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教育課程部会(第77回) 議事録

1.日時

平成22年2月12日(金曜日) 10時~12時

2.場所

三田共用会議所 1階 講堂

東京都港区三田2-1-8

3.議題

  1. 児童生徒の学習評価の在り方について(ワーキンググループからの中間報告)
  2. 新しい学習指導要領の実施に向けた取組等について
  3. その他

4.議事録

【梶田部会長】

 皆さん、おはようございます。おくれてというご連絡があった委員の方以外は全員おそろいになりました。定刻にもなりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会第5期第3回を開催したいと思います。
 ご多忙の中、しかも今日は足元があまり十分でない日に、年度末も近いところ、これだけ多くの皆さんがお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 まずは、配付資料の確認をお願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
 配付資料でございますが、お手元にございますように、まず議事次第の1枚紙。それから、資料1-1といたしまして、「児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループにおける審議の中間まとめの概要」。1-2におきまして、その審議の中間まとめの本体。2-1といたしまして、「『学習指導と学習評価に対する意識調査』」について」。それから、その意識調査の報告書が2-2としてございます。3-1といたしまして、「新学習指導要領の円滑な実施に向けた支援策」。3-2といたしまして、「新学習指導要領 これまでの周知・広報活動」。資料4といたしまして、「全国的な学力調査の実施」。それから、各机上参考資料として以下のものがございます。資料の不足等ございましたら、事務局までお申し出ください。
 また、本日の会議にご発言いただくときには、マイクの下のボタンを押しまして、マイクのスイッチを入れてご発言いただければと思います。また、大変恐縮でございますが、ご発言が終わった後は、再度ボタンを押していただきまして、スイッチをお切りいただければと思っております。ハウリング等をしてしまいますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。本日は、1つ大きな審議事項があります。それは指導要領が変わりまして、いつもそれとの絡みで指導要録の様式・記入法を変えるということがありまして、地教行法で最終的には設置者が決めますけれども、国が1つの案を出します。そういう指導要録の様式・記入法について、審議していただきます。これに関連して、評価の意義についてもう一度アピールするということがございます。学習評価の在り方に関するワーキンググループをつくって、ずっと検討していただいてきたわけですけれども、本日はこの報告を聞いて、皆さんにご意見をいただいて、ということを予定しています。これが今日の中心の審議事項です。
 これに加えて大事な報告事項がございます。1つは来年度予算の報告です。もう1つ全国学力・学習状況調査をまた今年4月にやることが決まっておりますが少しやり方が変わりますので、それについて報告をいただいて、皆さんのご意見があれば伺いたいと考えています。
 そういう1つの審議事項、2つの報告事項、ということで今日は進めていきたいと思います。
 まず、最初のワーキンググループの報告でありますけれども、昨年7月に開催されました、この部会でも一応皆さんにご意見はいただいております。しかし、その後、ワーキンググループで精力的に議論を重ねていただきまして、多くの人に意見をいただいて、パブリックコメントをしてもいいかな、という段階までまとまったと伺っておりますので、この報告をしていただきたいと思います。
 では、ワーキンググループの主査である無藤先生にご報告いただき、そして細部につきまして事務局から、またそれを補足していただくというふうにしたいと思います。
 では、無藤先生、お願いします。

【無藤委員】

 無藤でございます。
 今、部会長よりご紹介いただきましたが、児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループを設置させていただいたわけでありますが、そこで主査を務めました。今日、本ワーキンググループにおきます審議の内容について取りまとめを行いましたので、簡単にご報告させていただきます。最初に私が短く要旨をお話し申し上げ、その後、事務局から詳細を補っていただくということにいたします。
 本ワーキンググループでありますけれども、全部で21名の委員、本教育課程部会からも8名の委員にご参加いただいて審議を行いました。現在までのところ、計12回会議を行ってまいったところです。お手元の資料1-2が中間まとめということで、教育課程部会への報告のために審議を整理いたしました。全体といたしましては、これまでの目標準拠評価の考え方、また、それを具体化する観点別の学習状況評価のあり方を踏まえていく、一層着実に実施していくという趣旨でありますが、多少細部において新たな意見をまとめてございます。
 まず、各章ごとに簡単なポイントをごらんいただきたいと思いますが、まず第1章、第2章でありますけれども、詳細は後で事務局から申し上げるので、資料1-2をめくっていただくと目次がありますけれども、そこをちょっと見ていただければと思います。第1章が学習評価の基本的な考え方、また経緯であります。また、2章が学習評価の現状、課題と調査等を踏まえた整理で、学習評価の仕組みの経緯、また教員、保護者の意見、現状等を挙げました。
 それを踏まえまして第3章でありますけれども、学習評価の今後の方向性の考え方を示したわけであります。具体的には指導と評価の一体化ということを基本に置いて、先ほど申し上げたように、目標に準拠した評価、それによるところの観点別学習状況の評価、さらに評定という仕組み、それを着実に実施するということであります。また、当然ながら新しい学習指導要領の考え方、趣旨を反映することや、さらに学校や設置者の創意工夫を一層生かした学習評価を推進する。この3点を基本的な考え方として示したところであります。
 そして、そのもとで第4章ですけれども、観点別学習状況評価の在り方について検討しました。今回の改訂は、教育基本法、また学校教育法の改訂がありましたので、特に学校教育法におきまして学力の考え方を明確にしてあります。つまり、学力の3要素という形で整理し、それを受けて学習指導要領を改訂したわけでありますので、それに応じて観点の整理を行いました。特に現場の実情を踏まえまして、わかりにくい、あるいは区別がつきにくい観点の見直しなども行い、また新たな観点を提示したところであります。
 次に第5章ですけれども、指導要録の改善ということで、指導要録の記載事項について、これもお手元に資料があろうと思いますけれども、指導要録の参考事例としてどういう形をとるか、また具体的な記載項目等についての改善の考え方をまとめました。
 目次をめくっていただいて、第6章、高等学校における学習評価の在り方ということであります。
 第7章は、障害のある児童生徒に係る学習評価の在り方をそれぞれ整理してございます。
 最後ですが、第8章におきまして、学校における組織的取組、また国や教育委員会等の支援についてということですけれども、これは中教審答申にありましたけれども、特に教師の負担感の軽減を図るということや、学習評価の妥当性、信頼性を向上させるということが大きなねらいでありますので、学習評価にかかわる学校や設置者における組織的な取り組み、国や教育委員会等の支援による効果的・効率的な学習評価の推進を図るという趣旨をまとめてございます。
 それでは、より詳しい内容につきまして、事務局からのご説明をお願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 それでは、私のほうから中間まとめの詳細な点につきまして、資料1-1、資料1-2を適宜使用しつつご説明させていただきたいと思います。資料1-1と1-2のそれぞれのページをごらんいただければと思います。
 まず、構成といたしまして、今、ご説明いただきましたように、1章から8章、それから冒頭にこれまでの審議の経緯をまとめております。「これまでの審議の経緯」につきましては、中教審において学習指導要領の改訂についての考え方をお示しいただいた後、本ワーキンググループにおいて検討を進めたということを書いているところでございます。
 1-2の2ページ目以降をごらんいただければと思います。これ以降が本題の話でございます。
 まず、第1章でございますが、こちらには学習評価の基本的な考え方、その見直しの経緯等についてまとめているところでございます。具体的な内容といたしましては、学習評価というものは、学習指導要領の目標の実現状況を把握し、指導の改善に生かすというものでございます。そのため、学習指導要領の改訂に伴って、約10年ごとに評価の基本的な在り方について検討を行ってまいりました。それを踏まえ、指導要領に記載すべき事項などを文部科学省として提示してまいったということをまとめております。
 その結果で、先ほどもご説明がありましたように、現在の学習評価につきましては、学習状況を分析的にとらえる観点別学習状況の評価と総括的にとらえる評価、こちらを学習指導要領に定める目標に準拠した評価として実施するとされているところでございますが、その経緯につきまして昭和52年当時から第1章でご説明申し上げております。また、今回の学習指導要領の改訂においてどのような改訂を行ったということにつきましても、簡単にこちらでご説明させていただいているところでございます。
 第2章に移らせていただきたいと思います。1-2では7ページ以降、概要では2ポツの現状と課題というところでございます。この第2章でございますが、こちらは先ほどご紹介がありましたが、文部科学省におきまして、昨年8月に教員向け、保護者向けに評価に関する意識調査を行っております。その分析を中心といたしまして、また、本調査については過去類似の調査を行っておりまして、その比較などにより明らかになった学習評価の現状と課題について記述しているところでございます。
 具体的には小・中学校におきまして、現在の学習評価が学力などの伸びがよく分かると感じられている教員の方々が33%から72%に増加するなど。小・中学校を中心に現行の評価が定着しているのではないかということが言えるのではないかとしております。ただ、一方で、評価の資料の収集や分析に負担を感じるという教師の方々が63%いらっしゃるということで、教師に負担感があるという現状もございます。ただ、特に負担感を感じている教師の方々は40%から17%に減少しているという状況がございますが、やはり負担感があるのではないかということをこちらに書かせていただいております。
 また、高等学校につきましては、小・中学校ほど観点別の学習状況の評価が定着していないこと、それから保護者に対しても意識調査を行っておりますが、学習評価のあり方、児童生徒の学習状況についてより一層把握したいという要望を持たれていることを、こちらのほうでまとめているところでございます。
 このようなことをまとめまして、1-2でいいますと9ページ以降、概要で見ますと3ポツの第3章でございますが、学習評価の今後の方向性についてまとめております。具体的には、学習評価が結果の面から教育水準の維持・向上を保証する機能があること。また、学習評価につきましては、学習指導に係るPCDAサイクルの中で授業の改善や学校の教育活動全体の改善を図ることが重要であるということを書いております。
 特に、9ページの上から3つ目の丸をごらんいただければと思いますが、学習評価におきましては、学校、教師におきまして、丸1といたしまして学校における教育課程、各教科等の学習活動の目標、内容のほか、さまざまな評価に関する計画も含めた指導計画、指導案を組織的に編成し、作成するというプランの段階。丸2といたしまして、それを踏まえた教育活動を実施するというドゥの段階。丸3といたしまして、学習状況の評価、それを踏まえた授業や指導計画の評価を行うというチェックの段階。丸4といたしまして、評価を踏まえた授業改善、個に応じた指導の充実、指導計画等の改善というアクションの段階。このようなPDCAサイクルを個々の授業のみならず、学校全体の教育活動に生かしていくところが学習評価では非常に重要であるということを、こちらのほうに書かせていただいているところでございます。
 このようなことを踏まえまして、10ページ以降、概要においては丸1、丸2、丸3というふうに整理しておりますが、基本的な方向性といたしまして、きめの細やかな指導の充実、児童生徒一人一人の学習の定着を図ることのできる目標準拠評価、観点別学習状況の評価や評定を着実に進めていくこと。現在の学習評価のあり方というものは、大枠は維持しつつ、それをより深めていくことが重要ではないかという点が1つの方向性ではないかというのをまとめております。また、2つ目といたしまして、後ほどご説明いたしますが、学習評価においても新学習指導要領の改正の趣旨を反映すべきこと。それから、3つ目といたしまして、教育というものが各学校等の実態に応じて効果的に行われることが非常に重要でございますので、各学校や設置者の創意工夫を生かす、このようなことを重視して学習評価の促進を図るべきこと、この3点を基本的方向性としてまとめているところでございます。
 12ページ以降をごらんいただければと思います。また、概要においては4ポツのところでございます。観点別学習状況の評価の在り方というところで、これ以降が具体的な事項に入りまして、まとめているところでございます。
 学習状況におきましては、それを分析的に見るものとして評価の観点というものが使われております。これにつきましては指導要録やさまざまなもの、成績づけのための評価だけではなくて、指導の改善に生かしていく、評価においてもこの評価の観点というものを活用して、きちっと指導と評価の一体化を図っていくことが重要ではないかということを書いております。
 そのため、先ほど主査からお話がありましたように、学習指導要領で定める学力の3要素、つまり基礎的・基本的な知識、技能、これらの知識、技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力、それから主体的に学習に取り組む態度。こちらと評価の観点の関係を整理し、指導と評価をより密接に関連づけていくという観点から見直しを図っているところでございます。
 概要の2ページ目をごらんいただければと思います。表といいますか、図がこちらにございますので、これで簡単にご説明させていただければと思います。
 現在の評価の観点につきましては、「従来の4観点」と書いているところでございますが、「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」、このような4つの観点で行うことを基本としているところでございます。今回、新しい学習指導要領において思考力・判断力・表現力等を育成するということ、そのために基礎的・基本的な知識・技能を活用する学習活動を重視するとともに、言語活動を重視するという方向性が出されております。このような能力を適切に評価し、指導を一層充実していくために、各教科の内容等に即して「思考・判断」したことを、言語活動を中心とした表現の活動を通じて評価する観点として、「思考・判断」を「思考・判断・表現」というくくりで改めてはどうかということが書いてあります。
 また、それに伴いまして、従来、「技能・表現」という観点で評価いたしておりました、例えば数学などにおきまして式やグラフにあらわすこと、理科において観察・実験の過程や結果などを的確に記録・整理するという表現的なものに関しては、先ほど申し上げました思考・判断したものを、表現の活動を通じて評価するという表現というものとは少し異なることがございますので、その「表現」との混同を避けるために、この内容については「技能」というところで評価をし、「技能」という観点を設け、評価してはどうかというふうに整理しております。
 その上で、学力の先ほどの3要素を申し上げました。こちらの丸がついているところでございますが、これについて整理後の4観点の関係といたしましては、おおむね基礎的・基本的な「知識・技能」については、点線のついている「技能」「知識・理解」で、それから思考力・判断力・表現力を見ていく際には、真ん中の「思考・判断・表現」で、それから主体的に学習に取り組む態度というところに関しましては、「関心・意欲・態度」でそれぞれ行うということで整理をしているところでございます。
 また、各教科の具体的な観点につきましては、各教科の特性に応じてこの4観点を基本としながらも、教科の特性に応じて設定することが適当でございます。そのような整理で、18ページ、19ページで、今回、それぞれの教科についても一部修正を行っているところがあるということでございます。
 また、先ほど主査から、他の観点との関係が少しわかりにくいのではないかということが、調査でもいただいた項目がございました。それは、例えば18ページでいいますと、小学校の音楽でございますが、今まで音楽的な感受や表現というものがございましたが、こちらと他の観点との関係が少しわかりにくいということがございましたので、今回、鑑賞と表現に分けて、その整理を図っているところでございます。観点につきましては、以上でございます。
 20ページをごらんいただければと思います。概要につきましては、指導要録の改善という5ポツのところでございます。この章については指導要録に関してまとめておりますが、指導要録については指導の過程、その結果の要約を記録いたしまして、その後の指導と外部に対する証明等に使用するものでございます。こちらにつきまして学習評価の中で大きな役割を果たしておりますが、指導要録においても先ほど整理いたしました学習指導要領等の改正の趣旨の反映など、3つの基本的な方向性を踏まえた改善を行うことが必要であるというふうに大きな話にしているところでございます。
 個々の記述内容に対しての具体的な指摘でございますけれども、観点別学習状況につきましては、先ほどご説明申し上げました観点を活用して行っていただきたいということ、また、今、小学校3年生以上で評定というものを入れておりますが、それについても現在同様、適切に行うことが必要であるということを言っております。
 また、観点別学習状況の「関心・意欲・態度」について、指導要録に関連して少し議論になりまして、「関心・意欲・態度」は必ずしもわかりやすい形であらわれないこと、また、そのことから教師に負担感があるのではないかというご指摘がございました。そのため、評価方法、評価時期について工夫を行っていくことが適切であるということをまとめております。
 また、基本的に観点についてはA、B、Cという形の3段階で評価を行っておりますが、そうではなくて2段階で行うなどの工夫が考えられるのではないかというご指摘があるということ、またそのような工夫を行う場合には学校間の接続というものがございますので、小・中・高の接続に配慮して、都道府県ごとに一定の統一性を保ちつつ行うことが必要である、このようなことをこちらのほうにまとめさせていただいているところでございます。 また、21ページの下から22ページ以降でございますが、今回の新しい学習指導要領におきまして、小学校の外国語活動が導入されております。この評価方法につきましては、平成20年3月の中教審答申を踏まえて、「総合的な学習の時間」と同様に文章記述による評価を行うということをしております。
 また、「特別活動」については、現在、それぞれの活動について十分満足できる活動を行っている児童生徒に丸をつけているという形になっております。「特別活動」について学習指導要領の目標を踏まえつつでございますが、各学校においてさまざまな活動が行われております。そのようなことから、各学校における教育活動に合わせて評価の観点を定めて評価することにしてはどうか。現行、それぞれの活動ごとに丸をつけるというふうになっておりますが、その観点というものも指導要録に記載して、それを各学校が記述することができるようにしてはどうか。このようなことがこちらに書いてあるところでございます。
 また、もう一つ「行動の記録」というものがございます。この「行動の記録」については、学校生活全体にわたって認められる児童生徒の行動について、各項目ごとにその趣旨に照らして、十分満足できる場合に丸をつけることになっております。基本的なあり方は維持しつつも、項目設定に当たって、今回、教育基本法、学校教育法などが改正されましたので、そちらの義務教育の目的でありましたり、学習指導要領第1章の総則、第3章に示す道徳の目標や内容等を踏まえて、国や都道府県等が示す参考例も踏まえ、設置者が適切に項目を設定して、各学校がその教育目標に合わせて項目を加えることが基本的に適当ではないかということをしております。
 また、もう一つ「総合所見」という欄がございます。こちらについては、児童生徒の学習意欲を高め、その後の学習の発達を促していくような児童生徒の一人一人のよい点、可能性、進歩の状況、このようなことを引き続き記述していくことが重要ではないかということを、こちらのほうでまとめさせていただいているところでございます。
 26ページの第6章、概要の6ポツのところでございますが、こちらについてごらんいただければと思います。
 高等学校のあり方についてまとめているところでございます。高等学校につきましては、小・中学校と同様に、観点別学習状況の評価の趣旨を踏まえた学習評価を行って、授業の改善につなげる努力を行っている学校がある一方、なかなかそこまで至ってない学校が多いのではないか、小・中学校の状況とは異なっているのではないかということをこちらのほうに書かせていただいております。
 しかしながら、先ほど来申し上げているような学習指導と学習評価を一体的に行うことによって、授業の改善に寄与するという学習評価の重要性は異なるものではございません。そのため、小・中学校と同様に新しい学習指導要領などを踏まえて、基礎的・基本的な知識・技能に関する評価に加えまして、思考力・判断力・表現力に関する評価、それから主体的に学習に取り組む態度に関する観点についてもきちんと評価を行うなど、観点別学習状況の評価の実施を推進して、きめ細かな学習指導、学習の定着を図っていく必要があるのではないかということをまとめさせていただいております。
 また、その際、国などにおきまして、教科・科目の評価の観点を参考例として示すということも、そこを支援していくという意味で重要ではないかということを書いております。 また、先ほど教育の質の保証というものを学習評価を図ってやっていくことが非常に重要だということを一番冒頭に申し上げました。高等学校において中学校卒業生の98%が進学しているということから、多様な興味・関心を持つというところではありますが、それぞれの学校においてきちっと学習評価に関する基準でありましたり、評価方法などを定め、それを明示し、適切な評価を行っていただきたいということをこちらに書いております。
 また、高等学校の指導要録に関しても記述しているところでございます。指導要録に関しては、私どもの実施しました調査におきましては、先ほどの観点別学習状況の評価を行っているところが非常に少のうございました。観点別学習状況評価というものをきちっとやっていくことは重要ではございますが、それぞれの学校において児童生徒の多様な興味・関心を持つ生徒が在学しているということ、そのようなところに配慮すること、それから、指導要録の現状を考慮して、指導要録の記載事項としては大枠のみを示すという基本的な考え方は維持すべきではないかというところを、こちらのほうにまとめさせていただいているところでございます。
 7ポツ目をごらんいただければと思います。こちらは障害のある児童生徒に係る学習評価の在り方に関するものでございます。概要については3ページ目でございます。
 3ページにございますように、障害のある児童生徒に係る学習評価の在り方につきましては、障害のない児童生徒に対する学習評価の在り方と基本的には変わりはないということではないか。ただ、学習評価に当たっては、児童生徒の障害の状態等を十分理解しつつ、さまざまな方法を用いて、一人一人の学習状況を一層丁寧に把握することが必要ではないか。このようなことを基本的な方向性として示しているところでございます。
 それを踏まえまして、特別支援学校におきます学習評価におきましては、今回の新しい学習指導要領におきまして、自立活動の指導だけではなく、各教科等の指導に当たっても個別の指導計画を特別支援学校では作成することが義務づけられております。このようなことを踏まえて、それに基づいて行われた学習の状況や結果の評価を適切に実施していく。このようなことを、特別支援学校に在籍する学習評価に工夫としてまとめているところでございます。
 また、資料で30ページ以降になりますが、小・中学校等に在籍するさまざまな障害のある児童生徒に対する学習の工夫ということも考えていかなくてはいけないところがあります。小・中学校に在籍する障害のある児童生徒に関しましては、先ほど個別の指導計画というものがございましたが、それを必要に応じ作成することなどによって、個々の児童生徒の障害の状態などに応じた指導の工夫を行い、適切な学習評価を行っていくことが求められる。このようなところで、その具体例などを後ろのほうに書いてあるところでございます。
 32ページ、最後の第8章をごらんいただければと思います。学習評価に係る学校における組織的な取組と国や教育委員会等の支援による効果的・効率的な学習評価の推進でございます。こちらにつきましては、学校、設置者、都道府県、国におけるそれぞれの役割を書かせていただきまして、それぞれが役割を果たすことによって教師の負担感の軽減を図りつつ、評価の妥当性、信頼性を高めていくことが求められるということを書いております。
 まず、学校における組織的な取り組みでございますが、32ページの19行目から始まる丸のところをごらんいただければと思います。学校において、指導という面では学校の指導計画などを校長を中心に適切に作成するなど、組織的な取り組みがされております。学習評価においても同様に、例えば小学校においては各学年、中・高においては各教科などにおいて評価基準、評価の方法などを明確にすること、評価結果について教師同士で検討すること、実践事例を着実に継承していくこと、授業研究などを通じ教員一人一人の力量の向上を図ること、このようなことを校長のリーダーシップのもとで組織的・計画的に取り組むことによって、妥当性、信頼性の向上や負担感の軽減につながっていくのではないかということを書かせていただいております。
 また、34行目以降でございますが、保護者の理解の促進等ということで、学習評価が子どもたちの学習を促す契機となるとともに、家庭における学習を促すことの契機にもなりますので、保護者の理解の促進では非常に重要でございます。そのため、各学校においては評価に関する仕組みについて事前に説明したり、評価の結果の説明を充実する。このようなことが求められていくのではないかということを書いているところでございます。
 次のページをごらんいただければと思いますが、その際に設置者の役割といたしましては、設置者が国や都道府県の示す資料なども踏まえながら、指導・助言を行っていくということ、研修なども行っていく。さまざまなことを設置者としてもやっていく必要があるのではないかということを、こちらのほうに書かせていただいております。
 次の34ページに移っていただいて、国や都道府県におきましては、今まで学習評価、学習指導も含めまして、そのあり方でありましたり、評価の観点、その趣旨などを示してきてまいりました。このようなものに関して引き続き示すとともに、具体的な事例の収集・提示を行っていくことが求められるのではないかということ。
 また、その評価基準、評価方法に関しましては、研究開発というものが諸外国で進んでいるのではないか。我が国においても、我が国で使用できるような研究開発などをきっちりと進めていくべきではないかという話をこちらに書いております。
 また、最後でございますが、学習評価における情報通信技術の活用というものをまとめさせていただいております。学習評価を行うに当たって、負担感の軽減という意味、信頼性、妥当性を高めるという意味でも、情報通信技術を活用していくことが重要ではないか。例えば、先ほどさまざまな指導や評価に関して共有を進めていくということがございました。その際に当たって、情報通信技術を活用することも重要ではないかという話。また、指導要録という実際の様式といいますか、紙でございますが、それそのものも現在、法律的に電子化を進めるに当たって課題となる、法律上できないということはございません。そのため、情報通信技術を使って指導要録も電子化を図っている例がございますので、そのようなことにつきまして検討していくということも重要ではないか。このようなことをまとめているところでございます。
 非常に長くなりましたけれども、ご説明は以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。皆さんの机上参考資料として、現行の指導要録について国が示す参考例、これを参考にして設置者はやってくださいね、という小学校用、中学校用、高校用のものがございます。具体的にはこういうものかということでごらんになって、今の報告をご理解いただければと思います。
 ご意見をいただく前に、皆さん詳しい人は詳しいと思いますが、ちょっとだけ指導要録というものの性格を説明しておきます。これは戦前は学籍簿と言ったんです。学校の戸籍なんです。校簿なんです。しかし、敗戦の後、アメリカの指導があり、これにガイダンスレコードという性格が付け加わりました。だから指導要録というんです。
 ですから、今の指導要録には2つの要素があります。1つは学校の校簿という面です。学校にどういう子を受け入れて、どういう活動をやって、どういうふうに送り出したか。これを何年間か学校に保存しておいて、証明とか、いろいろなことのために使う。
 もう一つはガイダンスレコードという面です。一人一人の子どもの指導のための基礎資料として蓄積していくものです。小学校なら6年間、1年生のときどうだったんだ、2年生のときはどうだったんだという、これを蓄積して使うというのがガイダンスレコードの考え方です。
 この2つの性格をどういうふうに簡単な様式・記入法で担保するかということで毎回苦労してこられたわけです。今、ワーキンググループからの報告がありましたように、今回、大きく形は変わりません。例えば、一番議論になった観点別も、昭和55年にこれをやったほうが指導のために役に立つということで入ってきて、今回もこの基本的な考え方は変わっておりません。あるいは、前回ぐらいから総括的な評定も目標に準拠した評価になっています。相対評価、人と比べて、じゃなくて、こういうことが分かってできるようになったという評価の仕方です。これも変わりません。
 報告を見ていただいておわかりのように、今回の報告では評価ということの意義をもう一度説いている部分が非常にあります。この点について今日、皆さんからご意見をいただくといいなと思っておりますが、大事なところです。過去20年ぐらい、評価をゆるがせにしたと言うと語弊がありますけれども、あまり考えなかった。「目がきらきら」という言い方があったわけですけれども、「力がつかなきゃいけない」というのが今回の学習指導要領ですよね。この教育課程部会でずっと議論して、2年前に出した答申の考え方もそうでしたよね。学校は子どもに対して責任を持って力をつけなきゃいけない。
 今日もご説明がありましたけれども、そういう流れの中で、あらためてPDCA(プラン、ドゥ、チェック、アクション)でやっていこうということです。プランだけあったんじゃだめです。ドゥだけあったんじゃだめです。どういう結果になっているのかをチェックして、次のまたアクションにつなげなきゃいけない。こういうことを非常に強調しています。これが評価の意義になるわけです。
 指導要録の改訂について文科省から通知を出していただく。それに合わせてもう一度、そもそも指導要録とはどういうことであったのか、評価するというのはどういうことであったのか、今、国がこういう評価をやってほしいということを現場に提案するのはどういう意味があるのか、ということを言っているわけです。そういうことでご理解いただきまして、その上で皆さんからいろいろとご意見をいただきたいと思います。どなたからでも結構です。はい、どうぞ。

【隂山委員】

 失礼します。今回のワーキンググループでその観点を整理されたということは、非常にわかりやすくなったと思います。一言で言えば、基礎・基本と応用と態度ということで、学校現場でやっていましたもの、それはそうだよねというところだろうと思うんです。
 その観点で1つ気になったことを申し上げたいと思います。それは、今、ご説明にありました従来の4観点から整理後の4観点のこの図なんです。そもそも現行の指導要領が当初入ってこようとしたときに一つ現場が混乱しましたことは、新しい学力観ということで「関心・意欲・態度」こそが学力なんだということが言われて、それをどのように評価したらいいんだろうということで、従来と抜本的に違っていたがために現場が混乱したというのがありました。
 そのときに私たちがいただいた資料というのは、まさしく「関心・意欲・態度」が一番上にあって、これが一番重要なんだよということになっているわけです。今回の整理後の4観点を見ていると、同じように「関心・意欲・態度」は一番上に来ているんです。実は、基本的に生きる力は実際は変わりませんと言われてしまうと、どこが変わって、どこで同じなのというところが少し混乱すると思うんです。
 これは提案なんですけれども、この4観点というものがそれぞれの項目の接続を示すのであるならば、ここにありますように整理後の4観点、一番下に「技能・知識・理解」があって、その上に「思考・判断・表現」があると思うんですけれども、「関心・意欲・態度」はその横に来るんじゃないかと思うんです。つまり、基本的なところを「関心・意欲」を持ってやる子もいるでしょうし、僕は基本的なことはできているから、例えば応用問題の学習を頑張っているという子は、「関心・意欲・態度」が「思考・判断・表現」のところに入っていくという形になるのかなという感じがするんです。
 そうではなくて、これは結果責任も重要なので、それを考えると、まず基礎・基本が重要なんだよということであるのならば、整理後の4観点は全部並びということになりますので、一番上に「技能・知識・理解」が来て、「思考・判断」が来て、「関心・意欲・態度」がここに書かれている文章に従って上から順番に並ぶほうがわかりやすいのかなという感じがするんです。これだと、どちらなのかということがわかりにくいので、整理をしていただくとありがたいと思いました。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。後で無藤先生、天笠先生、ほかワーキングに入っておられた先生方から、これは議論があったと聞いておりますので、またお話しいただきます。今のことに関連して他にいかがでしょうか。はい、渡久山先生。

【渡久山委員】

 1つは、今、説明もありましたし、無藤先生からもありましたけれども、それは基本的にはそれでいいと思うんです。ただ、今、概要を中心にして見ているわけですけれども、学習指導要領も最終的には各学校の教育課程になってくるわけです。ですから、現場としては実際は教育課程、それぞれの教科、あるいは実際行われるいろいろな教育活動が評価の対象になるわけです。ですから、そういうことをきちっと見たときに、現場の裁量といいますか、あるいは自由度は増していかなくてはいけないんじゃないかということで、大きくはそういう感じがいたします。
 もう一つは、今度の学習指導要領の特徴は、確かな学力と生きる力というのがるるありました。ですから、学力観そのものが生きる力をどう育てるかという形で、例えばPISAの学力テストなんかもそういう形になってきて、今、日本でやっている全国学力テストもB問題とかはそういうことが出てきていますよね。そうなってくると、そういう感じの評価があっていいんじゃないだろうかという感じがしますが、そうなっているかどうかというのは、今、詳しく説明いただいたんですが、わかりません。これが1つです。
 もう一つ、今、隂山さんからもありましたけれども、概要の2番の観点のところですが、これは従来の4観点を同じく整理して4観点ということですが、「技能」という部分にもう一つ何か、例えば生きる力だから活用力とかなんとかを入れるかと思ったら、そうするよりは技能を「知識・理解」のほうに持ってきて、「知識・技能・理解」という形にして、3観点にすればどうだろうかと思います。そして、今、隂山委員の意見に賛成なのは、「知識・技能・理解」をまずトップに持ってくることもいいんじゃないかなという感じがします。そういう形で、これは少し議論してもらったらどうだろうかと思います。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。関連して他にいかがでしょうか。
 じゃ、まず無藤先生からお話を。

【無藤委員】

 今、ご指摘になった部分、特に4観点と3観点、具体的には「関心・意欲・態度」の扱いということですけれども、またその順序がワーキンググループのむしろ議論の中心であったと思います。かなり丁寧にいろいろな考え方を出していただいて議論いたしました。
 結論的なまとめ方でありますけれども、1つは4観点において、あるいは指導要録の参考の記載において、従来も「関心・意欲・態度」が最初に来ている。今回も「関心・意欲・態度」が最初に来ているということでありますけれども、その4観点のどれが重要であるとか、最初に来たものが一番大切であるとか、あるいは一番基本にあるとか、そういうことではなくて、4観点はそれぞれの特質において重要であるわけですから、順序に深い意味を持たせたくはないということをはっきりさせました。それが1つであります。
 特に概要の図については、どういう図がいいか、改めてきちっと議論したわけではないので、この図を今後も生かすとすれば、ご指摘いただいたように、もう少し立体的に表現するとか、そういう工夫はあると思いますけれども、基本的な考えはそういうことであります。
 その上で、例えば3観点にして、「関心・意欲・態度」を他の観点の中に含み込ませるとか、そういう意見もかなり有力なものとしてあったと思います。最終的にはそうではない形をとったということについては幾つかの理由がありますけれども、1つは先ほど詳しい説明もありましたけれども、学校現場における定着、またその観点の利用の状況を考えますと、4観点というものについては、特に小・中学校においてはかなり定着したと見ることができます。そういう意味では、今、かなり大きな改訂を行うことが、かえって現場としては再び混乱を起こすのではないかという危惧を持ちます。
 もう一つ、2番目の大きな理由は、これも先ほどご説明がありましたけれども、学校教育法上の学力の3要素という形で明快に整理していただいているわけでありますけれども、特に主体的に学習に取り組む態度という部分が1つの要素として出されたわけです。それを何らかの意味で観点に反映させる必要があろうということであります。そういう意味では、「関心・意欲・態度」が単にやる気があるとか、好きであるというよりは、もう少し主体的に学習に取り組む態度という部分をとらえるような観点として、ぜひ学校現場等でもご検討いただきたい。やる気が見えるということではなくて、それも含みますけれども、主体的に学習に取り組む態度がどこまで育ってきているかというところをとらえるものとしては必要ではないか。そのときに「関心・意欲・態度」と名称を変えるべきだという意見もあると思いますが、これまたかえってわかりにくくなるので、従来の観点を踏襲しながら、最終的には4観点を生かす形にして、繰り返しになりますけれども、学力の学校教育法における整理のもとで、より理論的にもすっきりさせたつもりであります。
 もう一点、学校現場の裁量を増すということについては、ここが裁量であるとかないとかいうことよりは、全体としてさまざまなところでより学校現場で生かしていただく、あるいは個別の学校なり、それを管轄する教育委員会レベルなり、それはいろいろ使い分けてありますけれども、基本的には学校現場で行うものであるということであります。したがって、従来もそうですが、あくまで指導要録にしてもこの形式というものは参考であるわけで、これをもとに学校現場として、特にPDCAサイクルを動かしていく重要なポイントとして、特に観点別評価を生かしていただくという趣旨で全体をまとめたところです。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。天笠先生。

【天笠委員】

 今、無藤さんからご説明いただいたとおりだと思います。その上で、今、ご説明がありましたこの4つの観点の順番というのはご説明のとおりなんですけれども、私もそれぞれに優先順位というのはなくて、それぞれが同等の重みを持っているんだというふうに議論が落ち着いたというのは、基本的に了とするところであるわけであります。
 その上で、今日、資料1-1で出ました整理された図ですけれども、こういうふうにあらわすとインパクトが非常に強く出てまいりますので、基本的には1-2のような、こういう文章として示すというやり方で、あとどう図であらかわすかは学校裁量という話とかかわってくるのかもしれませんけれども、学校ですから、設置者の裁量においてこの4つの組み立て方ですとか、そういうものはご意見があったような形で、ある種のそれぞれの思いを持った描き方等々はあり得るのではないかと思いますので、この中間まとめ、あるいは後ほどのまとめの中で図にあらわすかどうか自体も場合によっては検討すべきで、文章としてこういう形であらわすというところにとどめるのも一つの立場かと思います。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。今、お2人が話されましたが、私から少し蛇足を申し上げたいと思います。
 1つは、今、隂山先生がご心配いただいている点は、実はフォーマルな形での国の方針としてはそんなことはなかったんですよね。10年前も20年前も、「関心・意欲・態度」が一番上にあるから一番大事なんだよ、ということじゃなかったんです。文科省からの資料では「4つとも全部大事です」と書いてあるんです。
 ところが、これはちょっと語弊があるかもしれませんが、文部省の当時の方の一部にミスリーディングな話をする人がおられました。現在は、教育課程課長が中心になって専門官の方々と話し合いをしていただいていて、「個人的な意見を国の方針というふうに受け取られないようにお互い注意しましょうね」ということを徹底していただいていると伺っております。実際に非常に個人的な意見を国の方針であるかのように言って廻った人が10年前、20年前にはいたわけです。それがまたマスコミに受けて、あたかも虚像がひとり歩きしてしまったようなことがございました。今回はそういうことがないようにしようということです。学習指導要領についても個人的な解釈じゃなくて、あくまでも文部科学省で準備した通知やら、解説やらに基づく、あるいはその背景にある中教審答申に基づく、という説明になるよう十分な御配慮をしていただいております。
 これは蛇足かもしれませんがぜひ頭に置いていただきたいと思います。10年前でも20年前でも、ほんとうに間違った考え方が現場に横行したわけです。例えば意欲さえあれば知識なんかはどうでもいいんだ、というとんでもない話がありました。くどく言いますけれども、文科省からの公的な文章にはそんなことは書いてなかったのです。
 もう一つ、指導要録の位置づけについて、ちょっと整理しておきたいと思います。私はもと地教委の教育委員長をやりまして、十五、六年前には文部省の方針と反する地教委の決定をしたりしております。もちろん合法的ですよ。地教行法の上では指導要録については地教委に権限がありますので。あくまでも指導要録は、様式・記入法は国が参考案を出して、設置者が決めるんです。したがって、小・中学校であれば地教委、高等学校であれば多くの場合、都道府県が最終的な決定権を持っています。あるいは私立の学校であれば学校法人、大学の附属であれば大学当局がというふうになります。
 もう一つ、よく混乱がありますのは、学校で出している通知表とか通信簿です。これは学校の責任で出します。普通、指導要録は親とか子どもの目に触れません。もちろん今は開示請求して見ることはできますけれども、普通は見ません。子どもたちや親が見るのは通知表です。通知表は学校の責任で出すんです。ただし、我々の調査では、8割以上が指導要録に準拠してつくってありました。
 もう一つ我々の調査では、何回かやっておりますけれども、要録そのものも大阪を中心として国が出したものとは違う様式でやっている。そういう地教委はありますが、そのほかの地方では国の示したとおりのものを使っています。
 こういう実態と仕組みを頭に置いていただきまして、今、主査、主査代理お2人から、今、ご指摘の点がまさにワーキングでもずっと議論になったんだというお話がありました。この問題にかかわって、あるいはほかのことについてでも結構ですが、皆さんのほうでご質問、ご意見があったらお願いします。じゃ、渡久山先生。

【渡久山委員】

 ちょっとしつこいようですが、実は私、報告書、概要を素直に見せていただいたんです。そうしますと、図の真ん中にあります「基礎的・基本的な知識・技能」というのが、要するに「知識・技能・理解」というのが概念として一体的にとらえられているんです。そういう意味で、今のここの4観点の一つであります「技能」については、「知識・技能・理解」というところでくくって一つの観点にされたらどうだろうかと。それが今、無藤先生の現場で混乱するというのは、逆に簡素化していくという方向性じゃないだろうかということです。
 また、中間まとめのところでも、一番最初、目次のほうです。もちろん目次の中身もありますけれども、12ページから観点がありますが、「知識・理解」及び「技能」に対する評価ということで、(2)(3)(4)という形になっているんです。ですから、素直に読むと、そういう感じに持っていったほうがいいんじゃないだろうかと。それがまた次の、あるいは現場においての評価についても簡素化していく方向性が見えてくるんじゃないだろうかということで、今、意見を言ったんです。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。じゃ、井上先生。

【井上委員】

 ただいままでのご議論を拝聴していて、ワーキンググループでは非常に慎重なご議論をいただいたという報告をいただいたわけですが、この中間まとめの案自体には、先ほど天笠委員もおっしゃったように、概要の4のところでは、文章では、今、隂山委員や渡久山委員がおっしゃったようなことが書いてあるわけでして、そして、実際に参考様式の7を見ますと、観点別の書き方が、結局、参考のところの書き順になっているわけです。
 そういう点からいいますと、先ほど現場が混乱しないようにと無藤主査のお話もあったのですが、この様式との整合性という点で考えますと、4の本文に書いてあるのが学校教育法の規定との整合性が図られているわけで、ただ、具体的に評価する場合には、どういう様式でやりますかというのは、あくまでもこの参考というのは参考だと思うわけですので、そういう意味ではこの参考が必要なのかどうかよくわかりませんけれども、実際の様式を書く場合には、大体従来の様式を踏襲してもそれほど評価の上では違いはないという認識のもとでこのようにおつくりになっているのではないかと思うので、基本的にはこの文章に書いてあることを第一義に考えれば、参考はあくまで参考で、それによって決まるものではないと私は理解すればいいのではないかと思っております。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。ほかにいかがでしょう

【松川委員】

 全く別の件ですけれども、学習評価の基本的な考え方というのが従来ありましたような子どもの成績づけというか、相対評価ということから大きく変わって、目標に準拠した評価、それから指導と評価の一体化ということで、学習指導の改善を大目的にした評価という考え方になってきていて、今回もそれを大枠で踏襲して、より深めていく方向性は理解するものです。けれども現実的な問題としては、保護者の意見の中でも出ておりましたけれども、入学試験と普段の学習評価の関係ということがあります。入学試験について直接触れているところはこの報告にはないわけですけれども、入学試験の場において観点別評価的なものというのが、例えば高校入試においては、進学先の高校において、中学校の観点別評価があまり評価されていないというのか、信頼されてないことがありますし、高校から上の大学等に進学する際も、高校の評価というものをあまり信頼してないという問題が現実にはあるわけです。
 そうしたことから、8ページあたりに保護者の不安感があるということに若干触れてありますけれども、問題なのは違う校種ごとに子どもたちの学習状況がどのように円滑に継続されていくかということだと思うんです。小・中における学習評価、高校における学習評価というふうに分けて書くだけでは不十分だと考えます。入試も含めた子どもたちの学習状況を違う校種でどのように理解し、継続して把握していくかということについては、ワーキンググループではどのような議論がされたのでしょうか。それから、入試において、この学習評価の考え方を、例えば調査書の利用などについて、どのように考慮すべきとかいうような議論はなされたのでしょうか。

【梶田部会長】

 じゃ、ワーキングということで。

【無藤委員】

 まず、入試についてでありますけれども、入試方法について具体的に指導要録等にあらわれた学力の個人ごとの状況をどのようにとらえるべきかについては、特段議論しておりません。これは私どもの課せられた仕事として、指導要録のあり方そのものについて議論しなさい、また、学校における学習評価のあり方について議論しなさいということだと認識しておりますので、私の個人的な意見でありますけれども、入試においてどう反映させるか、むしろこの教育課程部会なり、中教審でご議論いただく必要があろうと思っているところで、すみません、弁解めいておりますが。
 しかし、校種間で、また、あるいは各学校において、学力の状況をより客観性を高めながら、しかし目標準拠評価、また観点別評価の趣旨を徹底させていくことは大事だと認識しております。幾つかの留意点が入っているんですけれども、お手元のまとめ、資料1-2で幾つか見ていただきたいと思います。
 まず、1つは21ページですけれども、「指導要録の改善について」という中の「『関心・意欲・態度』に係る評価の工夫」ですけれども、「関心・意欲・態度」については最初にご説明したところでもさまざまな議論があったと申し上げました。結論的には4観点の一つとして残っているわけでありますけれども、同時にそこにおいて、特に十分な客観性を担保できるかということについて、さまざまな意見もあったわけです。それを踏まえまして、4観点の一つとして、従来どおり「関心・意欲・態度」を維持するということともに、21ページの真ん中では、「関心・意欲・態度」について、なかなか客観的な評価が難しい部分もあるだろうと。また、「関心・意欲・態度」を評定に4観点をまとめる際に、「関心・意欲・態度」の観点をどう扱うかについてもなかなか難しいというご指摘がありました。
 そこで、従来どおりのやり方とともに、「関心・意欲・態度」につきまして「十分満足できる」と判断できる場合に記録するとか、それを評定へ反映するに当たっては、加点要素として位置づけるなどの工夫も考えられるのではないか、こういうふうに挙げてございます。
 その上で、ただし、もしそのような方向の工夫をするとするならば、その次の丸でありますけれども、評価の結果が進学等において活用される都道府県等の地域ごとに評価のあり方がある程度まとまっていないと、進学等においていろいろ問題が起こるだろうということで、それについてある程度統一し、また、公私間の理解を十分図っていただきたいという趣旨であります。
 もう一点は、33ページを開いていただきたいと思いますけれども、これは4観点のどの観点でもよろしいわけでありますけれども、目標準拠評価、また観点別評価を行うということであります。本来、目標準拠評価というのは、目標を満たしたか否かを評価するという意味で、十分客観的、かつ信頼性、妥当性の高いものであり得るはずだと思うのでありますけれども、あるいは学校によってはそれが十分信頼性、妥当性の高いやり方でないかもしれない。簡単に言えば、極めて甘いとか、そういうことはあり得るかもしれません。そういうことをどうチェックしていくかについては、これから国立教育政策研究所なり何なりで評価基準についてもより詳しい検討をする、また、評価基準に加えて評価の方法等についてもいろいろ参考となる資料を出していただけるかと思います。
 それについても最後に記載しておきましたけれども、それとともに今ごらんいただいている33ページの真ん中あたり、15行目の丸のところでありますけれども、ここは保護者の理解の促進という部分ですけれども、学校における評価の妥当性、信頼性を保護者に十分理解し、納得してもらう必要があるだろうということです。例えばその一つの手だてとしてでありますけれども、学年等を単位として結果的に段階ごとにどういう割合になったかを公表することも考えられる。例えば、ある観点におきましてA、B、Cとしたときに、Aの子ども、Bの子ども、Cの子どもの割合を示すといったことも考えられるだろうと。「考えられる」ですから、これは必ずしなさいと言っているわけではありませんけれども、一つの信頼性、妥当性を担保する、かつ保護者にご理解いただくためのやり方かなということです。
 ただし、それは相対評価ではないと。大分以前に行われていた相対評価の場合には、例えば5段階評価で5は何%とか前もって一律に決まっていたわけでありますが、そうではないわけです。つまり、A、B、Cがどうなるかは学校の指導の結果でありますので、指導を工夫し頑張れば、A、Bがほとんどになるかもしれない。しかし、そうではなくて、なかなか難しい場合には、Cもそれなりの数いるかもしれない。それはやってみてのことでありますので、割合を決めるのではなくて、結果的にどうなったかということを示す。そうすると、例えば保護者に対してだけではなくて、地域のそれぞれの学校におけるA、B、Cの割合の状況というのも、例えば進学先なり、住民なり、教育委員会なりに見えることになりますので、特定の教科、学年の評価が学校間でどれほどばらつきがあるのか、あるいは、ある程度のB水準というものの一致があるかということについても、教育委員会なり、現場なり、進学先の学校なりにおいてご検討いただける、そういう情報になるのではないかと考えております。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。この問題は評価の全体的な考え方で、今、松川先生、ご指摘の点は非常に重要な点だと思うんです。ただ、指導要録にかかわってはそこまでは考えなくていいのではないか。指導要録は子どもの情報を累積してまとめて保存して証明の基礎にもします。しかしそこでは進路にかかわるような機能は直接的にはありません。学校教育というのは、ここまでみんなわかって、できて、力をつけたいよね、ということを考えるわけですから、そういう意味ではそこの情報を中心にやろうと。これが目標準拠評価となるわけであります。
 ところが、進路指導のときはみんなできていたって、上級校には定員があります。みんなできているから、みんな入れるというわけにいきません。そうすると、順位なり、相対的な位置づけなりが必要になります。ということで、そうした点を親にも理解していただくときには、通知表の形でやっているんです。中学、高校はほとんどのところが、今はそういうことを記述する部分をつくっております。
 もう一つは、高校が中学から、大学が高校から、一人一人の子どもについて情報をいただくときには調査書というのをお願いします。調査書というのは、要録と普通は違うものです。もし要録にある情報なり記述なりを使うとしても、Aはこの教科で何人あって、Bは何人あってということで、いわばAやBという絶対評価がどういう分布になっていて、その中のAであるという位置づけが見えるようにしている。あるいは別途こういう情報を欲しい、ということで指定する場合もあります。例えば国語がAという子が1つの学校に10人いても、そのAの中身はどうなのか、ということがわかるような情報を欲しいという調査書にすることができるわけです。
 調査書は、今度は上の学校を設置しているところ、例えば公立の高校であれば、都道府県の教育委員会がそういう調査書をどういうふうにしようかという委員会をつくってやっています。大学であれば、個別の大学がどういう調査書を欲しいということでやろうか、ということで、松川先生がおっしゃる進路情報がはっきりするものも入れる。そうした位置づけを日常的に子どもにまで、あるいは親にまでわかっていただくためには、通知表を使っているのが現状です。
 したがって、ここで出ているのは、そういう全体的な評価の問題としては大きな課題性をはらんでいますが、その中の指導要録の部分では、こういう目標準拠評価ということでいこうという整理だろうと私は思っております。松川先生、もし何かあればもう少し。

【松川委員】

 無藤先生がおっしゃったように、ここでやっていることは非常に限定的なことであって、入試問題等々のトータルな課題についてはまた別だと言われればそれまでですけれども、現状は保護者に十分な理解がされているとは思えないから、これからどういうふうに理解していただくのかというのは、現実的に非常に大事なことだと思うんです。私どもがいるような地方でも、この10年間に塾が非常に増えてきましたが、それは相対的な評価がないとわかりにくいという、相対評価の時代で育ってきた保護者の思いが一つの要因だと思われます。
 学校は学校でこういう観点別評価をやっていただくのは、それはそれでいいでしょう。けれども、現実には相対的なものがないと、なかなか次に進めませんよということから来る二重構造を生み出している原因がこれだけとは言わないけれども、この考え方が説明不足というか、一般的に理解されてない。保護者だけではなくて、校種間で理解されてない。県の立場から言っても、高校側が中学校側の具体的な評価のやり方を十分理解していないで入試をやっているような無理解や接続性の無さといった大きな問題を横に置いておいてでは、ちょっときれいごとではないかという印象なので、言わせていただいたということで、さまざまな問題がある中でということは十分理解しております。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。この問題は、本質的には今おっしゃったところがかかわっていると思います。
 実はちょっと時間がなくなってきました。あと2つ報告を受けなきゃいけませんので、この報告を1度パブリックコメントにかけて、いろいろな方のご意見を伺って、それをまとめた上で、もう一度3月に皆さんで検討していただきます。ということで、この議論はここまでにしまして、ただ、今日は非常に重要な問題提起をしていただきましたので、次の機会に念頭に置いていただきまして、もう一回この問題について議論したいと思います。
 それでは、来年度予算について国会が開かれているわけですけれども、それに学習指導要領の円滑な実施、あるいは、それの趣旨徹底等々に関するいろいろな予算も含まれていると伺っております。そういうことを中心として、まず予算の問題についての報告をお願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 それでは、資料3-1、資料3-2につきまして、私からご説明させていただきます。
 資料3-1をごらんいただければと思います。こちらは新学習指導要領の円滑な実施に向けた支援策ということで、平成22年度予算案におきます関係の予算について抜き出したものでございます。大きく分けますと、指導環境の整備、各教科等の充実、横断で取り組む重要事項としておりますが、まず指導環境の整備のところをごらんください。
 指導体制の整備として一番大きいのは、教職員定数の改善でございます。教職員定数の改善につきましては、22年度予算案において教員が子どもに向き合う時間を確保する、新学習指導要領の円滑な実施を図ることができますように、7年ぶりに純増で昨年の5倍強になります4,200名の定数の改善を図ったところでございます。その内訳につきましても、学習指導要領の改訂に伴う理数教科の少人数指導の充実のために2,052名というものを改善するとともに、小・中学校の通級指導の充実、1,418名は要求どおり認められておりまして、学校現場からの強い要請を踏まえた改善内容になっているかと思います。
 ただ、あわせまして、前政権下の定数削減の方針の中で常勤の教員の方の増減ができない中で、やむを得ず非常勤講師による対応を図っていたところがございます。こちらについては、本来あるべき姿であります常勤教員による対応が可能となるような大幅な定数の改善を盛り込んだところでございますので、退職教員等人材活用事業というのが2つ目の丸にございます。こちらにつきましては対年度比半減ということではございますが、7,000名の方を理数教科の授業数増への対応として配置しているところでございます。指導体制としては以上でございます。
 それから、右をごらんいただければと思いますが、教材の整備に関しまして17.6億円を今回計上しております。移行期間中の理数系の教科に関する補助教材の作成と配布、それから理科教育の施設整備補助、それに加えまして、別途地方交付税措置として緊急整備の3カ年計画を引き続き要求しているところでございます。
 それから、各教科等の充実でございます。道徳教育の充実として7.1億円を計上しているところでございます。これについては2ページ目をごらんいただければと思いますが、こちらを含めまして3つの項目について、特にいわゆる事業仕分けにおいて縮減、もしくは廃止などを求められたところがございます。こちらの事業につきまして、従来、道徳教育の実践研究事業と教材活用支援事業、それから「心のノート」の活用という事業を行っていたんですけれども、平成22年度におきましては道徳教育総合支援事業として一本化いたしまして、地域に根ざした道徳教育を推進することとしております。
 資料の5ページ目をごらんいただければと思いますけれども、今申し上げましたように、3つの事業を行っていたところを道徳教育総合支援事業ということで、丸1といたしまして全国的な事例収集と情報提供を行っていく。全国協議会でありましたり、そのようなことを行うとともに、丸2におきまして自治体による多様な事業への支援というところで、道徳の授業における外部講師の派遣、保護者・地域との連携、研修など特色のある道徳教育の支援を行うことにしております。また、今年度から活用支援事業の内容といたしまして、地域の教材の活用を始めまして、ウエブ掲載する予定の「心のノート」の作成・活用も含めて、教材活用への支援を行ってまいりたいと思っております。
 「心のノート」でございますけれども、平成23年度使用分から国による「心のノート」の一律印刷・配布は取りやめることにしておりますが、今後、平成22年の秋を目途に、「心のノート」をウエブ掲載するということを考えております。これをもとに、各学校で必要なページや全体をプリントアウトして使っていただくという活用方法もあると思いますし、ウエブ掲載された「心のノート」を冊子体としてこれまで活用したい。あるいは、地域のものをつけ加えたものを「心のノート」として作成して活用したいという自治体に関しては、こちらの多様な支援の中の丸2のところで、こちらの事業の対象として、予算の範囲内で国による財政支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 それから、1枚目に戻って、体験活動の充実は引き続き進めるとともに、理数教育の支援に12.6億円を計上しております。これにつきましては3ページ目をごらんいただければと思いますけれども、いわゆる理科支援員の配置事業がございます。これにつきまして、事業の仕分けの結果として廃止が打ち出されたところでございます。この事業結果などを踏まえて、理科支援事業は3年程度かけて廃止したいというふうには考えておりますが、それまでの間については引き続き事業を実施する。あわせて理数教育の充実のための施策の強化も図ってまいりたいと考えているところでございます。
 次に、外国語教育の推進、2.6億円のところでございます。こちらにつきましては、「英語ノート」に関連する部分がございます。2ページ目をごらんいただければと思いますけれども、英語教育改革総合プランに関しまして、皆様ご承知のように、こちらについては事業仕分けにおいて廃止を求められたところでございます。こちらにつきましてさまざまなご意見をいただきましたが、基本的には「英語ノート」が学校において必要不可欠であるという意見が多数寄せられたところでございます。
 このような結果、予算編成過程におきまして、このプラン全体としては22年度限りで廃止することとしておりますが、「英語ノート」においては平成22年度予算におきまして、23年度分の使用分の印刷・配布に必要な経費を確保しております。それを踏まえて、今後、見直しをしていくことになろうかと思っております。
 次は、1ページに戻っていただいて、中学校武道の必修化に向けた条件整備に37.6億円を計上しているところでございます。
 最後に一番下でございますが、各教科等の横断で取り組む重要事項といたしまして、コミュニケーション教育というものを今回新たに予算計上しております。こちらについては8ページ目をごらんいただければと思いますけれども、芸術家による表現手法を用いた計画的・継続的なワークショップ等の実技指導を充実することによって豊かな情操を養うとともに、コミュニケーション能力の育成を図るという事業を予定しております。私ども初中局においてその推進のための検討会議を開くとともに、文化庁と連携いたしましてその推進を図ることとしております。
 また、あわせまして、恐縮でございますが、1ページ目、安全教育の推進ということで、防災関係資料の改訂、その他でございますが、確かな学力の育成に係る実践的調査研究、新学習指導要領の周知、環境教育、消費者教育の推進を引き続き図っていきたいと思っているところでございます。
 あわせまして資料3-2を簡単にごらんいただければと思います。先ほど周知の予算の話を申し上げました。こちらの部会でも、周知・広報に関してしっかりやれというようなご指示をいただいていると伺っております。周知・広報活動に関しまして、幼稚園、小・中学校につきましては、昨年度やってきたものが中心でございますので多くの部分は割愛させていただきますけれども、本年度におきましては、1枚目の下の2つ、小学校、中学校の教育課程協議会というのを開きまして、全国3ブロックに分けた指導主事の方々にお集まりいただきまして、新しい学習指導要領の先行実施を中心としてご検討いただいているところでございます。
 また、要請に応じて都道府県に文部科学省職員を派遣し、説明しておりますが、昨年、約100カ所以上のところで集めさせていただき、本年度、23年の告示までに85カ所行きまして、それ以降に約100カ所以上のところで説明をしているところでございます。
 それから、20年度、21年度について、2枚目をごらんいただければと思います。高等学校、特別支援学校につきましては、本年度、21年度に行ったところが中心でございますが、それぞれ中央説明会を開き、中央説明会の受講者が各地域においての説明というものを、各学校でありましたり、市町村教育委員会にもお伝えいただいているところでございます。
 また、都道府県の方を対象といたしました協議会、要請に応じた文部科学省の職員の派遣などを行っているところでございます。
 それから、3枚目をごらんいただければと思いますが、これは昨年度実施しているところでございますが、学習指導要領の冊子をすべての先生方に行き渡るように、高等学校についても今年の9月、特別支援学校についても3月にお送りしたところでございます。解説につきましても、高等学校が1月ですべてを出したところでございます。その他といたしまして、文部科学省のホームページ内に専用のホームページを設けて、最新の情報を提供していると、このような周知方法を行っているところでございます。
 以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。ご質問があるかもしれませんが、もう一つの報告をいただいた後、あわせてと思いますので、よろしくお願いします。もう一つのご報告は、4月に行われる予定の第4回全国学力・学習状況調査、今回は抽出と希望利用の二本立ての形になります。これにつきまして岩本参事官からお願いいたします。

【岩本初等中等教育局参事官】

 初等中等教育局参事官の岩本でございます。お手元の資料4でご説明申し上げたいと思います。
 このたび平成22年度の学力調査を実施するに当たりまして、従来の調査の目的、基本的ねらいとすることに関しましては踏襲をした上で、継続性を持ってこれからも続けていくという前提の上で調査の方式を今回見直しましたので、ご報告を申し上げます。
 お手元の資料4の3枚目のところに、実施要領をこの平成21年12月28日に定めまして、これに基づきまして、全国の教育委員会、学校のほうにもご協力をお願いしているところでございます。
 調査の目的は、これまでの調査にもございましたように、義務教育の機会均等とその水準の維持・向上の観点に立脚しまして、その上で全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握、分析すること、それをもとに教育施策の成果と課題を検証して、その改善を図るということでございます。そのような取り組みを通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立していこう。さらに、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善に役立てるという、これは基本的なこれまでの学力調査におきましても目的とするところと考えておりますので、それを継承していくということで考えております。
 それから、調査の対象学年、それから基本的な教科を何にするのか、あるいは学校質問紙、児童生徒質問紙ということで調査することにつきましては、これも基本的には変えておりません。
 調査の方式でございますが、一番最初の資料にもございましたように、これまで対象学年の全員の児童生徒を対象としまして、要は悉皆調査ということでやっておりました。これを見直しまして、抽出調査ということで、国及び都道府県別の学力等の状況については、これをもってこれからも把握していこうということで切りかえた次第でございます。抽出調査によりましても、一定の精度を保つことによりまして、これは悉皆調査と同様に傾向を把握することができるという考え方でございます。
 ただし、抽出調査の対象外になりましたところに関しましては、学力等の状況を把握することが学校に関してはできないことになっています。抽出調査に関しましては、統計上の問題点としまして、国及び都道府県別の例えば平均正答率とか、都道府県別の分析が従来と同様にできますけれども、市町村別にどうか、学校別にどうか、あるいは個々の児童生徒について抽出調査の対象にならなかったところについては、直接この学力調査では把握できないということがございます。
 したがいまして、文部科学省におきましても、国・都道府県別の状況について調査結果を公表し、報告いたしますが、市町村別、学校別に関しましては集計をいたしません。それで、抽出調査の対象にならなかった学校について、市町村、学校において、さらにより詳細に学力を把握、検証したいという声が実際にあることも現実でございます。
 そこで、この部分に関しましては、基本的には例えば地方独自の調査でございますとか、あるいはこれまでの過去3年間の調査結果で膨大な蓄積がございますので、そこも踏まえて検証することは十分可能だと考えておりますが、必要に応じまして学校設置者から希望をいただければ、本調査を利用することができるという希望利用方式をとらせていただいております。これにつきましては、国でなければできない部分でございます問題の作成・提供という部分に関しましては、国で全額費用負担をしてやることにしております。
 したがいまして、問題の作成、これは抽出調査と同一でございますけれども、それから印刷、学校への配送というところまで、すべて国の費用負担で行うことといたしました。
 それから、現場監督につきましては、従前から現場のほうでやっていただいておりますけれども、採点等につきましては学校設置者の責任と費用負担のもとで行っていただくことにいたしました。これによって学校設置者において、調査実施後、速やかに、あるいは最もやりやすい方法で今後の指導等に生かしていただくことが可能となるメリットがあります。
 したがいまして、市町村、学校別のデータにつきましては、国の抽出調査においては集計をいたしません。一方、希望利用方式の調査結果について、市町村別、学校別のデータを学校設置者や学校が集計することは可能になります。なお、抽出調査の対象になりました児童生徒さんの一人一人の調査結果につきましては、学校設置者及び学校にそれを提供いたすことにしております。児童生徒本人に対しては、学校のほうではこれまでと同様に、個人票ということで実際の指導に生かしていただくということで提供する予定でございます。
 したがいまして、そういうデータをもとに、学校設置者なり学校で、例えば学校別のデータの集計とか、市町村別のデータを集計するということもあり得る話でございますので、仮にそのようなことをされるのであれば、従来からいろいろ問題点として指摘されておりますような過度な競争や序列化につながらないような配慮、あるいは基本的にそういうものを一たん集計しますと、情報開示条例がかかってきますので、それへの対応をしなければならないということ。学校や市町村別の学力等の状況についての説明責任、そういうものを総合的に配慮して適切に判断していただいて対応していただくということで実施要領の中で配慮事項を整理いたしまして、希望利用方式による市町村別、学校別の結果の集計を行う場合についても、同様の配慮をお願いしています。
 具体的には先ほど申し上げましたように、12月28日に実施要領を定めておりますので、それに基づいて抽出調査は文部科学省で抽出しております。その抽出対象校はご連絡いたしまして、抽出調査に協力いただけるかどうかということでご返事を今受け付けているところでございます。それから、抽出対象外のところにつきまして、希望利用方式を活用したいというところがあれば、その受け付けも行っている、現状においてそういう状態でございます。
 抽出調査における抽出率に関しましてもいろいろ報道等がされておりましたが、この資料で申し上げますと2ページでございます。都道府県別までデータをとるということで進めておりますので、都道府県別のある程度のきちっとした統計はとれるようにということで、上から2つ目のところにございますように、大体、統計としますと、95%の確率で各都道府県の平均正答率がプラスマイナス1%以内におさまるように抽出数を設定いたします。
 その上で、これは私学は別でございますけれども、公立の都道府県別の必要な抽出数が出てまいりますので、これを全部積み上げまして計算しますと、左の上から3つ目にございますように、最終的に全国で約30%程度です。抽出率は各都道府県によって異なりますが。それから、小学校、中学校別によっても異なります。小学校につきましては、全国平均で申しますと25%の抽出率、中学校については44%ということでございまして、これらを加重平均しますと約32%という数字になっております。
 それから、報道等がされておりましたが、行政刷新会議で事業仕分けの際に抽出対象を絞り込むべしというご指摘もいただきました。抽出率約40%程度ということで概算要求をしておりましたが、概算要求をしました段階におきましては、昨年度、平成21年度の悉皆調査における中学校の国語A、知識を問う問題の部分のデータで計算しておりました。
 現実には各教科別、小・中別ということで、すべてのデータをもう一度インプットしまして、学校ごとに抽出をしていくということで、学校数を基礎として計算いたしました。その結果、先ほど申し上げましたように、小学校につきましては全体の学校数が多いということもございますし、昨年の傾向から見て約25%で十分調査の精度が保てるということで、全体で平均としますとこのような数字になっております。
 したがいまして、抽出率を絞ることはできましたけれども、調査の精度につきましては概算要求のときの考え方を堅持しているという結論でございます。
 以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。来年度予算でどういうことが出ているかということと、全国学力・学習状況調査は、今ご報告いただいた形で準備が進んでおります。これについてご報告いただきました。
 皆さん、どういうところからでも結構ですが、ご質問があればお願いしたいと思います。

【岩本初等中等教育局参事官】

 先生、すみません。補足申し上げます。
 学力調査の予算の中で、平成23年度以降の調査ということで調査費を計上させていただいております。22年度調査方式では今申し上げたようなことで進めておりますが、23年度以降の調査につきまして、その調査のあり方について十分な議論をしていきたいと思っております。実際、今回の新しい方式で実施した上で、いろいろな実施の状況ですとか、それも踏まえていろいろなニーズ、いろいろな声、意見というのも現場のほうでもあると思います。そういうものと、従来から、例えば教科についても国語と算数、数学でいいのかというご議論がございます。そういうものも踏まえて、調査・検討していきたいと思っております。
 以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。何かご質問があればお願いしたいと思います。

【曽我委員】

 今、いろいろなご報告や先ほどの論議などを聞かせていただいて、松川委員がおっしゃった保護者の立場ということですが、新しい政権になって、かなりいろいろな教育的な部分が大きく変わりつつあります。これは素直にすぐにすとんと保護者が理解できるかというと、そんなに簡単に理解ができるというものじゃないです。過去の流れの中で理解をしてきて、我が子に対してどういうふうに子どもを育てていこうかということになっている保護者ですから、新しい変更点がきちんとわかりやすく保護者のもとに届かないと、ここで論じられてすばらしい結果があったとしても、現場ではそれを理解できるまでに相当な時間がかかってしまう。その間の空白が子どもたちに悪い影響を与えかねないということがあります。
 学力調査にしても、何度もこの会議の中で申し上げさせていただいたんですが、悉皆調査ですべての子どもが丁寧に指導されて、それぞれの個性に合った伸び方をしていくための悉皆調査であり、それを我々が受けとめながら、よりよい今までのご論議のような理想に近づいていくものに賛同しながら、その理解を進めてきたと思っております。それが新しく変わるのであれば、その変わったことがどのような結果になるかということは、今回の学力調査の結果としてどのように社会的に報道されて、保護者が受けとめるかによってものすごく大きく変わってくると思いますので、今は何も申し上げることができないんですが、なぜ前のとおりできないかといっても、これは仕方がないことなのでできないのですが、この結果がどう報道されるかによって現場で相当いろいろなことが起きてくる。これに対して、中教審としてしっかり対応していかなければならないということだけはお願いしておきたいということでございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。もし事務局のほうで今のお話に何かあれば。

【岩本初等中等教育局参事官】

 学力調査の件に関しまして、これからまた日本PTA全国協議会ともいろいろご相談をして、この趣旨についてご理解いただくことは非常に重要なことと私どもは思っておりまして、ぜひ進めてさせていただきたいと思います。一番基本的なところでは、従来からそれぞれの教育委員会や学校から保護者等に説明できるよう、文部科学省においてパンフレットを作成し、周知していくということも工夫しております。その上で、御指摘の点について十分踏まえていきたいと思っております。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。ほかに何かございますか。

【伯井教育課程課長】

 引き続き新学習指導要領につきましては、完全実施に向けて広報周知を徹底していきたいと思っております。その中で、新学習指導要領はこの考え方で周知徹底していくわけですけれども、新たな施策面の変更につきましても、今、曽我委員がおっしゃったようなことも含めまして、保護者に対しても理解を求めていくようにしていきたいと思っています。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。では、渡久山先生。

【渡久山委員】

 今、説明がありました予算ですけれども、7年ぶりに4,200人増えたということは非常にいいことだと思います。これは最初、事務当局から概算要求で5,500というのが出ていましたから、総数としてはそういう意味で努力が実ったものだと思いますが、ただ、7年ぶりという話ですから、これは非常に画期的なものだと思います。しかし、現場で見ますと、まだ7校に1人ぐらいなんです。ですから、今後も努力していただきたいと思います。
 もう一つ、退職教職員を利用した理科や数学の授業への対応は、今、伯井教育課程課長がいらっしゃいますけれども、教育課程の審議をしたときに、新指導要領を実現していく今、こういう条件が必要だというところで、特に理数科の支援員についてはわざわざ記述が出たものでありますので、そういう面では非常によかったと思いますので、今後の努力を期待したいと思います。
 学力調査の問題ですが、B問題で、まだ問題作成中かもしれませんけれども、ぜひ子どもたちの貧困度と学力との問題がわかるような形のものがとれないか。現在でも就学援助児童生徒の学力の問題が出ていますし、お茶の水大学の分析結果も出てはいますけれども、ただ、6人に1人ぐらい日本の子どもたちの貧困率というのが非常に現実的になっていますので、それが学力との問題はどうなっているかを明らかにすることによって、子どもたちの勉強する権利、学習権を国としてどれぐらい保障していけるかという課題にもなりますので、ぜひともそういう工夫をお願いしたいと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。今の件はとても大切なことと思います。特に貧困といいますか、経済的な格差と教育機会の問題は非常に重大な問題で、中教審総会でも何度かこの話は私も出しましたし、あるいは三村会長も中教審として考えなきゃいけないということをおっしゃっております。このことにつきましては、政権交代の後、先日、初めて中教審総会が開かれたわけですが、少しこの話も出ました。また、私自身も個人的には政務三役の方々に、このことをきちっと、いわばエビデンスベースで、それをやるという取り組みを明確にして、どういう打つ手があるのかということを検討していただきたいと申し上げます。高校の無償化はいいことなんですけれども、それだけでやれるものではないわけです。それは一歩かもしれませんけれども、そういうことも含めて全体的な検討を、ということをお願いしております。今、渡久山先生からおっしゃっていただいたことは非常に重要ですので、ここでもまたいろいろな機会に議論していきたいと思います。
 ついでに言いますが、お茶大だとか、大阪大学で出していただいた研究成果は、実は全国学力・学習状況調査の分析・活用の推進に関する専門家検討会議というのがありまして、この専門家会議に皆さん入っていただいていて、そういう分析をしていただいているんです。それを今、逐次発表していただいております。私がこの専門家会議の世話役をやっているんですけれども、実はこういうこともやれるので、悉皆調査というのは非常に大事だったんです。これまで悉皆のデータがありますよね、同じ人についての、これにほかの経済的な諸条件についてのデータを補充的に加えながら分析をしていただいて、いろいろな機会に発表していただいている、ということがございます。
 ですから、先ほど岩本参事官から、全国学力・学習状況調査でこれまでどういうことを目指してやってきて、これからも同じような方向でという話がありました。これは非常に重要な意味を持つと思っております。
 ついでにもう一つ。政権交代で教育がものすごく変わるような話がありました。確かにインデックスを見ますと、いろいろと細かいことも書いてありましたし、もちろんもっと大きく取り上げた部分もありますが、中教審総会で、あるいはそれ以外の場で、政務三役、特に大臣、副大臣がお話しいただいているところでは、教育内容について変更を求めることはないと。つまり、教育課程部会の議論してきたところについて政治的にどうのこうの言うつもりはないと。自分らが頑張ってやらなきゃいけないのは、教育を支える諸条件の改善である、ということをおっしゃっております。
 ですから、今日、予算案として出していただいた点は、そういうことに対応するものだろうと思っております。私も率直に申し上げてきたんですが、大臣、副大臣と何回か懇談いたしました。私個人は政権交代はあったほうがいいと思っているんです。寝返りは時々やったほうがいろいろなことが清算できますから、いいんです。ただ、教育というのは10年、20年、30年をにらんでやる仕事ですから、政権交代のたびに教科書を墨塗りせんといかんようなことが起こったら大変な話になりますので、これは慎重に、と申し上げてきました。学級の中の活動には影響が直接的な形では及ばないように、ということを私のほうからも、一応、中教審ということで呼ばれましたので、何度かお話をさせていただいております。そして、それはよく考えている、というお返事をいただいております。
 ということで、今日のご報告も、いわばそういうベースの上で受けとめていただければどうか、という気がいたします。いろいろと事務局のお立場がありますから、慎重に物をおっしゃっておりますが、全体とすると金がほんとうにないんですよ。その中で、これだけ予算を割いていただいている。それから、学力調査も初めに廃止ありきではない、ということを何度か政務三役からもおっしゃっていただいております。お金もありませんので、工夫しながら所期の目標を達成する方策を考えていきたい。
 ですから、来年は二本立て、抽出と希望利用というご説明も一応私は伺っております。これで終わりではなくて、それ以降どうするかということにつきまして、もちろん廃止という選択肢も当然ありますけれども、これからきちっと、まさにエビデンスベースで、どういうことに役立っているかということを含めて検討していきたいということをおっしゃっております。私の立場から見ているところを皆さんにご報告もあわせてしておきたいと思います。

【黒須委員】

 1点だけなんですけれども、24年から中学校で武道が取り入れられることになっていますよね。これについてハードの面での整備の問題なんですけれども、基本的には政権がかわって、この方針も変わるんじゃないかと私、心配をしたんですけれども、これは今、先生がおっしゃったように変わらないということで、ちょっと安堵したんですけれども、実はこれ、武道場の整備も含めて条件整備で37億円ということですね。前政権のときに経済対策も含めて出しましたよね。一部手を挙げてそれに取り組んだ学校もあるわけですけれども、もちろんすべての中学校に武道場が必要なわけじゃないですよね。学校の規模もありますし、隣接の中学校等があれば、共同で使用するということもあり得るわけです。
 ただ、一定規模以上の学校には必要だと思うんです。体育館でというのは、基本的には体育館と武道場というのは違うものだと思うんです。武道をきちんと教える礼節、あるいはまた、日本人の心を武道で指導していく、教育していくということになると、それは体育館で卓球をやったり、バスケットをやったりというものとは基本的に入り口から違うと思うんです。ですから、可能な限り、武道場を整備していくということが大事なことだと思うんです。
 ただ、実際に武道場を1つつくると、1億円から1億2,000万円ぐらいかかるわけです。そういう中でこの37億円というのは、予算が厳しいということはわかっているんですけれども、これでは全国的に必要なところへの整備はなかなか及ばないと思うんです、どれだけ補助をしたとしても。ですから、22年度はやむを得ないと思いますけれども、例えば23年度とか、24年度から始まるわけですから、そういったものへのより積極的な予算づけを私は希望したいと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。今のことにつきまして、何か事務局のほうからありますでしょうか。

【有松企画・体育課長】

 スポーツ・青少年局の企画・体育課長でございます。
 ただいまご指摘の武道場の整備でございますが、おっしゃるとおり、24年度からの必修化を踏まえまして、安全・安心な学校づくり交付金の補助率を従来の、3分の1から2分の1に上げて整備を緊急に進めようということで、予算を獲得してきているところでございますが、この財政状況の下で、先ほどの37億円のうち、公立中学校の武道場に係る交付金の分といたしまして34億円余りを確保してございます。私どもが今考えておりますのは、この額がございましたらば、現実に22年度、各市町村等から要望が上がってくるものについては、十分対応できる額というふうには考えております。
 ただ、おっしゃるように、このペースで進んでいって、どれだけ整備できるのかということは、整備をしていただく地方公共団体の財政状況もございまして、大変厳しいものがあると思っておりますが、あわせましてご発言の中にもございました、必ずしもすべての中学校で武道場を整備することが必要だとまでは私どもは考えておりませんで、例えば安全に柔道を実施するための柔道畳の整備といったような備品の整備につきましては、地方交付税での措置でございますけれども、武道場の整備ができないところについても、そうした設備面での安全性の確保についてもご配慮していただきたいと思っているところでございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。じゃ、ちょっと。はい。

【黒須委員】

 そのことはよくわかるんですよね。特に財政面での現状というのはよく理解するんですけれども、ただ畳を敷けば、それで柔道ができるんだという、部活より一歩進めて、これを正課として取り入れていくという、これは今の社会環境からいって、その必要性を認められたからこそ武道が正課に取り入れられたものだと思うんです。それを、どこかあいている教室に畳をそろえればいいんだという、基本的にそういう問題ではないというふうに私は思うんです。ですから、財政状況はよくわかりますけれども、その基本というものをよく理解していただいて、これからしっかり整備をしていただきたいと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。よくおわかりいただいていると思います。これはご承知のように、教育基本法に伝統文化ということを言われ、同時に民主党の日本国教育基本法案という、民主党の対案の中にも伝統文化が強調されています。新しい学校教育法、学習指導要領にも伝統文化ということが入ってきて、もちろん健やかな体ということもありますけれども、武道を必修に位置づけたという流れがございます。武道というのは、ご承知のようにスポーツの面もあるかもしれませんが、基本的には精神的な伝統文化にかかわっています。事務局もよくおわかりいただいていると思いますので、そういう点でまた次の予算獲得への頑張りを期待したいと思います。
 岩﨑先生。

【岩﨑委員】

 ありがとうございます。英語教育ということで、小学校の英語活動でございますが、聞く、話すことを中心にやっていくということで、私、先日、小学校の英語活動の授業を見てまいりましたときに、地方の低レベルな話なのでございますけれども、ALTとか社会人をうまく使って発表しておりましたが、担任教師とALT、あるいは社会人活用の方との発音が随分違うということに気がつきました。
 そのことを考えてみますと、高学年の担任を避けたいという、その要素の中の1つに含まれているんじゃないかなということを考えました。これから社会人活用に対する予算措置もさることながら、担任となる教師の実践的な演習を自己研修に頼ることなく、そういう演習の場の設定もお願いできないかなと思います。
 今、予算を見ていますと、共通の教材ですとか、CDですとか、指導資料等もいただいているわけですけれども、そういう面でちょっと引いている教職員がいるということも考え合わせていただいて、免許制のことも関連するかと思いますけれども、演習的な実技、力量がつくような方面にも予算措置をお願いしたいと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。じゃ、はい。

【佐々木委員】

 佐々木です。
 最後に短くお話しします。本日はいろいろな決定事項をご報告いただいたので、ここで議論することではないと思いますが、先ほども委員のご発言があったように、この決まったことを最大限に最高の成果を上げるというのが、ここからの重要なポイントだろうと思います。
 ですから、メディアの報道の話もありましたけれども、今後、私どもが全員、力を合わせてするべきことは、今回決まっている予算の中で、あるいは仕組みの中でどうやったら最大限、ほんとうにできる範囲の工夫をしてできるのかということを明確にすることと、しかしながら、もっと議論が必要だとか、あるいは本来はこっちがよかったんじゃないかという話はまた別に、今後のこととして整理してやらないと、今、お話が出てきたように、決まったことさえも保護者の不安だったり、現場の混乱があってうまくいかないのではないかという懸念があります。ですから、きちんとその2つを分けて、報道していただくこともそうなんでしょうけれども、議論が分かれていくというか、明確に具体的になっていくといいなと思っています。
 それから、それにかかわると思うんですが、どうしても今日の報告書などを見ていても、あるいはこれは中教審だけでなくて、どの審議会でも同じなんですが、専門家の方々、現場を知っている方、プロの方々がそれなりのところで議論されて、報告書ができますので、用語も難しいですし、わかりにくい部分もいっぱいある。それから、どうしても文科省としてはこういうことをやりました、やろうとしています、あるいは学校としてはこれが落ちてくると、先生としてはこういうことをやりたいのですという表現になりがちですが、私ごときが申し上げるのは大変僣越ですけれども、これは子ども一人一人がどのように成長し、国に貢献していくかという教育の話ですから、今日決まったことや発表されていることが子どもの視点で書かれ、子どもにとってどうなっていくのかという視点ですべての文書が整理されたほうがいいと思うんです。
 もう一つは、保護者の視点で自分がどうかかわったり、あるいは自分の子どもがどうなるのか。そういう視点で物事がかかわれる国語力は、文科省ですからあるわけですから、そういう視点で物を書きかえていただいて、きちっと伝達していくことが重要です。今日までの議論をこれから発表し、現場に伝えていくときに、私たちはこういう意味がありましたとか、こういう気持ちでやりましたということはどうでもいいことなので、伝えたい人たちの視点で物を書きかえる、伝える言葉をかえるということをぜひしていただきたいと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。まだいろいろとご意見はあると思いますが、申しわけありません、時間が過ぎちゃいましたので、今日はこのあたりにさせていただきます。もう一度この評価をめぐって今年度中に部会を持つことになっておりますので、その折にまたいろいろとご意見を伺いたいと思います。
 最後に事務局のほうからお願いいたします。

【梶山教育課程企画室長】

 ありがとうございました。次回の教育課程部会の日程につきましては、部会長とご相談の上、追ってまたご連絡させていただきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、本日、これでこの教育課程部会を終わりにしたいと思います。どうも皆さんご苦労さまでした。ありがとうございました。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

電話番号:03-5253-4111(内線2613)

-- 登録:平成22年03月 --