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教育課程部会(第41回) 議事録

1.日時

平成18年7月14日(金曜日) 10時~12時

2.場所

フロラシオン青山 「ふじ」

3.議題

  1. 高等学校部会での審議について
  2. その他

4.出席者

委員

 木村部会長、阿刀田委員、安彦委員、荒瀬委員、石田委員、市川委員、井上委員、植木委員、宇佐美委員、衞藤委員、佐々木委員、高橋委員、田村委員、角田委員、渡久山委員、中嶋委員、中村委員、深谷委員、無藤委員

文部科学省

 近藤文部科学審議官、板東官房審議官、布村初等中等教育担当審議官、常盤教育課程課長、合田教育課程企画室長、森友教育課程企画室長補佐
国立教育政策研究所
 惣脇教育課程研究センター長

オブザーバー

 鳥居会長

5.議事録

(1)事務局から配付資料の説明が行われた。

(2)資料1に基づき、高等学校部会主査の安彦委員より高等学校部会の審議について報告が行われた。その後、事務局より高等学校教育に関する論点案等について説明が行われた。

(3)高等学校における審議について説明を踏まえ、論点案に沿って質問及び意見が出された。主な意見等については以下のとおり。(○=委員、△=事務局)

【論点案1】 高等学校の教育の共通性と多様性について

委員
 高校生が共通に学ぶべき内容は、2点あり、1点目は、民主主義を理解させることである。具体的には、自分は社会のために何ができるのかを考えることである。2点目は、基本的人権の尊重を身に付けることである。そのことを踏まえ、自分の人生は自分が作るという自律的人格権に対する自覚を身に付けさせなければならない。以上の2点が、高等学校の教育の共通性と考えられる。

委員
 高等学校の3年間を義務教育の延長として12年間の中の最後の3年間と考えるのか、あるいは、義務教育は9年できっちり終了し社会や大学という次の段階に進むための助走期間と考えるのかを検討すべきではないか。

委員
 普通科・専門学科・総合学科それぞれにおいて、必要な履修科目を別々に考える必要があるのではないか。ただし、道徳教育・キャリア教育などは必修としてどの学科でも教育すべきではないか。

委員
 現在、高校の世界史は必履修科目だが、日本史・地理は必履修科目ではない。特に、日本史は、必履修科目にすべきではないか。

委員
 中退者や学び直したい人のために学び直しの機会を制度として保障すべきではないか。

委員
 高等学校のカリキュラムは、普通科を前提に考えられているのではないか。大学入試への対応を考えているため、芸術などがおろそかになっているのではないか。

委員
 高等学校では、分野を大きく括り、大学進学や職業選択に結びつけることを考えるべきであり、必履修教科は少なくして、自由に選択で単位を取れるようにしたらよいのではないか。

委員
 高等学校の多様化を行うには、条件整備が必要であるが、教員数が足りていない現状がある。

委員
 昭和46年の中教審答申から高等学校の多様化を打ち出して、35年が経ったが、高等学校の多様化は中途半端であり、抜本的に見直すことが必要である。

委員
 高等学校教育においては、大学や社会との接続を考え、義務教育9年間を含めた12年間での計画を考えていく必要があるのではないか。

委員
 97パーセントが高等学校に進学する状況の中で、高等学校では退学者を出さないようにしているが、退学者などを受け入れる受け皿が社会にないことが問題である。

委員
 学校の特色化をしないと、学校全体がだんだんと下がってくるという実態があるので、学力に応じた特色ある高等学校づくりが必要である。

委員
 道徳観や倫理観は、学力とは別の問題であると考える。例えば高等学校の公民科は、道徳を学ぶことができるような必履修科目とすべきではないか。

委員
 中学校選択教科と高等学校の科目選択の在り方の整合性はあるのか。整合性があるのであれば、高等学校で、どう活かされているのか。

委員
 高等学校の多様化については、多様化していないのではないか。

委員
 高等学校は、義務教育期間が修了し、人間として社会的自立をするための青年期の学校教育である。義務教育を修了した子どもたちは、能力・適性・興味・関心などを考慮して、高等学校を選択するわけであり、高等学校としても、そのような子どもたちを受け入れる多様な学校の在り方が求められているのではないか。高等学校は子どもたちの求めに応じるべく、多様な学校を設置してきていると思うが、それが十分かどうかを検証する必要があるのではないか。

委員
 高等学校では多様化した子どもたちの要請に応えられるようなカリキュラムをどう編成していくかを教育課程で検討していく必要があるのだが、平成元年に比べ、平成11年の学習指導要領の改訂では、高等学校が国民的な教育機関になったことを踏まえ、高等学校教育の選択の幅を広げつつ、必履修科目を設けて共通性を確保してきた。今回の学習指導要領改訂では、現行の学習指導要領が、子どもたちの要請に十分応えられているかどうかの検証をしつつ、見直しをする必要がある。

委員
 高等学校教育を修了すれば、社会人として活躍できる知識・技能、倫理観などを身に付けているということが1つの目標として必要ではないか。高等学校卒業時の進路は、様々であるため、高等学校教育においては、入口と出口を考えて、中身、教育内容、指導の在り方の共通性と多様性を考えながら、教育課程の内容を検討していく必要がある。

委員
 中学校段階では、自分の考えを根拠を持って論理的にまとめて述べる力を等しくすべての子どもに身に付けさせたい。このことが、1人1人の国民の人格形成と国家・社会の形成者の育成につながる。

委員
 学力について、中学校の段階ですでにかなりのばらつきがある。高等学校では、学力の低い子どもも受け入れられる多様な学校や教育課程、科目構成の在り方などを検討してほしい。

委員
 特長豊かな高校を増やすためには、すでに存在している特色のある学校が、その特長をきちんと広報していくことが必要ではないか。

委員
 義務教育は、身に付けるべき力を共通の内容や水準で整理することが可能だが、高等学校は、水準は様々であるため、将来、社会で生きるための力をどう保証するかという観点から共通性の整理が必要である。

委員
 高校教育には2つの側面がある。1つ目は、高校教育は義務教育からの接続の段階として、そのまとめ・整理としての側面である。2つ目は、高校卒業後の10年間は社会で生きるための学習や訓練を行う時期であり、そのための準備をするという側面である。従って、前者からは、その共通性が求められ、後者からは、多様性が求められる。

委員
 高等学校は、生徒の卒業後の生き方との接続の視点から、生徒の選択を可能にしていく必要があるが、生徒の模索、変更に対して柔軟に対応できるシステムにする必要がある。つまり、高等学校それぞれの多様性でなく、高等学校内のコースや科目の選択可能なシステムが必要である。

委員
 中学生と高校生の違いは、中学生までは、地域のコミュニティーとつながりがあるが、高校生では、途端に地域とのつながりがなくなる。高校生になれば地域づくりにも十分参加できる。高等学校のカリキュラムは、地域性を意識した思い切った方針を取り入れるべきではないか。

委員
 現在の高等学校は、何のために高校進学してきたか分からない生徒がいたり、教える側も明確なモチベーションがなかったり、非常に中途半端な状態があるのではないか。

委員
 高等学校で退学者がいるのは仕方ないが、そういう生徒の受け皿を総合的に考える必要がある。

委員
 高校教育を考える際には、最終的には大学受験制度に縛られている。小学校・中学校の入り口の改革を行っても、出口である大学まで一貫性を持ったシステムを作る必要がある。これだけ塾に多くの子どもが通うのは、大学入試の影響であると思うので、そのあたりも、総合的に議論していきたい。

委員
 高等学校は市民生活や職業生活を今後営んでいくための基本的なことを教えるということを学力に関わらず共通性として求めていくべきである。

委員
 高等学校における学力は多様であるため、学習指導要領も、均一的なものでなく、完全に習得を目指す部分と履修すれば良い部分に整理してはどうか。

委員
 多様な機会の提供は大切であり、特色ある高等学校を作るか、1つの高等学校の中で多様な科目を設置することが考えられる。しかし、前者は、入学後に変更ができない点、後者は、コストが非常にかかる点でともに完全ではない。これを補うためには、民間教育や社会教育をうまく活用した制度設計が必要ではないか。

委員
 高等学校では総合的な学習の時間等を活用して、学びの深さを体験することも大切である。

委員
 高等学校は多様化してきている。例えば国際化のような1つの目的に特化する形で、高等学校の多様化を進めているが、これは新たな方向性を示唆しているのではないか。

委員
 中・高の英語教育は文法重視からコミュニケーション重視に変えてきたところであり、文法重視に戻すのではなく、従来の英語教育の問題点を改善することが大切ではないか。

委員
 上位校や下位校は、手厚い指導体制になってきていると思うが、問題は中位校であり、生徒に生きる目的や学習意欲を持たせる教育に力を入れていくべきではないか。

委員
 高等学校は、すでに十分多様性があり、さらに多様化を進めるのか検討が必要である。専修学校や専門学校とは異なる高等学校という学校制度を考えれば、学校としての共通性も必要である。また、子どもの気持ちとしても、高校生であることのアイデンティティはどの高等学校に行っても共通に欲しいものであり、それは、何らかの形で担保すべきである。そのため、選択必履修ではなく、共通必履修が必要であると考える。この共通性を担保した上で、高校生がそれぞれの専門分野に入っていくことが大事である。

委員
 高等学校は、総合学科や単位制高校の導入など、多様化は進んできている。そのことは、高等学校の中退率の減少傾向に現れていると思う。

【論点案2】 高等学校における教育課程の改善について

委員
 社会で活用できる力を身に付ける必要がある。英語教育については、実践的なコミュニケーションのためにも基本的な知識は必要であり、それをしっかり踏まえないと実践的な力も十分に発揮できない。むしろそのバランスをしっかりとっていくべきである。

委員
 資料1の高等学校部会の主な議論では、国際理解教育が1つも出ていない。

委員
 高校生がもっと防災訓練など地域の活動に参加するようにしてはどうか。

委員
 高校生の時期は、体ができてくる時期なので、心身を鍛えることを強調すべきではないか。

委員
 高等学校部会では、国際理解教育というカテゴリーとしてまとまった形での議論は出なかった。

委員
 高等学校の多様化について、国際理解教育として、英語を媒体とした専門コースや専門学科を設置し、国際理解を深めようとする取組を行っているところもあるが、学校によって取組の強弱があるのが現状である。

委員
 研究指定を受けて特色ある取組を実施している学校は、指定を終えた後も、それを教育課程の中で活用し、活かしていく工夫を考える必要がある。

委員
 部活動や特色ある授業などに意欲的に取り組んでいる学校もあるが、多様化という点では、AO入試など、入試の多様化を進めなければ、高等学校に対する世間の現実の評価も多様化しないのではないか。

委員
 国の研究指定校の教育課程上の改善について求めていることを学習指導要領改善に活かすように検討することも必要ではないか。

委員
 多様化という言葉には、学科の多様化と高等学校の種類の多様化という2つの意味があり、学科数は多様化しているが、高等学校の種類の多様化が求められているのではないか。

委員
 高等学校で学ぶ最低基準として、全員が学ぶべきものは、共通必履修としてしっかり行うべきである。

委員
 規範意識の点では、法律と関係のない職業はないので、法教育をもっと重視してほしい。

委員
 キャリア教育については、学校だけに任せるのではなく、企業も一緒に取り組んでいくことも必要ではないか。

委員
 国際化の時代において、世界史を全く学ばないのは問題である。日本史との選択にすれば、多くの生徒が日本史を履修することになってしまうのではないか。

委員
 普通の高校でも、週1時間程度、教科としての英語ではなく、他の教科で、授業の始めから終わりまで英語による授業を行ってはどうか。

委員
 学区の廃止が高等学校の地域性をなくしてしまったが、地域に密着した高等学校作りを進めていくべきではないか。

委員
 日本国内では、日本の教育をネガティブに捉えすぎである。米国では、日本の数学教育を絶賛している。日本の教育はすばらしいが、今後さらにより良くするというスタンスで議論をしていくことが必要ではないか。

(4)最後に事務局から今後の予定について説明があり閉会となった。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)

-- 登録:平成21年以前 --