を一体的なものとして設置されている例。これは品川区のように大きなところであえてそういったことをされているところもありますし、先ほど御指摘のありました過疎地のような、そもそも児童・生徒数が少なくて、小・中学生が一緒に活動しないと教育活動がなかなか成り立たなくて必要に迫られてやっていらっしゃるところがございます。そういった場合に施設を一体として建てる場合であっても、現在の運用ですと、法律的に小学校と中学校はそのまま1校ずつありますので、小学校同士、中学校同士の統合につきましては、適正配置を促進するという観点から補助金が通常の補助率より高い補助率が設定されておりますけれども、そういった場合につきましては通常の補助率のままでやっておると。そういったものにつきましても優遇した補助率を適用できるようにしてはどうかと、そういった提言も盛り込んでいただきましたので、こういったことにつきましては今後の予算要求などで検討していきたいと考えております。
  それから、定数の面につきましては、特に加配措置という、そこまでの御議論はなかったんですけれども、例えば小中一貫教育を進めていく際に、中学校の先生が小学校へ、あるいは小学校の先生が中学校へ出前授業などをされるという例もありますが、その出前授業をした上の後補充の非常勤講師なりが当然必要になると。あるいは、小中一貫教育を進めていく上でのコーディネーター、これは学校の先生がお務めになる場合もあったり、あるいは指導主事の方がお務めになったりされることがあると思うんですが、そういったスタッフについての御指摘はいただいておりまして、そういったものはこの提言の中にもいただいているところでございます。

【露木委員】

  ありがとうございます。先ほど規模の小さい学校が4分の1あるという話をさせていただきましたけれども、財政的に小中一貫校をつくるほうが安いからというような理由で、特に過疎地において、小中一貫校にしてしまおうという動きに何年か先にならないように、今学校の統廃合が進んでいますので、そういうところもこれから議論の中に入れていただけるとありがたいと思います。
  以上です。

【無藤部会長】

  非常に大事なことをありがとうございました。
  それでは、渡久山委員。

【渡久山委員】 

  1つは質問ですが、資料3-2の4ページに統計数字がありますけれども、学校数は1,700幾ら出ているんですね。これは母集団は、どれぐらいで回答率がどれぐらいあるのかですね。今の1,700幾らの中でも実施されている率というのは非常に少ないような感じがしますが、そういうことを前提にして、小中一貫というのが果たしてうまくいくのかどうなのかということで1つ、これは質問です。
  2つ目の質問は、9ページに学年区分がありますね。実施されているといいますけど、あれはどの程度実施されていますか。安彦先生も随分おっしゃっていたんですが、これは果たしてどれぐらいかというものが1つです。
  それから、これは意見なんですけれども、統廃合の際、今も出ましたけど、今は過疎地においても中学校だけ統合する、小学校だけ統合するという、これが基本になっているんですよね。そうだったら、これをもしも実施する場合に、中学校と小学校とを統一するという感じのものをつくっていけば、1つの併置校ができてきて小・中学校になる。現在も併置校というのはありますけれども、実際、教育課程の内容については全く別々な授業がなされているのが実態ですから、この辺が統廃合の際に中学校を中心にして小学校も集めるという、そういう方法ができるかどうか。今、室長が言われたように補助金の問題、これは解決はしてませんね。そういうことがあったらいいだろうという話ですよね。可能性がどうなのかというのが1つですね。
  それから、教員の義務教育免許状というのがある程度提起されていますけれども、今、免許制度が議論されていますけれども、これとの関連はどうするのか。あるいは、ちょっと先のことだから、まだ議論になってないのかどうなのかということが1つですね。
  それから、今ありました出前授業の問題がありますね。現在、小学校も中学校も教員は非常に忙しいんです。ほんとうに出前授業をやっていけるという状況は、小さな学校で併設されている場合ならともかく、そうでないところでは非常に厳しいと思いますね。ですから、それを実施していくには加配か定数の問題をどう考えるかですね。ここでの提起はほとんどないんですけど、もしもこれをやれということであれば、このことについてはある程度の考えでいかなくてはいけないだろうと思いますが、いかがでしょう。

【無藤部会長】

  お答えいただく前に、秋田委員がすぐ退席だそうなので、先に秋田委員に発言していただいて、まとめて事務局のほうで御説明をお願いします。

【秋田委員】

  小中を連携する、一貫するという理念そのものは大変賛同するものでございます。けれども、まず1点は、授業時数を減じることができるということが述べられているわけですが、それを当該各教科との内容を代替できる学校設定教科の授業時数に充てるということが具体的にこの前の委員会でどれぐらいのものを考えておられるのかというようなところを伺いたいと思います。やはりカリキュラムの内容を考えたときに、学校設定教科というものが公教育の中でどれぐらいの割合で設定されるのかということは、教育課程全体を考えたときに非常に大事な問題なのではないかと私自身は感じております。授業時数を公教育として全国一律ある内容を考えていくのに特定の内容を変えていくというところについて、どのような審議がなされたのかというのを伺いたいと考えております。
  私自身は、もう一点言えば、例えば東京の都心部で私が教育委員をいたしております文京区のようなところでは、中学校になったときに約半数の子供が私立に行くわけですけれども、公教育として安心して親が、小中公立に行けるためには、高学年になってからではなく、低学年・中学年のときから一貫して子供を育てていく、地域に根差しているというようなことを伝えていくことが重要であるということも議論をされております。地域によっては大変効果のある、意味のあるものであろうと思う一方で、これが特例であるために、小中一貫は一貫校でというのではなく、特例になる学校もならない学校も一貫や連携の理念をどう進めるのかという議論とともに議論いただく必要があるのではないかというのが個人的な意見でございます。時数につきましては、何か話し合われていたのであれば、学校設定教科の範囲ということについて伺えればと思っております。
  以上です。

【無藤部会長】

  では、お願いします。

【大金教育課程企画室長】

  ただ今秋田委員から御質問いただいた学校設定教科の範囲についてでございますけれども、学校段階間の連携・接続等に関する作業部会において教育課程の基準の特例を設けるとした趣旨は、義務教育9年間を通じて児童生徒の発達に合った学びを実現するため、設置者の判断により、計画的かつ継続的な教育課程の編成ができるように、ということでございます。
  このような趣旨を踏まえ、削減する各教科等の内容を代替するという前提の下で、各教科等の授業時数の削減の限度を一律に設けることはしないこととしたものでございます。
  また、資料3-1の2ページの「3.特例の活用に係る要件」の(1)のマル3では、「学習指導要領において全ての児童及び生徒に指導すべき内容として定められている事項が適切に取り扱われていること」といったことをお示しさせていただいておりまして、設置者は、こうした基準を満たしている旨公表するとともに、教育課程の実施状況の把握及び検証を行い、その結果を公表していただくこととしております。
  こうした要件や、資料3-1の4の「配慮事項」といったものを踏まえ、設置者において適切に御対応いただくこととなります。
  なお、現行の教育課程特例校の仕組みにおいても、新しい教科に充てる場合の削減の限度を一律には設けておらず、実際に、特例校においては、授業時数の削減の程度は様々でございます。

【無藤部会長】

  あわせて、渡久山委員の御質問についてもお願いします。

【小谷教育制度改革室長】

  御質問いただきましたので、まず、4ページを御覧いただければと思います。先ほど御指摘いただきました調査の母集団でございますが、こちらは都道府県と市町村の教育委員会に調査をお願いさせていただきまして、市町村の教育委員会の回答数1,763という形でございます。それで、市町村の教育委員会の中で具体的にこういったことをされていらっしゃるという形で挙げていただいておりまして、その挙げていただいているいずれかの取組を行っている市町村が72.4%ということでございますが、その内容は、例えば学校行事を一緒にやっているといったようなものから、ほんとうにきちんと9年間のカリキュラムをつくって取り組んでらっしゃるところ、それは疎密があるというのは御指摘のとおりでございます。
  それから、施設の関係でございますが、確かに過疎地等においては、実際に施設も一体で、校長先生も兼務されていてお一人で、しかしながら、実際9年間の教育課程がきちんと編成・実施されているかというと、実際は小学校、中学校で、それぞれ分かれてやっていらっしゃるという実態があるというのは、そのとおりでございまして、この作業部会の議論の中でも特に村上委員のほうからも御指摘いただきましたが、小中連携、これは当たり前のことで、これからきちんと義務教育の目的・目標を実現するために教職員の皆さんが9年間の一貫した教育課程をしっかり考えていくと、そういった方向に持っていくべきではないかといった御指摘もございまして、そういったお取組に取り組んでいただけるようなことを、少なくとも国は支援、促進できるようなという形で、制度的には、今でも教育課程特例校制度というのがございますので、文部科学省のほうに御申請いただいて、私どものほうで審査をして、そしてお認めさせていただくといったスキームがございますが、そこをあえて設置者の判断でできるようにという形で、この特例を設けさせていただいているところでございます。
  また、施設の補助金の話につきましては、御指摘のとおりで、まだ御提言をいただいた段階でございますので、これから実現できるように私どもも鋭意努力しているという状況でございます。
  また、定数の関係でございますけれども、定数につきましては、小学校における専科担任のための加配につきましては制度化されておりまして、この提言の中では、そういったことをもっと活用すればという御提言はいただいております。
  また別途、そもそも小学校の段階からの35人学級をどうするか。あるいは、特にへき地ですね。ほんとうに超小規模校というもの、どうやって今の定数を考えていくんだということは別途、協力者会議がございまして、そちらで省内では検討させていただいているという状況でございます。
  それから、免許制度の関係でございますが、恐縮でございますけれども、資料3-2の39ページの概要のところで「教員人事、教員免許」とございまして、(2)で「教員免許」とございますけれども、義務教育免許状につきましては、2つ目のポツでございますけれども、教員の資質能力向上特別部会でも御議論いただいておりましたので、作業部会の中では要修得単位数の増加等の課題等もあって中長期的な検討課題とされているが、複数免許状を取得する場合の最低修得単位数の設定の在り方について検討することが期待されるという御提言をいただいております。
  また、更にそのほか、上のポツでありますように、現職教員の方が隣接校種の免許状取得を更に促進するために、既に都道府県教育委員会等で開設していただいております免許法の認定講習を免許状の更新講習としても位置付けることによって、先生方の隣接免許状の取得を少しでも軽減するとか、あるいは、既に小学校で認めていただいています、小・中学校の教員免許を持っていただいている方が専科担任をするという制度がございますが、この専科担任制度につきましては、道徳や特別活動については、学校種を問わず指導可能とすることについても検討してはどうかといった御提言をいただいているところでございます。

【無藤部会長】 

  國井委員。

【國井委員】

  ありがとうございます。転出入に関することですけれども、社会環境からいうと転職なども多くなってくると思いますが、そういう中で転校したときに生徒さんに負荷がかからないように、今でも負荷が非常にあると思うんですけれども、更に負荷がかかるようでは特に公的な教育では非常に問題になると思うので、「教育上必要な配慮が」と書かれておりますが、どのようなレベルで検討されていらっしゃるのか、どのようなルールが課されるのか、そこをちょっとお伺いしたいんですけれども。

【無藤部会長】

  お願いします。

【大金教育課程企画室長】 

  御指摘のとおり、小・中学校では、保護者の転勤等による転入学の場合等が想定されるところでございまして、資料3-1の3の(1)のマル8で「児童及び生徒の転出入に対する配慮等の教育上必要な配慮がなされていること」を「特例の活用に係る要件」とさせていただいているほか、4の「配慮事項」の(3)で児童生徒等の転学、進路変更等に際しての十分な配慮についてお示しさせていただいております。
  具体的には、転学先又は進学先の学校の教育課程の内容や、転校する児童生徒の学習の状況等に応じて、例えば、放課後や長期休業期間を活用した個別の補習や、各授業の中での習熟度別学習などによって、児童生徒の実態に応じて個別の配慮をしていただくことが必要になると考えております。

【無藤部会長】 

  お願いします。

【貝ノ瀨委員】

  作業部会のメンバーだったということもありまして、今までの質疑とも関連して、お話したいと思います。まず、小中連携にしても小中一貫にしても、基本的に部会で議論になりましたのは、これを何のためにやるのか。ここがきちんと押さえられていないと話が始まらないわけで、結局、小中一貫、小中連携でやっているところがあったとしても、中には中一ギャップを解消するため、自尊感情を回復するため、学力向上のためとか、いろいろなことをおっしゃっています。本市の場合、要するに学校の質を上げていく。現状の教育をもっとよくしていきたい。ですから、中一ギャップの問題もさることながら、小中一貫で更に教育効果を上げていきたいということで、小学校、中学校のカリキュラムを一貫させ、小学校の先生、中学校の先生が協力して一生懸命やれば絶対よくなる。
  実際効果が出ていまして、その検証報告書も出しているわけです。だからといって、義務教育学校としてかちっと固めてしまうということは結局のところどうなのか。つまり、小中連携をしているところは全国7割ぐらいあると思いますけれども、しかし、実際のところは掛け声だけというところもあるでしょうし、ましてやカリキュラムを一貫させてというようなところは極めて少ないという中で、一挙に全ての学校を義務教育学校にしてしまうということは、やはり乱暴過ぎる話であります。その辺について慎重に検証し、そして特例ということもありますので、それも活用しながら、皆さんが納得できるような形で進めたほうがいいというところで今回まとまってきているわけであります。
  本市の場合をいいますと、特例というものは一切活用しておりません。今ある制度そのままです。学年の区分もやっていません。カリキュラムを一貫させて、そして小学校の先生、中学校の先生が相互乗り入れ授業をしています。でも、本市の場合は、残念ながら国の対応がありませんので、本市の予算で後補充の教員を入れているというわけです。今回の報告の中でも、もし特例について進めていくというところが増えてくれば、当然後補充の教員も考えてもらいたいという内容になっているわけですね。また、これは、できる規定でありますので、やらないといけないとか、そういうことではありませんし、過疎地は過疎地のやり方もあるでしょうし、私どものような都市部は都市部のやり方があると思います。
  何のためにも関係しますけど、さっき私学の進学の話が出ましたけれども、公立学校が駄目だから私学に行くという人たちもいらっしゃれば、公立学校がどうだろうと、うちは代々私学へ行っていますので、という方もいらっしゃるわけです。少なくとも私ども公立学校で義務教育を担当する者としましては、公立学校が駄目だから、義務教育段階が駄目な教育だから私学に行くんだという人を少なくさせたいということでやっている面もあるんですね。小中一貫を、準備期間を入れて10年間やってきて、私学のほうに行く方はだんだん減ってきて、公立の中学校に行くという子供が、現実に増えてきているわけです。
  ですから、そういう効果もありますので、教育効果はあるということでありますが、できる規定だということで、その辺のところが誤解されて、何が何でも全部やらないといけないとか、過疎地も地方も都会も全部同じ考えでやらないといけないということはないわけです。そのところが誤解があろうかと思いますので、再度指摘しておきたいと思います。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。梶田委員。

【梶田委員】

  今、貝ノ瀨先生もおっしゃいましたが、何のためにこれをやるのか。つまり、教育的なメリットが望めるから、必ず出てくるというわけではないですけど、こういう工夫をしてやれば、こういう効果が考えられるから、あるいはやりようによっては実際に出てくるからということを、セットで出さないといけないなということを思っております。このこと自体、私は非常に大事な、いい前進だと思っております。平成17年の中教審答申、平成20年の中教審答申で、やりたいところはこういうことがやれるように何とかしたいよねということを既に触れられているんですね。
  これまでは、先ほど室長から御説明ありましたけど、教育課程特例校、あるいは研究開発学校ということをとればやれていたわけです。しかし、それは今回はイコールじゃなくて、特例校とか研究開発学校だったら、ほかの点もいろいろと工夫できるんですけど、今回は指導内容の入替え、移行、ここのところに限って、いわば文科省に認めてもらわなくても設置者の判断でやれるという。しかも、今おっしゃったように全部やらないといかんわけじゃないけれども、必要ならばやっていいですよねということが出たということは、広範に今まで議論されてきた小中連携ということの教育的なメリットということが進むという意味では非常にいいと私は思っております。
  もう一つだけ。これはずっとこのところ進めてきた学習指導要領のある意味での拘束性を緩めていって、学校の実情に応じて少し柔軟にやれるという。これも中教審答申で出てますけれども、簡単に言うと標準でなくて最低基準だよというところがありましたよね。これを今度は、こういう要件を満たせば入替えもできますよというところへ行ったということでいいわけですけれども、これも単なる何でもかんでもやれますよという話ではなくて、教育的なメリットが望めるからなんですよね。ということですので、ここはくどく言いますけど、教育的なメリットがあると思えば、その学校の工夫で積極的にいろいろなことに取り組んでくださいねという、このメッセージを添えて出さないと、もう一つ、これまでの流れからいって迫力がなくなるかなということを思っているんです。
  それとあわせてですけれども、これは文科省のどこかでも結構ですし、あるいは国立教育政策研究所にお願いしてでもいいんですけれども、こういう工夫をしたら、こういう教育的なメリットが出ましたということを、ぜひ毎年おまとめいただいて現場にわかるようにお示しいただくと、これは私は非常に大事じゃないかと思っております。これはあえて言いますが、昔、私も研究開発学校をつくるときに関係いたしました。それで、10年以上は研究開発学校ということでやって、こういう工夫をやったらこういういいことがありましたというのを文部省でまとめた資料をつくって、教育委員会やら、いろいろと広範にこれをお知らせするということをやっていたんですけど、いつの間にか、今、ちょっと途絶えてしまっているように思います。
  制度、仕組みを柔軟にするということは大事なんですけど、しかし、国として、より一層、学校の実情に応じて、いろいろな積極的な工夫をしてくださいねということを言い、そして、こういう工夫があれば、こういうメリットがありますよということを情報としても常に出していくという、これをぜひよろしくお願いしたいと思います。

【無藤部会長】 

  ありがとうございます。市川委員。

【市川委員】

  これは質問です。1ページ目なんですけれども、少なくともこれを見ただけでも、今回のこの特例を認めるというのが、どの小学校、どの中学校でもいいですよという話ではないということが分かりますよね。限定がかかっています。小中一貫教育をやっているところと。具体的に、全て「一貫型小学校においては」とか、「一貫型中学校においては」ということが出ていますから、こういう限定がかかってますよね。じゃ、その一貫型小学校とか、一貫型中学校とは何かというのは、ここに一応定義が出てますから、自分の学校が一貫型ですよといえば一貫型なのか。設置者なり、どこかの認定を得て、うちは一貫型小学校、一貫型中学校とか言えるのかということをちょっとお伺いしたいです。少なくとも、この特例申請をしたところが一貫型ですというのはおかしな話なので、特例が出てきたときに、その学校はそもそも一貫型小学校とか、一貫型中学校であるので、その上で特例を申請して、それを認めるということになるのだと思いますので、まず、一貫型小学校・中学校というのは、だれがどう決めるのかというのを教えていただけますでしょうか。

【無藤部会長】

  お願いします。

【大金教育課程企画室長】

  今御質問いただいた点でございますけれども、資料3-1の2ページ目の4の「配慮事項」の(1)を御覧いただければと思いますが、「設置者は、教育委員会規則等において、特例を活用する小学校及び中学校が小中一貫教育を施すものである旨を明らかにする」ことを配慮事項で求めることとしておりまして、公立の場合であれば教育委員会規則、私立の場合であれば学則になると思いますけれども、その中で小中一貫教育をやるんだということを明らかにしていただくと。その上で3の(1)のマル1からマル8までの基準を満たしていると設置者が認める場合に特例を活用できるというスキームを考えているところでございます。

【市川委員】

  特例を認めるかどうかということと、その学校が一貫校であるかどうかということは、私は別であるべきのように思ったのですが、これは特例を認めるかどうかの話であって、そもそも一貫型の小学校なのか、一貫型の中学校なのかということは、今、様々なレベルの連携がある中で、ここは一貫型だという認定というのは、この特例が実際に申請なされるまでは定義されない、明確には決まらないものなんですかね。

【大金教育課程企画室長】  

  繰り返しになってしまいますが、小中一貫教育をやるんだということを教育委員会規則などでまず明らかにしていただく。その上で「特例の活用に係る要件」を満たしていると設置者が認める場合に特例を活用できると、そういう流れになります。

【市川委員】  

  特例を出す前に、そこの教育委員会の規則にのっとって、その学校が一貫型と言えるかどうかというのは決まるという、こういうことですね。

【大金教育課程企画室長】  

  はい。

【市川委員】

  わかりました。「連携していますから、うちは一貫校です」と言って、認められるものではないということですか。

【大金教育課程企画室長】 

  まず、教育委員会規則や学則で、小中一貫教育を施すものである旨を明らかにしていただくということでございます。

【市川委員】

  わかりました。ありがとうございます。

【無藤部会長】  

  よろしいですか。じゃ、川嶋委員。

【川嶋委員】  

  小学校、中学校の義務教育段階で児童・生徒が学ぶべきことを、その中できちんと一貫して学んでいくと、そういう趣旨は非常によろしいかと思うのですが、1つだけ、ちょっと懸念というか、疑問に思いますのは、資料3-2の86ページ以降に具体的な事例が幾つか載っているわけですが、これをざっと見ますと、大体8割ぐらいだと思いますが、総合的な学習の時間の時数を減らして、代わりに英語とか、日本語とか、算数・数学など、いわゆる基礎科目に充てているという例がかなり多いと思います。一方で、今の学習指導要領では、前の学習指導要領から引き続いて、総合的な学習の時間というのは1つの大きな柱になっていたと思うのですが、今回特例としてその総合的な学習の時間の時数を減らすということとは、学習指導要領の考え方と相反するような印象を受けるのですが、それについてはどういうふうにお考えでしょうか。

【大金教育課程企画室長】  

  御指摘いただいた点でございますけれども、総合的な学習の時間を削減して学校設定教科を創設する場合には、学習指導要領における総合的な学習の時間の目標を踏まえた内容を代替できるものとする必要がございます。従いまして、総合的な学習の時間を削減する場合であっても、総合的な学習の時間の「探究」の要素が疎かにならないよう十分配慮する必要がございます。

【無藤部会長】  

  ありがとうございます。では、村上委員。

【村上委員】  

  失礼いたします。京都市のほうでも小中一貫教育が多くの学校で進められているわけですけれども、こういう実例がありました。学校現場から見たときに小中一貫教育はなぜ必要なのかという点からお話しさせていただきます。小中一貫教育をしているある中学校で、授業交流をやろうということで、これまでの一斉講義型の授業ではなく、小集団で考え合う授業を提案されました。
  この中学校区の小学校も考え合う授業が特に進んでいるというわけではないのですが、小学校と中学校が、なぜこのような授業が今必要なのかを議論していくことになりました。小学校は多くの学校で小集団のグループでの学習で考える授業が進められてきていますが、そのあたりを、小中の9年間でどういった子どもを育てていくのかという観点から、これは一貫しないといけない、それも系統的に育てなければいけないことはこれだということを議論することが大事であると思います。そして、中学校では専門性が高くなりますから教科担任になります。そのあたり、子供の成長を考えて6年生から一部入れようかとか、そういう議論をして、9年間でこの地域の子どものより良い学びと育ちをどうやってつくっていくかという、そこを現場としてはやっていきたいということです。その先に教育課程を9年間でつくろうとか、子供たちの実態を見たときに、こういう教科を設定しようと進んでいくといいのではないかと、この間の現場を見て、そういう意識をもちました。授業交流を通じて教育課程の研究をすることが小中一貫教育を進めていく上では極めて大事なことだと思いました。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。それでは、渡久山委員、お願いします。

【渡久山委員】  

  どうもありがとうございました。小中一貫の問題、これは1971年ですか、46答申ですね、梶田先生がよく言われますが、初めて、今言われたように平成のときにもずっと一応検討事項にはなって検討もされつつあるんだけど、こういう具体的な話は今までほとんど出てなかったですね。ですから、具体的な話に入ったというのは、ある面ではいいのかもしれませんね。ただ、やっぱり小一プロブレムとか、あるいは中一プロブレムとか、そういう実際に今の学校で抱えている問題もありますから、それをどう解決するかということと、もう一つは中高の一貫教育がなされている現状ですね。これも無視できないわけですが、今、貝ノ瀨教育長が言われたように、あまり義務ではないということであるんですけど、ただ、これで非常に困難なのは、小学校は現在、学級担任制ですよね。中学校は教科担任制。そうすると、どういう形で乗り入れていくのかというような問題も1つありますが、免許状の問題だけではなくて、固有の制度の問題もあるし、もともと国というか文部科学省、学習指導要領も小学校、中学校と別々にきちっとつくられているんですね。ですから、これを今、特例でちょっと融通を利かそうという話なんですが、それでいくのかですね。あるいは、ここに提起されていますように、義務教育学校制度を大胆に提起していけるのかどうかですね。その場合にはどうするか。現在、6・3・3制を中心にして日本の義務教育は非常に成功していると思うんですよね。特に全体の子供たちの就学率が非常に高いです。全員就学。それから、免許も皆免許制がとられているわけですね。それから、統一的なカリキュラムというようなこと。あるいは、国や自治体の厚い保護の中で、義務教育はある面では成功していると思うんです。
  ただ、ここでやっぱり考えていいのは、新しい教育基本法の中に「義務教育」ということをわざわざうたって、ほかの教育とちょっと違った形で出しているのですから、きちっと義務教育段階をどういう形で日本の教育の中で大きく位置付けて発展させたり、あるいは充実していくかという観点から、これが検討されるというのは、ある面では非常にいいことだと思いますから、そういう面で、問題点もたくさん指摘をされてますけれども、ほんとうに前進的にこれを考えられるかどうかということ、ぜひ具体的な検討がなされていくという話。ある程度慎重でなくてはならないと思うんですね。全国的に見れば実施校が非常に少ないですから。そういうことも配慮されながら、審議が進められることを期待しています。

【無藤部会長】  

  ありがとうございます。渡久山委員御指摘のことは、まさに作業部会の議論の中心でありましたけれども、例えば義務教育学校については、簡単にいえば時期尚早だということですけれども、あるいは小学校、中学校別々に学習指導要領をつくっているということの問題等の指摘がありました。これは何年かかけて、きちっとまとめていく必要があるという意味で、今回の特例もその1つというより第一歩だろうと理解しております。ありがとうございます。
  それでは、井上委員で終わりにさせていただいてよろしいですか。

【井上委員】

  小中一貫教育については、先ほどから話があるように、平成17年の中教審答申で「新しい義務教育を創造する」という中で義務教育学校についても今後検討するという課題が提起されたこともございまして、それが具体的にこういう形で御検討いただいたというのは非常に前進だと思うんです。ただ、お話を聞いていて思いますのは、従来は国が一律の制度として、例えば義務教育学校とか、あるいは6・3制についても、それを5・4制にするとか、あるいは4・3・2制にするとか、一律にしてそういう検討がなされてきたのが、今回はそれぞれの設置者によって、一貫型の小学校なり一貫型の中学校にするということが決められるということは、それはそれで現在、できるだけ学校現場に近いところに裁量を与えることによって教育効率をアップする、教育効果を上げていくという中教審の考え方と一致することは非常にいいと思うんです。
  ただ、その場合には、設置者である市町村教育委員会、あるいは学校法人、それから国立大学法人の設置者、そういうものが小中一貫教育について十分な認識を持ってやらないと、義務教育はまさに教育の機会均等を確保することが必要で、設置者側の判断で子供の教育の機会均等が損なわれるようなことがあってはならないということに私は非常に危惧を抱くわけでございまして、その辺はそれぞれの市町村なり学校法人なりで、経済的にゆとりがあるところはともかく、過疎地等では、先ほどお話があったように、単に小中の併設校だけで、特段の財政措置もなければ、従来とあまり変わらない取組しかできないという実態が出てくるのではないか。
  それだけに、今回の問題は、一見聞いていると非常に説得力をもつのですが、設置者がどう認識するか。それによって子供たちの教育の機会均等が確保できるようになっていくのかどうか。ここの心配がどうしても残ってしまいますので、その辺については、更に今後十分な検討と、それから設置者に対する、これを何のためにやるかという認識を十分に徹底するような取組がどうしても必要ではないかと、このように思っております。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。井上委員の御指摘も作業部会で大いに懸念されておりましたので、事務局にもぜひお願いして、周知徹底、解説等を努力いただきたいと思います。
  それでは、まだおありかもしれませんけれども、一通りの御意見をちょうだいしたように思いますので、私といたしましては、基本的には資料3-1、基準の特例案についての方向性について御了解いただけたと思います。
  それで、文部科学省のほうで文言の細かい修正は多少あり得るとは思いますけれども、基本的な御了解のもとで、今後、初等中等教育分科会でも更に御意見を伺うチャンスがございますので、それで進めさせていただく方向でよろしゅうございますでしょうか。
  ありがとうございました。それでは、「小中一貫教育に係る教育課程の基準の特例について」の審議を終わらせていただきます。
  そして、時間が少しなくなってまいりましたけれども、「高等学校教育部会報告について」、御報告をいただき、また、時間の都合もあるので、続けて「平成24年度全国学力・学習状況調査の結果」をまとめて御報告いただいて、その後で質疑にさせていただきたいと思います。お願いいたします。

【小谷教育制度改革室長】 

  それでは、高等学校教育部会について、御報告をさせていただきます。資料4-1、4-2、4-3を用いて説明をさせていただきます。
  恐れ入ります。まず4-2を御覧いただければと思いますけれども、資料4-2にございますように、昨年9月に初等中等教育分科会に、この教育課程部会と同様に高等学校教育部会という部会を常置の部会として新たに設置していただきました。そして、資料4-3にございますような委員構成、教育課程部会からは安彦部会長代理、荒瀬委員、及川委員、川嶋委員、北城委員に御参画いただきまして、昨年11月以降、今後の高等学校教育の在り方について、御審議を進めていただいております。8月10日の部会では、これまでの御審議をもとに、現状課題の整理と今後の検討の方向性につきまして、課題の整理と検討の視点という形でおまとめいただきまして、委員の皆様の大枠の共通理解が図られたところでございますので、その内容につきまして、御報告をさせていただきたいと思います。
  では、資料4-1の1ページを御覧いただきたいと思います。まず、「高等学校教育の現状」でございます。時間の関係で、かいつまんで御説明を御容赦いただければと思います。左側に行番号を振ってございますけれども、まず、27行目辺りにございますように、現在、中学校卒業後の生徒の98%が進学しておりまして、生徒の興味・関心、能力・適性、進路等が極めて多様となっております。例えば学力面につきましても、極めて高い学力を有している生徒もいる反面、小学校や中学校における学習が十分に修得できていない生徒も少なからず見られるような状況となっております。また、高等学校の中退者も減少傾向にあるものの、依然として5万人を超えているといったような状況がございます。
  3ページを御覧いただければと思います。3ページの11行目辺りから、これまでの改革などについて記載をしております。まず、3ページ目の5行目のマルと12行目のマルにございますように、生徒の実態に対応して、できる限り幅広く柔軟な教育を実施するために、これまで高等学校教育改革に係る施策が実施されて、各都道府県においても特色ある改革が推進されておりますけれども、一方で、4ページのほうを御覧いただきたいんですけれども、12行目の辺りにございますように、多様な学習ニーズに応えていく中で、高等学校教育として共通に求められるものは何かという視点が弱くなっているとの指摘もいただいているところでございます。
  おめくりいただきまして、5ページを御覧いただきたいと思います。こうした高等学校教育の課題といたしまして、将来の進路等との関連を意識して学びに取り組む態度や、あるいは社会の一員として求められる意識・態度の育成、また、学校外での学習時間の減少に指摘される学習意欲の減退が課題となっておりまして、また、11行目にございますように、青年期の生徒が自己を見つめながら自我を確立するなどの人間性を豊かに育むことができる教育の実施も必要となってくることが記述されております。
  飛んで恐縮でございますが、8ページでございますけれども、こういったことも踏まえまして、今後の高等学校教育においては、どの高等学校においても、生徒の自立に向けて、全ての生徒に最低限必要な能力を身に付けさせるとともに、生徒の適性や進路に応じて必要となる資質・能力が期待されること。そして、8行目辺りにございますが、各学校が地域の実情や生徒の希望や実態等を踏まえて、目標とする人間像を明確にした上で、それぞれの生徒の個性や能力を伸長させる教育を行うことが期待されるということが記述をされております。
  おめくりいただきまして、9ページを御覧いただきたいと思います。このような考え方に基づきまして、「今後の施策の方向性」といたしまして、一番下の行のマルから10ページにかけてございますけれども、全ての生徒に最低限必要な能力を身に付けさせること。また、学校ごとに地域の実情や生徒の実態も踏まえて生徒が修得すべき内容を明らかにして、その内容を確実に修得させるとともに、修得状況を明らかにする、様々な質保証の仕組みを構築することが必要であるとされております。特に、全ての生徒に最低限共通して身に付けさせるべきもの、こちらでは「コア」という言い方で書かせていただいておりますけれども、17行目にもございますように、こういったものを現行の学習指導要領における必履修教科や科目との関係等も踏まえつつ検討していくことが必要であるとされております。
  次に、飛んで恐縮でございますが、13ページを御覧いただければと思います。「高等学校教育の質保証」について記述されております。下のほうの27行目辺りのマルでございますけれども、高等学校教育が質の保証に関する機能を十分に果たしておらず、高等学校教育の成果が見えにくくなっていると、そういった指摘がございます。
  そして、14ページ目にもかかっていきますけれども、社会の信頼に応えていくために、今後の高等学校教育の質保証を検討するに当たっては、14ページ目のマル1から15ページ目にかけてのマル4にございますように、マル1として、高等学校においてどのような能力を身に付けさせるか。あるいは、マル2にありますように、生徒の修得の到達目標を誰がどのように設定するのか。また、マル3にありますように、到達目標に対する達成度をどのように把握するのか。そして、おめくりいただきまして、15ページにございますように、マル4として、上記の点を踏まえた質を保証する仕組みをどのように構築するのか。こういった点につきまして議論を行っていくことが必要とされております。
  また、このほか、16ページ目以降におきましては、「各種の振興方策」のこれから検討していく事項の例について掲げておりまして、こういったことにつきましては今後具体的な方策について議論を行っていくということになっております。
  更に、また飛んで恐縮ですが、20ページにおきましては、高等学校教育から高等教育への接続の円滑化を図るため、大学入試の在り方も含めた高大接続の在り方について検討が必要であるとされておりまして、この点につきましては、高等学校と大学の接続に関する検討の場として、8月28日の中央教育審議会の総会において、そういった検討の場を設けることについて諮られる予定となっております。
  以上、簡単ではございますが、高等学校教育部会における審議内容について、御紹介させていただきました。8月以降では、この「課題の整理と検討の視点」に沿った形で、全ての生徒が最低限身に付けるべきもの、「コア」という形で表現されておりますが、これに関する議論や教育の質の保証のための様々な仕組みについて審議を進めていただくということになっているところでございます。
  以上でございます。

【田村学力調査室長】  

  続きまして、学力調査室長の田村でございます。私のほうから、本年4月17日に実施いたしました全国学力・学習状況調査の結果がまとまりまして8月8日に公表いたしましたので、その結果の概要について、御報告させていただければと思います。
  資料5-1を御覧ください。今回の結果は、全国で平均して約30%の小6、中3の生徒を対象とした抽出調査の結果でございます。昨年、東日本大震災の影響等で学力調査としては実施できませんでしたので、平成22年度以来、2回目の抽出調査の結果ということでございます。
  また、今回の調査では、これまで学力調査は国語と小学校算数、もしくは中学校数学ということだったのでございますが、初めて理科を実施したということが大きな特徴になっているところでございます。
  その下の「教科に関する調査結果」でございますけれども、今回初めて行った理科についてでございますが、特に観察・実験の場面、新学習指導要領でも重視されているということで、たくさん場面を踏まえた問題を出したところなのでございますけれども、観察・実験の結果などを整理・分析した上で解釈・考察し、説明することなどに課題が見られるというところが出てございます。
  その下に小学校の理科、中学校の理科、それぞれ課題があった問題等を載せているところでございますが、幾つか御紹介させていただきますと、資料5-2のほうに今回の学力調査の問題例と問題の正答例等を載せているところでございます。
  14ページを御覧ください。これは小学校の理科に関する問題でございまして、この問題の一番右側の4の(5)というところでございます。これは実は(3)で木の陰を問う問題がございまして、特に午前10時から正午までは木の陰がなかったということに着目して、その日の1日の気温の変化、どのグラフが正しいか、そして選んだ理由を書きましょうという問題でございます。正答は4番ということなのでございますけれども、4番を選んでも、その理由まで踏まえてきちんと書けるというところが難しかったようで正答率は17.1%と、小学校の理科で一番できなかった問題はこちらでございました。
  それから、次に中学校の理科でございますけれども、23ページを御覧ください。問題2の(2)というところでございます。問題文が非常に小さくなっていて読みにくくて恐縮なのでございますが、これが実は白熱電球とLED電球の電力の消費量を実験するために、豆電球と発光ダイオードで代用して実験を行おうという問題でございます。(2)の問題では、それを2つの回路ではなくて1つの回路で実験する場合に、昌夫さんという人が、同じ電流を流すために、それらを直列につないで実験すればいいと思いますという意見を述べているんですけど、それは誤りがある、これを正してくださいというものでございまして、正解としては「同じ電圧を加えるために、並列につないで実験を行う」と書いてもらう問題なんですが、2つの要素、誤りを直さないといけないということで大変難しかったようで、正答率は7.8%というような形になっているところでございました。理科の主立ったところは、そんなところでございました。
  また、国語、数学の結果につきましては、これまでも記述式の問題中心に課題が見られるというところでございまして、1つ例を取り上げさせていただきますと、先ほどの23ページの2つ手前の21ページのところでございますけれども、中学校の数学で新学習指導要領でヒストグラムが入ってきているということで、ちょうどこの調査を受けた中学校3年生が生まれた年の長野オリンピックを題材にとって、原田選手、船木選手のスキージャンプの結果、(2)番のところで、2人のうち、もう一回飛んだとしたら、どちらがより遠く飛べるでしょうかということでございまして、これは実はどちらを選んでも構わないと。最大で遠くまで飛んでいる原田選手を選んでも、また船木選手、中央のあたりの値で非常に多く飛んでいるというところを選んでも、そのあたりをきちんと数学的な表現で書けるかというところだったんですが、正答率は47.1%ということで、まだまだ課題は見られるなというところでございました。
  教科の結果につきまして主立ったところは以上でございまして、資料5-1の裏のページを御覧ください。こちらが児童・生徒及び学校に対する調査の結果でございます。特に今回、理科について初めていろいろな質問を教科の調査にあわせて行いましたので、国語と算数・数学との比較について御覧いただきますと、まず、「理科の勉強が好き」というような問いにつきまして、小学校については82%が「好き」と。算数とか国語が60%程度ですので、非常に高い値になっているところでございます。ただ、中学校のほうになりますと、国語、数学もだんだん率は低くなってくるんですけど、「好き」という割合が理科は62%ということで随分低くなってしまう。更にいうと、その2つ下のところ、「授業で学習したことが将来社会に出たときに役立つか」ということで、小学校では、国語、算数が89%、90%という高い値に対して理科が73%。中学校では、これが更に53%と大きく落ち込んできてしまうという状況があるところでございます。
  これと裏腹の関係にあるのかもしれませんが、その2つ目のマルのところにございますように、「授業の内容がよくわかりますか」というところで、理科につきましては、実は小学校では国語、算数よりも「わかる」、86%という非常に高い値が出ておりますが、中学校になりますと、これが65%ということで、国語とか数学よりもわからないという生徒のほうが増えてきてしまうという状況が見られるところでございます。
  このような上記の理科の関心・意欲・態度に関する質問と教科の検査の結果を比較して分析いたしますと、やはりいずれも肯定的に回答した小学生・中学生のほうが平均正答率も高くなっていくという傾向が見られるところでございます。更に申し上げますと、中学生のほうが小学生よりも、より強く傾向として表れているというところが特徴でございます。
  また、それ以外に、今回、観察・実験の場面を問題でもたくさん出しておりまして、子供たちにも観察・実験についていろいろ詳細な質問をしてみました。観察や実験を行うことが好きかどうか、自分の予想をもとに観察・実験の計画を立てているか、観察・実験の結果からどのようなことがわかったのか、振り返って考えるようにしているかどうか。逆に、学校のほうにも、その下にありますように、自ら考えた仮説をもとに観察・実験の計画を立てさせる指導とか、観察・実験の際のノート等への記録・記述の方法の指導をよく行っているのか、どちらかといえば行ったのか、あんまり行ってないのかと聞いているところでございますけど、いずれもやはり肯定的に回答している子供のほうが正答率が高くなりますし、学校のほうもやはり肯定的に答えている学校のほうが正答率が高くなっていくということがきれいに相関性が出てきているというところでございます。また、中学生、それから中学校のほうが、小学生、小学校よりも傾向が強く見られるという点も同じでございました。それらが主立った結果でございます。時間もございませんので、詳しい結果につきましては、資料5-3に調査結果のポイントというところがございますので、そちらのほうを後ほど御参照いただければと思います。
  文部科学省、国立教育政策研究所におきましては、資料5-4にありますように、今回、特に課題があった問題等につきましては「授業アイディア例」というのを策定いたしまして、その問題を授業を改善していく際の参考として、このような方法で行ったらどうでしょうかというような資料も作成し、今後、全国の教育委員会、学校に配布する予定にしているところでございます。
  また、1点だけ、今回の資料には載せていないんですけれども、御説明させていただきたい点といたしまして、今回、抽出調査の結果ですと、都道府県別の正答率の状況等が、かなり正確な状況がわかる形になっているところでございます。その状況を見たところ、これまでは全国平均よりも5ポイント以上低い教科のある都道府県、これが常に4県とか3県とか見られたところなのでございますが、今回は1県だけという形になっているところでございます。簡単に申しますと、今まで平均正答率が全国平均よりも大きく離れていた県とかで、学力向上のための、調査結果等を踏まえて、かなり努力を行われて全国平均に近付いてきたというようなことが傾向として見受けられるという、底上げが図られてきているのではないかなと思っているところでございます。
  24年度の結果については以上なのでございますが、簡単に資料5-5、5-6を使って、来年の25年度の調査の設計をちょうど7月に公表したところでございますので、その点について簡単に触れさせていただければと思います。
  資料5-5の横の図を御覧いただければと思います。平成25年度の全国学力・学習状況調査につきましては、これまで梶田先生を中心とした専門家会議でいただいた結果を踏まえまして、来年は小学校6年生、中学校3年生の全児童生徒を対象とした本体調査を行いまして、全ての市町村・学校等の状況を把握するということと、更にあわせて、これまで課題とされていた経年変化分析とか、経済的な面も含めた家庭の状況、更に少人数学級等、国の教育施策の検証・改善に資するような調査を新たに追加して実施を行いまして、きめ細かい把握・分析を行おうということを考えているところでございます。これによって教育施策の成果と課題に関する検証・改善、児童生徒に対する教育指導の改善等を、よりきめ細やかな形で行うと。こういった調査を数年に一度、継続的に実施していきたいということで、その第1回目を25年度に行いたいということでございます。
  具体的な調査方法といたしましては、この図の中に四角の枠で囲っているところがございますが、左側のところにございますように、本体調査のほうを全数で来年の4月24日に行うと。教科の国語と算数という点では、これまでと同様でございますけれども、質問紙調査のほうで児童生徒の負担にならないで、よりきめ細かくいろいろな項目を把握できるようにということで、質問紙の冊子の複数化ということを考えているところでございます。
  それから、右側のところにございますように、追加での調査ということを3本考えておりまして、1つは、経年変化分析のための調査というところでございます。これは本体調査を実施した児童生徒の一部に非公開の形で、これまでは問題は全部オープンにしておりましたので同じ問題を出すことはなかなか難しいと。国全体として学力が上がっているのかどうなのか。B問題のような記述の問題がきちんと答えられるようになったのかどうかということを見受けられるかどうかと見るために非公開で一部、国語と数学の問題を解いていただきまして、国全体としてそういったことが上がったかどうかをきちんと見られるようにしていきたいと考えているところでございます。
  また、2つ目といたしまして、真ん中のところ、保護者のアンケート調査。これも本体調査を受けたところの一部を対象にいたしまして、家庭状況を把握するためのアンケート調査を行いまして、これと本体調査の結果を分析して、家庭状況と学力との関係。家庭状況が悪くても、よくしていくためにはどうしたらいいのかというところの知見を得ていきたいと考えているところでございます。
  最後、教育委員会に対するアンケート調査ということで、各市町村や都道府県でも先行して、いろいろ学力向上等に効果のある施策等を行っているところでございます。それと市町村別、学校別の結果が今回、本体のほうでわかりますので、両者を関連させて見ることで学力向上のための効果のある施策等を分析いたしまして、国の施策への反映や、各都道府県、教育委員会のほうにも、より効果のある施策をお伝えしていくということをやっていきたいなと考えているところでございます。
  以上が25年度のきめ細かい調査の概要でございます。
  早口になりましたが、24年度の調査結果、それから25年度の調査の設計概要についての説明を終わらせていただきます。

【塩見教育課程課長】  

  続きまして、お時間がない中、恐縮でございますけれども、教育課程課の塩見でございます。少々お時間をいただいて、お話しさせていただきたいと思っております。
  資料5-7を御覧いただければと思います。「科学的思考力の戦略的育成について」と題している資料でございますけれども、この資料は、今説明ございました本年度の全国学力・学習状況調査等の結果を踏まえて、これから取り組んでいく必要があるのではないかと今こちらのほうで事務的に考えている事柄について、おおよそのところをまとめたものでございます。
  1枚目の内容でございますけれども、これまでの理数教育等につきましては、PISA調査でありますとか、TIMSS調査等で数学、理科の勉強が楽しいと思う生徒の割合というものが、特に中学生レベルで国際的に最低レベルになっているということでございますとか、あるいは学力調査の結果とも重なりますけれども、見通しを持って、自ら観察・実験の方法を考えることに課題があるといったようなことが指摘されてまいりました。その上で今回の全国学力・学習状況調査でも、先ほど来御説明がありましたような数々の課題が明らかになったというところがございます。
  それから、更に、その下の3つ目の箱の中に書いておりますのは、少し大きな話でございますけれども、「社会と科学技術とのかかわりに関する我が国全体の課題」ということでございまして、国民の科学技術リテラシーや関心度というものが諸外国と比べて非常に低いんじゃないかということが以前から指摘されております。それから、国民の政策形成過程への参画でありますとか、リスクコミュニケーションも含めた科学技術コミュニケーションというものが推進される必要があるんじゃないかということが科学技術基本計画でも述べられております。
  更に、今回の大震災の教訓といたしまして、1人1人が情報を得て、自ら判断・決断し、行動する力が必要だということ。更に、いろいろないわれなき偏見・差別、風評被害などの問題がございましたけれども、科学的な根拠に基づく批判的思考の不足といったものが指摘されているという状況がございます。
  こうした問題の背景に共通してございますのが、科学的な事柄に関する興味・関心・意欲が低いといったこと。それから、客観的な根拠に基づいて多様な視点から考え、判断する批判的思考力と申し上げるようなものが不足しているのではないかということでございます。こうしたことというのは、教育のみならず我が国全体にとっても非常に大きな課題であるという認識に立っているわけでございまして、もちろん教育だけで解決する問題ではございませんけれども、初等中等教育段階から理数教育の根本的な強化に始まる、こうした科学的思考力といったものの育成が必要になっているのではないかということでございます。そのための施策を、ぜひ今後、戦略的に推進していきたいと考えております。
  そこで、2ページ目でございますけれども、教育上の対応としてどういうことをやっていくのかということでございますが、先ほど来申し上げておりますような教育上の課題といったものを踏まえまして対応の考え方ということで、真ん中にございますように、この問題というのは理数教育だけの問題ではございませんで、算数、総合的な学習の時間等を含めた教育全体の中で、こうした科学的な思考力というものは培われていく必要があるのではないかということ。
  それから、観察・実験や日常との関連・応用を考えた質の高い授業というものを通じて子供に考えさせる指導を行うということで、思考力を育成していく必要があるということ。
  更に、こうした質の高い授業を展開するために、教員の指導力を向上する必要があるということ。
  また、科学技術と日常生活との関わりといったことに関して、子供たちはなかなか理解が進んでないという指摘もございますけれども、意欲・関心を高めるような、さまざまな機会を整備する必要があるのではないかということでございます。
  こうした考え方を踏まえまして、対応策の柱としまして1番から6番までこちらに書いてございますけれども、今の新学習指導要領、知識・技能、思考力・判断力、表現力、学ぶ意欲といったものを重視した新学習指導要領の趣旨を十分に普及・定着させるということ。また、これを実現させるための授業スタイルの革新を進めていくということ。また、観察・実験等が重要であるということは、ほんとうに否定できない事実なんですけれども、こうしたものを進めていくために、理数教育の設備の整備等の環境整備が必要ではないか。また、教員が質の高い授業に集中できるような環境づくりが必要である。更に、観察・実験等に係る教員の指導力の向上、また、実体験の機会でありますとか、様々な分野で活躍されている、実社会で活躍されている人材の招聘等、科学技術に対する関心を高めるような機会を増やしていくということ。更に、理数好きの子供の裾野を拡大し、更にその才能を伸ばしていくような環境を整備していくと。こういった大きく1から6までの事柄を柱として、ぜひ体系的な施策を進めていきたいと考えております。
  3ページ目の資料は、今申し上げましたような柱を、具体的な施策の方向性も若干盛り込みながらイメージとしてまとめたものでございます。ここに書いてございますような事柄。特に新学習指導要領の定着の問題でございますとか、あるいは、理数教育のための環境整備の問題に関しましては、理科教育振興法に基づく整備の補助というものを行っておりますけれども、いまだ環境が十分に整っておらず、観察・実験が各学校で十分に行えないというような状況もあるわけでございますし、また、こうした観察・実験を支える人材として、理科支援員という形で今人材の配置が行われておりますが、これが事業仕分けの関係で平成24年度限りの事業になっているといったことで、その後継の施策をどういうふうに考えるかということもあろうかと思っております。
  こうした大きな枠組みを今イメージとして考えているところでございまして、こうした点も踏まえながら、25年度の概算要求をはじめとしまして関係施策の充実に取り組んでいきたいと思っております。ぜひ委員の皆様からも、こうした点に関する御意見でありますとか、御指導を今後いただければと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

【無藤部会長】  

  ありがとうございました。
  大きく2つのこと、高等学校教育部会報告と、2つ目が平成24年度全国学力・学習状況調査の結果と、今、教育課程課長から科学的思考力の育成についても触れていただきました。時間が大分迫ってまいりましたけれども、何とか御質問等を受けたいと思います。
  それでは、土井委員。

【土井委員】  

  それでは、2点ほど意見を述べさせていただきます。
  まず、高等学校教育の質保証、あるいは高大の接続の問題でございますが、これは大学側としても大きな関心を持っているところでございます。複数の学校段階間での接続ということが問題になりますときには、どうしても受け入れる側が上から目線で物を言いがちだということがございます。問題点とか不満は指摘するけれども、なかなか協力しないというところがなかったわけではございません。しかし、次のステージが抱えている問題がその前のステージに影響を及ぼしている場合が結構多くございますし、その結果、また問題が次のステージに先送られてしまうという悪循環が生じるということは結構ございます。現在、高大接続について、このまま放置していていいという状況ではないと思っております。とりわけ高等学校や大学がこれほど多様になってきますと問題が複雑になっておりますし、この検討結果というのは、かなり大きな影響を及ぼす問題かと思いますので、大学と高等学校が問題意識を共有して責任ある対応ができるような方向で検討していただければというのが1つ目でございます。
  2つ目は、全国学力・学習状況調査の結果等についてでございます。最後に、御説明がありましたように、理科教育、理数教育の問題というのがあるということは認識しております。実際、今回の結果などでも理科系の職業につきたいという回答数が少ないとか、理科離れ等が言われているということも承知しておりますので、この点について強化していくことには個人的に賛成でございますが、同時に文系教育をどうするのかというのも、かなり深刻な問題になっております。こういうアンケートをとれば、理科が好きだという子が少ないというところはありますが、大学の入試段階で見ますと、文系離れがかなり進んできているのが実態でございます。もちろん技術立国を目指す上において、すぐれた理科系の人材を輩出していくということは大事ですけれども、社会の制度とか組織の設計・運用に関わる人材をどうするのかというのも、我が国においてやはり重要な問題かと思います。
  今回は理科が調査に入ったので、こういう結果が出たということでございます。別に社会を入れろと言っているわけではなくて、試験が入ればいいと私は思いませんので、そういうことを言っているわけではございませんが、全体として問題となる分野についてバランスある対応をしていただくということが重要なのではないかということを申し上げさせていただきます。

【無藤部会長】 

  渡久山委員。

【渡久山委員】 

  どうもありがとうございました。高等学校教育がよく書かれていて非常に難しいところですが、それにちょっと付け加えて、もう少し深く分析していただきたいなと思うのが1つあります。これは状況判断の1つとして、高等学校の授業料の無償化が出ましたけれども、やっぱり補助教材を含めて負担が非常に大きいんですよね。そのために経済的な理由で高等学校に入学できないという実態も1つあります。
  もう一つは、せっかく入学したけれども、中途退学者が非常に多い。こういう現状について、後期中等教育あるいは高等学校教育でどうするのかということをもっときちんと分析してみたらいいんじゃないかと。それだけじゃなくて定数内の不合格者も最近は多いですよね。これはなぜそうなのか、そこでどうするのかという部分ですね。それから、低学力の状況の中で、結局、普通高等学校には入れないから定時制に行ったり、あるいは特別支援学校が高等学校にもありますから、そういう実態についてもう少し分析をして、対策をどうするのかということを考えていってもらえればありがたいなと思います。
  2つ目は、8ページにも書いています労働問題なんですが、今の若年労働者は60万人ぐらいいるんですよね。これをどうするんだということ。あるいは非正規雇用は、若年の場合、約30%が非正規雇用の実態なんですね。そういうことを含めて、ひとつ考えないといけないだろうし、また、高等学校を卒業して就学した子供たちは、3年以内に約5割ぐらいやめるんですよね。ですから、そういう面では、高等学校におけるキャリア教育といいますか、働く意味とか、きちっとそれに対応したものが必要じゃないかということが1つです。
  3つ目は、高等学校と大学のリレーションシップですね。大学入試は、全ての高等学校教育を規定するというほどまでに大学入試というのが非常に大きくのしかかっていますから、これとの関係をある程度分析されて提起されたらいいんじゃないかと思います。
  以上です。

【無藤部会長】  

  ありがとうございました。荒瀬委員。

【荒瀬委員】  

  ありがとうございます。3点、ごくごく簡単に申し上げたいと思います。
  1つは、高等学校教育部会にいまして、約10回かけて、この検討の視点というのがまとめられたということで、ああだこうだ、ああだこうだと、随分といろいろな角度から議論があって、これから考えていこう。そのときの1つの大きなポイントは何かといいますと、要は、高等学校は高等学校だけで教育が行えるものじゃないということですね。当然のことながら、小・中学校段階からの経過を経て高等学校に来ています。これは誤解を受けるようなことを申し上げますけれども、中学校教育、小学校教育がどうなっているのかというのが高等学校教育に色濃く影響している。それは先ほど土井委員がおっしゃいましたけれども、高等学校から大学へ行ったときに大学から高等学校に対する注文があるということであります。しかし、学校段階間でああだこうだと言っているのは、これはほとんど意味がなくて、1人の青年に視点を当てれば、その人が将来、社会に出ていって、どんなふうに生きていくのかということが大事で、そのときにどんな力が必要なのかということを考えた上で、高等学校教育も中学校教育も小学校教育もしていかなければいけないと思うんですね。概括的に良いとか悪いとかいうような言い方は、少なくとも専門的に学校教育に携わる者はすべきでなくて、少なくとも、ここが駄目なんだ、じゃ、ここをどう改善していくのかというのを真剣にやっていこうということで、高等学校教育部会はこれからまた議論を進めていくことになるだろうと思いますので、私も大変期待といいますか、責任の重さも感じているという状態です。
  2点目は、先ほどの全国学力・学習状況調査の結果なんですけれども、これで京都市も中学校をつぶさに分析して見ていきますと、非常に興味深いことがわかりました。それは何かといいますと、授業の在り方が生徒の学力に大きく影響していると。当たり前のことですけれども、参加型の授業をしている学校というのは極めて成績が上がってきている。京都市の中学校は必ずしも高くないですけれども、しかし、その中でも参加型の授業を展開しているところは上がってきている。その参加型の中でも、特に形の上だけじゃなくて、生徒自身の発言を求めるような、あるいは生徒自身が発言しているような授業を展開しているところが確実に上がっているということですので、これはいろいろな具体例も出していただいてますけれども、これからの方向性としては大変重要なのではないかなということを思っています。
  それから、今度の全国学力・学習状況調査で、来年度にいろいろな質問調査をなさるということですけれども、詳しく申し上げませんが、内閣府が中学校3年生の4,000人を対象に本人とその保護者等を対象にした調査を去年の秋にやっていらっしゃいまして、今、ホームページにその結果が出てきています。これで、要は、いわゆる経済格差が教育にどんな影響を与えているのかという意識の面で調査をなさったものです。大変興味深い結果が出てきています。要は、学校が学力を付けなければいけないということが、ここで表れていますので、また、どうぞ御参考にしていただければと思っています。
  最後ですが、塩見課長がおっしゃいました科学的思考力のことについてなんですけれども、これも土井委員がおっしゃっていましたことと非常に深く関わりますが、要は科学的思考力を高めようとしたら言語能力を高めないことにはどうにもならないということでありまして、言語能力、すなわち文系になるかどうかは、ちょっと別ですけれども、そこのところとの両輪で、もっと上げていかなければいけないだろう。ですから、具体的な取組の方向性の案というところにもお書きいただいていますが、スーパーサイエンスハイスクールの取組が定着もしていますし、特にコアSSHという、様々な形での連携が行われている中で、とりわけ京都市の場合は小・中学校との連携というのが非常に効果が表れてきているのではないかということを思っております。そういった各地域、各学校で行われているSSHの取組についての詳細な報告が出るわけですけれども、そういったことを踏まえた上でも、また御検討いただければと思っております。
  以上です。

【無藤部会長】  

  ありがとうございました。時間ではありますが、ほかにございますか。よろしいでしょうか。
  ありがとうございました。ちょうだいいたしました意見は、ぜひ事務局のほうで生かしていただきたいと思います。
  それでは、本日予定しておりました議題が一通り終わりました。
  最後に、次回以降の予定につきまして、事務局から御説明をお願いします。

【大金教育課程企画室長】  

  次回の教育課程部会の日程につきましては、部会長と御相談の上、追って御連絡をさせていただければと思います。

【無藤部会長】  

  ありがとうございました。
  それでは、本日の教育課程部会を終了させていただきます。

 

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

03-5253-4111(内線2369)

-- 登録:平成24年09月 --