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教育課程部会(第79回) 議事録

1.日時

平成22年8月31日(火曜日) 16時半~18時半

2.場所

中央合同庁舎第7号館 旧文部省庁舎6階 第2講堂

3.議題

  1. 常用漢字表改定に伴う学校教育上の対応について
  2. 平成22年度全国学力・学習状況調査の結果と今後の方向性について
  3. 「教育の情報化ビジョン(骨子)」について
  4. その他

4.議事録

【梶田部会長】

 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第5期第5回教育課程部会を開会したいと思います。
 実は、この部会の委員の方々も含めて、一つ会議が三田の共用会議所で開かれております。今、ちょっとそちらが遅れていたのですが、終わって、タクシーで駆けつけるということです。一応この会を始めて他の方々のご到着をお待ちしたいと、そういうふうに思います。
 それでは、本日の議題に入ります前に、このたび6月18日付で教育課程部会の委員となられた方がおられます。ということで、これは私から。

【梶山教育課程企画室長】

 お二人とも後で来られますので。

【梶田部会長】

 わかりました。新しい委員の方々も、あと2人来られますので、来られたら、ごあいさつをしていただきます。
 それでは、ご承知のように、文科省のほうでかなり大きな人事異動がございまして、この部会に関係する方々の人事異動もございましたので、事務局のほうからご紹介をお願いしたいと思います。

【梶山教育課程企画室長】

 教育課程企画室の梶山でございます。
 7月30日付の事務局の異動につきまして、ご紹介させていただきます。まず、清水文部科学審議官の後任として着任いたしました金森文部科学審議官でございます。

【金森文部科学審議官】

 どうぞよろしくお願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 それから、今遅れておりますけれども、金森初中教育局長の後任として山中局長が着任しております。
 また、前川大臣官房審議官(初等中等教育担当)の後任として着任いたしました尾崎大臣官房審議官でございます。

【尾崎大臣官房審議官】

 よろしくお願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 それから関初等中等教育企画課長の後任として着任いたしました中岡課長でございます。

【中岡初等中等教育企画課長】

 中岡でございます。どうぞよろしくお願いします。

【梶山教育課程企画室長】

 高橋財務課長の後任として着任いたしました伯井課長でございます。

【伯井財務課長】

 引き続きよろしくお願いします。

【梶山教育課程企画室長】

 伯井教育課程課長の後任として着任いたしました平林課長でございます。

【平林教育課程課長】

 よろしくお願いします。

【梶山教育課程企画室長】

 それから岩本初中局参事官(学校運営支援担当)の後任として着任いたしました下間参事官です。

【下間初等中等教育局参事官】

 よろしくお願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 それから、本日遅れておりますけれども、作花国立教育政策研究所教育課程研究センター長の後任として、神代センター長が着任しております。
 それでは、ここで金森審議官のほうから一言ごあいさつさせていただきます。

【金森文部科学審議官】

 金森でございます。この3年間、初等中等教育局長として幼稚園や小学校、中学校、高等学校の学習指導要領の改訂につきまして、先生方には大変お世話になりました。ありがとうございました。引き続き文部科学審議官、教育の分野を担当いたしますので、どうぞご指導賜りますように、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。金森局長が上に上がられて、学校教育全般をご担当になる文部科学審議官になられました。そして、以前初中局の審議官をしておられました山中さんが今度局長で来られます。ということで、学習指導要領改訂でご苦労いただきました方々が、ずっとまた事務局で責任あるお立場でやっていただけるということですので、これまでどおりといいますか、新しい学習指導要領の一層の趣旨徹底がうまく動くようにやっていけると思っております。
 それでは、本日の配付資料の確認をお願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 それでは、本日の配付資料の確認をさせていだたきます。
 配付資料でございますが、まず1枚目に議事次第というところで日時等が入っているもの。それから資料1といたしまして、委員の方の名簿。それから2-1といたしまして、「常用漢字表改定に伴う学校教育上の対応に関する専門家会議」実施要項というもの。それから、その後ろに2-2といたしまして、検討事項(案)。2-3といたしまして、文化審議会答申「改定常用漢字表」についてというもの。それから2-4で新旧学習指導要領における漢字の取扱いというもの、こちらがあろうかと思います。
 それから資料3というところで、資料3-1に全国学力・学習状況調査について。それから3-2というところで、平成23年度以降の全国的な学力調査の在り方について(中間まとめ)概要。3-3といたしまして、平成23年度以降の全国的な学力調査の在り方について(中間まとめ)。それから3-4といたしまして、ポンチ絵の全国的な学力調査の実施があろうかと思います。
 また、4-1といたしまして、学校教育の情報化に関する懇談会。4-2といたしまして、教育の情報化ビジョン(骨子)、それがあろうかと思います。
 それから資料5といたしまして、学習指導要領全面実施に向けた広報・周知活動という1枚物。資料6で教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策についてという資料。7-1でコミュニケーション教育推進会議の資料。7-2で児童生徒のコミュニケーション能力の育成に資する芸術表現体験という資料。資料8で「熟議」の取組について、この資料があろうかと思います。欠落等がありましたら、お申し出いただければと思っております。よろしくお願い申し上げます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 それでは、山中局長がお着きになりましたので、さっき金森文部科学審議官からもごあいさつをいただきましたけれども、一言ごあいさつをお願いいたします。

【山中初等中等教育局長】

 このたび初等中等教育局長になりました山中でございます。よろしくお願い申し上げます。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 本日の議事は、議事次第にありますように、大きくは常用漢字をどう学校教育で扱うかということ。それから2番目に全国学力・学習状況調査の結果と今後の問題。それから3番目に「教育の情報化ビジョン」、これにつきまして報告いただいて、ご意見をいただく。その後、いろいろな動きがございますので、大事な動きにつきまして事務局からご報告をいただくと、こういうふうになっております。
 それでは、本日の議事に入りたいと思います。
 常用漢字表に伴う学校教育上の対応ということで、事務局からご説明をお願いいたします。

【倉見学校教育官】

 教育課程課で学校教育官をしております倉見と申します。どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、常用漢字表改定に伴う学校教育上の対応について説明をさせていただきます。文部科学省は「常用漢字表改定に伴う学校教育上の対応に関する専門家会議」を発足させまして、去る7月7日に第1回会議を開催し、これまで4回の会議を開催しているところでございます。この会議は、6月に文化審議会が常用漢字表の改定について答申を行ったことに伴い、学校教育上の対応について検討いただくものでございます。
 資料2-3をご覧ください。常用漢字表の改定は、今日の情報化の進展に伴い、難しい漢字も簡単に打ち出せるパソコンや携帯電話などの情報機器の急速な普及により、文字使用環境が大きく変化している状況に対応したものでございます。答申におきましては、常用漢字表に新しく196字を追加、5字を削除し、現行の1,945字から2,136字の漢字表に改定しております。追加及び削除字種の一覧は、2-3の次のページに掲げておりますので、ご覧いただければというふうに思います。
 また1枚目に戻っていただきまして、常用漢字表は、一般の社会においてわかりやすく通じやすい文章を書きあらわすための目安として定められているものでありますが、答申におきましては、この資料の2、字種・音訓・字体の選定等というふうに真ん中にありますけれども、これの丸の6つ目でございますが、学校教育において改定常用漢字表の趣旨をどのように具現化するかについては、別途教育上の適切な措置にゆだねることとされているところでございます。この改定常用漢字表につきましては、資料の一番下にありますように、この秋から冬の間に内閣告示が行われ、正式に決定されることになっております。
 資料2-1をご覧ください。このため、国語教育の専門家や学校教育関係者などをメンバーとした専門家会議により、学校教育上の対応について検討いただいているものでございます。委員名簿は2枚目に掲載しておりますので、ご覧いただければと思います。
 資料2-4をご覧いただきたいと思います。現在、学習指導要領におきまして、漢字の指導がどのようになっているかと申しますと、この表につきましては、学習指導要領をわかりやすく表にしたものでございますが、小学校におきましては、漢字の読み・書きとも学年別漢字配当表に基づいた指導を行うこととしております。中学校では、書きの指導は小学校と同様、学年別漢字配当表に基づき、読みの指導につきましては、卒業までに常用漢字の大体を読むこととしております。高等学校におきましては、常用漢字の読みに慣れ、主な常用漢字が書けるようになることとされているところでございます。この取り扱いにつきましては、基本的に現行の学習指導要領も新学習指導要領も変わりはございません。
 資料2-2をご覧ください。このため、この会議の検討事項といたしまして、まずは中学校における「読みの指導」、高等学校における「読みの指導」及び「書きの指導」、そしてそれに伴う教科書及び入試への対応などにつきまして、内閣告示までに一定の結論が必要であると考えておりまして、そのほか、学年別漢字配当表などについてもあわせて、この専門家会議で議論していただいているところでございます。専門家会議での議論がまとまりましたら、改めて教育課程部会でご報告させていただきたいと考えております。
 以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 今、新しく委員になられました東京都立竹台高等学校の学校長で、全国高等学校長協会長の青山先生が来られましたので、一言ごあいさつをお願いいたします。

【青山委員】

 遅くなりました。東京都立竹台高等学校長の青山でございます。よろしくお願いいたします。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 それからもう一人の新しく委員になられました新宿区立西戸山中学校長で全日本中学校長会長の新藤先生、おいでになりました。ごあいさつをお願いします。

【新藤委員】

 遅れて申しわけございません。全日本中学校長会の会長、新藤久典と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 もとに戻りますが、今、倉見学校教育官からご説明いただきましたように、常用漢字表そのものは文化審議会国語分科会で決定されております。ただ、学校でこれをどうこなすか。このことについては、新しい専門家会議をつくって検討していただいております。その報告のほぼ8割方、あるいは9割方できたものを今ご報告いただきました。資料2-1、2-2、2-3、2-4まで、特に最後のページ、2-4、これが学校でこれからどう扱うかということの中心になってくるだろうと思います。この資料もちょっとご覧いただきまして、皆さんにご意見をいただきたい。専門家会議にそれをまたお伝えして、秋には専門家会議としての結論を出していただき、そして最後、内閣告示に持っていく、ということでございます。ということで、もう一度、資料2-1から2-4までさっとご覧いただきまして、いろいろとお考え等、ご意見をいただけたらと思います。何かございませんでしょうか。
 随分漢字の数は増えます。それから「しんにゅう」が1点のものと2点のものがあるとか、幾つか難しい議論になっております。それから慣用的にいろいろと使っていた「関(かか)わる」とか、そういうのを漢字で書くようになるとか、そういうこともございます。ただし、皆さんご存じのように、今までも常用漢字にないものでも、その上に振り仮名をして教科書なんかでも、あるいは教材でも使っています。ある時期までは振り仮名を非常に嫌ったんですけれども、今では例えば四字熟語の場合、3字を漢字で書いて1つだけ平仮名なんて変ですから、それは四字熟語全てを漢字にして振り仮名をするとか、いろいろと扱いの上では柔軟になっております。そういうことを含めて、資料2-1から2-4までご覧いただきまして、何かお気づきの点があればと思いますが。はい、渡久山先生。

【渡久山委員】

 すごく素人っぽい発言なんですが、漢字はもともと中国の言葉だったんでしょう、きっと。マンダリンですよね。しかし、今中国では、漢字の改革っていろいろ、簡潔になっていて、逆に我々が読むにはどんな漢字だったかわからないようなものもあるんですけれども、これを見ると、だんだんまた逆の意味でわからない漢字がどんどん出てきますよね。これ実際、文化審議会では中国に使われているような漢字と、今日本でこうして漢字を増やしていって、ほんとうに言って、あまり使わない漢字も常用漢字で出てくるんですけれども、果たしてそういう議論とか検討とかというのはなされて、1つの考え方って整理されているんですかね。これ少し、実際に、例えば言葉がコミュニケーションの手段と考えたときに、隣の国の中国へ行っても、漢字を使っているから何かわかりそうな意味があるんだけれども、だんだんわからなくなって、その辺はどうなんでしょうか。

【梶田部会長】

 台湾、香港はもっと難しい字体を使っております。そして、日本が少し易しくなる。それから中国は大幅に簡単なものになっています。こうした字体の統一については、国際会議が何回か開かれておりますが、その辺について、事務局のほうで何かご存じのことがあれば。

【倉見学校教育官】

 文化審議会のほうでは、今回常用漢字表の改定に当たりまして、字種の選定の考え方とか、選定の手順がありまして、いろいろな調査をもとに字種を選んでいるというふうに聞いております。たくさんの書籍だとか、新聞などの紙面データとか、それからアンケート等もとって、字種についての選定の基本的な資料としているというようなことを聞いているところでございます。ちょっと簡単でありますが。

【梶田部会長】

 1つは、どの範囲を常用漢字に含めるかということでは、従来から国語研究所がかなり詳細な調査をしておられまして、それを議論のベースにして常用漢字として何をするかということを議論しておられるというふうに聞いております。
 それからもう一つは、字体の問題はそれとまた別で、できるところから統一したいというような考え方もあって国際会議が開かれておりますが、残念ながら進展していないというふうに聞いております。
 ちなみに、中国は漢字の国ですから、2,000万の人口を持つ上海では、小学校1年だけで600語の読み書きを学習しております。日本では学習すべき漢字の数が多過ぎるという議論もあれば、まだまだもっとやれるんじゃないかという議論もあるようですが、中国の現状はそういうことです。したがって、小学校教育の全体では、中国はかなりの数の漢字の学習をやっております。ただし、ご指摘のように字体は非常に簡単なものになっておりますがね。はい、苅部先生。

【苅部委員】

 ちょっと私が単に知らなかったことだけ簡単に確認したいんですけれども、資料の2-4の新旧学習指導要領における漢字の取り扱いの違いをまとめた表で、中学校の書きの指導のところで、「字を書く」というのが「字を使い慣れる」というふうに変わっているんですね。使い慣れるというのがどういう意味なのか。これまでの議論の経緯を知らないものですから、簡単にご説明をお願いします。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。じゃ、お願いします。

【倉見学校教育官】

 単に漢字が書けるということだけではなくて、文章の中できちんと使ったりというのが、活用といったような観点から、より今回、新学習指導要領では、漢字の指導の充実ということで「使い慣れる」といったような表現にしたところでございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。他にいかがでしょうか。
 小学校の教科書は来年度から新しいものになりますが、これには間に合わないということのようです。できるだけ早く確定させて、教科書への反映はできるだけ早く、というふうになるだろうということでございます。よろしいでしょうか。秋には最終的に専門家会議で決めていただきます。この専門家会議は非常に多様な方が、国語学者だけじゃなくて、実際に言葉を使う立場から多様な方が委員として入っておられますが、これで最終的に決めていただいて、また、この部会にご報告いただいて、というふうに思っております。ありがとうございました。
 では、次に、全国学力・学習状況調査の結果、これはこの前、今年の結果が発表されております。それから今後の方向性につきましても、これは別に8月に中間まとめが発表になっております。この両者につきまして、事務局のほうからご説明をお願いいたします。

【下間初等中等教育局参事官】

 初等中等教育局参事官の下間でございます。座ったままで失礼いたします。
 資料3-1から3-4までを使いまして、ただいまお話がございました平成22年度の全国学力・学習状況調査の結果と、平成23年度以降の全国学力調査の在り方についての現在の検討の状況ということにつきまして、お話を申し上げたいと存じます。
 資料3-1をご覧いただきたいと存じますが、調査の目的、対象学年、調査の内容等につきましては、これまでも数次にわたりまして、本部会におきましてご説明したとおりでございますので、割愛させていただきますが、平成22年度につきましては、抽出調査及び希望利用方式ということで、都道府県ごとに平均正答率が95%の確率で誤差1%以内になるよう抽出率を設定ということで、30%の抽出率で全国の調査を行いまして、こうした抽出調査対象以外の学校につきましては、学校の設置管理者の希望によりまして、調査を利用することができる希望利用方式という形で調査を実施させていただきました。本年の4月20日に調査を実施いたしまして、去る7月30日に調査結果を公表いたしたところでございます。
 この抽出、希望利用の回答状況をまとめてございますけれども、抽出調査が全体として30%ということでございますけれども、小学校、中学校それぞれ規模等異なりますので、抽出率は異なってございまして、表の合計というところだけご覧をいただきますと、小学校につきましては約25%、中学校につきましては約42%の抽出率ということになってございます。これを加重平均いたしますと、全体といたしまして、抽出率が約30%ということでございます。
 そうした中で、希望利用につきましては、「希望利用対象学校のうち、希望利用する学校の割合」という欄をご覧いただきたいと存じますが、小学校につきましては、抽出調査の対象となりませんでした希望利用対象学校のうち、希望する学校の割合が63.5%、中学校につきましては57.3%、約6割ということでございます。そうした抽出、それから希望利用学校全体を見ますと、抽出、希望利用を加えまして、小学校につきましては72.8%、中学校について75%といったような全体の調査への参加の状況ということでございます。
 その調査の結果でございますが、1枚繰っていただきまして、教科に関する調査と、それから質問紙による調査というものがございますけれども、教科に関する調査の結果といたしましては、「活用」に関する問題におきまして、記述式問題を中心に課題が見られる。あるいは設問を個別に見ますと、「知識」に関する問題においても継続的な課題が見られる。また、本年度は中学校3年生に対します調査につきましては、19年度に対象となりました小学校6年生が中学校3年の該当学年ということでございまして、その経年の変化というようなことにつきまして分析が可能な問題を、後ほどご説明いたしますが、出させていただいているところでございますけれども、中学校調査におきましても、小学校調査から引き続き課題が見られるものがあり、引き続き小学校、中学校を通じた継続的な指導が必要ということでございます。
 また、質問紙調査、児童生徒、学校がございますけれども、児童生徒のほうにつきましては、算数の勉強が好きな小学生の割合がやや低くなっているというような状況、見るべき項目がございますけれども、関心・意欲・態度、宿題、基本的生活習慣等の多くの項目で肯定的な意見が多くなっている。また、一部報道に取り上げられましたが、3歳から6歳までの間に、「幼稚園に通っていた」、「保育所に通っていた」、「どちらにも通っていなかった」小中学生の順に、正答率が高い傾向が見られる。また、学校質問紙におきまして、調べたり文章を書いたりしてくる宿題を出していた学校のほうが平均正答率が高いといったような傾向、家庭学習における取り組みとしてあらわれているところでございます。
 こうした中で、22年度の調査で新たにわかったことの例というのが表裏ございますけれども、教科につきましては、ただいまの説明の繰り返しでございますけれども、19年度小学校調査を受けた児童、中学校3年の段階でその結果を踏まえた問題をお調べいたしましたところ、1つはスピーチのために大切なことについて尋ねるような設問におきまして、そうした話し方の工夫ということをとらえることに引き続き課題がある。また、小学校6年生の段階で円の面積を求めるといったような出題を19年にいたしてございますけれども、22年、円の面積を前提とした円柱の体積を求める設問をいたしましたところ、やはり円柱の体積を求める際に、円の面積を求める際の円周の長さなどと混同している生徒が同程度いると。引き続き課題が見られたところございます。また、児童生徒の質問紙におきまして、先ほどご案内申し上げました幼児教育における状況といったようなことがございました。学校質問紙につきましては、先ほど申し上げましたことをここに数字で挙げてございますけれども、説明を省略させていただきます。
 2点目の23年度以降の全国的な学力調査の在り方でございますけれども、資料3-2、3-3がございます。3-2が概要でございます。この3-2に基づきまして、ご説明を申し上げたいと存じます。最後の1枚に参考として設置の趣旨等につきまして記載がございますけれども、「全国的な学力調査の在り方等の検討に関する専門家会議」を設置いたしまして、本教育課程部会の部会長でもいらっしゃいます梶田先生に座長をお願いしながら、6月から検討しているところでございます。23年度以降の全国的な学力調査の目的、あるいは対象教科・学年、調査方法、実施頻度等について、現在ご審議を賜っているところでございますけれども、去る8月27日に中間まとめを取りまとめ、公表をいただいたところでございます。その概要につきまして、ご説明申し上げたいと存じます。
 調査の目的につきましては、平成22年度の実施要綱に定められました調査の目的、今後も極めて重要であり、全国的な学力調査の実施は今後も継続すべきというようなことをいただいています。
 対象学年・実施時期につきましては、当面、小学校6学年及び中学校第3学年の児童生徒とすることが適当。過去4回の調査で定着してきた4月下旬の実施を基本とするということが適当。対象教科につきましては、これは調査の目的でございますけれども、義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、そのような取り組みを通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立すること、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることという調査の目的を踏まえれば、対象教科につきましては、これまでの「国語」、「算数・数学」に加えて、小学校では「社会」、「理科」、中学校では「社会」、「理科」、「英語」を追加することを検討していくことが適当。あらかじめ、問題作成の体制づくりを行うことが必要でございますし、通常、問題作成に1年以上かかること等を考慮しますと、教科の追加は早くても平成24年度調査からと。また、問題作成の体制づくりを段階的に行うことが考えられるために、追加の年度をずらして段階的に追加していくことも考慮する必要がある。2ページ参りまして、その実施頻度につきまして、学校の負担増を懸念する意見に配慮いたしまして、例えば3年に一度とし、毎年度、実施教科を入れかえて実施することも考えられる。
 調査方式につきましては、平成22年度におきまして、抽出調査及び希望利用方式に切りかえて実施をし、抽出率につきまして、都道府県が教職員の給与費を負担するとともに、広域での人事を行うなどの役割と責任を有していることなどにかんがみまして、公立の都道府県別の結果までを統計上有意なレベルで把握できる約30%の抽出率で全国的な抽出調査を実施し、あわせて希望利用調査を実施することで本調査の目的を実現することができると考えられる。抽出調査では、市町村別や全学校別の結果を統計上得ることは困難でございますけれども、過去3年間の調査結果や地方独自の調査を抽出調査にあわせて活用していただくとともに、さらに必要があれば、学校設置者の希望に応じて本調査を活用する希望利用ということをご活用いただくことによりまして、当面、このような併用方式ということが市町村や学校におけるニーズを反映して、調査の目的といったことから必要であるというふうに考えられる。
 今後の在り方といたしましては、平成22年度の調査方式を継続する意見、抽出調査のみとし抽出率を縮減する意見、さらには、少なくとも数年に一度は悉皆調査を実施するといったご意見に分かれているところでございます。また、異なる調査方式を組み合わせて全体の目的を実現する方式等も提起されてございます。これらの意見を踏まえまして、それぞれの意見で提起されました案につきまして、制度設計の検討、それらの案のメリット、デメリットや実現可能性についての分析・検討、児童生徒、保護者の観点や学校、教育委員会、教育関係者等の意見の集約などを引き続き重ねる必要がある。このため、当面、平成22年度調査で用いた調査方式により、現在求められている調査目的の実現を図るとともに、毎年度の調査実施後に、事業評価に基づいた継続的な見直しを行う。
 実施頻度につきましては、毎年度実施という意見と隔年または数年に一度実施という意見がございます。調査目的、調査方式の在り方と関連させながら、引き続き調査検討を継続する必要があるというところで、当面、平成22年度調査の調査目的、調査方式を継続する限りにおいては、「国語」、「算数・数学」について、毎年度本調査の実施を続けることが適当。また、「国語」、「算数・数学」以外の教科を追加する場合には、繰り返しになりますが、学校の負担増を懸念する意見に配慮し、実施頻度は、例えば3年に一度とし、毎年度実施教科を入れかえて実施することも考えられる。
 また、教育課程実施状況調査との関係などにつきましては、教育課程実施状況調査の目的を踏まえまして、全国学力・学習状況調査との役割分担を図ることが適当。また、経年変化の分析等についてのご意見もあるわけでございますけれども、今後、調査目的の検討と関連させながら、経年変化の分析等を重視した新しいタイプの調査方式の開発を進める必要がある。また、全国的な学力調査に求められてきた調査目的の要素の一部を、今後は、地方独自の調査が担っていくシステムを構築することができないか、今後検討を行う必要があるといったようなご意見をいただいているところでございます。引き続きこの専門家会議におきましてご検討いただき、今後の学力調査の在り方について、方向性を得ていきたいというふうに考えているところでございます。
 関連いたしまして、資料3-4でございますが、全体につきまして、また機会がございましたら、予算につきまして、平成23年度の概算要求につきご説明するような機会もあろうかと存じますけれども、このような中間まとめを踏まえまして、平成23年度の概算要求につきましては、引き続き抽出調査及び希望利用方式によりまして、小学校第6学年、中学校第3学年の児童生徒に対しまして、「国語」、「算数・数学」を対象教科といたしまして実施するということを前提といたしまして、概算要求をいたしますところでございます。その中で、平成24年度調査より対象教科を追加することができるよう準備を行うための準備経費についても盛り込ませていただくということで、概算要求をさせていただくということを考えているところでございます。よろしくお願いいたします。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。この全国学力・学習状況調査は、この教育課程部会、新しい学習指導要領の答申を出すプロセスの中でこういう議論も出てきました。また関連して言いますと、義務教育国庫負担法の議論のときにも出てきたんですね。いずれにせよ、これは単なる行政調査じゃないですね。現場に対する1つのメッセージとして出てきたという経緯がございます。どの子にもきちっとした学力をつけようという、2002年初めの遠山大臣の「学びのすすめ」というアピールをいわば土台にして、学習指導要領の改訂もやられましたし、全国学力・学習状況調査も出てきた。こういう経過があったわけです。
 皆さんご存じのように、3年間は悉皆で「算数・数学」と「国語」でやって、しかも、A問題とB問題という、基礎的なものと活用に関する問題でやってきました。4年目は政権交代があり、予算がということもあり、抽出と希望利用という、両方合わせれば7割ぐらいが参加したわけですけれども、いずれにせよ、初めの3年間とは違う形で、悉皆ではない形でやられました。これが今年の春、行われたものであります。これにつきましては、マスコミ等で非常にきちっと受けとめて報道していただいたと私は思っておりますが、3年間は学校ごとのデータまで出ましたから、これは学校にフィードバックして、同じ町でも学校によって違いますからね、あなたのところはこういうところが弱いよとか、こういう課題が残るよということがあったわけです。しかし今年は抽出になっちゃいますし、実は町のデータも出てこなくなって、都道府県のデータだけになってというきめの粗さになりまして、現場に対するアピールという面では非常に弱くなった。行政調査としては同じような意味があるという面もありますけれども、何か大事なものが足りないんじゃないかとマスコミのほうでも分析していただいております。
 それからもう一つ、今年の調査は抽出になったにもかかわらず、どうして都道府県ごとの順位が固定しているのか。別に順位にこだわるわけじゃないけれども、いいところはいいし、なかなか上がないらところもあるしとか、そういうことが問題にされた面もあります。特にB問題、特に論述式ですね、これはつけ焼き刃で受験勉強してもだめですね。物を考えるような訓練が日常の授業の中でできていないといけないわけで、これのできているところはできるし、できていないところはできない。こうした全体的傾向が4年間ずっと続いてきているのはどういうことなんだろうか、というマスコミでのご指摘があって、これはやっぱり受けとめなきゃいけないのかな、という気がいたします。
 で、来年以降はどうなるのか。今ご報告がありましたように、専門会議をもう一つつくって検討しておりますが、来年については、今年と同じような形でやるという形で予算要求をしています。しかし、再来年以降どうするかということで、この中間まとめが出ているわけです。教科の追加などをするのは来年の話じゃありません、再来年以降です。ただ、この時点で中間まとめが出たというのは、教科を増やしてはという意見がいろいろとありまして、「算数・数学」と「国語」だけでなく、若干教科を増やして、そうするとなると来年から準備をしなきゃいけない。来年の調査には間に合いませんが、再来年やるとすれば、来年から準備をしなきゃいけない。今度の予算に入れておかなきゃいけない。そういうことで、この時点で中間まとめが出たということでございます。
 したがって、教科を増やすということ以外のところでは、まだいろいろな意見が並列されて出ています。例えば、今ご報告いただきましたけれども、何年かに1回は「算数・数学」と「国語」だけでいいから悉皆をやったほうがいいんじゃないかとか、あるいは「算数・数学」と「国語」以外の教科の扱いを毎年同じようにしなくて、ある年は「理科」をやるとか、ある年は「社会」をやるとかいうのをやったらどうかとか、あるいは都道府県や市町村でやっている学力調査がありますね、これとの棲み分けをもう少しはっきりさせるべきではないかとか、これ全部、中間まとめに出ております。特に資料3-3をご覧いただきますと、括弧の中に書いてあるものだけ読んでいただいても何となくわかるような感じになっています。そういうことで、もう一度申し上げますが、中間まとめに出ている教科の追加などをするのは、来年のことではありません、再来年以降の話であります。ですから、まだはっきりとしたイメージが固まっているわけではない。ただ、教科を増やすという準備をするために中間まとめが出ていると、こういうことでございます。
 何かご意見がありますでしょうか。はい、向山先生。

【向山委員】

 あり方検討会議で大変いいおまとめをいただきまして、ほんとうにありがとうございます。私たち全国連合小学校長会は、抽出調査、そして教科数を増やすということで提言をさせていただきました。我々この数年来、全国の会員にアンケートをとっています。いわゆる学力低下論がばっこした後の平成16年、17年あたりは、いろいろな学力調査をやって子供の学力を把握するというような意見が強かったんですね。その後の平成18年、19年ぐらいから、その数値主義的な、あるいはいわゆる知的・学力的なことが先行していくという懸念が非常に会員から来るようになった。そして、今回のいわゆる開示の問題が出てきたわけです。この学力調査は文科省が、都道府県別の成績や市町村などの成績が出ないようにしていくという制度設計したわけですが、情報公開条例に基づく開示請求については、それぞれの県の審査会や何かが結論を出せば、開示せざるを得ない状況にあります。それが改善されない限りは、私たちは悉皆というのはやめるべきだと思っています。
 それからもう一つは、全国的な調査すると、どうしても子どもへの戻しが遅くなるわけです。都道府県レベルとか市町村レベルならもっと早く、5月にやったものを1学期中に返して学力の改善に役立てていくということになるわけです。私たち、よく全国のいろいろな首長さんや知事さんたちに会いますと、この結果がひとり歩きしていってしまって、そのことを新聞で住民たちが知ると、やはりいろいろな圧力を議会や首長さんにかけると学校の設置者たちはやっぱり気になるわけです。税金を取ってやっているのに、「おい、何でうちのところはこんなに成績が悪いのか」と。これが場合によっては数値主義的な、すぐ目先の点数を上げるような施策を打って出る首長さんもなきにしもあらずなわけであります。そういったことが、私は初等教育の本質をゆがめていきますので、それはまずいと思っています。1960年代に学力テストをめぐって不幸な時代がありました。そういったことの再現を絶対させてはいけないと思っています。
 それからもう一つは、テストの点を学校が競えば、あるいは自治体同士が競えば上がっていくという意見があります。しかし、子どもの学力はいろいろな家庭の環境とか、年収とか、地域の環境とか、そういったようなさまざまな要素でできているわけです。そちらのほうの改善というのは、そう簡単にいきません。2年前でしたか、学力調査結果の低いところでは、「どうせうちらばかだ。うちらあほなんだ」、こう言ったということを大変嘆いていた校長がいました。子供はふるさとを選べないわけですね。そういったような自尊心を傷つけるようなものをしては私はいけないと思っています。全連小としては、抽出で教科を増やしていくということで提案しています。今後、そういう形でやっていただければありがたいと思っています。

【梶田部会長】

 はい。予算の問題との兼ね合いで、悉皆で教科を増やしてというのがなかなか、それが1つネックであります。それからもう一つ、今の向山先生の見方についてはいろいろと議論のあるところです。はっきり言うと、例えば小数、分数ができない子供がこれだけ増えているということがあります。これを数値主義だと言えば数値主義だけれども、できないという事実があるということは重大な問題です。まして今回、B問題が入ったということでは、ああいう問題が解けない子供がいるということが浮き彫りになりました。こういう問題があって、やはり学校はもっと頑張ろうということになっているわけです。頑張らないとどうなるか今こうした問題が指摘されているのは公立の学校についてです。東京、大阪などの大都市圏では、いつの間にか公立から私立へのシフトが小学校にまで及んでいます。別にそれが悪いとは言いません。悪いとは言わないけれども、やはりまず税金を直接投入する公立の学校がしっかりしていかなきゃいけない、と言われることがあるのじゃないか。ただし、そうした見方があまり強くなると、公立の学校に対して圧力になり過ぎるということは確かにありますので、どの辺で、ということはあります。この問題は、また少しこれから議論していきたいと思います。
 今申し上げたように、全国学力・学習状況調査については、来年は今年やったような形でやっていかざるを得ないだろうと思いますが、再来年からもう一度仕切り直しをして考えよう、というのが今の方向だと思いますので、また少し議論をしてというふうに思います。
 何かありませんでしょうか。新藤先生。

【新藤委員】

 全日本中学校長会、新藤でございます。今回抽出になったわけですけれども、自分の学校を考えてみると、これまで3年間、積み重ねてきたものというのは結構大きかったなと改めて思っています。私の勤めております新宿区は、教育委員会の強い希望で全部希望しろと、実施するという形になりましたけれども、最終的に採点だとか、処理等については各学校の判断でという形になって、そこがなかなかうまくできているところとできないところがあって、その結果が十分うまく生かせないことで苦労しています。そういう面では全日中としては、今のような形で、75%の学校が希望も含めると実施するというようなことであるならば、悉皆に戻していただいたほうがいいのではないかと考えています。先ほど部会長がおっしゃったように、すぐにはできないと、予算の問題もありますのでと思いますが、そういうことを感じています。
 それからもう一つは、今回の結果の中で、私の専門教科が国語なので感じるんですけれども、「活用に関する問題」で記述式問題を中心に課題が見られるということが、これで4回連続で、ずっと指摘されているんです。各学校もそうですが、各都道府県でもこの問題はかなり深刻にとらえて、授業改善についてはかなり徹底しているはずなんですけれども、それでもうまくいかないということについては、私はかなり真剣に考えねばならないと受け止めています。先ほど向山会長がおっしゃった数値が外にどうのこうのという問題は、これは行政で考えていただいて、校長としては、1校を預かるものとしては、こういう力がなぜ子供たちにつかないか、これはこのままいけば、国際競争力という点でも太刀打ちできないわけですから、その辺のところを考えていく意味でも、この調査というものの持っている意味は大きいなというふうに思います。
 それから今回の調査の中で、19年度調査を踏まえた問題で、小学校調査から引き続き課題が見られるものということでスピーチの問題が挙げられていますけれども、これもかなり現行の学習指導要領、新しい学習指導要領では、国語でいけば話す・聞くの領域ですが、そういったコミュニケーション能力の指導には力を入れてきているわけですけれども、正直言って、今指導している多くの教員、特に年配の教員は、考えてみれば、話す・聞くの指導というのを自分自身が受けてきた経験がない。そういった面では、指導法の工夫等がさらに必要だということが言えます。私が懸念するのは、こういった指導において、知識ばっかり教えることになってはいないかということです。スピーチ、実際に話すこと、聞くことの能力の育成の面では、情意も含めて、技能だけではなくて、知識だけではなくて、活用というところまでの指導が求められているんだなと思います。それはなかなか一朝一夕にはいかない。そういう面では調査が悉皆で何年も、かなりの年度にわたって蓄積されていく中で研究が進み、そういった授業改善の方法についても、国だけではなくて、各学校レベルでも、学校の実態に合わせた研究が進んで授業が改善され、子供たちの力が確実につく。調査の結果だけではなくて、それが将来にわたっても生きる力となるような方向にこの調査というのは生かしていかなきゃいけないんじゃないかと私は考えています。そういった意味では、教科の数を増やすこととか、悉皆に戻していただくというようなことについても十分ご検討いただければなと思っております。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。まさに我々の教育課程部会の目指している、習得も大事だし、活用も大事だし、探求の力も大事だしという、そういう新しい方向づけを、こういうエビデンスベースで、ほんとうにそれが実現していっているだろうかということをチェックしながら、また次の一歩を、どう改善できるだろうかを考えていく。そういうサイクルの中で考えようということです。教育課程部会はこれをやってきたわけですから、これからもそういう意味で、今おっしゃっていただいたように、何かまた提言できればというふうに思います。くどく申しませんが、来年についてはあまり改善ができません。再来年以降ということになりますが、したがって、この部会でいろいろと議論しながら提案をしていくことができるという時間的余裕はあると思います。
 どうぞ、渡久山先生。

【渡久山委員】

 1つ、見直しのための議論が出てきたというのは、僕は非常にいいと思います。ということは、3年間やってきましたけれども、日本の子供たちの学力は上がったのか、どうなったのかという。あるいは今でも、例えばトップクラスの県はトップクラス、下のほうの県は下のほうの県ですね、ほとんど固定化していますよね。しかし、それが何なのかということで、せっかくやってきたのが、それが改善の方向、特に学力の改善の方向へどう生かしているのかというのが非常に不十分ですから、そういうようなものをもう一度見直して、目的はどうだったかということで見るべきではないかと思います。抽出については抽出でいいと思います。悉皆なんかだったら、ちょうどイギリスの例がそうですよね。必ずしも成功していませんから、これは悉皆でするものではないだろうと思います。
 それと同時に、何の目的でするかということをもう少し明確にしてやって、例えばPISAでもTIMSSでもある程度絞り込んでやっていますよね。それで応用力というのをやっていますよね。要するにPISA的学力と言われるものですね。結局そういうことだから、知識偏重の学力ではだめだよということなんだけれども、どうも日本の場合はそれからなかなか脱却できない。そういうことですから、今度の場合、見直しの中にはそういうことも含めてやっていくべきだろうと思います。
 それから抽出にして、教科を増やしていくことは大事だと思います。例えば英語なんかは増やして。あんなに教育課程を変えていって、その中で最も変わったのは英語じゃないかなと思うんですね。それでいて、その英語の子供たちの学力といいましょうか、あるいは英語を使う力といいましょうか、あるいは話せる能力というもの、それがどう変わっていったのか。これはぜひ見るべきじゃないでしょうか。これは全国的に文部科学省が責任を持って教育課程を変えたわけですから、それはやっていってもいいと思う。そのためには抽出にして、あれは抽出でも十分ですからできるだろうと思いますから、教科を増やして、その前に英語なんかは十分に増やしていくための1つの検討課題になるんじゃないかと思います。
 それからもう一つは、先ほど梶田先生も言われましたが、各県での調査だとか、学力検査とか、いろいろあるんですよね。あるいは教育課程の調査もありますね。それを整理すべきでしょうね。現場ではほんとうに調査が多くて、非常に困るわけです。整理して、国としてはまずこれでいくなら、これ1本でいくと。それにTIMSSを加味すると。こういう感じでやって、各県ではそれでもできないものを補完する、あるいは補てんするような感じのテストにするというような整理をしていって、子供たちにテストによる負担というものはできるだけ少なくするような方向性を考えていただきたいと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。市川先生、そして岩﨑先生。

【市川委員】

 この全国学力調査ですけれども、3年間とにかく悉皆でやったということは、現場に対してこういう学力を求めているという、梶田先生がおっしゃった「メッセージ」ですね。そういう刺激を与えるという意味では、大変効果があったんだろうと思います。もちろん競争をあおられたとかいうことで、かなり問題があったという声もありますが、どこの県もよかれと思っていろいろな教育をしてきた、それが結果を突きつけられて、やっぱりどこか問題があったのだろうという意識を高めて、実際に何かの策を講じるようになったという意味では、かなり刺激になったのは事実だと思うんですね。
 問題は、これからどうするかなんですけれども、仕分けのこともあって、悉皆をそのまま続けていくということは予算上も問題があると。ほかにもいろいろな問題が指摘されたんだと思うんです。ただ、これは私が学校なり、教育委員会などから聞いている意見では、悉皆にするということによって、人ごとではなくて、自分の学校の問題だという意識が高められたと。それから、抽出になっても、参加を希望する声は実際結構あって、この費用の負担とか、採点の手間というのは相当大変と。もし参加しないということになると、結局、業者テストをやったり、それには保護者に対する負担もかかったり、それなら悉皆でやってくれたほうがよっぽどよかったという声もあると。ありがたかったというわけですね。あのおかげでいろいろな負担も減ったし、どうせだったらやってほしかったという声もあると。
 そういう中で、ちょっとこれは質問です。一方では、費用が大変だからということで減らせという声があって、そのために悉皆をやめて抽出にしたと。一方では、今教科を増やすという声が出ていますね。教科を増やすということは、当然費用がたくさんかかるということなんです。ですから、教科を増やすくらいだったら、今の自主的に参加したところに費用を負担したり、採点をしたりしてくれる、そっちのほうに回してほしいという声もあるでしょうし、一方では、何も国語、数学に限ったことではないから増やしてほしいと。このあたりのどっちに回すのかということですよね。予算は限られているので、一方では減らすということをやって、一方では増やすということをやっていると。このあたり、どう説明をしていったらいいのかというのは非常に難しいところだと思うんですが、どんなふうに議論をされているのかというのが、もし、今途中だと思いますが、お聞きできればと思います。

【梶田部会長】

 多分、まだ事務局の中ではそこのところについては、これから議論して整理していかれるというところだろうと思います。ただ、ご指摘のように、お金の問題がからんできます。いろいろとこれやりたい、あれやりたい、例えば教科を増やしていくとか、それから希望利用のところに若干の補助を出したいとか、いろいろな意見はございます。そうすると予算が増えます。しかし、ご承知のように、文科省全体の予算は切り詰めなきゃいけないという問題がございます。ですから、これはこれからの大きな、優先順位をどこに置くかという議論になるんだろうと思います。
 岩﨑先生。

【岩﨑委員】

 ありがとうございます。先ほど現場に求められているというご意見が出ておりましたけれども、確かに現場は、この調査によってやらなきゃならないというふうな気持ちを持っております。ただ、ほんとうに私が思いますのは、わからないまま、できないまま、習得しないまま、子供たちを置き去りにしてこなかったかというところを現場がしっかりととらえないといけないと考えます。また、現場は現状を知ったときに、学校現場だけではできない課題があります。家庭の状況だとか、生活環境だとか、習慣とか、そこのところがありますので、やはり結果を学校だけにとどまらずに、子供たちにも十分に話し合っていくということだとか、家庭にも懇談の機会を持って話し合っていくという向上・改善に向けての機会も浸透していかないと、これは調査をしても、調査の結果が伸びるかどうかというかぎはそこにあると思いますので、そこのところへも波及できるように施策や配慮もお願いしたいということが1点でございます。
 もう1点は、先ほどのご説明でもありましたが、1枚目の裏表紙のところに質問紙調査の結果というところで、3歳から6歳までの間に、「幼稚園に通っていた」、「保育所に通っていた」、「どちらにも通っていなかった」の順に、正答率が高い傾向が見られたということがありますけれども、これを見て、もしも保護者がどのようにとらえていくのだろうか。働く女性がどんどん増えていく中で、保育所が充足しておりません。幼稚園、保育所、両方とも通わなかったというところをどう分析していくのかというのは、私は大変微妙な課題ではないかと思います。
 以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。特に後者のような言い方をストレートに出すのがいいかどうかということがあります。今年の調査結果をどう受け止めるかということは、分析と活用の専門会議にもまだかかっておりません。ですから、これは事務当局で機械的にと言うとおかしいですけれども、そのまま出されたものですけれども、実はそうした表面的なトレンドの裏に何があるのか、です。以前、朝ご飯を食べて来る子供は成績がいいけど、そうでない子は成績が悪い、という表面的なトレンドをストレートに出したことがありますね。朝ご飯を食べるということにはどういう意味があるのか、ということを後で議論して、データをクロスさせて、そういう単純な話じゃないということになりました。朝ご飯さえ食べれば成績が上がる、という話じゃないのです。今回のことでいうと、幼稚園にさえ行かせれば、学校で成績が上がる、ということじゃないはずなんです。その背後にあるいろいろな事情があってということがあるように思います。表面的なトレンドを生で出すのは非常に危険な話なんです。ですから、これまでの調査結果については、生のデータについては大抵クロスをかけて、実は表面的な傾向の背後にはこういう事情があるんですよ、ということまで含めて文科省のほうでも出していただいているはずなんです。ということで、ご指摘のとおりというふうに思います。
 今日はこのあたりにしたいと思います。全国学力・学習状況調査は再来年ぐらいから新しいステージになる可能性もありますので、皆さんのご意見を専門会議にもご報告しながら、また専門会議で出た考え方を部会にも報告して、少しでもいいものにしていきたいと思っております。
 では、次に進みたいと思います。「教育の情報化ビジョン」が出されております。これは副大臣のもとでこういう検討をしてこられました。これにつきまして、事務局からご説明いただきたいと思います。

【齋藤生涯学習政策局参事官】

 生涯学習学習政策局参事官の齋藤と申します。学校教育及び生涯学習の情報化を担当しております。
 資料4-1と4-2に沿って説明いたします。今ご紹介がありましたように、先週26日の木曜日、鈴木寛文部科学副大臣より、定例記者会見において、ビジョン(骨子)が発表されました。当該骨子に先立ちまして、資料4-1に沿って、本年4月より開催してまいりました「学校教育の情報化に関する懇談会」についての概要を説明したいと思います。
 今後の社会の情報化の急速な進展に伴いまして、ICTを最大限に活用した21世紀にふさわしい学校づくりが求められているため、今後の学校教育(初等中等教育段階)の情報化に関する総合的な推進方策について有識者等との意見交換を行うという趣旨で設置されました。
 委員は、慶應義塾大学元塾長の安西先生に座長を務めていただきまして、大学の先生方をはじめとします有識者の方々、学校現場の方々、PTAの代表の方や教育委員会の方、首長の方など22名でございます。
 4月22日以来、8回にわたりまして懇談会を開催し、先週26日に「教育の情報化ビジョン(骨子)」を文部科学省として公表させていただきました。骨子と申し上げていますが、「教育の情報化ビジョン」本体は引き続き懇談会でも議論を行いまして、年度内、来年の3月ごろを目途に策定しようと考えております。
 今後の検討体制といたしまして、9月以降、3つのワーキンググループ(教員支援ワーキンググループ、情報活用能力ワーキンググループ、デジタル教科書・教材、情報端末ワーキンググループ)を設置しようと考えております。これらのワーキンググループでの検討を通じまして、骨子をさらに肉づけしていこうと考えております。
 骨子の概要について、資料4-2の参考資料1に沿って説明いたします。この資料では、ほぼ、骨子の章ごとに整理をしております。まず、懇談会では、そもそも教育の情報化は何のために行うのか、それは、これからの21世紀を生きていく子どもたちに必要な力をつけてもらわなければいけないからであるということで、21世紀にこの社会はどうなっていくのかというところから議論を始めていただきました。そこで、その社会というのは、中教審の答申等でもご議論いただきましたように、知識基盤社会であり、その社会は一層グローバル化して国際競争が加速する、あるいは国際協力の必要性などが増大していく社会であろう。我が国の競争力の低下や子どもたちの学力の低下が見られる中、そういった社会において求められる力はやはり「生きる力」であり、また、必要な情報を主体的に収集・判断・処理・編集・創造・表現・発信・伝達できる能力である情報活用能力、課題をみずから発見し、みずから問題解決を図り、あるいは相手に伝え、相手を説得する、情報活用能力が「生きる力」にも資するであろうと考えております。こういった考え方自体は、OECDのキーコンピテンシーや、最近では欧米で21世紀型スキルというような言われ方をしている力と認識を共有しているものだと考えております。
 そういった21世紀を生きる子どもたちに求められる力を育成するためにふさわしい学びというものは、子どもたちの一人一人の能力や特性に応じた学びや、子どもたち同士が教え合い学び合う協働的な学びであり、これらがそういった力を育成するために重要であろうと考えております。その際、情報通信技術の特性を活用して、それらの学び、個別学習、あるいは協働学習と申しているものを創造していくことができる、教育の情報化はその役割を果たしていくことができるだろうと考えたわけでございます。
 次に、教育の情報化の3つの側面と言っている、情報教育、教科指導における情報通信技術の活用、校務の情報化につきまして、それぞれの推進方策を検討いたしました。子どもたちの情報活用能力の育成を図る情報教育につきましては、学習指導要領が改訂されておりますので、まずはその新学習指導要領の円滑かつ確実な実施が、当然のことながら必要だと考えます。その際、例えば文科省が作成しております「教育の情報化に関する手引」において示された、各学校段階において期待される情報活用能力やこれを身につけさせるための学習活動の例等を学校現場に一層周知していくことが重要であるほか、現在学校現場で展開されている好事例をさらに収集して提供していくことが重要であると考えております。また、子どもたちへの情報モラル教育の充実は、さらに重要であろうと考えております。
 「今後の教育課程に向けて」につきましては、ご議論があったところですが、各学校段階にわたる体系的な情報教育を一層効果的に行う観点から、例えば研究開発学校制度を活用するなどにより、情報活用能力の育成のための教育課程について実証的な研究が求められるとしております。
 そして、情報通信技術を効果的に活用したわかりやすく深まる授業の実現等を目指しておりまして、最近よくメディア等でも報道されているデジタル教科書については、大きく2つに大別されると考えております。指導者用デジタル教科書と学習者用デジタル教科書です。指導者用デジタル教科書は、電子黒板やプロジェクタ等、先生方がデジタル機器等の提示機を使って生徒たちに示すコンテンツ、教科書に準拠した形でのデジタル教材と定義をしております。他方、学習者用デジタル教科書は、1人1台情報端末が実現した際に児童生徒の端末の上に載ってくるコンテンツを考えております。それについては、これから開発していく段階であると認識しております。
 特に今回のビジョン(骨子)におきましては、これらについて、デジタル教科書や1人1台の情報端末につきましてさまざまな課題が指摘されているところですので、小・中・高等学校や特別支援学校等の学校種・発達の段階・教科に応じた教育効果がどのようなものがあるのか、指導方法としてはいかなるものがあるべきなのか等について実証研究を行っていくことが必要であると考えております。そのほか、そもそもそういったデジタル教科書や情報端末に必要な機能というのはどんなものなのか、それについてのモデル的なコンテンツの開発が必要なのではないか、子どもたちの健康への影響があるのではないかといったさまざまな課題について実証研究を行っていく必要があると考えております。
 それから、校務の情報化につきましては、情報通信技術を活用することによって情報共有を進め、きめ細かな指導を行ったり、教員の校務の負担を軽減して子どもたちと向き合う時間を増やす観点から、校務支援システムの充実を今後とも図っていく必要があると考えております。
 そのほか、特別支援教育におけるICTの活用の有用性について、改めて記述をしております。また、教員の支援の在り方といたしまして、現場の先生方がICTの活用についての研修の充実を図る必要があるということ、教員養成課程におきましても、新たな教員養成カリキュラムの開発や効果的な履修体制の構築を図っていく必要があること、採用におきましても、ICT活用指導力を十分考慮することが必要であること、教員のサポート体制については、ICT支援員の配置などを充実する必要があること等々の議論を行い、骨子でまとめております。
 最後の章では、横断的な今後の推進方策について記述いたしております。ソフト・ヒューマン・ハードの総合的な計画的推進といたしまして、教育の情報化に当たりましては、昨年のスクール・ニューディールがございましたけれども、従来地方交付税で専ら措置されておりましたが、地方交付税措置と併せて、一定程度使途を限定した支援措置も検討する必要があろうということで、これは中長期的には一括交付金のようなものを念頭に置いております。また、総合的な実証研究といたしまして、先ほど申し上げました実証研究を多角的な観点から行っていく必要があると考えます。
 それから、総合的な推進体制の構築といたしまして、諸外国の例等にもかんがみまして教育の情報化のための組織の充実を図る必要があるというご指摘がありましたが、ここでは国研のWebサイトであるNICERに関する機能・体制の強化や、社会的機運の醸成として、さまざまなシンポジウム、イベント等も考えていく必要があるだろうと考えております。
 なお、、参考資料2として「新たな情報通信技術戦略」工程表を添付しております。こちらは、内閣総理大臣を本部長、各閣僚等をメンバーとするIT戦略本部にて本年6月に決定されたものでございます。政府としましては、基本的にはこのようなスケジュールに沿った形で情報化を進めていこうと考えております。
 私から報告は以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。この折り込みの1枚のものですね。今皆さんに見ていただいた、これが懇談会の考え方をよくまとめていただいていると思います。それからその背後にある、経済産業省を中心として、今の内閣府が進めようとしておられる全体の工程表、これもよくまとまっていて、考え方はよくわかると思います。ただ、教育としてどうだろうかという話は、また別の問題がありますので、もし何かご意見があればお願いしたいと思います。どうしても一部の話だけがクローズアップされ過ぎて、もう紙媒体をやめちゃって、紙の教科書をやめちゃって、みんな1人1台のパソコンで勉強するようになるんだとか言われています。こうした話は30年ぐらい前からコンピューターシステム、CAIを学校に全面的に導入しよう、というような10年に1回くらい繰り返されてきた話です。せっかくいろいろと総合的に考えていただいているものが一部分だけクローズアップされ過ぎかな、というのが私の率直な感じでありますが、この資料を見ていただきますと、かなりいろいろなことを同時に考えていただいているという印象も持っております。
 何か。じゃ、増田先生。

【増田委員】

 ありがとうございます。これから電子機器を使ったデジタルの教材が増えていくということは、時代に合った動きとして、とてもいいと思うんですけれども、私は子供たちがそういうものに向き合っていく中で、ちょっと健康面が心配になってきます。電磁波から来るいろいろなテクノストレスというんでしょうかね、そういうことで目の痛みですとか、頭痛ですとか、いろいろな健康における障害の話なども聞きます。これからより一層子供たちがデジタル教材に向き合う中、授業と授業の合間に外の空気を吸ったり、ストレッチをしたり、積極的にスポーツをする時間が必要になってくると感じます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。室伏先生。

【室伏委員】

 ありがとうございます。今、増田委員がおっしゃったことと関連しているのですが、電子機器に向き合って、その特性を生かした教育を行うことはそれなりに大事だと思うのですけれども、人と人とのコミュニケーション能力の涵養を忘れてはいけないと思います。人と人とのコミュニケーション能力を発達させて、生きる力、豊かな心、健やかな体と心を醸成していくといった考え方を忘れないようにして頂きたいと思っております。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。天笠先生。

【天笠委員】

 この資料4-2を拝見させていただきますと、こういう教育の情報化というところと学校の創造という、そういうことを目指してこの骨子をまとめられたということで、今拝見しましたので、もう少し丁寧に見なければいけないことは言うまでもないかなと思っているんですけれども、全体をざっと見させていただいたときに、何か1つ、こういう点についての検討というのはこれからなのかなと、そんな印象を持ちました。それはどういうことかというと、学校を創造していく、その柱になる部分というのは、やはり私は教育課程、カリキュラムの編成というのがあっての、それではないかと思っております。そういうふうに考えたときに、ここの骨子のところでは、学校としてどういう教育課程をつくるかという、そこにこのテーマである情報というのがどうなじませていくのか、位置づけるのかということなんだと思うんですけれども、ところが、どちらかというと、情報化というより、むしろ電子化というんでしょうか、そのところをどういうふうに学校の中に入れていくのかというふうなところを、どうしても立場上進めているわけですけれども、もう一度改めてこれらのことについて、学校として、教育課程として情報のあり方ですとか、情報についてどう向き合っていくのかというふうなことからの教育課程、そこをもとにした授業、教育活用のあり方というふうな、そのようなことを説いていくということについての記述というのがやはり私は非常に大切なんじゃないかと思うんです。
 ところが、一方においては、校務の情報化の支援のあり方ですとか、授業のデジタル化ですとか、何かそういう手法等々のところ、それはそれで大切なことだと思うんですけれども、何か、今申し上げたようなところについての学校の核となる部分というあたりのところの押さえどころが、このテーマは大切なのかなというふうに思います。そういうふうに見ていったときに、この工程表の中にカリキュラム・マネジメントの指導者養成研修ということなんですけれども、今申し上げたようなことというのは、実は私はカリキュラム・マネジメントの研修等々でも極めて重要なんじゃないかと思っております。そのあたりのところが、今回の学習指導要領改訂に当たっての答申文書の中にもそのことが盛り込まれたのではないかというふうに思っております。そのあたりのところの趣旨をしっかり押さえた上で、このカリキュラム・マネジメントの研修のプログラムの開発というものは大変大切なんじゃないかなというふうに思っております。そのあたりのところの押さえをぜひしていただきたいということで、そういう点においては、この種の研修のプログラムの開発がどんなふうになされていくのかどうなのか。そのあたりのところについて、今後とも注視していきたいなというふうに思っております。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。向山先生、そして次、新藤先生。

【向山委員】

 私も天笠委員と関係するんですけれども、全体的なカリキュラムというのは、今回の学習指導要領の総則の中の教育課程の一般方針という中に十幾つかいろいろな項目があるわけです。言語活動をしっかりやりましょうとか、さっき室伏委員が言ったようなコミュニケーションをやっていこうとか、そういう中の1つに情報のことも入っているわけですね。情報だけ特化してやっていくという印象を与えては困ると思うんです。やっぱり十幾つある中の1つなんです。調和的にやっていかなければいけない。そういう中でこれも位置づいているわけです。それからもう一つは、学校の多忙感がありますからこれをやることによって、さらに一層拍車かけるということになると、本末転倒になりますから気をつけていかなければなりません。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。では、新藤先生。

【新藤委員】

 先ほど天笠先生も言っていただいたけれども、ほんとうにそのとおりだなと思っておりますので、ぜひその辺のご検討。あわせて私が思っているのは、自分自身が中学校時代、皆さんの中学校時代を思い出していただくとわかると思いますけれども、学校には最先端のものがたくさんあったんですけれども、今、学校にはほとんどないんですね。今、考えてみますと、ニートとか、若者で職になかなかつかない子がいるんですけれども、そういう子たちの1つの典型として、コンピューター等最先端のものが全然使えないというのがあるんです。小学校、中学校、高校の公教育の中でしっかりと最先端に触れておかないと、彼らはこれを使いこなすことができない。使えないがために機会が与えられない、そういった不平等が起こってくるだろうと思います。
 そういったことを考えると、これは全国すべての学校でぜひ実現される必要があるだろうと。そのためには、今、私一番懸念しているのは、財政力の差によってこれらが、例えば私とも新宿区などは今どんどんそれが入ってきています。そういうことで、できるところと、そういうことがしたくてもできない地域が出てくると。このことについては、国庫負担制度も含めて、交付税でうまく対処するとはおっしゃるんですけれども、それはなかなか現場には生きていかない。この辺のところについてはしっかりと、すべての学校で実現できるように、そういった工程表であってほしいなと思いますので、ご配慮いただきたいと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。渡久山先生。

【渡久山委員】

 情報化への今の進歩に対して教育が追いついていくというのは、必然的に要求されるものだと思います。しかし、現場を見ていると、今、先生から挙がったんですけれども、パソコンで98かまだあるんじゃないですか。それもほこりかぶって使えないんです。ということは、40台あって、1個がどこか生徒が操作ミスすると、これだけで1時間終わっちゃう場合があるんです。だから、そういうことを考えると、これを持ち込むためには、教員だけでいいのかという。けさほど田村先生のところでも特別部会で議論していたけれども、教員の資質の問題の中にこれが入ってくるとしたら、これは非常に大変でしょうね。ですから、そういうことも考えて、ほんとうにこれはコンピューター操作など、特に必要なのは、これを生かすには、それなりのきちっとしたリテラシーを持った技師が必要だと思うんです。教員養成課程で全部こういうものもこなして、現場に来たら、はい、何でも使えるという話にはならんと思うんですね。ですから、学校現場で、例えばLANが入っている学校は少ないでしょう。特に東京なんかは統計的には遅れていると言われていますよね。そういう中でこれなんか出てきたら、何か雲の上の話ですよ。ですから、そういうことを考えて、もっと現実に対応してほしいですね。
 例えば、職員室にも教員一人一人に1台ずつのコンピューターが入っているところと、そうでないところがあるんです。ですから必ずしも、2台から4台ぐらいになったかな。今、現場をちょっと離れているからわかりませんが、だから結局、資料を自分のコンピューターに資料化して持っていって、どこかで盗難に遭ってみたり、なくしたりするんです。しかし、そういう事件は今非常に厳しく、資料を持ち出さないようになっています。しかし、コンピューターは列をつくって利用するという時代がちょっとありました、二、三年前ですね。今はどうなっているかわかりません。だから、そういう面では、やっぱり日常化された今の情報化機器ですね、それはできるだけ先端というか、できるだけ予算化して、教員そのものに利用できるようなやっておかないと、今、先生が言われたように、学校によって、地域によって、リテラシー格差というのがずっと出てくるような気がします。そうしたら子供たちは必然的にそうなってきます。
 それからもう一つ気になるのは、今非常に情報化に伴って犯罪が増えていますでしょう。あの辺をどうするのかということは、これの以前の問題なのかどうなのかわかりませんけれども、これを並行してやっていかないと、今子供たちはほんとうに危険にさらされているんですね、情報機器のために。そういうこともこれから議論しておいていただきたいなと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。いろいろとあると思いますが、最後に市川先生、お願いいたします。

【市川委員】

 90年代にも情報教育とか、コンピューター・リテラシーということが随分言われて、膨大なソフト、ハードの開発があって、それがどうなったかというと、ほとんど使われないまま陳腐化したという、多分、日本の教育界にとっては苦い経験だと思うんですね。それが再現されてはいけないんだろうと思います。今、現場で見ていると、とにかく電子黒板がまず入ったと。入った以上は活用しなきゃいけないということで、ぜひ活用してくださいと言われて、ほんとうにこれが入って役立っているなと思われる実践は二、三割くらいです。これはなくてもできるなとか、あるいは使わないほうがいいんじゃないか。せっかく実物があって、みんな前に出てきて見てご覧と言えば、三次元のものが見られるのに、わざわざ実物投影機で二次元に落として非常に見にくくしているというようなことも、笑い話のようですが、結構あります。何でそうなってしまうのかというと、こういう機器とかソフトとかが、必要な学習というのと、そういうことなしで、むしろ手づくりの教具がいい学習段階と、その間のギャップが大き過ぎるんじゃないかという気がしています。例えば、大学だったら絶対コンピューターは必要です。大学生の学習はコンピューターがないとできない。中学校、高校でも探究的な学習となったら、そういうものが必要になると思います。海外の生徒たちともインターネットでいろいろなコミュニケーションをとるとか、非常にいい使い方もあると思いますけれども、小学校の基礎基本の習得まで無理にやろうとすると、かえってギャップが出てきて活用されなくなる。ですから、どういう学習を求めていて、そのときにはこういうものが効果的だということをよっぽど注意して提示していかないと、機械ばかり入って、結局、使われないまま陳腐化すると。これは避けたいですよね。すごくいいものだったので、絶対これは次の機種にも更新してほしいという、現場の先生からそういう声が出るような使い方がセットになって提示されないと、かえって問題が大きくなってきてしまうのではないかという気がしております。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。では、田村先生。

【田村副部会長】

 問題意識、市川先生のご指摘とあまり変わらないんですけれども、実際に生徒を預かっていますと、中学、高校生が外国との交流をする、あるいは外国の大学へ進学していくという、こういう生徒たちといつも話をするとき、必ず共通に出てくる話は、要するに今、市川先生は大学ではコンピューターとおっしゃいました。確かに向こうの大学では一人一人がパソコンを持って授業を受けるというのは常識なんですね。しかし、その手の教育が日本では中高時代はほとんどされていないんですね。やってきていない。ですから、新藤先生が格差の問題という形で取り上げられましたが、むしろ、それもあるけれども、先端的な意味でその部分がすごく日本は明らかに遅れているという実感を、私ども中高の校長として生徒と接していると、常日ごろ言われます。しかし、学習指導要領にはないんですよね、そういうことをやる部分がね。ですから、何が原因かなと思っていろいろ考えているんですけれども、1つはおそらく携帯電話が発達し過ぎているんじゃないかというふうに思いますね。アメリカでもヨーロッパでもそうですけれども、携帯電話って電話の連絡しか使っていないんですけれども、日本はそうじゃないんですよね。あれがあるためにパソコンを使うという技術を習得したり、それを何かするようなことを中高時代にやる経験が全然ないというか、そういう必要もなくなっていると。結果、そういう結果になっているんじゃないかなというふうに、ちょっとこれ誤解かもしれないんですけどね。今のような話をぜひ一つ、この会がございますね、教育の情報化ビジョンの中に参考に生かしていただけると大変ありがたいというふうに思います。
 現実に生徒に言われるんですよね。日本はその点がほんとうに遅れているという。教材で使うという、デジタル教材のことばかりが前面に来ているんですけれども、実際、日常的にコンピュータを使うということが中高時代にされていないんですね。だから大学に入ると、早速それで困るわけです。現実に同級生のアメリカ人やイギリス人の学生というのは自由自在に使いこなしているという実態があるんですね。ですから、その点を言われると、申しわけないね、悪かったねと言って謝るよりしようがないんですよね、現場の教員としてはね。だからちょっとそこのところはほんとうに考えていただきたいなというふうに思います。

【梶田部会長】

 はい。この懇談会で出していただいた考え方について、多面的にいろいろと今日ご意見をいただきました。また、何かの機会に向こうにもお伝えいただきまして、これまた、まとまってくれば、こちらで少し聞かせていただくというときもあると思います。ということで、これはここまでにしたいと思います。
 今日は、実は、あと報告だけですけれども、あと4つぐらい報告をしていただかなきゃいけませんので、すみません、事務局のほうから、梶山さんのほうからお願いします。

【梶山教育課程企画室長】

 それでは、資料を用いまして、4点ほどご報告をさせていただきたいと思っております。まず、資料5をご覧ください。こちらは新学習指導要領の周知・広報に関するものでございます。この新学習指導要領の周知・広報に関しては、こちらの部会のほうにも何回もご報告させていただいたところでございますが、平成22年度におきましては、まず、保護者・一般向けの広報というものを私どもとして重視しているところでございます。PTAのご協力をいだたきまして周知・広報を図る。メディアを通じた周知・広報を図る。また、保護者・一般向けの広報を市町村、学校などにおいてもぜひお願いしたいということを申し上げているところでございます。
 また、(4)でございますが、一般向けの広報・説明資料ということで、以前、「生きる力」というパンフレットをつくらせていただきました。お手元にあろうかと思いますが、少し分量を増やした形でわかりやすく説明した資料の作成を行うとともに、4ページ物ぐらいのリーフレット、こちらについては後ほどつくらせていただきまして、ご利用いただきたいと思っております。このような資料作成により周知広報を図っているところでございます。
 次のページをちょっとご覧いただければと思います。教育委員会、学校に対しても周知を図っていくということを引き続き行っているところでございますが、会議等を通じた周知を図っていくとともに、この(2)にございますようなポイントごとの指導資料の作成等を行っているところでございます。22年7月現在で作成済みものということでこの4点。それ以外に、22年度中に作成ということで言語活動の充実に関する参考事例集といったもの、それから小学校の理科の観察・実験に関する手引等々を作成し、周知というものを図ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
 引き続き資料6をご覧ください。こちら中央教育審議会に対しまして、6月3日に教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策というところで諮問させていただいたものでございます。これを受けまして、「教員の資質能力向上特別部会」を設置いたしまして、現在までに4回にわたってご議論いただいているところでございます。一番後ろに諮問の内容をあらわした資料がございます。こちらについて、簡単にご説明申し上げますが、審議事項という部分をご覧いただければと思います。こちらに、1、2、3とございますが、1にございます教職生活の各段階で求められる専門性の基盤となる資質能力、これを着実に身につけられるような新たな教員養成、それから教員免許制度のあり方についてということ。それから2でございますが、新たな教員養成の在り方を踏まえて、教職生活の全体を通じて教員の資質能力の向上を保証する仕組みの構築、こちらについてご議論いただく。また、3でございますが、教育委員会や大学をはじめとする関係機関や地域社会との組織的・継続的な連携・協働の仕組みづくりについて、ご議論いただいているところでございます。こちらにつきましては、田村委員に部会長、安彦委員に副部会長になっていただきまして、ご議論を行っていただいているところでございます。
 それから7-1をご覧いただければと思います。3件目でございます。恐縮でございますが、「コミュニケーション教育推進会議」というものを、現在開催しているところでございます。こちらの趣旨というものが7-1にございます。ご覧いただければと思いますけれども、多様な価値観を持つ人々と協力、協働しながら社会に貢献することができる創造性豊かな人材を輩出するために、コミュニケーション能力の向上が求められるということに関しては言うまでもないところでございます。新しい学習指導要領においても、思考力、判断力、表現力等をはぐくむということを重視しておりまして、子供たちのコミュニケーション能力を育成していく、こういうところを目指しているところでございます。
 このため、文部科学省の副大臣の決定の有識者会議といたしまして、イギリスとか韓国において行われている、演劇でありましたり、ダンス、このような表現手法などを活用してコミュニケーション能力の育成を図る取り組みなども踏まえて、「コミュニケーション教育推進会議」というものを本年5月に設置するとともに、その下にワーキンググループを置きまして、学校教育におけるコミュニケーション教育の趣旨や意義、それから具体的な推進方策、普及方策などについて検討を進めているところでございます。
 こちらにつきましては、資料7-2というところで、2枚ほどめくっていただきまして、ご覧いただければと思いますが、こうした会議と連動いたしまして、子どもたちのコミュニケーション能力の育成を図るために「児童生徒のコミュニケーション能力の育成に資する芸術表現体験」、このような事業を実施しております。本事業におきましては、文化庁の事業の中の1メニューとして実施しているものでございますが、公共とか民間の劇場から派遣される講師の方々、それから教員の方々が連携して子供たちに演劇、ダンス、こういう表現手法を用いた体験型のワークショップを実施するといったことを行っているところでございます。
 次のところをめくっていただければと思いますが、今年度、45都道府県におきまして、190自治体、292校で約2億円の予算で実施しているところでございます。引き続き、先ほどご紹介申し上げましたコミュニケーション教育推進会議を随時開催するとともに、会議と連動して本事業を実施してまいりたいと、このように考えているところでございます。
 それから資料8をご覧いただければと思います。最後でございますけれども、「熟議」の取り組みについてでございます。報道等されておりますので、ご承知の方も多いと思いますけれども、熟議のことにつきまして、ちょっとご説明させていただければと思っております。1ページをご覧いだたければと思いますけれども、「熟議」というものでございますが、多くの当事者による「熟慮」と「討議」を通じて政策を形成していくということで、政策を形成する際に、この1から5にございますような多くの当事者が集まりまして、課題について学習・熟慮し、討議をすることによって、お互いの立場や果たすべき役割への理解が深まるとともに、解決策が洗練され、個々人が納得して自分の役割を果たすようになる。このようなプロセスのことを申し上げております。
 2ページ目をご覧いただければと思いますけれども、本日、中央教育審議会の部会を開かせていただいているわけでございますが、この課程部会などにおける専門家の皆様方の検討とあわせて、車の両輪といたしまして、当事者の方々による熟議に基づいた意見を踏まえ、政務三役において政策決定を行うというようなことを目指しているものでございます。
 3ページ目をご覧いただければと思いますが、具体的には当事者による熟議に基づいた意見を収集するために、左にありますリアル熟議という実際に会って行うものとネット熟議という「熟議カケアイ」というふうに申し上げておりますが、それを複合的な形で展開するものでございます。こちらについては、本年の4月よりスタートしております。
 4ページ目をご覧いただければと思いますけれども、ネット熟議については47都道府県から教職員の方々、保護者の方々、多様な当事者にご参加いただき、ご議論をいただいたところでございます。教員の資質能力の向上に関する熟議ということにおきましては、文部科学省への提案書というものも参加者により、取りまとめられて、中教審でも審議の材料として活用しているところでございます。
 それからICTの活用、先ほどの話にございましたが、こちらの懇談会と並行して行われまして、先ほどの骨子の議論の土台にもなったところでございます。5ページから10ページ以降にリアル熟議というものを全国津々浦々で開催していることをご紹介しております。それぞれの地域で教育にかかわる方々が実際に集まって、模造紙や付箋などを使い、議論を見える形でしており、それを深めていき、皆さんが自分のこととして課題を解決する取り組みというものが確実に広がっているというように思っているところでございます。このような熟議の取り組みというものを今後とも進めてまいりたいと考えているところでございます。
 私のほうから説明は以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。今いろいろなことが動いているということでご報告をいただきました。ただ、我々の教育課程部会で非常に大事なのは、政権交代が去年9月にありましたけれども、学習指導要領については、教育内容については、新しい政権も尊重すると。このことは11月、12月ごろ、国会でも鳩山前総理も、川端大臣もおっしゃっております。民主党政権で教育の諸条件の整備、これをやっていくんだということを強調してきておられます。その諸条件の中で一番大事なのは教員の問題です。教員の数を増やすということは、初中分科会で3月から7月まで毎月1回集中審議しまして提言を出しました。財務省に出していただきました文科省予算の中にこれはきちっと位置づけられております。ですから、教員の数の充実についてはこれまで中教審で、あるいは教育課程部会で議論をし、答申の中にうたってきたんですね。学習指導要領は30年ぶりに中身が増え、レベルが上がりました。しかし、これをこなすには教員の数をはじめとする教育諸条件の整備が不可欠です、ということをこれまでのいくつかの答申や報告の中で述べております。これは文科省のほうでも受けとめていただいて、概算要求にも反映していただいているわけです。質の問題につきましては、今、ご報告ありましたように、川端大臣が中教審に諮問を出されました。これを特別部会で受けとめて、今審議いただいております。特別部会の部会長として、田村先生に務めていただいておりますので、ちょっとだけ現在の様子をお願いいたします。

【田村副部会長】

 それでは、ご報告をさせていただきます。今まで4回ほど会合を持っております。政権交代があって、初中教育のいわゆる教育改革という段階に今3つのフェーズを設定してあるわけですね。第1のフェーズが、これは公になっている話ですけれども、実際に手がつけられましたが、先生方を増やすと。つまり、量を増やす。クラスの定員を減らして、先生の数を増やすという、これが第1フェーズとして公表されておりまして、これは今年度実現をするべく予算折衝が始まっている。
 第2フェーズとして、これも公表されている改革ですけれども、教員の質の向上という、これが第2フェーズで出てきているわけです。これは一口に教員の質の向上と言っても、養成から始まって、採用、それから研修と、いろいろな段階でいろいろな問題があるということは明確であります。問題があるけれども、なかなか解決方法が見つからないというので悩んできたということだというふうに思いますが、大学と教育委員会、あるいは学校現場等が、皆さんが関係している非常に複雑な仕組みでつくり上げられているものなんですが、学校が抱えている社会の環境というのがものすごく変わってきている。学校における教員と生徒の関係も変わってきている。もっと言えば、教師の位置づけも変わってきている。ものすごい勢いで変化があるというのは認めざるを得ない現実だと思いますが、そういうものを予測して短期的に、あるいは中期的に、あるいは長期的に教員の質の向上を納得できるような形で何か方策が出せないものだろうかということで今議論が始まっているということでございます。
 4回済んでおります。この議論の中ではもうちょっと現場をしっかりと確認しようではないかというご意見が出てきたり、熟議を議論の中でどこかでやろうやというような話も出てきたり、非常に盛り上がっております。ただ、時間的には改革のフェーズの段取りがあります。あとまだ第3フェーズが残っていますから、第2フェーズまではとにかく何とか形づけなきゃいけないというので進行している、その部分を中教審としてやっているということでございます。まだ中間報告ができるところまで来ていませんので、現状のお話をちょっとさせていただきました。ありがとうございました。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。今日は多岐にわたるご報告をいただきながら、現在の時点で学校教育、どういうところに、どういう課題があるかということを確認させていただきました。この教育課程部会はまさに学校教育の内容についてトータルに扱っておりますので、当面している課題についてご理解いただいて、また次の機会に具体的な課題についての我々の側からの話し合いをしたいと思います。
 最後に、今日の全体のいろいろなご報告、あるいは皆さんのご意見を聞いていただきまして、木村先生のほうからちょっとコメントをお願いしたいと思います。

【木村委員】

 全体に対することではなくて、情報化について少しコメントをさせていただきたいと思います。今から30年ぐらい前のことです。東京工業大学は、コンピューターリテラシーを学生に教えるということについては、多分国立大学の中で一番早く立ち上がったと思っている。45年ぐらい前に立ち上げています。そういうこともあって、イギリスの上院議員のミッションが、東工大を訪問した。大変有名な方ばかりでした。そのときに、最後に団長が言ったことを今でもはっきり覚えています。日本はあのころ大変な経済成長期にありましたので、英国の人達は、コンピューターが大学でも学校でもふんだんに使われていると思って来た。ところが、ほとんど使われておらず驚いたと言っていました。これに対して、アメリカは学校じゅうにコンピューターがあふれていると言っていました。コンピューターが将来社会になくてはならない存在になると予測して寄附をした。そういうことから団長は、日本はコンピューターの世界で、徹底的に遅れると思うと断言しました。それが今現実になってしまった。今後相当頑張っていかないと大変なことになると思う。既に大変なことになっているのかも知れない。
 英国も1つずつの学校を見るとそれほどでもないのですが、幾つかの学校に関しては非常にIT化が進んでいる。ご存じかと思いますが、英国には経済状態の悪い地域に困難校がある。それをやめて、今アカデミーというのをつくっています。幾つかのアカデミーを見てきましたが、これはものすごい。ここの予算は学校から直接国へ要求できる仕組みになっていて、国から来た予算はローカルガバメントはこのお金に一切手をつけられない。そのまま全部学校に渡すということで非常にすばらしい設備で、さきほど新藤先生がおっしゃいましたが、超一流の設備に学生たちが囲まれている。経済貧困地帯ですから、これまではなかなか家庭と学校が結びつかなかった。それをコンピューターを通して家庭と学校を結びつけた。進学率も上がるし、犯罪率もものすごく減っているという状況になっている。
 英国の一般の学校はそんなに進んでいるという印象を受けませんでしたが、そういうグッド・エグザンプルといいますかね、グッド・プラクティスはあちこちにあります。そういうところが機能しているということを一般の学校と一般の人に見てもらうというようなことをやっているように思います。日本もこのようなやり方が良いと思う。全部の学校に今からコンピューターの最新型のものを配って、コンピューターについて正しく詳しく教えられる先生を今から養成しようというのは無理でしょう。英国のようにいくつかの学校に特化してやるということしか方法はないのではないかと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 今日は私自身もいろいろ勉強するいい機会になったと思っております。では、今日このあたりにしたいと思います。
 最後に、次回以降の予定につきまして、事務局からお願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 次回の日程につきましては、部会長とご相談の上、また追ってご連絡させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【梶田部会長】

 それでは、本日の予定していた議事はすべて終了しましたので、これで教育課程部会を終了させていただきます。ほんとうに暑い中、皆さんお集まりいただきまして、ありがとうございました。ご苦労さまでした。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

電話番号:03-5253-4111(内線2369)

-- 登録:平成22年11月 --