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教育課程部会(第76回) 議事録

1.日時

平成21年7月28日(火曜日) 10時~12時

2.場所

中央合同庁舎第7号館 旧文部省庁舎6階 第2講堂

3.議題

  1. 児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループにおける,これまでの主な意見について
  2. 平成21年度公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査について
  3. 新しい学習指導要領を実施する上での課題に関する,全国連合小学校長会及び全日本中学校長会の総会におけるアンケートについて
  4. 中央教育審議会キャリア教育・職業教育特別部会における審議の状況について

4.議事録

【梶田部会長】

 おはようございます。まだ二、三お着きじゃないんですけれども、皆さん、少しおくれるというご連絡あったということですから、定刻になりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等分科会教育課程部会の第5期第2回の会議を開催したいと思います。
 ご多忙の中、そして梅雨が長引いて天候不順の中、皆さん、ご参集いただきまして、まことにありがとうございます。
 初めに、このたび委員としてご就任いただいた方がお二人いらっしゃいますので、ご紹介したいと思います。資料1をごらんください。この資料1が、きょう現在の教育課程部会の委員名簿となっております。全連小と全日中の会長がおかわりになりまして、その方が新しく委員になっておられます。きょうはお二人とも欠席をしておられますが、全日本中学校長会長のほうは、東京都世田谷区立尾山台中学校の校長先生で、岩瀬正司先生です。それから、全国連合小学校長会のほうは、会長に向山行雄先生がなられました。東京都中央区立泰明小学校の校長先生で、同時にお隣の泰明幼稚園の園長も兼ねておられます。お二人が新たにご就任なりました。
 なお、これに伴いまして、これまで委員として出ておられました池田芳和先生と壺内明先生が辞任されましたので、この場をかりまして報告させていただきたいと思います。
 続きまして、事務局において異動がありましたので、ご紹介いただきたいと思います。

【神山教育課程企画室長】

 失礼いたします。それでは、事務局の異動につきまして、ご紹介をさせていただきたいと思います。
 まず、髙橋教育課程課長が7月14日付で財務課長に異動いたしまして、その後任として伯井教科書課長が教育課程課長に着任してございます。この場をおかりしまして、髙橋前教育課程課長より委員の皆様に一言ごあいさつをさせていただきたいと思います。

【髙橋財務課長】

 それでは、一言だけごあいさつをさせていただきます。
 7月14日付で財務課長にかわりました。教育課程課長としてはほぼ2年間在任いたしましたが、その間、第4期、第5期の、特にこの教育課程部会の部会長はじめ委員の皆様方におかれましては、指導要領改訂のための基本答申から指導要領の改訂、さらに解説書の作成、あるいはその指導要領の趣旨徹底のために委員の皆様にもいろんなところでご講演いただくなど、ほんとうにご指導いただき、また大変お世話になりました。今度の仕事は、指導要領の一線からはちょっと役割を変えまして、その指導要領を円滑に実施していくための教育条件整備と、いわば後方部隊に役割を移しますけれども、この指導要領が小学校23年度、中学校24年度、高校は25年度ということで、いよいよ完全実施の時期を迎えますので、引き続き条件整備に向けてしっかりと頑張っていきたいと思っております。委員の皆様方の引き続きのご指導をよろしくお願いしたいと思います。
 ほんとうに2年間お世話になり、ありがとうございました。

【神山教育課程企画室長】

 続きまして、伯井新教育課程課長よりごあいさつをさせていただきたいと思います。

【伯井教育課程課長】

 髙橋課長の後任で、7月14日付で教育課程課長を拝命いたしました伯井と申します。前職は教科書課長でございまして、学習指導要領の趣旨・内容を適切に反映した教科書の改善と、質量充実ということを担当してまいりました。これからは教育課程課長として学習指導要領そのものの完全実施に向けての対応を担当させていただくことになります。どうか、先生方におかれましては、よろしくご指導いただきたいと思います。
 よろしくお願いします。

【神山教育課程企画室長】

 引き続きまして、そのほかの事務局の異動につきまして、ご紹介をさせていただきたいと思います。
 初等中等教育局の主任視学官、産業教育振興室長に着任しました、袖山主任視学官でございます。

【袖山主任視学官】

 よろしくお願いいたします。

【神山教育課程企画室長】

 それから、永山特別支援教育課長の後任として着任いたしました、斎藤特別支援教育課長でございます。

【斎藤特別支援教育課長】

 斎藤でございます。

【神山教育課程企画室長】

 それから、椿生涯局参事官の後任として着任いたしました斎藤参事官でございますが、今は、ちょっとおくれてございますので、ご紹介のみとさせていただきたいと思います。
 また、中岡教育課程研究センター長の後任として着任いたしました、作花教育課程研究センター長でございます。

【作花教育課程研究センター長】

 作花でございます。よろしくお願いいたします。

【神山教育課程企画室長】

 それから、牛尾視学官の後任として着任いたしました、梶山視学官でございます。

【梶山視学官】

 よろしくお願い申し上げます。

【神山教育課程企画室長】

 また、本日は欠席させていただいておりますが、鬼澤企画・体育課長の後任といたしまして、有松企画・体育課長が着任しておりますので、ご紹介をさせていただきたいと思います。
 異動のご紹介は以上でございますけれども、引き続き……。

【梶田部会長】

 ちょっと配付資料の確認の前に。
 髙橋課長には、去年1月にこの審議会答申を出して、それに基づいて去年3月に幼・小・中の学習指導要領について無事告示になり、ことし3月に高等学校と特別支援学校の学習指導要領について告示になり、その趣旨徹底をほんとうによくやっていただいたなと思っております。ほんとうに私は感謝をしたいと思います。
 ありがとうございました。

【髙橋財務課長】

 ありがとうございました。

【梶田部会長】

 そして、今度ご着任の伯井課長は、先ほどごあいさつの中でありましたけれども、教科書の問題をやってこられましたので、いわばある意味で裏表で指導要領のことをやってこられましたので、磐石だなというふうに思っております。この前、金森局長に伺いましたら、「初中局は多士済々でベテランがちゃんとおるから、たくさん異動があったようだけれども、大丈夫です。このままでこれまでの取り組みをより充実させてやっていきます」と、こうおっしゃっておりましたので、安心しております。ほかの新しく着任なさった方々も、どうかよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、室長、お願いします。

【神山教育課程企画室長】

 それでは、引き続きまして配付資料の確認をさせていただきたいと思います。
 まず、議事次第といたしまして配付資料の一覧のほうもお配りしておりますので、そちらもご確認いただきたいと思います。
 具体の資料に関しましては、資料1といたしまして、教育課程部会の委員の名簿を入れてございます。それから、資料2-1といたしまして、児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループの審議経過などの資料を入れてございます。それから、資料2-2といたしまして、同じく児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループにおけます、これまでの主な意見を取りまとめたものを資料として入れてございます。また、資料3-1といたしまして、平成21年度の教育課程編成・実施状況調査のA票の結果についての資料を入れてございます。それから、資料3-2といたしまして、同じく編成・実施状況調査のB票とC票の結果というものを入れさせていただいてございます。それから、資料4といたしまして、横向きのものですけれども、「新学習指導要領を実施する上での課題について」という資料を入れさせていただいてございます。その次が資料5-1で、今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方についての審議経過報告(案)の構成についての資料を入れておりまして、資料5-2ほうでは同じくキャリア教育・職業教育の在り方についての審議経過報告(案)というものを資料として入れさせていただいてございます。
 そのほか、机上の参考資料につきましては、議事次第に書いてあるとおりでございますので、配付資料につきまして過不足等ございましたら、事務局のほうにお申しつけいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、本日の議事に入りたいと思います。まず最初に、学習評価の在り方に関するワーキンググループにおける検討の経過の報告をいただいて、皆さんでちょっと意見交換をしたいと思っております。
 このワーキンググループは、今回の指導要領の改訂を踏まえまして、児童生徒の学習評価の在り方の改善、具体には指導要録の様式の改善を念頭に置きながら評価全般について少し検討をしていただくということで、3月31日の前回のこの教育課程部会で設置が承認されて、そしてスタートしたと、こういうことでございます。これまで4回、ワーキンググループの会合が持たれたということです。きょうは、まだ中間報告でも何でもないんですけれども、その中で、こういうところに課題があるんじゃないか、あるいは検討する論点があるんじゃないかということで、大分いろいろとはっきりしてきたということでありますので、そういう状況とか、そういう主なご意見等々につきまして、きょうは、このワーキングの主査代理であります天笠先生、そして事務局のほうからご報告をいただきたいと、そういうふうに思います。
 じゃ、お願いいたします。

【天笠委員】

 それでは、失礼いたします。ワーキンググループの主査代理を務めております天笠と申します。よろしくお願いいたします。主査の無藤先生が本日欠席でございますので、私のほうからワーキンググループにおけるこれまでの審議内容について簡単にご報告させていただきます。その上で、事務局から詳細を補っていただきたいというふうに思っております。
 ワーキンググループには教育課程部会から8名の方が参加しておりまして、合計21名の委員によって審議を行っております。資料2-2が、教育課程部会への報告のために、これまでワーキンググループで出た意見をまとめ、論点整理等を行ったものでございますが、まだ、検討の方向性を示すというところまでは、現在の段階では至っておりません。
 そういうことで、後ほどそれぞれご説明いただいて、どんな意見が出ているかどうかということをご理解いただければと思うんですけれども、これまで出された意見としましては、検討に当たっての基本的な考え方として、1つ目は、今回の学習指導要領の改訂は「生きる力」の概念の継承・発展させたものであって、現場との関係も考えると、大きな枠は変えずに、評価を実践に結びつけていく方策を進めるべきではないかと、こういう考え方が出されております。また、2つ目としまして、教員個人として授業改善にどう取り組むかということだけでなく、学校や教育委員会全体としてどう取り組むかということも考えていくべきではないかという意見も出されております。また、このほかに、目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)のこれまでの実施状況をめぐるさまざまなご意見、それから評価の観点や評価規準等に関する意見等々が出されておりまして、さまざまな意見があったところでございます。今後、これらにつきましてはさらに議論を深めながら、新しい学習指導要領のもとにおける評価の在り方について、年度末を目途に議論をまとめていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 詳しくは、資料2-2をもとにしてということで、ご説明を事務方のほうでお願いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。

【梶田部会長】

 それじゃあ、お願いいたします。

【神山教育課程企画室長】

 それでは、引き続きまして、ワーキンググループの状況につきまして、ご説明をさせていただきたいと思います。資料につきましては資料2-1と今ご指摘のありました資料2-2でございまして、資料2-1のほうでは、これまでの4回の審議ですとか、その2ページにはワーキンググループの設置についての資料、そして3ページにはワーキンググループの委員の名簿も入れておりますので、ご参照いただければと思います。
 それから、資料2-2のほうが、これまでのワーキンググループの主な意見を取りまとめたものでございます。先ほど天笠先生からご説明がありましたように、これまでの主な意見を取りまとめたものということでございますが、1ページ目をごらんいただきますと、総論ということで幾つかの意見をご紹介してございます。このうち最初の2つは、先ほどご紹介がございましたけれども、1つ目の○では、今回の指導要領の改訂というのは「生きる力」の概念を継承・発展させたものであるので、現場との関係も考えますと、大きな枠は変えずに、より深く実践に結びつけていく方策というのを深める方向で検討をすべきではないかといったご意見をいただいてございます。また2つ目の○では、評価に関しましては、教育個人の授業改善にどう取り組むかという問題であると同時に、組織として教育委員会などがどう取り組むかという問題でもある。特に指導と評価に関するすぐれた取り組みについては組織として引き継いでいくということが重要であるといったご意見もいただいてございます。そのほか総論に関するご意見といたしましては、3つ目の○にありますように、学習評価の在り方を検討するに当たっては、妥当性(教育課程との適合性)ですとか、信頼性や公正性(条件の明瞭さなど)ですとか、さらには実行可能性に配慮する必要があるといったご指摘や、それに加えて客観性についても考慮が必要であるといったご指摘をいただいてございます。また、実行可能性とも関係いたしますが、その次の○の中では、客観性の向上や指導と評価の一体の推進ということだけではなくて、評価の在り方の変更で教員が児童生徒と向き合う時間が減ってしまう可能性についても配慮する必要があるといったご指摘をいただいてございます。また、その次の○の中では、学校段階によって状況が異なるということを踏まえて検討をすべきだといったご指摘をいただいてございます。それから、総論の中の最後の○では、新しい評価方法というものを開発したり普及したりするということは大変難しいことでありますので、学校で使いやすいものというのはどういったものか、あるいは教員への研修をどう行っていくのかというところまで含めて検討をする必要があるというような意見をいただいてございます。こうした総論全般にわたるご意見もいただいておるということでございます。
 また、1ページ目の下のほうからそれぞれのトピックごとに意見をまとめておりますが、次のまとまりが評価の目的などに関する意見でございます。評価の目的に関しましては、1つ目の○にありますように、児童生徒の学習状況を把握して、それを個々の児童生徒の学習改善や授業改善に生かすということが評価の目的として重要であるといったご意見をいただいてございます。また、1ページ目の一番最後のところでは、指導と評価の一体化についてはうまく実践がされていない例もあるということで、2ページ目のほうに参りまして、学習指導案に示した目標に合った適切な評価方法というのが選ばれていないですとか、結果としての作品の評価だけになってしまったり、授業改善に生かすという視点が不十分だったりというように、十分実践がなされていないといったご指摘もいただいてございます。また、9行目、2つ目の○でございますけれども、国が形成的な評価というものと総括的な評価というものの区別をより鮮明に示すということが必要ではないか。その次の行にありますように、もっとインフォーマルな評価、最終的につける指導要録などのフォーマルなものだけではなくて、形成的な評価と言われる授業中の段階での評価などに焦点を当てて、その改善を促す方策が必要ではないかといったご意見もいただいております。具体の例としては、授業の終わりにわかったことを書かせるといったことはそれなりに取り組まれていますけれども、わからないことを書かせるといったようなところにも注意を促してはどうかといったご意見をいただいてございます。
 その次の固まりが、目標に準拠した評価についての実施状況ということでございます。これにつきましては、1つ目の○にありますように、目標に準拠した評価につきましては、これまでの改善の方向に沿って、より具体的な評価の在り方の検討を進めていくべきだといったご意見をいただいてございます。また、同じ項目では、教員が児童生徒一人一人の学習状況を的確につかもうとする意識というのが生まれて高まってきているのではなかろうかということが言われておりまして、その意味でこれまでの改善の方向に沿って具体的な評価の在り方の検討を進めていくべきといったご意見をいただいておるということでございます。また、その次の○では、目標に準拠した評価というのは正しい方向性なんだけれども、評価規準や評価方法に関する研究というのが当初は十分ではなかったといったご指摘もいただいてございますし、その次の○では、目標に準拠した評価に関して誤解が残っておるので、教員や保護者への周知も一層図るべきといったご指摘もいただいてございます。また、その次、32行目からの○では、目標に準拠した評価としての内実がまだ伴っていないといった例もあるのではないかということで、例えば英語などで教科書の内容を定期テストに使ってしまうことで、英語力ではなくて、むしろ記憶力のテストというような状況になっている実態もあるんじゃないかといったご意見もいただいてございます。また、その次の○では、学校では学習の目標や評価規準などよりも先に学習活動のほうを決めてしまうといった場合も多いといったことで、目標に沿った指導がどういうふうに充実をしていけるかということを考える必要があるというご指摘をいただいております。また、40行目の後ろのほうからでは、業者が作成する評価問題の質ですとか、通信簿に記載されるまでの評価の過程がよりよいものになる方策というのを国や県が考えることも必要ではないかといったご意見をいただいてございます。
 3ページのほうに参りまして、2行目のところからですが、個々の授業では、適切な評価方法を選択して、いずれかの観点について重点化して指導と評価を行うことも重要なんだけれども、教員がそこまで重点化に踏み切れないといったことも多いのではないかというご指摘もいただいてございます。それから、その次、7行目からの○では、漢字や計算とか地名などの知識や簡単な理解に関するものと、思考力などとは、評価方法や評価規準の在り方を区別して考える必要があるといったご意見をいただいてございます。これが目標に準拠した評価の実施状況などに関するものでございます。
 次のまとまりが、評価規準についてのものでございます。最初の○にございますように、国立教育政策研究所のほうで参考資料として評価規準が示されておりますが、これが各教育委員会ですとか教科書会社に対する事例の提示につながっておって、個に応じた指導のきっかけを示したということではないかと。こうした取り組みというのはぜひ継続すべきだといったご意見もいただいてございます。また、その次の○では、国立教育政策研究所の参考資料をもとに各県で評価規準というのを作成してきたので、次は具体的な評価の問題を作成するといったことを行うべきではないかといったご意見もいただいてございます。また、その次の○では、全国の状況につきまして、例えば同じ教科書を使っているということで市内で単元計画や評価規準を共有しているような例もあるといったように、評価結果の妥当性を向上させるような取り組みですとか、教員が評価規準の作成に取り組む機会を設けていると。それによって教員の指導力で向上につなげようとする取り組みが行われてきているといったご紹介もございました。また、その次、28行目からの○では、現在の評価規準につきまして、どこまで指導をすればいいのかというのが不明確なところがあるのではないか。また、評価規準の参考例では「B」の規準だけを示しておりますが、各学年を超えた「B」の関係といったものが見えずに、どのように力を伸ばせばよいか伝わりにくいところがあるのではないかといったご指摘もいただいてございます。また、その次の32行目からの○のところでは、これまで目標と評価規準の明確化が進んできたけれども、それに対応した評価方法についてまでは示されていなかった。そのため、どのような評価方法を用いてどの程度まで評価すれば目標や評価規準に沿った評価になるのかというのがわからなかったので、結果として細分化した評価規準に対応しようとし過ぎるあまり、教員が忙しくなり過ぎたり、評価方法まで細分化して本来目指している学力というのを評価するといったことができなくなったりということで、実行可能性や妥当性といったあたりで課題があるんじゃないかといったご指摘もいただいてございます。
 4ページのほうに参りますと、4ページの一番上のところは、「B」と評価された児童生徒について、どう学習すれば「A」になれるのかといったことにも答えられるようにしていく必要があるのではないかといったご指摘もいただいております。また、10行目から始まる○の中のご意見としては、その○の一番最後にありますように、複数の観点があることで各学校の実態に応じた評価というのがなされ得るのだといったご指摘もございました。また、その次の○では、用語の問題ではございますが、「規準」と「基準」、両方の考え方があるかもしれないけれども、「規準」のほうの考えで考えるようにできるようにするなど、考え方をシンプルなものにしたいといったご指摘もございました。
 その次の固まりが、適切な評価を行うための多様な方策についてのご意見でございます。最初の○にございますように、「イギリスなど」と例を引きまして、国が課題例とマーキング・スキームと呼ばれる採点基準ですとか回答の例といったものをお示しするということで、こういう問題でここまでできていれば到達できているといったような例を示していくということが考えられるのではないかといったご意見もいただいてございます。また、その次の○では、知識・技能の習得については、筆記テストや技能テストで評価をする。また、知識を活用する力については、論説文やレポートとか、スピーチやプレゼンテーションといった実演を評価したりするなど、30行目にあるような実際的な文脈で知識・技能を総合して使うパフォーマンス課題と呼ばれるようなもので、知識・技能を活用する力についてはパフォーマンス課題のようなもので評価をするといったように、目標や身につけさせる力に合わせてさまざまな方法を組み合わせるべきではないかといったご指摘もいただいてございますし、34行目のところにありますように、パフォーマンス課題の事例ですとか、国は大綱的な基準を参考例として示すにとどめまして、各学校や地方の創意工夫を進めるといったように考えていくべきではないかということをご指摘していただいてございます。また、その次の○では、全国学力・学習状況調査などの問題が評価問題を考える際のよい資料になるということで、国レベルでつくられる課題というのをもっと広めていってもいいのではないかというご指摘をいただいてございます。一方で、一番下から次のページにかけてですが、到達すべき課題例というのを示してしまうと、授業として最終的な段階でそこだけチェックすればよいというような評価論に陥るといったことも懸念が示されておりまして、課題例を示すにしても、課題を示すだけということではなくて、授業構成を見据えて考える必要があるのではなかろうかといったご指摘をいただいてございます。
 続きまして、次の評価の観点の在り方についてでございます。評価の観点につきましては、最初の○にございますように、現行の評価というのはいわゆる4観点でございますけれども、それを維持すべきではないかということで幾つか理由も示しておりますが、学力を分析するのにすぐれた視点だといったことや、取り組みが進み始めた状況であるにもかかわらず、観点を変えると評価規準の設定等の議論に逆戻りするおそれがあるですとか、今回の指導要領改訂で評価の観点との整合性が高まったといったことも言えるのじゃなかろうかということで、現行の評価の4観点については維持をしていいのではないかといったご意見もいただいてございます。また、同じ意見の14行目からのところにございますように、習得や活用といった考え方については、観点との関係を整理すれば、現場への実践とつなげていけるのではなかろうかというご意見もいただいてございます。一方で、17行目、次の○にございますように、実際に評価をする場合には、せいぜい知識・技能とそれに伴う浅い理解というものと、高次の技能や深い理解といったような、2つの区分以上に分けるというのは難しいのではないかといったご指摘もいただいてございます。また、24行目からの○のところでは、27行目からございますように、学問や芸術など、どの世界でも、基礎的な知識・技能や、活用・探求・創造といったもの、そしてもう1つが関心・意欲・態度といった3つを評価の対象としているので、そうしたものがわかりやすいんじゃないか。また、それ自体はこれまでの4観点と大きく異なるわけではないんじゃないかといったご指摘もいただいてございます。そのほか、その次の○にありますように、学校教育法の30条2項も踏まえる必要があるんじゃなかろうかといったご意見や、その次の○のように、必ずしも学校教育法と一致させる必要はないんじゃないかといったご意見もございます。また、一番最後、40行目からの○では、観点の問題については、各教科の特性ですとか授業の在り方といった切り口を持つべきだといったご意見もいただいてございます。
 次のページに参りまして、その次の固まりが評価の観点間の関係性についてということでございますが、これについては、最初の○にあるように、4つの評価の観点があるわけですが、その関係を構造的に考える、構造化するといったことについて検討を深めてはどうかといったご意見をいただいてございます。
 また、その次では、関心・意欲・態度の評価の在り方についてということでございますけれども、1つ目の○にございますように、現在の社会では知識などを求めることに意欲的に取り組むという姿勢を養うことが必要だといったことや、国際的な調査で児童生徒が家庭学習に取り組んだり夢を追求したりといった部分が弱いといったこと。また、教員が児童生徒の意欲を喚起する授業を行うことにつながること、関心・意欲・態度が学習指導要領の目標に盛り込まれているといったようなことを踏まえますと、引き続き、関心・意欲・態度というのを観点の1つとして示すことが妥当だといったご意見もいただいてございます。また、次のページに参りまして、一番上でございますけれども、授業中の挙手や発言の回数といった表面的な状況のみで評価されるべきではないといったことが言われるわけですが、その一方で、そうしたものでないと兆候がとらえにくく、評価が難しいということもご指摘をいただいてございます。また、関心・意欲・態度に関する学力については他の観点に係る学力に含まれるというふうに整理して、観点として設ける必要はないのではないかといったご意見もいただいてございます。その次の○のところでは、9行目にありますように、関心・意欲・態度のような情意面の評価と理解や思考などの認知面の評価とを少し切り離した形で考えることも必要ではないかといったご指摘もいただいてございます。
 その次の固まりは、基礎的・基本的な知識・技能の評価の在り方についてということで、1つ目の○にありますように、学習評価というのは学習の不十分な点について、知識、理解など不十分な点についてそれを補っていくことに生かすべきだといったご意見をいただいてございます。
 また、その次の固まりでは、思考力・判断力・表現力等を育成するための評価の在り方についてということで、1つ目の○にございますように、思考力や判断力などの評価については、思考力をはかる評価方法の開発も進んでいるので、国として参考資料を示すということができないかといったご指摘をいただいてございます。また、その次の○では、国がペーパーテストでできる課題例を示すというだけではなくて、授業構成全体を見据えて示していくという必要があるのではないかといったご意見もいただいてございます。また、その次のところでは、作文について、読書感想文などが多く、説明、論述などは習わない。新指導要領では言語に関する能力を育てるということを重視しているので、それを評価するためにも、発表とかレポートとかを位置づけていくことが大事ではないかといったご意見もいただいてございます。
 その次のページに参りますと、一番上のところでは、PISAの調査ですとか、全国学力・学習状況調査のB問題に対応した問題を解かせるといったことが広がっているんだけれども、より包括的な課題への取り組みというのがなおざりになっているのではないかといったご指摘もいただいてございます。また、その次の○では、論説文ですとか、スピーチやプレゼンテーションといったリアルな文脈で知識・技能を総合して使いこなすパフォーマンス課題といったことを実施することを広められないかということで、このようなパフォーマンス課題については、教科の本質の理解に係るような事柄を文章にして教員として把握する必要がある。ただ、その文章自体を教えるのではなくて、その本質の理解といったものを生徒が学びながら気づけるように工夫された課題を設定するといったことが重要だといったことや、実施する頻度も学期に一度程度といったことにすれば、妥当性や実行可能性も高まるのではないかといったご指摘もいただいてございます。また、その次の○では、知識・技能を活用する力については、いわゆるルーブリックと呼ばれるようなものを用いて長期的な発達をとらえて、到達点で総括的評価を行うという発想があってもいいのではないかといったご指摘もいただいております。一方で、その次の次、22行目からの○にありますように、パフォーマンス課題ですとか、それを評価するときに必要なルーブリックなどをつくる際には、実際の学校現場で実践可能かといった点を十分検討する必要があるといったご意見もいただいてございます。
 その次の固まりが評定についてでございまして、評定については、最初の○にありますように、教科間の比較や過去の成績との比較をするという教育的な意味もあるといったご指摘のほか、その次の○の39行目からありますように、児童生徒の学習状況を詳細に把握できる観点別の評価があれば、評定のほうはなくともよいのではないかといったご意見もいただいてございます。
 その次、9ページに参りまして、高等学校における評価の在り方についてのご意見でございます。高等学校におきましては、1つ目の○にありますように、観点別評価に積極的に取り組んでいる学校などがある一方で、観点の考え方などが十分に浸透していないといったご指摘もありまして、16行目からありますように、観点別評価の欄というのを指導要録に設けることを検討してよいのではないかといったご指摘がございます。一方で、専門高校などでは、1人が4から5科目担当しているといったことを踏まえると、観点別評価の一律の実施というのは高校では難しいのではないかといったご意見もいただいてございます。
 その次の固まりが評価に伴う教員の負担軽減についてということですが、具体的なものとしては、35行目からありますように、関心・意欲・態度を他の観点と一体的に評価して観点から外すですとか、さまざまな評価の方法を組み合わせた学力評価の方法を推奨して、国がパフォーマンス課題の例示とかを行うですとか、形成的評価と総括的評価の区別を明確にするといったことで負担を軽減してはどうかといったご指摘もいただいてございます。さらに、10ページ目のほうでは、一番上にありますように、学校や教員が求めているのは、一つ一つの単元構成の中で具体的な評価の規準をワークシートですとか学習指導案とともに国などが例示する、こういうことを求めているのではないかということで、その際に、1単元や1単位時間ですべての観点を評価しようとするのではなくて、重点的に評価する観点を決めたり、さまざまな方法があるということをあわせて伝えてはどうかといったご指摘もいただいてございます。
 以上が主なものですが、その他といたしまして、19行目からありますように、ヒアリングを行った教育委員会から、全国学力・学習状況調査ですとか県独自の調査を一人一人の補充指導に役立てておるですとか、学級や学校全体の指導の改善に役立てているといったお話があったり、その次のポツにありますように、回答状況が「改善すべき」といった課題については、児童生徒が取り組む課題例を指導案に示す。その課題例の作成などを先生方と一緒に行うことで、現場への波及効果があるんじゃないかといったご指摘もいただいてございます。
 最後に、35行目からあります特別支援学校における評価につきましては、特別支援学校のほうで個別の指導計画などの作成が明確化されましたので、個別の児童生徒の指導目標をもとにした評価といったものも取り入れていく必要があるといったご指摘をいただいてございます。
 ちょっと長くなりましたけれども、全体としてこうしたご意見があったことをご報告させていただきます。
 以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 今お聞きいただいたように、非常に多岐にわたるご意見が出ている段階であります。これをきょうのこの教育課程部会でご意見をいただいて、それもワーキングにフィードバックして、今の段階での対応ですけれども、これを何とか秋ぐらいまでには少し方向づけをして、そういう中で少しまとまってきたら、またここに出していただいてご意見をいただくという、そういう流れで今年度中にはこの報告がまとまるという、そういう中で、きょうはいわば最初の段階、どれだけ多様なものが出たかという、これをご報告いただきました。
 皆さんにご意見をいただく前にちょっと、この問題はわかりにくいかもしれませんので、あるいは蛇足だと思われるかもしれませんが、文脈的な情報をあれしておきたいんですけれども、指導要領が変わりますと必ず、指導要録の様式をどうするかということを1年か2年おくれて出すわけですよ。指導要録というのは学校教育法の施行規則に書いてありまして、各学校で必ず指導要録というものを作成して保存しなきゃいけないことになっているんです。戦争に負ける前の学籍簿なんですね。これを今は指導要録と言っております。だから、指導要録は必ずつくらなきゃいけないんですけれども、それの様式や記入をいわば土台にして、各学校は学校の責任で、通知表、あるいは通信簿とか、いろんな言い方がありますが、通知表を学期ごとに出しておられます。通知表を出す、いわばそれと連携して、中学、高校は定期試験があって、通知表にどういうふうにするかとか、指導要録にどういうふうにするかというのは、それとの関係になってくる。あるいは、日常のいろんな評価活動、定期的なテストとは別にいろんな評価活動をやって、例えば作文を見て、それをやってということがあります。そういうことが今度は授業にかかわってくるんですね。一体どういう力をつけなきゃいけないのか、そして、ほんとうに力がついたかどうかをどこでどうチェックするのかということになってくる。ですから、文科省がお出しになるのはといいますか、この教育課程部会で出さなきゃいけないのは、要録の様式の参考。地教行法では、最終的には地教委にあるんです。設置者にね。私も元地教委の委員として言いますと、そういう理解で間違ってなかったと思います。ですけれども、国が指導要録の様式を示しますと、多くの自治体が参考にします。それから、そこの考え方というのを出しますから、それが要録だけでなくて通知表や授業の中での評価活動にも入ってくる。こういうことですから極めて重要だということで、これまでも取り組んでこられたということであります。
 もう1つ申し上げておきますと、戦前は成績というのは学籍簿に書かれていたわけですけれども、きょうのこの資料の中にも何度か出ていますが、総括的評価と今は言われますが、成績をつけてそれで終わりというね。あんたはすぐれた子とか、ちょっとまだの子とか、そういうようなことを格付して終わりになりがちだったというか、戦前はそういうものだった。学校の戸籍ですから、学籍簿というのは。ところが、今から64年前、戦いに負けて、アメリカから教育使節団が来て、いろんなことをやり直せと言ったわけです。その中に、学籍簿を指導要録にするということもありました。アメリカでやってきたガイダンスレコードという、これをそのまま指導要録と訳したわけですね。どういうことかというと、学校の戸籍の一部分として成績をつけるんじゃなくて、子どもがより一層学ぶ・育つための手がかりとしての経過報告みたいなものを書いておくものなんだと。今、これは形成的評価という言葉で呼ばれますけれども、そういう考え方に改めるようにということになりました。ただし、名前を変えたり、やり方を変えても、今に至るまでまだなかなか指導に役立ってないんじゃないかということが、あるいは一部の言い方から言いますと、子どもを格づけてしまうような、まずい副作用が出てきてしまっているんじゃないか。それがないようにしようということをよく言われて、より一層教育的なものにということで大体10年に1回ずつ要録の様式の改訂なんかがあったわけですね。今は、小学校、中学校では、ご存じだと思いますが、成績のつけ方は二本立てになっています。観点別学習状況の評価といいまして、知識・理解と、技能・表現と、思考・判断、そして関心・意欲・態度という、4つの全く違う視点からつけて、それと評定という、全体から言うと何という二本立て。高校は評定だけと、こういうことになっております。
 戦後はアメリカのやり方をそのまま取り入れて、ほかの人と比べてどういう相対的な位置にあるのかという相対評価でやっていたんですけれども、昭和55年の要録の改訂のときから観点別学習状況が入っていますが、そのときから、絶対評価という、人と比べるんじゃなくて、教科の目標、こういうことができればこの段階としてはいいんじゃないだろうかというクライテリア、これとの関係で見ていくのを中心としようねということでこられまして、そして、ちょうど2000年の、1つ前の教育課程審議会の答申の中で、これが強く打ち出されております。つまり、教科のいわば目標とか、そういう期待するところですね。それとの関係で見ていきましょう。人との関係で上のほうだ、下のほうだという、そういう情報はあっていいわけですけれども、副次的であるという、こういう感覚になっております。
 もう1つだけ申し上げますと、きょうの資料の一番最後のところに、平成20年1月17日、つまり去年の1月17日付で教育課程部会が中心となって出した、指導要領の改訂についての答申、これの一部で評価関係のところが抜き書きしてございます。要は、あまり煩雑にならんようにしようねということなんです。凝り性の人がどうしても現場におられまして、細かい細かい資料をつくって、授業どころじゃないというか、指導どころじゃないという、そういう例がこれまでもあったやに聞いております。ということで、これをまとめるとき、第3期、第4期の教育課程部会の委員の先生方はよくご存じのように、その趣旨、指導のために役立つとか、あるいは子どもの次の学びとか育ちのために役立つという、そういうことのために生かすという、そういう趣旨は生かしながら、しかし、煩雑にならないように歯どめをきちっとかけようと、こういういわば文脈的な流れがあった上でこのワーキングをやっていただいております。そんなことわかっているよという人も多いとは思いますけれども、ちょっと復習させていただきました。
 したがって、このワーキングで今の段階ではかなり多岐にわたる詳細な議論がありますけれども、ポイントは押さえながらも簡略になるようにという、そこのところを何とか実現するようにワーキングにお願いしたいなというふうに思っておりますので、そういうことも念頭に置いていただきまして、皆さんのほうから自由にご意見をいただきたいと思います。感想でも結構です。どなたからでも結構ですが。
 岩﨑先生、どうですか。

【岩﨑委員】

 ご指名でございます。ありがとうございます。
 私は教員の経験者でございまして、人間が人間を評価するということの難しさというのはしみじみ感じておりました。ただ、評価するときにいつも思いましたことは、日々の評価の集積が学期末の評価であり学年の評価であると考えていかないと、成績つけになって慌てることになります。そんな教員もたくさん見てまいりました。そうならないための補助簿というものの重要性というか、そのことを大変大事にしながら、子ども一人一人の様子を記録していくことが大切です。その際、記録の観点をしっかりと持って記録にとどめていく。それから、観点にないもの、行動や表現等の特徴等は1冊のノートに記録していくことをして、評価に臨んだことがございます。
 それからもう1回は、昭和の終わりごろでございますが、評定だけでは具合が悪いということで、学習指導要領と教科書を照合させまして、まず自分の学年の評価の観点をずっと単元ごとにつくっていった経緯がございまして、あと、教務主任になりまして全学年のをつくりましたが、それでいくと教員は評価がしやすくなったと言ってくれたことから通知票を学期毎の観点別のものに変えた経験がございます。
 何か取りとめのないことを言っておりますけれども、日々の評価が大事だと考えております。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 高校のほうで、戸谷先生、いかがでしょうかね。

【戸谷委員】

 ワーキンググループの中でも申し上げまして、総論のところにもあるんですけれども、学習の目標に準拠した評価の在り方について、これは、偏った評価だとか、そういったことについては、現場では直していかなければいけない。特に評価の4観点については、高等学校はまだ浸透していないのではないかというご批判を受けておりますけれども、4観点については、ある面では認識はしていると思うんですけれども、それがきちっとした形でできないというのは、やはり高等学校、中学校もそうですけれども、大学入試との関係、これは否定できないのではないかというふうに思っております。
 総論のところにも書いてありますけれども、実行可能性ということについては、これはよくよく議論をしていかなければいけないというふうに思っております。学習評価についての在り方、これについて考えると同時に、ほんとうに現場で使えるような、浸透していくような、そういった評価の在り方、それから、教員の負担減をどういうふうにするのかという、そういった側面も考えていかなければいけないのだというふうに思っております。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 今、ちょっとご指摘がありましたけれども、進路指導といいますか、そういうこととの関係で、高校から大学に入る、中学から高校に入るときは、定員があるわけですね。ですから、みんなできても定員の中しか入れないわけで、というあたりがジレンマになっておりまして、1つだけ関西の事例を申し上げますと、ある時期、指導要録に大阪の小・中学校は全部書いていませんでした。何も記入しませんでした。転校した生徒さんの指導要録を受け取って驚かれた、ほかの府県あると思います。これは、高槻の中学校が、評価というのは選別・差別の道具であるという、こういうことをおっしゃって、これがわっと広がりまして、指導要録には、名前を書いて、そして判こを1つ押して、特記事項なしという、それだけで要録にしていたという、こういうことがございます。余談ですが、私が十何年前に大阪府箕面市の教育委員をしたときにそれを全面開示をしまして、初めて白日のもとにさらしまして、それから箕面市は書くようになりました。そして周辺も書くようになって、今は全部書いています。その書くようになる過程で、それを言い出した高槻の中学校は、実は運動団体の指導部は全く変わっていませんが、しかし考え方を180度変えられました。今、高槻のそういう運動も全部、書くのをやめようと言ってきたところは一番詳しく要録に書き、それから通知表には必ず、観点別の学習状況評価と評定だけじゃなくて、実力試験の結果とか――偏差値的なものですね。つまり、進路指導に役立つ。そこの中学校で頑張ってはいるけれども、大阪には150の公立高校と100の私立高校がありますので、250の高校の中でどこら辺だったらまあまあ行けるかなあという、この情報がわかるようなものまで、非常に詳細に書いておられます。という流れがありますので、これもご紹介しておきます。ただ、ある時期、政治的な意味でも非常にホットな問題だった。しかし、それが今は教育的な意味で整理されて、関西も、私の目から見ればですけど、まあまあ妥当な方向に行っているかなという感じがしますので、今、戸谷先生がおっしゃった点というのは非常に重要な視点でもありますので、ちょっと蛇足を加えました。
 じゃ、荒瀬先生。

【荒瀬委員】

 ありがとうございます。資料2-2の5ページ、評価の観点の在り方についてというところで、いろんなご意見があったということがこれを拝見するとよくわかるのですが、24行目からの○の部分で、4観点が定着しつつあると言われるけれども、ほんとうはどうなのかということと、それから、33行目になるんでしょうか、これは中教審の答申でもありましたけれども、基礎的な知識・技能、活用、そして学習意欲という、これとのかかわりという点で言うと、どちらかというと、小学校、中学校はどうかわからないんですが、高等学校で考えると、学校教育法に明示されているほうがわかりやすいなということを私は思っています。ですから、今後いろいろと議論が行われるということで、まとめていただく際に、これはきっと、4観点を定めていったときの経過と、それから学力の重要な要素として中教審が挙げた3つのものとは、経過がちょっと違うような気がいたします。ですから、それをどんなふうにしてまとめていって現場にとってわかりやすいものにしていくのかということを大事にしていかなければならないんじゃないかなと思います。私は、一番大事なのは、学力の重要な要素で言えば、学習意欲ですね。これがあれば、変な言い方ですが、大学入試だって突破できるわけで、学習意欲がない人というのは、最終的にここというところで行けませんし、突破したところで大学に入ってから困る人をつくっても仕方がないわけでありまして、学習意欲というのはいろんな意味で大変重要である。「生きる力」というのはまさに学習意欲に大いに乗っかっているということを思います。
 それからもう1点、8ページなんですが、8ページはその前のページから続いています思考力・判断力・表現力等を育成するための評価の在り方ということなんですが、ちょっとこれは気をつけないといけないなと思いますのは、表現力というときに、一方的な表現力ということが浸透し過ぎないように気をつけていかなければいけないなと思っています。それは何かといいますと、具体的に私の学校での経験ですが、スーパーサイエンスハイスクールの研究指定を受けているおかげでいろんな形で生徒が発表するということは大変機会が多いんですが、発表する能力というのは確かに大変高まったのです。しかし、発表したことに対して質問を受けたりとかしたときに、その質問の意味がきちっと受け取れていないとか、やりとりができないという、そういう弊害も出てきました。そこで、全体的な場で発表をするということはやめてしまって、ポスター形式の発表をする。そうすれば、同時進行で発表している最中から、今、あなたが言ったことは間違っているんじゃないですかと言われて、それに対して答えるとかいったような、ほんとうの意味のコミュニケーションがそこでは成り立つんじゃないかなと思っています。ですから、レポートを出すとか、あるいは、スピーチをするとか、プレゼンテーションをするとかというのはとても大事だとは思いますが、ほんとうに大切なのはそれをした後のやりとりができるかどうかということだと思いますので、そこのところもぜひご検討をいただければと思います。
 以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 曽我さん、親のほうもこれは関心のあることですが、何かもし。

【曽我委員】

 PTAというか、親の立場から言うと、学校の評価の在り方というのが、結局どのように子どもが評価されているかというのが非常にわかりにくくて、昔、自分が評価を受けていたときの固定観念があって、その中で受けとめられないんですね。それが逆に言うと我が子を育てる育て方を難しくしているという。つまり、学校でどう評価されているかわからないので、親はここをこうすればその子がよくなるというふうにならないんです。先ほど荒瀬先生がおっしゃった部分もあるんですが、やっぱり親としては、意欲をどうやって出させるか。自分の子ですから、意欲を出させるポイントはわかるんですが、それは学校と連動して出させることができているのかということをリカバリーできないんですよ。だから、学校から、先生からいろんなお話を受けても、なるほどと頭にピンと来ない。つまり、教育の連動ができていない。だから、コミュニケーションといっても、社会のコミュニケーションじゃなくて、学校の中だけのコミュニケーション、つまり教育の中だけのコミュニケーションで、社会と連動したコミュニケーションにつながっていない。だから、知らないうちに学問と社会とが分離していくというような感じをとらえています。そういうときには単純に考えて、意欲を出させようということで今の保護者はリカバリーしているのかな。つまり、我が子がいろんなものに向かっていく意欲を出せれば、違った意味での部分の教育のプロである先生方がそこは育ててくれるだろう。親は親として別の部分でやろうというふうに考える保護者としてしか、今現在、存在し得ない。だから、逆に言えば、評価の在り方がどうであれ、非常にわかりやすくならないといつまでもこの状況は続いてしまうので、早く解決していきたいし、大学までの課程の中で自分がどのような物事を習得することができる、どういうものが実現していくのかという、この未来ももう少しわかるような教育社会にしていただきたいな。そうすると、一人一人の子どもたちが、だれもが輝くんだと。つまり、競争だけでここに行って勝ち残ったら、この人たちしかだめではなくて、どの子もさまざまに輝く方策がある。そのために自分が何を習得するとどういう方向に自分が生きていくんだという、ぜひそこまでなっていただくと日本人の子どもたちはすべて自分に生きがいを感じてくるのかな。そうしないと、何かができないと脱落するという、それの繰り返しになってしまうような気がします。ぜひその辺が保護者にも通じるような評価改革をしていただければありがたいと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 渡久山先生、いかがでしょうか。

【渡久山委員】

 すみません、きょうは人身事故でちょっとおくれてきたんですが、きょうは評価の問題があるから、彼はどういう評価を受けていたんだろうなという気がちょっとするんですね。私も現場で評価をしてきた者ですけれども、最近、内申書裁判がございまして、その後は、評価をすることは公表されるということを前提にして評価をせざるを得なくなってきますね。しかし、そういうことを前提にしてやりますと、特に観点別評価というのは非常に難しいんですね。私が見ている期間内での評価しかできないんですけれども、これが果たして客観性があるかないかというのは、自分ではわからないんですね。ですから、評価というものの難しさというよりは、妥当性があるかないかというものですね。要するに、例えば点数化し得る知識の量というのは、ある意味ではスケール化できるんですね。例えばスケールをつくって、それで評定して、メジャーメントでやって幾らとつけられるんですけれども、しかし、それが今非常に難しいのは、今、曽我さんも言われたんですが、親が見ている子どもの評価と教員が見ている評価とが全く違うときがあるんですね。そうすると、これを言葉で書かざるを得ないときに果たしてどうだ。だから僕は、学校現場で評価し得る何かというもの、例えば知識の量とか何かは測定できるでしょう。しかし、そうでないようなものもある。だから、今、学校現場では、最後は自分の教育観とか何とかで評価せざるを得ない場合もあり得るんだけど、しかしそれには客観性がない。ほんとうに客観性がない。そうすると、そういうような評価できない、あるいは評価しにくいものまで評価しているんじゃないか、学校現場で。それが逆に教員の仕事の煩雑さにつながっていないかどうかですね。ですから、評価の専門家の梶田先生の前で申し上げるのは非常に失礼なんですが、アメリカなんかでの評価学なんかは、スケールそのものに客観性があるかないかということでいろいろやっていますね。だから、例えば数学の点数でも、非常に客観的な正規分布になるようなスケールをつくるということ自身に非常に関心があるわけですね。しかし、日本の場合はどうもそうではないような感じがしています。
 それからもう1つは、大学、あるいは高等学校の入試にそれが使われていて、これがどういう意味か。高等学校の側から、僕もそういうときはありましたけど、ほとんど見ないですよ。見ないけれども、最後にだれか選ぶ場合に、ABCの中でだれを選ぶかというような。
 それからもう1つは、最近、大学の入試はAO式になってきて、学力が落ちている原因はそれだというような感じもあるわけですね。まじめに部活動をやっていた。だから採るんだ。しかし、今は人という話。そういうことを考えていくと、なかなか難しいような気がする。
 今、毛利委員がいらっしゃいますから、私、ずっと見ていると、宇宙飛行士は極めて綿密な計画の中でいろいろなことをチェックしながらいろいろ仕事をしているようですね。これはぜひとも毛利先生に教えていただきたい。極めて厳密な評価がなされていないと、ああいう行動がとれない。しかし、自分の1つずつの行動が全部きちっと評価される。ああいうことを考えてみると、学校現場ではもっと人間的な形を考えて、特にこれはどうもイギリスあたりは厳しくやって、失敗が多いんですね。だから、この問題も、観点別評価が必ずしも必要かどうか、その辺まで含めてやってもらいたいなという気がいたしますね。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 毛利先生、お願いします。

【毛利委員】

 宇宙飛行士のことを想定した評価をすると、社会は失敗します。宇宙飛行士の場合は、特殊なミッション、あらかじめ達成率100%、120%、80%、60%というものを全部想定して、宇宙飛行士個人は多くの人たちが考える達成度の最高に到達するように努力するわけなんです。それは特殊なことなので、決してそれを参考にされないほうがいいと思います。ビジネスのときには成功すると思うのですが、教育に関しては、ほんとうに社会を構成している個々の人たちは違いますし、それぞれが重要である、すべてが重要であるというところから考えますと、「評価というのは何のためにするのか」という基本に返って考える必要があると思います。どうも評価の話をしていると、それぞれの人の立場、先生は先生の立場で子どもを評価するし、教育委員会は教育委員会がよく見られるように評価というのを考えるし、文部科学省は、国としてこういう成果が上がったという、ほかとの関係、あるいは海外との関係で評価の基準を考えます。評価という言葉自体にみんな、木村先生が一番悩んでいらっしゃると思うんですけれども、振り回されている、ということだと思うのですね。でも、基本的に今ここで考えるべき評価というのは、評価をするための評価ではなくて、子どもがそれぞれ小・中・高で成長していく段階で、能力が伸びているかどうか、というチェックと、個人一人一人にそれを見せて、フィードバックを与え、さらに伸ばしていく、というところがポイントなんですね。ここで議論されているいろんな立場の議論も、子どもに戻らないといけないと思います。最終的には学校にいる子どもが評価によって伸びるような状態にしているかどうか。特に国全体を考える文科省は一律にできると思いがちなのですが、決してそんなことはない。今回、この資料を見せていただきますと、ほとんど議論されているんですね。つけ加えて言うこともないぐらい、いろんなことがいろんな観点や立場から議論されているので、これから国は現場が選択できるような幾つかの評価方法を与えてもいいのかなと思います。せっかく政策研が新しい評価法を出したのですから、日本の国としてはこれだけ、ということじゃなく、こういう評価方法もあるけれども、こういう評価方法もあるということで良いと思います。日本でも北の海に近い学校で子どもたちが「生きる力」を一番出せるような評価の基準と、南の海に囲まれた沖縄の学校、あるいは長野県の山があって海がない学校で山を見ながら子どもたちが「生きる力」を一番発揮できるような評価の基準は違うと思います。知識的なものは共通でいいと思うのですが、そういう違いを尊重するということは重要です。最終的に「生きる力」というものにフィードバックしているかどうか、という評価方法というのは、1つではなくて、ぜひ政策研が出されるものに選択肢があるといいな、と思いますね。
 もう1つ、日本が置かれている世界全体の流れの中で、今、「生きる力」という言葉が出てきたということ自体、ほかの国をまねしてはいけない、という状況にあるということですね。例えば中国、どんどん産業的に発展していくようなところは、もう既に日本は30年、40年前に経験しています。イギリスはイギリスなりにいろんな歴史を経てそこまで行っているのですから、ただ単にまねするのではなく、日本人自身が、独自に新しいものをつくり出していく、ということができてきているわけですから、それを評価の基準として提示してあげるということが重要ですね。
 最後にもう一つ大事なのは、子どもに一番接触するのは先生なので、先生自身が子どもを伸ばそう、という気持ちにいつもなるような環境をつくる、その為の評価をしてあげるということです。ちょっと抽象的になってしまいましたが、評価というのは、それぞれの立場で違います。でも最終的には現場に子どもたちがいる。それらを全部統合する必要があります。日本のような文化的にもかなり高い、食べるのに困らない状況の国が次を目指すために、子どもたちに意欲を持たせるものは何だろうか。ある程度食べるものに困らなくなったので、ひょっとして意欲を持たないのは当然かもしれないんですね。当然かもしれないというところに、次に日本の社会がさらに豊かになっていくためには何ができるのか、という問題があります。あるいはまた、もうここまで上に行ってしまったのだから、次は下がらないといけない。ほかのところに追い抜かれて、徹底的に戦後すぐの状態、飢餓の状態、精神的な飢餓の状態までもう一回落ちるような事態が波として来るのかもしれないけれど、それは私たち嫌ですよね。だから、それを上に持っていく為にはどうするのか。全体と個ということで、宇宙飛行士は特殊な能力が期待される立場なので、参考にされるのはいいのですけれども、こと教育という面では評価の参考にはならないということをお話ししました。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 ちょっと違いますが、増田さん、スポーツのほうのあれでもとってもこれが問題になると思いますが。

【増田委員】

 ありがとうございます。そうですね。スポーツもやっぱり意欲ですよね。意欲を高く持つということが基本になりますので、先ほど曽我委員も言われていましたけれども、どういうふうにこれから子どもたちに意欲を持たせるかという中で保護者と学校とのコミュニケーションということを話された中で、私は自信だと思うんですね。子どもが自信を持てるかどうかというところが大事で、よく褒めて伸ばすということを言われますけれども、褒めるということはとても大事だと思います。大人でも、褒められて意欲が高まっていって、じゃあ次も頑張ろうということにつながっていくと思うんですね。その中でも、今の評価の4観点を踏まえての評価ということの中で、数値にあらわれるものというのは、いくら子どもが自信を持ちたいと思っても、それがすべてですよね。ですけれども、その中で関心・意欲・態度というところの評価については、先生方の主観が入ると思うんです。私などは今、大阪でも学生を教えているんですけれども、いつも一番前の席に座る学生って、決まっているんですね。そこで一生懸命ノートをとったり、一生懸命聞いている人って、すごく意欲がある、態度がいいなと思って高い点をつけるんですけれども、そういう子はテストがいいかというと、テストはだめなんですよ。だから、上手につながっていかないというところがまたおもしろいところでもあるんですけれども、特に中学生のころというのはすごく自信をつけていろんなところに意欲を生かしていくことが大事だと思いますので、毛利さんも言われましたが、先生が伸ばしてあげる環境をつくるという中では、評価をするということは一人一人に向き合いますので、報告でもありましたけれども、先生が忙しくなり過ぎてしまう。向き合ってその人を知ることはいいんですけれども、忙しくなり過ぎて先生に余裕がなくなってしまうのが一番だめなことではないかなというふうに思います。ですから、しっかりと向き合っていけるような、そういう環境整備ということもこれから大事ではないかなというふうに考えます。
 ありがとうございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょう。秋田先生。

【秋田委員】

 今、お話を伺っておりまして、うなずくことばかりなんですが、PDCAサイクルで基本これまで考えてきているんですけれども、それはどちらかというとプランからチェックまで、近代の科学のやり方で統制してプランに応じたチェックのシステムをいかにつくるかが問われます。そこをほんとうに厳密につくってきていると思うんですが、それがなぜうまく機能しないのかというと、評価したところで疲れてしまって次のアクションが出ないとか、それから、アクションからが本来のサイクルなので、新しいデザインがきちっと問われなければいけないのですけれども、問われていない点が問題と思います。現実には、私も学校の先生たちにたくさんかかわっておりますので、いかに授業研究と評価をつなげようとしているかという努力もわかっているんです。むしろ、これまでの部分は大きく変えるのではなく、より深く実践に結びつけていく方策というのが今回も出されておりますけれども重要かと思います。これまでにこれだけ厚い報告書が平成14年に出ているわけですので、これらの報告書をどのように生かしながら次のアクションやデザインにつなげていけるのかということを考えることが必要だろうと思っています。
 生徒の意欲ということは、皆さん、学習では意欲が最初に大事って、どなたもおっしゃるんです。しかし、意欲が大事と言っても、意欲は高まらないのです。意味のある課題、意味のある環境、意味のある指導という、その意味ある学びの質を問うていかない限り、意欲は変わりません。今、韓国も、台湾も、東アジアの国々は、中等教育の段階でものすごく学習意欲の低下ということが各学校の現場で言われてきているわけです。それは同じような道のりをみんなPDCAでつくってきているものの限界が今来ているように思います。ですので、少なくとも行政ではこういうPDCAスタイルでつくっていくとは思うのですけれども、アクションと同時に、次のプランやデザインへどうつなげていくのかというところを、各都道府県の知恵であったりをいかし、実践のところに今回は力点を置いていただくということが大事ではないかと、私は思っております。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 あとお一人。じゃあ、黒須先生、そして岩﨑先生。

【黒須委員】

 ありがとうございます。このワーキンググループの皆さんのまとめ、これで大体、現状とか課題というのはすべて洗い出されているんじゃないかという感じがします。今、現場を見ると、子どもたちも多様化をしているし、保護者への対応も大変ですし、また雑事も多い、そういう中で、この4つの見方の評価、これをやっているというのは、私はほんとうに現場の教員の皆さん大変だなあというふうに率直に思っているんです。私はどちらかというと教員に対して辛口のほうなんですけど、それでもほんとうに大変だなというふうに思います。この評価をすることによって教員が子どもたち一人一人をよく見るようになったというような、そういう一面は当然ありますよね。しかし、評価が複雑で余裕がなくなったとか、あるいはまた評価が、今、中学校なんかでは入試選抜の現状にそぐわなくなってきていると、こういうこともあるわけです。先ほど梶田先生から、高槻の例とか、いろいろお話がありました。評価は選別とか差別の道具だというような、そういう見方をする人もおられたようですけど、私は決してそうは思わないんですね。多分、大事なことというのは、評価の方法といいますか、可能な限り簡素にしていくべきなんじゃないかというふうに思うんです。今回、この3点ということですが、9ページにも出ていますけれども、知識・技能、そして活用力というのがあれば、関心・意欲・態度というのはこの中で一体的に評価できるんじゃないかというふうに思うんですね。ですから、評価の方法というのはできるだけ簡素にする。そして、本人にとってもそうですし、また、そのことが保護者にとってもよく理解できるようなものでないといけないと思うんですね。ただ抽象的に何となく言っていることはわかるけれども、具体的にどう対応すればいいんだということがわかっていかなければ前進がないわけですから、そういう点では、保護者にとっても、本人にとってもわかりやすく、そしてまた評価をする教員にとっても大きな負担にならないようにということが大事なことなんじゃないかと、そんなふうに思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 じゃ、岩﨑先生。

【岩﨑委員】

 ありがとうございます。私の考えが間違っていたら申しわけないと思っているんですけれども、以前に指導要録、指導の記録と学籍の記録を分けて作成いたしましたね。そして、学籍の記録は金庫なんかに入れておきますけれども、指導の記録を生かしていこうということだったんですが、現実は生かされていなかったと私は理解しております。ほんとうに何か事があったときに見るぐらいで、学年がかわったときにでもそれをどれだけ参考にしているかというのが、課題ではないだろうかと思っております。校種がかわったときには抄本として届きますけれども、その抄本が生かされているかどうか。その原因は何だろうかと考えましたときに、やはり指導要録が複雑ではないだろうかとに思います。評定は見ますけれども、観点のところはあまり見られていないと思いますので、もう少し観点を精選し簡素化する必要があるのではないかと考えます。
 それから、評価をするときには、結果としてあらわれてきます見える学力というようなものは評価しやすいんですけれども、見えない学力、今子どもたちの課題になっております基本的な生活習慣だとか、学習意欲だとか、あるいは読書経験だとかなどどこかで評価していくということも大事ではないかなと考えましたので、つけ加えさせていただきました。
 ありがとうございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 じゃ、中川先生。時間がちょっとあれしましたので、きょうは中川先生で終わりにしたいと思います。お願いします。

【中川委員】

 私立学校のほうは、ご縁があってお預かりした生徒一人一人をどうやって伸ばそうかと、毎日悪戦苦闘しています。学校によって状況は全然違うわけですけれども、その中でいろんな工夫をしながら、どうやったらこの子はやる気が出るんだろうかとか、どうやったら学習意欲がわいてくるかとか、それぞれ考えながらやっているわけですね。その経過を大事にしながら評価をつけていくんですが、そのときに4観点別評価で固定されてしまうのは非常に困るという意見が圧倒的に多い。私立学校、特に中学校を担当する教員からの意見です。できれば観点別評価はやめてもらいたいというのが本音なんです。だめであれば、少しでも自由化をして、それぞれの立場でいろんな形の評価ができるようにしてほしいと考えています。
 それから、高等学校につきましては、多様化もしていますし、進路の問題もいろいろあるので、高等学校に観点別評価を導入しようというのは論外だというかなり激しい意見が今出ております。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。ただ、様式は、実を言うと各学校である程度やれる。昔、大阪なんかは全部、それこそ町ごとに違っていたんですよ。そのときに当時の文部省に何度か問い合わせてあれしたところでは、ということですので、今おっしゃったことも含めて誤解が、右へ倣えという、同じ様式で同じことをやらんといかんというのが私立学校含めてあまり強くならないようにはちょっと考えていかんといかんかもしれませんが、大事な点だと思います。ありがとうございました。
 この問題はまだいろいろとご意見あると思いますが、秋になりましてワーキングの方向づけがはっきりしてきましたらこの場に出して、それを具体の材料にしてまたご意見いただいて、またワーキングに返すと、こういうふうにしたいと思います。本日の皆さんのご意見はまとめてワーキングのほうにというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
 次に、ご承知のように小・中学校の新しい学習指導要領がこの4月から実質的に、例えば、算数・数学、理科とか、総合的な学習とか、道徳とか、そういうのでスタートしております。ご承知のように、新聞報道によりますと、小学校5年、6年の英語も多くはもう既にやっているという、そういうことがございます。そういうことに関しまして、いろんな現状についての調査、あるいはそこから何が課題かというようなことにつきまして、文科省及び関連して幾つか調査結果が出ておりますので、神山室長のほうからまとめてその辺のご報告をお願いいたします。

【神山教育課程企画室長】

 それでは、資料3-1、3-2、それから4につきまして、私のほうからご説明をさせていただきたいと思います。
 まず資料3-1をごらんいただきますと、平成21年度の公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査というものの結果についてのご報告ということになってございます。
 まず、この3-1は、A票と申しまして、すぐに調べなければいけないものを調べた結果でございますので、実は6月に公表しているもののご報告ということでございますが、中身といたしましては、概要のところの1.にございますように、すべての公立小・中学校で移行措置どおり標準授業時数以上の授業時間がきちんと確保されているといったことが確認されたということと、2.のところにありますように、小学校の外国語活動については学校の判断で導入ができるということにしておりましたけれども、公立学校の98%が五、六年生で実施すると。また、全体の58%は、全面実施後と同じ年間35時間かそれ以上の時間数をやっておるといったことが見てとれたということでございます。平均いたしますと、五、六年生で28.2時間やっておるといった結果が出たというもので、既に公表したものでございます。
 本日新しくお示ししますものとしては、資料3-2ということで、同じ調査ですけれども、もう少し時間をかけて調べたのが、B票とC票ということになってございます。ことしの4月から6月にかけて調査をしたものになってございます。概要は、1枚おめくりをいただきますと、調査結果の概要というのが資料3-2の2枚目に出てまいります。
 まずB票のほうは、授業時数などの全般の状況を聞いたものというふうになっておりまして、上半分でございますけれども、1.のところにありますように、今回、小学校のほうは、授業時数を各学年、年間35時間、週1コマ分増加させることになっておりましたので、いずれかの学年で年間総授業時間数を増加させているのが公立小学校は約96%あったということになってございます。増加させる時間はそれぞれ32時間から34時間ということですが、これまでも大目に授業時間をセットしておるようなところはこれまでどおりやればふえた分が吸収できたわけですけれども、多くの学校、96%の学校で週1コマ分程度、約32時間から34時間程度ふやしておるという状況でございます。
 一方、公立中学校のほうは、今年度から総授業時数をふやさなければいけないということにはなっておりませんでしたが、それでも27%の学校ではどこかの学年でふやしておる。また、ふやしておる平均としては29~32時間といった状況でしたが、※にありますように、中学校のほうはふやす必要は必ずしもなかったんですが、こうした状況になったということでございます。
 また、2.のところをごらんいただきますと、総合的な学習の時間につきまして、小学校の指導要領では新たに「地域の人々の暮らし」ですとか「伝統と文化」に関するものを例示いたしておりまして、それぞれ、80%、66%取り組んでいるようだということがわかったということになってございます。
 また、中学校のほうでは、新たに総合の中で「職業や自己の将来」に関する活動を行うといったことを示しまして、それについては約91%で、これまでも取り組んできたことかと思いますが、今回、数字として新たに9割程度やっておるということが明らかになったということでございます。
 また、3.のところでは、小学校における教科担任制というのを聞いておりまして、後ろのほうでは18ページの具体の数字が出ておりますけれども、3年生以上の音楽、4年生以上の理科、5年生以上の家庭科などで教科担任制をとっておると、学級担任とは違う先生が教えるという体制にしておるという状況が見てとれてございます。
 また、4.の、19ページのほうですけれども、2学期制についても、公立小学校では約22%、中学校では23%程度、2学期制というのを取り入れられているといったことも、今回の調査で明らかになってございます。
 以上がB票の関係で、授業時間数などの一般的な状況でございますが、もう1つ、C票というのがございまして、これは先ほどごらんいただいた2枚目のところの下半分のところに概要が出てございます。
 外国語活動や外国語に関してということですが、2枚目の1.のところをごらんいただきますと、平成21年度は公立小学校の約98%、22年度は99%が五、六年生で外国語の教育を行うという状況である。また、実施する時間については、新指導要領の全面実施後と同じ年間35時間かそれ以上という学校が、21年度の予定では58%、22年度では68%となっておりまして、ここで11ポイントと書いておりますが、10ポイントの誤りですので、訂正をさせていただきたいと思います。22年度では約10ポイント上昇する見込みだということでございます。
 また、なお書きのところでは、年間授業時数の平均値でございますけれども、21年度は平均28時間、22年度では32時間といったことが調査として出てございます。
 また、2.のところでは、外国語指導助手、いわゆるALTなどについての状況を聞いてございまして、21年度から22年度にかけて約3.7%、ALT(外国語指導助手)を活用する授業がふえる見込みということになってございます。
 また、3.のところでは中学校のほうのALT(外国語指導助手)の状況を聞いておりまして、20年度では25.1%の授業で、また、21年度では27.4%、22年度では30.6%ということで少しずつふえていくという状況になっているようでございますが、こうした結果から各教育委員会・学校におきまして23年度からの小学校外語活動の全面実施に向けて適切に準備が進められているというふうに考えておりますけれども、文部科学省として引き続き小学校の外国語活動の円滑な導入のための条件整備などに努めていきたいというふうに考えているところでございます。
 以上が、文部科学省で行いました調査、3-2のご説明でございます。
 引き続き、資料4のほうをちょっとごらんいただきたいと思います。資料4は、上のほうに書いていますように、全国連合小学校長会のほうと全日本中学校長会のほうで文部科学省と共同でそれぞれの総会におきましてアンケートをした結果をまとめたものでございます。5月中に行った総会でのアンケート、中身としては一番上にあります新学習指導要領を実施する上で何が課題になるかといったようなことについて、アンケートを実施したということになってございます。
 1枚目、最初のところにございますように、特に課題と考えられることを10項目から3つ選んでいただく方式にいたしましたところ、教員の数が足りないといったことや、教員が研修を受ける時間を確保することができないといったこと、また、学校の予算が十分ではないといった課題を挙げる、小・中学校いずれも多かったということになっておりますし、上から2つ目のグラフですけれども、ALTについては小学校が中学校に比べて課題に取り上げた校長先生が多かったという結果になってございます。
 1枚おめくりいただきますと、今申し上げたそれぞれの課題について、学級数、学校の規模と関係があるかというのをグラフにしてございます。2ページ目の上のほうでは、教員の数が足りないことについて学級数との関係を示しておりますが、小学校ではおおむね、学級数に関係なく、7割以上の学校で教員の数が足りないことが課題ということが出てございます。また、右側でございますが、中学校は、11学級以下のところでは6~8割程度、12学級を超える学校では9割近くといった状況で、教員の数が足りないというふうにおっしゃる校長先生が多かったということでございます。
 また、ちょっと飛びますが、3ページ目をごらんいただきますと、ALTの数が足りないということについて、小学校における外国語授業の年間の実施時間との関係についてグラフにしておりまして、年間の実施時数が20時間以下の学校では4割以上の校長先生が、また、35時間以上の学校などでも3割以上の校長先生が、ALTの数が足りないことを優先すべき課題というふうに挙げておりました。
 それから、もう1枚おめくりいただくと、自由記述について特に多かったものというのをまとめてございまして、小学校では、授業時数増による教員の多忙化や負担増といったことですとか、2つ目のポツにあります会議や校務分掌、教材研究などの時間がとれないといったことが指摘をされてございます。また、中学校のほうでは、1つ目のポツにあるように、理科や数学の授業時数がことしからふえることになっておりますので、理数の教員に負担が偏在しているといったことや、3つ目のポツにありますように、理数以外の教科担当のほうに非常勤や免外での対応になったりといった影響が出ておるといったことですとか、その次のポツも、非常勤では質量ともに人材の確保が困難なので、定数改善をお願いしたいといったようなご意見が自由記述としてはあったということでございます。
 ちょっと簡略でございますけれども、ご報告としては以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 この件についてのご意見、ご質問等は、実はもう1つ報告事項がございますので、それを伺った後であわせてお願いしたいと思います。
 もう1つというのは、昨年12月に設置されましたキャリア教育・職業教育特別部会、これもまだ最終ではありませんが、審議経過の概要を取りまとめられるということになりましたので、これについてご報告を新田生涯学習企画官からお願いしたいと思います。

【新田生涯学習企画官】

 それでは、失礼いたします。生涯学習政策局でございます。資料は、5-1、5-2のほか、席上に参考資料を配付させていただきましたので、適宜ご覧いただければと思います。
 キャリア教育・職業教育特別部会におきましては、昨年12月に「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」の諮問以来、12回、約半年にわたりまして審議をいただいておりました。この段階で審議の概要を取りまとめていただいたところでございます。
 なお、本日の資料は、前回15日の部会で部会長預かりということで、今後、次回総会、30日の総会に報告予定でございますので、本日配付させていただいております資料は前回15日の配付資料ですので、ご容赦いただければと思います。
 具体的な中身につきましては、資料5-1の図を使って概要をご説明させていただきます。
 まず、1枚目で全体の概要でございますが、一番上にございます現状と課題で、議論の前提でございます現状と課題といたしまして、若者の現状と課題、経済・社会の現状と課題、学校の現状と課題、社会全体を通じた現状と課題の4点を列挙してございます。この中で、経済・社会状況の変化の中で、若者については、社会的・職業的自立に向けた準備が不十分であるなどの現状、学校教育につきましては、社会・職業との関連性や、その実践性の薄さ、また、それらの背景にあります職業教育の重要性に対します社会の認識の不足等について、指摘されてございます。
 このような現状と課題に対しまして、2段目にあります改革の基本的方向性といたしまして、まず1つ目として、社会的・職業的自立に必要な能力を体系的に身につけさせるため、キャリア教育・職業教育の観点から教育内容の改善・充実を図るということ、2つ目として職業教育の意義の再評価と職業教育の体系的整備、3つ目として、その際、生涯学習の観点に立ち、キャリア形成支援の充実に努めることが提示されてございます。
 こうした基本的方向性を踏まえつつ、特別部会におきましては、各学校段階におけますキャリア教育・職業教育の在り方について検討を進めておりますが、今回は特に、図の真ん中にありますとおり、特に社会・職業への移行期であります後期中等教育段階及び、高等教育段階についての議論を中心におまとめいただいております。
 1枚おめくりいただきまして、2ページ目でございます。各学校段階におけますキャリア教育・職業教育の在り方についてでございますが、いわゆる勤労観・職業観、それから社会的自立に必要な能力は義務教育段階から体系的に身につけさせることが必要でございますが、この際に、発達段階等に応じてそれぞれの重点の置き方が変わってくるということでございます。つまり、義務教育段階では自立的に生きる基礎を培うということに重点が置かれるのに対しまして、後期中等教育、あるいは高等教育段階に進むに連れまして、いわゆる社会・職業への円滑な移行や社会的・職業的自立に重点が移っていくということでございます。
 なお、今後、各段階において具体的に求められる能力及びその育成方法等につきまして、さらにご議論をいただく予定でございます。
 1枚めくっていただきまして、3ページ目でございます。先ほど申し上げました後期中等教育におけますキャリア教育・職業教育の在り方についてでございます。
 まず、基本的な考え方といたしまして、学ぶことや働くことへの意欲・態度を育て、進路を問わず社会の中で自らのキャリア形成を計画し実行できる力の育成が重要であること、また、職業に円滑に移行する準備、自己の将来の可能性の両面から、職業教育の重要性は依然として高いことから、キャリア教育・職業教育双方の充実が重要と指摘しております。
 2番目の高等学校の充実につきましては、各学科ごとに検討をしておりますが、真ん中より少し上にありますとおり、組織的・計画的なキャリア教育の実践という観点から、1つ目としてすべての教育活動を通じたキャリア教育の実践の必要性、2つ目といたしましてキャリア教育の中核となる時間を教育課程に位置づけることの検討などが掲げられておりまして、そのために必要な教員の資質の向上と学校内外の体制整備を図ることなどが提案されております。また、特に普通科におけるキャリア教育の充実を優先的に検討することが必要といたしまして、職業体験活動等の機会の充実、あるいは、中学校・高等学校における進路指導の改善・充実、普通科における職業教育の充実方策についての検討などが掲げられております。今後、具体的な方策等につきまして、さらに検討をいただく予定です。
 高等学校におけます職業教育の充実につきましては、図の真ん中にありますが、職業人として必要な専門的な知識・技能の高度化への対応という観点から、教員の指導力の向上や実務経験を有する者の教員への登用を促進する方策の検討、地方産業教育審議会の活性化など、地域の産業・社会との連携・交流などが掲げられておりまして、今後、具体的な方策等について、さらに検討される予定です。
 また、専門的な知識・技能の高度化への対応といたしまして高等学校制度の改善の必要性についても提言されておりまして、その方向性につきましては、図左下にありますとおり、職業教育の高度化に関します各地方における潜在的ニーズの把握、専門高校をもとにした高等専門学校の設置の可能性や、そのための効果的な方策等の検討、高等学校専攻科の在り方と高等教育機関への編入学など接続の円滑化の検討などが掲げられており、今後、具体的な方策等について、さらに検討の予定です。
 このほか、中ほど右側にございます総合学科につきましては、原則履修となっております「産業社会と人間」を含めて成果・課題の検証の必要性が記述されております。一番下の専修学校高等課程につきましては、高校中退者や不登校経験者などの社会的自立を支援する役割を果たすことが必要ということについて記述をされております。
 なお、報告書(案)ではこのほか、高等教育におけます職業教育の在り方につきまして、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校におけます職業教育の充実の必要性と、職業実践的な教育に特化した枠組みの整備の必要性等について議論がなされているということです。
 なお、同部会では、今後、ヒアリング等のご意見等を踏まえつつ、具体的な改善方策等につきましてさらに議論を深めていただくという予定です。
 以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 これはあさって30日の中教審総会に報告されるということであります。このキャリア教育・職業教育特別部会、責任者は田村先生です。ちょっと一言お願いいたします。

【田村副部会長】

 ありがとうございます。今、新田さんからご説明いただいたとおりでございますが、1つだけつけ加えておきますのは、実は議論の中で幼児教育からやる必要があるということが非常に強く言われまして、その議論はかなり進んでおります。事ほどさように、この審議会の特徴は幼児教育から始まって高等教育に至るという、実は文科省がこの手の審議会をやったときにそういった議論というのは今回初めてだということが伝えられているほど、つまり学校教育の役割、先ほどの評価でも、高等教育とのつながりで言うと、高等学校の評価は非常に困るわけですね。高等学校に進学するということで言うと、中学校の評価は非常に困るわけですね。一本筋を通すということがやはり学校間の接続という意味で、今、中教審の重要な議題になって議論されているんですけれども、それを早速反映して、そういう流れを前提にして議論をしていこうということで話が進んでおります。これからはそういうことになるのかなあというふうに考えているんですけれども、評価も結局そういうことに収れんしていくんだろうというふうに思います。分担して議論をするというのはこれからなかなか難しくなるということですが、キャリア教育はそういう意識をかなりはっきり持って今まで先生方にご議論をいただいておるところでございます。
 一応、私が責任者ということですが、実はお隣のお隣にいらっしゃる木村先生が高等教育については非常に見識を持っておられますので、すごく助けていただいてやっているというような状況でございます。
 以上です。ありがとうございました。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 きょうは、全体のことも含めて最後に木村先生からお話しいただきます。
 今、新しい学習指導要領の実施状況とキャリア教育・職業教育のこれからの展開のさせ方ということについて、2つ報告いただきました。このどちらについでも、あるいは関連づけてでも結構ですので、ご意見があればと思います。
 松川先生。

【松川委員】

 ありがとうございます。移行措置期間における小学校外国語活動の実施状況について、少し意見を述べさせていただきたいと思います。
 先ほどお話がありましたように、昨年度から中核教員研修等々をやっているわけですけれども、先ほどご報告にもありましたように、かなりの学校がすでに年間35時間実施しているということで、総合的な学習の時間の中での最後の統計では年間14時間ぐらいのところが多かったことに比べると非常に時間数が上がってきていて、これは、やると決まったら小学校の先生はやるものだなという感想もあるかもしれませんけれども、私は、実情はいろいろ課題があるというふうに見ております。
 1つは、市町によっても違いますが、これまで10時間程度というのはALTに大きく任せる部分があったというところが多かったのが実情であって、これと同様に35時間やるわけにいかないのでALTが不足しているという声が非常に大きく出ているということが一つ大きな課題だと思います。それについて、これまでの総合的な学習の時間での英会話というものと小学校外国語活動というのが、どう似ていて、かつ違うものであるのかということについて、あまりほんとうのところの趣旨が十分伝わっているとは思えないところがありまして、一部でALTとのトラブルが起きているということがあるわけです。今まで丸投げでALTにやらせていたものを、今度はこういう趣旨であるということを言うと、ALTはそういうはずではなかったというようなことになって、改めて相互理解が深まっているというような良い面もあるわけですけれども、小学校の先生の中には、学級担任が主体でやるということを誤解されて、主体でやるということはALTをCDがわりにちょっと使えばいいというふうに、そういう意味でおとりになる方もあったりして、実情はなかなか、数値にあらわれているものとは違って、複雑なものがあります。
 岐阜県は、小学校教員約7、500人、小学校約380校ありまして、中核教員研修を3年間やって、それでも全員の方にやっていただくことはできないわけなので、それぞれの先生が学校へ帰って校内研修をやっていただくということになるわけですけれども、これはそう簡単なものではなくて、各種アンケートをしますと、小学校の先生はやはり自信がないというふうに答えていらっしゃる方が圧倒的に多いということでございます。そういうことですので、今後とも、英語ノートが配付されたり、電子黒板だとか、いろいろなものが整備されていくという面はありますけれども、私は、ぜひALTの研修を国がしっかりやっていただきたいなということを強く申し上げたいと思います。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 時間がなくなってきましたが、きょうのことを全部通して何でもいいですが、土井先生、何か。

【土井委員】

 まず職業教育の問題ですけれど、これは非常に難しい問題でして、大学も盛んに職業教育を言われるわけですが、何よりもまず、教育あるいは学問の自律性との関係が問題になります。しかも、職業がこれほど多様化していくと個々の職業に対して特化したような教育というのはなかなか難しく、また、最近、同じ職を生涯続けるという人は必ずしも多くなくて、途中で転職されるのが普通であるということになってくると、一体、人生の最初の段階で何を教育することが重要かということが問題になると思うんですね。職業教育の在り方について、企業の方にいろいろお聞きしても、これという答えが出てくるわけではなくて、言葉遣いがいいとか、礼儀が正しいとか、どちらかというと道徳教育に近いようなことばかりをおっしゃったりすることもあって、一般論として教育と職業との結びつきというのは重要なわけですけれど、教育あるいは学問の自律性もありますので、一般市民としての教育として何が必要かということと職業教育との区別及び関連性には十分注意して検討をしていただいたほうがいいかなというふうに思います。
 あと、評価のところは申し上げられませんでしたけど、評価の問題も非常に難しくて、先ほどのお話にもあったように、意欲・関心が重要だというのは確かなんですが、しかし、これは非常に評価が難しいのです。職業教育の関係でも、皆さん、意欲が重要だとおっしゃるんですね。ただ、意欲だとか関心ということを表に示しやすい子と示しにくい子がいて、この子は関心があるのか、意欲があるのか、よくわからないように見えるんだけれども、結果をしっかり出してくる、何かやらせると期待以上のものをしっかりやってくるという子がいるわけです。逆に、先ほど増田委員がおっしゃったように、一生懸命やっているように見えるんだけれども、結果が出ないという子もいる。こうした状況を考えていく上で、ここでは、評価を4つの観点に分けておられるわけですけれど、この4つの関連をどのように考えるかが大切だと思うのです。教育の最終目標は、やはり成果・結果をきちんと出せるようにすることだろうと思います。ただ、結果が出ない子についてはその理由を分析する必要があるわけで、関心を持っていないから結果が出ないのか、関心は持っているんだけれども、ほかに問題があるから結果が出ないのかといったように、何かのために評価を活用していくことを考えるのであれば、最終的に要求されるものと、その要求されるものに対してどこに問題があるかというのを分析する部分を、ある程度しっかり区分をされないといけないんじゃないか。習得・活用・探求というのは観点であると同時に水準を意味している部分もありますので、各要素をしっかり整理をされて評価に結びつけられないと、混乱が起きるんじゃないかという気がしました。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 苅部先生。

【苅部委員】

 1つだけ、審議経過報告(資料5-1)の4-3、大学・短期大学の箇所につき申しあげます。つまり、2の冒頭、注2でも、「特定の職業に従事することを念頭に置かない一般的な教育活動」が、キャリア教育の重要な構成要素として挙げられています。特に文科系の大学教育については4-3にもあるとおり、そうした「一般的な教育活動」としての性格が強い。そうすると、大学・短大では、特定の職業にかかわらず自立した人間として備えるべき能力を、どんな専門にもかかわらず育てなければいけない。そのためにはどういう内容を、大学ですべての学部に共通して共通教育・教養教育として教えなければいけないのか。そのことが実はこれまであまり真剣に考えられてこなかったので、ここは初等中等教育の部会ですから本格的に議論をする場ではありませんけれども、この職業教育に関する最終報告をまとめられる際にも、この点を課題として、もう少し重視していただけるとありがたいと思うんですね。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 じゃ、天笠先生。

【天笠委員】

 1点、キャリア教育・職業教育についてなんですけれども、これらの教育活動の教育課程上の位置づけということ、既におそらく議論はされていると思うんですが、理屈として教育課程全体を通してすべての教育活動でということはわからなくはないんですけれども、そのことが非常に、事柄を拡散させたりですとか、学校の教育活動においてこの趣旨がしっかりと受けとめきれないような、そういう状況を起こし得るんじゃないか。あるいは、非常に負担感というんでしょうか、さらにこれがまた1つ加わるような、そういうメッセージとして伝わる可能性があるんじゃないかと思いますので、そういう点で教育課程上の位置づけというのを小学校から高等学校までしっかりとめり張りをつける必要があるんじゃないかということです。
 またそれは、今度は教育委員会というレベルになったら、どこが所管するかという。生涯学習課なのか、あるいは指導課なのか、あるいはその連合体なのかという。おそらくこれは、性格上、連合体にならざるを得ないんじゃないかと思うんですけれども、そのあたりのところの位置づけ等々を比較的早急に進めることが、大きな混乱を起こさずにこの趣旨が学校に伝わるところじゃないかと思いますので、どうぞそこら辺のところをよろしくご検討いただければというふうに思います。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 時間が参りましたので、最後に木村先生のほうからお願いいたします。

【田村副部会長】

 すみません、その前に1つ。
 1つだけ申し上げておかなきゃいけないのは、今のお話にもありましたが、実は混乱している国会の中で全党一致で決められた法律があるわけです。若者と青少年の総合支援にかかわる法律ということで、この法の趣旨は、今までどちらかというと縦割りでそれぞれが独自にやっていた青少年・若者に対する支援を国が全体でやろうと。ですから、文科省は教育委員会ですね。それから、法務省、農林省、経産省、すべての省がそれぞれいろんなことをやっている、青少年に対して。それを全部横並びでやろうじゃないかというこの法律が通ったわけです。それが社会的情勢としては前提にあります。ですから、今お話がありました教育委員会でどこの部局というような話は、すぐそれは出てくるんですけれども、社会的な要請というか、そういう状況が前提にあってこの議論がされているということを一言だけ申し上げさせていただきました。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 じゃ、木村先生、お願いします。

【木村副部会長】

 まとめということではありませんで、最初のアジェンダとして取り挙げられました評価のことについて、少しお話をさせていただきたいと思います。
 今から申し上げることは特に初中教育に対して云々ということではありませんが、教育というのは、その効果が出るのに何十年かかるので教育の評価は非常に難しい。それを待っていたのでは評価ができない。ではどうしているのかというと、それぞれの大学が持っているミッションに照らし合わせた上で、その組織がPDCAサイクルをきちんと持っているのか、それが機能しているのか、そういうことで評価をしています。しかしながら、それでいいのかという議論はずっと存在していました。そこへ非常に衝撃的なことが起こりました。アメリカで連邦政府がSpellings Commissionという、日本で言うと、審議会のようなものをつくって、そこでアメリカの高等教育についての議論を始めました。その審議会の第5レポートという有名なレポートがありまして、その書き出しが強烈です。今やアメリカの高等教育機関は国際競争力を失った、アメリカの卒業生の24%しか大学卒のプロフィシェセンシーを身につけてない、これはひとえに評価機関の責任であると断じています。さらにいろいろ批判が続くのですが、どうして評価機関の責任と言ったかというと、評価機関、つまりアメリカで言うアクレディテーションソサエティーは、アメリカの若者が大学に入ってから出るまでの間にどの程度の、どういう能力をつけたかということを一切計っていないからだと云うのです。このアメリカの高等教育がだめになっているというメッセージが政治家にも受け取られて、ご存じだと思いますけれども、昨年2008年、ブッシュが大統領のときに、The HIgher Education Opportunity Actという法律が議会を通過しました。この法律も非常に激しいことを言っています。今だかつてアメリカの歴史になかったのですが、国会議員がつくる1つの法律の中に、例えばスチューデント・ラーニング、そういうものの重要性が延々と記述されています。
 そういうことで、今、アメリカでは、連邦政府が高等教育の分野に踏み込んで来ています。これはアメリカの歴史上なかったことですから、各州はこれ以上立ち入られたらかなわないということで、州が大学にプレッシャーをかけております。先ほど申し上げた大学生が大学に入ってから出るまでにどのぐらいの能力をつけたか、即ちスチューデント・ラーニング・アウトカムを計れと厳しく追っています。5月にバージニアに行ってきましたけれども、バージニア州の良い子でありますジョージ・メイソン・ユニバーシティーはこのアウトカムを測定すべく、1,300人のスタッフのうち130人ほどがこれにかかり切りになっていると聞きました。その問題も見せてもらいました。個人的にはあまり感心した問題ではありませんでしたが、1年生のときにその問題をやらせて、4年生のときに再びやらせ進歩度を見ようとしています。
 英国も同じでありますが、ただ、やり方が違っていまして、スチューデント・ラーニング・アウトカムは大事だと言いながら、国は全体のフレームワークを示すだけで、各大学に、どうやったらはかれるかはあなた方が工夫しなさいということを言っています。これは初中教育にも通じる問題で、子どもたちが1年生で入ってきて6年生で出るまでにどのくらいの能力をつけたかという視点は極めて重要だと思います。能力のどうのは何だという問題はありますが、やはりこれをはかることを何とか日本としてもやらなければいけないと思います。今、日本にはこの問題を研究している人はほとんどいないのだそうです。アメリカには相当いるようですが、本日議論した4項目ということではなくて、子どもたちに教育の結果、一体どう能力がついたのかということをもう少し初中教育の分野でも国として考えて行くべきだと思います。国として、日本は少し遅れましたね。英国も必死ですし、アメリカは州によりますけれども猛烈にやっています。ご存じだと思いますが、CALというラーニング・アウトカムをはかることを商売にしている機関まで出てきています。日本でも、教育の結果子どもたちにどのくらいの付加価値がついたかをはかるような研究をもっと展開する必要があるのではないでしょうかということをちょっと申し上げたいと思いました。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、きょうはこのあたりにしたいと思います。
 次回以降のことにつきまして、事務局からお願いいたします。

【神山教育課程企画室長】

 長時間の議論、ありがとうございました。次回の日程につきましては、部会長とご相談の上、追ってご連絡することにさせていただきたいと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 ちょっと過ぎましたけど、きょうはこれで終わりたいと思います。きょうの話はすべて、まだ途中経過でございます。きょういただきましたご意見は次のステップに生かすようにしていきたいと、そういうふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

電話番号:03-5253-4111(内線2613)

-- 登録:平成21年以前 --