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教育課程部会(第4回) 議事要旨

1.日時

平成15年3月17日(月曜日) 15時20分~17時

2.場所

霞ヶ関東京會舘 「シルバースタールーム」

3.出席者

委員

 市川委員、今井委員、河邉委員、木村委員、田村委員、渡久山委員、西嶋委員、西村委員、橋本委員、船津委員、宮崎委員、森川委員、横山委員

文部科学省

 矢野初等中等教育局長、小田主任視学官、辰野初等中等教育企画課長、大槻教育課程課長、瀧本教育制度改革室長、今里教育課程企画室長

オブザーバー

国立教育政策研究所
 月岡教育課程研究センター長、西尾研究開発部長

4.議事要旨

(1)委員紹介の後、互選により木村委員が部会長に選出され、部会長より横山委員が副部会長に指名された。

(2)本部会の会議の公開等について諮られ、資料2のとおり決定した。

(3)高等学校通信制課程におけるインターネットの活用について、初等中等教育分科会での意見聴取に引きつづき審議が行われ、資料3の事務局案が了承され、学習指導要領の改訂作業に入ることとなった。

(4)平成13年度教育課程実施状況調査の結果の教科別分析の状況について、月岡教育課程研究センター長及び各教科担当の教育課程調査官より資料4及び資料5に基づく説明の後、質疑応答。主な発言は以下のとおり。(○=委員、△=事務局)。

○ データについて説明がありました。解釈は非常に難しいと思いますが、御質問等ございましたらお願いをしたいと思います。
 同一問題の通過率比較を見ると、どうも受験というのが効いているような感じがします。中学校1、2年生は前回を下回るものが多いけれども、3年生になるとそれが減ってくるという傾向が見えますが、その辺はどうですか。

△ 子どもたちの意識調査の中で、勉強する時間というのを聞いておりますけれども、中学校に入りますと勉強を全くしないとか、30分未満とか、そのように答える割合が少し増えまして、特に1、2年生でそれが一番多いという状況になります。それが3年生になりますと、明らかに勉強する時間が増えますので、御指摘のように、中学校3年生においては、1、2年生とは若干違う行動が見られます。

○ 今回の結果をおおむね良好と見ることもできるかもしれませんし、多くの点で落ちている、あるいは過去と比べて不十分である点がいろいろとあるということも事実かと思います。
 特に今回、学習行動、あるいは学習意識についても調査し、中学校3年生になると英語や数学に関しては4分の3くらいの子どもたちが塾に行っているという資料もあります。日本の中学校3年生の子どもたちが、学校教育だけではなくて、受験ということをかなり意識している、そして塾に通うということによって、学校での学習を補完して学力を何とか保っているという見方もできるかと思います。日本と韓国は国際比較調査でもいい結果を出していると言われますけれども、似たような状況にありまして、受験と塾ということで補っている。学校教育としても考えなくてはいけない問題を随分含んでいるような気がします。
 最近、塾や通信教育の指導について、私も話を聞いたり実際に見たりしていまして、狭い意味での受験勉強ということではなく、ふだんの学習の仕方や学習への興味づけの仕方など、本来公教育でもやるべきことが結構含まれているのではないかという気がします。つまり、塾や通信教育で補える子はそれなりに補って学力をつけているのかもしれませんが、経済的にそういう教育を受けられない人もいる。かなり基本的な学習スキル、学習意欲を身に付けさせるということであれば、それはむしろ学校教育の中で、公教育として取り入れるべきではないかという気がします。
 「指導上の改善点」について、すごく妥当な点がたくさん出ていると思います。ただし、もう少し全体的に取り上げてもいいと思いますのは、今申し上げましたふだんの学習の仕方というのでしょうか、一昔前であれば、ある程度受験の圧力もあって、その中で学習方法を工夫したりすることが自然に起きていた。最近、学習意欲も下がっていまして、世の中にも楽しいことがたくさんあるという状況で、子どもたちは形骸的な勉強をして、何とか作業をこなすように済ませてしまって、もっと楽しいことをやりたい。こういう状況のときに、基本的な学習の仕方についてもう1回目を向けて、ある程度家庭学習も含めた学習の仕方への支援に目を向けていく必要があるのではないかという気がします。
 教科に関して、中学校の外国語については、私はここに書かれてあることは非常に妥当だと思います。中学校の英語では、書くことについてどうも不十分で、特に語順が身に付いていない。これはこの10年くらいの間でしょうか、それまでの英語教育に対する反省からだったと思いますが、文法軽視という傾向が随分出てきたのではないか。その結果、子どもたちの表現ですけれども、「並べ方がわからない」と言うのです。並べ方というのは、文をつくるときの語順です。文構造がわからないということで、子どもたちが授業に対しても「わからない、わからない」という不満を持っている。
 コミュニケーションを重視するということは、決して文法を軽視するということではないと思いますので、そういう基本事項をしっかり押さえた上で、コミュニケーションの場を設けていくことが、改めて必要になっているような気がします。

○ 一つは、資料4の2ページ、「『3(全般的に)勉強が好きだと思う』(『どちらかといえば好きだと思う』を含む)」が小学生では37%、中学生で18%とあります。そこが何となく問題のような気がします。教科に対して、あるいは勉強に対して好きだと思う気持ちが、中学生では2割ぐらいしかない。全般的な話ですけれども、どうしてなのだろうか。
 これは教科あるいは教科の内容だけではなく、指導の方法とか、あるいは今、習熟度別と言われているのですが、行き届いた教育ができていない条件にも関係があるのではないかと思うのです。
 それから、「4」はこのように解釈していいかどうか。「学校の授業がよく分かる、又は、大体分かる」というのが、小学生で60%、中学生で44%です。よく「7・5・3」と言います。「7・5・3」よりも下回っているのです。「7・5・3」とは、小学生の70%がよくわかるか、大体わかる。それよりも下回っているということは、これもまた由々しき問題なのです。よく言われた「7・5・3」の時代から10年ぐらいたっているのですが、ますますわかる子どもたちの数が少なくなっているということが問題なのです。
 この「3」「4」について教えていただきたいというのが一つです。

△ 「3」の「勉強が好きだ」についてですけれども、資料4の5ページに少し詳しい数字を載せてございます。そこでは御指摘のように、教科を問わずに、全般的に「勉強が好きですか」と問うと、このような状況になるわけでございますが、これを教科ごとに見てみますと、「好きだ」と答える割合が勉強全般として聞くよりは増えています。子どもたちが質問をされたときに何をイメージしながら答えたのだろうかということです。
 もう一つは、国語の勉強が好きかと聞かれると、「国語の勉強が好きだ」、理科の勉強が好きかと聞かれると、「理科の勉強が好きだ」と答えておりますので、勉強全般を見ると同時に、あわせて各教科ごとの反応も見なければいけないのではないかと思っております。
 それから「4」の「よくわかる」のところですが、これも実は同様の事情がございまして、勉強全般で見ますと、委員御指摘のように、小学生6割、中学生4~5割というところでございまして、これは前回、文部省が平成10年2月に調査いたしました「学校教育に関する意識調査」とおおよそよく似た、ほぼ同様な状況になっているのではないか、そのように受けとめております。
 個別の教科名を挙げて質問を行った場合については、例えば、「国語の授業がどの程度分かりますか」といった状況でございますが、これも授業全般と比較いたしますと、「わかる」という方向で答えている子どもが増えております。同時に「わからない」という方向で答えている子どもも増えておりますので、教科を挙げて聞きますと、子どもたちはより鮮明な反応を示していると思います。
 したがいまして、勉強全般を通して見るということが、一つ概括的な判断としてはあろうかと思いますけれども、教科ごとに、あるいは教科の内容に分けて、さらに細かく聞いて、細かく子どもたちの様子を見て、その様子に応じて指導の方法等を改善・工夫していくことが必要ではないかと考えております。

○ 今回の結果には二つの側面があると思います。一つは、教育内容が難しいのか難しくないのかという面と、もう一つは指導がより効果を上げているか上げていないかという面です。
 先だってカリキュラムの3割減というのが出てきたのは、難しいからやや減らして、より理解する程度を上げようという考え方だったと思いますけれども、それについてはいろいろな批判もあって、それではいけないという形で、発展学習という一つの考え方が出てきたと思います。
 私は教科の内容そのものもまた精選し、検討されるべきだと思いますけれども、それよりも、わかる授業をどういう形で条件整備をするのか。少人数学級をどうつくっていくのか。習熟度別学級といっても、いろいろの誤解を受けるのですが、例えば今、絶対評価と一緒になって習熟度別学級をやる場合、習熟度別学級が固定化してしまうと差別的な形になりますので、それが差別的にならずに、常にわかる学級といいますか、グループをA、B、Cに分けると、CだったのがBへ、BだったのがAへ行けるような形をつくることによって、もっとわかる授業をつくっていく。そのために、もちろん教員の資質の問題もありますけれども、条件整備をやっていく。そういう面からのとらえ方も含めて総合的な検討をしていただきたいと思います。

○ 現場の校長としてこの結果をどう見るかということも大きな問題だと思っています。私はこの結果、この程度なのだろうという思いがまずしております。
 と同時に、この結果について、学習指導要領の目標・内容に照らしておおむね良好という結果の判断をされておりますけれども、過去の同一問題の結果の比較から言えば、この課題は大きいという思いをしながら、私たちは深刻に受けとめている状況であります。小学生のとりわけ社会と算数が落ち込んでいることについては、非常に困った問題だという思いをいたしております。
 ただ、非常に大きな問題は、この調査は旧学習指導要領に基づいた調査であります。そして、旧学習指導要領、いわゆる「新しい学力」と言われた、そして「自ら学び自ら考える」という路線を新学習指導要領も引き継いでいるということであります。その中で一番問題なのは、テストを見てみますと、機械的に計算するとか、機械的に書くということについてはある程度できる。ところが、二つの資料を組み合わせて考えるとか、あるいは国語であれば、目的・内容に応じて、場に応じて文章表現することができるとか、あるいは資料の有効的な活用というところに相当な落ち込みがあるという部分は、新学習指導要領が同じ路線でいくわけでありますから、これは大変な問題だという思いを私自身はしているわけであります。
 そういう意味においては、おおむね良好であったということはいいのですが、ぜひとも厳しい評価をしてほしいという思いがしております。私たち校長会のほうも現場感覚でこの問題をどうとらえてどうすればいいかということを検討している最中でありますが、ぜひとも教育課程研究センターから厳しい分析、そして私たちに指示を与えていただければ、対応していきたいと考えております。

○ 私個人は、アンケートというのは非常に難しいと思っております。といいますのは、例えば先ほど御指摘の資料4の2ページの「3」のところで、理科について、小学生が69%、中学生が55%好きだと言っているのは、PISAの結果とは全然違うのです。ちょっとしたクエスチョネアの与え方で、答えとしてはデリケートな結果になってくるので、あまりこれにこだわらないほうがいい。
 殊に日本人のアンケートに対する答え方は、子どもまで含めて独特のものがあるのです。例えば、御指摘のところの「3」で、理科は小学生の69%が好きだと言っています。ところが、「勉強が好きか」と聞かれたら、37%しか「イエス」と言っていないのです。恐らく日本人のメンタリティーとしては勉強が全部好きでないと「イエス」と答えないということがあるのです。私自身、英国でいろいろなアンケート調査をやってみて、つくづく思います。ちょっとでも芽があると、向こうは「イエス」と答えてくるのですが、日本人はすぐ引いてしまう。
 その辺のところは相当考えて、我々としてはこういう問題にあまり神経質にならないほうがいいのではないか。もちろん結果を真摯に受けとめることは必要なのですが、大事なのは、資料5のほうにありました、どういうところの指導を改善していくか、その辺に我々の議論を集中したほうがいいのではないかと考えております。
 それから、OECDの調査で、理科とか、算数が好きかということを調べた結果があるのです。例えばTIMSSにしろ、IEAにしろ、PISAにしろ、シンガポールとか、韓国とか、日本は、理科、数学の成績が非常にいいわけです。ところが、OECDの調査によりますと、その3ヵ国で理科、算数が嫌いなのが際立っているのです。ですから、ゴリゴリやられると成績は良くなるのですが、それに対して「嫌だ」という気持ちが出てきてしまうということです。それは非常に難しい問題を含んでいる。そういうデータを見ていると、非常に複雑な思いがいたします。
 これは途中経過の報告ということでありまして、近々、教科ごとの分析報告書が取りまとめられるということの報告がありました。そういうことで、私といたしましては、各教科ごとの細かな点について、教科ごとに専門的な審議を行っていただく部会を設置していただいてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

○ 報告書は非常に貴重な資料でございますので、この報告書を踏まえた詳細な点も含めて検討する観点から、ぜひとも教科ごとの部会を設置していただければと考えております。

○ それでは、そのようにさせていただいてよろしゅうございますか。

○ 私も、今回の結果を、きちんと受けとめていかなければならないと考えているわけですけれども、特に子どもたちを見ておりますと、意欲を持ち、自信を持ったときにすごい力を発揮してくるわけですが、意欲のない子どもたちが若干いるわけです。そういう子どもたちをどう引き上げていくのか。そのための指導方法の工夫・改善をどのようにしていくのか。そのようなことが一つ大きな課題に挙げられます。
 特に小学校では、算数、社会の話が出ましたけれども、積み上げの必要な中学校の数学や英語についても、小学校の算数の段階でつまずいている。算数の何学年あたりでつまずいているのかといったこともきちんと一人一人の子どもたちを把握した上で、補充学習等をしていく必要があると考えているわけです。
 今、いろいろな指導法の工夫をしているわけですけれども、数年前までは、現在も行っていますが、ティーム・ティーチングや習熟の程度に応じた指導、さらに少人数学習と、いろいろ指導の工夫を行っているわけですけれども、一番大切なことはいかに学習意欲を高めさせるか。個に応じたきめの細かな指導をどのように行っていくのかということも大変大切だと思っています。
 今、家庭学習の定着がなかなかできず、学校で授業を行っただけでは補充ができないということで、夏季休業中も補充教室等を行いながら補充学習を行っているわけですが、子どもたちが自分から勉強する意欲をどう高めていくかということが、一つ大きな課題として挙げられます。
 国立教育政策研究所で、このような調査を行い、また、これから指導資料を出されるということですけれども、今後、分析を行いながら、よりよい方向を見つけ出す具体的な施策を行っていただけるとありがたいと思っております。

○ ただいま申し上げました教科別の専門部会の設置も含めまして、今後の審議方法、具体の審議事項については、私と事務局とで検討させていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。また、もちろんこの部会でも御意見をいただきたいと思います。
 それでは、そのように取り進めさせていただきたいと存じます。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)

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