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教育課程部会(第48回) 議事録

1.日時

平成18年9月29日(金曜日) 13時30分~15時30分

2.場所

学士会館 「210号室」

3.議題

  1. 教育課程企画特別部会における審議について
  2. その他

4.出席者

委員

 木村部会長、阿刀田委員、安彦委員、石井委員、市川委員、井上委員、宇佐美委員、衞藤委員、佐々木委員、角田委員、渡久山委員、中嶋委員、深谷委員、増田委員、無藤委員

文部科学省

 銭谷初等中等教育局長、合田初等中等教育担当審議官、辰野高等教育担当審議官、常盤教育課程課長、南野教育課程企画室専門官

オブザーバー

国立教育政策研究所
 惣脇教育課程研究センター長

5.議事録

(1)配付資料の確認の後、小学校における英語教育にかかる新聞報道について、銭谷初等中等教育局長より説明があった。その後、教育課程企画特別部会における審議について、事務局及び安彦委員より説明が行われた。その後、教育課程企画特別部会における審議についての説明を踏まえ、論点1の「教科を横断する課題について、教科と領域間の分担と連携をどのように図り、これらの教育を充実するか」にかかわり質問及び意見が出された。主な意見等については以下のとおり。(○=委員)

委員
 到達目標と理念や目標との間に乖離がある。義務教育修了段階においては、全ての子どもに目標や理念まで到達させることは難しいが、ある程度の到達度まで成果を挙げていくことが重要である。このため、授業を工夫するとともに条件整備を整えていくべきである。

委員
 総合的な学習の時間と教科の連携について、小学校では学級担任が総合的な学習の時間をやっているため、教科との関連は充実している。他方、中学校は教科担任制であるため、教科との関連が付けにくい。このため、中学校や高等学校の総合的な学習の時間では、プロジェクトチームを作り、学校や学級、学年の目標を明確にして、複数教科の参加による学校に合ったカリキュラムを作る必要がある。その際、教科の時間がつぶれることを考慮し、総合的な学習の時間の推進のため教科の時間を保証して行くことが必要である。

委員
 資料1 P.2 1に記述のある「道徳、特別活動、総合的な学習の時間の連携について、関係の教科を含めて、これら相互の関係を整理し、教育内容や教育方法の充実を図る」ことを実効あるものとしていくため、具体的にどうするのかということを現実に則して掘り下げていくことが重要である。視点の1番目の○「道徳」については、「生き方についての自覚を深め」ることが「道徳的実践力」につながっていかねばならない。視点の2番目の○「特別活動」については、集団活動の問題点を考える必要がある。視点の3番目の○「総合的な学習の時間」については、自然体験やボランティア体験などが、やらせているだけになっていないか検証する必要がある。

委員
 道徳と特別活動、総合的な学習の時間については、それぞれの共通性を踏まえて一つに連携すべき部分と分担してやっていくべき部分がある。それぞれの領域の特色をはっきりさせながら「分担と連携」を明確にすべきである。

委員
 道徳、特別活動、総合的な学習の時間はそれぞれ中心となる部分があり、そこを明確にすべきである。道徳は道徳的価値を身に付けること、特別活動は自主活動を行うこと、総合的な学習の時間は子どもが体験を通じて自分の課題を明確にして追究することを中心として考え、その上で相互に、また、教科との関連を図っていく必要がある。

委員
 学習指導要領道徳にある内容項目は非常に多く、全てが重要であることは否定しないが、どの価値も子どもには伝えるけれども、特に時間をかけた体験活動とつなげる部分についてはある価値項目を中心とするなど、各学校でメリハリをつけることが重要である。

委員
 特別活動は教育課程外の時間や他教科の時間を使っている場合もある。また、土曜の活用の中で、地域との連携した時間としていくことや、地域の側やPTA側の活動として行うということも検討してはどうか。

委員
 総合的な学習の時間と教科とのつながりを直接的に考えるのではなく、総合的な学習の時間において、教科のものの考え方を生かすという発想に立つべきである。

委員
 学習指導要領の別表第2に掲げる特別活動の授業時数は年間35時間である。特別活動の内容は学級活動、生徒会活動、学校行事により構成されているが、35時間は学級活動のみで、生徒会活動と学校行事は35時間以外の時間でやっている。従って、教科の時数を増やすとこれらの生徒会や学校行事の時間をどうするのかという問題が生じる。

委員
 少ない時間数の中で、特別活動の内容である健康安全、勤労生産・奉仕的行事などが他教科の時間と重複しており、連携という名の下で同じことを重ねてやっていないかということは吟味しておく必要がある。

委員
 先ほどの意見にもあったが、道徳や総合的な学習の時間、特別活動の中心的なねらいについて、すべてではないがねらいが重なるところがある。そして、これらを例えば一つの教科として(市民科)に組み込んでみたときに、道徳のプラスアルファの部分として、法教育やコミュニケーションスキルに関係する部分が、一つの教科とのつながりがよいのではないか。その結果、子どもに対しては自分の生き方にかかわる大事な教科、また、教師に対しては形がはっきりして指導しやすい教科ということになれば、これは有効な時間として生きてくるのではないか。

委員
 教科と総合的な学習の時間の関係について、教科は学問体系に沿っており、それが子どもにとってどのように役に立つのかはすぐには見えてこない。他方、総合的な学習の時間は、子どもが自らテーマを設定する。その際、教科の知識や日常的に得られた知識をどう使っていくかということが重要であり、こうした探究型の学習を保証するために作られた時間であると考える。教科は教育者側の体系をもとに追究し、総合的な学習の時間は子ども自らが立てた体系に沿って追究するという理解である。

委員
 道徳の内容は迷惑をかけないとか、行儀をよくするというところに基本があると思う。それは枠にはめ、マイナスをつくらないという教えのように思えるが、それだけではなく、自分がいるから周りが良くなったというような、周囲がその人の行動や存在によってどれだけプラスに変化したのかという授業があればよいと思う。

委員
 道徳、特別活動、総合的な学習の時間について、教師が連携を想定し、それぞれの活動の中であらかじめキーワードをちりばめてつなげていくような意識をもって授業を行うことができれば、子どもはそれぞれの授業の意味や教えられることの価値を体感できるのではないか。

委員
 道徳、特別活動、総合的な学習の時間のように創造性を求められるものに関しては、授業サンプルや事例紹介など、教員が共有できるような仕組みを文科省は構築すべきである。その結果、教師の負担を軽減するとともに、知識や創造性を積み上げていくことができるのではないか。

委員
 総合的な学習の時間と教科の連携を考える場合に、子どもの放任主義に偏るのは良くないが、総合的な学習の時間を通して子どもが自ら課題を発見して解決しようとする土壌ができてきたことを踏まえると、バランスを考え、教科に偏り過ぎない程度の連携にすべきである。

委員
 知育・徳育・体育に加えて、異文化教育や情操教育を行っていただきたい。小学校の英語教育についてもその中の一環として考えることができる。

委員
 現在の中学校の英語教育は語彙の数や教える条件などの面がよくないと考える。そして、子どもたちを取り巻く国際環境を考えると、個人的な意見として、小学校5・6年生で英語を教科としてきちんと位置付け、さらに、中学校、高等学校、大学へと接続していく一貫したシステムが必要ではないか。また、そのための体制や条件整備を段階的に作っていくことが必要である。

委員
 道徳や特別活動、総合的な学習の時間の分担と連携を実践していく中で、学校現場における実態との乖離があるのだとすれば、それを学習指導要領上、どう明確にし、教育方法の上で生かしていくのかということについて現状分析をしていく必要がある。

委員
 小学校における英語教育が現状ではほとんどの学校で実施されているという状況を踏まえ、小・中・高等学校を通じて行うとした場合、教育効果を高めるためにはどうすべきか、また、子どもたちが楽しんで受けられるにはどうあるべきかという観点からの見直しが求められている。こうした観点から教科と総合的な学習の時間の関連を見ていく必要がある。

委員
 実際の学校現場では、実際の道徳の時間は教室の中でやり、体験的なことは外でやっている。その場合、教員にかかる負担への配慮は必要であるが、同時に、子どもたちがボランティア活動を通して他人から感謝されるような体験をすることは大切である。

委員
 どのような教科等に関しても、縦の系列と横の校種の関係を考える必要があり、従来は小学校については6年間のまとまりで考えることが多かった。しかし、今後は低・中・高の2年ごとの枠を意識した教育課程の編成が重要であり、小学校英語に関しても、低・中・高学年の違いを設けながら、それをつなげて中学校へもっていくという配慮が必要である。

委員
 現行の学習指導要領では、中学校2、3年生の選択教科はかなりの時間数を占めているがこれを必修教科にまわすことができないか。英語や数学では授業時間が不足しているという実態と、さらに数学などでは現状において広がりつつある補習や習熟度別授業を行う場合に現在の時間数では足りない。また、選択教科を使って有意義な活動が実践として行われているが、これは総合的な学習の時間の中で発展させていけると考える。

(2)論点2の「到達目標の明確化」を含め、質問及び意見が出された。主な意見等については以下のとおり。(○=委員)

委員
 1950年代のカリキュラムは教科と教科外に分けられていたものが、教科外については特別活動や道徳など段々細分化され、一方で学校の管理下の時間数は減少してきている。このような中で考えたときに、大きく教科と特別活動でそれぞれくくり、その間を結ぶものとして総合的な学習の時間があるという形で考えてはどうか。

委員
 道徳は実践が必要であり、集団の中や体育活動の中でルールを守るという形で生かす面と徳目的に必要なことはきっちり教えていくという面を総合的に考えていく必要があるのではないか。

委員
 教科と総合的な学習の時間の分担と連携について、学校の実践を見ると、子どもたちが企画したり発表したりする中で、各教科の先生に質問したり資料の提供を求めたりしている。総合的な学習の時間を充実させることができればおのずと分担と連携の形が出来上がってくるのではないか。

委員
 道徳、特別活動、総合的な学習の時間の共通部分は、トータルとしての人間の育ちではないかと考える。こうした広い意味で捉えることにより、いろいろな教育的効果があるのではないかと思う。

委員
 総合的な学習の時間では生き方にかかわらせることがあるとしてもそれは主ではない。他方、道徳と特別活動はそれぞれのねらいを持っている。このことを踏まえ、何が主で何が副なのかということをそれぞれ区別した上で、分担と連携は考えていく必要がある。

委員
 総合的な学習の時間においてトピック学習など教科横断的なことに取り組む場合に、中学校や高等学校においては、国語や社会や理科などそれぞれ関係のある単元の時に、その教科担任の先生が総合的な学習の時間で自分の教科に関することを教えることは時間割の工夫により可能である。中身における連携を考えたとき、このように具体的に子どもに分かるように見せていくことが重要である。

委員
 到達目標として全てを示すことは難しい。一方で評価には説明責任が伴うことも踏まえると、評価方法としてテストだけが示し方ではないということを、別の方法を例示するなどして示しておく必要があるのではないか。

委員
 先ほど話のあった選択教科における実践が総合的な学習の時間においても可能であるという意見や必修科目の時間数を増やすべきという意見については同意見である。中学校の英語教育に関して、スピーキング、リーディング、ライティングや語彙力・文法力は以前と比較して低下している。これは入試問題でどこまで出題できるかということとも密接に関連しているため、必修教科の時間数を充実する必要があるのではないか。

委員
 ボランティア活動や職業体験は重要だが、学校の時間だけでやっていくことは難しい。このため、地域の教育力を活用することが有効である。例えば、夏休みに地域のイベントやボランティア活動をリストにして子どもたちに配り、その活動してきたことについて総合的な学習の時間で持ち寄って話し合うという取組がある。こうした地域教育と学校教育が協力していくことが重要ではないか。

委員
 「自ら学び自ら考える力」や総合的な学習の時間で身に付けた力などペーパーテストでは測りにくい力については、何らかの形により測り、入試などでも評価されるべきではないか。例えば、プレゼン検定やレポート検定などがあって、専門家によりしっかり評価できるならば、子どもが必要に応じてそういう検定を受け、自己アピールという形により、入試などにおいて評価される仕組みがあってよいと考える。

委員
 道徳の実践的な活動や特別活動の奉仕的な活動などについて、学校教育の状況を踏まえた地域の教育プログラムを作り、学校内でできないような実践を土曜日に行うようにすれば、土曜日における地域の取組を推進できるのではないか。

委員
 義務教育として確かな学力の到達目標を設定する場合に、必修教科としてやるべきことはその中に盛り込んでおく必要がある。

委員
 到達目標については、子どもたちに対して身に付けてほしい目標を示すとともに、教員に対する教育目標でもあり、また、保護者を初めとする国民に対しての説明責任を果たすという意味も含む。その場合、抽象的ではなく、例示を示すなどして具体的に示していくべきではないか。

委員
 選択教科については、子どもたちがやりたくないことはやらないで済ませるということがないような制度設計が必要である。その際、生徒一人一人の意欲や関心に対応するように内容を多様化すべきである。

委員
 道徳教育の最低限の到達目標として、人に迷惑をかけないとか人に不愉快な思いをさせないということを理解させ、身に付けさせる必要があると考える。その際、上から与えて守らせるようにものを考えさせるのではなく、本人が不愉快と思うことを自分で語らせるなどして、何が問題なのかを本人自身に発見させ、自分たちの問題として考えさせるようにするべきである。

委員
 到達目標を理解し、実践できるようにすることとするならば、例えば、感染症の予防を考えたときに、感染症の流行が抑えられているかどうかについては、行政調査などの統計等によりある程度評価することもあり得るのではないか。

委員
 小学校における英語教育については、もっと議論をする必要がある。私自身は中途半端な導入には反対であり、導入するのであれば系統性についての考え方を明確にし、それについての条件整備を行い、中学校の英語教育の見直しについての見通しをつけておく必要があると考える。

委員
 到達目標については余り広げて考えるべきではなく、読み・書き・そろばんなどの基礎的なことにとどめておくべきと考える。また、その場合に特別支援教育についても十分配慮をしておく必要がある。

委員
 子ども時代に関してはトップダウンで考えることも大切である。子どもが保護者からどのくらいしつけられたかという国際比較調査の結果によると、日本はアメリカやイギリスなどよりも明らかに低い数字がある。道徳の問題として学校教育を考えていっても、このことから直していかなければ問題は解決しないのではないかと考える。

(3)最後に、事務局から、今後の日程について説明があり、閉会となった。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)

-- 登録:平成21年以前 --