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教育課程部会(第80回) 議事録

1.日時

平成22年9月30日(木曜日) 10時~11時半

2.場所

中央合同庁舎第7号館 旧文部省庁舎6階 第2講堂

3.議題

  1. 常用漢字表改定に伴う学校教育上の対応に関する専門家会議のまとめ(案)について
  2. 特別支援教育の在り方に関する特別委員会について
  3. その他

4.議事録

【梶田部会長】

 おはようございます。時間になりましたので、ただいまから第5期第6回教育課程部会を開会したいと思います。まだお二方ほど、今急いでいるというご連絡があるようです。追々おいでになると思いますので、始めたいと思います。
 本日の議題に入ります前に、このたび9月1日付で委員の方の交代がございましたので、ご紹介いたします。資料の1を見ていただきますと、これが新しい委員の方々の名簿でございます。日本経済団体連合会から日本電気特別顧問の藤江さんが委員として出ておられたわけですけれども、今度交替になりまして、やはり日本電気の副社長の岩波利光さんが委員としてお入りになることになりました。ただし、今日はご都合でご欠席ということであります。
 それでは、本日の配付資料につきまして、事務局から確認をお願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 失礼いたします。それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
 一番最初に、第5期第6回、第80回の議事次第があろうかと思います。こちらをごらんいただければと思いますが、非常に多くの資料がございますので、その冒頭だけご確認させていただきまして、説明に当たって、落丁等がありました場合には、お声がけいただければと思っております。
 まず、資料の一番目といたしまして、委員名簿がございます。
 それから、資料2-1から2-3ということで、常用漢字表改定に伴う学校教育上の対応についての関係資料がございます。
 それから、次のクリップどめをごらんいただければと思いますが、資料3-1から資料3-5まで特別支援教育の在り方に関する特別委員会についての関連資料がございます。
 それから、資料4-1から資料4-8まで、子ども・子育て新システムの基本制度案要綱というもので、こども指針に関します資料がございます。
 それから、次の資料5-1から5-3まで、新学習指導要領の円滑な実施に向けた支援策ということで、来年の概算要求の関係の資料がございます。
 落丁等がございましたら、適宜お申しつけいただければと思います。
 以上でございます。

【梶田部会長】

 今、資料について皆さんに説明をしていただきましたけれども、本日一番大きいのは、常用漢字表改定に伴う学校教育上の対応という問題です。これのまとめが昨日の専門家委員会で出されました。このまとめについてこの部会で皆さんのご意見をいただきたいと思います。これを実施する上では、学習指導要領を一部改訂しなければいけませんし、場合によっては、技術的に学校教育法に言葉を添えなければいけないというものもあるということでございます。
 そういうことで、本日は、この専門家会議の主査をお務めになられました広島大学の吉田先生にご出席いただいております。よろしくお願いいたします。

【吉田主査】

 吉田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。座ってよろしいですか。

【梶田部会長】

 どうぞ、座ってください。
 それでは、今日はそのほかに特別支援教育の在り方に関する特別委員会についての経過報告、そのほか幼保の問題とか、今進んでいることにつきまして幾つかご報告があり、また皆さんにご意見をいただくということになっております。
 それでは、最初に、常用漢字表改定の問題について意見交換をしたいと思います。これは文化審議会で決定されて、これを専門家会議で教育的にどうこなすか、ということで議論していただいてきたわけですが、このまとめが出たということでございます。これをこの教育課程部会で議論した後、パブリックコメントにかけて、その後、内閣告示という運びになるということであります。
 皆さんよくご承知のように、学習指導要領の扱いには、この教育課程部会が責任を持っております。そういう意味では、専門家会議のまとめを受けて、今日最終的に、学習指導要領にどう盛り込むかということを決めていく、という運びになるかと思います。
 けさの各新聞にかなり詳しく出ておりますが、報道されているところのは一部分のみを、それぞれ大事だと思われたところを取り上げているということがございますので、今日はまずご出席いただいております専門家会議主査の吉田先生から、この全体像についてお話をいただき、あと詳しく、資料に基づいて事務局からご説明いただくということにしたいと思います。
 それでは、吉田先生、お願いいたします。

【吉田主査】

 吉田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。ちょっと長い名前の専門家会議なんですけれども、常用漢字表改定に伴う学校教育上の対応に関する専門家会議という会議を、今年6月に文化審議会から答申されました改定常用漢字表の内閣告示に備えて、11月ごろにもとお聞きしておりますけれども、要するに、学校教育の対応をどうするかということを仰せつかった会議でございます。
 7月以降、3カ月間に6回、昨日が6回目でしたけれども、6回にわたって検討を行いました。そして、後ほどの資料にありますようなまとめを昨日局長にお出ししたということでございます。
 梶田先生からもお話がありましたけれども、この中身が学習指導要領の一部改訂にもかかわるというところがございますので、概略だけになりますけれども、私のほうでご報告し、またご検討いただきたいと思っております。
 まとめの中では、常用漢字表というのがそもそも一般の社会生活で用います漢字使用の目安、拘束だとかということも話題に取り上げられることがありますけれども、あくまで漢字使用の目安という形で出されています。
 この性格を踏まえて、学校教育でどのようにしていくのかということを、これを直ちにというわけにはいきませんから、準備期間なども考えて、できるだけ速やかに、可及的速やかにという言葉がありますけれども、それに沿ってまとめたというのがその概要でございます。
 まとめの中身としましては、大きく3つに分かれていまして、次のプリントにもありますけれども、四角の枠でくくっています各学校段階における対応、これが私どもの一番中心の仕事ですけれども、小学校でどうなるのか、中学校でどうなるのか、高等学校でどうなるのか、この小・中・高での対応というのをまず中心に考えました。
 それから、2つ目には、漢字は読む側面と書く側面とがあるんですけれども、特に書くときに、はねるとか、とめるとか、そういった細かいところがあって、一体これはどのように標準がつくられ、どのように評価していくのかというのが極めて大きな、また厳密な意味での問題になってくるものですから、ここのところについては集中審議をしたというのが、その2つ目の大きな項目でございます。
 それから、最後に、3つ目の項目としましては、関連する事項と枠組みで載せてありますけれども、こうして改革がなされていけば、学校に何らかの指導の参考資料が必要だろうということで、その参考資料について、幾つかのものを取り上げたということでございます。
 今、概要の概要を申し述べました。各学校段階の、小学校で、中学校で、高等学校でどうなのかというところのもう少し概要を申し上げます。小学校につきましては、ご承知のように、小学校の学習指導要領の国語編の最後のところに、学年別漢字配当表という一覧表を載せております。1,006字、6学年に分けて一覧になっているものでございますけれども、これがありますから、小学校の場合はこれに基づいて読み書きが行われると。時数のことについては、また後で事務局から詳しくご報告してもらいます。
 それから、中学校では、書くことは小学校の学年別漢字配当表に沿いますので、これまでと影響はありませんけれども、読むほうは、常用漢字表が196字増えますので、これはやはり何らかの形で配分しなければいけない。3年間に配分するということが出てまいります。それでその配分の仕方を考えましたというのが、中学校での1つの提案でございます。ここのところが学習指導要領にもかかわってくるということになります。
 高等学校は、読む、書くの両側面ともほぼ現行どおりという形になりますけれども、ご承知のように、高等学校は、進学を考えたり、就職を考えたり、あるいは中学校までの基礎学力をさらに定着させるというようなさまざまな生徒がいるという実態を考慮して、主な常用漢字が読めるという形になっていますが、主な漢字の範囲は示したほうがいいんじゃないかという案もありましたけれども、その多様性を考慮しながら、現場に任せると、現実の学校の性格や生徒の実態によって、学校が判断するというような形で結論を出しました。
 それから、書くことについては、手書きをどうするかという問題は、ほんとうに奥深いというんでしょうか、議論が尽きないところがありましたけれども、これについてはまた後で事務局から具体的なお話をいただきたいと思います。ここについては、かなり慎重に、しかも長い時間を使って議論をしたということであります。「辶」をどうするかというあたりが中心でございました。
 それから、関連する事項としましては、教科書をどうするのか、とりわけ国語の教科書、使える漢字が増えるということになると、それにどのように対応していくのか、それから、高等学校、あるいは大学の入学試験への影響も出てまいります。これをどうするのかということについての話し合いもして、一定の結論を得ております。
 最後に、一体これをいつから行うのかということで、平成24年度から、つまり、中学校の学習指導要領の全面改訂実施にあわせて、これを実施したいという成案を得ました。これを昨日文書の形で専門家会議からのまとめとして局長にお渡ししたというところでございます。
 では、この後は平林課長から具体的なご説明をいただきたいと思います。

【梶田部会長】

 続いて、平林課長、お願いいたします。

【平林教育課程課長】

 それでは、補足させていただきます。資料2-1の概要をごらんいただければと思います。まず、改定常用漢字表の対応ということで、各学校段階における対応としまして、小学校につきましては、今、主査からのお話にございましたように、小学校では国語で学年別漢字配当表1,006字が掲げられておりますが、こちらにつきましては、小学校は来年度から新学習指導要領が実施される等がございますので、今後継続して検討しようということとなりまして、当面はこの配当表に基づいて指導するというような内容になっております。
 それから、中学校でございますが、中学校の「書き」の指導は、この学年別漢字配当表について使いなれるという新しい指導要領になっておりますけれども、配当表が今後継続して検討ということですから、現行どおりの指導を行っていくという内容になっております。
 それから、「読み」の指導についてでございますが、現行学習指導要領、また新しい学習指導要領におきましても、ここにございますように、各学年に字数を示しているところでございます。第3学年には最終的には常用漢字の大体を読むということになっております。
 こちらにつきましては、今回常用漢字表で196字が追加されることになりますが、各学年にそれぞれ配当するという形で幅を持たせて、例えば、第1学年であれば、250字から300字程度というものを、300字程度から400字程度と改めるというふうに、各学年に追加して指導するという内容になっております。
 それから、改定の時期も、主査からございましたように、中学校の新学習指導要領の実施が平成24年度からということがございますので、それにあわせて新しい改定常用漢字表に基づく指導を行っていこうということになっております。平成23年度までは、従来どおりでございますが、必要に応じて適宜指導ができるようにしようという内容になってございます。
 それから、高等学校についてでございます。高等学校におきましては、現行、また新しい学習指導要領におきまして、常用漢字の読みになれ、主な常用漢字が書けるようになることを指導することになっておりまして、こちらにつきましては、新しく改定された常用漢字表に基づいて、その指導を行っていくという内容になっております。
 なお、今も主査からございましたように、「書き」の指導、主な常用漢字について書けるようになることを指導することになっております。今回の改定常用漢字表につきましては、その性格について、次のページの下に注で掲げられておりますけれども、情報機器が一般化しているといった中では、新しい常用漢字表に掲げられるすべての漢字を手書きできる必要はなく、またそれを求めるものではないといった文化審議会の答申がございますので、そういった内容を踏まえまして、主な常用漢字の範囲を一律に示すことよりも、こういった性格を十分に周知することで、それぞれの学校の制度の実態に応じて指導できるようにするといったことが必要であろうという文になっております。
 それから、高等学校におきましても、中学校と同時期の平成24年度から実施し、同様に、平成23年度までは従来どおりですけれども、適宜指導ができるようにするといった内容になってございます。
 1枚めくっていただきますと、2ページ目の上のほうでございます。学校教育における筆写の取り扱いについてでございます。多少詳しく申し上げますと、次の資料2-2の10ページ目をごらんいただければと思います。資料2と上に書いてあるものでございまして、こちらの文化審議会答申からの抜粋でございますが、それぞれの漢字の左側の列にあるのが、明朝体で示された今回新しく加わった漢字でございますが、それにならって手書きしたものが、括弧書きに掲げられております。そういった漢字と、実際に筆写で、楷書で字形というものが括弧の外に掲げられておりますが、それらの字形が異なっている場合が幾つかございまして、その場合、どちらで指導したらいいのかと。
 文化審議会答申では、どちらでもよいという答申をいただいておりますけれども、学校現場ではそれをどうしたらいいかというようなことが議論になりまして、この専門家会議におきましては、ちょっと戻っていただきますと、2ページ目の上のほうでございますが、そういった字体の違いに及ぶものについての楷書の指導につきましては、書きの指導という点では、特に高等学校が問題になるわけですけれども、主査のお話にもございましたように、多様な生徒が学んでいるということもございまして、高等学校においては特に筆写の指導において、標準とする字形を示すということはしないで、それぞれの実態に応じて適切に指導するといったことが適当であるという提言をいただいております。
 また、中学校におきましては、直接「書き」の指導ということではなくて、読みの指導の中で、手書きなりを行っていくことになると思いますけれども、こちらにつきましては、教科書が明朝体で記述されているということも踏まえまして、これまでと同じように、印刷の字形にならって指導するということを標準とすることが適当であるという提言をいただいております。
 いずれにしても、児童生徒が書いた漢字の評価につきましては、指導した字形以外の字形であっても、柔軟に評価するといったことが適当であるという提言をいただきました。
 それから、関連する事項として3点ほどございます。1つは教科書でございますが、先ほど平成24年度から改定された常用漢字表ということでございますので、平成24年度以降に使用する中学校、高等学校の国語の教科書につきましては、巻末に改訂常用漢字表、あるいは追加された漢字の一覧を掲載していただくことをお願いしようと。また、それに基づく新しい表記につきましては、平成24年度以降、適宜行っていく等々、段階的な措置をとっていただくということをお願いしようということでございます。
 それから、高等学校及び大学の入学者選抜におきましては、平成24年度から実施することを踏まえまして、改定常用漢字表の範囲での出題は平成27年度の入学者選抜から行うといったこと、またさらに先ほど申し上げた改定常用漢字表の性格、すべての漢字を書くことを求めるものではないといった考え方を関係者に十分周知するといったことを、出題に当たっては配慮していただくことを求めていこうということでございまして、大学の関係者と高等学校の関係者の協議をお願いしたいということでございます。
 それから、最後に3点目のその他として、文部科学省におきましても、改定常用漢字表の指導に資するような資料を作成することを検討していこうということと、追加された字種の音訓につきましては、現在目安として、小・中・高等学校のどの段階で指導したらよいかといった割り振り表を目安として示しておりますけれども、そちらにも速やかに追加を行って、皆さん方のご指導の参考にしていただこうということを考えてございます。
 なお、こういったまとめを踏まえまして、資料2-3をごらんいただければと思いますが、中学校学習指導要領の改訂が必要になろうかと思っておりまして、先ほど申し上げました各学年の配当字数変更といった内容の学習指導要領改正を、常用漢字表の内閣告示にあわせて実施したいと考えておりまして、この後、これをパブリックコメントにかけて意見を聴取していこうということを考えてございます。
 以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 今、吉田先生、そして、平林課長にご説明いただきましたように、常用漢字が増えます。ただし、小学校では基本的に変えない。中学校では、増えた百十何字について、読みを学年ごとにうまく割り振って読めるようにしていこうと。高等学校は、全部というわけではないけれども、読み、書き、特に書くほうは主なものだけということにしようと。ただし、何が主なものかということはあえて示さない。そういうことでいってはどうかという考え方です。
 ただし、ご承知のように、学習指導要領は、今は最低基準ですから、小学校では改めないといっても、もちろん現場の判断で、秋になったから、「柿」や「梨」がおいしかったという書き方を指導してもいい。「柿」や「梨」は今度新しくつけ加わったものですが、こういう字をやって悪くはない。あるいは地名で、岡山の「岡」とか、岐阜の「阜」とか、そういうのは今まで常用漢字に入っていなかったんです。ですから、松川先生も来ておられますが、岐阜県とか、岐阜市とこれから小学校で使っても、それは悪くはない。悪くはないんですけれども、最低限のものとしては、一応今の学年別配当のまま小学校ではやっていこうと。中学校は、読みということで若干学習指導要領を変えて、増やしていこうと。高等学校は、書くというところで、主な漢字をとる、こういう内容でございます。
 今この資料にございますように、「辶」の書き方なんかもあまり細かく言わない。印刷文字と書く文字が慣用的に違う場合がありますから、あんまりうるさいことは言わないという、かなり実態に配慮した、ほんとうに細かい配慮をしていただいたまとめが出されたんじゃないか、という印象を私は持って今伺いました。
 ということで、皆さんでどういう点からでも結構です。ご質問、ご意見があれば、お願いしたいと思います。この資料の9ページに、新しい常用漢字表で何が加わったかというのが示されています。これもまたちょっとごらんいただきまして、これは文化審議会が決めたものですけれども。

【苅部委員】

 すみません、よろしいですか。

【梶田部会長】

 はい、苅部先生。

【苅部委員】

 このご報告そのものには異論ありませんが、今後検討したほうがいいのではないかと思いついたことを、1点だけ申し上げます。漢字を日常的に使っている国は、日本だけではありません。中国・台湾・韓国でも使っている。しかし、中国の場合は、日本の常用漢字とはまた別の略し方をした、簡体字を用いている。台湾と韓国は、康煕字典の正字体、日本で言う旧字体を使っていますね。つまり、同じ漢字文化圏の中でも、3つの異なる字体が常用されている状態になっています。ですから、教育段階のどこかで、国際的には3つの字体が使われているということを、理解させる工夫があったほうが、国際理解のためにも、今後はいいんじゃないかと思います。また、現実問題としても、日本国籍を持った児童でも、小学校の教育は中国で受けて、こちらの中学校に入ってきて戸惑うという事例も、今後は多くなってくるでしょう。
 つまり、同じ字でも、3種類の異なる字体を、東アジアで使っているという事実。そういう簡体字や正字体を、読み書きできる能力は、児童全員には必要ないと思いますが、違う字体があるということ自体を、簡単に教えることを、どこかの教育段階にとりいれてもいいと思うんです。これはひょっとすると国語教育ではなくて、社会科教育の課題になるのかもしれません。その辺はわかりませんが、今後の検討課題として考えていただければと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 非常に大事なご指摘だと思います。今、観光客向けの看板などに、日本の漢字で書いてあるもの、中国の簡体字で書いてあるもの、それから、今の台湾、韓国、香港で使っている昔の字体、これがもとからいうと正式なんでしょうけれども、これで書いてあるものがあります。これが日本の町々で、いろいろなところで見かけられます。
 ですから、これは国語科の中でトピックス的に扱っていくのか、あるいは社会科の中で扱っていくのか、扱いはいろいろとあるかもしれませんが、今、苅部先生がおっしゃっていただいたように、これは我々、ちょっと考えていったほうがいい問題かなと思います。ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょう。荒瀬先生。

【荒瀬委員】

 ありがとうございます。
 私もよいまとめ方をしていただいたと思うんですけれども、日本人の国民性ということも考えますと、例えば、高等学校において柔軟に対応するとありますが、柔軟に対応するというのが極めて難問でありまして、いいかげんでいいみたいにもとられかねません。特に、高等学校や大学の入学試験ということになると、一体どう対応されるのかということがよくわからないということになってきます。
 その点については大丈夫ですということを広く全体に伝えていただかないと、不信感が出てしまいます。そういうところへ極端なことを言う受験産業のから、ほんとうはこう書かなければいけないのに、学校ではこう教えているとかといったことで、要らぬ誤解や不安をあおるような発言があったりしかねませんので、そのあたりをぜひよろしく押さえていただきたいと思います。
 また、教育委員会から各学校に伝わるときに、指示や指導が揺れてしまうことが往々にしてありますので、どういう形で周知していくのかということをぜひご検討いただいて、これは文部科学省にお願いすることかと考えますがが、よろしくお願いしたいと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 今、御発言の前半にありました高等学校での柔軟な扱いを、例えば、入試なんかでは実際にどういうふうにこなしていくかというようなことで、専門家会議で大分議論があったようにも伺っておりますが、吉田先生、何かあればお願いします。

【吉田主査】

 いろいろなご意見をいただきまして、ありがとうございました。
 当面は柔軟に対応するということの中身と、ほんとうにそれで対応できるかどうかということだろうと思うんですけれども、柔軟に対応するというのは、その場、その場に適切に対応していこうという、それをまとめて表現したときに、柔軟にという形で言葉としては使ったように理解しております。だから、一部の解釈として、いいかげんにというつもりはもちろんございません。
 例えば、先ほど申し上げました進学ということになれば、進学というところに即して、適切さを求めていく。就職を特に求めている生徒に対してはそちらのほうで、ご存じのように、全日制、あるいは定時制、さらには専門学科というような形で、文字通り多様にとしか表現できないようなたくさんの専攻がございますので、その子供たちごとに合うような形で、適合、適切、ぴったり、そういう方向を求めて行いたいというのが本音でございました。そうは言いながら、委員がご指摘の、こうやって私どもが考えたものが、実際にいろいろな形で媒介しながら生徒に行き着くまでに、それがねらいどおりに達成できていくのかということについては、資料、あるいは広報だとかを適切に行って、これもほんとうに言葉だけになってはまずいですけれども、周知徹底を図っていくような努力をしていきたいと思っております。どうもありがとうございました。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 はい、まず、荒瀬先生。

【荒瀬委員】

 何度もすみません。確かにおっしゃるとおりなんですが、例えば、高等学校の普通科の中でも、いわゆる進学校とか、そうでない学校とかというので、1つの漢字の書き方が変わっても構わないということは、どうなんだろうかというのを、高等学校の現場の感覚としては根強く思います。
 具体的に支障が出る場合が考えられまして、例えば、就職をする生徒たちが多いから、これは大変誤解を生むような表現をいたしますけれども、漢字が十分正確に書けなくても別に構わないとしてしまうと、実は入社試験で漢字のテストが往々にして出るわけでありまして、その際に正解が書けないということになってしまう可能性が出てきます。
 あるいはまた、そういった企業、特に、これも誤解を生むようなことを申し上げますけれども、大手の企業ならば、連絡は十分に行き届いている可能性もあるかもしれないけれども、中小企業であって、特に年齢的に高い人が採点をするといった具体的な場面を考えますと、そのあたりの周知というのも十分にしていかなければいけないだろうと思います。
 点を打つか、打たないかとか、画数が1つ、2つ変わるか、変わらないかということや、はねをどうするかといった細かい点はもういいことにしましょうというのは、1つの考え方で、それについて私は異を唱えるものではありませんが、現実問題として、いろいろな支障が生まれる可能性があるということについては、配慮しておかなければいけないということを思っています。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 文部科学省で学校に趣旨をお伝えいただくときに、今のように、現場に行くと、厳格過ぎるぐらいに厳格にやろうという方がまた出てきたりする場合がありますので、このまとめの「柔軟に」ということの大事さはあると思うんです。これがよく伝わるようにしていただきたい。また、文部科学省はこれから、企業にも、社会にもこの趣旨をご理解していただく努力をしていただくということになるかと思いますが、その際にも、今、荒瀬先生がご指摘のような点を十分頭に置いてということで、よろしくお願いしたいと思います。
 現場から新藤先生、もう1つ。

【新藤委員】

 全日本中学校長会の新藤でございます。ありがとうございます。今回示されたまとめについては、特に異論はございません。中学校としてもこれにのっとって、きちっとやっていきたいと思っています。
 ただ、そのときに、ちょっと懸念いたしますのが、教科書の問題です。今手元にある教科書会社の中学校1年から3年生までの新出漢字の扱いの資料を自分で整理してみたんですが、実は小学校で学んだ1,006字を除いた939字が原則的には中学校で扱われるわけですけれども、そのうちの約3分の1の漢字が、漢字だけの、取り立てのページというのがありまして、1ページ、ないし2ページ仕立てのところに詰め込まれている。
 短文だけでも、実際に文の中で使われている形で示されていればいいんですが、熟語だけがぽんと裸で示されていたり、まるでクイズのように、漢字が1字ずつぽんぽんぽんと並んでいて、さあ、どれとどれを組み合わせると熟語になるでしょうみたいなクイズ形式になっている。
 しかも、中学生にとってはほとんど目にすることがないような語彙を無理やりされている。中学校の段階で、教科書、あるいは中学生向けにつくられた印刷物等の中ではほとんど見ることがないような字をそういう形で与えられた場合、子供たちの負担感というか、逆に言えば、漢字に対する抵抗感が増すのではないかと懸念しています。
 新しい学習指導要領では、中学2年生ぐらいまでの段階で、ある程度の漢字が読めるようになるということになっています。そうすると、当然教科書の漢字のページが増え、漢字だけの取り立てのページにたくさんの漢字が入ることになります。しかも今度新しく加わった漢字を見ますと、既に一般社会では十分通用していて、子供たちも十分見て知っているという漢字よりは、そうでない字が多いですから、これもそこへぼんぼん入ってきますと、ますます負担感を増すのではないかと懸念しています。
 そういう意味では、教科書のつくり方について十分配慮していただかなければいけない。あるいは教科書だけではない、この「まとめ」の中にも「適切な指導に関する資料等も作成する方向が必要でないか」と示されていますが、まさにそのとおりで、こういうものを、ほんとうに中学校の教員も含めて、知恵を出し合って、いいものをつくって、子供たちの漢字に対する意識を変えないと、せっかく、新しい学習指導要領で単なる「言語事項」から、「伝統的言語文化及び国語の特質に関する事項」という明確なものになったにもかかわらず、漢字の指導がお粗末になっては、ほんとうに子供たちの負担を増やすだけだと思います。この辺のところは、国語教員の意識の問題も含めて、しっかりと考えていきたいと思っています。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 今の点、解説書をつくるという話、それから、新しい教科書については、平成24年度版については、今、検定作業が進んでいて、もう間に合わない点が多いと思いますが、完全にやるのはその次の教科書、平成26年版からですから、ぜひまた、今日は視学官、主任視学官の先生方もおいでいただいておりますので、その辺でまた教科書会社に上手にご助言をいただければと思います。
 それでは、天笠先生。

【天笠委員】

 失礼します。研究開発学校の取り組みとして、小・中学校9年間合わせたカリキュラムの開発というのが、この10年ぐらい積み重ねられています。また、そういうところに取り組もうと手を挙げる学校も少なくないんですけれども、そういうところの取り組みとして、今日ここでご提案されたテーマというのもまた大変大切なテーマになるのかなと聞かせていただきました。
 というのは、今回ご提案されたのが、中学校1年生、2年生に196字増加分についての吸収という位置づけなわけですけれども、これも1つの考え方だと思いますし、196字をこういう形で位置づける、吸収するということを前提にした場合の1つの考え方だと思うんですけれども、9年間のカリキュラムという観点からすると、例えば、小学校5年生ぐらいからということもあると思いますし、これでいきますと、中1がかなり、小6と、いわゆる段差というんでしょうか、国語の漢字に対応ということも出てくるんじゃないかと思うんです。一方においては、なだらかな指導ということも、9年間のカリキュラムの中では指摘されている点でありますので、そういう点では、幾つかの対応の仕方というのが、カリキュラム等々もあり得る話ではないかと。
 大きな方針として、これが示されてと、これを前提にした上で幾つかのカリキュラム開発の中で、研究開発学校等々で、そのあたりについて、例えば、5年生から、あるいは9年間全体で均等して割っていくとか、こういう考え方もあり得るのではないかと思います。
 そういう点で1点、質問させていただきたい点がありまして、中学校でこういう形で扱おうと位置づけられたという、おそらくいろいろな意見のやりとりの中から結論として得られたんじゃないかと思うんですけれども、そこら辺の考え方として、どういう考え方でこうなったのかというところ、1点質問、お願いできればと思います。

【梶田部会長】

 では、吉田先生。

【吉田主査】

 答えられるところは私が答えて、あとは文部科学省でお答えしたいと思います。今、天笠先生がおっしゃった中学校での扱いなんですけれども、全体で196字が増えるわけです。マイナスの5字もあるんですけれども、実際には196字が増えます。その196字の割り振りなんですが、先生がおっしゃった、1、2年生に割り振るのではなくて、やっぱり3年生まで割り振るわけです。でも、196字あるものですから、大体が50字から100字ぐらい調節できるような範囲を示した。今までの示し方だと、30字ぐらいの間しかありませんけれども、今度字数があまりにも多いので、100字ぐらいの幅を持たせて、あくまでこれを3年間で履修するということでございます。
 それから、中学校のことが話題になっていて、小学校の5年生というお話もありましたけれども、これは学年別漢字配当表のところとも触れてきますので、学年別漢字配当表については、ちょっと長いスパンで、今の時代に合った改定にも及ぶだろうとは今考えているところでございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。何かありますか。よろしいですか。
 学年別漢字配当表そのものは、まだ少し再検討して、例えば、次の学習指導要領改訂がいつになるかわかりませんが、10年後ということではなくて、それより前に学年別配当表の改訂が必要ならば、少し改めるということでご検討いただいて、あるいは、今回の専門家会議でもそういうことであったと伺っておりますので、そういうふうにご理解いただければと思います。
 隂山先生。

【隂山委員】

 ありがとうございます。今、梶田先生がおっしゃられたように、漢字配当表の見直しというのは、ぜひとも早期にやっていただく必要があるのではないかと思います。単純に個数からいいましても、小学校で一番覚える個数が多いのは、3年生と4年制の2学年、それが5年、6年になると実は数は減っていくんです。特に6年生は内容的にも簡単な漢字がその中に含まれていて、現場にいるとやや奇異な感じがずっとしておりました。ですから、個数並びに難易度の程においても、そろそろ一度抜本的に見直していただいていいのではないだろうか。そのきっかけとして、今回の分の常用漢字の見直しということも、何で今までこれが入っていなかったんだろうかというのが入ってまいりましたので、そういう点では非常にいいきっかけになるのではないかと思っております。
 2点目なんですけれども、そうした中で、漢字指導のところで見直されたということは、またこれも大変いいことだろうと思っております。まず、1つ目の理由は、実は私たちはいろいろなところで実践をしていると、漢字学習の定着が上がってくると、他教科への学力向上に波及効果が非常に大きいということが、あちこちの実践からかなり明らかになってきております。
 逆にそこのところをいいかげんにしていくと、例えば、小学校の6年生の段階で、小学校で習った全部の漢字の習得率を調べてみると、実は恐ろしく低いんです。ですから、それをほうった状態で、中学校で今まで以上にさらに難しい漢字が出てくると、中学校における国語の指導の負担は、今、校長先生からお話がありましたけれども、やはりぞっとするものがあるという感じが、私はそう思います。ですから、漢字指導の見直しもやっていただいて、これが基礎学習全体の底上げにもなるということを理解していただいて、これも学習指導要領の実施の中で検討いただけたらと思います。
 そうした中で、これは私の個人的な意見なんですけれども、漢字指導というものを、国語教育の中で1つのジャンルとして意識させるぐらいのことがあっていいのではないだろうか、実はそれぐらいの大きな意味があるんじゃないだろうか。
 現在の小学校段階での国語授業というと、漢字指導がなければ、もっと国語指導がやりやすいなどという、あべこべの議論が出てくる場合も多々あります。どうしても、漢字というものが添え物になってしまっているような側面があるんです。
 しかし、日本語における漢字、熟語というのは、それぞれの意味がありますので、実はそれの組み合わせによって、文章は成り立っているわけですから、実はこのパーツがいいかげんであって、全体の読解などあり得るはずがないわけでありまして、そこら辺を考えていただきたいということ。
 それからさらに、私自身がよく反復学習が大事だということを申し上げてきたんですけれども、その辺も非常に誤解があるんです。これはどういうことかというと、同じことを繰り返させると思考できなくなるという話があるんですけれども、私の立場から言うと、実はそういうことではないんです。子供たちは、一度覚えても忘れてしまうんです。
 私が非常に心配しますのは、文化審議会の答申なんです。漢字表に掲げるすべての漢字を手書きできる必要はなく、またそれを求めるものではないと、こういうふうに書かれてしまうと、これが実社会ではそうかもしれません。ただ、子供たちが学校生活もそうだと思ってしまわれると、うろ覚えのまま全然定着しないまま出ていくと、ますます忘れてしまう。一時電卓があるからもう計算はいいじゃないみたいな議論があって、そのために計算指導自体がかなりがたがたになったという経緯がございます。ですから、やはりここのところは、生活における漢字のあり方と、学習における漢字のあり方というのは明確に分けて、重視していただくということを、社会的にもはっきりとメッセージしていただくということが大事ではないかと思いまして、それをぜひお願いしたいと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 いろいろと意見をいただきまして、この問題については、大体このあたりにしておきたいと思います。
 最後に田村先生、ちょっと。

【田村副部会長】

 お時間のないところ、ありがとうございます。
 実は専門家会議をお開きになられたということなので、このことが議論されているのかどうかという話をちょっとお聞きしたかったんですが、筆写の場合、基本的に右手で書くんです。漢字文化というのは右書き文化なんです。だけれども、左のほうがどんどん増えている。むしろ左のほうが頭がいいという偏見があるぐらいどんどん増えているという実態があるんですが、その辺の議論はされたんでしょうか。字を書くところですね。これがテーマになって議論されたんでしょうか。

【梶田部会長】

 どうですか。吉田先生。

【吉田主査】

 私どもはこれをどのように扱うかという形でやって、字種の問題については文化審議会のほうへ中身的には譲らなければいけないと思いますけれども、直接お尋ねになった左利き、右利きは、その用語さえも出てこなかったと覚えております。大変大事なことだと思います。実際に子供が書くときには、どちらで書くのかということになります。私どもが中心に議論したのは、書く文字をどうするかということであって、左きき、右ききのところについては、議論をしておりません。

【梶田部会長】

 書き方については議論されていないんですね。

【吉田主査】

 そうですね。画数だとかそういうことというよりは、字種をどうするのか、あるいは字数をどうするのか、あるいは字形についてはどのように考えたらいいのかというレベルの話をいたしました。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 いろいろと、非常に大事なご意見をいただきました。ということで、この専門家会議のまとめを本部会として了承して、あとこれをパブリックコメントにかけて、また一般の方々のご意見を伺って、必要ならば、そこで再検討するということを経て、常用漢字表の内閣告示が11月に予定されているわけですけれども、このときに、学習指導要領の一部改正の告示もあわせてやりたいという流れでやっていこうと思います。そして、今日出た皆さんからのいろいろなご意見、あるいは前回までにも大事な点が出ておりました。それは文部科学省が都道府県教育委員会を通じて、扱いについて現場にいろいろとご指導していただく中で、解説書をつくったり、そのほか、十分に留意していただくということで、今日出ております専門家会議のまとめを皆さんで了承する、ということでいかがかと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」という者あり)

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 それでは、そういう流れでこれから進めていっていただくということにしたいと思います。
 事務局のほうでこの辺につきまして何かありますでしょうか。平林課長。

【平林教育課程課長】

 ご指摘も踏まえまして、会議でも現場への周知ということもいろいろと宿題としていただきましたので、それを踏まえて、今後取り組んでいきたいと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、常用漢字の問題はここまでにしたいと思います。
 吉田先生、本日はどうもありがとうございました。

【吉田主査】

 いろいろとご意見をいただきまして、どうもありがとうございました。

【梶田部会長】

 それでは、次の議題に移りたいと思います。初等中等教育分科会のもとに、特別支援教育の在り方についての特別委員会が設置されております。これは今の内閣全体として、特別支援教育につきましていろいろとお考えになっているということで、これを学校でどういうふうに受けとめるかという、現実的なこなし方ということで議論していただいているわけですけれども、この経過につきまして、事務局からご説明をお願いいたします。

【千原特別支援教育課長】

 特別支援教育課長の千原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 お手元の資料の3-1を中心に、現在の状況をご紹介させていただきたいと思います。まず、背景でございます。第1パラグラフにありますように、障害者に保障されるべき個々の人権及び基本的自由ということを定めて、また、これらを確保して促進するための措置を締約国がとること等々を定めた障害者の権利に関する条約、障害者権利条約でございますが、これが平成18年12月に国連総会で採択されております。
 日本も既に1年後の平成19年9月に署名はしてございますが、まだ批准がなされてございません。このため、政府ではできるだけ早く締結するということを目指して、現在必要な国内法令の整備等について議論をしているところでございます。
 これにつきましては、昨年12月に内閣総理大臣を本部長、また全大臣がメンバーの障がい者制度改革推進本部が設置されまして、本部の下に障がい者制度改革推進会議が設置されて、批准に向けた議論がなされているという状況でございます。
 この議論は多岐にわたるわけです。福祉とか、住宅、交通、その中に教育が入ってございまして、第3パラグラフでございますけれども、インクルーシブ教育システムの構築という条約の理念を踏まえて、どう制度改革をするのかという基本的な方向が今議論されているところでございます。
 これにつきまして、設置後、これまで20回推進会議が開催されており、教育だけではございませんが、全般が議論されており、6月7日には第1次意見というものが取りまとめられてございます。
 この推進会議の問題意識としては、教育については、障害の有無にかかわらず、すべての子どもは地域の小・中学校に就学する、また、通常の学級に在籍するということを原則として、希望がある場合には、特別支援学級、あるいは特別支援学校に行くということを基本とする制度に改めるというのが第1次意見のエッセンスでございます。
 これを踏まえまして、29日には閣議決定がされまして、この文言は推進会議の問題意識でございますので、こういった第1次意見を最大限に尊重して、改革の推進を図るんだということで、下の囲みに移らせていただきますけれども、1の趣旨・目的の中段のところですが、権利条約のインクルーシブ教育システム構築の理念を踏まえ、体制面、財政面を踏まえた教育制度の在り方について、平成22年度内に基本的方向性について結論を得るべく検討を行うということが閣議決定されてございます。
 これに基づきまして、先ほど部会長からご紹介いただきましたように、中央教育審議会初等中等教育分科会のもとに特別委員会を設置していただきまして、現在調査・審議が行われているところでございます。
 下の囲みの2でございますが、ここに主な検討事項を書かせていただいてございまして、例えば、(1)でございますが、就学相談、就学先決定の在り方及びそれに必要な制度改革は何かというようなこと、また、その制度改革に伴う体制・環境整備はどういうことが必要かということ、あるいは(3)教職員等の確保及び専門性の向上のための方策は何かというようなことについてご議論をいただくということになってございます。
 3でございますけれども、検討期間は、本年末に向けて中間まとめを行っていただく。また、平成22年度中に一定の結論を得るということを目途として、今ご審議をいただいているところでございます。
 裏のページは、参考までにこれまでの経緯、あるいは権利条約に書かれた教育関係の条文、あと内閣での今回の推進体制の図でございますが、時間の関係で省略させていただきます。
 資料3-2は、特別委員会の設置についてですが、これも今ご紹介したことと重なりますので、省略させていただきます。
 資料3-3が、特別委員会の委員の名簿でございます。総勢27名ということで、3分の1が障害当事者、あるいは関係団体の委員となっており、また、当然教育の関係者、あるいは自治体の方、保護者、医療関係の方々等々に委員に入っていただいておりまして、本部会の委員の方にもお入りいただいているところでございます。
 また、次の資料3-4が、特別委員会で今ご議論いただいている論点の例ということで、先ほどの目的のところにありましたようなことについて、現在議論を進めていただいているところでございます。
 次の資料3-5でございますが、これまでに3回審議をしてきていただいております。これまでに出てきました意見を事務局で取りまとめた資料がこの3-5でございます。例えば、総論のところでは、すべて読みませんけれども、インクルーシブ教育の理念、方向性については賛成であると。ただ、4つ目の「○」で、例えば、インクルーシブ教育といっても、同じクラスで一緒に学ばなければいけないということではないのではないか。障害の状態に応じて、臨機応変に通級指導、特別支援学級で教育するなど、いろいろな形態があってしかるべきだというご意見、あるいは、真ん中から下に行きますけれども、子ども本位で障害のある子どものニーズをできる限り受けとめる制度設計ができればというようなこと、あるいはこのページの下でございますけれども、障害のない児童の権利についても保障しなければならないのではないかというようなご意見も出てございます。
 ページをめくっていただきまして、就学相談、就学先決定の在り方というところでは、一番最初ですけれども、幼小連携が大事であって、早期発見、早期対応が大事であるというようなご意見、また、下から3つ目ですけれども、小学校就学時に就学先をすべて決めてしまってよいのかは疑問である。むしろ毎年、教育相談の中で就学先を柔軟に検討することができないのかというご意見、あるいは、3ページ目に進みまして、環境整備ということでは、人的整備を含めたさまざまな条件整備、現場での意識改革、教員の指導力の向上等々を総合的に進める必要があるなど、今ご議論いただいているところでございます。先ほど申し上げましたように、本年末を目指して、まず中間取りまとめを行っていただくということで進めさせていただいております。
 簡単でございますが、以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 特別支援教育の在り方を新しいものにしていけないかということで、今、特別委員会で検討していただいていることの経過について、今ご説明いただきました。資料3-4にある論点で、具体的に何を問題にしているのか、そして、それに対して、資料3-5にほんとうに現場的な意味も含めて、今どういうことがご意見として挙がってきているのかということがまとめてあります。
 皆さん、今ご説明いただきましたところについて、何かご質問があれば、お願いしたいと思います。
 松川先生、中川先生と。では、松川先生。

【松川委員】

 失礼いたします。第1次意見の取りまとめというのをきちんと読んでおりませんけれども、インクルーシブ教育システムの構築ということについては、特別支援教育という概念そのものがまだこなれていない段階で、また新たにインクルーシブ教育システムというようなものが出てくるということについて、概念整理をきちんとしていただかないと、現場としては大変混乱すると私は思うんです。
 障害児に対する教育については、いわゆる特殊教育という時代を経て、特別支援教育という名前にして、個々の児童生徒のニーズに合った障害児教育をやるということを言ってきているわけです。そのこともまだきちんと現場サイドには定着していない、こなれていない段階で、インクルーシブ教育というのはどうか。条約の批准も大事かもしれませんけれども、特別支援教育という概念を導入したときに、まず条約の批准ということを念頭に置きつつ、この概念を入れたと私は理解しているんですけれども、ここにきてまたインクルーシブ教育システムを持ち出してくること、第1次意見のところに出ていますように、通常の学級ですべての障害のある子をやるのが大原則であるというような考え方は、理念としては理想的かもしれないけれども、今それぞれの現場の実態からすると、現実的には非常に唐突なことと思わざるを得ないです。
 このことについては、いろいろなご意見があるのかもしれませんけれども、これを検討するに当たっては、特別支援教育とインクルーシブ教育の概念の関係をきちんと整理していただきたいと思います。
 障害のある人とない人が共生する社会の構築という最終目的には、だれも反対する人はいないと思うんですけれども、その経過で、教育課程の問題としてもこれは非常に重要なものをはらんでいると思います。
 それから、例えば、特別支援学校の教員免許状というのを持っている人が少なくて、特別支援教育の専門家が少ないということについていろいろ議論している段階で、ある意味では、分離を否定するような方向性というのをはっきり出してしまうということについては、私は大変危惧しております。
 少子化にもかかわらず、障害を持つお子さんが増えているということは、どの都道府県でも実態としてあることでして、私どもの岐阜県においても、それぞれの広い圏域の中で、障害のあるお子さんが適切な教育を受けられるような特別支援学校の整備というのを進めている段階で、こういうものをぼっと持ってこられると、ある意味では大変混乱すると言わざるを得ないです。
 今回の委員会でも、そこら辺はきちんと考えて、条件整備が大事だということはおっしゃっていて、検討されると思いますけれども、条件整備というのは、一言でおっしゃるけれども、大変難しいものがありまして、先ほど申し上げましたように、特別支援学校教員免許状を持っている方も少ない段階で、一般の教員免許状をお持ちの方は、特別支援教育について、きちんとした教育をほとんど受けていないという段階ですよね。
 共生教育をほんとうに考えるんだったら、教員免許状のあり方から、いろいろな施設の問題から、ほんとうに考えていかなければいけないわけでして、この議論は慎重かつ丁寧にやっていただかなければ、大変混乱を来すと私は危惧しているところでございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 この問題は文部科学省を超えたところから出てきておりまして、今おっしゃった条件整備さえできればやれるというのは、かけ声の話で、政治家は権力を握れば、号令だけでいろいろなことができると思っておられるようです。しかし、この問題、この理念を、曲がりなりにも学校でこなしていくためには、施設と人について12兆円程度必要だということは既に文部科学省からもお伝えいただいていると伺っております。
 したがって、この特別委員会は、松川先生がおっしゃるように、この問題はほんとうに前進させていかなければいけないので、前進させるという大前提のもとで、しかし、非現実的にならないようにということで、松川先生がおっしゃるような慎重かつ丁寧な議論をするために設置されております。
 そして、皆さん、出た意見の内容をごらんいただきますと、特に、障害のある方も含めて、あるいはその団体からの委員の方々も含めて、非常に慎重かつ丁寧なご意見を出していただいているというのが私の印象でございます。ですから、松川先生におっしゃっていただいたことは、またしかるべきときに事務局から、文部科学省の関係の方から、特別委員会に、教育課程部会でこういう意見が出ていたということをお伝えいただくことにしたいと思います。
 では、中川先生。

【中川委員】

 私立学校の立場で1つお願いがあります。特別支援を要する生徒は、当然のことながら、私立学校の生徒の中にもかなりおりまして、そういう生徒に対する支援、例えば教員の研修体制がまだまだ整っていないし、ほとんどできていない状況でございます。
 そこで、特別委員会で今後検討いただくときに、公立学校のことだけを考えて、検討を進めるのではなく私立学校の生徒、あるいは私立学校の教職員に対する支援をぜひお考えいただきたいというお願いでございます。よろしくお願いします。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょう。よろしいでしょうか。
 今、松川先生、中川先生からご指摘いただいた点は非常に重要だと思います。これは先ほど申し上げましたように、しかるべきときに、またこの特別委員会にもお伝えいただきまして、と思っております。まだこれはほんとうに滑り出したところですので、中間まとめになってきたら、またご報告いただいて、皆さんのご意見を伺うと、そういうふうに思います。
 それでは、一応このあたりにしたいと思います。
 次に、幾つか今進んでいること等につきまして、事務局から報告があるということですので、お願いいたします。まず、幼保一体化につきまして、お願いいたします。

【濵谷幼児教育課長】

 幼児教育課長でございます。それでは、資料4に基づきまして、幼保一体化についてご説明をさせていただきます。クリップを外していただきまして、まず4-1でございます。
 子ども・子育て新システムの基本制度案要綱でございます。これは、去る6月29日に、少子化社会対策会議で決定されたものでございます。経緯を申しますと、昨年12月8日の緊急経済対策におきまして、幼保一体化を含む子ども・子育て新システムについての検討・結論を得るということが決定されておりまして、それに基づいて、新システムの関係閣僚会議におきましてご議論いただいて、決定したものでございます。
 まず、全体像についてざっと申し上げますと、目的でございますけれども、新システムにおきましては、以下のような社会を実現とございますが、すべての子供への良質な成育環境を保障し、子供を大切にする社会、良質な成育環境と申しましたのは、幼児教育、保育なども含めての環境でございます。
 それから、出産、子育て、就労の希望がかなう社会、仕事と家庭の両立支援で、充実した生活ができる社会、新しい雇用の創出と女性の就業促進で活力ある社会ということで、子供の成育環境の保障を第1の視点にしながら、その他の目的もあわせて実現するという内容でございます。
 方針とございますけれども、全体といたしましては、子ども・子育てを社会全体で支援するということ、利用者、特に子ども・子育て家庭本位を基本とすること、地域主権とすること、政府の推進体制の一元化という方針でございます。
 以下、ざっとでございますが、新システム実現する内容でございますけれども、政府の推進体制、財源の一元化、社会全体──国・地方・企業・個人による費用負担、市町村の重視、幼稚園・保育所の一体化、多様な保育サービスの提供、ワーク・ライフ・バランスの実現といった内容でございます。
 この全体像でございますけれども、11ページをお開きいただきたいと存じます。制度設計のイメージという横長の図でございます。全体としましては、子ども・子育て、これは幼児教育関係を含めてでございますけれども、財源を一元化するということでございまして、子ども・子育て勘定という1つの勘定をつくりまして、ここに国の一般会計からの財源、それから、労使の拠出金をあわせて勘定にまとめまして、ここから市町村に子ども・子育て関連の交付金として一括交付し、市町村におきまして、市町村の裁量をもって、地域の実情に応じて、現物的な給付、それから、現金給付に、提供していこうという内容でございます。
 基礎給付、両立支援、保育・幼児教育給付と2階建てになっておりますけれども、基礎的な給付については、子育て支援、あるいは真ん中、右側にございますが、子供手当など、すべての家庭、あるいは子供に行き渡るような給付が基礎的な給付、それから、2階建てでございますが、幼保一体給付ということで、こども園、これが幼児教育と保育をともに提供するものでございますけれども、このこども園、あるいはその他の保育サービス等について、現物給付といいましょうか、特に特定の家庭、子供に対しての給付として行うというものでございます。
 幼保一体化関連でございますけれども、このように基本的には財源の一体化などを中心としておりますが、この中で幼保一体化もあわせて行うということでございます。8ページに戻っていただきまして、幼保一体化関連でございます。この中の、財源といたしましては、幼保一体給付という形で、幼稚園、保育所の財源を基本的には一体化していくという内容でございます。
 幼稚園、保育所、認定こども園の垣根を取り払い、幼児教育と保育をともに提供するこども園に一体化すること、すべての子供に質の高い幼児教育保育を保障する。家庭における子育て教育に資する。小学校学習指導要領との整合性、一貫性を確保する、こういう3点を目的といたしまして、現行の幼稚園教育要領と保育所保育指針を統合した新たな指針、仮称でこども指針を創設すること、資格の共通化をはじめとした機能の一体化を推進すること、円滑な移行に配慮しつつ、多様な事業主体の参入を可能とすることといったことが記述されております。
 このこども園でございますが、12ページでございます。今申し上げたことをイメージ図にしたものでございます。幼稚園・保育所の一体化、幼稚園・保育所・認定こども園の垣根を取り払うこと、それから、先ほど幼保一体給付と申し上げましたけれども、現行財政支援は幼稚園、保育所等で分かれておりますけれども、基本的にはということでございますが、幼保一体給付という形で、一体的な財政支援をすること、それから、機能の一体化ということで、指針を統一すること、これは内容としての幼児教育、保育の内容を基本的に統一していこうということでございまして、現在でも平成21年から実施されております幼稚園教育要領、保育所保育指針の改定されたものについては、特に教育内容については、ほぼそろっておりますけれども、それをさらにそろえていこうということ、それから、資格の共通化をはじめとした機能の一体化を推進することといった内容でございます。
 特に、本日はこども指針につきましてまたご報告をさせていただきたいと思います。
 続きまして、資料4-2でございます。まず、スケジュールでございます。1枚おめくりいただきまして、2ページでございます。先ほど少し申し上げましたけれども、新システムの検討自体につきましては、上にございますけれども、少子化対策担当大臣を中心といたしまして、文部科学大臣も含めた関係閣僚で検討されておりますが、実務的には、その下に作業グループとございますが、内閣府の副大臣、少子化対策担当が主査となりまして、文部科学政務官も含めて、関係の政務官におきまして、実際の検討を主として行っているということでございます。
 3ページでございますけれども、9月から利害関係者、ステークホールダーを入れた形での検討会議がスタートしておりまして、3つのワーキングチームがスタートしております。この子ども・子育て新システム全体を検討する基本制度ワーキングチーム、それから、その中でこども園など幼保一体化を特に検討する幼保一体化ワーキングチーム、それから、こども指針のワーキングチーム、この3つのワーキングチームがスタートする、あるいはスタートする予定でございます。
 ちなみに、こども指針につきましては、昨日9月29日に第1回のワーキングチームが開催されております。
 メンバー構成については、4ページ、5ページ、6ページにございますので、ご参照いただければと思います。
 それから、7ページに新システム全体の今後のスケジュールでございますけれども、基本制度ワーキングチームについて、月2回程度開催、それから、幼保一体化につきましては、月1回程度、こども指針についても月1回程度開催しまして、適宜基本制度ワーキングチームに報告をしていくというスケジュールでございます。
 この新システムにつきましては、平成23年、来年の通常国会に法案を提出し、平成25年度からの施行を目指すこととされておりまして、3月上旬の法律案の提出、予算費関連に向けて、1月中ぐらいに法律案の大綱を決定する、それに向けての検討というスケジュールでございます。
 続きまして、4-3でございます。制度論、法律案全体については、そのようなスケジュールでございますが、こども指針につきましては、必ずしも法律改正事項ではありませんので、月1回程度で、当面粛々と議論していくということでございます。これは昨日議論された検討事項案でございますが、1、総論と書いてございますが、まず、子ども・子育てに関する理念についてご議論いただくということでございます。また、その理念を踏まえて、全体としてのこども指針の構成をどうするかというご議論をいただくということでございます。
 総論、各論と2部構成になっておりまして、総論は今申し上げたようなこと、2番の施設での教育・保育とございますが、これは現行の幼稚園教育要領、保育所保育指針の構成を踏まえた、いわば各論の議論でございまして、教育・保育の目標、教育・養護の具体的内容、教育・保育時間、教育方法、保護者に対する支援等、こういった形で順次議論を進めていくというスケジュールでございます。
 最後に、4-4でございます。このこども指針についての当面のスケジュールでございます。昨日第1回を開催いたしましたけれども、年内はそういった総論、法制等についてのご議論をいただき、年明け以降、来年6月ぐらいまでを目途にテーマごとに取り扱いを協議するということであります。
 システム全体が平成25年度からの施行を目指すということで、指針については、1年程度前には告示をする必要があるだろうということで、来年7月以降、原案を作成して、再来年3月の告示を目指すということでございます。
 また、一番下の※にございますが、このワーキングチームの検討状況については、この場、中央教育審議会等に適宜ご報告をさせていただくという形になっております。
以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 この幼保の問題をここでも随分議論してきましたが、現内閣においては、こういう大構想を持っておられるということを今日は伺うだけにとどめたいと思います。
 それでは、学習指導要領に関連した来年度、平成23年度に向けての概算要求につきましてご報告をお願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 資料5-1、5-2、5-3に基づきまして、来年度の概算要求に関しまして、簡単にご説明させていただきます。資料5-2、5-3に文部科学省の概算要求の全体の像が載っておりますので、こちらについては適宜ごらんいただければと思います。その中で、資料5-1に、学習指導要領の円滑な実施に向けた支援策ということで、何点かをまとめておりますので、これをご説明申し上げます。
 来年度、それから、再来年度に迫りました小・中学校の学習指導要領改訂の全面実施を控えまして、文部科学省におきまして、さまざまな支援を行っているところでございます。
 来年度については、まず、1点目といたしまして、指導環境の整備というところを目指しているところでございます。その中の一番大きなところにつきましては、教職員定数の改善であり、新・公立義務教育諸学校教職員定数改善計画の初年度分といたしまして、小学校1年生で35人学級を実現するための予算要求を行っているところでございます。
 また、あわせまして、教材等の整備に関しても、引き続き要求を行っているところでございまして、理科教育等設備整備費補助を引き続き要求するとともに、関連の地方交付税の要望を行ってまいりたいと思っているところでございます。
 また、中ほどの四角のところをごらんいただければと思いますが、各教科等の充実というところで、道徳教育、体験活動、それから、理数教育の支援としまして、引き続き所要の予算を要求するとともに、外国語教育の推進におきましては、小学校の外国語活動の教材整備も含めまして、2.1億円確保を要求させていただきまして、小学校の外国語活動の推進を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 また、引き続き、中学校の武道の必修化に向けた条件整備というところで、40億円程度のお金を今要求しているところでございます。
 最後に、一番下でございますが、各教科等横断で取り組む重要事項といたしまして、先回の教育課程部会でもご報告申し上げたところでございますが、教育の情報化推進の関係予算、それから、コミュニケーション教育推進のための予算、また、新学習指導要領の周知でありましたり、環境教育の実践普及、それから、消費者教育の推進などに1.3億円の概算要求を行っているところでございます。
以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 厳しい状況の中で、新しい学習指導要領がうまく実施されるようにということで、条件整備を含めて、いろいろな予算要求をしていただいている。これはほんとうに感謝したいと私は思っております。
 ただし、これはどうなるかわかりません。また補正予算に関連して、上積みもあるかもしれません。ということで、本日はこれも、この資料をいただいて、承っておくだけにしたいと思います。お金の問題につきまして、これはほんとうに教育を支える大事な部分ですので、いろいろなことが進んでいく中で、また適宜ご報告いただいて、我々も理解を深めていきたいと思っております。
 では、本日、準備した議事はこのあたりですが、最後に今日これだけは発言して帰りたいということがあれば、どういうことでも結構ですので、お願いしたいと思います。
 隂山先生。

【隂山委員】

 先ほどの予算の件なんですけれども、ものすごく納得いかないんです。何かというと、外国語教育の推進2億円、これでいいんでしょうか。PISA調査をはじめ、今起きてきているのは、教育のグローバル化だろうと思うんです。大学教育とこの辺を見てみると、そこのところがかなり意識されているんですけれども、海外の優秀な人材を受け入れる、また日本の優秀な人材を海外に出すといったときに、実は語学というのは最も中核的な営みでなければならないと思うんです。2億円ということは、小学校が2万校あるとすると、1校あたり1万円になりますよね。これでいいんでしょうか。
 おそらくいろいろなことがあると思うんです。このことは僕らが言わなくても、わかっていることだと思うんですけれども、それはいろいろな条件の中から出てきているんだろうと思います。ただ、文部科学省というところは、世の中の批判に非常に弱いと思いますので、ここのところは世の中でまだ議論されていないんだと思うんです。逆に何で日本語もできていないのに英語なんだという人たちがいるから、こうなっているんじゃないかと思うんですけれども、ぜひとも英断をお願いしたいと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょう。

【大島委員】

 子ども・子育て新システムの件ですが、保育園及び幼稚園は最近非常に整ってきていますが、今後段階的に追っていくことになると思います。小学校に上がってからの学童保育の状況は非常に悪いのが現状です。
 例えば、保育園では延長でき、8時まで面倒を見ていただけるという状況が、小学校1年生になった途端に、6時ではもうピックアップをしなければいけないという状態で、保育園と小学校のギャップが非常に大きいんです。
 そのため、ここに書かれているように、ワーク・ライフ・バランスの実現ということであれば、やはり保育園から小学校の、特に低学年に関連してスムーズな移行ができるようなシステムをなるべく早く整えていただきたいと思います。
 保育園、幼稚園がかなり整ってきて、いろいろ解決されてきている中で、小学校に入った途端同じことが繰り返されるということになるので、早急に解決していただいたほうがいいのではないかと思います。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 では、田村先生。

【田村副部会長】

 すみません。簡単にお話しさせていただきます。先ほどの隂山先生のご意見に私は賛成なんです。それに加えまして、今回学習指導要領の改正の中で、いわゆる持続可能なという概念が入ってきたんです。新しく、初めて書かれたという、ある意味では画期的だと思うんです。これは実はもう大変な大きな問題を将来引き起こすだろうと思います。教育でその部分をかなり意図して教育していく必要がまずあるだろうという気がするので、それについて十分ご配慮されていると思うんですけれども、ESD(Education for Sustainable Development)というやつですね。ぜひひとつご検討の中に入れていただけるとありがたいと思います。ありがとうございました。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、本日の議事はこれで終了したいと思います。
 最後に、今日は初等中等教育局長の山中さんにご出席いただいておりますので、ごあいさつを兼ねて、お願いいたします。

【山中初等中等教育局長】

 ごあいさつというか、先ほど英語教育の件もございましたけれども、2億円は小学校の英語教材が、事業仕分けの関係なんかでちょっと見直すということがあったんですけれども、いずれにしても、先生がご指摘のとおり、国際化が進む中で外国語教育、とりわけ世界的なスタンダードになっている英語教育をしっかりやらなければならないということは、非常に重要な課題だと思っておりますので、中学校、高等学校のレベルも含めて、ターゲットをどういうところに置くのかというところも、学習指導要領はありますけれども、そのあたりももう少しはっきりさせながら、どういう形で日本全体としての英語教育を進めていくのかというところを、具体的なやり方ということで、また文部科学省の中でも議論して、先生方にもご議論いただければ、ありがたいと思っております。
 例えば、来年度の予算ですけれども、教育の情報化の推進ということで、環境整備、総務省の予算も活用しつつ学校の情報化を進めていただくということも考えておりますけれども、英語という教科、特にコミュニケーションの場合は、まさにICTが活用できる非常にいい分野だとも思っておりまして、このあたりとも連携しながら、具体的にどういう形で子どもたちの実践的な力をつけていくのかというところは、コミュニケーション教育のあたりともあわせながら、一生懸命やっていきたいと思っております。
 また、大島先生から、小学校になると、これは現在小学校プロブレムというか、保育所、幼稚園まではいろいろ子育て支援が時間外のところであるのに、小学校になった途端に、学童もない、あるいは学童があってもというところ、このあたりの対応をどうするのか、また、全体としての社会構造の中で、家庭と学校、あるいはそういう役割分担のあたり、学校だけではなくて、学校という場を使った地域での子育て支援のあり方とか、その辺は厚生労働省と文部科学省ということなく、3年生までは学童でするから、あとは放課後こどもクラブ、この辺のあり方もあわせた形で、特に子育て支援ということでは、義務教育段階、小・中学校段階の子育てをどうしていくのかというところが1つのテーマにもなってまいりますので、今後の大きなテーマでやっていく、今回の検討の課題の中にも入っているというところでございます。
 田村先生がおっしゃられた持続可能な社会ということで、環境の問題は非常に大きな問題でございますし、地球の中に住んでいるという環境をどうやって考えていくのか、大きなテーマだと思っております。それぞれの教科の中でもとらえられていくんですけれども、またご指導いただければと思います。
 また、先ほど松川先生からございましたけれども、特別支援教育についての具体的な教育の中で、具体的な条約を批准した場合、それをどう実現していくのか、日本の社会、あるいは教育の現場に合った形でやっていくのかという理念は理念ということで、これは皆さん共有するんですけれども、実際に、具体的にどうするんだというところを、まさに特別委員会で具体的にどうしていくのかというところをご議論いただいているところでございます。
 今日いただきましたご意見などもまた参考にさせていただいて、特別委員会のほうでも紹介させていただきながら、さらに具体的な議論を進めていきたいと思っております。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、事務局から、次回以降のことにつきまして、お願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 どうもありがとうございました。
 次回の日程につきましては、部会長とご相談の上、追ってご連絡させていただたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、本日の教育課程部会はこれで終了したいと思います。皆さん、どうもご苦労さまでした。ありがとうございました。 

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

電話番号:03-5253-4111(内線2369)

-- 登録:平成22年12月 --