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教育課程部会(第81回) 議事録

1.日時

平成23年3月7日(月曜日) 9時~10時半

2.場所

中央合同庁舎第7号館 旧文部省庁舎6階 第2講堂

3.議題

  1. 教育課程部会長の選任等について
  2. 教育課程部会運営規則等について
  3. 新しい学習指導要領の実施について
  4. 理科教育設備基準等の改訂について
  5. その他

4.議事録

○新しい教育課程部会長について、無藤委員がふさわしい旨の発言があり、了承された。
○部会長代理について、無藤部会長から安彦委員の指名があった。
○事務局からの関係資料の説明の後、資料6のとおり初等中等教育分科会教育課程部会運営規則が了承された。

【無藤部会長】

  早速、議事に入りたいと思いますが、まず、事務局を代表して、山中初等中等教育局長にごあいさつをちょうだいしたいと思っております。
  お願いいたします。

【山中初等中等教育局長】

  文部科学省初等中等教育局長の山中でございます。今回、第6期の教育課程部会のスタートに当たりまして、一言ごあいさつさせていただきたいと思います。
  初等中等教育分科会教育課程部会の中には、1つは、教育の内容、幼稚園から高校まででございますけれど、この教育課程と、あと教員、だれが教えるのかという、その2つ、これが大きな柱でございます。特に教育内容という面では、新しい学習指導要領を前期の教育課程部会、中教審のほうでご議論いただきまして、そのスタートは、今年4月から小学校、また、中学校が次の年、その次の年から高等学校という形で、新しい学習指導要領が順次実施されていくということになっております。こういう教育内容をどういう形で具体的に実施していくのか、これからそれぞれの学校での取り組みが始まるわけでございますけれども、それをフォローアップしながら、また、これをどういうふうに新しい時代にこたえるものに変えていくかという点について、ぜひ皆様方のお知恵をいただければというふうに思っております。
  また、教育内容とともに、これをどういう形で教えていくのか。今、中教審あるいは文部科学省の中でも、教育の情報化を含めまして――情報化というのは、教育について、どういう形で今の情報化社会に対応していくのかという点と同時に、ICTを使っていかに教育を効果的に展開していくのかという、そういう検討も行っているところでございます。そうした検討や、ほかの検討も含めて、ぜひ教育課程部会のほうで新しい時代の中での教育のあり方についてご議論いただけたらと思います。
  また、今、初等中等教育分科会ではほかに、中高一貫でございますとか、小中一貫でございますとか、幼小の連携でございますとか、いろんな形での学校間の接続といったことも議論いただいております。そういうことにも関連いたしまして、教育課程、学習の内容というものについても、ご議論いただく機会があろうかと思っております。
  いずれにしても、新しい学習指導要領が、まず小学校で今年4月から開始され、順次新しいものが入っていく、また、そういう中であっても、グローバル化が進み、情報化が進む中で、常に見直していかなきゃならないという課題も多かろうと思います。皆様におかれましてはぜひ充実した議論をいただきまして、私ども文部科学省としてある意味基本になります初等中等教育の教育内容につきまして、ご指導いただければと思います。
  よろしくお願い申し上げます。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。
  それでは、部会長に選任されたということで、私からも、一言ですけれども、ごあいさつをさせていただきます。
  今、局長からもごあいさつの中にございましたけれども、小学校の学習指導要領の本格実施がこの4月から、また、中学は引き続いてその次の年度からであります。そういう意味では、この教育課程部会として、大きく教育課程そのものを動かすということは当分はないだろうと思いますけれども、しかし、教育課程が本格実施される中で、特に今回の改訂は、授業時間もふえ、内容も充実させる方向ですから、そういう意味では学校現場をさまざまな形でサポートする仕組みを拡充しなければならないのではないかというふうに思います。そういう意味で、教育課程部会に課せられた仕事もあろうと思います。
  また、これもお話ありましたけれども、教職課程、養成あるいは研修の充実ということが別の部会でも議論されているそうでありますけれども、それは大きく言えば教員の専門性の一層の向上という問題だろうと思いますので、そういう意味でも教育課程部会としてできるところを考えていきたいというふうに思っておりますので、どうぞご協力よろしくお願いいたします。
  それでは、早速ですけれども、議事に入っていきたいと思います。まず、今ごあいさつで申し上げましたけれども、学習指導要領改訂のことがありますので、それをめぐってということで、ご説明に行きたいと思います。
  中央教育審議会ではこれまで、教育課程部会を中心といたしまして、学習指導要領の改訂に向けた審議を本格的に行ってまいりました。その議論の結果が、平成20年1月ですけれども、中央教育審議会答申として既にまとまっており、文部科学大臣に答申いたしました。文部科学省としてそれを受けていただき、平成20年に幼稚園教育要領と小学校及び中学校の学習指導要領の改訂、また、平成21年に高等学校及び特別支援学校の学習指導要領の改訂を行いました。その後、第5期の教育課程部会において、新学習指導要領の実施に向けた課題などについて審議してまいったところであります。特に、第5期におきましては、児童生徒の学習評価のあり方について、教育課程部会のもとにワーキンググループを設置し、今後の学習評価のあり方についての方向性を示した「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」、これを平成22年3月、1年前でありますが、取りまとめたところであります。文部科学省としてそれを受けて、平成22年5月、小学校等の「児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について」という通知を発出しております。
  ということを受けまして、本日、特に今回は第6期初回の教育課程部会でありますし、また、本日から新たに審議にご参加いただいております委員の先生方も多くいらっしゃいますので、新しい学習指導要領について、これまでの検討の経緯、改訂のポイント、実施のスケジュールなどについて、ご説明をちょうだいしたいと思います。
  それでは、室長からお願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

  それでは、私のほうからご説明させていただきます。資料7をごらんください。資料7に、新学習指導要領関係資料といたしまして、資料をまとめております。これを使いまして、簡単にご説明させていただきたいと思います。
  まず、1ページ目をめくっていただきまして、学習指導要領の変遷を示させていただいております。学習指導要領につきましては、約10年ごとに、時々の課題等に応じまして改善しております。現行の学習指導要領につきましては平成10~11年に改訂され、小学校、中学校で14年度から実施されたものでございます。これを受けまして、今回、新しい学習指導要領がございます。
  次のページをごらんいただければと思います。学習指導要領改訂までのスケジュールですが、平成17年2月に文部科学大臣のほうから要請をさせていただきました。その後、平成18年12月に教育基本法の改正、それから平成19年6月に学校教育法の改正、このようなものを経てご審議いただきまして、平成19年11月7日に「審議のまとめ」をとりまとめていただき、それに関してヒアリングを行い、教育課程部会、初等中等教育分科会、それから総会のほうに上げていただいて、最終的に平成20年1月に答申という形でおまとめいただきました。その後、文部科学省のほうから案を公表し、国民から意見を募集した後で、先ほどご説明いただいたところでございますが、平成20年3月に小・中学校の学習指導要領というものを改訂させていただきました。同様に、平成21年3月に高等学校・特別支援学校の学習指導要領の改訂を行ってきたところでございます。
  次のページをごらんいただければと思います。学習指導要領の理念でございます。現行の学習指導要領におきまして、「基礎・基本を確実に身に付け、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力」、このようなものをはぐくむというような、確かな学力。それから、豊かな人間性、健康・体力、こういうものをバランスよくはぐくんでいくという、「生きる力」というものが基本理念になっております。このことに関しまして中央教育審議会教育課程部会におきましてさまざまご検討いただいたところ、やはり「生きる力」を育むことは、知識基盤社会の時代においてますます重要であろうということ。それから、教育基本法の改正ということ、学校法の改正ということ、このようなことを踏まえても、やはりこの「生きる力」の継承というものは重要なのではないかというようなご意見をいただいて、「生きる力」という基本理念の継承を行ったところでございます。
  ただ、次のページをごらんいただければと思いますが、そのようなことを踏まえた上で、どのような課題があるかということをさまざまご議論いただいたわけでございます。改訂の基本的な考え方というものは、「生きる力」を育成するとともに、知識・技能の習得、それから、思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視するとともに、それを実施するために授業時数を増加させる必要がある。このようなことも一つのポイントでございます。また、道徳教育、体育などの充実による、豊かな心、健やかな体の育成も図っているところでございます。
  このようなところを受けまして、授業時数の増加ということで、小学校につきましては、国語、社会、算数、理科、体育、これの授業時数を10%程度増加するとともに、週当たりを、低学年で週2こま、中・高学年で週1こま増加する、このような改訂を行っております。また、中学校におきましても、ほぼ同様でございますが、外国語も含めた6教科につきまして授業時数を実質10%程度増加し、各学年で週1こまの増加を図っているところでございます。
  また、このようなことを踏まえまして、教育内容の主な改善事項というところで、例えば国語をはじめとする各教科で、記録、説明、批評、論述、討論、このような学習を充実するというような言語活動の充実と、理数教育、伝統・文化に関する教育、道徳教育、それから、体験活動の充実などを図っております。加えまして、小学校に外国語活動を導入するなど、外国語教育の充実も図っているところでございます。
  次のページをちょっとごらんいただければと思います。高等学校の学習指導要領改訂のポイントに関しても、簡単にご説明させていただきます。今回の改訂の基本的な考え方、先ほど申し上げたような3点のことについては、小・中学校と変わるものではございません。ただ、2.の卒業単位数、必履修科目等については、非常にさまざまな子どもたちが高等学校に入学しているというようなことや、一方で、高等学校として共通性をどのように確保していくかというようなこと、その共通性と多様性のバランスを重視し、学習の基盤となる国語、数学、外国語に共通必履修科目を設定するとともに、理科の科目履修の柔軟性を向上するとしています。また同様に、義務教育段階の学習内容の確実な定着を図るための学習機会を設けることを促進するといった点も改訂のポイントでございます。
  次に、6ページ目をごらんいただければと思います。特別支援学校における学習指導要領の改訂につきましては、幼稚園、小学校、中学校、高等学校の教育課程の改善に準じた改善を行うとともに、障害の重度・重複化、多様化に対応した一人一人に応じた指導、これを一層充実する方向で、また、自立と社会参加を推進するための職業教育を充実するというポイントで改訂を行ったところでございます。
  次のページをごらんいただければと思います。スケジュールにつきましては、先ほど来ご紹介ございますように、小学校につきましては来年度から全面実施、中学校につきましては平成24年度から全面実施、高等学校につきましては平成25年度から全面実施ということになっております。ただ、8ページをごらんいただければと思いますが、小・中学校につきましては、総則や道徳など、直ちに実施可能なものにつきましては、既に先行実施されているところでございます。また、算数・数学、理科に関しては教材を整備して先行実施するとしているところでございます。また、一番下の小学校における外国語活動でございますが、5・6年生における外国語活動は各学校の裁量により授業時数を定めて実施することを可能にしています。
  それから、次のページをごらんいただければと思います。9ページ目でございます。高等学校・特別支援学校の実施スケジュールでございますが、こちらも、1.をごらんいただければと思いますが、同様に、総則、総合的な学習の時間、特別活動、このようなものに関しては本年度から実施されているところでございます。また、数学、理科に関しましては、先ほどご紹介申し上げましたが、中学校におきまして先行実施は平成21年度から始まっておりますので、平成24年度入学生につきましては、ほぼ新しい学習指導要領に対応した学習となります。そのため、平成24年度入学生からは、教科書を準備した上で、理科、数学に関して先行実施すると、このようなことにしているところでございます。また、特別支援学校につきましては、それぞれの実施スケジュールに準拠していくとしています。
  それから、次の10ページ以降に、先ほどちょっと簡単にご説明しましたが、それぞれの学校における標準授業時数が現行と改訂した後でどう変わっていくかを並べた表がございます。これについても、適宜ごらんいただければと思います。10ページ、11ページ、それから、12ページが高等学校の教科・科目というものに関しての現行と改訂後のものでございます。
  また、新たな学習指導要領の円滑な実施に向けた、文部科学省としての平成23年度の支援策をまとめております。左上をごらんいただければと思いますが、指導体制の整備というところで、新しい学習指導要領の本格実施に対応するために、23年度におきましては、小学校1年生において35人以下学級を制度化する、このような法律改正案を、今、国会のほうに提出させていただいているところでございます。また、右上をごらんいただければと思いますが、理科教育等設備整備費補助、このような教材費等の整備に関しましても、文部科学省として支援させていただいています。また、真ん中、各教科等の充実というところがございますが、例えば一番最後の右下でございますが、中学校武道の必修化に向けた条件整備をさせていただいておりまして、新学習指導要領の円滑な実施というところで予算的な支援策をさせていただいています。
  それから、14ページをごらんいただければと思います。先ほどの予算的な支援ということのほかに、新しい学習指導要領の趣旨を踏まえました、各学校で指導の参考にしていただく資料も作成させていただいています。例えば14ページの○の2番目のところをごらんいただければと思いますが、「言語活動の充実に関する指導事例集」の作成を行っております。思考力・判断力・表現力、このようなものをはぐくむ観点から、それぞれの教科などにおきまして言語活動を充実する際の基本的な考え方、言語の役割を踏まえた指導について解説するとともに、参考となる指導事例を収録しているものでございまして、本日、委員に就任いただきました髙木委員のほうに、編集会議の主査をお願いしているところでございます。それから、小学校の外国語活動に関する教材(英語ノート)、指導資料の作成などを行っております。
  それから、15ページをちょっとごらんいただければと思っております。平成23年度までに作成させていただくという資料に関しても載せておりますが、例えば、小学校の理科の観察・実験に関する手引書の作成について検討しているところでございます。これは、小学校におきまして観察・実験をより進めていただくという観点から、その使用方法等についての手引書を作成することを予定しているものでございます。
  最後に、16ページをごらんいただければと思います。16ページ以降で、折に触れてこちらの部会のほうにご報告させていただきましたが、学習指導要領のこれまでの周知・広報活動に関して、まとめさせていただいたものでございます。学習指導要領に関しましては、まず説明会・会議等を通じた周知を行っているところでございます。1枚目が幼稚園、次のページが小学校と中学校でございますが、基本的に周知のやり方といたしましては、例えば17ページの一番上の○をごらんいだたければと思いますが、平成20年度に小・中学校の新教育課程の説明会、中央説明会というものを中央で1回行わせていただきました。各都道府県の指導主事の方々にお集まりいただきまして、小・中学校、それぞれ約2,000名の方々にお集まりいただきまして、ご解説申し上げると。それを持ち帰っていただいて、それぞれの都道府県におきまして、地方説明会で、中央説明会での説明内容を伝達していただく、また協議していただく、そのようなことを行っているところでございます。
  19ページでございますが、教員へ学習指導要領の冊子を配布しました。今までは各自の先生方が学習指導要領をお買いいただいていたわけでございますが、それをすべての先生の方にお配りするというようなことをさせていただいております。
  また、最後に20ページをちょっとごらんいただければと思いますが、保護者・一般向けの方々への広報ということで、お手元にパンフレットがあろうかと思いますが、これの前のバージョンのものを小・中学校のすべての保護者に対して配布することを通じて、保護者・一般向けの広報を進めさせていただいているところでございます。
  長くなりましたが、以上でございます。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。基本的な事柄についてご説明いただいたわけでありますが、委員の皆様、十分ご承知のことだろうとは思いますけれども、改めて、今のご説明につきましてご質問あるいはご意見などあれば、ちょうだいしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  どうぞ、貝ノ瀨先生。

【貝ノ瀨委員】

  貝ノ瀨でございます。今のお話のように、この4月から新しい学習指導要領が小学校から順次全面実施されていくわけでございますけれども、そこで、お手元にこのリーフレット、「『子ども熟議』のすすめ」というものが配られていると思いますが、これは後でまた文科省のご担当のほうからお話があるかと思いますけれども、私とか村上さんがかかわったということで、ちょっとPRさせていただきたいと思っております。
  無藤部会長さんからも各学校のこれからの取り組みを部会としても強力にサポートしていく必要があるというふうなごあいさつがございましたけれども、その意味でも、学習指導要領の改訂のポイントであります言語活動の充実という、このことをしっかりとサポートしていくということのためには、ダイレクトには特別活動ですけれども、全教科・領域でもって言語活動が充実されていくということは、大事なことだろうというふうに思います。その意味で、まずは小学校でございますけれども、話し合い活動の中で熟議の手法を取り入れて、そして話し合い活動がより一層充実していくということのためのリーフレットでございますが、後ほどまた、中学校、高等学校というふうなことで順次作成してまいりますけれども、熟議についてまだ十分周知されてないところもございますが、こういうリーフレット等を通じて各学校でも取り組んでいってもらえるとありがたいということでございます。
  熟議については、文科省のほうも力を入れておりますけれども、熟議は、単なるツールというよりも、やはり生き方にかかわるわけでございまして、人間関係など自分を問い直しながら自分自身を成長させていくというプロセスでもあるわけでございまして、そういう意味でも有効なツールでございますので、むしろ学校外の一般社会でもこういった熟議文化が浸透していければなおいいかなと思っておりますが、ちょっとPRさせていただきたい。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。非常によく理解できたように思います。
  貝ノ瀨委員も含めて新任の委員の皆様が大勢いらっしゃるので、特に新任の先生を中心にご意見ちょうだいしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  そうしたら、相川委員、いかがでしょうか。どういうことでも結構なんですけれども、何かあれば。

【相川委員】

  私どもはPTAなんですが、実は、学習指導要領が変わるということは聞いてはいるんですけれども、なかなか保護者までは内容が浸透していないというのが現状だと思います。保護者は、時間がふえる、大変だ、先生は大変だと、この程度の認識しかないというのが現状ですので、もうちょっと学校を通して保護者のほうへも周知していただければありがたいと思います。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。
  それでは、五十嵐委員、いかがですか。

【五十嵐委員】

  五十嵐です。本校では、来月から始まる新学習指導要領に基づく教育課程について、今、最終的な詰めの準備をしているところです。同時に、今、保護者会が始まっていますので、先ほど相川委員がおっしゃられたように、保護者への、何度もやっているんですが、とりわけ4月からですということで、ご報告をさせていただいているところです。新学習指導要領には「生きる力」の教育を目指すということが理念として描かれているんですけれども、学習指導要領の性質上、目標と内容がメーンになっているというために、世間ではよく、教科書がこんなに厚くなるとか、授業時数がこんなにふえるということがかなりクローズアップされているような気がするんですが、私はこのことをちょっと心配しています。先ほど冒頭に山中局長がごあいさつされましたように、知識基盤社会を迎えて、新しい時代の要請にこたえる「生きる力」、子どもたちにこの力をつけさせるためには、理念を理念に終わらせることだけでなくて、現実的に実現するためには、私は、この示された内容をどのようにして教えるのか、そして子どもたちがどのようにして学んでいくのかという教授方法や学習方法をうんと大事にしていって、今こそ教育の質の向上に向けてそういう議論を重ねていくべきではないかなあというふうに考えています。そうでなくては、また量がふえるとかいうことで詰め込みになりかねないなというような、ちょっと懸念をしているところです。
  私の学校はコミュニティースクールなので、「生きる力」の基盤というのは学校だけではないということは十分わかっていますので、基本的な生活習慣を身につけたり、人とかかわる体験活動ということをもっと地域の人たちと充実させていこうという、この部分は協力していただきながら、学校では「生きる力」をはぐくむ授業をデザインしていくということで実践を始めているところです。一斉指導だけではなくて、子どもたち一人一人の能力や特性に応じた個別指導と、それから、どうやって子どもたちが教え合って学び合っていくのかというような、そういった授業を試行錯誤しながら取り組み始めているところなんですけれども、このような授業展開をちゃんとできるようにするためには、従来の指導力に加えて、やはりICTを活用した指導力というのがとても大事になるというふうに思っています。8月にたしか骨子として出された「教育の情報化ビジョン」で議論されたことだと思うんですけれども、今さらに論議が重ねられてよりよいものとしてまとめられつつありますので、ぜひこの成果を取り入れていただいて、「生きる力」を育てるための方法としてICTの活用を見直すこととか、あるいは、もう既にICT環境が整っていた学校では、何年生で何を学ぶのかという内容の配列についても変化が起こりそうだというような可能性も見え始めています。このあたりの点からは過去10年以上前のコンピュータの使い方とは全く異なっていますので、このあたりの教育のあり方について議論できたらいいなあというふうに期待をしているところです。
  長くなりまして、すみません。以上です。

【無藤部会長】

  具体的な方向づけ、ありがとうございました。
  それでは、川嶋委員、いかがですか。

【川嶋委員】

  私、こちらの初等中等教育分科会に関する会議は初めてですが、大学分科会のほうにこれまで所属しておりましたので、大学から見た初等中等教育のあり方といいますか、両者の関係について、二、三ご指摘させていただきたいと思います。
  すべて接続ということに関連しているわけですけれども、今回、高校の学習指導要領も、先ほどご説明ありましたように、変わることによって、接続という観点からいきますと、大学入試をどう考えていくかという非常に大きな問題が出ているわけでありますが、大学入試センター試験についても、これまでに幾つか関係する会議に出ておりますと、やはり高校関係者が考えておられます高校における基礎学力の考え方と大学関係者が考える学力のあり方というものの考え方にかなり隔たりがあるということもございますので、もちろんすべての高校生が大学へ進学するというわけではございませんけど、全入時代と言われて18歳人口の約6割近くが既に大学・短大等へ進学するという状況もありますので、今後、初等中等教育の学習内容を考えられる際には、高大接続、大学進学ということもぜひ考慮された上で、内容を吟味していただきたいということであります。
  それからもう1点は、これも接続に関することですが、冒頭に局長からごあいさつありましたように、今後、グローバルに活躍できる人材を育成するということが、これは我が国だけじゃなくて世界各国でも求められているわけですが、やはりその際、今、入試の点に絞ってお話ししましたけれども、どこかの教育段階だけでそういう人材が育成できるものではないことは確かですので、就学前教育も含めて高等教育まで一貫した我が国の人材養成のあり方ということも、この初等中等教育分科会と大学分科会の緊密な連携のもとに、ぜひご検討をお願いしたいというふうに考えております。
  以上です。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。高大接続も含めて、また校種間連携接続の問題、この部会に出ると思いますので、よろしくお願いいたします。
  それじゃあ、北城委員、よろしいでしょうか。

【北城委員】

  北城です。今出たお話にも関係するのですが、今ご説明いただいた資料7の3ページ目に学習指導要領の理念ということで「生きる力」と書かれている。ここに書いてあることは非常に的確だと思います。特に「自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する」ということは非常に重要なことです。しかし、大学の入試、特に有力校の入試において、「生きる力」を身につけた子どもが大学の入試で希望する学校に進めるのかというと、そうではなくて、出た問題を速く答える、それもかなり難しい問題を答える能力を発揮できる子どもが入学する。みずから行動しなどは、試験でわからない視点だと思います。したがって、大学の入試のあり方も考えないと、ここで書いた理念で育った子どもが希望する大学に進めないということになります。高等学校、特に有力校を目指す高等学校は2つの目的を求めて活動しなければならないということになります。1つはこの理念に書かれているような教育をするということと、もう1つは有力な大学に受かるための授業をすることです。この2つの目的を追うということは、好ましくないので、試験だけではなくて、大学に入学する選抜のあり方そのものまで変えていかないと、全体としては本来の初等中等教育の目指す目的が達成できないという点で、大学との連携の問題があります。そうすると、大学の改革までも考えないと、入試あるいは入学に当たっての学生選抜の仕組みの問題が解決できないのではないかと思います。
  それから2番目は、教える先生が非常に重要だということで、いかにすぐれた先生を選び、育成し、評価し、時には指導していくということは大事なことだと思います。教育に適さない先生が教育の場に携わるというのは、教えられる子どもにとっても不幸ですし、教える先生にとっても、ほかの分野で活躍できる方かもしれないと考えると不幸なことです。やはり教育に適さない方はほかのキャリアに進むような道を考えなければならないと思います。それは、現実にあるのですが、もっと的確に実行されなければならないと思います。このためには、学校運営の責任者の方にリーダーシップを発揮できるような権限を与えないと、現実に問題が解決できない。すなわち、人事の問題とか教員評価の問題についてかなり校長先生に権限を委譲しないと、すぐれた教員の育成ができないということです。
  3点目は、グローバルに関係することなのですが、グローバルに活躍できる人材を育てるということは、単に外国語教育だけではなくて、外国語も必要なのですが、外国語に加えて異文化の人たちとの交流ということも考えていかないと、なかなか日本人が国際社会で活躍できないと思います。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。今の3点、いずれも本部会の非常に大きな課題ですし、また、他の部会と連携し話し合いながら、ぜひこの2年間で何か成果を出したいと思います。よろしくお願いいたします。
  それでは、引き続きまして、國井委員、よろしいでしょうか。

【國井委員】

  私は、情報サービス分野におりますけれど、情報化について強化されるのは非常に有意義で、重要なことだと思っています。情報化というのは非常に奥が深く、単にそろばんレベルの情報化ではなくて、いろいろなイノベーションをやっていくツールとしての情報化もあります。数学レベルの教育を情報化という中ではやっていただきたいと思います。いろいろな教育が高校等々でも充実されつつあるとは聞いてますが、最近、ワードやエクセルを使うことが情報化のようにとられて、かえって誤解を招いているというお話が学術会議などでも出ております。そういう点、ご留意いただきたいと思います。
  それから国際化は、先ほどおっしゃいましたけれど、文化的な交流ということは多様性の中でも非常に重要だと思いますが、言語のスキルがないために、日本の技術者等々が、国際化の中で非常に苦労しているということもございますので、スキルレベルもきっちりと上げていく必要があると思います。
  それから、今現場で非常に強化しているのが、男女共同参画なんですね。これに関してはいろんなワーク・ライフ・バランス等々の活動がございますけれど、女性がより活躍できるようにしていくためには意識の問題が非常に大きい。これは北欧などの事例では小学校からずっとジェンダー教育をして25年間かけてやっと変わってきたというようなお話があります。私も現場でマネジャー教育等々、相当しておりますけれど、なかなか簡単に意識までは変わらないのが現実です。家庭科の共修が始まったジェネレーションからはかなりよくなっていますけれど、国際的に見たときにはまだかなりのギャップがございます。ぜひとも男女共同参画の意識の啓発というのを小学校の中から、これは今回あまり強調されていないので、この中でどう実現できるのか、私は十分わかっていないんですけれど、これは産業界から見て非常に重要な問題なので、お願いしたいと思います。
  あと、熟議というお話がありました。よく議論することは、民主主義の基本ですから、これが十分教育されて身につくことは非常に意義あることです。また産業界においても主体的に物を考える人が少なくて国際競争力がないという意味では、非常にうれしいことだと思っています。
  それから、最後に申し上げたいのは、これだけいろいろ多様なことがありますので、現場で先生方は大変だと思うんですね。専門性もいろいろ高まってきていますから、教育の現場へのいろんな支援が必要かと思います。人的リソースも必要かと思いますので、そういうことも配慮しながら推進していただければと思います。
  以上です。

【無藤部会長】

  どのポイントも、ぜひこの部会で議論したいと思います。ありがとうございます。
  それでは、髙木委員、よろしくお願いいたします。

【髙木委員】

  髙木でございます。私は、横浜国大の教育人間科学部の付属教育デザインセンターというところに勤務しておりまして、小・中学校、それから高等学校も含めまして学校にお伺いする機会が大変多うございますので、その中から感じたことを話させていただきたいと思っております。
  今一番感じておりますのは、小学校、中学校、高等学校の具体的な授業から変えていかないと、今回の学習指導要領の全面実施はなかなか対応し切れないのかな。特に、例えば中学・高校においてチョーク・アンド・トークの授業がまだまだ多くて、コミュニケーションを必要とした授業や、OECDの言うところのリテラシーの教育が、なかなか実現できてない状況がございます。確かにこれまでの日本の教育はよかった面がたくさんありまして、しかしその半面、今までがよかっただけに、どうしてもその保守性の中で、先生方も、それから保護者の方も、もっと言うと社会の方も、ご自身の原体験に依拠した学校教育のイメージがありまして、その原体験の枠からなかなか抜け出てないことが多いかなということを強く感じております。
  例えば今般の場合、特に言語活動の充実ということで、重要な事項の6項目の一番上に掲げております。特に理数教育の充実よりも言語活動の充実という形で出ておりまして、そのことは、今回、授業そのものとして考えていくときに、観点別評価を授業の中にどういうふうに取り入れていったらいいかというところと大きくかかわっていると思います。それは、先ほど出ました、昨年3月に出ました児童生徒の評価に関することとも関係してきますが、まだまだ学校現場ではこの観点別評価が十分には行き渡っていない面もあるかなという感じを持っております。特に高等学校はなかなか難しいなというところもあります。その中で今回、観点別評価の中に思考・判断・表現という観点の項目が出まして、特にその中の表現の項目につきましては、言語活動の充実が非常に大きくかかわってくる。そのことを考えると、今までのように1時間の授業の中で、導入・展開・まとめのような授業の中で観点別評価を行っていくことは非常に難しくなってくるだろう。そうなると、あるスパンの中で4観点を位置づけるような指導へ、指導方法、さらには指導内容を変えていく必要がある。このパラダイム転換がどういうふうに実現できるかが今回の学習指導要領が十分に機能する最大の課題になっているなというふうに、私は思います。まさに学校の毎日の授業からどういうふうに学力を変えていくかという、そこに大きく今回の学習指導要領は係ると思います。
  以上です。

【無藤部会長】

  まさに実践に基づくご指摘を、ありがとうございました。
  それでは、松本委員、いかがでしょうか。

【松本委員】

  私は、コミュニケーション教育学が専門なものですから、日本語における熟議という発想は、大変興味があります。それともう1つは、学習指導要領の外国語科の解説の執筆に携わらせていただいたのと、立教大学では国際経営学科で経営学のバイリンガル・エデュケーションのプログラムを担当している関係で、外国語教育に関して指導要領の実施に大変興味を持っております。
  それで、思考力・判断力・表現力ということについては、中等教育において外国語科が引っ張ってきたのではないかなという感じがします。これまでも指導法の改善ということでは、英語のほうは進んでいるような気がするんですね。ただ、まだまだであるということで、今回の学習指導要領では、高校では生徒中心の活動を行うということ、それから授業は基本的に英語で行うということで大胆な変革が示されたわけですけれども、現場の理解がどれほど進んでいるのかなというところが心配なところです。13ページから書かれている支援策、それから、視学官、調査官の先生方が全国を駆けめぐって指導を徹底されている関係上、かなり理解が深まってきているというふうに思っています。ただ、現場に対する支援ということに関しては、予算が今まで小学校に重点的に分配されてきたという感じが否めません。そういう意味で、高校への支援、特に以前のSELHiのような学校単位での支援というものをして、一人一人の先生の指導力を上げるということだけではなくて、学校単位でチームマネジメントができた上でどういう方向にこれから学校の教育を変えていくのかということを話し合って共有化して、そして指導を開発していくといったようなことが、あと2年しかありませんので、急がれるのではないかなというふうに思っています。
  それから、北城委員もおっしゃっていたように高大接続というのは非常に重要なポイントで、大学のほうで専門を英語で教えるということを始めて5年になりますけれども、やはり高校サイドが変わってもらわないとこちらの負担というのはものすごくあるものですから、教育の内容・指導法についての共有化、それから入学生の選抜の方法、これについても高校サイドと大学側がもっと話し合う機会を持たなければいけないというふうに思っておりますが、今一番心配なのはやはり、2年後に迫っている高等学校の学習指導要領の実施、これに向けた体制があまりにも不十分ではないかと、視学官、調査官の先生に随分負担をかけているのではないかというのが、私の危惧であります。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。外国語、特に英語教育、小・中・高、さらに大学まで展望して、大きな立場でご意見をちょうだいして、ありがとうございました。
  それでは、的川委員、いかがでしょうか。

【的川委員】

  的川でございます。私は、教育のプロではありませんで、こういう席でこういうお話をするのは恐縮なんですけれども、長いこと宇宙科学研究所というところに勤めておりまして、2003年からJAXAという組織になりました。宇宙航空研究開発機構ですね。その間はずっと大学生とか大学院生を相手にしておりましたので、3年前に現役からやっと開放されて、宇宙の現場からNPOをつくって、子ども・宇宙・未来の会というのをつくって、北海道から沖縄まで全国の子どもたちにダイレクトに接する機会が飛躍的にふえまして、そのお父さんやお母さん方ともいろいろお話をする中で一番気がついたことは、初等中等教育にかかわっている方々がターゲットにしている子どもたちの時代というのがおそらく人生の中で一番大切な時代なのかなというふうなことを非常に強く現場で感じるようになりました。おそらく人間というのは一生を生きている中でいろんな変化があるでしょうけれども、いろんな方とお話をすると、小学校の5年か6年ぐらいのときに人間が一番変わったというふうに言われる方が多くて、私自身の経験からもそんな感じはありますが、それで気がついて全国でいろんな方とお話をすると、皆さんそうおっしゃるんですね。平均値としてはそれぐらいに一番変わっている。つまり、自分が生きていく上で、例えば世の中のためになる人生を送りたいとか、ちょっと違った意味では、人を押しのけてでも出世したいとか、あるいは大金持ちになりたいとか、そういう一人一人の人生の基調になるような考え方・感じ方というのが小学校の5年や6年ぐらいのときにほとんどしみついて芽生えてきているということをほとんどの方がおっしゃいます。そういう意味では、初等中等教育のごく始めのほうの段階にものすごく大切な時代があるんだと。だから、小学校のときには、中学校の準備を単にしているだけではなくて、人の一生の中で最も大切な段階を今上がっているんだというふうな話を感じて、お父さんやお母さん方と話すと、若いお父さんやお母さん方ですから、非常にそれはよく感じ取っていただけるような感じがします。それが、非常に素朴な感想ですけれども、第一のことです。
  第二のことは、学習指導要領を先行実施されているところが多いということで、理科教育の場面で言うと、例えば、ちょうどそのころJAXAから、お月様の地平線からずっと地球を上ってくるような「かぐや」の映像が出たり、それから、ご存じの「はやぶさ」の帰還が去年ありまして、非常に全国の方々にいろんなインパクトがありました。そこで、学習指導要領の先行実施にまつわる話で、現場の先生方にいろいろなライセンスの話だとか新しい指導要領にまつわる話というのをあちこちで頼まれてやっていく間で感じたことは、学校現場の非常に厳しい状況と、それから、研究なり開発の大学なり研究所なり、そういうところでの現場の厳しい状況というのが、あまり切り結ばれていないという感じがします。学校現場ではそういう最先端の研究の情報を非常に欲しがっていらっしゃるんですけれども、なかなかそういう機会が全国で提供されてなくて、そういうところに行くとものすごい勢いで皆さんが集まっていらして、非常に高い関心を持っていらっしゃるので、これはもう少し組織的な取り組みをして、大学から小学校の先生ぐらいまでの仕組みをもう少しつくったほうがいいのではないかなという感じが、感想としてはしました。それが2つ目です。
  それから3つ目は、NPOその他の活動を通じて非常に感じるのは、学習指導要領の実施、実質化に当たっては、やはりお父さんやお母さん方の理解というのが大変大事で、学校現場での努力は先生方が非常にやっていらっしゃるということは痛いほどわかりますけれども、それが家庭の中に入って日常化されていく。「生きる力」にしても、いろいろな考え方の基本がですね。学校現場だけで養えるものではありませんので、ですから、家族のきずなというのでしょうか、今の日本が抱えている大変大事な問題に家族のきずながあると思いますが、そういう力を学校教育のこのたびの改訂を支える大きな力にしていく、そういう草の根の運動との連携というのが非常に大事なのではないかなという感想を持っております。私自身の活動もその一環としてやっているわけですけれども、社会教育と学校教育というのが支え合っていくような地域とか家族と学校との連携、そういう支え合いの体制を日本全体で津々浦々までつくっていくということが大変大切な課題になっているのかなと。
  ちょっと感想じみたお話ですけれども、以上です。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。家庭、あるいは研究者との結びつき、社会教育との関連、非常に大事な視点でご指摘いただき、ありがとうございました。
  では、最後ということで、村上委員もよろしくお願いいたします。

【村上委員】

  失礼いたします。村上です。先ほど貝ノ瀨委員からお話がありました「『子ども熟議』のすすめ」の作成に、かかわらせていただきました。学習指導要領の理念の実現に向けては、指導方法が大事になってくると思っています。この「熟議のすすめ」では、課題を設定して一人一人が意見を出し合って、小集団(グループ)で、また全体で熟考して話し合い、方向性を見出して行動化していくという、熟議のプロセスを大切にしています。
  私も、長い間、小学校で校長をしていまして、コミュニティースクール、言語力・、読解力の研究をしてきた経験から思いましたことは教科等の指導において、一斉授業が非常に多くを占めていますがやはり一人一人が意見を出し合って熟考するということでは、小グループで多くの考えを出し、交流して考えを深め、また、全体で交流して考えを深め方向を見出していくことが必要だということです。その中で、自主性、主体性、そして、意見を出し合ったことを分類したり整理したりして思考力も育っていきますし、相手を尊重する、人の話を受け止めないと自分の意見は出せないというような状況にもなりコミュニケーション力・対話力が育っていくものと思います。
  特別活動の中で「熟議のすすめ」が示されていますが、各教科等においても一つの指導方法として通じるものであると考えています。
  先日、小・中学生の「子ども熟議」をしました。中学生と小学生の混合グループでは中学生は小学生の意見を尊重し、わかりやすく進めようとします。また、小学生は中学生の意見を聞くことで視野も広がります。双方の子どもたちにとって得るものがあったと思っております。こうした熟議文化を広げていくことができたらと思っております。

【無藤部会長】

  子どもの思考力、コミュニケーション力の育成で熟議文化という新しい視点を出していただいて、ありがとうございました。
  ほかにいろいろあろうと思いますけれども、次の議題がございますのでここまでにさせていただいて、次のことに行きたいと思います。
  次に用意している議題は、理科教育設備基準等の改訂についてということで、ご審議いただきたいと思います。この件は、理科教育振興法及び同施行令によりまして、理科教育設備基準の細目につきまして、教育課程部会において審議するとなっております。ということで、本部会の議決をもって中央教育審議会の議決とするということであります。また、文部科学省では、「教材整備指針」といたしまして、理数以外の教材の基準(案)というのも作成しているということであります。そちらもあわせて、事務局からご説明をお願いいたします。

【平林教育課程課長】

  教育課程課長の平林でございます。まず私からは、理科教育設備基準の改訂につきまして、ご説明したいと思います。お手元の資料8-1をごらんいただければと思います。机上の参考資料もございます。そちらも参照していただければと思います。
  今ご説明ございましたように、国におきましては、公立または私立の学校の設置者が小・中・高等学校におきます理科教育、これには算数・数学も含まれますが、そのための設備につきまして法令に定める基準に達していないものについて、その基準にまで高めようとする場合においてはこれに要する経費の2分の1を予算の範囲内で補助するということが理科教育振興法において定められておりまして、それを受けまして政令におきましてその基準について理科教育のために通常必要なものとするというようなことが定められておりまして、さらに、その基準に関する細目につきましては中央教育審議会の議を経て文部科学省令で定めるということとなっているところでございます。この省令につきましては、これまでも学習指導要領の改訂にあわせて改正されてきたところでございます。現行においてもそうでございますし、このたび新しい学習指導要領が実施されるということがございますので、小学校、中学校につきまして、それぞれ必要な設備の整備の促進を図るために省令の内容の見直しを行うというものでございます。
  設備基準の改訂に当たりましては、玉川大学の山極先生を会長とする検討会におきまして検討をいただいたところでございます。平成21年3月から会議を開きまして、小学校・中学校、それから特別支援学校、それぞれ理科、算数・数学につきましての作業部会を設けまして、約40名の先生方にご協力いただきまして、専門的な検討を行ってまいったところでございます。
  その概要は、資料8-1の21ページ、一番最後のページをごらんいただければと思いますが、「今後の理科教育等設備の整備の在り方について(概要)」というような資料をお配りしております。そちらをごらんいただければと思います。
  この検討会におきましてはこの補助制度の運用面も含めまして幅広くご検討いただいたところでございますが、今回お諮りしております省令改正に関することについてご説明いたしますと、新学習指導要領の趣旨・内容に沿った指導が効果的に行われるために必要な設備につきまして、具体的な器具を想定していただきながら、品目、また数量をご検討いただきました。細かいということもございますので概要には載ってございませんが、例えば省令改正におきましては、小学校の理科におきまして、資料の3ページの下段に具体の省令が書かれてございますが、例えば物と重さであるとか風やゴムの働きということが今回の学習指導要領で追加されましたが、それを受けて小学校の理科の品目において新たに、物と重さの学習用具、さらに風やゴムの学習用具といったものを追加しているところでございます。
  さらに、その他の点について申し上げますと、また資料8-1の21ページをごらんいただければと思いますが、数量の改善ということがございます。これは、学校規模にかかわらず、すべての学校について同一の数量基準を適用することによって、より多くの学校で広く理科教育の設備が整備されるように促そうというものでございます。現行におきましては、大規模校において2つ以上の学級で同じ種類の授業が同時に行われるといったことも想定いたしまして、一律に通常の2倍の数量基準というものを大規模校に適用していたところでございますが、実際には大規模校でも通常校でも理科室の数というのはあまり変わっていないということであるとか、あるいは大規模校の多くの学校でも授業計画や時間割を工夫して同じ時間帯に同じ設備を使う授業が重ならないように対応されているということがございます。さらに、全国の学校の理科設備の整備状況というものを私どもは現有率という形で調べておりますが、それが20%を下回っているというようなことも踏まえまして、より多くの学校で広く必要な設備が整備されるように促すために、今回の改正を行いたいというふうに考えています。
  それからもう1つ、特別支援学校における障害種の区分というところがございます。現状におきましては、算数・数学につきましては、障害種の区分は、視覚特別支援学校、聴覚特別支援学校、養護特別支援学校、3つに分かれてございます。こちらにつきまして、理科と同様に、視覚特別支援学校、聴覚特別支援学校、知的特別支援学校、肢体等特別支援学校の4区分にしようというものでございます。改正の内容は、おおむね以上のとおりでございます。
  もう一度、資料8-1の1ページ目をごらんいただければと思います。今後のスケジュールといたしましては、この部会でご審議いただいた後にパブリックコメントにかけさせていただきまして、それを踏まえまして4月下旬以降の早い時期に省令改正をしたいと考えているところでございます。補助金の適用につきましては、新学習指導要領の全面実施にあわせまして、小学校の設備の基準については平成23年度分の国庫補助金から、中学校の設備につきましては平成24年度分の国庫補助金から適用するということを考えているところでございます。なお、高等学校につきましては、今度また検討していこうと考えてございます。
  以上でございます。

【丸山教育財政室長】

  教育財政室長の丸山でございます。私のほうからは、資料8-2によりまして、教材整備指針の案につきまして、ご説明をさせていただきたいと思います。
  まず、説明に入る前に、資料に一部誤植がございまして、修正をお願いしたいと思います。資料8-2の5ページでございます。教材関連の予算・地方財政措置というところの最初の箱でございますが、2点目で、これからご説明をさせていただきます一般教材につきまして、今、地方財政措置ということで平成21年度から23年度まで「新学習指導要領の円滑な実施のための教材整備緊急3カ年計画」を走らせているわけでございますが、ここで金額は2,451億円とございますけれども、2,459億円の誤りでございます。申しわけございません、修正方、よろしくお願いをしたいと思います。
  それでは、資料の1ページ目をごらんいただきたいと思います。今回の改訂の概要をまとめた資料でございます。まず、これまでの経緯ということでございますが、文部科学省におきましては、昭和42年の教材基準の策定以降、累次の学習指導要領の改訂を踏まえまして、これまで教材の整備基準を公表してきております。現行の基準は、平成10年改訂の学習指導要領を踏まえまして平成13年に策定をいたしました、教材機能別分類表でございます。
  今回の改訂のポイントでございますが、下にあります教材整備指針(案)の策定方針というところをごらんいただきたいと思います。ポイントとしては、4点ございます。まず1点目でございますが、今回の平成20年の学習指導要領を踏まえまして改訂していくということでございまして、小学校の外国語活動、中学校の武道の必修化などに関する教材を新たに例示するということとしております。
  それから、2点目でございますが、特別支援教育への対応でございます。LD、ADHDをはじめとしまして特別な支援を必要とする児童生徒が小・中学校に在籍をしているという現状を踏まえまして、小・中学校の教材整備指針に新たに特別支援教育に必要な教材を例示していくということとしております。
  それから、3点目でございますが、先ほど教育課程課長から説明がありましたが、理科の教材につきましては、別途の国庫補助があるということがございまして、現行の教材機能別分類表では理科の教材というものを例示していなかったわけでございますけれども、学校におきましてすべての教科等を通じた一体的な教材整備を促進していくという観点から、今回の教材整備指針(案)におきましては、理科に関する教材も含めて新たに例示をしていくということとしております。
  それから、最後、4点目でございますが、教材整備の目安の例示ということでございます。現行の機能別分類表ではいわゆる数量基準というものを明示していなかったわけなんですが、各市町村、学校から教材の整備目標を定める基準を設けてほしいという要望等がございましたので、その要望等を踏まえまして、各市町村、学校が教材の具体的な整備数量を定める際の参考としまして、例えばでございますが、学校当たりに1台でありますとか、学年当たりに1台とか、あるいは学級当たりに1台といった、教材の整備に当たっての目安というものを教材ごとに新たに例示をするということとしております。
  改正の内容は、おおむね以上のとおりでございます。
  それから、今後のスケジュールでございますが、資料の5ページに戻っていただいて、恐縮でございます。下段のところで今後の予定ということがございますけれども、理科の教育設備基準につきましては、省令の改正事項ということがございまして、本部会の付議を経た後、パブリックコメントに付すということが義務づけられているわけでございますけれども、この教材整備指針、これ自体はあくまでも文部科学省が一般的な指導助言の一環として作成をする参考の資料という位置づけ・性格でございまして、本部会のほうへも報告という取り扱いにさせていただいているところでございます。しかしながら、この教材整備指針は参考資料とはいえ今後の教材整備にも影響を与え得るものであるということから、任意の意見募集というものを一定期間設けまして、広く国民一般の方々のご意見をお伺いしたいと考えております。
  私のほうからは、以上でございます。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。
  ただいまの理科教育設備基準の細目、これは学習指導要領の改訂を踏まえて見直されたところであります。そして、今、ご説明もありましたけれども、補助金への適用は、学習指導要領の全面実施に合わせて、小学校は来年度から、そして中学校は平成24年度からということであります。
  ただいま事務局からご説明いただきました改訂案の審議を行いたいと思います。ご質問、ご意見等あれば、お願いいたします。いかがでしょうか。
  じゃあ、よろしくお願いします。

【室伏委員】

  室伏でございます。理科の教材のことについてお伺いします。私、これまで、理科教育、科学力の増進という場面で活動をしてまいりましたが、最近、SPP事業やSSHなど、理科教育に対する文部科学省等からの支援が高まって、子どもたちが将来、科学者や技術者を目指すような機運が大分高まってきておりますことに、感謝申し上げております。
  ただ、一般の学校での理科教育のレベルが、SPPあるいはSSHの対象校と比べるとかなり低調であるということを危惧しておりましたので、今回このような形で教材等が整備されるということはとてもよいことだと思っております。ぜひさらに進めていただきたい施策だと思います。
  ただ、ちょっと心配なことがあります。科学的な思考力、洞察力・想像力などをはぐくむためには、観察や実験が非常に重要です。そのときに、設備があっても、消耗品を購入するための資金がないと設備がむだになってしまうというようなことも起こり得るわけですね。私、これまでいろいろな学校に伺ったりして理科の先生方のお話を伺う機会がありましたが、実験をするための消耗品を買うお金がない、それでいろいろやりたいことはあってもできないのだというお話がありました。そんなときには、私たち、大学などの研究者が、器具、薬品などをお持ちして、そこでご一緒に実験をする形で進めておりました。子どもたちに感動を与えて、なぜだろう、どうしたらいいんだろうという、そういう思いを心の底から沸き立たせるためには、やはり理科教育においては観察と実験が非常に重要です。ぜひ、実験や観察が実施できるよう、消耗品購入に必要な資金の配分も、今後考えていっていただきたいと思います。全国の子どもたちの科学力のレベルアップを図って頂きたいですし、サイエンスを学ぶことで子どもたちの論理的思考力が非常に高まることがこれまでのさまざまな事例からもわかっておりますので、ぜひご配慮をお願いしたいと思っております。

【無藤部会長】

  大事なご指摘、ありがとうございます。
  事務局、何かありますか。

【平林教育課程課長】

  消耗品は、基本的には自治体それぞれで整備していただきたいなというふうに思ってございます。ただ、1点申し上げますと、この理科教育設備整備費補助金も、例えば少額の設備、小学校であれば1組1万円、中学校では2万円、高校では4万円という、それに達しないものについては補助対象外にしておったんですけれども、この移行期につきましてはそちらについても一応補助対象に入れましてその整備を進めてきたところでございますし、また、今回、理科教育じゃなくて一般教材の整備、先ほど財務課からご説明ありましたけれども、そちらのほうに理科教育の設備を入れ込んで、各学校で整備が進むように、我々としても取り組んでいきたいと思っているところでございます。

【無藤部会長】

  ありがとうございます。
  ほかに、ご意見。どうぞお願いいたします、渡久山委員。

【渡久山委員】

  この新指導要領に伴って、理科の教材、あるいは教材費を補助する、単価を上げるというのは、非常にいいことだと思うんですね。ただ、これは地方交付税化させているでしょう。地方交付税になっているんですね。従来は、地方交付税になっていると、各自治体の財政需要基準をほとんど満たしてないんだ。だから、例えば、今、図書費も、5ページに出ていましたけれども、1学校四十何万かあるんだけど、実際にはその基準に達していないところがあるんですね。いや、それだけ使ってないんですね。悪い言葉で言えば、自治体でピンはねしているわけですね。で、教育委員会、学校に回らない。こういうのがありますから、教材費をつくっても、あるいは図書費を措置しても、これが実際に学校には回らない。そういう面では非常に残念ながら、先ほど課長も言われたように、理科の設備の充実度というのは非常に低いですよね、基準から言われれば。そういうことがありますので、ぜひとも自治体でそうならないような指導をお願いしたいというのが1つです。
  もう1つは、理科の場合、実験実習というのが重視されますね、新しい指導要領では。特にそういう面では、人的な対象もなってはいるんですけど、非常に少ないんですね。そういう意味では、特に理科の場合、今、35人、あるいは40人で、中学校での理科の実験というのは大変なんです。1人の教員でやるのは、とてもできない。そういうことを考えて、ぜひ改善をお願いしたいと思います。
  以上です。

【無藤部会長】

  その点は、従来からも繰り返し出てきたところなので、また十分お考えいただきたいと思います。
  ほかにご意見ございますでしょうか。きょうのところはとりあえずよろしいでしょうか。
  それでは、ちょっと急ぐようで恐縮でございますが、基本的には、理科教育設備基準の改訂につきまして、当部会としては資料のとおりご了承ということでお願いしたいと思います。
  ということですので、手順といたしましては、今後、パブリックコメントを経て告示ということでございますので、よろしくお願いいたします。
  10時半までというのが本来の予定で、あと二、三分ということで厳しいのですが、まだ議事がありまして、少しだけ延ばさせていただくと思いますが、よろしくお願いいたします。
  急ぎますけれども、次でありますが、先般、中央教育審議会の答申として、「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」が取りまとめられましたが、この件について、生涯学習政策局政策課の上月課長からご説明をお願いしたいと思います。

【上月生涯学習政策局政策課長】

  失礼いたします。それでは、時間も押していますので、ごく簡単に説明させていただきたいと思います。
  資料9-1として、答申の概要をまとめさせていただいています。この審議の背景は、ご案内のとおり、学校から社会、学校から職業への接続について近年大変大きな問題となっておりまして、それらについて、幼稚園段階から高等教育段階まで幅広く、審議を約2年間行ったものをまとめたものでございます。
  資料の1枚目にありますように、この問題は、若者の問題だけではなく、社会全体の構造的な問題である中で、学校教育において改善すべき課題を整理したものでございます。キャリア教育につきましては「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てること」と定義し、職業教育につきましては「一定又は特定の職業に従事するために必要な知識、技能、能力や態度を育てる教育」と定義づけております。さらに、学校卒業後も、また学校教育等を通じて、生涯学習の観点に立ったキャリア形成支援の充実が必要だということも示しております。その際に、資料の右側にありますように、家庭、地域・社会、企業、経済団体等、さまざまな社会のセクターと連携・協力を密にしていく必要があるということを示しております。
  2枚目は、各学校段階、発達の段階に応じてキャリア教育を体系的に充実していく必要があるということを示しております。特に、この答申におきましては、18歳、基本的には高校卒業時に、自立的にキャリアを形成していく能力や態度、価値観を築いていくということを念頭に置いています。
  このため、3枚目にございますように、特に、約7割が進学しています高等学校の普通科において、学校によって、かなり進学シフトといいますか、上の大学に上げていくことに最も重点を置いて、必ずしも本人の目的意識、キャリア形成意識について不十分な点も見られるというご指摘もありまして、特に、高等学校の普通科におけるキャリア教育の充実の必要性について指摘をしております。
  また、4枚目、高等教育につきましては、現在5割以上が大学に進学しておりますが、大学・短大、高等専門学校、専門学校、それぞれの制度の目的に沿った職業教育の充実ということが言われております。特に大学におきましては、設置基準も平成22年度に改正されておりまして、就業力育成に重点を置いた教育課程内外の指導の充実を図ること、また、資料右下の3.にございますように、こういった大学の機能別分化を進めておりますが、さらに、学問ではなく職業を真正面からとらえた、それに特化した新しい枠組みについても、今後、総合的な検討が必要であるという指摘もされております。
  また、これに関連して、実は、生き方、在り方という観点で、先ほど、貝ノ瀨委員、村上委員、あるいは、國井委員、松本委員からご指摘ありました「子ども熟議」のパンフレットについて若干補足して申し上げますが、これについて、今回、小学校版を配布させていただくこととしておりますけれど、当然、中学校版、高校版についても、現在、事務局、あるいは関係の先生のご協力をいただきながら、作成の準備を進めております。また、それについては適宜報告もさせていただきたいと思います。
  以上でございます。

【無藤部会長】

  時間のない中、ありがとうございました。
  引き続きまして、もう1つ、ご報告でありますけれど、全国学力・学習状況調査等につきまして、初等中等教育局下間参事官からご説明をお願いいたします。

【下間参事官】

  失礼いたします。新しい動きということではございませんけれども、今回新たにご就任いただきました委員の皆様もいらっしゃいますので、簡単に、全国学力・学習状況調査、また、昨年12月のPISAの結果につきまして、ご説明申し上げたいと存じます。
  資料にページを振ってなくて恐縮でございますが、資料10でございますけれども、調査につきましては、ここにございますような、国際学力調査の結果に見られる学力や学習意欲の低下傾向でございますとか、個々の学校や地域の学力水準の検証に基づいた学力向上策を求める保護者や地域の声ということを背景といたしまして、17年10月の中央教育審議会の答申を踏まえ、専門家の会議におきまして調査の枠組み等を検討・策定いただきまして、教育課程部会報告を経て、19年4月から実施をしてございます。以降、毎年4月に実施をしているところでございます。
  2ページ目でございますが、平成19年度から21年度は毎年度、全国の小学校第6学年、中学校の第3学年の全児童生徒を対象に国語、算数・数学の2教科の悉皆調査を実施したところでございますけれども、平成22年度調査、昨年4月の調査でございますが、信頼性の高いデータが蓄積されてきたといったようなことなどを踏まえまして、調査方式を抽出調査に切りかえますとともに、抽出調査対象外になりましても、設置者、公立学校の場合には教育委員会でございますけれども、希望をすれば調査を利用できる希望利用方式として、全国で約74万人が参加をしているところでございます。その際、各都道府県教育委員会の教育施策の検証・改善を図るという観点から、公立の都道府県別の結果までを有意なレベルで把握できる精度(抽出率30%)で調査を実施いたしました。
  23年度以降の調査につきましては、本日ご欠席でございますけれども、梶田委員を座長といたします専門家会議におきまして現在検討中でございまして、昨年8月に中間のまとめをいただきました。それを踏まえまして、23年4月に実施をいたします23年度調査につきましては、22年度と同様に抽出調査及び希望利用方式で実施予定ということといたしてございます。24年度以降の調査のあり方につきましては現在検討中でございまして、24年度から理科を追加するといったようなことを含めまして、今年度内を目途に専門家会議の報告を得る予定でございます。
  3ページが本年4月実施の学力・学習状況調査の概要でございますけれども、最後のところにございますように、4月19日に実施をいたしまして、調査結果公表日は未定でございますけれども、昨年度は7月30日に公表いたしておりますので、それと同じ時期を目指して実施をしたいというふうに考えてございます。
  4ページ、5ページは、22年度の調査結果から少しご紹介したいということでございますけれども、全国学力・学習状況調査、主として知識に関する問題、いわゆるA問題と、それから、活用に関する問題、B問題というものを実施してございます。平行四辺形の面積を求める公式を理解し面積を求める問題についても、単にそれを知識として活用するA問題におきまして、19年度、20年度に実施をいたしました。19年度の正答率は96%ということでございますけれども、これを、公園の面積を求める、実は同じ考え方を用いるわけですが、地図上から必要な数字を読み取り面積を求めるという問題では正答率が18.2%と、知識を活用するといったようなことについて課題。また、A問題に戻りますけど、19年度、20年度とあるのですが、斜辺の長さを加えただけで10%以上の正答率の低下といったようなことがございます。このような活用に関する問題で課題が見られるというふうなこともございますし、基礎的な知識につきましても、しっかりとこれを活用していくというようなことで継続的な課題が見られるということでございます。
  6ページでございますが、調査結果につきましては、これを国あるいは各県・市の教育委員会、また学校において活用していただくということでございまして、教育委員会におきましてさまざま、域内の教育の改善に向けた取り組み、また学校において教育指導の改善に向けた取り組みを進めていただきまして、教育における継続的な検証改善サイクル、いわゆるPDCAのサイクルを確立するということを目指しているところでございます。明日の13時からこの部屋におきまして、文部科学省が各都道府県に委託をいたしました、こうした全国学力・学習状況調査の結果を活用したさまざまな改善モデルの取り組みにつきましての成果発表会などもいたしているところでございます。
  7ページからはPISAでございますけれども、PISAは義務教育修了段階の15歳児、日本で言いますと高校1年生が対象でございます。結果だけを申しますと、読解力を中心に我が国の生徒の学力は改善傾向ということでございますけれども、右下の表にございますように、成績トップレベルの国々と比べると、レベル1以下といった成績の下位層がまだ多いといったような課題もあるところでございます。
  8枚目は省略させていただきまして、9枚目でございますが、こうした中で、学習指導要領の着実な実施という中で、つまずきやすい内容の確実な習得を図るための繰り返し学習でございますとか、知識・技能を実際の場面で活用する活動の充実、観察・実験等の体験的な学習の充実などの理数教育の充実、また、言語活動の充実、教職員の定数の改善や習熟度別指導、少人数指導の実施、それから、引き続き全国学力・学習状況調査の実施と調査結果等を活用した教育の改善といったようなことを、国といたしましても政策として進めてまいりたいというふうに考えてございます。
  このような形で客観的データに基づく政策・教育指導の実施ということで、節目ごとにこの部会にも今後とも状況の報告をさせていただきますので、ご意見を賜りながら、よりよい調査を目指してまいりたいと思います。
  どうぞよろしくお願いいたします。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。
  今、2つ報告をいただきまして、本来であればいろいろご質問、ご意見をちょうだいしたいところでありますが、もう既に10分近く予定時刻を過ぎておりますので、ご質問、ご意見などは事務局にお寄せいただいて、ぜひ実質的に意味のあるものにしていただければと思います。
  ということで、最後は駆け足になって恐縮でございましたけれども、本日の予定の議事は一通り終了いたしました。最後でありますが、次回以降の予定につきまして、事務局からご説明をお願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

  次回の日程につきましては、部会長とご相談の上、追ってご連絡させていただきたいと思います。

【無藤部会長】

  ありがとうございました。
  時間が過ぎて、非常に申しわけございませんでした。それでは、これで本日の教育課程部会を終了させていただきます。ありがとうございました。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

電話番号:03-5253-4111(内線2369)

-- 登録:平成23年04月 --