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教育課程部会(第46回) 議事録

1.日時

平成18年9月12日(火曜日) 14時~16時

2.場所

フロラシオン青山 「ふじ」

3.議題

  1. 幼稚園教育専門部会における審議について
  2. 産業教育専門部会における審議について
  3. その他

4.出席者

委員

 木村部会長、梶田副部会長、安彦委員、荒瀬委員、石井委員、井上委員、宇佐美委員、衞藤委員、田村委員、角田委員、渡久山委員、中村委員、深谷委員、増田委員、無藤委員、毛利委員、寺田委員、鹿嶋委員

文部科学省

 近藤文部科学審議官、銭谷初等中等教育局長、尾山官房審議官、布村初等中等教育担当審議官、常盤教育課程課長、田河幼児教育課長、嶋貫参事官、田中主任視学官、吉野視学官、南野教育課程企画室専門官、篠原教科調査官、湯川幼児教育調査官

オブザーバー

国立教育政策研究所
 惣脇教育課程研究センター長

5.議事録

(1)配付資料の確認の後、幼稚園教育専門部会における審議について、当該部会の主査である無藤委員より説明が行われた。その後、幼稚園教育専門部会における審議についての説明を踏まえ、質問及び意見が出された。主な意見等については以下のとおり。(○=委員)

委員
 子どもの教育を考えたとき、幼稚園教育だけを見るのではなく、視野を広げて、認定こども園の内容についても幼稚園教育要領において見直しに含めてはどうか。

委員
 幼保の合同的な取組として、認定こども園がある。趣旨は幼稚園、保育所から構成される部分があり、双方の利点を踏まえたものとなっている。

委員
 前々回の学習指導要領の改訂以降、幼稚園教育要領の改訂を踏まえて、保育所保育指針の改訂も行われており、その部分は連携を取り合っている。

委員
 日本の幼児教育が現状でよいかどうか、諸外国の例として、3歳から5歳までを全て幼稚園、3歳未満を保育所としている国もあり、そのような方向で検討していくことも課題ではないか。

委員
 幼稚園と保育所の両方を受け入れている現状において、小一プロブレムは幼稚園だけの問題ではない。また、幼・小の連続性については、カリキュラムの連続性や指導者同士の整合がとられているかどうか、負担過重になっていないか、免許の関係などを踏まえて今後検討していく必要がある。

委員
 学校教育は家庭教育を前提としているものの、幼稚園に入ってくる子どもは多様化しており、親一人子一人という場合もある。このような家庭に対しては、家庭教育に期待しても難しい面もあり、家庭への取扱いをどうするのかについて、幼稚園教育要領にはっきり明記してはどうか。例えば、母親が幼稚園に来て子どもと一緒に何かをやるということも含め幼稚園が家庭の代替をするような取組について明示することも考えてみてもよいのではないか。

委員
 認定こども園について、教育と保育の両方をやるということであるが、その境目が不明確ではないか。また、文部科学省の施策として子どもの居場所づくりというものがあるが、教育的に何をやるのかということが明確ではない。

委員
 家庭、地域、幼稚園の連携の中で家庭にどこまでやってほしいのかということをはっきり示してもよいのではないか。

委員
 小学校は公立や私立、また、幼稚園や保育所のように様々なところから子どもが入ってくる。また、入学式などの儀式的行事において、親自身が騒いでいる。

委員
 保育所は保育所保育指針、幼稚園は幼稚園教育要領とそれぞれにのっとって行っており、折り合わせていくことは難しい。文部科学省も所管の範疇を行っていればよいということにはならない。

委員
 幼稚園教育要領では1日当たり4時間を標準としており、幼稚園教育の5領域の内容は小学校の9教科に近いものを含んでいる。この上にさらに新たに盛り込んでいくとするならば、幼稚園の4時間を変えるのかどうか、また、幼稚園の3歳から5歳までの発達の段階をどう考えるのかが問題である。特に、幼稚園から小学校に入ってきた時、これまで経験のない45分間の授業にどう慣れさせるのかが問題であり、この点を踏まえて、幼稚園の年長の段階の時間感覚をどうするのかという課題がある。

委員
 家庭で洋式トイレが増加する中、学校の和式トイレの使用法が分からない子どもがいる。両方使えるように親の務めをしっかり果たさせる必要がある。

委員
 幼稚園や保育所は幼児に対する取扱いを抜本的に見直す時期ではないか。統一前の東ドイツでは、両親を経済的に支援する構造であったが、統一後のドイツでは資本主義体系の中で少子化が進み、問題となっている。家庭での教育力が低下している現状を見極め、我が国がとのように子どもを育て、また、生みやすく育てやすい仕組みを構築するかを、体系的に考えていく必要があるのではないか。

委員
 家庭での生活習慣の形成が不十分との状況が各種調査や文部科学省のスクールミーティングの結果から明らかになっている。認定こども園や現状の幼稚園での4時間に預かり保育を連携させて、生活習慣や自立・運動能力の向上について、どこまで家庭の補充をできるかが課題である。

委員
 モデル事業等の取組の成果も踏まえつつ課題をどこまで具現化して国民に示していけるかが重要である。

委員
 小学校部会では、家庭の2極化が子どもの2極化を招いているとの指摘があった。このことなども踏まえ、幼保総合化による小学校への連続性をどのように考え、また、生活科も含め小学校への連携に向けて、幼稚園教育要領を検討していく必要がある。

委員
 改善の方向性は、どれも大切なことに触れられている。内容が盛りだくさんとなり子どもに時間的なゆとりがなくなるのではないかと危惧している。幼稚園教育においては、時間をかけて感性を高めることが大切であり、小学校の内容がそのまま前倒しされることはよくない。

委員
 家庭の教育力に期待するのは無理ではないか。また、幼稚園は遊びを通した体験を重視する活動が重要。幼稚園の入口と出口を考えたとき、入口では家庭へ責任を押し付けることは難しい。また、出口では時間の感覚や皆で集団行動をすることや、我慢して話をすることを何回かの体験交流を通しながらさせていくことが重要である。

委員
 幼稚園を義務教育化するのではなく、小学校との接続の中で、体験交流を通して自然に時間の感覚が身に付くようにすべきである。

委員
 幼稚園の教育内容の5領域は年代ごとにここまでできるようにしようということつくる必要がある。

委員
 預かり保育の実施時間数が増加しており、幼稚園は幼児教育を行っているのではなく、子どもの安全確保するだけのものになってきている。これは子どもにとっては好ましいことではない。条件整備をしっかりすべきである。

委員
 選択して学校へ行くという意味においては、幼稚園と高等学校は近い部分がある。その選択は世間の評判により左右されるが、幼稚園では遊ぶということを通して、人間関係や一人一人の人間としてのしっかりとした基礎を作ることが重要である。

委員
 幼稚園教育においては、遊びを通して人間関係や人間としての基礎を養ってほしい。

委員
 資料3-1 P.3の「各領域の内容が総合的に指導されるものであることを一層明確にする…」は重要である。特に、「総合的に指導」するに当たっては、誰がやるのか、また、枠組みではなく取組みをどう評価するのかを考えていく必要がある。

委員
 預かり保育の環境をもっと充実すべきである。また、今後、世界に出ていく子どもたちにとっては、洋式トイレを基本として、使用法の指導を考えていくべきであり、この点に予算を充てていくべきではないか。

(2)産業教育専門部会における審議について、当該部会の主査である寺田委員より説明が行われた。その後、産業教育専門部会における審議についての説明を踏まえ、質問及び意見が出された。主な意見等については以下のとおり。(○=委員、□=説明者)

委員
 幼・小・中では、社会で独り立ちできる知識として、共通的な内容によるシンプルな考え方を基本とすべきであり、中学校から普通高校もしくは専門高校へは、シンプルから多様性をどう考えていくかが問題である。

委員
 中学校のときに、将来何になりたいのかという意識を持たせることが重要である。

委員
 専門高校においては、将来何をやりたいかをしっかり持っている生徒が来るのが本来の姿であり、高校を卒業してすぐに役に立てるように、社会と直結するような教育を行っていただきたい。また、専門の学科の内容をさらに深めて学んでいく生徒に対しては、大学に進学して、さらに多様化していけるようにすべきである。

委員
 資料2 P.2の5コミュニケーション能力、協調性については、社会に出て、何かを成し遂げるために必要なチームワークについても入れていただきたい。

委員
 若者のものづくり離れにかかわり、小・中学校でものづくり教育をしっかり推進すべきであり、その上で専門高校を自らの意思で選択できる生徒を育てることが必要である。また、専門高校においても、ものづくり教育の場を提供して、子どもたちにチームワークでなし遂げる体験などをできるようにすべきである。

委員
 専門高校において、環境や生命、自然をどう学ぶのか。生物や地学を履修している生徒が少ない中で、どのような科目をで学び具体的にどうするのかを明らかにする必要がある。

委員
 専門高校からの進路で、専門と異なる分野に進む生徒の理由として考えられるのは、求人が十分でないことや本当に高校で学びたいことを持って入学したのではなく、希望をもたないまま学び、卒業していくことが考えられるのではないか。

委員
 資料4-1の中で「探求」と表現されている箇所が2つあるが(P.3(2)3「課題を探求し解決する力」、P.5(2)「…課題を探求し解決する力…」)、理科では、「探究」を使用しているが「探求」としているのは意味が異なっているのか。

委員
 私立の専門高校については、補助金が十分でないため厳しい条件に置かれている。耐震工事への助成なども進めていく必要があるのではないか。

委員
 専門高校の多様化の方向がある一方、将来のスペシャリストを育成することは専門分化していくことであり、このことは多様な進路に対応する弾力性・柔軟性のあるカリキュラムを考えることと矛盾することではないかと考えるが、この点についてはどうか。

委員
 専門高校を卒業して就職する生徒と進学する生徒に、基礎的な専門教育と一般教育を十分に教えているかということについて、どのように評価しているのか。

委員
 人間性豊な職業人の育成に関して、普通教育に関する教科や進路と弾力的教育課程編成との関係について、どのように考えているか。

委員
 スペシャリストを育成するという理念は重要であり、インターンシップやデュアルシステムなどを活用して実践力を身に付け、スペシャリストの基礎・基本を育成するという方向性はかなり出てきている。

委員
 中学生の意識として普通科志向があり、専門学校で学んだほうがよい生徒も普通科に吸収されてしまっているのではないか。

委員
 中学校段階のキャリア教育、進路指導の充実は、生徒が将来何をやりたいのかを考え、興味・関心、能力・適性を考える上で重要である。

委員
 専門高校は即戦力の人材を育成するものと思っていたので、将来のスペシャリストを育成するということと、将来の地域産業を担う人材育成というのは、専門高校の目標として本来そうなのかところが気になる点である。

委員
 工業高校を卒業した人達は、例えばものづくりの技術・技能で生きていけるというような明確な目標があってもよいのではないか。

委員
 生徒の学ぶ意欲や働く意欲は優れた技に出会い感動するなど、多様な体験の中から目指すべきものをはぐくむことが重要である。

委員
 普通科と比較して専門学科の生徒一人当たりの教育費は高いが、このことについて、費用対効果の観点からどのように考えるべきか。

委員
 専門高校の卒業生が、学んできた専門分野の職業にどれだけ就職できているか。

委員
 看護の職業資格など社会の変化に伴い制度が変化する中で、高校卒業だけでは受験資格がないものも増えており、この点についても議論をしておいた方がよい。

委員
 専門高校は社会的ニーズにどれだけ応えているのかということは大事である。

委員
 専門高校の生徒が、大学へ進学する際に大学側の閉鎖性は今だにあり、生徒の将来を考えたときどのような改善がなされるかは重要なことである。

委員
 社会や企業の変化に適切に対応する職業教育の在り方が課題であるということはわかるが、専門高校の卒業生が就職してから3~5年後の離職率はどうなのか。これを把握することは難しいが、離職した人が専門高校で学んだ専門性を生かした転職ができているかは疑問である。

委員
 設置者の立場として、子どもの将来に職がある教育に、時代遅れでない教育を行いたいと考えている。例えば、経済産業省や厚生労働省が将来の産業の展望を示せば、それにより専門教育の内容も変わっていく。また、専門分野に関する基礎的・基本的な知識・技術は、時代の変化に対する普遍性がどこまであり、どの程度まで教えるべきかということを明確にすべきではないか。

委員
 生徒にとって夢のある専門高校とは何かを考えておくべきである。

委員
 政治・経済や社会的なことに関しても、専門高校で教える必要がある。

委員
 専門高校では、クリエイティブな能力を育成することが必要である。

説明者
 専門高校は社会と直結すべきであるとの指摘については、現行の学習指導要領おけるインターンシップの推進、デュアルシステムなどを活用して、実践的な地域連携型の職業教育を進める必要がある。

説明者
 専門高校の将来像としての多様性と専門性のかかわりについては、平成10年の産業教育審議会答申や現行学習指導要領には、基本的な2つの大きな方向性があると考えられる。具体的には、一つは、将来のスペシャリストとして基礎的な部分に特化し実践力をつけた職業教育を生涯教育につなげ、幅広い形で専門教育に柔軟性を持たせる方向、もう一つは、資格検定等を通してより専門性を高めるという方向がある。さらにもう1点は、高等教育への進学志向の方向がある。

説明者
 現行学習指導要領においては、生徒に履修させなければならない最低単位数の74単位のうちの25単位以上を専門教育に関する教科での履修を求めているが、学校によっては、その割合を相当高めて就職もしくは進学への対応を柔軟に追求するとともに、専門教育の本来の伝統的役割も継承するという多様な方向を目指すことが基本ではないか。

説明者
 ものづくり技術の確保ということを考えた場合に、小・中学校のものづくり教育との接続については重要であると認識しており、現行において中学校の技術・家庭科の授業時数が減少している中で、小中の連携や一貫性をもつことが必要である。

説明者
 人間性豊かな職業教育については、道徳的もしくは徳目的なことではなく、職業社会における規範意識や公共心の育成などを意識しており、例えばキャリア教育の枠組みとして考えることもできるのではないか。

説明者
 専門高校においては、即戦力の人材を育成することが本来の使命ではないかとの指摘については、社会構造や生徒の意識の変化等も踏まえ、インターンシップやデュアルシステムの活用等を通して、社会で役立つ力を生徒たちに身に付けさせるという仕組みを継続することが必要である。インターンシップやデュアルシステムは、どちらかというと、職業意識や職業観の啓発にある程度焦点を置いた形で進められているが、学校の実態を見ると、地域との連携を通して、将来のスペシャリストを育成するということに実際になっているという感じを持っている。

説明者
 費用対効果の問題は難しい問題であり、専門学科の特性に応じた進路を選んでいない面もあるが、我が国の場合、就職と学校で学んだ勉強を職種に結び付ける仕組みは弾力的なものとなっていると思う。

説明者
 文部科学省では、専門高校の活性化に資する施策として、「目指せスペシャリスト」、「日本版デュアルシステム」といった事業や、インターンシップの推進は、専門高校が地域や企業との連携の中で、ニーズに応えた教育を実施しようとする試みであり、専門高校は社会的なニーズに応える努力をしてきていると考えている。また、専門高校が中学校へ働きかけて、専門高校の教育の特色を理解してもらう取組も行われている。

委員
 費用対効果の問題についてコメントしたい。7、8年前だったと思うが、経済関係の出版物が、最近活気のある会社社長の100人の経歴を掲載していたのを見たことがある。そのうち40人が専門高校の卒業生であることに非常に驚いたのを憶えている。これらの方々が社会に及ぼした経済的な効果にはすごいものがそういう意味でも専門高校の費用対効果が本当に課題であるのかどうかは、非常に難しい問題である。専門高校の社会的な評価には問題があり、そのために苦戦をしているという状況をどのように改善できるかという視点での分析をお願いしたい。

(3)最後に、事務局から、今後の予定について説明があり、閉会となった。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)

-- 登録:平成21年以前 --