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教育課程部会(第43回) 議事録

1.日時

平成18年8月11日(金曜日) 10時~13時

2.場所

フロラシオン青山 「ふじ」

3.議題

  1. 家庭、技術・家庭、情報専門部会での審議について
  2. 算数・数学専門部会での審議について
  3. 理科専門部会での審議について
  4. 芸術専門部会での審議について
  5. その他

4.出席者

委員

 木村部会長、梶田副部会長、荒瀬委員、石田委員、井上委員、植木委員、宇佐美委員、衞藤委員、陰山委員、田村委員、渡久山委員、中嶋委員、中村委員、深谷委員

文部科学省

 銭谷初等中等教育局長、尾山官房審議官、合田初等中等教育担当審議官、布村初等中等教育担当審議官、常盤教育課程課長、田中主任視学官、坂中情報教育調整官、合田教育課程企画室長、南野教育課程企画室専門官、上野教科調査官、岡教科調査官、奥村教科調査官、高須教科調査官、田代教科調査官、永井教科調査官、永田教科調査官、長野教科調査官、日置教科調査官、望月教科調査官、吉川教科調査官
国立教育政策研究所
 惣脇教育課程研究センター長

オブザーバー

 鳥居会長

5.議事録

(1)事務局から文部科学省人事異動の報告と配付資料の説明が行われた。

(2)家庭、技術・家庭、情報専門部会における審議について、事務局より説明が行われた。その後、家庭、技術・家庭、情報専門部会における審議についての説明を踏まえ、質問及び意見が出された。主な意見等については以下のとおり。

○ 家庭科、技術・家庭科は、今の社会に求められる人間形成について一番重要な教科であることから、今、何が人にとって求められているのかという根本的な議論がなされなければならないのではないか。その中で、たくさん出てくるであろう必要事項を限られた時間で教えるためには、何を子ども達に教えるのかをドラスティックに組み替える作業が長期的には必要である。

○ 必要な内容を全部技術・家庭科の中に押し込めるのではなく、例えば、食育などを扱う場合に、指導全体計画を作成して指導すべきことや、関連教科を体系的に整理し、中核となる家庭科でどのようにリードしていくのかを考えたり、情報教育で、意味のない重複をできるだけなくし、学校段階や学年ごとのつながりや教科との関連を考えることが重要である。

○ 家庭科、技術・家庭科は、各論を扱う分野であり、今の生活に適応したものを常に考える必要があるのではないか。

○ 家庭生活が30年前と現在では大きく異なるため、昔との比較を考えながら、現在、何が必要かを考えさせることが重要である。

○ 子どもの生活における睡眠の重要性については、学問的には十分研究されていないが、実態面からは大きな影響を持っているため、分かる範囲内で盛り込むことはできないか。

○ 今の家庭を考える上で重要なこととしては時間があるが、家族みんなが集まる時間が遅く、また、時間が少ない現代社会においては、家庭自体をマネージメントする概念も取り入れていく必要がある。

○ 情報については、小学生段階から膨大な量に接し、歪んだ形で子ども達に入ってきている。情報リテラシーやモラルとして基本的なものを明示し、技術・家庭科、道徳、理科などに落とし込んでいくべきである。

○ 情報機器については、日々進化しているが、教科指導に導入しやすいように学習指導要領への配慮をしてほしい。

○ 持続可能な社会の構築ではなく、持続可能な開発教育の視点を明確に打ち出し、技術・家庭科の柱として児童生徒の学ぶ意欲を増進すべきである。従前、科学技術の進展がマイナスの影響をもたらすとの誤った考え方が強く出ていた中で、この考え方は、日本発の新しい考え方であり、この視点をはっきりしていくべきである。

○ 技術については、日進月歩であり、学校が追いかけていくのは無理であるが、学校で教えられることとしては、例えば、モラルの問題として、身のまわりを片付けてから取り組むというような、技術的なことよりはむしろ人間の生きている姿勢の基本的なところを技術教育では重視すべきである。

○ 共通の考え方として、現代の家庭では、父母が揃わない家庭や兄弟が少ない家庭が多く存在し、個の概念が浸透していることから、周りをおもんばかる教育ではなく、相手に気を付けるという教育が先行している。個の視点ではなく、もう少し広い視野から、社会で共に生きることを考えた教育を考えるべきはないか。

○ 食育については、子どもに指導しても、親が家庭で食べさせないといった実態がある。子どもだけでなく、親と共に共同体験を行うことが必要ではないか。また、このことは、小学校からでなく、幼児教育から行っていくべきではないか。

○ 小学校の場合、国語・社会・算数・理科は担任が行っているが、習字、図画工作、家庭などは、専門家でない教頭や教務主任が行っている現実がある。このような前提の中で、中学校教育への円滑な移行ができるのか。

○ 中学校第3学年の技術・家庭科は、年間35時間であり、家庭と技術を半々の時間で行うならば、現場は学校行事などで1学期3時間しかできないという声も聞く。このような状況で、実践的・体験的な活動はできるのか。また、そのような中でいろいろなことを盛り込みたいという意見が出ているが、可能かどうかをよく考えてみる必要があるのではないか。

○ 資料4-1の課題の上から2つ目、3つ目については、保健体育との関わりがあるところであるので、そちらとの関連も考慮していく必要がある。

○ 97パーセントが高等学校に進学している現状において、卒業時に自立し、社会に出て生活ができることを目指すためには、小学校段階から家庭や技術をしっかり教えていくことが重要である。先ほどの意見にもあったように、個人的な生活に目が行き過ぎて、社会とのかかわりが軽視されている、その意味でも、家庭科や技術・家庭科において、実体験として様々なことを学び、実社会で生きていく時の考えるきっかけになるようにすることが望ましい。

○ つくることを通して、つくるための段取りとか、つくるために必要な道具であるとか、あるいは1つの物ができるまでの時間のかかり方とか、最終的には自分でつくった物に対する愛着とか愛情などが心の中にきちっと刻まれていくものではないか。

○ 家庭科では、社会で生きていく人間を育てていくということを考えると、中身の充実や時間の確保、専門的な知識やそれを伝えられる人材の育成が重要である。また、家庭生活を通して社会を見るため、社会生活との深いかかわりをもつということを観点として考えていただきたい。

○ 高等学校の教科「情報」については、他教科との結びつきが強い教科であるにもかかわらず、生徒にとって教科「情報」のみですべてが完結するという認識を持っているところがある。各学校においては、情報教育の方針と具体的な指導をどうするのか、学校教育全体として情報教育を考えていく必要があるのではないか。

○ 今回の学習指導要領改訂においても、子どもたちの「生きる力」を育成する上では、家庭科、技術・家庭科は重要な役割を果たしていくのではないか。

○ 社会の変化により、家庭教育の場では、自分のことは自分でやるといった実践的な生活の力を身に付けることよりは安全に対する配慮が中心になっていることから、家庭科の指導において、実際的な家庭での実践力と結びつきにくくなっているのではないか。家庭科を実践的なものにする必要があることから、土曜日や総合的な学習の時間などを利用して、地域社会の参加や家庭の協力を得ながら、それを実践的に利用し、身に付けるような教育としていく必要があるのではないか。

○ 情報教育については、義務教育段階では、将来応用能力をつけるためのリテラシーを身に付けるような内容にするべきである。そのため、小中高で系統的に一貫性を持たせる必要がある。情報モラルについては、道徳や生活上のルールを学ぶ社会科や総合的な学習の時間などを通じてモラルを高めることで、情報についての適切な判断力を身に付けることが必要ではないか。

○ 時間数の問題等については、専門部会では議論をやりにくい部分もあるため、本部会もしくは小・中学校部会において議論いただきたいと思う。

(3)算数・数学専門部会、理科専門部会における審議について事務局より説明が行われた。その後、算数・数学専門部会、理科専門部会における審議についての説明を踏まえ、質問及び意見が出された。主な意見等については以下のとおり。

○ 資料5-2 P.11~12の表について、算数・数学も理科のようにチャートにしてはどうか。現場の教師にチャートにより項目の発展を意識させ、それを子どもたちに伝達することにより算数・数学の面白さが出てくるのではないか。

○ 先ほども述べたが、理科についても、「持続可能な社会」を強調するがゆえに科学技術の弊害が教科書や資料集などで誇張されているのを目にするので、「持続可能な社会の構築」ではなく、「持続可能な開発教育」という積極的な位置付けを打ち出していただきたい。

○ 算数・数学について、国際調査の結果からも役に立つ教科であると思う子どもの割合が低く表れている。算数・数学は積み重ねのスパイラルな教科であることから、7・5・3の関係などつまづきによる影響が大きい。このため、カリキュラムとしての基本的な考え方として、発達段階や学校・学年段階で切ることなく、小学校から高等学校まで系統的に一貫性を持たせるという視点が必要である。

○ 数学について、役に立つ数学であるべきである。特に、高等学校では、受験のためのものになっており、受かれば必要ないから役に立たないという状況になっている。この状況は抜本的に考えていかなければならない。

○ 日本学術会議の数学小委員会から中教審あて提出された要望書によると、算数・数学は、時間数が足りない状況にある。これに対する方策として、少人数学級、少人数指導などの条件整備面での支援が必要である。数学教育は、日本の社会科学の基礎であり、数量化して物事を考えることが重要である。

○ 資料5-1の基礎的な計算技能の定着について低下傾向がないということについて、現場の感覚から疑義を感じる。中学校が要求する基礎・基本のレベルは、小学校においては非常に高度なレベルであり、小学校において中の上の計算力を身に付けなければ、中学校ではつまずくという大学研究者からの調査結果がある。中学校のカリキュラムに対応できる確かな計算力を確立することによって、応用的な文章題もできるようになる。子どもたちのつまづきや系統性、実態を精査した上で教科内容を考えていく必要がある。

○ 役に立つと思わないことが学習意欲を阻害しているのではないか。役に立つことを気付かせるためには実体験が重要であるが、子どもだけではなく、教師にも実体験が少ない。
  実体験を通して、学習する内容が生活のどこに役立っているのかを子どもが理解できるようにすべきである。そのためには、生活のどこに活用されているかを例示するなどして、教師にも分からせることが必要である。

○ 算数・数学について、前回の学習指導要領改訂の際、円周率の説明不足について批判されたことなどを踏まえ、今回の学習指導要領改訂においては、同様の批判をされることがないように考えていくことが必要である。

○ 算数・数学について、資料5-2 P.39に関して、小学校から高等学校に上げていくのか、それとも、高等学校で決めて小学校に下ろしていくのか。実感的な理解や数学的思考、学習の楽しさなどを言ってみても、現実は受験の対応のため、重要視されないのではないか。そこをよく考える必要がある。

○ 算数・数学について、子どもに正解は1つという固定観念があるように思える。教師は学級は間違う場ということを言っている。正解は1つではないという問題を一度考えてみることも大切ではないか。

○ 理科について、観察・実験を重視することがすべての基盤となる。そのためにも、外部人材の活用、実験器具等の整備など人的・物的・時間的な面での充実が必要。

○ 理科について、現場では、市販の実験教材がありすぎて、教師が子どものために教材研究や実験器具を考えるということをしなくなっている状況がある。

○ 子どもの年齢を考えて、この程度でよいと我々大人が勝手に考えて止めているところがあり、それが子どもたちの興味・関心を失わせているのではないか。

○ 生徒の主体性や自由を尊重しすぎることによって、1人1人がどう生きるかということばかりになって、それぞれがつくる社会の中でどう生きるかということが失われている。

○ 大学入試に受かるための授業があるが、基礎・基本は、入試にかかわらず、教えていく必要がある。

○ 論理的にものを考え、仮説・検証的に学ぶことが重要である。

○ 国際社会に生きていく子どもたちを考えたとき、PISAやTIMSSの指摘をしっかり受け止め、教育課程に反映していかなければならない。

○ 理科について、3~4領域をやるために理科基礎、理科総合A、Bを1科目以上含むという規定があるが、実際には2領域しかしていないこともある。3領域以上をやればこの規定が外されるというようなことが必要ではないか。

○ 資料6-1 P.2の高等学校のところで、基礎的な科学的素養や科学に対する関心を持ち続ける態度を高等学校で育てるとあるが、小・中学校から関心を持たせることが重要である。高等学校では、持続型社会に向けて、発展性のある発想力を身に付けさせるべきではないか。

○ 理科について、質を高めながら量を精選する必要がある。

○ 体験学習や観察は大事であるが、時間的余裕がないことが問題である。このため、ビデオや写真を見せたりしているが、自然体験を行うための時間的余裕をつくってほしい。

○ 実験を行う場合、事前準備や実際の指導において1人の教師がやるのは困難がある。これを2人でやれるように加配をつけるなどの条件整備をしてほしい。

○ 理科について、日の出や日の入りを見たことがないなど、子ども達の自然体験が少ない。このような体験をどうつくっていくのかが大事である。学校教育は、教育の一部であり、家庭や地域社会の中、あるいは日常生活の中にある教育を社会に思い出させてほしい。そのため、体験して欲しいことをパンフレット的に作成し明示する。文科省は、家庭生活にまで口出しするのかというクレームは出ると思うが、そのクレームを通じて、家庭や地域社会に考えてもらうことが重要である。

○ 低学年の段階で理科的体験を学校の中できちんと行うことが重要であるため、低学年における理科の復活を望む。

○ 実験・観察を何度やってもペーパーテストの点数は上がらない。ペーパー重視にシフトしているのであれば、高校入試の中で、中学校で学んできたことを論文に書くなど、学習内容と評価の一貫性を国全体の教育システムに取り入れてほしい。

○ 数学について「読み、書き、計算」と言われるように、計算は他教科の基礎であるため、計算力の強化を行うべきである。具体的な計算能力を高める方法として、反復練習が必要であり、このことは、人間形成にも役立つ。

○ 算数・数学について、他教科との関連性を体験させることで、大切さや社会でも役立つことを子ども達に理解させる必要があるのではないか。

○ 理科について、小学校第2分野について、生命・地球の他に宇宙の観念も必要ではないか。生命・地球・宇宙の2区分にしてはどうか。

○ 実験について、きちんと実験の準備をして、仮説を立てて、行い、結果を分析すると、ペーパー試験も最終的には上がる。さらに、大学に入ってから大きく変わってくる。

○ 算数・数学、理科は2つ範囲があり、1つは、実用性であり、具体的な実験・観察を指す。もう1つは、抽象的な知の体系であり、思考実験を指す。実学性は、重要であり、その機会を増やしていくべきである。江戸時代の寺子屋はこのような実学が主流であった。

○ センター試験については、反対してきた。マークシートは上辺だけであり、アメリカのETSでも論述を取り入れだしているのに日本はまだ変わらない。抜本的に変える発想を教育課程部会からも発していくべきではないか。

○ 委員御指摘の円周率の件については、平成元年の学習指導要領改訂では、文部科学省の啓蒙活動ができていたのに比べて、平成10年の学習指導要領の改訂においては、不足していたことが原因であると考えている。今回の改訂では、変えるところについて、どうして変えるのか、変え方はどうなのかということを全都道府県に説明していくべきであり、教育課程部会の委員が説明に行くべきではないかとすら思っていたが、事務局の方でも同じことを考えているとのことであった。今回は、このような努力をしていくことが必要であると思う。

○ 日本はヨーロッパに比べ、算数・数学が役立つという割合が非常に低い。このことは、実体験が低いことによるものであり、それをすべて学校に押しつけている現状がある。実体験は社会での役割も重要であることから、国民運動を展開して社会に広げていくべきである。

(4)芸術専門部会における審議について事務局より説明が行われた。その後、芸術専門部会における審議についての説明を踏まえ、質問及び意見が出された。主な意見等については以下のとおり。

○ 唱歌があまり歌われていない。どのくらい歌われているのか。例えば、「赤とんぼ」の歌詞の意味を知らない大学生もいた。

○ 日本の伝統音楽重視は大事であるが、一方で、教育としては、ヨーロッパ近代の総合芸術もきちんと教えることが必要である。

○ 雨の音、水琴窟の音などのいわゆる環境音を聴いて音の感覚を研ぎ澄ます体験が、感性を磨くためには重要であり、幼児教育から取り入れるべきである。

○ 芸術については、世代間の融和を生むことから重要である。我が国の伝統文化継承の観点を色濃くだしていただきたい。

○ 部活動と授業との関係も考慮する必要がある。

○ 音楽について、子育てなどのいろいろな観点から日本の子守歌はどうなっているのか。また、盆踊りは大事な音楽・芸術であり、音楽の授業で扱うべきではないか。また、現在の子ども達は、描写力がないので、このあたりを図画工作・美術で補う必要がないが。

○ 書道については、国語教師にも字が下手な人が多い。パソコン導入で基本的な文字が書けなくなるのではないかという危惧がある。

○ 音楽について、リズム、旋律に加えてハーモニーが重要ではないか。文部省唱歌の「ふるさと」など、歌詞が実体験と合わないものが多い。あまり固執しないで、新しい感覚の新しい歌が必要ではないか。

○ 書道について、今後パソコン導入が進む中で、本当の字を教えるという点から、重視されるべきである。

○ 音楽、図画工作・美術について、思考・表現の育成には時間がかかる。学校週5日制導入に伴う時間削減により、一番ダメージを受けていると思うが、ある時期に集中的に授業を行ったり地域の音楽を授業で扱ったりする必要がある。また、図画工作科の教科書については、教師の指導力や技術力を高めるような示し方を考えるべきである。

○ 芸術は大学受験と結び付かないため教師が肩身の狭い思いをしている。感性教育は非常に大事なので、教師のステータスの向上が与えられる配慮がぜひ必要である。

○ 日本の学校のよさは、芸術について、常に一定の価値を認めて、時数を保持してきた点にある。国際学力調査の点数が高いことも、これらの教科に配慮してきたからだとする研究者もいる。一定の時数を確保し、この種の活動を価値あるものとする考え方を基本とすべきである。

○ 「表現」を重視することに賛成であるが、郷土や我が国の音楽に限らず、もっといろいろな分野や材料・活動ができるように、人的・物的に、財政上も援助を強化すべきである。

○ 理科や社会科など、教科に様々な分野がある教科については、教科全体の視点で、科目構成等を考えるようお願いしたい。

○ 条件整備について文部科学省の方で前向きに対応してほしい。

(5)最後に、事務局から今後の予定について説明があり、閉会となった。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)

-- 登録:平成21年以前 --