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教育課程部会(第82回) 議事録

1.日時

平成24年2月27日(月曜日) 10時~11時半

2.場所

中央合同庁舎第7号館 旧文部省庁舎6階 第2講堂

3.議題

  1. 理科教育設備基準の改訂について
  2. 平成24年度以降の全国学力・学習状況調査について
  3. 平成23年度公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査の結果について
  4. コミュニケーション教育推進会議における審議経過報告について
  5. その他

4.議事録

【無藤部会長】

  皆様おはようございます。定刻ちょっと過ぎてしまいましたけれども、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会第6期第2回でございますが、開催いたします。本日もご多忙の中、大勢の方々にご参集いただきまして、ありがとうございました。
  まず初めでございますけれども、このたび新しく教育課程部会の委員になられた方がお二人いらっしゃいます。資料1に委員名簿がございますけれども、ごらんください。これが本日現在での教育課程部会の委員名簿でございます。
  新しく就任されたお二人でございますが、まず新藤久典委員にかわりまして委員となられました、東京都渋谷区立上原中学校長、全日本中学校長会長、大江近委員でいらっしゃいます。

【大江委員】

  よろしくお願いします。

【無藤部会長】

  次に、向山行雄委員にかわって委員となられました、東京都台東区立台東育英小学校長、全国連合小学校長会長の露木昌仙委員でいらっしゃいます。

【露木委員】

  よろしくお願いいたします。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
  それでは、次に、この教育課程部会がどうも久しぶりということのようで、いろいろと人事の異動がありました。ご紹介を事務局よりお願いいたします。

【大金教育課程企画室長】

  1月の事務局の異動につきまして紹介をさせていただきます。
  金森文部科学審議官の後任として着任しました山中文部科学審議官でございます。

【山中文部科学審議官】

  よろしくお願いします。

【大金教育課程企画室長】

  山中初等中等教育局長の後任として着任しました布村局長でございます。

【布村初等中等教育局長】

  布村と申します。よろしくお願いいたします。

【大金教育課程企画室長】

  田中政策評価審議官の後任として着任しました徳久政策評価審議官でございます。

【徳久政策評価審議官】

  引き続き、よろしくお願い申し上げます。

【大金教育課程企画室長】

  徳久審議官の後任として着任しました関審議官でございます。

【関審議官】

  よろしくお願いいたします。

【大金教育課程企画室長】

  到着が若干遅れているようでございますが、中岡初等中等教育企画課長の後任として山下課長が着任しております。
  山下教職員課長の後任として着任しました藤原課長でございます。

【藤原教職員課長】

  藤原でございます。よろしくお願いします。

【大金教育課程企画室長】

  大槻国立教育政策研究所次長の後任として着任しました吉田次長でございます。

【吉田国立教育政策研究所次長】

  吉田でございます。よろしくお願いいたします。

【大金教育課程企画室長】

  本日は欠席させていただいておりますが、平林教育課程企画課長の後任として塩見課長が着任しております。
  申し遅れましたが、梶山教育課程企画室長の後任として着任しました大金でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
  それでは、ここで山中文部科学審議官から一言ごあいさつさせていただきます。

【山中文部科学審議官】

  文部科学審議官になりました山中でございます。初中局長時代は大変お世話になりました。
  昨年の4月から小学校の新しい学習指導要領が始まり、今年の4月には中学校、そして来年には高等学校ということでございますけれども、既に、教育施策の成果と課題の検証のため、全国学力・学習状況調査等を実施することになっております。
  また、引き続きでございますけれども、21世紀型の学習といいますか、自ら学ぶ力をいかにしてつけるかという課題がございます。それについて、コミュニケーション教育でございますとか、ICTを活用した教育、あるいは地域の力を使ったコミュニティースクール等の教育、そういう新しい動きも、いろいろなところで出てきております。
  また、大学の改革も一方で進むという形で、大きくグローバル化社会が進む中で、これからの子どもたちをどう育てていくか。新しい指導要領が始まったばかりでございますけれども、引き続きよろしくお願いいたします。

【大金教育課程企画室長】

  続きまして、布村初等中等教育局長から一言ごあいさつさせていただきます。

【布村初等中等教育局長】

  改めまして、おはようございます。1月6日付で、山中前初等中等教育局長の後に就任いたしました布村と申します。
  10年ほど前に教育課程課長として、学習指導要領の担当課長をさせていただき、また、3年ほど前になりますが、初等中等教育局担当審議官として、今の学習指導要領の改訂の作業に携わらせていただきました。
  教育課程部会の委員の方々には、当時からお世話になった方々も多くいらっしゃいます。引き続きよろしくお願い申し上げます。
  今、幾つかの課題を山中文科審からお話をさせていただきましたが、新しい学習指導要領が、いよいよ実施に差しかかっているという段階にあります。
  今回の学習指導要領の改訂では授業時数を増やし、それをしっかり子どもたちに定着するようにという流れでありますが、もう少し、学力の定着に向けて課題があろうかと思いますので、そういった面でも、また先生方のご指導をいただきながら、しっかり新学習指導要領の検証に努めていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。
  それでは、事務局から配付資料のご確認をお願いいたします。

【大金教育課程企画室長】

  それでは、配付資料の確認をさせていただきます。一番最初に議事次第をお手元に配付させていただいているかと思いますが、そこに配付資料の一覧をお示ししてございます。
  資料1は、課程部会の委員名簿でございます。資料2は、理科教育設備基準の改訂に関する資料。資料3は、3-1から3-4までございますが、全国学力・学習状況調査に関する資料でございます。資料4は、教育課程の編成・実施状況調査に関する資料。資料5は、5-1と5-2がございますが、コミュニケーション教育推進会議に関する資料でございます。資料6は、小学校学習指導要領実施状況調査に関する資料。資料7は、評価規準の作成、評価方法等の工夫改善のための参考資料。資料8は、特定の課題に関する調査(英語:「書くこと」)の調査結果に関する資料。資料9は、特定の課題に関する調査(論理的な思考)の実施に関する資料でございます。
  参考資料1は、平成24年度予算(案)に関する資料でございます。このうち参考資料1-1は、小学校2年生の36人以上学級の解消等の教職員定数の改善をはじめとする新学習指導要領の円滑な実施に向けた支援策をまとめたもの。参考資料1-2は、文部科学省関係予算(案)の全体の概要に関する資料でございます。
  参考資料2は、中学生熟議のすすめに関する資料。参考資料3は、新たな外国語活動教材の作成に関する資料。参考資料4は、昨年10月1日現在で岩手、宮城、福島県に対し教室や体育館、グラウンドの状況や授業の実施状況等について調査を行った結果でございます。
  資料の不足等がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。
  それでは、早速ですが、本日の議事に入りたいと思います。お手元の議事次第の議題のとおりでございますが、1番目に理科教育設備基準の改訂について、2番目に平成24年度以降の全国学力・学習状況調査について、3番目に平成23年度公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査の結果について、4番目にコミュニケーション教育推進会議における審議経過報告についてということになります。それらを中心に進めさせていただきます。
  では、早速ですけれども、まず1番目の議題、理科教育設備基準の改訂について、ご審議をちょうだいしたいと思います。
  なお、ご存じのことかと存じますけれども、理科教育設備の基準につきましては、理科教育振興法及び同法施行令によりまして、中央教育審議会の議を経ることとなってございます。審議会・分科会の運営規則上、本部会の議決をもって中央教育審議会としての議決とするということでございます。
  それでは、事務局からのご説明をお願いいたします。

【黒沼教育課程課課長補佐】

  失礼いたします。課長補佐の黒沼でございます。よろしくお願いいたします。
  お手元の資料2に基づきまして、ご説明をさせていただきます。委員の皆様には、お手元に別途、机上参考資料として、今後の理科教育設備等の整備の在り方についてという別の資料もお配りしておりますけれども、適宜こちらのほうもごらんになりながら、お願いしたいと思います。
  資料2でございますけれども、昨年のこの部会でも小・中学校段階の基準の改訂をご議論していただきましたので、ご案内かと思いますが、まず念のため、仕組みの概要を14ページでご説明をしたいと思います。
  先ほど部会長からもありました法律と政令の規定でございますけれども、どのような規定になっているかと申しますと、理科教育振興法の第9条で国の補助という規定がございまして、国は審議会等の議を経て、この審議会とは中央教育審議会でございますけれども、それで政令で定める基準に達しない理科教育設備、ここには数学も含まれますが、これの2分の1を補助するというような規定がございます。
  次のページで政令の規定がございまして、その理科教育設備の基準というのは政令で定まっております。15ページにあるように、計量器、実験機械器具など、大まかな基準が定まっておりまして、その細目は、この審議会の議を経て省令で定めるということになっているわけでございます。
  この省令の関係につきまして今回、学習指導要領が変わったということで改訂をしようというものでございます。
  2ページにお戻りをいただきたいと思います。「今後の理科教育等設備の在り方について(概要)」という資料でございます。
  改訂に当たりましては、事務方だけで決めるわけにもいきませんので、関係者に議論をしてもらって、どのような改訂がよいのかというものをご検討いただきました。その検討会の全体の資料が委員のお手元に机上参考資料としてお配りしておりますけれども、ちょっと大部なもので、ここでは概要だけを資料としてつけております。
  主査は玉川大学名誉教授の山極先生でございますけれども、一昨年、小・中学校の改訂のときに議論いただき、この検討会の取りまとめをしていただきまして、今回、高等学校段階について、同じ考え方でいいかというのを改めてご議論していただいたものでございます。
  基準改訂の必要性というところですけれども、新学習指導要領で観察、実験などの重視ということがございますので、それを踏まえて、必要な理科設備、算数・数学設備の整備充実を図る必要があるということでございます。
  基準改善の方向性ですけれども、マル1、マル2、マル3とございますけれども、基準は、どういう品目を、どれだけの数量が必要かを、学校の区分ごとに定めるという形になってございます。
  それで、それぞれにつきまして改めてご検討いただいたところですけれども、まず品目でございます。これは小・中学校とほぼ共通でございまして、高等学校も特段の変更ございませんけれども、個別具体の機械の名称、備品の名称を基準として定めるのではなくて、教育内容に着目した「総合名称」とする。「長さ測定用具」とか、そういった用途に応じた品目名にしております。
  それから、補助は一定額以上の設備を対象にしていくという考え方でございます。各教科に共通して使用されるものは基準に含めないという考え方でございます。
  それから、小・中学校のときには、今、全体で基準はあるんだけれども各学校で整備をしていただいている率が非常に低いということもありまして、優先的に整備する重点品目を提示するという考え方でやっております。
  それにつきまして、高等学校でも同じように、優先的に整備する品目をピックアップしてお示しをするという形にしております。ただ、小・中学校は3段階でやりましたけれども、高等学校段階では、多様な学校がございますので、2段階で整理をいたしております。
  それから、数量でございます。一昨年までの省令では、大規模校では、通常の規模の学校より2倍まで物品を購入しても補助の対象でできるという形にしておったんですけれども、昨年の会計で小・中学校については、すべての学校で、学校規模にかかわらず、同一の数量基準とするという改訂を行いました。これは広く整備率を高めるために、このような考え方をとったものでございます。
  一方で高等学校でございますけれども、いろいろデータをとってみると、今の省令では28学級を1つの基準としていますけれども、学校の規模によって随分と実態が違うというデータでございました。机上参考資料のほうには細々ちょっと書いてあるんですが、特に理科室の数でございます。高等学校は科目が分かれているわけですけれども、4室以上の理科室を持っている学校というので数を調べてみると、28学級以上と27学級以下では、その比率が全然違うというような状況になってございますので、高等学校は2倍の数量基準を維持したほうがよいのではないかというご議論をいただきまして、そのような考え方をしております。
  マル3でございます。学校の区分でございますけれども、算数、数学の設備につきましては、今まで知的障害者を主として対象とする特別支援学校と肢体不自由、病弱などを対象とする学校と同じ基準で示しておったんですけれども、小・中学校では、それを知的障害者を主として対象とする特別支援学校を分けて基準を定めまして、高等学校も今回それに倣って、改めて、その基準を示しております。
  このような全体の方針に基づきまして、具体の備品の入替えをご議論いただいております。それが3ページでございます。
  ほんとうの中身はもっと、お手元の参考資料にあるように、ほんとうに細かい1つ1つの機械、備品についてご議論いただいているんですが、ここで主なものだけご紹介をしたいと思います。
  小・中学校のように新しく、この内容が高校から丸々、単元ごと移ってきたというような項目がそんなにあるわけではないので、あまりきれいに分かれておりませんけれども、ざっとピックアップしますと、学習指導要領上で学習内容の充実している部分。例えば物理で、原子のところで、いろいろ充実しておりますので、そこのところで原子の構成実験用具の数量を増やしているというところ。想定しているのは、スペクトル管セットなどを想定して数量を増やしているところでございます。それから、生物では生物の進化などを扱うということで、人体模型を数量を追加している。それから、地学ではプレートの移動ですとか、地球表層の取扱いを充実するとなっておりますので、それに合わせたものを追加をしているところでございます。
  そのほか、今回、観察、実験重視ということで、より高度な実験を取り扱う可能性もあるだろうということで、より高度な実験に対応した器具も購入できるように数量を変えているところでございます。
  それから、数学のほうでも指導実態に合わせて、こんなものもあったほうがいいんじゃないかというのを追加をしているところでございます。
  また、全体として、幅広い実験に対応できるように、より幅広く事項を列挙するという形で、この基準を定めています。
  一方で、学習内容が中学に移った部分ですとか、もはや、これは理科、数学の設備というよりは、どこでも使う設備だとなったものを削除するという形で、1つ1つの品目について、ご確認をいただいております。
  このような考え方で全体をざっと見直しまして、最後、また1ページ、恐縮ですが、お戻りいただきまして、それをもとに今回、省令を改正をしようと思っています。
  今ご説明したものの中で、省令で定めるものと補助金の交付要綱で定めるもの、いろいろまざっておるんですけれども、省令で規定していくものは、こちらの1ページに規定する事項でございます。
  2の(1)の部分でございますけれども、指導内容の充実に合わせた品目の追加。それから品目と、あと数量を何組というのを規定しておりますから、その部分と品目を削除する部分。それから、特別支援学校の区分を変更する部分が省令として定められる部分でございます。
  施行期日ですけれども、24年度から数学、理科の先行実施となりますので、24年度分の国庫補助金から適用するということでいきたいと思っております。
  こちらでご議論いただきましたら、この後、パブリック・コメントに付しまして、省令の手続に入っていきたいと考えております。ご審議のほう、よろしくお願いいたします。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。ということで、特に高等学校、特別支援学校にかかわってということで、既に小・中学校については大分前に了解いただいているものだと思います。
  すなわち、理科教育設備基準の細目について、1番目としては学習指導要領改訂による教育課程の見直し、また「観察・実験等の充実」という方針を踏まえて見直したということであります。2番目といたしましては、新学習指導要領が平成24年度から理科及び数学におきまして先行実施されるということで、平成24年度分の国庫補助金から適用するということでございました。
  ただいま事務局よりご説明いただきましたけれども、改訂案の審議を行いたいと思います。ご質問、またご意見をちょうだいできればと思いますので、ご自由にお願いいたします。どなたからでも結構です。お願いします。

【荒瀬委員】

  ありがとうございます。高等学校におりますので、今お話を承っていて、高等学校の理科、あるいは数学に関する、そういった設備が充実されていくのは大変ありがたいなと思うんですけれども、1つ質問をしたいのは、28学級以上の大規模校とそれ以下の学校とでは随分と施設の部分とかが異なるというようなお話だったかと思うんですが、私の感覚でいうと、28学級以上あるような高等学校というのは必ずしも多くないのではないかなと。私の周りにある高等学校は、28学級といいますと、9クラスを超えた学級数を抱える学年があるということですよね。そういうところは極めて少ないのではないか。うちは18学級しかありませんけれども。
  ただし、そういった学校でも、それぞれ今、各高等学校が特色化を進めていく中で、理科とか数学とかいったようなところを重点化している。これはスーパーサイエンスハイスクールに選ばれているかどうかというのは別としても、やっている学校はたくさんあるわけでありまして、それを学級規模だけで振り分けるのはどうなのかなというのは、もう少しわかりませんので、ご説明をいただければと思います。

【無藤部会長】

  お願いします。

【黒沼教育課程課課長補佐】

  ご指摘のとおりでございまして、公立学校を見てみると、実は28学級以上の高校というのは2%ぐらいしかございません。ただ、この補助金、公私立両方対象としておりまして、私立学校まで含めますと、私立学校の方では20%以上が28学級以上という形で、随分比率が異なっております。公立学校についても、この2%ということでございますけれども、その中身を見てみると、理科室の数で随分差があるということで、そのような両方の実態を踏まえて、今回28学級以上という基準を維持をしていったほうがいいんじゃないかというご意見をいただいているところでございます。

【荒瀬委員】

  おっしゃることは十分理解できるんですが、ただ理科室の数というのが、例えば物化生地のための4室を確保しているか、あるいは学級規模が小さいために理科室の数が2教室だとか、3教室だとか、あるいは1教室だとか、そういったところもあるかもしれませんが、それと、そこに使うための備品類ですね。そういったものの充実とが、必ずしも数が多いから、たくさんの備品を置けばいいということではなくて、数は少ないけれども、たくさんの備品が必要だということもあり得るのではないかなと。
  国が高等学校の教育、もちろん小・中学校も含めて、こういう形で、さまざまな手を差し伸べるということについては全くいいことだと思っていますし、どんどん進めていただければと思うんですけれども、ただ一方では、一定の基準に基づいて、どの学校に対しても、その基準を超えているか超えていないかで、これだけの台数をこれだけ供与しますよというやり方も1つ方法としてあると思うんですけれども。
  これだけ全国の高等学校、特に高等学校教育部会も中教審で立ち上がって、それぞれの高等学校がどういう高校教育を進めていくのかということを模索しているという中では、とりわけ各高等学校がどういうものを求めているのかということに基づいた形の備品の供与が必要なんじゃないかなと思います。
  それは既にスーパーサイエンスハイスクールという非常に大がかりな研究指定を設けられて、それが、ありていに言えば、うまくいっているところ、いっていないところ、いろいろあるということは聞いてはいますけれども、しかし、おおむね、それぞれの学校が、それぞれの研究課題に基づいてやっている。研究課題に基づいてやるということになりますと、大変だと思いますけれども、それぞれの高等学校が必要とするものを供与していくことが重要なのではないかなということを思います。
  以上です。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。事務局はコメントはございますか。

【黒沼教育課程課課長補佐】

  ありがとうございます。そこの点は、28学級以上でも、いろいろ買いたいものがあるはずということはおっしゃるとおりかと思いまして、28学級以上と27学級以下で分ける必要があるかどうかということなんですが、今の整備率からいうと、実際には金額ベースでいくと20%ぐらいということなので、27学級以下に対して厳しい基準になっている、これ以上買えないというようなことではございませんで、まだまだ、27学級以下でも買える余地のある、相当幅の広い品目を列挙した基準としているつもりでございます。
  それ以上の規模のところは、さらに数量を増やさなきゃいけない必要性も出てくる場合もあろうということで、この基準は最終的には補助金の上限額として出てくるものですので、そういう形で上限を広げるという趣旨でございまして、小規模校に対しては必要より買えなくする、狭めるという考え方ではないところでございます。
  もう1つは、品目を総合名称とするという形にしておりますので、実際には想定をして、上限額を決めるために列挙した品目以外のものも買えるという形にはなろうかと思っております。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。
  では、まず井上委員。

【井上委員】

  ただいまの点で、この資料の3ページに数量の算定という、その他のところに書いてある事項がありまして、これでは複数の科目で重点的に整備すべき設備とされた場合に必要な数量を加算することができるということが書いてあるので、今、荒瀬委員がおっしゃったようなことは、必要なものは、新しい学習指導要領により数量を加算することができるということですから、28学級以上の大規模校だけではなくて、高等学校全体に共通して、そういうものが必要な学校について数量加算すればいいのではないかというように思いますが、その点はどうですか。

【黒沼教育課程課課長補佐】

  数量を加算しているのは27学級以下も、28学級以上も一緒でございます。全体として27学級以下であっても、必要な備品が買えるように数量を増やしているところでございますが、なお、やはり備品、理科室の実験のたびに理科室を持って移動するのは非常に大変だろうということで、理科室の数が多い場合には、やはり一定の範囲は必要なんじゃないかなということもあって、大規模校は2倍基準を維持するというところではあるんですけれども。

【無藤部会長】

  私の理解の範囲で加えると、これは小・中学校で議論したことですけれども、要するに、品目の種類とかを増やすということと、それから総合的ということで、なるべく現場の実情で使いやすくするということが大きな改訂の1つですよね。その上で、非常に大規模な学校は、同じものを幾つも数量的に増やさないと使えないということだろうと思うんです。
  小・中学校の場合に大規模校について考えなかったのは、実情として、理科室を理科の時間に使うときに、同一時間に幾つも使うことはあまり現実ではないので、同じものを何種類も用意しなくても理科の授業としてはできそうだという話だったと思います。それが高校の授業科目が多様化する中でどうなのかは私も把握しておりませんけれども、少し注釈を入れさせていただきました。
  では、國井委員。

【國井委員】

  ありがとうございます。2ページのところの真ん中あたりですけれど、共通設備に関しては基準に含めないという記述に関して、IT、コンピューターネットワークソフトウェアは理科教育で非常に重要ですが、基準に含めないということで、ここでは検討されないことになるんですけれど、海外と比べて日本はIT関係の教育設備があまりにも貧弱なのでお聞きしたいのですが、IT関係の強化というのはどうなるんでしょうか。これで見えなくなるのかなと思いまして。もうちょっと充実を図っていく必要があると思うんですけれど、別のところで強化されるんでしたら、強化される方向が確認できていればいいんですけれど、ちょっと心配になったので、質問させていただきます。

【無藤部会長】

  はい。

【黒沼教育課程課課長補佐】

  一般に高校の設備・備品というのは、公立であれば各自治体で整備するということで、地方交付税の中に必要な経費が盛り込まれているんですけれども、その中で理科、数学については、特に国庫補助を積むという。備品整備の中で一部分だけ取り出していると、そういう切り分けになっておりまして、理科、数学の専用設備だけを国庫補助の対象としているところでございます。
  これが、まず基本的な考え方でございまして、ITを活用した機器の中でも理科、数学でしか使わないだろうというものは引き続き対象としておりまして、例えばハイスピードデジタルカメラとか、細かい物体の動きを見ていこうというようなものは、新しくこの対象としていますし、逆に、今まで入っていたレーザープリンターとか、そういったものは、もう理科、数学専用設備じゃないだろうということで外していく部分もございます。なので、IT機器、コンピューター関係でも、それぞれ中身に応じて分けているということでございます。

【無藤部会長】

  要するに、全般的に使うIT関係は別予算として進めるという話でいいですよね。
  まだあれば。

【國井委員】

  それは理解できるんですけれど、ちゃんと強化されているかどうかを確認したい。理科教育として十分な設備になっているかどうか教えていただきたく質問をしたんです。

【無藤部会長】

  それについて、具体的な資料はないですか。今お答えできる方がなければ、また次回に。

【黒沼教育課程課課長補佐】

  高校のICT機器の一般的な部分の整備状況、ちょっと手元にございませんので、後ほど何らかの形で回答いたします。

【國井委員】

  ありがとうございます。

【無藤部会長】

  では、橋本委員。よろしくお願いいたします。

【橋本委員】

  ありがとうございます。質問というか、確認なのですけれども、2ページの真ん中のマル3のところに、特別支援学校における障害種の区分のことが出ておりますが、現在、複数の障害種の特別支援学校をつくるという方向にあるわけで、1つの学校でも大変複雑な教育課程が、1つの学校でさまざまな教育課程を扱っておりまして、これは主としてということで、かなり柔軟に考えてもいいという、この考え方については同じであるということですね。

【無藤部会長】

  今の点、いかがでしょうか。

【黒沼教育課程課課長補佐】

  そこの学校の教育課程に応じて、こちらのほうで、この区分で買ってくださいと指定するわけではございませんので、学校側の教育課程に応じて補助金の申請へ応募していただけるという形になっているかと思いますので、そこは柔軟にできるかと思っております。

【無藤部会長】

  ほかにはいかがでしょうか。とりあえずはよろしいでしょうか。
  では、もっと充実させるということを十分受けとめさせた上で、基本的には当部会として、今日提示された資料のとおりでご了解いただければと存じております。
  細かいところで、あるいは修正等がもしあれば、部会長一任ということでよろしくお願いいたします。
  手順といたしましては、今後、パブリック・コメントを受け、その上で告示ということになりますので、よろしくお願いいたします。
  それでは、理科教育設備基準の改訂についての審議を終わります。
  次ですけれども、平成24年度以降の全国学力・学習状況調査についてのご説明を事務局よりお願いいたします。

【下間初等中等教育局参事官】

  ご説明申し上げます。お手元の、資料番号振ってございませんが、全国学力・学習状況調査というリーフレット、それから資料3-2に基づきましてご説明申し上げます。
  リーフレットをごらんいただきたいと存じますが、全国学力・学習状況調査につきましては、調査の目的にございますように、義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力・学習状況を国として把握・分析して、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図る。そういった取組を通じまして、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立するということと、それから学校における児童生徒への教育指導の充実、学習状況の改善等に役立てるということを目的として実施するものでございます。
  平成24年度の調査につきましては、昨年3月の本部会の委員でもございます梶田委員を座長として、相川委員にもご参加をいただいております全国的な学力調査の在り方に関する専門家会議の提言を踏まえまして、従前の対象でございます教科、国語、算数、数学に新たに理科を追加をいたしまして、全国の小学校第6学年、中学校第3学年を対象としまして、平成22年度の調査と同様に、全国抽出率約30%、都道府県ごとに平均正答率が95%の確率で誤差1%以内となるような抽出率による抽出調査、及び抽出調査対象外の学校につきましては、希望される場合には学校の設置管理者、公立学校ですと教育委員会になるわけですが、その設置管理者の希望によりまして調査を利用することができる希望利用方式ということで、この4月17日の火曜日に実施をいたします。
  この理科の追加につきましては、資料はございませんけれども、次代を担う科学技術人材の育成などのために、今回の学習指導要領の改訂におきまして理数教育の充実を図ったこと。また、児童生徒のいわゆる理科離れの実態把握、またその課題の改善といったようなことが必要であること。また、国際的な学習到達度調査について、TIMSSにおきまして理科、またPISAにおきましても科学的リテラシーを実施していることなどから、国際的にも理科における指導の充実が大変重要であるというようなことから、追加をすることとしたところでございます。
  この理科の実施につきましては、24年度実施行以降につきましては、専門家会議では3年に1回程度実施というご提言をいただいておりますけれども、まずは、この24年度に実施をいたしまして、その後の実施につきましては24年度の実施状況等を踏まえて検討したいと考えているところでございます。
  資料3-2をごらんいただきたいと存じますけれども、25年度、来年の4月に予定してございます全国学力・学習状況調査につきましては、「きめ細かい調査」を実施をするということで検討してございます。
  これにつきましても、先ほど申しました昨年3月の専門家会議の提言、それから23年度調査は東日本大震災の影響等によりまして国として調査の実施を見送ったことなどを踏まえまして、市町村、学校等における検証改善サイクルの構築、国として市町村、学校レベルの状況把握、施策の検証・策定、また、現在、抽出調査ということで実施してございますけれども、この抽出調査の抽出率の算定に、21年度に実施をいたしました悉皆による調査の結果を活用していることなどから、抽出調査の精度の維持・向上といったような観点から、「きめ細かい調査」を実施をするということで考えてございます。
  調査の方式としては、すべての市町村、学校などの状況の把握のために、対象学年、小学校第6学年と中学校第3学年の全児童生徒を対象に実施をすること。また、これまでの全国学力・学習状況調査につきましては、さまざまな工夫をいたしておりますけれども、経年変化分析が十分ではないのではないかといったようなご指摘もございます。こうしたことから、非公開問題の追加などによりまして経年変化分析を行うことや、経済的な面も含めました教育格差などのきめ細かい把握・分析が可能となるような調査を同時または事後に一部追加で実施をするということで、従来の調査と異なる新たな調査として実施をしたいと考えているところでございます。
  調査の内容といたしましては、現在検討を進めているところでございますけれども、学力の把握・分析、また学力に影響を与える要因の把握・分析、さまざまな教育施策の検証・改善、効果的な指導方法の把握・分析といったことが、さらに進みますように検討を進めてまいりたいと考えております。
  実施の頻度につきましては、これも検証改善サイクルの観点から、市町村や学校のニーズ、抽出調査の精度の維持、発達段階に応じた学力等の状況変化の分析、理科の実施頻度などを考慮いたしまして検討していくことが必要という専門家のご提言となっているところでございます。
  この「「きめ細かい調査」の基本的な枠組み」、本年1月に、これも梶田委員を座長として、全国的な学力調査に関するご検討を進めていただいておりますけれども、その専門家会議でまとめていただいた「「きめ細かい調査」の基本的な枠組み」を踏まえまして、文部科学省として今後、教育委員会や学校における教育の改善、それから今後の学校環境改善の検討に資するような「きめ細かい調査」の詳細につきまして、この夏までに検討することとしております。
  今後とも、よりよい調査となりますように努力してまいります。教育課程部会の委員の皆様方にも、お力添えを賜りたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。
  意見交換につきまして、後の資料も含めて、時間の都合で、まとめて行わせていただきたいと思います。
  関連いたしますが、次のことは平成23年度公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査の結果でございます。
  これは以前より、教育課程の編成・実施状況調査につきましては、文科省として、初等中等教育に関する政策の企画、立案のために、すべての公立小・中・高等学校を対象に、隔年で実施してきたものでございます。本年度、7月から9月にかけて、公立小・中学校を対象にこの調査を実施したということでありますが、その結果が、お手元の資料4でございます。
  それでは、資料4につきましての説明をお願いいたします。

【大金教育課程企画室長】

  それでは資料4、平成23年度公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査の結果につきまして説明させていただきます。
  この調査は小・中学校教育に関する政策の企画、立案等のために、すべての公立小・中学校を対象に隔年で実施しているものでございますが、今回は東日本大震災の影響を考慮して、岩手、宮城、福島県及び仙台市につきましては調査を実施いたしませんでした。
  調査結果の概要についてでございますが、資料4の1ページ目の下半分、2、調査結果の概要をごらんいただければと思います。
  まず、教育課程の編成・実施状況全般に関するA票についてでございますが、1の小・中学校の授業時数の状況につきましては、平成22年度、9割程度の公立小・中学校において、各教科等の授業が標準授業時数を超えて行われております。週1コマ相当以上上回っておりますのは、例えば小学校の5年で57.9%、中学校の2年で64.5%。週2コマ相当程度以上上回っておりますのが、小学校の5年で18.6%、中学校の2年で23.4%でございます。
  次に、資料4の1枚目から2枚目にかけまして、2の年間総授業時数を増やす取組についてでございますが、平成23年度から各教科等の授業時数を増やす予定の学年がある学校は、公立小学校で87.3%、公立中学校で32.6%でございました。
  次に、3の総合的な学習の時間の実施状況につきましては、平成23年度、総合的な学習の時間について、中学校の新しい学習指導要領で新たに例示した「職業や自己の将来」に関する学習活動を行う予定の公立中学校の割合は92.5%でございました。
  4の個に応じた指導の実施方法につきましては、平成23年度、理解や習熟の程度に応じた指導を実施する予定の学校の割合は、公立小学校で78.0%、公立中学校で68.5%でございまして、平成21年度と比べて増加しました。
  5の小学校における教科等の担任制の実施状況につきましては、平成23年度、公立小学校において、教科担任制による指導の予定が多い教科は、第3学年以上の音楽、第4学年以上の理科・図画工作、第5学年以上の家庭などでございまして、その中でも理科の伸びが高い状況にございました。
  6の土曜日等の活用の状況につきましては、平成23年度、教育課程内において、土曜日等を活用して、代休日を設けずに、保護者や地域住民等への公開授業を実施する予定の学校の割合は、公立小学校で5.7%、公立中学校で6.4%でございました。
  次に、外国語活動等に関するB票についてでございますが、まず1の小学校における外国語活動等の実施状況につきましては、平成23年度は5、6年生における外国語活動が全面実施となっておりますが、この外国語活動に加えて、または替えて、5、6年生で研究開発学校や教育課程特例校等により、独自に外国語教育を実施している学校は全体の9%という結果でございました。
  資料4の2ページ目から3ページ目にかけまして、2の外国語指導助手等活用状況・活用計画につきましては、小学校5、6年生の外国語活動等におけるALTの活用時数の割合は、平成22年度実績で、総授業時数の54%となっております。また、中学校の外国語等の授業における活用時数の割合は、平成22年度実績で22%となっております。
  最後に、3の小中連携の状況についてでございますが、外国語教育に関して小中連携に取り組む中学校区の割合は、平成21年度実績の約56%から、平成22年度実績は約63%と増加しております。また、連携内容ごとに見ても、情報交換、交流、小中連携したカリキュラムの作成のいずれについても、取り組む中学校区が増えております。
  資料4につきましては以上でございます。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。今のことに関する意見交換につきましても、まとめて、もう1つ報告をしてからということでお願いいたします。
  引き続きまして、コミュニケーション教育推進会議における審議経過報告についてですが、この推進会議は、子どもたちのコミュニケーション能力の育成を図るための具体的な方策や普及の在り方について調査・検討を行うために、平成22年5月に設置が決定されて、昨年の8月29日に、お手元の資料5ですが、審議経過報告が取りまとめられております。
  それでは、資料5につきまして、ご説明をお願いいたします。

【倉見学校教育官】

  教育課程課で学校教育官をしております倉見と申します。どうかよろしくお願いいたします。
  それでは、説明をさせていただきます。まずは資料5-2、この白い冊子の「子どもたちのコミュニケーション能力を育むために」と題しましたコミュニケーション教育推進会議の審議経過報告の31ページをごらんください。
  文部科学省におきましては、子どもたちのコミュニケーション能力の育成を図るための具体的な方策や普及の在り方について調査・検討を行うため、平成22年5月に「コミュニケーション教育推進会議」を設置し、昨年8月に審議経過報告をまとめました。
  次の32ページをごらんください。このコミュニケーション教育推進会議は、劇作家、演出家でもあります平田オリザさんを座長とする親会議と、2つのワーキンググループにより構成されております。この教育課程部会の髙木委員には、教育ワーキンググループの主査を務めていただいたところでございます。
  続きまして、資料5-1をごらんいただけないでしょうか。このカラー刷りの2枚物でございますが、この資料は、この審議経過報告の概要版となっておりますので、これ以降は、この概要版により説明をさせていただきます。
  今の時代、またはこれからの時代を考えたときに、子どもたちに必要な、あるいは求められる大事な能力の1つとしてコミュニケーション能力が挙げられます。しかしながら、子どもたちの現状を見ますと、子どもたちは気の合う限られた集団の中でのみコミュニケーションをとる傾向が見られ、また、インターネット等を通じたコミュニケーションが子どもたちに普及している一方、外での遊びや自然体験等の機会の減少により、他者との関係づくりに負の影響を及ぼしているとの指摘もあるところでございます。
  新しい学習指導要領におきましては、言語活動の充実を図っておりますが、これはコミュニケーション能力の育成にも寄与するところでございます。
  一口にコミュニケーション能力と言いましても、その捉え方についてはさまざまあると考えられますが、このコミュニケーション教育推進会議では、コミュニケーション能力を、「いろいろな価値観や背景をもつ人々による集団において、相互関係を深め、共感しながら、人間関係やチームワークを形成し、正解のない課題や経験したことのない問題について、対話をして情報を共有し、自ら深く考え、相互に考えを伝え、深め合いつつ合意形成・課題解決する能力」と捉え、このコミュニケーション能力を学校教育において育むためには、自分とは異なる他者を認識し、理解すること、他者認識を通して自己の存在を見つめ、思考すること、集団を形成し、他者との協調、協働が図られる活動を行うこと、対話やディスカッション、身体表現等を活動に取り入れつつ正解のない課題に取り組むことなどの要素で構成された機会や活動の場を意図的、計画的に設定する必要があるとしています。
  2枚目をごらんください。そこで、諸外国での事例や文部科学省の事業でも実施しております、芸術家やクリエイティブな活動をする実践家が学校でワークショップ型の授業を展開し、子どもたちのコミュニケーション能力を育んでいる取組というものに着目いたしました。
  このような授業に取り組んでいる学校からの報告を整理いたしますと、その効果といたしまして、1つに他者認識、自己認識力の向上、2つ目に「伝える力」の向上、3つ目に自己肯定感と自信の醸成が挙げられるところでございます。さらに、これらの効果により、学級の雰囲気が改善されるなどの学習環境の改善や学級経営への効果、また教員にとっての授業改善にもつながるなどの報告もなされているところでございます。
  したがいまして、グループ単位で協働して、正解のない課題に創造的・創作的に取り組む活動を中心とするワークショップ型の手法をとること、演劇的活動など表現手法を豊富に取り入れていること、ワークショップの理論や手法を備えた芸術家等の外部講師が授業に参画することが大事であり、このような取組が子どもたちのコミュニケーション能力を育む意味で有効な手段であるとしています。
  もちろん、コミュニケーション能力を育む手法は、このような表現手法を取り入れたワークショップ型の授業のほかにも多様に考えられるところではありますが、コミュニケーション教育推進会議におきましては、当面は子どもたちのコミュニケーション能力の育成にとっての有効な手段の1つとして、このような取組について、さらに分析・評価していくとともに、引き続き、子どもたちの発達段階に応じたコミュニケーション能力を高めるための方策等について検討していくこととしております。
  なお、文部科学省が実施しております「児童生徒のコミュニケーション能力の育成に資する芸術表現体験」事業の平成22年度の開催校及びその学校の児童生徒にアンケートをいたしました結果につきましても、あわせて配付させていただいておりますので、ごらんいただければと思いますが、ここでは時間の関係上、説明は省略させていただきます。
  以上で説明を終わります。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。
  それでは、立て続けでご報告で恐縮でしたけれども、平成24年度以降の全国学力・学習状況調査、2番目として平成23年度公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査、そして今ご報告いただきましたコミュニケーション教育推進会議における審議経過報告などでございますので、それらについて、どこでも結構ですけれども、あるいはそれに関連したことで、ご意見等ちょうだいできればと思います。よろしくお願いいたします。
  どうぞ、お願いします。

【露木委員】

  全国連合小学校長会の露木でございます。
  先ほど、きめ細かい調査という中で、経済的な面も含めた教育格差等のきめ細かい把握・分析が可能となるような調査を進めるということでございます。その格差ということは、随分感じられることが多くなってきているのかなと思います。
  例えば、教育課程の編成・実施状況調査なんかにおきましても、ALTを使った英語教育がいいかどうかわかりませんけれども、55%程度がALTを使っているというような結果が出ているようですけれども、地区によっては100%以上ALTを使っているような状況もありますよね。平均でこの割合ということは、地区によって全然違う状況であるという結果なんだろうなと思います。
  そういう意味でいいますと、きめ細かい調査では、例えば人的配置等についてまで触れて、きめ細かい調査を実施するのかどうかわかりませんけれども、ぜひ、その次の行政につながるような、施策につながるようなきめ細かい調査をしていただきたいなということを感じております。
  意見でございます。

【無藤部会長】

  25年度を目途ということですので、まだ議論を続けるということですので、ぜひ取り入れていただければと思います。
  ほかに。では、大江委員。

【大江委員】

  ありがとうございます。学力調査の件でございます。
  学力の向上、大変これは大きな課題でありまして、ただクローズアップされるのも、どうも学校規模にかかわらず平均正答率だけが先歩きしているんじゃないか。そのような感想をもっております。これは1つのデータですから、それを否定するつもりは毛頭ございませんが、心配していますのは、無解答の件なんですね。この調査内容もそうなんですが、大学入試、高校入試、それから都道府県で実施する学力調査も、読解力の向上という、その趣旨のもとに、問題文そのものが極めて難解になってきているんじゃないか。問題内容は、そう大したレベルではないのに、問題を読み取るのが非常に難しい問題がふえてきているんじゃないか。そんな思いがあるわけであります。
  もし、きめ細かな調査をやられるならば、学力下位層の学力定着とか、中位層、上位層の伸長とか、双方をにらんだきめ細かな検討が必要ではないかな、そんな思いもあるわけであります。
  専門家会議が開催されていると思いますが、そちらのほうで、この無解答について、そのような話題があったのか、なかったのか。文科省として、何か考えがあるかどうか、教えていただきたいと思います。

【無藤部会長】

  では、これは何かあればと思うんですが、どうでしょうか。

【下間初等中等教育局参事官】

  ありがとうございます。大変貴重なご意見をいただきまして、これを踏まえて、これから検討してまいりたいと存じますけれども、ただいまご質問のございました無解答、いわゆる白紙といったような状況につきましては、これまでも解答の経過をはかるべく、一部設問に関するアンケートを入れるなど実施をしてきたんですが、十分に無解答の原因、要因分析というのはできてございません。
  したがいまして、専門家会議のご議論でも、また私どもの現在の検討の中でも、無解答の状況については、難しいのでできない、あるいは今ご指摘あったように問題文が困難なので読めない、あるいは時間がないのでできないなど、さまざまな要因があると考えられます。そのため、無解答の状況についてのきめ細かい把握ということも目指して、今後、詳細設計を進めてまいりたいと考えております。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。
  順番に、渡久山委員。

【渡久山委員】

  どうもありがとうございます。
  1つは、今度4月17日に実施される全国学力・学習状況調査なんですが、これ、理科ですね、加えられたのはよかったと思うんですが、これらの理科にはB問題、A問題とやらずに一体的な出題になったということなんですね。
  私、PISAの学力調査なんかを見ますと、やっぱりB問題というのが非常に大きなウエイトを持っていて、逆に我が国における調査が、ややもするとA問題的な調査の傾向があった。それについてB問題があることによって、ほんとうの生きる力というものに対する、学校での教科を含めた指導が非常に意味が出てきていたと思うんですね。そういう面で、なぜ理科はB問題をせずに一体にしたかと。
  ただ、子どもたちの負担を考えて、40分ということになっているから、そうかもしれませんけれども、その辺がどうかということが1つですね。特にTIMSSあたりでは、もっときめ細かに出ていますから、その辺がお願いしたいなということが1つの質問ですね。
  それから、きめ細かな調査ですね。このことについて少し意見を言わせていただきますが、各県でも大体どれぐらいですかね。47都道府県の中に30以上の県が、毎年のように独自の調査を行っています。そうしますと、都道府県だけじゃなくて市町村の調査まで含めて考えますと、日本の子どもたちはすごく調査漬けになっていないだろうかという感じがするんですね。
  ですから、今度は3年に一度とはいいますけど、きめ細かい調査の場合、できるだけそういうことも配慮して、子どもたちの負担にならないようなことを、ぜひ考慮いただきたいなということと、問題の内容については、きっと、要するに、生きる力という現在の学習指導要領が目指しているところがわかるような感じにしてもらいたいと思います。
  特に最近、大学生の数学の基礎ができていないといった、24%は「平均」がわからないという調査結果が大々的に出ていました。そうしますと、学校での学習の効果、いわゆる教育課程の到達度ですね。この部分が果たしてどのようになっているんだろうかということは非常に大きな問題だと思いますので、そこにもメスを入れて分析ができるような状況の調査にしていただければと思います。
  以上です。

【無藤部会長】

  最初のところでご質問もありましたが、いかがでしょうか。

【下間初等中等教育局参事官】

  理科において一体的に問うということについての検討の経過についてのご質問がございました。
  昨年3月の専門家会議の提言におきましては、理科については従前の国語、算数、数学のようにA問題とB問題、いわゆる主として知識に関する問題、A問題と、主としてそうした知識・技能の活用に関する問題、B問題とを分けて問うのではなく、一体的に問うというようなご提言を賜ったところでございます。
  これは、理科につきまして、知識を知識として問うということよりは、その知識を活用して問題に対応していくことがより重要であるというようなご意見がございました。一定の基礎的、基本的な知識というものを身に付けることは大変重要でございますので、1つの設問の中で、そうしたA問題に相当する主として知識に関する問題を問いながら、B問題に相当する主として活用に関する問題を問うという一体的な問いを構成することによって、すべての部分について把握をし、分析をしていこうということになったわけでございます。
  また、国語、算数、数学につきましても、A問題、B問題と分けて問うことが今後も必要なのかどうかということは、当然、専門家会議の中でも、いろいろな意見ございますけれども、やはり基礎、基本に係る部分も徹底をすることが重要であること、一方、そうした基礎、基本を十分に身に付けた上でB問題という、生きる力の前提になっていますが、新たな能力を伸ばしていくことも大変重要でございますので、現時点におきましては、国語、算数、数学につきましては、A問題、B問題と分けた形で、それぞれ問うということにしておるところでございます。
  ご質問については以上でございます。ご意見につきましては、今後きめ細かい調査の詳細設計に当たりましては検討してまいりたいと考えております。

【無藤部会長】

  隂山委員、それで天笠委員。

【隂山委員】

  ありがとうございます。この学力・学習状況調査につきましては、私は今、大阪府の教育委員をやっているのですが、ご存じのとおり、公開ということが非常に問題になりました。この公開というのも、私自身は、公開する、しないという最終的な結論もさることながら、なぜ公開をするのか、どの程度まで公開をするのか。それは使用目的と合わせてこの程度までという、妥当なところがあるのだと思います。
  例えば市町村の学力も公開をして、それぞれの市町村が保護者や地域の方々と協力し合いながら指導に資するということであれば、そういうこともあり得ていいかもしれませんが、これを新聞社等が、例えば仮に1位から何十位までずらっと並べてしまうと、全く別の動きが出てくるかもしれません。
  そうした観点で、この公開の在り方についての、全体としてのガイドラインというものをしっかりと定めておいていただきたいと思います。
  今、少し見せていただいたのですが、あまりにも抽象的過ぎて、大丈夫かなということを強く心配をいたします。
  私たちが一番不安に思いますのは、ご存じのように、首長さんとその教育委員会との間で、あまりにも意見の乖離が起きてしまいますと、教育行政そのものが非常にやりにくくなるということがございます。
  国として実施されるわけですから、地方の状況もいろいろあるということを含んでいただきまして、しっかりとしたガイドラインをつくっていただくことを要望としてお願いいたします。

【無藤部会長】

  それは受けとめさせていただいて、ぜひ。基本的な原則は変えていないと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
  それでは、天笠委員。

【天笠委員】

  2つ申し上げさせていただきます。
  1つは、この学力・学習状況調査のパンフレットがあります。そこには抽出調査ということで先ほどご説明あったとおりでありますけれども、もう1つの案として、希望利用方式というのがあります。そこには設置者の希望によって、これが実施可能となるんだと、そういうことですけれども、これは実施者及び学校の希望によりという、学校に門戸を開いていただけることはできないかどうか。希望としては、学校という言葉も私は入れておいてもと思うんですけれども、いかがでしょうかということです。
  学校評価ガイドラインの中には、第三者評価の実施についてのそれについては、学校と設置者が求める場合という、そういう学校と設置者と、こういう書き方をしているところがありまして。ですから、この学力調査も、言うならば、学校評価あるいは第三者評価等々のデータ等々の関わり等々を考えた場合に、そこら辺のところについて、個々の学校の希望も位置付けてよろしいんじゃないかと、そういうことを1つ目として申し上げさせていただきたいと思います。
  それから2つ目は、ちょっと話違いますけれども、先ほど話出ていますように、A問題とB問題についてなんですけれども、おおむねA問題のほうがよくて、B問題のほうがそれよりも劣るということが比較的広まりを持っているんですが、そういう広まり方で学力の状況についての把握の仕方で、果たしてよろしいのかどうなのかというあたりのところを、もう一度丁寧に見ていく必要があるんじゃないかということで、ぜひデータの分析等々は、そこら辺のところをしっかりやっていただきたいんですけれども。
  それで、仮にAとBがそうだったとした場合に、Bのスコアがそれなりに、他と比べるとすぐれているというのは、一体どういう学校なのか。あるいは、どういう学校であって、どういう教育課程で、教育方法等々がなされているのかどうなのかと。そのあたりの、ある意味でいうと、学校ごととか、地域ごととか、丁寧な結果の分析等々を期待したいところであるわけですけれども、これらのことというのは、既にこれまでのデータ等々でも、ある程度のことが言えるんじゃないかと思うんですけれども、そのあたりのところの丁寧な分析、それについてのまとめというんでしょうか。そういうことも、あわせてお願いできればと思います。
  以上です。

【無藤部会長】

  ご質問へのお答えと、何かコメントがあればお願いします。

【下間初等中等教育局参事官】

  2点ございましたが、1点目の学校の希望によりという点につきましては、今後の調査についての検討課題の1つとさせていただきますが、現在の調査につきましては、このリーフレットの冒頭にもございますように、文部科学省が学校の設置管理者である教育委員会の協力を得て実施をするという枠組みをとってございまして、その中で教育委員会がそれぞれ、その教育委員会としての施策の検証改善、学校における学力・学習状況の把握といったような点でご活用いただくということを前提に、希望利用調査につきましても、公立学校については学校の設置管理者である教育委員会の希望により調査の利用をご判断いただくことになります。
  全体としての調査そのものへの参加につきましても、様々なお願いを申し上げてございますけれども、教育委員会ごとに、それぞれご判断をいただいているという状況でございます。
  ただ、天笠委員ご指摘ございましたように、それぞれの学校の自主性・自律性を高め、その中で評価、情報開示といったようなさまざまな対応をとっているところでございますので、今後、教育委員会の協力を得て実施をする中で、学校の希望により参加をすることができないかということは、検討の課題とさせていただきたいと存じます。
  24年度につきましては、既にこの前提で進めてございますので、教育委員会単位という設計になっていることにつきまして、ご理解を賜りたいと存じます。
  それから、A問題、B問題につきましては、私どももさまざまな分析をこれまで進めてきております。これは国立教育政策研究所とともに分析も進めてございますし、さらに大学などの研究機関の専門的な分析も入れてございます。そうした中で、いろいろな分析結果は出てきています。しかし、先ほどご指摘もございました施策、特に少人数といったような対応、人的配置に係るというお話も露木委員からもございましたけれども、そうした点につきまして十分な分析結果というものが出てございません。
  一部、やはり効果があるというようなことが上がっているわけでございますけれども、そうした学校環境改善に係る検討に資するようなきめ細かい調査というものを25年度は、ぜひ実施したいということで検討しているところでございます。
  その中で、他に比べてA問題、B問題、一般論としては、A問題は相当程度定着をしているんだけれども、B問題に課題ということで、まだまだ基礎的・基本的な知識・技能といったものを活用する能力に課題がございます。その中でも、成果をあげている学校では、効果的な指導がなされたり、学校内での協力体制が整っているなどの背景がございます。あるいは学校だけが子どもたちの学びを構成しているわけではございませんので、家庭、地域と連携をした協力の実施、そういった充実が背景としてあるというようなことも、専門的分析などからは出てきているわけでございます。
  そうした中で、まだまだ、さまざまな体験的な学習でございますとか、教育の指導の手法、内容等により、どのような違いが出てくるのかということについて、引き続き分析が必要な点ございますので、きめ細かい調査の設計とともに調査結果の分析、活用につきまして、さらに、よりよいものにしていきたいと考えてございます。
  以上でございます。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。
  それでは、順番にいきますね。まず秋田委員、お願いします。

【秋田委員】

  個人的な意見を2点申し上げさせていただきたいと思います。
  まず第1点は、全国学力・学習状況調査の25年度のきめ細かい調査に関してでございます。現在、ご報告もありましたように、さらに授業時数も増え、先生方の多忙化が進んでおります。その中で、きめ細かい調査が、この最後の紙を見ますと、教育格差等の分析に資するよう質問紙を複数化するとか追加実施をする等、いろいろ学校の側に細かな負担が大きくかかるのではないか、負担がかからないような形にならないのかと思います。
  きめ細かな調査と分析は必要ですけれども、結果の開示やフィードバックについては、あまりにきめ細かくなるのではなく、要因として、特に先ほどもございました教師の指導力等にだけ還元されるのではなく、より構造的な要因や、政策的に学級定数や時数等、政策によって学力を上げる工夫を、ぜひ同定いただきたいと思います。先生方の指導力、家庭の問題にのみ帰するような形の分析ではない、政策のための重要な原則を導き出すような形にしていただきたいと思います。
  これは先ほど隂山委員からもガイドラインが必要ではないかというお話がありましたが、調査結果のフィードバックの在り方、開示の在り方、さらに政策への活用の仕方については、きめ細かく、かつ重要なところの要因の同定をお願いしたいと思います。それが第1点です。
  もう1点は、コミュニケーションの能力を育むためにということのご報告がございました。言語力の育成からコミュニケーション能力へということでの審議経過報告は大変頼もしいものでございます。この2枚目に出てきております、コミュニケーション能力を育成する手法・方策という黄色い2枚目の紙でございます。
  これを見ますと、ワークショップ型の外部講師を入れた授業が効果的であるということは示されておりますが、平素の授業を学校において教科で実施するものと、どのようにこの講師の授業が関連するのかということについて、どのようなご審議があったのか、今後どのようになされるのかということを明確にしていただくことが、イベント的な活動がどんどん学校に入ってくるのではなく、より定着のためには必要ではないかと考えます。また、指定の学校のみの実施ではなく、これを教員の研修として、今後どのように活用するのか、されるのかについて、本日お答えいただければ幸いですし、今後の検討ということであれば、その点のご説明をお願いしたいと思います。
  以上2点でございます。

【無藤部会長】

  何か、今の最後のコミュニケーション能力でどうかと。

【倉見学校教育官】

  ご意見ありがとうございました。この白い審議経過報告の冊子の13ページをごらんいただければと思いますが、このコミュニケーション教育推進会議におきましても、今後、この取組の評価の在り方や各教科等の授業で行われている言語活動との相互作用について、引き続き検証していくこととされておりまして、平成22年度及び平成23年度の、こういった実践校の報告をさらに分析いたしまして、普段の授業の中で、どういった形で行われていくのが効果的なのかといったことを今後とも検討していくということにさせていただいているところでございます。
  また、教員の研修につきましては、今日は資料として提出しておりませんが、別途、こういったワークショップ型の教員の研修の在り方につきまして、3つほどの団体に、その調査研究をお願いしておりますので、これもまた、調査研究の結果が出ましたら、ご報告申し上げたいと思っております。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。
  では、北城委員から橋本委員、松本委員、的川委員とお願いします。

【北城委員】

  きめ細かい調査の資料の4ページのマル4ですけれども、効果的な指導方法の把握・分析の中で、学校における効果的な指導方法の把握・分析と書いてあるんですが、学校における中に、教員による指導方法も非常に重要な課題ではないかということで、秋田委員の意見と少し違うかもしれないんですが、個々の先生がどう教育をしているかということも1つの大きな要因だと思うんですね。個々の生徒にとっては、個々の先生の教え方というのは非常に影響があると思うので、その分析と、それを利用した改善ということも考えるべきではないかと思います。
  一方で、これ、経年変化の問題に関して言いますと、3年に一度の調査では、マクロの経年変化は出るでしょうけれども、個々の学校、校長先生とか、あるいは個々の先生、教員の努力の成果というのは実際なかなか把握が難しいので、将来的には、こういうきめ細かい調査というのを毎年行って、経年変化を教育の質の向上に利用できるようなことも今後考えていくべきではないかと思います。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。
  では、橋本委員お願いします。

【橋本委員】

  ありがとうございます。県の教育委員会にいる者として、市町村の教育長には常々、結果の数字だけではなく、やはり、特に、この質問紙調査の部分が非常に重要だというお話をしております。
  ですから、どちらかというと、分析・公表という段階で、ぜひ、この質問紙調査の部分を充実させて、その辺を大きくクローズアップすることによりまして、学校のみならず、やはり家庭や地域でともに取り組んでいかなければならない課題というものが浮き彫りになっていくような公表の仕方を要望いたします。
  また、県におきましては、国の調査とは別の学年で、県独自の学習状況調査を行っているところですけれども、やはり、その作題評価というようなところでも大変勉強になります。今どういう力をつけていくことが求められているのか、その力がきちんと定着しているのかというような点でも、大変参考になるところでありますので、ぜひ学習指導要領も改訂するようなときには、悉皆ということもあってもいいのかなと考えております。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。
  では、松本委員お願いします。

【松本委員】

  資料5のコミュニケーション教育について少し意見があります。
  1つ目は定義の重要性ということです。ご存じのように、学習指導要領でもコミュニケーション能力という言葉は使われておりますが、包括的な定義は出されておりません。
  先ほどの学校教育官のお話によりますと、今回のこの定義は、この推進会議においては、ということでありましたけれども、最終報告書を出されるときは、慎重になられたほうがいいのかなと。場合によっては、文部科学省として初めてコミュニケーション能力について定義を出すということに世間は読み取ることがあるかと思います。
  2番目は、コミュニケーションの場としての学校の検証の重要性です。生徒一人一人の能力に焦点を当てる前に、あるいは当てるとともに、学校が人間関係を形成する場として、どのような問題を今抱えているのかとかいうことを、授業以外のことを含めて検証したほうがいいと思います。
  それから3番目は、先ほどの秋田委員のお考えと多少被る点ありますが、育成する方法に偏りがあると思います。私も、このペーパーレフリーを3回ほど務めさせていただいたことありますけれども、芸術表現に偏っているというところが、目的と合致していない部分がかなりあると感じました。この点についても、ご検討いただければと思います。
  4番目、これ最後になりますが、コミュニケーション不安を抱えている生徒への対応についても考える必要があると思います。大学においても、私の個人的な感覚では、25人いると1人はコミュニケーション不安を抱えているといったような状況ですので、この演劇をしたりとか、人前で話をしたり、ディスカッションしたりということに関して、多分、小学生の中にも、かなり問題を抱えている子がいると思いますので、そういう子に対する指導を同時に考える必要があるということで、以上4点です。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。
  時間の都合で質問のコメントを省かせていただきます。的川委員お願いいたします。

【的川委員】

  コミュニケーション能力のところなんですけれども、これは質問ではなくて、ちょっとコメントなんですが、宇宙の分野で私、長く携わったはやぶさに関連して、国際的にいろんな議論が起きていまして、日本という国、あるいは日本人というものについての関心が大変高まっているんですね。
  コミュニケーション能力の議論の中で、いろんな要素が散りばめられているので、これを読むと大変納得のいくものが多いんですけれども、ただ、それの問題の所在、あるいは問題把握の手段のようなものに関しては、もう少し何か深いものがあるのではないかなという感じがします。
  それは、今の子どもに、そういうコミュニケーション能力あるなしという問題よりも、かなり背景としては民族的な、歴史的に我々が非常に、欠陥と言うと言い過ぎですが、持っているようなものがあって。例えばパリの街角で坂本龍馬知っているかと聞くと、大体だれも知らないわけですね。日本人ならだれでも知っているような方が、19世紀以前の日本人というのはほとんど知らない。でも、我々がローマでシーザー知っているかと聞かれれば大体知っていると。そういう日本人の国際的な位置のようなものが、20世紀を境にして劇的に変わったという背景があると思うんですね。おそらく、よしあしは別として、日露戦争を契機としているんでしょうけれども。
  ただ、100年間かかって、日本は大変な世界的な経済的な位置というのは確立したけれども、残念ながら、日本の歴史の中で、初めて世界的なお金持ちになって、その使い方自身はあまりよくわからなかったということがありますね。それが、おそらく今の日本ということの結果になっているんだと思いますけれども。
  そういう意味では、おそらく今、3月11日の大震災以前には、100年間かかって我々がつくり上げた位置というのは、世界的な評価は、エコノミックアニマルという言葉1つに象徴されているようなところがあって、お金は持っているけれども、日本人の心はよくわからないという、そういう状況があったと思います。
  それは我々、やはり日本というもの、あるいは日本人の心を発信できなかったというところがあって、よく見えていなかったんだと思いますけれども、大変皮肉なことに3月11日を契機にして、被災者の方々の過ごし方とか、あるいは物を配ったときに、どうして日本の人たちは、ああやって整然と物を行うんだということで、精神の高さとか、節度とか、大変高く評価され、絶賛された情報が欧米にも、ロシア、中国を含めて、非常にたくさん流れました。
  宇宙関係の友達は、大変たくさんのメールとかコメントを我々に寄せてくれたわけですけれども、それは日本人の心が初めて世界的なレベルで広まっていったということなのではないかと思っています。
  ただし、我々はエコノミックアニマルをつくり上げてきた背景に、日本人の、我々自身がいいと考える、大変いいものがあったということは自信を持って言えるわけですけれども、残念ながら、それを世界のために発信すると、そういうことが行われていなかったと。これは、ですから、子どもの問題というよりは大人の問題だと思うんですね。
  我々は、ですから、日本の歴史の中で、そういう課題を今、みんなが背負っている問題なんだということなんだと思っております。
  ですから、はやぶさにしても、大変大きな仕事をすれば、自然にその成果は世界的ににじみ出ていくものですけれども、そういう自然ににじみ出ていくノーベル賞とかそういうものだけではなくて、国全体が、そういう課題をこれから政治経済、外交含めてやっていく、そういう課題としてコミュニケーション能力は提起されているんだと、そういう位置付けで、ぜひ、この問題をみんなで取り組んでいっていただきたいという、ちょっと出過ぎた意見ですが、以上です。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。
  もう時間でありますが、髙木委員から、大変申しわけないですけれども、お願いします。

【髙木委員】

  学力の問題で、全国学力・学習状況調査がありましたが、今、学力としてコミュニケーション能力の育成の話題が出てきております。平成8年に「生きる力」が学力として定義されましたが、コミュニケーション能力もどこかで定義をしていかないと、今後、いろいろな意味でコミュニケーション能力が使われてしまうことにならないか、との心配もあります。
  私自身、コミュニケーション推進会議に出ておりましたので、ここではあまり、その問題に今、立ち入りませんが、例えば文化庁の文化審議会国語部会でも、1月31日に出ました、「国語分科会で今後取り組むべき課題について」ということの中にも、コミュニケーションの在り方ということが報告されております。
  今後、この定義の問題、先ほど松本委員もおっしゃいましたけれども、ある程度の枠をつくっていかないと、学校教育の学力として、一方でペーパーテストによる学力、他方でコミュニケーション能力というのが出てくると思いますので、そのあたりも今後、ぜひ検討をお願いしたいと思います。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。
  渡久山委員、お願いします。

【渡久山委員】

  ありがとうございます。教育課程の実施状況の問題で、最近一番問題になっているのは、問題という言葉も悪いんですけど、柔道の危険性ですね。これ、山中文部科学審議官も布村局長もかんで、私も学習指導要領をつくったときにはいましたから、わかるんですけど、あのときから、やっぱり施設設備や指導者の育成は非常に必要だと。特に剣道の場合はそうだろうと思ったんですが、逆に柔道をとるところが非常に多いようですから、このことについて、やっぱり、いろいろ問題出ていますけれども、文部科学省として、ご指導されていく基準がございましたら教えていただきたいというのが1つです。
  もう1つは、今、新しい学習指導要領が実施される状況の中で、土曜日課が随分増えてきていますよね。そうしますと、教員の週労働時間は40時間ですよね。しかし、これが、やっぱり土曜日に何らかの学校行事であるとか、教育課程に組まれた授業があるとして、これらの代休措置をとられているかどうかですね。あるいは、とっているようなご指導をしていただいているかどうか。
  調査では、ほとんどとられていない。夏期休暇中にとられていても、そのとき忙しいからとれないというような状況がありますから、これは非常に問題だと思いますけれども、ひとつ、その辺はご指導いただければと。きちっと改善してもらったらいいと思います。
  最後に、35人学級は非常にいいことで、やっぱり学習指導要領がより定着していって,生きていく力のためにはいいんじゃないかというような、これは感謝したいなと思っています。
  以上です。

【無藤部会長】

  はい。村上委員からご発言いただいたら、事務局からと思いますので。

【村上委員】

  コミュニケーション能力の育成のことでございますけれども、以前学校におりましたときに、平田オリザさんに演劇を通して子どもたちが直接指導を受けたことがあります。実際に子どもたちの様子等を見ていましたら、コミュニケーション能力の育成という部分で、子どもの内面を開放するというか、引き出すという面が強いと思っています。子どもたちは楽しかったと言っておりました。
  コミュニケーション能力の育成という場合に、言語活動を通してコミュニケーション能力を育成するということもありますし、その辺の定義の部分で、どのようにコミュニケーション能力を捉えるかということが必要かなと思います。側面が少し違うとは思います。でも、日本の子どもにとって、このことはすごく大事なことであると思います。
  それから、指導についてですけれども、ある意味では、教師が指導できないとだめかなとも思っております。これに提案されている意図を教師が捉えて、教師が指導する。だれかにやってもらって、ワークショップでそれで終わりではなくて、やはり教師も指導できることが大切です。そのために教師の指導をしてもらえる人材の育成も必要かと思います。
  あとは、秋田委員と質問内容は一緒でしたので省かせていただきます。以上です。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。
  それでは、事務局から何か、最後のお3人ほど、中に質問もありました。

【大金教育課程企画室長】

  渡久山委員からいただきました柔道の関係については、本日いただいたご意見を担当部局に伝え、状況を報告させていただきたいと思います。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。
  それでは、その他の報告事項について事務局からご説明をお願いいたします。

【神代教育課程研究センター長】

  国立教育政策研究所教育課程研究センター長の神代と申します。時間が限られておりますので、手短に資料6から9についてご説明いたします。
  まず資料6ですが、小学校学習指導要領実施状況調査についてです。これは従来、教育課程実施状況調査という形で、新しい学習指導要領がスタートして2年度目に行ってきたものですが、今回、予算の制約等々の事情を勘案し、従来とは少し変えた形で実施をしたいと考えております。
  調査対象教科、内容等は資料のとおりですが、特に調査内容をご覧いただきますと、今回の改訂の基本方針として掲げられているような事項、あるいは今回の改訂で新設したり、学年、学校を飛び越えて移行したりした事項の実現状況や課題、それから従来より各教科で課題として指摘されている事項、あるいは以前の調査で通過率の低い事項などに対象を絞った形で行うことにしたいと考えております。
  従来は、指導要領の内容を包括的、網羅的に問うというやり方をしておりましたが、今回はこのように絞った形でやらせていただきたいというのが大きな変更の1点目です。
  2点目ですが、調査の形式というところをご覧いただきたいのですが、調査対象となる児童数については、各教科1冊子あたり、従来1万6,000人程度でありましたが、これを3,000人程度、総児童数としては、従来21万人ほどを対象にしておりましたものを7万人程度、それから調査対象となる学校数も、従来は3,600校ほどでありましたものを800校程度にする予定です。これは学校への負担軽減ということもありますし、先ほど申し上げたような調査対象を絞ることに伴って、より効果的、効率的な検証を行いたいということです。来年2月に小学校で実施すべく、現在準備を進めております。
  2点目は資料7です。評価「規」準の「基」という字を書く基準と区別するために「のりじゅん」と呼んでおりますが、この作成、評価方法等の工夫改善のための参考資料です。これも指導要領の改訂に基づき、従来の評価に関する資料を改訂したものです。
  教科ごとに冊子で市販するとともに、ホームページなどでも公開して、より多くの学校で活用していただくということを目指しております。
  特に資料真ん中の辺りの太字で示しているところですが、本参考資料の構成としては、基本的な考え方、評価規準の設定例、評価に関する事例という3部から成り、学校現場における評価の改善に生かしていただきたいと考えております。
  3点目は資料8です。特定の課題に関する調査を毎年度当研究所で行っておりますが、昨年度に実施した英語における、特に「書くこと」に焦点を当てた調査について分析結果がまとまっております。
  ちょっと見づらいのですが、「結果のポイント」というところをご覧いただきますと、例えば疑問文や否定文といった形式についてはわりと理解しているとの結果が出ています。また、先ほど無解答に関する話もありましたけれども、わりと自由な場面で文章を書いてもらうという問題に関しては、中学校第3学年を対象に行ったものですが、例えば4文以上のまとまった内容の文章を書くということについては、かなりできています。ただ、文と文のつながりを工夫して展開することについては十分身に付いていないというような成果と課題が出ておりますので、これも今後の現場における指導に生かしていただけるように考えております。
  最後に資料9ですが、同じく特定の課題に関する調査で今年度実施した調査についてであります。従来は、先ほどの英語のように、ペーパーテストでは測りにくい内容や、実技を伴う音楽、美術といった教科について調査をしてきたわけですが、今回は高校生を対象に、我が国のグローバル化の進展等を踏まえまして、特定の教科でなくいわゆる論理的な思考力をテーマにした調査を実施しました。
  裏をめくっていただきますと、問題の例を幾つか載せております。例えば、「カレンダーの曜日」の由来に関する文章を読んで問いに答える問題、あるいは国語辞典の記述を元にその用途や目的について問う問題。このように、論理的な思考力という観点から教科を横断する形での調査を行いました。それから数学についても並行して問うことによって、数学という教科における能力と論理的な思考力との関連を見る。そのような調査を2月に実施いたしました。
  来年度中に、先ほどの英語のような形で公表すべく、分析作業を始めたところです。
  以上でございます。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。
  もう時間がちょっと過ぎましたので、ぜひこの点質問などということであれば。では、隂山委員お願いします。

【隂山委員】

  いろいろな調査ありがとうございました。
  今後1点お願いをしたいのですが、こういう新しい教育の内容変化について、保護者、住民がどう思っているかということについても、かなりリサーチを丁寧にしていただければと思います。
  もうご存じのように、大阪のほうは今、ほんとうに教育はホットです。おそらく私は、そういう教育に対するニーズというものが今なえているのではなくて、今ものすごく地下でたまってきているという感覚があるんですね。
  1点だけ事例申し上げますと、この間、私は自分のツイッターで、子どもたちが自分のノートや教科書に名前を書くときに、まだ習っていない漢字で名前を書いたところ、「習っていないから平仮名を書きなさい」という指導をやっている先生がおり、そのことが問題になっていますということを書いたんです。そうしたら、そのツイッターがすごいことになりまして、教育基本条例よりもはるかに多くの書き込みがあって、ややパニック状態になったんですね。名前で、習っていない漢字を使ってはいけないということになってきますと、今、非常に難しい漢字を使う子もいますし、もともと名字の中でも、常用漢字にない漢字というのも多くあるわけですね。そうなってくると、その先生の指導をそのまま踏襲してしまうと、名前はずっと平仮名のままでいいじゃないかということになってくるわけです。これはどういうことなんだということで、相当厳しい反応があったんです。
  ですから、ここで今、話し合われているような、レベルの高い話と、常にわが子の教育を見守っている保護者との間のギャップが起きてくると、次に出てくる学校批判は厳しいものになるのではないかと感じています。ですから、保護者や住民のニーズがどういうところにあるのかを拾うような調査を丁寧にお願いしたいと思います。

【無藤部会長】

  貴重なご指摘ありがとうございました。
  ほかにぜひということであれば。よろしいでしょうか。
  どうもご協力いただきまして、ありがとうございました。時間、大分過ぎて申しわけございませんでした。
  本日予定していた議題はここまでとさせていただきます。最後に、次回以降の予定につきまして、事務局からご説明をお願いいたします。

【大金教育課程企画室長】

  次回の教育課程部会の日程につきましては、部会長とご相談の上、追ってご連絡をさせていただければと考えております。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。
  それでは、本日の教育課程部会を終了させていただきます。時間を延長して申しわけございませんでした。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

電話番号:03-5253-4111(内線2369)

-- 登録:平成24年03月 --