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教育課程部会(第67回) 議事録

1.日時

平成19年10月30日(火曜日) 15時~17時

2.場所

ホテルイースト21東京 「永代(東)」

3.議題

  1. 教育課程部会におけるこれまでの審議のまとめ(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

 梶田部会長、田村副部会長、安彦委員、天笠委員、荒瀬委員、石井委員、井上委員、宇佐美委員、梅田委員、加藤委員、草野委員、甲田委員、渡久山委員、中村委員、無藤委員、毛利委員

文部科学省

 加茂川生涯学習政策局長、布村審議官、前川審議官、石野スポーツ・青少年総括官、川上政策課長、上月生涯学習推進課長、高橋教育課程課長、安藤参事官、牛尾視学官、合田教育課程企画室長
国立教育政策研究所
 藤田研究開発部長

5.議事録

【梶田部会長】
 それでは、まだ何人かの方が、今、急いでおられるということでありますけれども、定刻となりましたので、ただいまより第4期第14回教育課程部会を開会したいと思います。
 委員の皆様におかれましてはご多忙のところをご参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 まず最初に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

【合田教育課程企画室長】
 本日は、お忙しい中ご参集をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の配付資料でございますが、お手元の封筒の中に1枚紙の議事要旨。おめくりいただきますと、資料1として教育課程部会の委員の先生方の名簿。資料2-1といたしまして「教育課程部会におけるこれまでの審議のまとめ(案)」。資料2-2といたしまして、今お目通しいただきました審議のまとめに関する関連資料、データ集でございます。資料3は、前回ご議論いただきました「平成19年度全国学力・学習状況調査 調査結果のポイント」。封筒の中の資料は以上でございます。
 なお、それ以外にも、机上の参考資料として、桃色のファイルに各教科の概要、あるいは各学校段階の学習指導要領、それから、これまでの教育課程に関する答申集等を青いハードカバーのファイルに入れさせていただいております。適宜ご参照いただければと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 それでは、本日の議事に入りたいと思います。
 8月30日、ここからこの教育課程部会における審議の概要について皆さんで審議していただきました。この背景には、実はもう2001年2月の第1期の中教審教育課程部会からの議論の積み重ねがあり、そして、特に第3期、ちょうど2年半ぐらい前から詰めの作業に入ってのその審議があったわけですけれども、この2月から第4期に入りまして、いよいよこういう形でまとめていってはということで皆さんに審議をしていただきました。前回、10月24日の教育課程部会におきまして、この審議の概要につきまして大体のところを審議を終了したと、そういうふうに思っております。
 そこで本日は、前回までのところを踏まえまして、「教育課程部会におけるこれまでの審議のまとめ(案)」ということで資料が出ております。これが、いわゆる「審議のまとめ」といいますか、実際にはもうこれで学習指導要領の内容がほぼまとまってきたということでありますけれども、これを今日はここまで来ましたので、この資料2-1「審議のまとめ」を皆さんでご覧いただきまして、全体を通しての審議にしたいと思っております。
 もちろんこれは、これまでも何度かお話ししてまいりましたけれども、これをまとめて発表いたしましたら、関係諸団体からのご意見をいただき、同時に、広くパブリックコメントとして国民の皆さんのご意見をいただいて最終答申にもっていく、こういうふうになりますけれども、しかし、その最終答申にいく前の概要といいますか、大筋が、今日ここに出ているものとなるかと思います。
 そういうことでありますので、今日はこれを中心に、皆さん、審議していただきますが、前回、いろいろと皆さんからご意見をいただきまして、それに基づいて若干修正をしてあります。そういうことを含めまして、この「審議のまとめ(案)」というこれに全部述べられている総論、各論につきまして、合田室長からちょっとご説明をいただいて、そして皆さんにご意見をと思います。
 では、お願いいたします。

【合田教育課程企画室長】
 それでは、資料2-1「教育課程部会におけるこれまでの審議のまとめ(案)」につきましてご説明申し上げます。
 内容につきましては、ただいま部会長からもお話がございましたように、第3期から第4期の教育課程部会、各教科等の専門部会において賜りましたご意見、ご議論を、特に8月30日を皮切りに本日まで8回にわたる教育課程部会において、順次整理の上、ご審議をいただきましたので、先生方ご案内のとおりでございますけれども、本日は基本的な構造と前回からの修正・追加点を中心に少しお時間をいただきご説明させていただきたいと思っております。
 資料2-1でございますけれども、8ページから10ページにかけては、「2.現行学習指導要領の理念」ということでご議論を整理してございまして、「知識基盤社会」とも言われる変化の激しい時代において、基礎的・基本的な知識・技能の定着とその活用などの確かな学力、豊かな心、健やかな体といった「生きる力」がますます重要との議論をまとめてございます。
 なお、9ページの下線にございますように、前回の部会後にいただいたご意見を踏まえまして、知識基盤社会化やグローバル化の時代だからこそ、身近な地域社会の課題の解決にその一員として主体的に参画し、地域社会の発展に貢献しようとする意識や態度をはぐくむことの重要性を追加して指摘してございます。
 11ページ以降は、「3.子どもたちの現状と課題」ということでございまして、現在の子どもたちが特に「生きる力」で重視している思考力・判断力・表現力等に課題がある。さらに、PISA調査に見られるように、PISA調査の読解力などの結果に見られるように成績の分散が拡大しているという傾向が議論として整理されております。
 前回、教育課程部会に本年4月に実施した全国学力・学習状況調査の結果をご報告申し上げご審議いただいたところでございますが、その際のご審議を踏まえまして、今申し上げましたような文脈の中で調査の結果を客観的に、13ページでございますけれども、言及してございます。
 具体的には、13ページ、下線を引いておりますところの第2パラグラフでございますが、「同調査においても、教育課程実施状況調査や国際的な学力調査と同様に、基礎的・基本的な知識・技能については、相当数の子どもたちが概ね身に付けている」とした上で、その次のパラグラフ、「他方、知識・技能を活用する問題については、例えば国語では」ということで小学校、中学校ごとに具体的な例を、また、「算数・数学においては」として小学校、中学校ごとに具体的な「課題があることが明らかになった。なお、知識・技能を活用する力が身に付いている子どもは基礎的・基本的な知識・技能も定着している傾向にあるが、知識・技能が定着しているからといって、それらを活用する力が身に付いているとは限らない結果が出ている」というふうに結果をまとめてございます。
 また、次のページ、14ページでございますけれども、一番下の○にございますように、学習意欲や学習習慣・生活習慣と正答率との関係、これは一定の相関関係があるということ、それから、情意面でも、読書が好き、人の気持ちが分かる人間になりたいなどと考えている子どものほうが正答率が高い傾向にあったということで調査結果を紹介しているところでございます。
 また、15ページ以降は「心と体の状況」ということで、自分への自信、規範意識、体力等も課題であることが指摘されてございます。
 16ページ以降は、「4.課題の背景・原因」ということで、その原因・背景といたしまして、社会・地域・家庭の変化、教育課程上の課題、条件整備などが複雑にからんでおり、一概には言えないが、まず(1)として「社会全体や家庭・地域の変化」、次に17ページから(2)として「学習指導要領の理念を実現するための具体的な手立て」として5点にわたって整理してございます。
 さらに19ページでは、(3)といたしまして条件整備に言及しているところでございます。
 17ページからの5つの背景・課題に立った今回の学習指導要領の改訂の基本的な考え方を整理いたしましたのが21ページからでございます。「5.学習指導要領改訂の基本的な考え方」でございます。
 まず、21ページ、(1)として、改正教育基本法等を踏まえた学習指導要領の改訂を行う必要があるということをご議論を踏まえて整理してございます。また、22ページでございますが、(2)として「生きる力」という理念の共有の必要性、それから23ページには、基礎的・基本的な知識・技能の定着という観点から、それぞれ学習指導要領改訂の基本的な考え方を整理してございます。
 また、24ページでございますけれども、(4)といたしまして「思考力・判断力・表現力等の育成」ということで、24ページの一番下の○にございますように、今回の学力・学習状況調査の結果等を踏まえまして、いずれも知識・技能の活用など思考力・判断力・表現力等に課題があることを示して、「今回の改訂においては、各学校で子どもたちの思考力・判断力・表現力等を確実にはぐくむために、まず、各教科の指導の中で、基礎的・基本的な知識・技能の習得とともに、観察・実験やレポートの作成、論述といったそれぞれの教科の知識・技能を活用する学習活動を充実させることを重視する必要がある」ということを強調いたしてございます。
 26ページは、(5)といたしまして「確かな学力を確立するために必要な授業時数の確保」。教科の時間を確保し、総合的な学習の時間や選択教科の授業時数の在り方を見直し、両者の円滑な接続を図るという基本的な考え方が示されてございます。
 27ページでございますけれども、(6)として「学習意欲の向上や学習習慣の確立」についてでございます。これについては、前回お目通しをしたものに加えて、下線を引いてございますけれども、27ページ目の2つ目の○でございますが、下線を引いたところで「全国学力・学習状況調査においては、子どもたちの正答率の分布が二極化しているような状況は見られなかったが、一方で、特に中学校の数学を中心に、一部に都道府県や学校による平均正答率の差が見られた」との状況を踏まえまして、次の28ページでございますが、一番上の○、下線を引いたところでございますけれども、各学校や設置者は、学習意欲や学習習慣を確立するためのこれまで示した4つの観点を踏まえて「改善計画を策定し、学習意欲や学習習慣などを含めた学力の課題を抱えている子どもたちへのきめ細かい指導の充実を図ることが求められる。また、都道府県単位で、子どもたちの学力面での課題についての対応策を講じたり、これらの取組を国が支援することも重要である」という前回のご議論を整理してございます。
 なお、全国学力・学習状況調査につきましては、その結果を改善に向けて活用することの重要性が多くの先生方から前回の教育課程部会において指摘されたところでございます。この点につきましては、大変飛んで恐縮でございますが、142ページをお目通しいただければと存じます。142ページ、これは従前から条件整備の一としての「全国学力・学習状況調査の活用について」という項目がございましたけれども、その143ページの上から2つ目の○にありますように全国学力・学習状況調査の結果の活用といったことについて強調いたしているところでございます。
 恐縮でございますが、28ページにお戻りいただければと存じます。28ページ目には、改訂の基本的な考え方として、(7)として「豊かな心や健やかな体の育成のための指導の充実」ということで、言葉と体験、道徳教育、体力の向上のための指導の充実といったようなことがご議論として整理いたしてございます。
 30ページ以降は、(1)(2)といたしまして、小・中・高等学校の教育課程の枠組みについてこれまでの議論を整理させていただいております。30ページから33ページにかけましては、我が国の特に義務教育を中心といたしました授業時数等の枠組みを説明いたしました上で、33ページから小学校の授業時数について説明、議論を整理してございます。
 これにつきましては、大変恐縮でございますが、この資料2-1の一番最後のページから2枚ページをめくっていただきますと、参考資料1という資料が出てまいります。「小学校の標準授業時数について(検討素案)」というものでございますが、参考資料1は、これまでの教育課程部会のご審議でどの教科をどの学年で重視するか、あるいは、可能な限り35の倍数にするといった一定の方向性をお示しいただいておりますが、それを時数表の形にしたものでございます。左が現行でございます。右が改訂案でございます。また、それぞれの括弧の中に入っております上の数字が年間の標準授業時数、それから下の括弧で書いてある数字は、35週で割り戻しました週当たりのコマ数でございます。
 教育課程部会におきましては、国語につきましては国語に関する能力の基礎を育成するという観点から、小学校の低・中学年で重視すべきであるというご指摘をいただいております。その観点から、第1学年から第4学年までの国語の授業を増やしてございます。また、社会は、第4学年から第6学年において増加いたしております。それから、現在、今回の改訂で重視しております理数教育につきましては、算数及び理科において、すべての学年で時数を増加し、重視を図ってございます。体育につきましては、基礎的な体力づくりを行う必要があるという観点から、低学年と中学年、第1学年から第4学年までで時数を増やし、重視してございます。総合的な学習の時間につきましては、各教科において各教科を活用する学習活動を充実するということを前提に、現在の週3コマから週2コマ相当にということで縮減いたしております。また、小学校の第5、6学年に、新たに外国語活動、仮称でございますが、週1コマ相当、年35単位時間置くことにしてございます。その結果、小学校の第1、2学年は週2コマ相当、それから3年から6年にかけては週1コマ相当、総授業時数が増えることになってございまして、6年間の総授業時数は5,645単位時間ということでこれまでの議論を具体的な数字としてお示ししてございます。
 また、次のページでございますが、参考資料2といたしまして、中学校の標準授業時数でございます。これにつきましても、これまでの議論を踏まえて整理させていただいております。
 改訂案のほうでございますけれども、国語につきましては、国語力をつけていくという観点から第1、2学年での国語力の重視ということが言われておりまして、既に第1学年は週に4コマ相当配当されておりますので、第2学年で現在の3コマから4コマに増やす。社会につきましては、近現代史を中心に歴史の学習等の充実を図るために、第3学年の時数を増やす。数学につきましては、小学校との接続、高等学校との接続を重視して、第1学年と第3学年で増加する。学年が進むにつれ学習が深化いたします理科につきましては、第2学年と第3学年で増加し、観察・実験等を充実する。外国語につきましては、中学校3年間を通じて充実する。同様に、保健体育につきましても、中学校3年間を通じて充実する。なお、総合的な学習の時間については、1年次に50単位時間、2年次、3年次が70単位時間ということでこれまでの議論を整理させていただいております。
 なお、下の※印にございますように、改訂案における選択教科等の扱いにつきましては、第2、第3学年においてそれぞれ35単位時間を上限として総合的な学習の時間を充てることを可能とするということで、これは同じ趣旨の記述を本文37ページにも書いてございますが、そういった整理をこの参考資料2ではさせていただいております。その結果、第1学年から第3学年まで、現在の週28コマ相当が29コマ相当ということで1コマ相当増加し、3年間トータルでは3,045単位時間ということでこれまでの議論を整理させていただいております。
 参考資料3でございますけれども、最後に高等学校でございます。高等学校につきましては、その多様化している実態を踏まえ、共通性と多様化の中で子どもたちが社会において自律的に生きるために必要な力を確実にはぐくむための弾力性のバランスを重視すべきであるというご議論をいただいているところでございます。
 高等学校の教科・科目についてという表でございますけれども、これまでの議論では、学習の基盤である国語・数学・外国語については、現在、選択必履修科目となっているが、義務教育の成果を踏まえて共通必履修科目を置く必要があるというご議論をいただいております。国語については国語総合、それから数学については数学1、外国語についてはコミュニケーション英語1ということでそれぞれ共通必修履修科目を置くという案になってございます。なお、それぞれ「必履修科目」という欄に、例えば国語ですと「2単位まで減可」となっておりますけれども、現在でも単位の増減は可能でございますが、多様化する高等学校教育の実態を踏まえてその点は強調すべきであるというご議論を踏まえて整理させていただいております。
 また、地理、歴史、公民、理科などにつきましては、現行どおり選択必履修科目とすることが適当であるという観点から、地理、歴史については、現在、現行どおり世界史AないしBから1科目、それから日本史と地理から1科目ということでお示しをしておりますが、世界史の内容については日本史との関連、地理との関連というものの観点から内容を改善していくというご議論をいただいております。
 また、理科につきましては、書きぶりが分かりづらくて大変恐縮でございますが、現在、2科目を選択を現行制度ではしなければならない。その中で少なくとも1科目は理科基礎、理科総合A、理科総合Bといった総合科目を取らなければならないということになっておりますけれども、今回の改訂案では、物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎という物・化・生・地の4つの領域の中から3つの領域を選択した場合には、「科学と人間生活」という総合科目を取らなくてもよいということで枠組みをお示ししてございます。
 本文に戻っていただきまして46ページでございます。
 46ページは、(3)といたしまして、小学校、それから中学校、高等学校に共通する教育課程の枠組みとして「学校週5日制の下での土曜日の活用」、それから47ページには(4)といたしまして「発達の段階に応じた学校段階間の円滑な接続」、それから、飛びまして恐縮でございますが、50ページには(5)といたしまして「教育課程編成・実施に関する各学校の責任と現場主義の重視」ということでこれまでの議論を整理いたしてございます。
 52ページ以降でございますが、7.といたしまして教育内容に関する主な改善点でございます。これについては、今回の学習指導要領改訂の基本的な考え方を踏まえ、今回の改訂で充実すべき重要事項として、言語活動の充実、理数教育の充実、伝統や文化に関する教育の充実、道徳教育の充実、体験活動の充実、小学校における外国語活動(仮称)の導入という6つのポイントを全体としては議論してございます。また、社会の変化への対応の観点から、教科等を横断して改善すべき事項として、情報教育、環境教育、ものづくり、キャリア教育、食育、安全教育、そして心身の発達成長についての正しい理解という7点についてご審議いただいたことを整理させていただいております。
 なお、大変恐縮でございますが、飛びまして恐縮でございますが、62ページでございます。体験活動の充実につきまして、前回、62ページの上から1つ目の○につきまして文章表現が読みづらいというご指摘がございましたので、文章表現を整理してございます。
 それから、70ページ以降でございますけれども、これは8.といたしまして「各教科・科目等の内容」ということで、順次お目通しをいただいた各教科・科目等の改善でございます。これも発達の段階を踏まえた円滑な接続、それから知識・技能を活用する言語活動を充実することを、教科を見て横断的な視点として各教科をご議論いただいたところでございます。
 前回からの修正点のみを簡単にご紹介申し上げますと、飛びまして恐縮でございますが、107ページをお目通しいただければと存じます。保健体育の記述でございますけれども、今回、中学校の保健体育の領域につきまして、すべての生徒に履修させることとなる「武道」「ダンス」については、これまで以上に安全の確保に留意するとともに、必要な条件整備に努めるなどの取り組みが必要であるという前回の部会でのご指摘を踏まえて整理させていただいております。
 また、飛びまして恐縮でございますが、126ページをお目通しいただければと思います。
 126ページは、前回ご議論いただきました道徳教育のところでございますが、下線を引いた(コ)といたしまして、道徳教育における家庭や地域社会の果たす役割についても強調してございます。
 また、その下の特別活動について、前回、下線を引いているところでございますが、「特別活動と道徳、総合的な学習の時間の関係を整理する」という表現ぶりでございましたけれども、それぞれが一緒になって子どもたちをはぐくむという観点から「それぞれの役割を明確にし」と表現ぶりを整理してございます。同じような修正を130ページの総合的な学習の時間にも関連して行っているところでございます。
 なお、今回、138ページ以降でございますけれども、特に9.といたしまして条件整備、「教師が子どもたちと向き合う時間の確保などの教育条件の整備等」を強調してございます。その中で、143ページでございますが、143ページの(4)「教育行政の在り方の改善」というところにつきましては、先ほどお目通しいただきました道徳教育の充実のための学校、家庭・地域社会との連携の強化などの観点から、生涯学習政策や社会教育の充実の必要性について強調しているところでございます。
 最後に144ページ以降は、「家庭や地域との連携・協力の推進と企業や大学等に求めるもの」ということで、これまでのご議論を整理させていただいているところでございます。
 簡単ではございますが、資料2-1についてのご説明は以上でございます。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 皆さん、本文のほうはこれまでずっとご覧いただいてきたもの、これを皆さんのご意見を踏まえて若干の修正はありますけれども、これをこういうふうにまとめていただいております。
 それから、今日、最後のところに参考資料の1、2、3という形で時数が出されております。これも、これまで大体のところはここでずっと議論してきたことでありますが、こうやってとりまとめて一覧表になってみますと、相互の関係も分かりやすく、また、この辺も見ていただいてと思います。
 これにつきましては、前にも申し上げたかもしれませんが、16の専門部会がありますよね、教科ごとの。これの責任者の方々からすれば、この一覧表については、はっきり言いますと、もっとみんな欲しいわけですよ、どこも。だけれども、そういうわけにはいかんわけですよね。もっと欲しいけれども、我慢していただくところと、今回の改訂の趣旨ということで若干増える、しかし、増えても、隣の教科が増えて嫌だというのも、これは人情としてないわけではないけれども、そういうことを含めて議論していただきまして、非常に快くこの全体の枠組みについて各教科の責任者の方々にご了承いただいたと思っております。本当に私、こういうことでまあいこうじゃないかということで皆さんでご了承いただいたと理解しております。そのときからほんの若干整理した部分はありますけれども、基本的にはそういうことできたものであります。
 ということで、今、皆さん、ご説明をいただきましたが、始めから終わりまで通して見て、何とか皆さんのほうでこういうところはどうだっけというようなことで、疑問の点、あるいはお気付きの点、あるいは感想ですね。長い間これについて議論していただきました感想、あるいはこういうことをうまく現場で本当にこなしていっていただく、そういうことについて本当に今度は力をつける学習指導要領ですから、そういう、本当に子どもたちが積極的に力をつけるといいますか、力がつくようなカリキュラムにもっていく、こういうことで課題は何だろうかと。ここにはまだ書き込まれないですけれども、これから後、本当にこれを生かすための課題ということをまた考えていかなければいけないわけです、この部会としてね。というようなことを、どこからの切り込み方でも結構ですので、皆さんのほうでご発言をお願いしたいと思います。
 では、無藤先生からお願いします。

【無藤委員】
 中学のところで、この本文でいうと37ページあたりになりますけれども、授業時数等のところでちょっと感想といいますか、意見を申し上げたいと思います。
 特に今回、選択教科の授業時間が、縮減というよりは、ゼロではないんですけれども、ゼロないし35という案になったようでありますけれども、私はまあ、そういう方向がよいのではないかと思います。教育基本法及び学校教育法が改定されていく中で、中学校を含めた義務教育というものの位置付けがより明確になったと思うんですけれども、やはりその趣旨としては、共通最小限のものをすべての子どもにきちっと指導しようと、こういう方向だろうと思っています。
 特に学習指導要領においては共通基本、そして最低限の部分を明確にしていくというのが、私は今回の改訂のやはり方向ではないかと。そういう意味では、選択教科というものの、特に生徒が様々な新しい科目などを選ぶ意義は十分理解しているつもりですけれども、一定の授業時間の枠組み、枠の制限の中では、優先すべきはやはり共通の授業科目ではないかと思いますので、やむを得ないと思います。
 もう1点、今のことと関連して総合的な学習の時間をどの程度確保すべきかということで言えば、私は基本的に言えば中学の場合も週2時間程度あるべきだと思います。それは、やはり総合的な学習の時間の活動の中身から考えると、それ以上減らすとなかなか大変、今までやってきたことが実施できなくなると思っています。中学1年のところは、本当はちょっと少ないと思うんですけれども、といって、ほかも十分あるわけではないので、ぎりぎり事務局で計算されたというところで、しようがないような気もいたします。
 ですから、私自身は、総合的な学習の時間の70――純粋に総合的な学習の時間がいいのではないかとは思ったんですけれども、一方で、では選択についてゼロにしてしまっていいのかというと、やはり学校現場としてこれまで選択に努力されてきた学校として困るということは、当然、推測できますから、それも一定の範囲ではどこかでできるようにするという意味では、総合的な学習の時間に入れることがどうかというのはあると思いますけれども、この37ページの案もまあ仕方がないのかなと思いました。
 ただ、仮にそういうふうにするのであれば、選択というものが本来の趣旨は、生徒が活動あるいは科目を選ぶと。つまり、学校が与えるのではなくて生徒が選ぶという方向だと思うので、その趣旨を十分踏まえて、そうすると、選択科目といっても、生徒が選んだもの、そこにもう一歩他の教科との横断、いわゆる教科横断的なものに配慮すれば、すぐに総合的な学習の時間につながっていくということもありますから、今後の検討で選択教科の本来の意義を明確にしながら35時間ぐらいまでならというこの37ページの趣旨を書いていただければと。
 以上、ちょっと長くなりました。ごめんなさい。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 また中学校現場でどうお考えになるか、草野先生にまたご意見いただきますが、その前に、今ご指摘の点は、今、37ページのところは、この後ろから1枚めくっていただくと参考資料2がありまして、「中学校の標準授業時数について」があります。これの改訂案が右側ですよね。下のところに総合的な学習の時間ということで、1年は週当たりにすると1.4、2年が2、3年が2となっております。ただし、これを扱いとしてこの総合的な学習の時間で生徒選択という意味での選択的な学習、これを特に強調しましたのは、今までも選択的な学習はあったのですけれども、今、無藤先生がご指摘のように、実態調査をすると、学校が選択をして与えている場合、あるいは補習に使っている場合等々、本来の趣旨でないものが非常に多いという実態があるという、そういう調査の結果もあって、そうではなくて、ここで言うのは本来の生徒選択、生徒がこういう教科のことをもう少しやりたいというような、もう少し音楽をやりたい、もう少し美術をやりたい、というようなことを入れて、これを場合によってはそういうものを入れることもいいのではないかということを書いて、下のほうに注釈がついております。「改訂案における選択教科等の扱いについては、第2、第3学年においてそれぞれ35単位時間を上限として総合的な学習の時間の充てることを可能とする」と。これはまたいろいろとご意見があれば、これについて、今後まだ検討を続けていったらいいと思いますけれども、今のところそういうことが出ておりました。その点につきまして無藤先生がご指摘をいただきました。
 草野先生、いかがでしょうか、この辺で。

【草野委員】
 ちょっと後で発言させてください。

【梶田部会長】
 そうですか。ほかにいかがですか。
 では、安彦先生。

【安彦委員】
 今、無藤先生の出された論点は、私が前から、選択というのはこの時期の子どもに大事だということで残してほしいという立場で参りましたので、この段階では、もうもろもろのことを考えますとこだわりませんけれども、基本的にこの部分で、いわゆるこれまでの個性重視の流れ、あるいは基本法は確かに義務教育の観点が強調されていますけれども、かといって個人の尊重、個性尊重が全く欠けてしまっているわけではありませんので、そういう意味でも、バランスからすると共通性ということがやや前面に出過ぎていると考え、個性あるいは個人ということとのバランスそのものはむしろ保っていただきたいと思っておりました。
 全体としてこういう方向でやむを得ないかと思いますけれども、基本的に原理的に中等教育あるいは中高一貫のような観点からしますと、やはりあまり中学校と高校のカリキュラムのつくり方が、要素的にといいますか、中に含まれているカテゴリーからしても急に違ってしまうというか、中学と高校と違ってしまうのはあまり望ましいとは思っておりません。
 今、中学校のほうの選択については、必修のほうで発展的な学習がやれる、そういう形で必修の時間の増を考えておりますので、そういう部分でも選択が減っても構わない、やむを得ないとは思っているのですが、今後、この点については、やはり中等教育の観点、あるいは個性重視というこれまでの観点からしても、少し中期的あるいは長期的に検討していただきたいとは思っております。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 では、渡久山先生。

【渡久山委員】
 1つは、やっぱり今度のこの教育課程の議論の中で従来と違っている部分は、やはり「生きる力」あるいは「確かな学力」といいましょうか、これをどうするのかということで、これは1つには知識基盤社会を担っていける子どもたちに必要な能力をどうするかということが中心的になって、やはり学力についての考え方が一定程度の方向が出たのではないかという気がいたしますね。
 だから、これはもうそういうことを踏まえてみますと、今度の全国学力テストなどを踏まえの今日の総括の中に、やはり活用する力が十分ではないというようなこともありますけれども、今後はそういうこともまあB問題が中心だったんですけれども、やっぱり記述式の問題は、考える力、あるいは判断力とか、あるいは思考力とかいろいろなことが分かるわけですし、あるいは育てられるわけですから、この問題は日本の子どもたちが非常にマル・バツ式のテストになれているものですから、記述式が非常に弱いと思うんですね。おそらく無答も多かったかもしれませんが、ですから、今後は、こういうことを非常に大事にしていく必要があるのではないか。いわゆるPISA的な学力のキーコンピテンシーと言われるものですね、これをやっていく。
 これを踏まえて、今後、学習指導要領を改訂していく場合には、ぜひともそういう原理原則みたいなものを踏まえてつくってもらいたい。それを踏まえて、今度は教科書をより豊かな、いろいろな議論も教科書の問題にはありましたから、それも、より豊かな、読んでみておもしろくないという話もありましたけれども、加藤委員などはそう仰っていましたが、これはぜひともおもしろい教科書でキーコンピテンシーの生きるような教科書にしてもらっていくということが非常に大事ではないかと思います。
 それは、そういうことを踏まえてなのですが、どうしても日本の場合は受験体制が、特に大学入試受験、いろいろ変わってはいると思いますが、高校受験、大学受験がややもすると高等学校あるいは中学校の教科そのものの内容まで規定してしまうというようなことで、受験学力ばかりになっていく可能性もありますから、今後はそういう問題についても、大学入試センター試験等を含めて、ぜひとも大学の入試の工夫が必要だと思います。
 それから、2つ目に非常に今度の議論でよかったのは、19ページあるいは138ページにあります教育条件整備ですね。この条件整備をきちっと言うべきところは言うという形が出てきたからだと思いますね。今までの日本の私たち、特に義務教育は、この学習指導要領あるいは教育課程は非常にうまくできているのだけれども、実際到達度が乖離しているのが非常に問題点でしたから、この辺も、それをなくするためには条件整備がぜひとも必要だというようなこともきちっと強調しておりますので、僕は非常にいいと思いますね。
 今日、特に時数の問題等出てきました。あるいは指導の方法、少人数指導がありました。この少人数学級というところに出てこないのは、ちょっとこれはいつまで40人学級をするのか、これは課題だと思いますけれども、そういう形の問題を含めて、やはり現場の裁量、これを十分に認めるというようなことを、ここにも出ていますので、そういう、特に50ページには「現場主義」という形の言葉も出ているんですが、これを生かしてもらいたい、こういうふうに思います。
 以上です。

【梶田部会長】
 ありがとうございます。
 今、渡久山先生からは、非常に本質的な育てるべき学力論の話があって、これは少しまた皆さんで意見交換したいと思いますが、ちょっとその前に、無藤先生から提起された中学校の総合選択、これだけちょっと絞って先にご意見をいただきます。
 では、天笠先生。

【天笠委員】
 私は、選択教科の理念とか趣旨はやっぱり大変大切なことだと思っております。また、個性重視とかそういうことも大切だと思っております。そういった点では、これまで出されてきた、それぞれに打ち出されてきたそういう理念を、そういう形で具体化してきたことの意義もまた認めるところであります。
 ただし、結果としてどういうことが生まれたかというと、とりわけ中学校の教育課程は大変複雑な様相を呈したという、そういう認識を持っております。そのことがしたがって、その趣旨等々を現場に徹底できなかった、具体的にできなかったという、私は大きな要因になっているところがあるのではないかと思っております。
 ですから、私は、今回のこの学習指導要領の改訂の1つの仕事は、複雑になった中学校の教育課程を、ある意味でいうとシンプルにしていくというのでしょうか、単純にしていくことが1つの今回掲げられた、課せられた課題なのかと思っております。
 そういう点でいくと、これまではこういう意義があるとこの教科をつくるとか、こういうことが求められるとこの領域を設定するとか、そういう形で改訂を重ねてきたその手法自体が、ある意味でいうとひとつ問われなければいけないところがあったのではないか。要するに、もう一度トータルに全体をとらえてみて、そして、その全体のトータルのできばえというのでしょうか、それがどうであるかというふうなことを見た場合に、今回、そういう意味での選択教科の趣旨とか理念というのでしょうか、それがこういう全体構成の中でこんな形でおさまりをつけたとか、あるいはこういう全体的なバランス感覚の中でこれをとらえたとかという、こういう考え方とこういう進め方、手法が、ある意味でいうと新しい機軸を打ち出したのではないか、そんな私は意義をしております。そういう意味において、先ほどご説明いただいたこの方向性というのでしょうか、そういうのを基本的に是として受けとめたいと思っております。ですから、そういう点で選択教科の趣旨をやめてしまうとか、そういうことではなくて、むしろこういうスタイルでその理念が改めてどれほど具体化できるかどうか、追求できるかどうか、そのことはまたしっかり問うていかなければいけないのではないかと思っております。
 そのほかにもあるのですけれども、これはまた別のことになりますので、この点については以上です。

【梶田部会長】
 ありがとうございます。
 では、中学校の選択と総合的な学習の時間だけあれして、では井上先生、草野先生ということにして、あとはまた広い課題についてお願いします。

【井上委員】
 今回の学習指導要領の改訂は、特に先ほど無藤先生も仰ったように改正教育基本法なり学校教育法の規定を踏まえた改訂が1つの目的だったと思うわけで、そういう意味では義務教育について一貫して小中一貫した教育課程という観点で議論を進めてきたと思うわけで、その場合に、義務教育のある程度到達目標というものを念頭に置きながら、この義務教育の教科・科目の構成、あるいは体系的にどうそれを進めるかということを議論してきて、もう一方で、従来の教育課程の見直しがともすれば従来の教育課程の改訂と同じような手法で、国内的な観点、そういうことが中心に行われた。非常に視野が狭かったのではないか。しかし、グローバル化が進んでPISAの国際学力調査等が行われるということもあって、今回の改訂では国際的な通用性を念頭に置いた教育課程ということが真剣に検討されてきたわけでございます。
 そういう意味で、中学校の学習指導要領の改訂についても、やはり教科の内容をもう少し見直して充実する必要がある。特に指導方法としては、従来の習得型と探究型というだけではなく、習得型基礎・基本を徹底するとともに、それを思考力・判断力・表現力等を踏まえ、また、実験・実習等を踏まえた活用型の学習を、今回、かなり強調しているわけでございまして、この4月の全国学力調査でもその点は、活力がまだ小・中学生で不足しているという調査結果が出てきているわけで、そういうものを今後のやはり課題として、この学習指導要領の改訂の中で重視してきたというのは、まさにそういう点では非常に正しい改訂の方向だったと思います。
 それと、探究型でございますが、そういう意味で総合的な学習については、専門部会でも総合的な学習は絶対に残してほしいという強い要請もあったわけで、実際に今まで総合的な学習でも子どもたちの自発性とか自律性、そういうものが育っているという、そういう成果が上がっているわけですから、そういう意味で総合的な学習はやはり最低週2時間は必要だと思いますし、その中で、選択教科はある意味で教科が充実したときに端的に言えば、もうそういう意味ではそれぞれの教科の中で発展的学習もございますし、生徒の個性なり、あるいは適性、そういう興味・関心等を踏まえた個性重視の教育というのは、当然、教科の中でもできるわけですから、そういう意味で選択教科は、この段階ではある程度、もうそれほど重視する必要はないのではないかと思いますが、従来の各学校での取り組み、それも生徒選択というより学校選択で実態は行われているという調査もございますので、そういう点を踏まえてこの中学校の改訂案のような考え方でよろしいのではないか、このように考えております。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 それでは、草野先生。

【草野委員】
 今回の改訂の趣旨、特に5教科の授業時数の増によって基礎・基本の定着として活用型の学力の育成を図るという趣旨からすると、選択教科の縮減はやむを得なしと判断しております。ただ、なくならないので、ただし書きではありますけれども、70の中に上限で35までということで残してくれたことは大変ありがたいと思っております。
 多分、おそらく、こういうふうになりますとどうなるかというと、多くの学校は、5教科ではおそらく選択を入れないだろうと。どこに入れるかというと、音楽や、美術や、技術家庭、今回、減りはしなかったものの非常に肩身の狭い思いをしている、つまり心の教育とか、ものづくりとか、こういったことに非常に重要な教科であるものの選択に多分入れてくるだろうと、学校によってはですね、そのように考えます。
 選択教科の趣旨は大いに理解しているところでございますけれども、現場サイドで言いますと、現状はどうなっているかというと、あまり申したくはないのですけれども、非常にうまく活用している学校と、なかなかどうも趣旨を本当に分かっているのかという学校がないわけでもない。つまり、従来のまま、ずっと昔あったクラブ活動の延長のようなものがないとは言えない。
 あと、一生懸命やっているんだけれども苦労しているものがあります。なぜかというと、例えば学校が小規模校化する中で、例えば1人の社会科なら社会科で1人の教師しかいないとすると、その教員は1年の授業と、2年の授業と、3年の授業を持って、なおかつ2年の選択と3年の選択も持ちます。ということは、5種類の教材を準備しなければいけないというふうな現状が多くの学校で見られているわけですね。これは非常に教員にとって負担でありますし、では本当にその選択の趣旨を生かした学習ができているかというと、なかなか難しい現実もあると思います。そういった意味では、今回の改訂によって教育課程が非常にすっきりすることが大変好ましいと考えております。
 以上でございます。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 それでは、今、いろいろとご意見をいただきました。今の選択と総合の扱い、大体、時数の表がありますね。これはこのままにしておいて、ただ、今、いろいろとお話がありましたから、関連の37ページの部分とか、下にある注釈、これはもちろんこれの趣旨は変わりません。趣旨は変わらないけれども、もう少し何か分かりやすい、今のご意見を反映するような方法があるかどうかを少し検討させていただいてと思います。
 それでは、ほか、大事な点がいっぱいあると思いますので、先ほどから手が挙がっておりました。では梅田先生、中村先生という順番で、そして甲田先生という順番でまずお話をお願いします。

【梅田委員】
 総合的な学習の時間のところであと二、三ちょっとお願いみたいなことになるのですが、まず総合的な学習の時間ですが、非常に時間数、これは数字で見るとすごく減っているのですが、先ほどの梶田先生のご説明で納得しました。
 そこで、やはり時間が限られておりますので、以前にも私、申し上げたと思いますが、やはり先生の姿勢といいますか、やる気を出していただくことが私たちの最大の願いでありまして、見たり聞いたり、我々、今までしているところによりますと、特定の授業の補講を行うとか、英語ですね、これを行っていることを現場で私は実は聞いてきましたら、非常にあるということです。それから、何もしないでどこかの施設に丸投げするということも実際あると。それでは非常に困りますので、時間数が減ってきてそれでは困るので、ぜひそこら辺のところはきちっと考えていただきたいと。
 今、現場の先生の裁量を大切にしたいということの意見がございましたが、私は、それは基本的には賛成でありますが、今言ったようなことがきちっとされないと、非常に不安材料がいっぱいでありまして、はっきりとした、もし明確な文言があるのであれば、書いていただきたい。
 というのは、あるところでこれを言われたのですが、書いていないことはできない、あるいはしないというようなことを、先生の方、あるいは先生を経験した方から言われましたので、非常にそれでは困るなということで、私は少しその辺のところをお願いしていきたいと思います。
 それから、これも私、ひとつ素人考えでいいのかどうか分かりませんが、国語における辞書が活用、資料に書いてはあるのですが、非常に書き方が薄いといいますか、少ししか書いていない。それでいいのかと思うんですね。辞書を使うということは、それを調べることによっていろいろなことが勉強できる。あるいはまた、分からないことがあればこういうことをすれば分かりますよというようなことの学習にもなるということで、非常に辞書を私は使っていただきたいと思っておって、これも実は少し私の範囲内で調べてみたのですが、そうしたら、今どき時間がないから使えないよという答えもいただきましたので、本当にそれでいいのかなということでちょっと不安です。
 そういうふうに関連していけば、地理における地図とか、歴史における年表とかというものは大いに活用していただければ、話すよりも見れば一目瞭然で分かるというようなこともありますので、非常に勉強・学習の面からいったら非常に効率的なのではないかと思いますので、ぜひそこら辺もできれば何かの形で示していただけるとありがたいと思っております。これもはっきりどこかに謳っていただけるとありがたいと、そんなようなことをずっと思って感じましたので、ぜひひとつよろしくお願いしたいと思います。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 ちょっとお二人、中村先生、甲田先生にお話しいただきますその前に、荒瀬先生がちょっと出かけないといけないということで、先にちょっとご発言いただきます。

【荒瀬委員】
 申し訳ありません。ちょっと中座させていただきますので、先に発言させていただきます。
 今日、参考資料ということで、小・中学校の時間数ですとか、高等学校の単位数ですとか出てきて、いよいよ本当に大詰めになったなということを思うんですけれども、こうして時間数とか単位数が出てまいりますと、勢いその数字というのは見えやすいものでありますので、そちらにばかり目が向いていくと思うんですが、それはそれで大切なことではありますけれども、やはり先ほどもご意見がありましたけれども、今回の学習指導要領の根本的な考え方、それは「生きる力」がどういうものであるのかというのを随分踏み込んで記述してきているというところだと思うのです。この点が薄れてしまうことは決してだめなので、時間数、単位数は大切ではありますけれども、一方でこの「生きる力」は何なのかというのを、ここまで同じ「生きる力」という言葉を現行でも使われていますけれども、しかし、それが非常にこう踏み込んだ形で詳述されていることを踏まえた、いつも広報のことばかり申し上げて大変恐縮ですけれども、広く伝えていかなければならないわけでありますから、これは各学校で、あるいは、その学校を支える地域の方々に分かっていただかなければいけないので、その点、ぜひよろしくお願いしたいということを思います。
 全国学力・学習状況調査について言えば、これは学力とは何なのかを国が示した形になります。結局、入学試験が大学はどういう学生を求めているのかを、高等学校から大学を受ける場合ですけれども、示すのと同じように、全国学力・学習状況調査は国が学力とは何なのかを示したと思っています。
 ですから、ここで見えたことは、A問題とB問題を見たら、知識の習得はとても大切なのだけれども、それを活用することもまた大変大切なのだと。結果、当たり前の結果が出たわけですね。活用できる人は知識の習得が進んでいる。しかし、知識の習得をしているだけでは活用できるとは限らない。ここのところが私は、学習指導要領がいかに丁寧に書かれても、ここのところが本当に専門家としての教員の、あるいは専門家の集団としての学校の力量が今後問われていくことになっていくのだろうと思います。知識の習得というのは、これはどういう形であっても可能なわけですけれども、それを活用するという段階にもっていくのは、これは教科書を工夫というのも、例えば大切だとは思いますが、やはり個々の教室の中で行われる取り組みであろうと思うのです。
 その点からもう一度、時間数、単位数を見直してみると、総合的な学習の時間が減っている。これは一方ではどうだったかというと、やりにくかったわけですよね。現場では非常にこの総合的な学習の時間の扱いはしにくかった。今の梅田委員からもお話がありましたけれども、大変これは難物であったわけです。教科書があるわけではない。まさしく指導の工夫が教室に任されている、教員に任されている。ここが減ることについては、ほかの重要な――重要といいますか、ほかのものを増やさないといけないということもあって、減らすわけでありますけれども、ここが減ったから、ではもう考える工夫をすることが減るということのないように、ここはもう要注意をするべきことだと思います。
 総合的な学習の時間をきちっとやっていこうと思うと、集団特性とか、あるいは個人の特性をしっかり見ていかないと、これはできないです。お仕着せの取り組みでもって総合的な学習の時間は成り立ちません。よって、総合的な学習の時間がうまくいっているところは、それだけ個々の先生、教員が生徒や子どもたちをよく見て、その子どもたちの興味・関心はどういうところにあるのかとか、あるいはどういうことを今後この子たちがやろうとしている、やりたいと思っているのかという、そういう部分にまで時間をかけてできるかどうかというのがもういちずにかかっていると私は思っています。
 その点から、集団特性をきちっと見るとか、あるいは個人の特性をきちっと見るとかということを考えようとすると、子どもたちに向き合う時間を確保していかないといけないわけで、その意味で教員の増であるとか、あるいはそれをやる機会ができても、できる場が必要なわけですから、教育予算の増といったようなものが必要になってくるのかと思っています。
 ですから、今回の学習指導要領が――繰り返しになって申し訳ありませんけれども、「生きる力」を極めて踏み込んだ形で言った、そして、それとともにその「生きる力」をはぐくむための学力とは何なのかを示した、その学力とは何なのかを示していく中で、おのずと総合的な学習の時間がとてもやはり大切なものである、しかし、それを減らさざるを得ない、でも、そこの減らすことについては、決して要らないから減らすのではなくて各教科でもってやっていくと言うのだけれども、やっていくことが本当に担保されるのかどうかをきちっと見守らなければならないし、そのためにもしっかりとした教員の増と教育予算の増が必要だというふうにつながっているのだと私は思っております。
 長くなりましたが、以上でございます。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 今ご指摘の「生きる力」の問題、これは前回から引き継いで掲げられている大事な理念であります。
 ただ、今、荒瀬先生が繰り返し仰ったように、踏み込んで、今回、誤解のないように言っているということが大事な点ですね。下手をすると反知性主義みたいな、勉強はどうでもいい、それでなくて「生きる力」なんだという、こういう形で語られたことがあるし、あるいは、自ら学び自ら考えるのが大事なので、人の言うことを聞かなくていいとか、教師の言うことも聞かなくていいというような、傾聴する、人の言うことに耳を傾ける、あるいはもっと言うと自分で自制・自戒する、自分のことを自制・自戒する、そういうことを忘れて、自分でいろいろと主張していくことが「生きる力」であるかのような語られ方をした部分がございます。これではないのだと。本当の「生きる力」なのだ。これを踏み込んだということで荒瀬先生がきちっと今言っていただいたなと思います。
 それでは、中村先生、お願いします。

【中村委員】
 2点お話ししたいのですが、まず1点目が、19ページあるいは138ページの条件整備についてまとめていただいているのですけれども、子どもと向き合える時間をつくるためにこういう条件整備が必要ですよと、これは分かるのですけれども、この文章の中に、そのほかでも細かいことでの条件整備だとか、あるいは国の支援が必要であるという言葉が随所に出てきますけれども、これをひとつまとめていただいて、こういう条件整備が整わないと、逆に言えば何がこの中でできなくなるのか。これからパブリックコメントを求めるわけですから、多分、国民の皆さん、特にプレスの皆さんは、この参考資料の授業時間数がどうなるんだと、ここにどうも興味が集中しそうですけれども、我々の中身は、もう時間数ももちろんですけれども、今お話しいただいたように、本当に子どもたちのためにこういうふうに教科の仕組みを変え、内容も変えていくのだ、そのためにはこういう条件が必要なのだ、これが欠けたらばどうなるのだというのを、これは随分文科省さんはこれから財務省との折衝もおありになるでしょうし、我々、これはパブリックコメントを求めて中教審とこういう中間報告みたいなものを出したからすべてできるのだろうと思われても、なかなかできない。例えば、中学校の「武道」をやりますよ。これは幾らか何か金とか人とか何かがないとできっこないんですね。あるいはNOVAの問題もありますから、小学校の外国語教育がどういうふうになるのか、この辺もぜひ国民に分かりやすく、欠けたらどういう事態になるのかという逆パブリックコメントみたいなこれもぜひお願いしたいというのが1点目です。
 それから、あと1点は、先ほど安彦先生から中長期的な視点だと、こういうお話もありましたけれども、義務教育、小・中のつながりについては、十分我々は議論し、それから97パーセントが高校へ行っているから、高校があって、中高一貫校があるから中等教育学校をやっている。ただ、一般的な義務教育を修了した子どもと高校とのつながりといいますか、役割分担といいますか、あるいは発達段階に応じて、どこまで中学で、高校でというのをもうちょっと根本にさかのぼって本当は見直したかったなというのが私の本音なんです。
 したがって、これは今回間に合いませんので、この報告になるのか、小・中分科会の報告になるのか分かりませんけれども、次回には根本にさかのぼって、例えばどうも教科の専門部会がありますけれども、これも本当に十幾つあっていいのかどうなのか、根本にさかのぼってという宿題が見つかったというふうな結論をお出しいただければ大変ありがたいと思います。
 以上です。

【梶田部会長】
 ありがとうございます。
 今、特に最後に仰ったことは非常に大事で、ずっと1つの枠組みを引きずりながら、その中での手直し、手直しで来ていますけれども、本当に全体の枠組みとして、今の子どもたちの発達段階、これは発達加速があって、時代によって発達の在り方が変わっているんですよね。そういうことがあるし、それから世の中そのものが変わっていますから、そういう世の中で生きていくための子どもにつけていかなければいけない力も変わっていっている。そういうところから本来はやらなければいけない。これは教育課程部会の2001年からすべり出しのときに少しそういうことを議論した記憶がありますけれども、なかなかそこが話が出ただけで、まあ結局、旧来の枠組みでということがあります。今、非常に大事なことをご指摘いただきましたので、これは次の10年後に向かってになるかもしれませんが、教育課程部会が常設になりましたので、学習指導要領改訂の直前ということだけでなくなりました。この辺は、ぜひ議論をこれから継続していきたいと思います。
 では、甲田先生。次が加藤先生、石井先生。

【甲田委員】
 幾つかあったんですけれども、1点だけにしておきたいと思います。
 高等学校が、先ほど室長のお話にもありましたように共通性と多様化、多様性というのでしょうか、そのはざまの中でずっと議論をしてきたわけですけれども、今回のこの具体的な数値等をやっぱり見ていきますと、非常に中庸をとった、非常に産みの苦しみのあったと感じられるものだろうと思って評価をしたいと思っております。これは、現場高等学校5,400の中で、やはりこの前の現行ではやっぱりちょっと苦しかったかなという現場の声を本当に多く聞いてきましたので、これで少しはいいかなと思います。
 ただ、国民としての必要な高校生の卒業免状を持った子どもたちというものをやっぱり世に送り出していかなければいけない、それから上位学校へつなげていかなければいけないという使命がありますから、その点が非常にルーズになっているのが今の高等学校であります。
 したがいまして、この必修の国語・数学・外国語、この4単位・3単位・3単位ですね、これについては安易に減単せず、何らかの本当に理由のある計画性を持ったときに減単できるというような何らかの指導上の何となく対応が必要かなというふうに思います。でないと、やはり高校卒業の免状を持って、しかも、その子どもの多様な学習歴というんですかね、そういったものをきちんと持って卒業させていくためには、そういったことがぜひ必要なので、今度、これから学習指導要領を世に広げていくときにその辺の配慮が高等学校では必要かなと思っております。ありがとうございました。

【梶田部会長】
 ありがとうございます。
 では、加藤先生。

【加藤委員】
 前回、ちょっと出席できなかったものですから、少し戻るようで申し訳ないのですが、全国学力・学習状況調査のポイントの資料3の16、17ページを見ますと、非常に顕著に勉強が役に立つと思う児童生徒の割合が増えておりますですよね、この4年間でですね。これは、こちら側には今回は引用はしていないわけですけれども、これは統計的に見たら、非常に顕著な増え方だと思うんですよね。で、非常に大事なことだと思いますし、この辺はどういうふうに解釈をされているのか。
 あるいは、もっと言いますと、この数年行われてきた、例えば総合的な学習の時間の授業の問題とかいろいろあると思うんですが、そういったことの成果がここに出ていると読むことも私はできるのではないかと思うんですけれども、であれば、いろいろ問題点だけを書くのではなくて、こうした非常に顕著に出ている成果みたいなところもぜひ書かれたらどうかと思ったわけでございます。
 あと2つなのですが、1つは、今回いろいろと既に新聞等に報道されるものですから、私のところへも現場の教師からいろいろと声が届くのですけれども、やっぱりいつも申し上げることですが、もう現場は目いっぱいですと。今回、これでまた授業のコマ数が増えることも含めまして、非常にそういう声がございます。
 したがって、私は、今回、最終段階へいくまでまあ2カ月ですか、あまり時間はないのかもしれませんが、パブコメだけではなくて、ぜひ私は、現場の声を徹底的に聞いていただきたいと思うんですよ。現場の教員のですね。それも、都市部と地域でどうなのか、あるいは大規模校と小規模校でどうなのかとか、そういうことも含めてぜひそういうご努力をいただけないのかという気がします。
 それからもう一つは、これはさらに後のステップの話かもしれないのですが、こうした審議会の提言が、報告書が、具体的に学習指導要領としてどういうふうに結実をしていくのかというプロセスは、多分、その作業段階を見せてくれと言うわけではないのですが、具体的にどのようになっていくのかというのは、やはりどこかでご説明がいただけたほうがいいでしょういし、さらに言えば、それが教科書ですよね、教科書にどのように反映されていくのかというところも私たちはやはり見せていただきたいと。非常に今回の見直しは、戦後の中でも非常に重要な見直しだと思いますので、よりそこがPDCAサイクルを回すためにも重要ではないかと思いますので、あえて、ちょっと先のことですが、今申し上げさせていただきました。
 以上です。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 最後のところのこれから具体的にどう学習指導要領を変えてというようなことにつきましては、今日の最後に事務局からのちょっとコメント、ご説明いただくことにしましょう。
 それから、これはこの前、学力及び学習状況の調査のご説明をいただいたとき、私はちょっと申し上げたのですけれども、これをやはり私たち、特に長く前から、つまり1期から教育課程部会の委員をしてきた者はほぼ同じような認識を持っていると私は思いますけれども、その流れの中でということをちょっと申し上げました。
 どういうことかというと、今急に勉強が好きになる子が出てきたり、学力がある程度ついてきたわけではないですよね。これは、ご承知の2000年に教育改革国民会議があって、そこでやっぱりそれまでの取り組みに弱さがあったのではないかと。やっぱり2001年の初めに当時の小野次官も全国都道府県教育長教育会議で仰ったけれども、自主性・自発性の尊重という名目で指導の放棄が見られたのではないかとか、幾つか反省があったんですよね。
 で、その教育改革国民会議での反省を踏まえて、それを踏まえて文部省と科学技術庁が一緒になったときに、これは2001年1月ですね、すぐ当時の町村大臣のときにレインボープランというのをおつくりになった。これは何かというと、もう一度教育関係のいろいろな、文科省からはじめいろいろなところが力を合わせて、子どもに力がつくような、あるいは子どもが勉強が好きになるような、そういう教育にしていこうということで工程表みたいなものをつくったのです。これのもとは教育改革国民会議のあれですけれども。その中で、例えば「学力向上推進事業」とか、あるいは2003年の遠山大臣のときの「学習のすすめ」ですかね、とか、いろいろなものが出て、やはりいろいろなところで個別の学校でも小・中であれば地教委が、あるいは都道府県教育委員会が非常に力を入れて、子どもがもっと勉強を好きになるように、あるいは勉強の意味が分かるように、意義が分かるように、そして力がつくようにとやってきた、この成果だろうと、私は個人としては思っております。その流れを無視して急にいろいろと言うのは、やっぱりまずいなといつも思っております。
 したがって、これは言い過ぎになるかもしれませんが、現行の学習指導要領はちょっと気の毒な、これは言い過ぎになるかもしれませんが、気の毒な位置付けがあります。これをつくったときの考え方と、それを実際にインプリメンテーションですね、実施しているときの考え方に若干ずれが来ている。このことについては、5項目ぐらいこの間接的な表現のこの中に表現してあります。5項目ぐらい表現してありますけれども、やっぱりそういう中で、私はあえて言いますと現場の取り組み、それから地教委やら、そういう現場に近いところの、小・中で言えば、高校で言えば都道府県教委の取り組みが少しずつ功を奏しつつあると私は見なければいけないのかと。
 今回の学習指導要領の改訂はその上に立って、ではこれを確固としたものにするためにはどうしたらいいか。それには、中身を変えるだけではだめですから、先ほどから中村先生も仰ったように、それから、今、加藤先生も仰ったように、あるいは最初に渡久山先生も仰ったように、教育の諸条件の整備が大事で、今のところは138ページからちょっと書いてありますけれども、もう一つ、中教審として言うと、教育振興基本計画をつくっているんですよね、中教審全体で。これとのいわばセットでやっぱり考えなければいけない。ただ、ここには、今回の学習指導要領がうまくいくためには、最低、教員の増員ぐらいは実現しなければどうにもならんわけですよね。だから、そういう最低限ということ、あるいは学校図書館やらそういうものもきちっとしてもらわなければいけない。そういう最低限のことだけはあって、全体的なものは教育振興基本計画のほうで出して――これは教育基本法にきちっと条文として位置付けられたわけですからね――ということでやっていこうという枠組みであります。
 そういうことでありますので、もう一度こういう枠組みのことはお互い確認し合ながら、しかし、ではあるけれども、もう少しこういうことは書いておいたほうがいいということがあれば、またご意見をと思います。
 済みません、それでは石井先生、宇佐美先生と。

【石井委員】
 私は2回ほど続けてお休みさせていただいたので、中身のことについては何も申し上げる資格がないと思いますが、ちょっと表現のことについて意見を申し上げさせていただきます。
 これはいずれもこの学力調査の結果を踏まえて書き入れられたところで急遽お書きになったので、多少の時間の不足等もあったせいかと思いますが、まず、13ページでございます。このアンダーラインがずっと引いてあるところでございますが、最近、調査が行われたと。で、すぐその次の段落に移りまして、この調査では基礎的・基本的なあれについてはおおむねいいけれども云々ということで問題点に移っていくわけですが、ちょっとこの辺は慎重に書いていただきたいと思うのは、学力調査の結果というのは、これから多角的また慎重にいろいろな方面から分析し、活用されるべきものでございますので、ちょっとここのところが飛躍があるような気がいたしました。今申し上げたようなことをちょっと書いて、そして、差し当たり言えることは次のようなことだという形で、先ほどの基礎的・基本的な知識はいいけれども云々と、こういうふうにちょっと書きかえていただいたほうがいいのかなということでございます。
 そして、具体的な表現でありますが、2つ目のポツのところに、これは「複数の資料から得た情報を整理して、伝えたい事柄や」云々と、こういうものがございます。これ、ちょっとどの問題であったかというのを私は記憶がなくて申し訳ないのですが、この「伝えたい」という表現が妥当なのか、むしろ「伝えるべき」という表現のほうがいいのかという疑問を持ったということでございます。これは現在、問題を見ておりませんので、不正確なことを申し上げているかもしれません。
 それから、その次のポツでございますが、これは問題をはっきり覚えておりまして、平行四辺形の面積を地図の上からは間違えたということだろうと思いますが、これは「地図から複数の図形を見いだし」というのは、これはちょっと不正確な表現ではないかと思います。問題の趣旨は、地図の表示から数字や角度等の必要な情報を取り出し、指定された図形の面積を比較するというその問題だっただろうと思いますので、ちょっとこれは問題をご存じの方はすぐ、ああ、あれだなと分かりますけれども、知らない方には分かりにくいということです。
 それから、その次のポツのまた後、「なお」としてなお書きがありますが、「基礎的・基本的な知識・技術も定着している傾向にあるが」というこの「傾向にある」という非常にソフトなぼかした表現をお使いになった趣旨はどういうことであったのか、はっきりはそうは断言できないという程度の数字しか出ていないのか、これは1つの質問でございます。
 それから、同じテストに関連することですが、143ページに飛びまして2つ目の○でございます。アンダーラインのところは、「それを受けて学校や設置者」云々として「改善計画等を作成し、課題を抱えた子どもたちへのきめの細かい指導を行うなどといった形で」、その後なんですが、「教師の指導方法の改善や教育条件の整備などによる教育活動の改善に活用され」、ここまではいいのですが、次に「教育の質の向上が図られることに重要な意味がある」と、ちょっと急にこれ、主語が変わってしまっているのが気になります。「教育の質の向上に役立てられることに重要な意味がある」というほうが分かりやすいのではないかという、余計なことでございますが、ちょっと表現について申し上げさせていただきました。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 今のようなこういう表現上の問題、確かに残っていると思いますので、今ご指摘の点はちょっと修文させてもらいます。それで、ほかも、もしさっとお読みになって、まだ途中から主語が変わっているぞとか、あるいは大きなことを短くまとめたそのまとめ方がちょっと何かなというようなことがあれば、申し訳ありません、今日中にお出しいただけませんか。ほぼもう、これでできておりますのであれですが、ただ、言葉の問題がありますから、お気付きの点があれば、申し訳ありません、今日8時ぐらいまでだったら、あと気の毒な話ですけれども、8時に受け取って少し作業していただくということで、済みません、よろしくお願いします。
 では、宇佐美先生。

【宇佐美委員】
 138ページですか、その条件整備の話が教育にとって非常に重要だというのは本当に理解をしているつもりなのです。そのとおりだと思いつつ、会社だったらというようなことも考えながらの発言なのですが、ここの教育条件の整備等で、外に要求することと教職員定数の改善だとかICT、お金もかかりますし、環境整備だとか図書館充実ということと、それからもう一つは、自らが教育、先生方も含めて何をするかということが、順不同と言っては失礼ですけれども、ずっと載っている。通常といいましょうか、我々会社でしたら、相手にこれをしてほしいと言うときには、最初に自分たちは何をします、こう言うことが最初ではないかと。その上で、ここが不足しているので先生も増員していただきたい、こういう順番のほうが、外に訴えるときに訴える力があるのではないかというのが第1でございます。
 それから、自らのという、これは何回か申し上げたことですが、ここで出ている言葉としてはそのとおりだと思いつつも、特に先生方の管理職たる校長先生の役割は非常に、新たに主幹ができてみたりして、そこの「管理力強化」という言葉はあって、それから入れていただいて、新しい教科だとか、この学習指導要領で新しいことをやろうと言うときに、校長先生なり管理職の方々の率先垂範といいましょうか、あるいは先生方をまとめる力とか、そういうことが非常に重要ではないかと考えて、入ってはいるのですが、ちょっと先生方のうちの管理職の方々はぜひこれをしてほしいと。会社で言えば失礼ですけれども、多分、課長か、場合によっては部長が校長先生かなと。これはもう会社ですと、代表するところでございまして、そこがしっかりしている事業所は本当に強いです。それが具体的にあると、もうより一層といいましょうか、いいかなということと、それから、教育委員会なのですが、これも組織で、私どもで理解する教育委員、これは当たっているかどうかは分かりません、学校現場が校長さん以下がいわばラインとすれば、スタッフではないかと、こう思うんです。これは、スタッフは何かというと、ライン業務を本当は助ける仕事なのです。それが、どうもそうではなくなっていやせんかなと。こう情報収集だとか指示の、偉くなり過ぎているような感がしないでもないです。このラインとスタッフがぴしっと意気投合しているといいましょうか、同じ方向に進んでいる事業所なり組織のほうが非常に強いというのが実感でございまして、この辺の教育委員会の在り方も、より具体的にこの自らなすべきことの中に入ったほうがいいのではないかという感じがいたします。これが2点目です。
 3点目は、これも会社の中の現場主義という、あるいは現場に何でも任せましょうという言葉だけはそのとおりだなと思います。だけれども、横にいる人たちとか上にいる人たちが投げ出してしまったら、これはもう全然だめなのです。何をどこがまとめ、例えば情報一つとってみても、企業で言いますと、例えば宣伝部などというのは各品種ごとに宣伝を勝手にやったらだめですから、宣伝部というのはどこにでもつくって全社的な統合を図りながら、そうすると、そこに宣伝業に関するあらゆるノウハウが集中することによっていいものができてくるという部分があるわけでございまして、現場主義だとか現場の裁量主義ということは、全体の中に反映しなければいけない、非常に思い込みだけで上の人がやられては、これはかないませんし、かといって現場主義で、上は文句言うな、横も文句言うなというようなことになっても非常にまずいわけで、この教育における現場主義、あるいは裁量権を下に持っていくというのはどういう意味なのかがもうちょっと欲しいと、まあこの時期になってあれかもしれませんけれども、そんな感じがいたします。
 以上でございます。

【梶田部会長】
 非常に重要なあれで、例えば50ページ、51ページの現場主義のところも、成果をきちっと踏まえてとか、幾つか歯どめは書いてありますが、まあちょっとそういうあれで見直してみたいと思います。
 それから、今の教育諸条件の問題も、実は別のところに「教師が使命を自覚して研修に努め」というのが書いてあって、これとセットになって教員の数も増やしてほしいということを書いてあるのですが、少しその辺が見えにくい部分があれば、今回どこまで手が入るか分かりませんけれども、ただ共通理解としては、そういう教師の側、学校の側、教育委員会の側、あるいは文部科学省の側の努力をひとつ片方で持っていきながら、同時に、今足りないところをこういうことを求めていくという、今ご指摘のとおりだと思いますので、このことは頭に置きたいと思います。
 毛利先生、済みません。

【毛利委員】
 「生きる力」ということをキーワードにして、今回、非常に細かく学校環境、それから教科までたくさん議論してこのようなまとめをつくられたのはすばらしいことだと思いますし、大いに関係者に敬意を表したいと思います。
 ちょっと話は違うのですけれども、先日、日本学術会議がありまして、教育再生会議議長の野依先生が講演されまして、「文部科学省は初等教育重視、高等教育無視」というような表現をされて、それは非常に印象に残っています。今回、私たちは、初等中等教育ということでずっと議論してきました。しかし、実際には、この全体が例えば大学入試によってすごい影響を受けている。初等中等教育局と高等教育局と、そこのつながりを見ますと、一番最後の145ページ、一番最後のところだけが大学について「子どもたちの学習だけではなく、社会の在り方にも大きな影響を与える大学入学者選抜の改善に取り組むように強く求めたい」という表現があるだけです。この部会での議論は難しいのかもしれませんけれども、実際にはそういう影響を受けている高等教育とのつながりを議論する場が、ちょっと今のところ見当たらないような気がするのですね。高等局と初等中等局とで。そこをどのように、今、改善しようとしているのかということをご質問したいと思います。もう一方、片方のバウンダリーの保育園、幼稚園を私たちは議論を十分しました。ということで、高等教育、大学教育自身は、野依先生の言うように非常に大きな問題があるんですね。特に大学院教育に関しては。それはそれなりにそちらのほうで議論されると思うんですが、今、高校卒業の半分近くは大学教育まで行く時代になっていますから、ちょうど義務教育から高校の進学がもうほとんど100パーセント近くなったので、今、ここで扱うようになったと同じように、やはりそちらの大学との関係も相当影響をきちっとこの中に入れ込む必要があります。実は理想は理想なんですけれども、現実的には親はどう考えているかというと、いい大学へ入れたいとか何とかということで、それから学校の先生方も、高校の先生方は中学校からすごくそういうことによって影響されていると、そこの部分をどのように考えたらいいのかとちょっとご質問したいと思います。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 これ、初等中等教育分科会の下の教育課程部会なものですから、なかなか大学のところまで言っていないというところは確かにあります。
 ただ、仰るとおりの点がありまして、ちょっとだけ私からご説明させていただいて、あと文科省からちょっとと思いますけれども、結局、仰るように、今まで初等中等教育と大学教育が離れていたんですね、議論がね。2000年までは、例えばこれは教育課程審議会だったんですね、これは。そのほかに大学審議会があったりということで、別々の審議会だったんです。そういうことで、ただ小・中・高の中身をどういうことを勉強するかということと、大学の在り方はもうきっちりつながっていかなければいけませんので、2001年2月から中央教育審議会ですね、それまで7つの教育関係の審議会を合併させまして、そういう枠の中でいろいろと連携しながら議論しようということになったのです。
 ですから形の上では、今、中教審に5つの分科会と1つの特別部会がありますけれども、形の上では、全体をまとめる総会で議論するか、教育制度分科会で議論するか、あるいは教育振興基本計画の特別部会で小・中・高・大合わせて議論するか、それからもう一つは個別の、今の入試というような問題が出てくれば、例えば教育課程部会とあるいは初等中等教育分科会と大学分科会の関係のところが一緒に議論するとか、そういう形でやれるような仕組みがやっとスタートしました。とはいえ、まだ十分にやれているということではありません。そういうことです。
 これからは、今、毛利先生ご指摘のとおり、私たち、小学校のことを例えばみんなで議論していても、これが半分は大学に行くとすれば、そこの見通しを持ってやらなければいけない。高校について議論すれば、すぐこれは次は大学ですから、やらなければいけないということで、いろいろと関連のあることは一緒に議論するとか、あるいはこちらの議論したものを向こうに渡していく、向こうで議論したものをこちらでという、例えばこの前、学部教育の、つまり4年間の教育の最後にどういうことがみんな身に付かなければいけないのかということで、いわば「学士力」という言葉で表現されましたけれども、そういうことを大学分科会の小委員会で公表いたしました。例えばそういうものと小・中・高の教育は非常に密接な関係があるわけですよね。
 というようなことで、これからは少し仰るように連携を深めていかなければいけないと私も思います。
 ということで、ちょっと文科省からということで、では前川審議官、お願いいたします。

【前川審議官】
 高等学校と大学との接続の問題については、初等中等教育からというよりも、高等教育からこの中教審の中でもご議論いただいているということで、学士課程の在り方を考える中で、その質をどうやって担保するかということの一環として、大学の学士課程、学部の入り口のところでどうやってこの入学者の質を担保するかと、こういう観点から議論が、今、行われていると承知しております。ただ、それをどうするかということについては、入学者選抜の在り方として考えるのか、あるいは高等学校卒業の時点での質の保証という考え方でとらえていくのか、そこは問題が整理されていないと、そこはさらに議論が必要なところだろうと思っております。
 高等学校と大学との初等中等教育と高等教育との接続という問題はずっと問題としてあったと思うんですけれども、焦点としては入試の在り方ということだったと思いますが、これまでの流れとしては、過度の受験競争というものをどうやって解決していくのかという、そういう観点が強かったと思うんですね。そのためには、単一の尺度ではかるということではなくて、単一の尺度で大学を序列化するとか、子どもたちを序列化するということではなくて、入学者選抜についても多様な在り方を考えていくという方向で、大学自身も多様化するし、高等学校のほうも多様化するし、その接続の在り方についても多様化の方向で考えていく、こういう方向で考えてきた経緯があると思います。その中の一環として、例えば18歳の縛りを外していく飛び入学の仕組みなども考えていくというような、こういった方向での議論があったと思うんですけれども、今ちょっと別の角度の議論が行われていると思っています。
 昨年、未履修問題が公になりまして、大学入試の在り方がやはり高等学校の教育の在り方に大きな影響を与えているということがあらわになったということもありまして、高等学校として必要なものは、やはりきちんと高等学校で身に付けて卒業させることが必要ではないか、そういう観点と、それから大学の質の在り方と両方が相まって、高等学校と大学との接続の時点で一定の学力水準というものを担保するという考え方が必要ではないか、多様化、多様化ということでいろいろなばらばらな学力ということではなく、一定のコアになる部分が必要ではないか、こんな考え方も出てきていると思います。
 そこをどういうふうに解決していくかは、まだ議論の途中だと思っておりますけれども、これは文部科学省の中でも初等中等教育局と高等教育局の間で意見の隔たりは確かにございまして、先ほどの接続の段階での質の保証ということについてどちらが責任を持つのかということですね。高等学校の卒業認定のところをしっかりやるのか、あるいは高等学校卒業認定試験というようなものを導入するのかという、そういう議論が一方であるのに対して、いや高等学校はいろいろな在り方があるのであるから、そこで統一した一定の考え方で整理できないということを前提にして、やはり高等学校を卒業してから大学に行く者もあれば行かない者もあることを前提に考えれば、大学に入学する者の質の保証という考え方で、これは入学者選抜の在り方として、例えば入試センターの在り方ということで議論すべきではないか、こういう議論もありまして、正直申し上げて、ありていに申し上げると、初中局は大学入試で考えろと言うし、高等教育局は高等学校卒業のところでちゃんと保証しろと言うし、そこはさらに議論を深めなければならないという状況であります。
 そんなところでございます。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 よろしいですか。では、加茂川局長、お願いします。

【加茂川生涯学習政策局長】
 中教審の会議の持ち方の話でありますが、ちょっと補足させていただきますと、梶田先生が仰られたように、この今、毛利委員が仰ったテーマについて言うと、初中分科会に関することと大学分科会に関すること、両方、その関心事項だと思っておりますし、今、審議官の話にありましたように、検討の場としては、今の大学分科会で学部教育の在り方、高・大連携の在り方で一応そこで議論していると私どもは認識しておりますが、十分かと言われると、今の審議官の話にありましたようにもっと違ったアプローチが必要かなということは確かにご指摘のとおりだと思っています。検討の場としては、梶田先生が仰いましたように、今後、分科会を合同で開くことも一つの方策ですし、それから、別の分科会、教育制度分科会というのが中教審にございますから、その場で議論することもあり得ることだと思います。
 一つの情報としては、教育再生会議の第三次報告の検討のテーマが明らかになっているのですが、そこでは、大学入試の在り方ですとか、それから、今の学制6・3・3制の在り方、いろいろな連携の仕方が議論になってまいりまして、仮にそれがレポートとして出てきました際には、中教審としてどう対処するのか、しないのか、そのときはどこでどういう議論をするのかといったのが改めて整理する必要があるのだろうと私は事務局として認識いたしているところでございます。

【梶田部会長】
 ありがとうございます。
 それでは、大体いろいろとご意見いただきましたが、まだ天笠先生がまだあれがあります。天笠先生、安彦先生、田村先生とご発言いただいて、大体、今日のところは終わりたいと思っています。

【天笠委員】
 失礼いたします。2つ申し上げたいと思うんですけれども、1つは、私は、現行の学習指導要領の理念ですとか目指す方向は基本的に是とする、肯定するというのでしょうか、というふうに受けとめております。やはり、これの理念に向けて多くの学校関係者が様々な立場において取り組んできた、そういうことをやはりしっかりと認め、やっぱり意義づけていくことがまず必要なのではないかと思っております。
 その上で、現行の学習指導要領が弱かったところが、やはりもう既に指摘されているように手立てというのでしょうか、あるいは方策というのでしょうか、そういうところが学校裁量という中にすべてが飲み込まれていくような形になってしまったところで、そのあたりの手立てとか方策がもう少し丁寧に本来ならば検討されて実施に移されるべきところであったと思うんですけれども、様々な時代的な環境ですとか状況からして、その多くを今回のこの改訂の作業が引き受けたと、そんなふうに私は位置付け、とらえております。それが1つであります。
 それから、もう一つのほうが142ページから143ページにかけての、やはり先ほどからご指摘されている条件整備にかかわる点でありますし、特にこの142ページから143ページにかけてのところがいわゆる評価の部分に当たるところで、言うならばカリキュラム評価にかかわる、そういうところの指摘であって、大変重要であるかと思うんですけれども、1点ご検討いただきたい点があります。それは、143ページの○の1つ目、2つ目、3つ目と、2つ目と3つ目の実は間のことについて申し上げたい点があるのですけれども、それはどういうことかと申し上げますと、言うならば、1つ目、2つ目の○ということがカリキュラム評価、教育課程の評価に当たる部分かと思います。そして、3つ目の○のところが教育課程行政におけるということで、そちらのほうに言うなれば教育行政の世界のところにいくということなんですけれども、実はこの2つ目の○と3つ目の間に、私はもう学校評価という位置付けをここにしっかりしておくことが大切なのではないかと思っております。
 言うならばカリキュラム評価、教育課程の評価なくして学校評価などはあり得ないわけでありますし、また、学校評価というものが、今、この点についての検討が進んでおりまして、伺いますと、今日、官報の告示で施行規則の中に学校教育法の文言が盛り込まれたというふうなことが公にされていて、その中では、学校評価を教育委員会に報告するという、そして、それがまたある意味で言うと教育委員会に対するある意味で言うと学校の評価という、そういうことになるので、そういう意味ではこの施行規則等々に盛られた考え方は学校と教育委員会を結ぶ、そういう、ある意味での仕組みとしての、装置としての存在と役割を今後果たしていくことになるのではないかと思うわけであります。ですから、そういう点で一連の教育課程を評価して、そのことを報告書にまとめて教育委員会に届けるというそのことが、先ほど来様々な形で指摘されている条件整備等々を教育委員会が必要なものを認識して、再び学校へフィードバックさせていくというその部分のところで大変、私は大切なところなのではないかと思っております。そういう点では、この2つ目の○と3つ目の間のところにぜひ学校評価ということについての言及というのでしょうか、指摘をご検討いただければと思います。
 以上です。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 それでは、安彦先生。

【安彦委員】
 1つこれはぜひ行政サイドでお願いしたい心配なことがあるのですけれども、例の107ページの「武道」のところですか、先だって、ある現場の先生から、柔道で男性――大体、体育の先生は男性ですよね。ところが、相手は女子生徒で、直接襟をつかんだり、腕をつかんだりするわけですね。ある意味で肌を接するような場合だってあるわけですね。まあ考え方、とらえ方次第かもしれませんが、セクハラに近い状況が生まれていると伺いました。
 これはやはり非常に慎重に考えるべきことで、そういう種目の場合には、やはり女子生徒の場合には女性の指導者が対応するのが無難なやり方ではないかと思います。どの先生もそうだと言うつもりは全くない、私もそんなことは考えませんけれども、でも、そういう先生の場合があり得ることはやはり考えておかなければならない。ですから、そういう意味では、剣道や何か離れている種目はいいですけれども、柔道のような種目の場合は、やはりきちんと考えておかなければいけないのではないか。そういう意味で条件整備の中に、これまた余計なことですけれども、やはり問題を生じないためにはしっかりと頭に入れておかなければいけないのではないかということ、これが1点です。
 それから、先ほど大学のお話が出まして、私も大学分科会に出ておりますので、この点については大分前から時々申し上げて、梶田先生や木村先生も一度合同部会を開かなければいけないかなというようなことを仰っておられた。毛利先生がご指摘のことは、したがって、教育課程部会としては全然忘れていたわけではない。基本的に私自身が間に立つつもりでいたんですけれども、教育課程部会が忙しいものだから、大学分科会にあまり出なくて、情報をお互いに差し上げるような場がなくて、大変恐縮でございましたが、いずれにしましても、ぜひ何らかの形でやはりどこかでそういう場を設けていただくか、次のヒアリングなどのときに大学分科会からのお声をいただけるといいなと思っております。
 それと関連して、先ほど思い出したのは、甲田先生が出された点は、ある意味ではその点と関係するので、国・数・英について減単のことを書いたのは、その意味でまさに現場の多様性、子どもたちの多様性に応ずる現場での裁量というものを認めるためにやったところで、そういう意味では、現状を前提にある程度踏まえつつ、しかし、それ以上は譲れないという、そういう趣旨ですので、この辺は本当に苦肉の策であることをご理解いただきたいと思います。
 それから、最後ですけれども、これはお礼なんですが、先だって道徳のことについて対社会との関係で、むしろ社会のほうに私たち学校教育が一生懸命やっている道徳教育をいつも掘り崩していくようなことをやられているので、そういう意味では、私はそうは申しませんでしたけれども、道徳の専門部会の先生方は人がよ過ぎると思いましたが、まあある意味では今回、こういうふうに入れていただいて、対社会に向かってはっきりそういう協力を呼びかけていただけたことは大変よかったと思っております。具体的なところでぜひ進めて欲しいと思います。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 では、田村先生。

【田村副部会長】
 大事な会議だったんですけれども、実はちょうど今、予算の時期でありまして、どうしても外れなければいけないことで、そちらのほうに行って帰ってきたものですから、今日の会議は実質的にはあまり参加していないので、自分の感想のようなものを申し上げさせていただきたいと思っております。
 前回改訂された学習指導要領の中で考えられた「生きる力」という考え方が、今回の改訂でもそのことの重要性というものについては認められていると。このことは、あまり大きな反対はなかったというような実感を持っております。
 それから、学習指導要領をつくり上げていく中でいろいろとこのことにかかわって感じていることなのですけれども、学習指導要領に書かれている項目があると、それぞれの学校で何か研究活動をしたり、教育委員会に申請したりするときに、書いてあるとすっと認められるわけですね。書いていないとなかなかできないという、こういう実態がありますので、なるたけ項目を書こうとするわけですね。ですから、ちょっと読むと読みにくくなってしまうということはあるのは、そういう背景があるものですから、教育といいますか、学校の現場に日常いらっしゃらない先生はあまりその辺がお分かりにならないわけですけれども、実際は教員の立場からすると、なるたけ書いておいてもらいたい。そうすると、ここに書いてあるから何とか予算をつけてくれとか、そういうことを対応してくださいというようなことが言いやすくなるわけですね。そういうことがございますので、非常に書き加えられているという状況がございます。
 それから、内容的には総合的な学習の時間がきちっと評価されて残ったのは非常によかったと率直に思っております。基本的に明治以来、この教科の形は変わっていないんですね。変わっていない学問的な背景がありますから、教員の養成も含めてすべてそういう教科というのは背景にあるんですけれども、時代がどんどん変化していきますから、その分け方がいいのかどうかは、実はどこも議論していないんですね。何となく前にやっていたからという。この文章もそういう形です。
 ですから、学際といいますか、木村先生の言い方をかりると「横串」と仰るんですけれども、その横串的な部分がなかなか実際、こういう文章を書いているときには難しくなるわけですね。今回は、その横串として、例えば言語の問題を取り上げられています。梶田先生が委員長になって、これについてもきちんと報告しておられるのは非常によかったなと思うんです。
 そういう活動がつけ加えられた答申なので、総合的な学習の時間が減ってしまうと、実際、どこで何をやるかということでは羊頭狗肉になる危険があったので、減ってしまったので困ったなと実は内心思っていたんですけれども、最終的にはもめにもめて何とか形がついたというところにたどり着いたような気がしますので、これでまあ新しいこれからの10年がスタートかなと感じているところでございます。まだ課題はいっぱいおありになるのだろうと思うんですけれども、現時点ではこういう形でまとめざるを得なかったというように感じております。
 ありがとうございました。

【梶田部会長】
 ありがとうございます。
 今日、皆さんに最終的なと言うとおかしいですけれども、中間報告の原案ということで「審議のまとめ(案)」を皆さんにご覧いただきました。いろいろとご意見いただきまして、先ほど申し上げましたように、どうしてもというものは今日8時ぐらいまでにお願いしたいのですけれども、まず当面のことだけ申し上げたら、長い見通しの話は後で事務局からお話しいただきますけれども、当面だけを申し上げますと、今日、もうこの冊子ですね、この冊子の原案、審議の概要、これを皆さんに審議していただいたのは8回目なんです。8月30日からね。もちろん、その前にはいろいろとあるわけですけれども、そして、16の専門部会とそのほか小学校部会、中学校部会、高校部会があってやってきた。これでいろいろな考えはあるし、たくさんの人がかかわったわけですけれども、こういう形でやっとまとまってきたと、こういうことであります。これを、来週ですかね、大体7日に予定されておりますこの教育課程部会でもう一度確認していただいて、これは短い間ですけれども、そして初等中等教育分科会にかけて「審議のまとめ」として発表したい、こういうふうに考えております。
 そういう中で、今日も出ましたご意見、根本的な話もあって「審議のまとめ」にはちょっと間に合わないところもあります、これは正直言って。私、一応、事務局で今日の出たもので「審議のまとめ」に入りそうなものを、当面、作業してもらいます。あした以降、私、事務局と連絡を取り合って、次の教育課程部会にもまさに最終の案を出していただく、そういうふうに思っております。ということで、もしお許しいただければ、最後の修文を部会長一任としていただけませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【梶田部会長】
 よろしいですか。ありがとうございます。特に最終答申に繰り延べざるを得ないものと、この「審議のまとめ」で入れておくべきものと、この仕分けはちょっとしなければいけないというようなこともありますので、済みませんが、一応、部会長一任ということでお願いしたいと思います。
 ちょっと今日ご用があった荒瀬先生と毛利先生がそれぞれ退室されましたけれども、退室されたときに、こういうことで部会長に最後修文を一任するというご了解をいただいております。そして、今、皆さんにもご了解いただきました。そういうことで最後を締めさせていただきたい、そういうふうに思います。
 そういうことで、本日、一応終えたいと思いますが、今後のことにつきまして、事務局からお願いします。

【合田教育課程企画室長】
 長時間にわたりご審議いただき、誠にありがとうございました。
 次回の日程につきましては、先ほど梶田部会長からお話がございましたように来週水曜日、11月7日、まず15時から15時半を目途で教育課程部会を開催いたします。この「審議のまとめ」は教育課程部会でご決定いただくという運びでございますので、先ほどお話がございましたように、これまでの議論をこの際おとりまとめをいただくということを考えております。引き続き15時半、当日は15時半から教育課程部会で終了後、引き続き15時半から17時半で初等中等教育分科会との合同会議を丸の内東京會舘にて予定してございます。追って正式にご案内申し上げます。何卒よろしくお願い申し上げます。
 それから、先ほど部会長からお話がございました今後の道行きでございますけれども、この後、また仮に審議まとめをおとりまとめいただきましたら、またいろいろ関係団体等からお話を伺うという機会も設けた上で最終答申に向けてご議論いただくことになります。骨太方針等では小・中学校を中心に年度内に改訂をするという運びになっておりますけれども、答申に向けたご議論と同時に、私ども改訂の作業も事務的には進めさせていただきたいと思っておりますが、どういう形になるかはともかくといたしまして、先生方にも大所高所から改訂作業につきましてはご指導を賜りたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【梶田部会長】
 ありがとうございました。
 そういうことで、これが出ますと、いろいろとご意見をいただいて、パブリックコメントを加藤先生仰ったようにできるだけ草の根レベルといいますか、そこからも意見を吸い上げて、それを踏まえて最終答申というふうにして、それが出たら、その趣旨を新しい学習指導要領の文言として固めていただいて告示ということになる、こういうことでありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、本日はこれで終わりたいと思います。どうも皆さん、ご苦労さまでした。ありがとうございました。

─了─

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課

-- 登録:平成21年以前 --