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教育課程部会(第11回) 議事録

1.日時

平成16年1月23日(金曜日) 14時~16時25分

2.場所

如水会館 「スターホール」

3.議題

  1. 初等中等教育の教育課程及び指導の充実・改善方策について
    ・学習指導要領の一部改正の報告について
    ・平成14年度高等学校教育課程実施状況調査の結果について
    ・中高一貫教育に係る教育課程の基準の特例について

4.出席者

委員

 木村部会長、横山副部会長、阿刀田委員、安彦委員、石川委員、今井委員、加藤委員、河邉委員、田村委員、渡久山委員、中許委員、西村委員、船津委員、前田委員

文部科学省

 金森初等中等教育局担当審議官、河野主任視学官、辰野初等中等教育企画課長、大槻教育課程課長、塩見教育制度改革室長、今里教育課程企画室長
国立教育政策研究所
 月岡教育課程研究センター長、西尾研究開発部長、西辻教育課程調査官、長尾教育課程調査官、清原教育課程調査官、田代教育課程調査官、加納教育課程調査官

オブザーバー

 浅田委員、小久保委員

5.議事録

(1)事務局より学習指導要領の一部改正について、資料1に基づく説明の後、自由討議が行われた。主な発言は以下のとおり。(○=委員、△=事務局)

委員
 3点伺いたい。1点目は、必要な指導時間の確保について、答申では、「当初から標準時数を下回って教育課程を編成することは通常考えられない」という表現であるが、資料1の一部改正通知の内容では、「年間授業時数の標準を上回る適切な指導時間を確保するよう配慮すること」となっている。この関係は、どのように解釈すればよいか。
 2点目は、一部改正通知の「入学者選抜における取扱い」の内容は、推薦入試や学校独自で作成する入試、私立中学校・高等学校における学力検査にも適用になるのか。
 3点目は、学習指導要領の表記が「,(カンマ)」であるため、「、(テン)」を用いると教育委員会で直される場合があるが、読点の「カンマ」と「テン」について伺いたい。

事務局
 1点目について、答申の該当部分は、標準時数とはどういう性格のものかということについて述べている。一方、一部改正通知の該当部分は、同じ事柄ではあるが、標準時数の性格というよりは、実際に指導時間を確保するに当たって必要となる取組について示しているものである。
 2点目の「入学者選抜における取扱い」については、いわゆるペーパーテストによる選抜だけではなく、学習指導要領の内容にかかわる全ての選抜が対象となる。なお、「入学者選抜における取扱い」は、これまでと同様であり、平成10年の新学習指導要領を告示した際の通知の内容を、今回の一部改正通知に確認的に盛り込んだものである。
 3点目の読点については、答申や文部科学省の通知等では、横書きの場合、読点には通常「カンマ」を使用しているが、この表記自体に強制力はない。

委員
 学習指導要領が確実に定着するためには、指導時間の確保や指導方法、指導体制の工夫改善が大事である。児童生徒にわかりやすい授業を行うためには、教材研究の時間が必要であるが、教員は多忙である。よって、教材研究の時間の確保について、配慮いただきたい。

委員
 「カンマ」と「テン」については、学習指導要領における表記と一般に使用されている表記が異なっているので、この点について検討してはどうか。

(2)事務局より平成14年度高等学校教育課程実施状況調査の結果及び調査結果を受けた今後の取組について、資料2-1から資料2-6に基づく説明の後、質疑応答が行われた。主な発言は以下のとおり。(○=委員、△=事務局)

委員
 試験の途中にあきらめてしまう受験生が多いことや今回の調査の無答率の高さを見ると、高校生にはわからないことに対して粘るとか、試行錯誤する力などが育っていないと感じる。各教科の指導内容の改善だけではなく、高等学校の授業の在り方の抜本的な改革が必要である。
 また、学校図書館の活用が大切であるが、司書教諭の配置状況はどのようになっているか。

事務局
 御指摘のように、指導内容の改善だけではなく、全体として指導方法や教材の工夫・改善が必要である。個に応じた指導の一層の充実などを通じて、生徒にとってわかる授業を行うことが大切だと考えており、学校においてもそうした視点での検討・改善をお願いしたい。
 また、司書教諭については、学校図書館法の改正により、平成15年度から12学級以上の小学校、中学校、高等学校に配置が義務付けられているが、さらに活用していく必要があり、各都道府県の取組を支援していきたい。

委員
 3点伺いたい。1点目は、各科目とも問題冊子が2種類あるのはなぜか。
 2点目は、化学1Bの評価の観点別に見た場合の「関心・意欲・態度」は、5問中4問で設定通過率を上回っている又は同程度と考えられるにもかかわらず、指導上の改善点で、「興味・関心を喚起すること」とある。これは、アンケート調査を基に分析しているためであり、結果が矛盾している。設定通過率の考え方によって、データの読み取りが違ってくるが、どうお考えか。
 3点目は、絶対評価の一つの基準である設定通過率に到達したかを前提として問題を作成しているが、2種類の問題を合わせ、正規分布を前提とした標準化をしている。問題をつくるときのコンセプトと得点の処理方法が異なっていると思うが、いかがか。

事務局
 1点目について、2種類の問題を作成したのは、時間の面で各学校の負担を軽くすることと、生徒の実現状況を広い範囲で把握するということの両立を図ろうとしたことによる。
 2点目について、設定通過率は、問題ごとに考えている。「関心・意欲・態度」の設定通過率は、「思考・判断」や「知識・理解」など、別の観点との組み合わせでできている。設定通過率の定め方については、次回以降も検討していきたい。
 3点目について、基本的な評価は、個々の問題に対する通過状況によって考えている。標準化得点については、全体的な分布や実現状況の比較など、傾向を見るものとして扱っている。

委員
 教員に対して、今回の調査結果をどの程度還元するのか。また、調査結果を評価していくに当たって、教員との意見交換等の機会はあるのか。
 なお、生徒の学力については、時間軸や量の軸によって測る調査も、必要ではないか。

事務局
 問題や調査結果については、都道府県教育委員会や調査協力校に提供している。また、科目別に、調査結果の概要及び指導上の改善点をまとめた冊子を作成するが、その説明会等の機会に、教員の意見も伺い、今後の調査等に反映させていきたい。

委員
 数学の結果がよくないが、数学は学習を積み重ねる教科であり、小学校の算数につまづくと、中学校や高等学校の数学にまで影響を及ぼす。よって、小・中・高等学校を通じた指導上の改善策が必要である。
 また、理科については、指導上の改善点として、実験の重要性を指摘していて、その通りだと思うが、教員にとっては、実験に割く時間の確保や教材研究の面で大変である。
 小学校・中学校・高等学校に進むに従って、勉強が好きだ、勉強が大切だと答えている子どもの数が減っていることが大変気にかかる。この結果を、教員の指導及び教育システムの両面から検証するとともに、資料2-6に示されている改善方策を着実に実施していく必要がある。

委員
 高校生は勉強する生徒としない生徒に二極化している。これは、経済状況の変化が、教育に影響を及ぼしているからだと思う。高校3年生の11月の時期には、〈自分はフリーターになる〉というあきらめから、勉強する意欲をなくしている生徒がいる。それが、この結果にあらわれていて、このことを指摘しておかなければ、今後、大きな社会問題になると思う。

委員
 高校生の約4割が学校以外でほとんど勉強しないことについては、高校生の実態なども踏まえて考える必要がある。
 市で実施した中学校の学力調査の結果を見ると、理科の平均点がその他の教科よりも低かった。生徒の興味・関心はあるのに、勉強につながっていないことは問題である。

委員
 教員は忙しく時間がないという意見をよく聞く。一部の教員は確かに非常に忙しいが、やらされているという感覚ではなく、自分の意思でやっていると感じる。大切なのは、時間やスケジュールという問題ではなく、教員としての自分の在り方や、人に物を教える本質を、個々の教員がきちんと自問することである。

委員
 今回の調査結果については、各科目ごとにさらに詳細に分析し、計画的に改善策を講じていく必要がある。

委員
 学習意欲の低下は、高校生だけではなく、小学生から既に見られると感じる。なお、小学校と中学校の連携が、学級担任と教科担任の違いなどからうまく図れてない。小学校、中学校、高等学校のそれぞれの教員が、子どもがどう育っていくかということをしっかり見ていく必要がある。具体的な改善方策として、小学校、中学校、高等学校の連続性や接続性を考えていく必要がある。

委員
 IEAの調査等では、我が国の中学生の理科の成績は、国際的に見て上位であるが、高校生になると上位ではなくなる。日本は欧米に比べると、理科が生活にとって大切だと答えたり、理科に関係する職業に就きたいと答える生徒の割合が少ない。また、我が国の大人は、科学技術に対するリテラシーが国際的に見てとても低い。よって、これらの要因を詳細に分析し、その改善につなげていく必要がある。

(3)部会長より教科別専門部会の今後の体制について、資料3に基づく説明が行われ、調査結果が取りまとめられた高等学校の4教科及び小学校、中学校の未設置の教科について新たに教科別専門部会を設置することが了承された。

(4)事務局より中高一貫教育に係る教育課程の基準の特例(案)について、資料4-1から資料4-2に基づく説明が行われ、審議の結果、了承された。主な発言は以下のとおり。(○=委員、△=事務局)

委員
 今回の特例の拡充については、現場からの強い要求に応えるものでもあり、この方向でよいと思うが、配慮事項には十分留意する必要がある。

委員
 今回の特例の拡充は基本的によいことだが、一部の教員が中学校と高等学校の両方の教員免許を有していないことにより、中高一貫教育を進める上で苦労することがある。この点についても、並行して検討願いたい。
 また、連携型の中学校・高等学校では、選択教科の履修等で生徒に問題が生じないよう、十分な配慮が必要である。

事務局
 教員免許の件については、制度的な問題も多々あるが、検討させていただきたい。
 連携型の公立中学校は、就学指定の対象になっている。また、連携している高等学校に進学する生徒ばかりではないため、各学校ではその後の進路などに十分配慮して、教育課程を組む必要がある。
 なお、連携型中高一貫教育校に適用しようとする特例は、選択教科の範囲を通常の学校よりも拡大して、できるだけ6年間を見通した教育課程を組むという趣旨を生かせるように提案させていただいたものである。

委員
 6年間一緒に学校にいると、生徒と教員の間や生徒同士の間でも、人間的な関係や交わりを強くはぐくむことができる。また、高等学校の教員が中学生を教えることで、よりわかりやすく教えられるというメリットがある。

委員
 今回の特例案は、指導内容の一部を入れ替えて指導することを可能とするものだが、現場は、より弾力的な対応を求めている。
 教員免許の件については、公立の場合、多くの中高一貫教育校をつくるわけではないため、両方の教員免許を有している教員を配置することで解決できる。また、中学校、高等学校の教員採用試験において、原則として両方の教員免許を有していることを受験資格とすれば解決する。

委員
 中高一貫教育は、入試という接続部分がなく、6年間一貫した教育により、最終的に高等学校卒業レベルの能力を身に付けさせることができるので、望ましいと思う。
 ただし、中学校の入学時点で競争が生じているところもあるので、高等学校入試の今後の方向性と併せて検討する必要があるのではないか。

(5)事務局より今後の日程について説明があり、閉会となった。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)

-- 登録:平成21年以前 --