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教育課程部会(第74回) 議事録

1.日時

平成20年12月22日(月曜日) 10時~11時30分

2.場所

文部科学省旧庁舎6階「第2講堂」

3.議題

  1. 高等学校学習指導要領及び特別支援学校学習指導要領等について
  2. 移行期間中における小学校児童指導要録の取扱い,及び幼稚園幼児指導要録について
  3. TIMSS2007の結果報告について

4.議事録

【梶田部会長】

 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第4期第21回教育課程部会を開会したいと思います。
 教育課程部会としましては久々の開催となります。年の瀬の慌ただしい時期にもかかわらず、委員の皆さん、御参集いただきまして本当にありがとうございます。
 まず、最初に、このたび委員として御就任いただいた方がいらっしゃいますので、御紹介いたします。港区御成門中学校の校長で、全日本中学校長会会長の壷内明先生です。

【壷内委員】

 壷内明でございます。
 日本の教育の充実、発展のために、皆さんと一緒に勉強させていただきたい、このように考えております。
 よろしくお願いいたします。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 なお、本日は欠席されておりますけれども、東京都教育委員会教育長の大原正行委員も新たに御就任いただいております。
 なお、中村正彦委員は本年8月をもって、草野一紀委員は本年10月をもって中教審を御退任されましたので、この場をおかりまして御報告いたします。
 続きまして、事務局にも異動があったようでありますので、御紹介いただきますとともに、配付資料の確認をお願いいたします。

【神山教育課程企画室長】

 それでは、まず、事務局の異動について御紹介させていただきたいと思います。
 まず、布村審議官の後任として着任いたしました徳久大臣官房審議官でございます。

【徳久審議官】

 徳久でございます。よろしくお願いいたします。

【神山教育課程企画室長】

 それから、合田教育課程企画室長の後任として着任いたしました、私、神山と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、配付資料の確認にまいりたいと思います。お手元の配付資料1枚目に「議事次第」がございまして、その後、資料1からございます。
 資料1が委員の名簿になってございます。資料2-1は「高等学校学習指導要領案のポイント」という紙でございます。それから、資料2-2「高等学校各教科等の改訂案のポイント」を入れてございます。そして、資料2-3「スケジュールの概要」という紙を入れさせていただいております。それから、資料2-4「高等学校学習指導要領改訂案」という冊子を置かせていただいておるかと思います。資料3-1特別支援学校学習指導要領等改訂案のポイント」という紙でございます。それから、資料3-2が「特別支援学校 教育要領・学習指導要領改訂案」ということで、冊子を入れさせていただいておるかと思います。資料4-1「移行期間中における小学校児童指導要録及び中学校生徒指導要録の取扱いについて」でございます。それから、資料4-2「幼稚園幼児指導要録に記載する事項」を入れさせていただいてございます。そして、最後、資料5ですが、TIMSS2007の関連資料を入れさせていただいてございます。
 それから、本日御欠席の陰山委員から簡単な御意見をいただいてございますので、机上に配付させていただいてございます。
 私からは以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 本日は、基本的には、幾つか御報告をいただきまして、皆さんで意見交換をしたいと考えております。大きな報告は、高等学校と特別支援学校の指導要領が、これからパブリックコメントをかけて、告示にもっていくということはありますけれども、まとまったという報告があります。それから、今、資料ということで御報告がありましたけれども、移行期における小学校、中学校の指導要録をどうするかという御報告。それから、TIMSS、IEAやっている国際比較調査、昨年実施した結果が出ましたので、これの報告となっております。
 最初に、高等学校と特別支援学校の指導要領の改訂案を報告していただきますが、これは、御承知のように、この教育課程部会で3年ほど皆さんに議論していただいて、その下に19の専門部会もできて、頑張って細かいところを詰めていただいたわけです。3年間やって、今年の1月17日に答申という形で出しました。これに基づいて、幼、小、中につきましては、3月28日に既に告示されております。6月にはその移行措置についても発表されているわけですけれども、高等学校と特別支援学校につきましては、その後、鋭意、ずっと詰めていただいておりました。
 私どもは、文部科学大臣に、こういうことで改訂したらどうでしょうという答申を出すわけですけれども、指導要領の中身をつくるのは文科省のお仕事なわけです。ですから、本来は、別に教育課程部会で報告もしなくてもいいようなものなのですけれども、今回、非常に大きな改訂でありますので、どういう経過で、どういうふうになったということを、今日は高等学校と特別支援学校について御報告いただきます。
 今後、趣旨徹底をどうするかというようなことを含めて、後で皆さんに御意見をいただきたいと思っております。
 では、最初に、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領の改訂案につきまして、御報告いただきたいと思います。

【高橋教育課程課長】

 それでは、私から、高等学校の学習指導要領案について御報告させていただきます。
 今、梶田部会長から御説明いただきましたように、この指導要領案は、今年1月の答申の改訂方針に従いまして、また3月28日に告示いたしました中学校学習指導要領との接続にも考慮した上で、作成いたしております。資料としては、資料2-4の冊子の形で配付しておりますが、何分、300ページに及ぶ大部なものでありますので、本日は資料2-1から2-2、2-3のポイントを使った簡潔な説明にとどめますが、お許しいただきたいと思います。
 まず、資料2-1、改訂案のポイントを御覧いただきたいと思います。1番に今回の改訂の基本的な考え方を示しておりますが、これは、小中学校と共通の考え方でございます。まず、教育基本法改正で明確になった教育理念を総則や各教科に盛り込んでおります。そして、「生きる力を育む」という基本理念は現行の理念を継続しております。2点目としまして、これも学校教育法改正で明記されました知識・技能の習得と、思考力、判断力、表現力等の育成のバランスを重視する。3点目としては、道徳教育や体育などの充実により、豊かな心や健やかな体を育成する。こういった基本的な考え方で、改訂をいたしております。
 そして、卒業単位数につきましては74単位以上。必履修科目の単位数は最低31単位。ここは答申どおり据え置きにしております。
 次のページをお開きいただきたいと思いますが、各教科・科目、左側に改訂案、右側に現行という、対照の形で整理いたしております。実は、これは、答申につけられました表とほぼ同じでございます。厳密に言いますと、答申では、新しい理科で、「課題研究」になっておりましたが、「理科課題研究」といたしております。それ以外は答申どおりでございます。
 一応、念のため確認しておきますが、国語、数学、外国語においては、共通必履修科目を設けており、科目の再編を行っております。
 また、理科については、物理、科学、生物、地学の基礎科目から3科目以上履修した場合には、総合科目、今回は「科学と人間生活」という名称になっておりますが、総合科目を履修しなくてもよいように、履修の柔軟性を向上させております。
 なお、答申に至るまで御議論いただきました特に地理歴史科の世界史の扱いでございますが、これは現行どおり必履修となっておりまして、日本の扱いについては充実を図っております。これは後ほど御説明させていただきます。
 それから、また1枚目に戻っていただきまして、教育内容の主な改善事項といたしましては、言語活動の充実、理数教育の充実、伝統や文化に関する教育の充実、道徳教育の充実、体験活動の充実、外国語教育の充実、職業に関する教科・科目の改善、その他、各種重要事項の改善が行われております。これにつきましても、大きな柱立ては小中学校と同じでございますが、少し、具体的な内容を資料2-2の改訂案のポイントの冊子を使って、御説明させていただきます。
 それでは、恐縮ですが、資料2-2、まず、1ページ目を御覧いただきたいと思います。1ページ目は総則の改訂のポイントですけれども、まず、「教育課程編成の一般方針」として、例えば改正教育基本法の理念を道徳教育の目標に追加するなどの改正を行っております。ここで大きく5点挙げておりますが、ほぼ小・中学校と同様の改訂となっております。
 それから、(2)でございますけれども、生徒の中には、義務教育段階での学習内容の確実な定着を必要とする者もいることも踏まえまして、学校生徒の実態に応じて、必要な場合には、具体的な工夫として、定着のための学習機会を設けること、必履修科目の増単位を図ること、学校設定科目等を開設することなどを例示いたしております。
 ここに掲げられておりますようなことは、現行の学習指導要領においてももちろん可能でありまして、現実に各学校では行われているところもあると思いますが、高等学校の必履修科目の確実な修得が一層図られるように、今回、確認的にこのような規定をおいております。
 そのほか、(3)でございますけれども、これも答申を踏まえまして、全教師が協力して道徳教育を展開するために、学校教育活動全体を通じて行う道徳教育について、全体計画を作成する旨を規定したほか、学習のおくれがちな生徒や障害のある生徒に対する配慮規定の充実、情報モラルを含めた情報教育に関する規定の充実、中学校と同様、部活動に関する規定の整備を行っております。
 2ページ目、国語についてでございます。「国語総合」を必履修科目にしたことに伴いまして、従来の選択必修であった「国語表現1」と選択の「国語表現2」を内容を再構成して、3単位科目の「国語表現」といたしております。
 また、「現代文A」を新設して、現代文、古典、いずれも2単位のA科目、4単位のB科目の構成といたしております。
 主な改善事項は、左上の箱の中に書いてありますけれども、まず、社会人として、また各教科における学習に必要な言語能力を身につけるために、言語活動例を「内容の取扱い」から「内容」に移して、記述を具体化し、討論、説明、創作、批評、編集などの言語活動の充実を図っております。これは小・中学校の国語の改訂ともあわせたものでございます。
 また、「国語総合」では、「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」を設けまして、古典に関する興味、関心を広げるよう指導事項を新設するなど、教育基本法の改正も踏まえた古典に関する指導の充実を図ったところでございます。
 少し駆け足になって恐縮ですが、4ページ、地理歴史科でございます。地歴科では、世界史、日本史、地理、これらの相互の関連付けを図ることを各科目の目標に明示し、特に必修の世界史では、例えば導入部で、世界史Aでは、自然環境と歴史といった地理とのかかわり、日本列島の中の世界の歴史など、日本史とのかかわりに関する項目を設けて、また各時代における世界の動向と日本のかかわりも内容に明記するなど、日本史や地理にかかわる内容の充実を図っております。
 また、各科目においては、課題を探求する学習を設けたり、地図、年表など、さまざまな資料を活用した学習を一層重視するなどの改善を図っております。
 このほか、教育基本法の改正で、宗教に関する一般的な教養に関する教育の充実がうたわれましたので、この地歴科の各科目において、そのような改訂も行っております。
 次に、6ページでございます。公民科でございますけれども、科目構成の変更はございません。
 今回では、現代社会、倫理の各科目では、人間としての生き方、あり方についての考察を充実するなどの改善を図っております。
 また、現代社会、政治・経済では、グローバル化や規制緩和の進展、司法の役割の増大などに対応いたしまして、法の意義や機能、裁判員制度を含む司法制度のあり方、金融や消費者に関する学習の充実を図っております。
 そのほか、各科目においては、現代の諸課題について探求させる項目の設定をいたしております。
 8ページ目の数学科でございます。今回は、「数学1」が共通必履修になりました。単位数は従来と同じ3単位でございますけれども、従来の内容の一部が中学校の数学に移行したことを踏まえて、今回新たに統計に関する内容を加えております。領域としては、「数と式」、「図形と計量」、「二次関数」、「データの分析」、この4つの内容で構成されることになりまして、中学校と同じ構成になりますので、中学校との接続の面も改善されたと考えております。また、統計に関する内容は、すべての高校生が学ぶ必修事項になります。
 そのほか、「数学1」、「数学A」では課題学習を位置付けまして、知識、技能をかつ要する活動を重視しております。
 それから、今回、「数学C」がなくなりました。この「数学C」の内容は、系統性に配慮して、他科目へ移行しております。
 それから、「数学基礎」を廃止して、新設した「数学活用」、9ページ目の中ほどに書いてありますけれども、こちらでは数理的なゲームやパズルなどを通して数学のよさを理解すること、身近な事象について、図、表、行列、離散グラフなどを用いて、数理的に表現し、考察することを重視しております。
 10ページ目でございます。こちらは理科でございます。科目構成の変更は、先ほど説明したとおりでございます。
 10ページ目の右下にございますが、「科学と人間生活」という総合科目を新設いたしました。この科目では、科学に対する興味、関心を高めるために、例えば物理であれば光や熱、化学であれば、材料とか医療、食品など、人間生活にかかわりの深い内容で、物化生地の各領域から構成しまして、観察、実験を重視した科目としております。
 それから、物化生地それぞれの基礎科目では、中学校の接続に配慮した内容で構成して、特に日常生活や社会との関係を重視した項目の新設、内容の充実を図っております。
 11ページ目の下から2つ目の「生物基礎」では、今までは「生物2」で扱っていました「遺伝情報とタンパク質の合成」を「生物基礎」に位置付けまして、こういった生命科学の基本的なところについて、より多くの生徒に履修されるような配慮もいたしております。
 それから、基礎の上にあります「物理」、「化学」、「地学」、「生物」の各4単位の科目は、従来、現行の「2」を付した科目で扱っていた内容のうち、選択だった項目があります。例えば「物理」であれば、「物質と原子」、あるいは「原子と原子核」のいずれかを履修する。化学であれば、「生活と物質」、あるいは「生命と物質」のいずれかを履修するということになっておりましたが、今回、4単位になったこともありますので、この内容を整理した上で、必修化することによって、この科目を履修した学校の生徒については、履修内容の充実が図られております。
 それから、12ページの中ほどの「理科課題研究」は、現行では「2」を付した各科目の最後にそれぞれ位置付けられていた課題研究を、新たに1つの科目として独立させたものです。これまで各科目の領域に限定されていましたが、今後は、科目横断的な内容や学際力に関する研究に取り組むことができるとともに、大学や研究機関との連携、協力、あるいは報告書の作成等や研究成果の発表など、プレゼンテーション面も重視をした科目としております。
 13ページ、保健体育科でございます。これは、各科目の改善事項に「体育」と「保健」とを分けて記述しておりますが、「体育」では、各領域について具体的な指導内容を明示するとともに、卒業後、生涯にわたって、少なくとも1つの運動やスポーツを継続できるように、中学校との接続を踏まえつつ、領域選択の方法を変更しております。
 具体的には、入学年次の初年度は、器械運動、陸上競技、水泳、ダンスから1つ以上を選択する。そして、球技、武道から1つ以上選択肢、その次の年次以降は、体つくり運動と体育理論以外の領域から2つ以上を選択するという形にしております。
 また、「保健」では、現代社会と健康において、小中との系統性を踏まえて、健康の概念に関する内容を明示するとともに、今回は医薬品に関する指導の充実も図っております。
 14ページの芸術でございます。ここは、大きな科目構成の変更はございません。
 教育基本法の改正も踏まえまして、音楽であれば、伝統的な歌唱や和楽器の指導の充実、また日本の音楽文化や美術文化などの鑑賞指導の充実など、我が国と伝統と文化に関する学習の充実を図っております。
 また、生涯にわたり芸術を愛好する心情を育てるといったことを科目目標に明記しております。
 さらに、各科目においては、今回初めて知的財産権等の配慮に関する事項を新設いたしております。
 16ページの外国語でございます。今回、外国語につきましては、聞く、読む、書く、話すといった4技能の総合的な育成を図る「コミュニケーション英語」を1、2、3、それから表現する能力の向上を図る「英語表現」の1、2、そして会話能力の向上を図る「英語会話」というように、科目を再編しております。
 今回、特に中心になります「コミュニケーション英語」の1、2、3を履修する場合には、新たに学ぶ語を1,800語としております。従来の標準的なパターンですと1,300語でしたので、500語ほど増えております。中学校でも300語増えておりますので、中・高合わせると、高校卒業時点で、標準的な履修パターンでは3,000語を学ぶということで、今、韓国、中国が2,800語から3,000語ぐらいと考えられておりますので、それとほぼ同程度になります。
 それから、生徒が英語に触れる機会を充実させるとともに、授業を実際のコミュニケーションの場面とするために、生徒の理解の程度に配慮した上で、授業は英語で行うことを基本とするという規定を新たに置いております。
 18ページの家庭科でございます。各科目において、衣食住や消費生活などに関する知識、技能を身につけ、生涯の生活設計ができるようにすることを重視して、内容を改善しております。
 特に、今日的な重要課題となっております環境に関する学習、あるいは消費者に関する学習、あるいは少子高齢化に対応する学習内容の充実を図っております。
 今回、「生活技術」は「生活デザイン」と科目の名称も改めております。この科目は、特に実験・実習にウエートを置いた科目でございますが、その中では、我が国の衣食住に関する生活文化の継承等に関する学習内容の充実も図っております。
 20ページ、情報科でございます。情報活用の実践力や情報モラルに関する内容を共通に履修させつつ、主に情報社会に参画する態度を育成した「社会と情報」という科目、もう一つ、主に情報の科学的な理解を重視した「情報の科学」の2科目に再編いたしました。
 また、情報活用能力を確実に身につけさせるために、小・中・高を通じて、発達段階に応じて、情報活用能力を考慮した体系的な情報教育の指導の充実を図っております。
 さらに、情報モラルの指導も項目立てをいたしまして、情報モラル教育の重視も図っております。
 21ページ目からは職業に関する教科でございますが、これは後ほど、斎藤参事官から御説明いたします。
 また、専門教科の理数、体育、音楽、美術、英語は、資料には載せておりますが、説明は省略させていただきます。
 最後、43ページ、総合的な学習の時間でございます。これは、今回、総則から新たに第4章に独立した章立てをいたしております。内容は、小・中とほぼ共通でございます。
 44ページ目の特別活動も、小・中学校と同様に、今回、活動や行事ごとに目標を新たに規定しまして、よりよい人間関係を築く力、集団や社会の一員として参画する態度の育成を重視する。また、就業体験などの体験活動を重視しております。
 大変早口で恐縮でございましたが、以上が各科目の改訂のポイントでございます。
 最後に、資料2-3で、今後のスケジュールについて、一言、御報告いたします。こちらは、幼・小・中・高のスケジュールをまとめたものでございます。小学校23、中学校24というように、教科書の編集・検定・採択が1年ずつずれておりますので、高等学校も、従来の例にならいまして、実施は平成25年度から、小・中は全面実施ですが、高校の場合は学年進行での実施となります。
 ただ、1年間の周知期間をおきまして、教科書が直接必要ない総則、総合的な学習の時間、特別活動については、平成22年度からの実施になります。
 ここまでは従来どおりでございますけれども、見ていただきますとわかりますように、小・中では、来年から、理数については補助教材を使った先行実施が始まります。来年、中学校に入る生徒は、平成21年、22年、23年の3年間の移行措置を行うことによって、新課程を終えて、高校に入ってまいります。したがいまして、理数については、これまではこういう形でやっておりませんでしたが、子どもたちを足踏みさせないために、平成24年度から、理数については先行実施。幸い実施まで3年ございますので、教科書検定も前倒しで行いまして、補助教材方式ではなく、教科書を整えた完全な形での先行実施を行うことにいたしたいと考えております。
 詳細については、2枚目に、スケジュールの概要として書いてあります。
 3.(2)その他、若干、細かいのですが、専門教科(福祉)については、新しい介護福祉士養成課程に対応するため、学校の判断によっては、平成21年度から新学習指導要領によることも可能。
 それから、保健体育、芸術、専門教科の体育、音楽、美術については、技能中心でございますので、学校の判断により、平成22年度から新学習指導要領によることも可能といった、若干の移行措置も設ける予定でございます。
 それでは、次に、職業学科について御説明いたします。

【梶田部会長】

 斎藤参事官、お願いいたします。

【斎藤参事官】

 産業教育担当の参事官の斎藤でございます。
 職業に関する教科につきまして、資料の2-2の21ページにお戻りいただきたいのですけれども、これに沿いまして、簡単に御説明申し上げます。
 職業に関する教科、これは農業、工業、商業、水産、家庭、看護、情報、福祉、この8教科でございますけれども、これらにつきましても、本年1月の中教審答申に基づきまして、専門高校を取り巻く社会の状況、それから生徒の実態等を踏まえまして、次の2点を課題としてとらえております。
 まず、第1点として、経済のグローバル化や国際競争の激化等に伴います産業構造の変化、それから技術革新や情報化の進展等に伴う産業社会の高度化、さらに就業形態の多様化等の就業構造の変化等によりまして、我が国の産業社会、企業の専門高校の期待、あるいは生徒に求められる資質、能力が変化してきているという課題がございます。
 第2点は、専門高校の生徒の意識の変化、あるいは大学等の高等教育機関への進学者の増加など、いわば進路の多様化が進んでおります中で、これまで以上に明確な目的意識を持った進路選択が促進されるような対応が求められてきております。
 こうした課題への対応のために、3点の改善を図っております。第1点は、将来のスペシャリストの育成。2番目が地域産業を担う人材の育成。さらには、3番目として、人間性豊かな職業人の育成という観点でございます。これらを基本といたしまして、職業人としての社会的責任を担う、いわば規範意識、あるいは倫理観、さらには技術の進展、環境エネルギーの配慮、それから食の安全、情報モラル、セキュリティー管理といった重要性など、おのおのの産業で求められる知識と技術、あるいは資質を身につけさせるという観点から、科目構成、さらには内容の改善を図ってございます。
 具体的な構成の改善点として、まず第1の「将来のスペシャリストの育成」という点でございます。1つは、専門性の基礎・基本を一層重視するとともに、専門分野に関する知識、技術の定着を図るという観点から、科目の構成、内容の改善を図っております。
 具体的には、現行の8教科はそのままでございますが、169ございました科目からトータルで188科目への再編成を図っております。具体的には、資料21ページのとおりですけれども、特に看護科等におきまして、科目数の増加、再編を図っているところでございます。
 それから、2点目ですが、職業に関する各学科において、原則としてすべての生徒が履修する科目、原則履修科目でございますが、これについては現行と同様に、各教科の基礎的科目と、もう一つは課題研究等の2科目を想定しているところでございます。
 それから、3点目として、実社会や職業とのかかわりを通じて、先ほど申し上げました職業観、規範意識、あるいはコミュニケーション能力等に根差した実践力を身につけるという観点から、総則におきまして、産業現場等における長期間の実習を取り入れるという点を明記するといった改善を図っているところでございます。
 2点目でございます。「地域産業を担う人材の育成」の項目については、地域産業や地域社会との連携・交流を促進させるという観点から、各教科共通の項目として、新たに地域や産業界等との連携・交流を通じた実践的な学習活動を積極的に取り入れるということで、従来、就業体験は入ってございましたけれども、実践的学習活動を盛り込んでございます。
 2点目は、地域産業を担う人材育成を重視するという観点から、例えば商業におきましては、商品開発という科目を新設するなど、あるいは農業や商業、水産等の関係科目におきまして、地域産業振興、商品開発、さらには起業活動などに関する内容を充実するといった改善を図っているところでございます。
 3点目の「人間性豊かな職業人の育成」という観点でございますが、特に環境エネルギー、食の安全等、昨今、非常にクローズアップされている問題でございますが、これらの対応、それと職業人としての倫理観の育成を重視する観点から、具体的には、各教科の目標として、「○○に関する諸課題を倫理観をもって解決し」という文言を共通して盛り込んでございます。ただし、看護、福祉科におきましては、従来からこの観点は非常に重要な内容として盛り込まれておりますことから、各科目レベルでの明記を図っているところでございます。これと同時に、関係科目においても、その内容の充実を図っているところでございます。
 次に、工業におきましては、例えば「環境工学基礎」という科目が新設されておりまして、これに象徴されるように、農業、工業、水産、家庭等の関係科目におきまして、環境エネルギーに関する内容、さらには食料の安全で安定的な供給といった食の安全等への対応に関する内容の充実を図っております。
 最後に、職業に関する各教科の情報関連の科目でございますが、これは教科ごとに入ってございます。例えば農業ですと「農業情報処理」、あるいは水産では「海洋情報技術」といった科目がございますが、これらにおきましも、先ほどの普通科の記述と同様に、情報モラル、あるいは情報セキュリティー管理に関する内容の充実を図っているところでございます。
 個々の学科につきましても、一部、答申内容と比較しますと科目名称をテクニカルに変更したということはございますけれども、基本的には答申の内容を踏まえました科目構成及び内容の改善、充実を図っているところでございます。
 時間の関係で、個別学科の内容の御説明については省略させていただきます。
 私からは以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、永山課長から、特別支援学校等における学習指導要領をお願いいたします。

【永山特別支援教育課長】

 それでは、お手元の資料3-1「特別支援学校学習指導要領等改訂案のポイント」、A4、1枚の資料を御覧いただければと思います。
 最初に、1.といたしまして、「今回の改訂の基本的考え方」を3つ挙げさせていただいております。御承知のように、特別支援学校は幼稚部、小学部、中学部、高等部がございます。したがって、最初の1点目でございますが、幼稚園、小学校、中学校、高等学校の教育課程の改善に準じた改善を行わせていただいております。2点目といたしましては、障害の重度・重複化、多様化に対応した、一人一人に応じた指導の一層の充実。3つ目は職業教育の充実。この3点から、特別支援学校学習指導要領等の改訂案を作成いたしております。
 次に2.「主な改善事項」として、4つここに整理させていただいております。1点目が、「一人一人に応じた指導の充実」という観点から、今回2つの個別の計画の作成をすべての子どもたちに義務付けることにいたしております。1つ目の○が個別の指導計画の作成の義務付け。これは、現行の学習指導要領におきましては、重複障害の場合、また重複障害でなくても、特別支援学校の独自領域である自立活動については、すべての子どもたちに作成が義務付けられております。それを今回の改訂におきましては、各教科の指導も含めたすべての教育活動全体に個別の指導計画の作成を義務付けることにしております。
 2つ目の○が、個別の教育支援計画の作成の義務付けでございます。ここに若干説明が書いてありますが、学校だけではなくて、障害のある子どもたちにかかわるほかの機関、例えば医療、福祉、労働という関係機関が連携し、情報を共有化して、全体としてその子どもたちにどういう支援をしていくのかという内容につきまして、学校が中心になって作成するものが個別の教育支援計画でございます。こちらにつきましては、今回、新たに学習指導要領に位置付け、すべての子どもたちにその作成を義務付けることにいたしております。
 2点目の改善点につきましては、「自立と社会参加に向けた職業教育の充実」という観点から、1点目は、特別支援学校(知的障害)につきまして、新しい専門教科として「福祉」を設けております。また、職業教育、進路指導の充実、これは地域や産業界と連携して充実を図っていくということを規定いたしております。
 主な改善の3点目は、「交流及び共同学習の推進」という観点から、障害のある子どもと障害のない子どもの交流及び共同学習を、今回、計画的、組織的に行うことを規定いたしております。
 最後になりますが、「障害の重度・重複化、多様化への対応」ということで、1つ目の○、これは独自の領域である自立活動についてでございます。現行の学習指導要領では、指導項目といたしまして22項目掲げておりますが、それを今回の改訂案におきましては26項目に増やしております。その内容につきましては、他の人とのかかわりに関することなど、障害のある子どもたちの人間関係の形成にかかわる内容を充実し、自立活動の指導内容の充実を図っております。
 最後に、重複障害者の指導ということで、今回、新たに教師間の協力した指導、それとともに、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等の外部専門家を活用するなどして、学習効果を高めるようにすることを今回、新たに規定させていただいております。
 実施時期につきましては、基本的には幼稚園、小学校、中学校、高等学校の実施時期に合わせ、また総則などで、例えば2つの個別の計画の作成の義務付けにつきましては、幼稚部及び小学部・中学部については平成21年度から、高等部については平成22年度からということで、一部、先行実施させていただきたいと考えております。
 私からは以上でございます。よろしくお願いいたします。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 内容が非常にある御報告でありましたが、高等学校と特別支援学校についての指導要領、こういう形で改訂したいという御報告をいただきました。
 今日はほかの報告もありますので、11時ごろまで、あと20分ちょっとでありますが、皆さんから御質問やら御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 では、増田委員からお願いいたします。

【増田委員】

 ありがとうございます。意見というよりも、感想のような感じなのですけれども、部活動のことが初めにしっかりと明記されているのを見まして、大変うれしく思いました。文化の部活動でも、スポーツの部活動でも、部活動というのは教育的価値が高いと思います。部活動を通して人間形成されていくということを強く感じていましたので、このように明記されたことは大変うれしく思います。
 加えて、これからは、教える先生方のことを考えますと、負担も大変大きいと思いますので、待遇面のことなどもしっかり考えていきたいと思います。
 ありがとうございました。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 部活動については総則ですね。総則で触れていただいております。
 では、渡久山先生。

【渡久山委員】

 高等学校の学習要領はよくできていると思いますが、今回の改訂で、特に理科の場合、実験、実習を充実するという。すると、現在、高等学校の場合は、実習助手がいて、実験を手伝ってくれているわけですが、基本的には複数の教員でやったほうがいいと思います。しかし、実習助手が今適用されている給与表はすごく悪いわけです。一生、そこで続けていくわけにはいかないくらい非常に悪いですから、人的な充実と同時に、ぜひ待遇の改善をやってもらいたいなと思います。
 それから、特別支援教育、一人一人のニーズに応じた指導を充実するという、特に高校などに行きましたら、非常に細かい指導がなされているわけです。そういう意味では、ぜひ支援のための人的な条件をつくっていただきたいということと、もう一つは、障害児の社会参加、あるいは健常児との交流や共同計画とありますが、もう一歩進めて、障害児や障害者が生活できるような社会、受け入れられるような、要するに、よく言われるインクルーシブな社会づくりへの展望、そういうものも学校教育の中で充実していただければと思います。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 今、非常に大事なポイントでしたが、教育諸条件の問題につきましては後でちょっとあれしてもらいましょうか。まだ最終的な予算の政府原案が決まっておりませんが、文部科学省は今回、この学習指導要領を円滑に実施して、この指導要領が目指すところを実現しないといけないということで非常に頑張っていただいておりますが、その辺、ちょっと一言、今の段階でわかっていることだけ。

【高橋教育課程課長】

 実は、ちょうど今、政府の中で予算編成の最終的な調整を行っております。したがいまして、まだ最終的な数字が固まりませんので、今日、お手元に資料がございませんので、口頭での報告ということ、あと、少し流動的な数字であるということで、そこは御容赦いただきたいと思いますが、今回、指導要領の円滑な実施に向けては、指導体制の整備と人的な面、それから教材などの物的な面を総合的に予算に盛り込んでおります。
 財務省原案の中で既に認められたものといたしましては、例えば指導体制の整備としては、新学習指導要要領の先行実施に伴って、特に小学校では算数、理科の授業時数が増えますし、中学校でもそれに伴って少人数指導などを行いますので、非常勤講師を12時間換算で1万4,000人。そのうち1万人分については、理数教育の充実に対応させるといった形での指導体制の整備が認められております。
 それから、特に理科については、早速、平成21年度から先行実施になりますと、新しい実験なども入ってまいりますので、これについては予算的にも、13億円が、5割以上増えた20億円の内示をいただいております。特に、これまで補助対象にならなかった少額なものも新たに補助対象にするということで、2分の1の補助金ですのでもちろん市町村の負担も必要になりますが、この辺はかなり条件的にはかなり整ってきたのではないかと思っております。
 それから、小学校英語につきましては、小学校の外国語活動に伴う英語ノートや音声教材、教師用指導資料など、4億円の条件整備、また英語教育改革のための新たな調査研究校など、4億4,000万円ぐらいの予算も認められております。
 ただ、まだ復活事項になっているものもありまして、例えば新しい指導要領に基づく道徳教育の充実に関しての副教材への財政支援でありますとか、理数の移行期間中の教科書を補う補助教材でありますとか、あるいは公立中学校の武道場の整備でありますとか、こういったあたりについては、まだ、今、復活折衝中でございますので、数字がまとまりましたら、委員の先生方に資料を送付させていただきたいと思っております。
 また、高等学校については、小・中と違って、交付税による部分が多くなると思いますが、ただ、理科の設備などについては補助金もございますし、また改訂を受けた後に、来年、平成22年度予算以降でしっかりと対応していくことになろうかと思っております。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 今回は内容が増えますし、レベルも高くなりますので、それに見合う人的、物的な条件整備は不可欠だということは、今年1月17日に出した中教審答申でも書いているわけですが、それに基づいて、非常に文科省で御尽力、御努力をいただいと思っております。
 また、今、お話がありましたように、最終的な政府原案が決まりましたら、委員の皆さんには資料をお送りいただくということで、御理解いただきたいと思います。

【木村副部会長】

 梶田先生が前の教育課程部会長を務めたときにも何度も申し上げたのですが、私の頭の中には、例の平成8年のゆとりの中で「生きる力を育む」という答申がうまくいかなかった理由の一つが、新しい教育課程の考え方みたいなものを説明する機会がほとんどなかったということで、何回も申し上げたことをまたここで申し上げることになるかもしれませんが、これだけ時間をかけてやって、私も個人的にはかなりうまくできていると思いますが、陰山さんの意見にもありますように、まだほとんど動きがないということですから、言葉はよくありませんけれども、キャンペーンを徹底してやっていただきたいと思います。
 これは何度も何度も申し上げたことで、一つの例として申し上げさせていただければ、日本にどのぐらいあるのでしょうか、技術的な学会なり、協会なりがたくさんあります。必ずそこで、電気にしろ、機械にしろ、建設にしろ、基本的な技術の取り扱い方について、何年かに一遍、スペシフィケーションを変えます。プロですから、本当は説明する必要はない。見ていただければわかるのですけれども、にもかかわらず、年間に何十遍という啓蒙活動をやるわけです。ですから、今度はこれをやらないと、また陰山さんが心配しておられますように、無評価のまま、誤解を招いて走ってしまうことがあるのではないかと思いますので、その辺、ぜひひとつよろしくお願いしたいと思います。
 私は、たしか、教育課程部会の委員、全員、一人一人で各地へ行こうというような提案をしたと思いますので、その辺、ひとつよろしくお願いしたいと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 無藤先生、それから角田先生と。

【無藤委員】

 1つは簡単な質問で、もう一つは要望ですけれども、続けて言います。1つは、高等学校の教科等の標準単位数のところで、教えていただきたいと思うのですが、資料2-1の2枚目です。一番下に総合的な学習の時間があって、3から6という単位数は変わらないと。必履修科目について、2単位まで減らすことができるということがありまして、それについての趣旨というか、意味を教えていただければと思います。
 もう一つは全然違うことですけれども、要望として、木村先生もおっしゃいましたけれども、私も、各現場への指導要領の改訂についての広報、普及が必要だと思うのですけれども、もう一つ、関連して必要だと思うのは、養成校というのでしょうか、大学等の養成課程の担当者への広報だと思います。大学の人間は、自分で勉強しろという意見もあると思いますけれども、私は特に幼稚園、小学校にかかわりましたけれども、特に幼稚園は、専門学校も含めて小規模の養成校が非常に多いのですけれども、十分には行き渡っていないという気がいたしますので、もちろんそういうところの人たちが文部科学省、その他の会に出ることはできるのだと思いますけれども、もう少し焦点を合わせてできる機会がないかなと思っています。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 まず、時数の問題につきまして。

【牛尾視学官】

 私から御説明させていただきます。総合の2単位減の趣旨でございますけれども、答申のときにも少し書き込んでいただいておりますけれども、今回、高等学校におきましても、小・中学校と同様に、各教科の中で知識、技能の活用をしていくただく学習の時間を取っております。そこを十分にやっていただいて、十分な成果を上げられるような場合には、総合的な学習の時間について最低限の3のところを1単位減らして、2単位まで減らしてもよいという趣旨で置かせていただいているところでございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 こういう改訂の趣旨の啓発活動、今いろいろとやっておられましたら、課長のほうでもし何かあれば。

【高橋教育課程課長】

 今の御意見に関連でございますけれども、小・中もそうですが、高等学校も含めまして、これからまた教員養成系の大学に対する周知については、高等教育局とも連携をしながらしっかりとやっていきたいと思っています。
 それから、若干関連になりますけれども、実は、今、免許の更新制に関連して、各大学で更新講習を行っていただいておりますが、文科省からもモデル的なプログラムの開発をいろいろとお願いしておりまして、今回、小・中の指導要領の改訂で、特に小学校については外国語活動が必修になる。あるいは、理数については新しい指導内容が入ってくるというようなことを、10年に1度のリニューアルの講習で、先生方に研修いただくようなプログラムの開発もお願いしておりますので、教員養成のほうともこの改訂、十分連携しながらやっていきたいと考えております。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 では、角田先生、それから続いて壷内先生、そして天笠先生、そして黒須先生。

【角田委員】

 ありがとうございます。2つ、要望と意見がまざるような形かと思うのですけれども、まず、1つ、今、小学校で移行措置が来年から行われるということで、いろいろなところで勉強会があったり、伝達講習があったりしているのですけれども、授業時数が増加したということについての関心というのは非常に強いのですが、「生きる力」ということについての理解が必ずしも十分ではない。これは、特に理念が変わらないということのインパクトがあまりにも強過ぎて、現実には、中身が相当変わるんだということが、なかなか現場に浸透していないような感じがします。このまま行くとやはり危ないなという感じがします。
 まして、高等学校の場合、まだ3年ぐらい時間的な余裕があろうかと思いますが、教科、科目とさらに細かくなってくると、今回の啓蒙活動であるとか、活動を重視するという活用といったことが、果たして各教科、科目の先生方にどのぐらい周知できるのか。この辺が非常に心配なので、先ほど来から出ておりますけれども、周知徹底といいましょうか、その辺のところの工夫をお願いしたいと思いますし、教員養成の点からすると、大学4年生に情報がほとんど入ってきません。来年、すぐに新卒になるわけですが、指導要領は買わせるにしても、3年生、4年生にパンフレットを配るなど、そういったことの配慮をするという、この辺がひとつ大事なところではないだろうかと思います。
 それから、2番目は特別支援のことですが、小学部は、特別支援学校は平成23年から本格実施になるわけですね。ところが、今回、学習指導要領が小・中学校には配られたけれども、特別支援学校には配られていない。伝達講習に行っても、小・中の先生は持っているけれども、特別支援学校の先生は持っていらっしゃらない。
 特別支援学校は後でまとめて出すというのではなくて、予算的な問題もいろいろあろうかと思いますけれども、特別支援学校の小学部、中学部は、通常の学級でこういうふうに変わるんだよということを早めに伝達していただければありがたいなと思います。今後、ぜひその辺のところ御努力いただきたいと思います。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 それでは、壷内先生。

【壷内委員】

 どうもありがとうございます。今回の高等学校の学習指導要領の改訂ですが、私が一番すばらしいなと思ったことは、幼稚園、小学校、中学校、高校の接続を十二分に考慮していただいたことです。子どもたちの発達段階こそが、私たち、常にいろいろな問題が、小学から中学へ、中学から高校へと、大学もあるだろうと思いますが、この接続をソフトランディングといいますか、スムーズにやっていくのが大きな使命だろうということで、高く評価しております。
 それから、移行措置で、特に教科では、中学の理数科ということで、無理がないであろうということで、これは高校でも、中学もそうだったのですが、ちょうど3年間の移行期間がありまして、スムーズに展開していくのかなと認識しております。
 それから、趣旨徹底の仕方ですが、伝達講習、積極的に文科省の皆様がやってくださっていることに大変感謝しております。小・中学校も、おかげさまで、来年度から円滑にスタートできるのかな。そして、また、平成23年、24年の小・中の完全実施がスタートできるだろうと思います。
 このまま高等学校と同じような姿勢で、ひとつお願いしたいということと、やはり私たち学校現場の校長もリーダーシップをとりながら、私は学習指導要領の総則から道徳、特別活動を含めて、総合的な学習もそうですが、各教科、解説書を買いました。安いです。学校予算で。1冊100幾らか。今、勉強会をやっている最中です。もしよかったら、そういう事例も、おかげさまで、安価でございますので、勉強できるチャンスかなと思っております。
 最後に、条件整備について。12時間という講習はとてもうれしいのですが、高校も同じだと思います。僕らは子どもと向き合う時間が必要です。生身の人間です。人づくりです。ぜひ今後ともひとつよろしくお願いしたいなと思います。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 では、天笠先生。

【天笠委員】

 続きまして、よろしくお願いします。先ほどの高等学校における改訂の御説明をいただいたわけですけれども、これは当然とはいえば当然ですけれども、それぞれの教科の改訂ということで、それについて御説明いただいて、それはそれでよくわかるところなのですけれども、これまでも既に指摘されているところですけれども、教育課程全体として成果を上げるとか、教育の効果を高めるという視点とか発想が、指摘されながらなかなか、とりわけ小学校よりも中学校、中学校よりも高等学校というと、教科の専門性がより増しますので、なかなか難しいところがあると思っております。
 そういう中で、改めて、今回の改訂において、教育課程全体として効果を高める手だてとか、発想がどうなっているのか、あるいはどういう新たなる手法というのでしょうか、考え方が提示されたのかどうか。そういうふうに注目していったときに、その受け皿としての総則のあり方というのでしょうか、というのが一つのポイントになってくるかと思うのですけれども、そうした場合に、総則が細目にわたって明示されるようになっている。これはこれで、それぞれ手続上とか、いろいろなことでわからなくはないのですけれども、今後、これが学校に下りてきたときに、総則が全体を束ねながら、そして、今申し上げたように、教育課程全体として機能を高めていくときに、この総則が一定の役割を果たし得るのかどうなのか。そういう観点で、総則の使い方とか、あるいは考え方とか趣旨をどんなふうにとらえていったらいいのか。
 先ほど来、趣旨の徹底ということがありましたけれども、そういう点では、各学校に近づくにつれて、総則の使い方、動かし方について、現場サイドに御理解いただけるような説明の仕方、運用の仕方についてお願いしたいと思いますし、そういう意味では、今後、そこのところを含めた実践の事例等も出しながら、情報交換をお願いするとか、ぜひ総則の使い方、動かし方について、一段の工夫や御検討をお願いできればと思います。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 では、黒須委員、お願いいたします。

【黒須委員】

 ありがとうございます。総体的には、当然のことながら、専門家の方々がきちんとまとめていただいているわけですから、よくまとめていただいているなと思うのですけれども、ちょっと気になるところがあります。それは、例えば国語で、「言語活動充実」と大変具体的に書かれておりますけれども、漢字が読めないなんていうことが最近話題になっていますけれども、それ以上言いませんけれども。実際に、若い人たちは、今、ほとんどパソコンじゃないですか。我々のところにも、文章をつくって、プリントアウトしてきた場合でも、漢字が間違えていることがよくあります。それから、きちんと言葉で説明ができないということが多いです。何でも打ってくればいいというような。
 私は、もっと国語をしっかり指導していただきたいと思います。日本文化の原点でもありますし、こんなにすばらしい言語というのは、私はないと思いますから、若い人たちが十分に活用できるように、しっかり教育することが大事なことではないかということを改めて感じています。
 それから、もう一つ、日本史の問題ですけれども、前にも私は発言しましたけれども、日本史はあくまで選択になっていますね。19ページの「地理歴史」の「世界史A」でも、世界史の中での日本との関係が非常に具体的に明記されているということは、私は大変いいことだと思うのですけれども、あくまでも世界史の中から見た日本史なわけです。ですから、私が前に発言したときに、日本史は中学でやっているから、高校は選択なんだという話でしたけれども、実際に中学の日本史を見てみても、近現代史は、時間がなくなってしまって、一瀉千里です。ですから十分ではありません。
 ですから、今、田母神論文が問題になっていますけれども、このいい、悪いは別にしても、若い人たちがきちんと自分なりの判断ができることが大事なことなのではないかと思います。それから、今、領土の問題でも、産経新聞が対馬のキャンペーンをやっていますね。対馬の問題であるとか、竹島の問題であるとか、尖閣諸島の問題であるとか、北方領土の問題であるとか、こういった問題について、対象国である相手のほうは、国民全体が非常にこだわりを見せているけれども、我々、日本人というのはあまりにもさっぱりし過ぎているような気がします。これはやはり教育の問題ではないかと思うわけです。
 ですから、太平洋戦争のいい、悪いということはきちんと検証しないといけないし、また、若い人たちがそれを判断する材料はきちんと示さなければいけない。そういう意味では、私は、日本史はもっと大事にしないといけないのではないか。これはちょっと不満です。
 それから、あと、英語の授業で、授業を英語でするとか、これは非常にいいことだと思うのですけれども、一つは、生徒が大丈夫なのかなというのと、教員が大体、大丈夫なのかよという心配があるわけです。
 それから、職業のスペシャリスト、人材育成ですね。職業人としての倫理観を指導するという。これは確かに大事なんだけれども、実際にいいことなんだけれども、教員がついていけるのかどうか。教員の意識の向上、レベルアップ。教員養成に具体的に、もっともっと力を入れていただかないと、絵にかいたもちになってしまうのではないかということがちょっと気になりましたので、発言させていただきました。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 では、毛利先生。

【毛利委員】

 手短にお話ししたいと思います。先ほど、ゆとり教育の失敗ということを、委員であった木村先生自身がおっしゃっています。幼稚園から高等学校まで、連続性のある新学習指導要領を始めるわけですから、文部科学省として、ゆとり教育の失敗があって、新学習指導要領を始めるということを全国津々浦々まできちんと伝えることが必要だと思います。皆さんの意見を聞いていると、お願い、お願いの一方です。文部科学省が、高等学校の場合ですと平成21年度に告知、周知徹底するということですから、お願いではなくて具体的かつ戦略的にどういう手法で何をしようとしているのか、私たちにわかるような案を次の会議にでも提案していただけたらと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 では、加藤先生。

【加藤委員】

 時間が押しているところ、すみません。一言だけ。先ほどの資料2-2で申しますと、21ページに関連するのですけれども、特に環境が激変しましたね。何といいましても、高校、それから大学はもちろんですが、いかにして社会にいざなっていくのか。仕事をいかにしてきちんと与えていくのか、働く場を与えていくのかということが非常に重要になってくると思います。売り手市場がここ数年続いていましたけれども、これからしばらくは相当厳しい状況が予想されるわけです。
 とりわけ、私も、最近、地域の実態を見ているのですが、高校生などはほとんど都会に出ていって働くという気持ちがないんです。これはいろいろな要因がございますが、99%ないといってもいいぐらい、地元で働きたいという気持ちが強い。それとプラス、今後の環境の悪化を考えたときに、どのようにして高校生が社会に出ていく場合に、働くという意識を持たせるか、それから、一方で、産業政策が必要になります。21ページの2を読む限りでは、地域産業の振興、商品開発の云々ということがありますが、地域ということになると、福祉・介護などが、地元で働く重要な場になります。いかにしてそういう働く場を作りそこに送り出していくか。
 今あるもので幾らでもいけるという恵まれた時代ではないと思いますので、それはまさに国や地域、そして学校側が両々相まって、子どもたちをいざなっていくという考え方でないと、これから非常に厳しくなると思いますので、まさに環境変化を踏まえた施策が望まれると思いますので、一言お願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 時間がまいりましたので、このあたりにしたいと思いますが、今、最後に加藤先生がおっしゃっていただいた点も非常に重要な点で、子どもたちの就職状況やら、あるいは実際に若者たちの就業状況が激変しました。そういうことも踏まえて、実は、あさって、24日に中教審総会に、新しいこれからの時代のキャリア教育といいますか、いわば学校教育と、それから出ていく社会での役割の果たし方、あるいは単に専門的な力量の問題だけではなくて、気持ちの持ち方まで含めた、広い意味でのキャリア教育について、総括的な諮問が出ることになりました。
 これを踏まえて、場合によっては、また教育課程部会で、若干、議論していただかないといけない部分も出てくるかもしれません。御承知のように、10年に1回、指導要領を改訂したら、あと10年は知らないというわけにはいかないわけです。環境が激変したら、必要な手はそのときそのときで打たないといけない。こういうこともございますので、今の加藤先生のお話は、私どもの頭に置きながら、今回こういうことで出るとしても、何か新しい要素を考えないといけない部分が出てくるかなと考えていきたいと思います。
 では、田村先生から。

【田村副部会長】

 時間のないところをすみません。簡単に一言申し上げさせていただきます。
 先ほど、木村副部会長先生が、「生きる力」を中心にして、その理念において正しいけれども、前回はうまくいかなかったという。私もその当事者でありますので、同じような感想を持つわけですけれども、その同じことを繰り返すことのないように、申し上げてみたいことがあります。
 例えば、今、若者に共通の問題点として大人が言うのは、若者は返事をしない。何か言ってもメモをとらない。それから、言わないと動かないという3つの「ない」が出てくるわけです。それは、社会から教育に対する注文の原因になっているわけです。それを「生きる力」という考え方で何とかできないだろうというのが、一つの提案だったわけです。
 人間が生きるというのは、コミュニケーションが前提になっているし、言われなくても考えて、行動しないといけないし、それから、きちんと自分の生活を見直して、メモをとって対応するという力を学校教育でできないかということで、試みているわけです。
 ところが、その問題点が、実際に子どもたちに伝えていこうとしますと、教科を通してでしかできないわけです。教科については、今回、専門の方を含めて知恵をいろいろ出していただいて、少しずつ生きる力につながるようなつなげ方を工夫して、行われているわけですけれども、先生、生徒の関係からいうと、なかなか効果的に成果が上がらない。それで、今のキャリア教育の問題も出てくるわけでしょうけれども。
 何といっても、先生方の意識改革を徹底していくという視点を明確にしておく必要があるのだろうと思います。言い方によっては、先生たちも自信を失ってしまうんですね。やり方が間違えているというのではなくて、もう少し工夫するとより一層いい効果があるんだという言い方でやっていく必要もあるのだろうなと思っております。
 非常に難しいんですけれども、結果としては、出てきたものが、最近のはやりの言葉で言えばつまりラーニング・アウトカム。小・中・高と出てきた子が、今言ったような三大現象を起こしているということが現実にあるわけですから、それを何とかできないかというのが生きる力につながる具体的なことなのかなと考えているところなのですけれども、大変難しいですけれども、これからいろいろなところで努力していただく必要があるなと思います。
 いつも思うのですけれども、小学校へ行くと、今は小学校の入り口に「朝会ったらあいさつしよう」とか、「大きい声で返事しよう」と書いてあります。私たちが小学校のころは、そんなことは学校で教わらなくても、やっていたわけです。おそらく家庭でやっていたんだと思います。あるいは友達とやっていたのでしょう。それがなくなっているということが、なかなか現場につながらないのだろう、先生方の戸惑いになっているのだろう気がします。ですから、ぜひ、ひとつ、今回、文科省でその取っかかりというか、やっていただくことは非常に大事ではないかと思います。
 すみません。ちょっと時間をちょうだいしました。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 今、高等学校と特別支援学校の学習指導要領をこういう形でということで、御報告がありました。今後のことにつきまして、高橋課長からお願いいたします。

【高橋教育課程課長】

 今、多くの先生方から大変貴重な、多方面にわたる御指摘をいただきましたので、しっかりと踏まえていきたいと思います。
 それについて若干、一つ一つではないのですが、コメントさせていただきますと、まず、木村先生はじめ、小・中なども含めてしっかりと趣旨徹底をということは、引き続きしっかりと対応していきたいと思っております。特に、まだ具体的に増える内容についての周知が不十分ではないかということがありました。今、実は、教科書会社に作成いただいた理数の補助教材、来年4月から使う分の原稿が上がってきて、私ども教育課程課でチェックをしております。そういう情報もできるだけ早く現場に伝えることによって、より具体的な、教える内容が増えるというイメージをしっかりと伝えていきたいと思っております。
 それから、毛利先生からは、高等学校も含めてしっかりとした周知計画をということで、来年度予算に高等学校の全教師に指導要領を配付するような予算も組んでおりますが、そういったことも含めまして、またこういうところでしっかりと議論していただくことも一つの周知になりますので、次回にはそういった資料も、少し考えて、お出ししたいと思います。
 それから、国語教育をしっかりという黒須委員から御指摘がございました。まずは、集中学校、義務教育の段階で、今回、授業時数も増やしましたので、まず基本になる義務教育の国語教育をしっかりやること。それから、今回、高等学校でも振り返りの学習、義務教育段階の定着についても配慮いたしておりますので、そういったところもしっかりとやっていただくようにしたいと思います。
 それから、天笠先生から、現場で特に総則をどう生かしていくか。ある意味では、改訂の時期が、総則の趣旨をしっかりと伝えるいいチャンスでもあります。これから総則もはじめ、各教科、解説書の執筆に入りますので、御指摘いただいたようなことも踏まえて、できるだけわかりやすい解説書をつくって、それも一つの武器として、今後キャンペーンをしていきたいと思います。
 それから、日本史については、これはいろいろと議論があったところでございまして、今回は、世界史必修を継続しましたが、歴史教育のあり方については引き続き検討することになっております。今回、特に中学校では近現代史の重視なども行いましたので、そういった中学校の改訂の状況なども見ながら、指導要領については不断の見直しを行うことになっておりますので、それは今後の検討課題と認識いたしております。
 そして、キャリア教育については、今後、中教審で総合的に御検討いただくということを部会長から御紹介がありました。必要に応じてこの教育課程部会にも報告し、また、議論が必要であれば、議論していただきたいと考えております。
 すべての御要望、御意見にお答えできておりませんが、そういった形で今後ともしっかりと対応して、また御意見も賜りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 本日出ました意見も含まして、今の教育課程部会の各委員の先生方のお考え、今後のパブリックコメントを踏まえて、最終的なものを告示にして持っていってもらいます。この中でも、今お話がありました若干お考えいただく部分もあるかもしれません。それ以上に、解説書を書いていただく。これの中でまたお考えいただく部分もあるかもしれません。
 そして、今回は1月17日に出た答申に基づいてということですので、あまりそれと違うことはできません。ですけれども、それ以上のことになりましたら、この教育課程部会は常設ですから、議論はずっと継続していくということになると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、2番目の報告になります。移行期における小学校、中学校の指導要録、それから幼稚園の要録につきまして、若干の取り扱いの問題がございますので、それについて報告をお願いいたします。

【神山教育課程企画室長】

 それでは、資料4-1、移行期間中の指導要録の取り扱いについて御説明した資料がございますので、こちらを御覧いただきたいと思います。
 今日御議論いただくのは移行措置期間中でございますけれども、最初のパラグラフにございますように、従来から学習指導要領、これまで10年ごとに改訂しておりますが、そのたびごとに、改訂が終わった後に、その学習評価をどういうふうにするかという学習評価のあり方について御検討いただきまして、その検討の趣旨を踏まえました指導要録の様式の参考案を作成して、お配りする形で、学習評価のあり方について周知を図るということで、従来やってきてございます。
 今回の改訂におきましても、1月の答申でも御指摘いただいておりますように、これで高等学校の学習指導要領まで案が示されましたので、それが確定した後に、評価のあり方についても御議論いただきたいと考えてございます。ですので、全体の見直しにつきましては、今後、高等学校の改訂が終わった後に、また中教審で御議論いただくことになっておりますが、移行期間中におけます算数・数学、理科と外国語活動に関しましては、移行期間が来年4月から始まるということで、当面の取り扱いについて御報告させていただきたいという趣旨でございます。
 1つ目の○にございますように、算数・数学、理科につきましては、移行期間中から新しい指導内容の一部を追加して指導することにはなってございますが、追加する内容に関しましては、上の学年のものを下に下ろすような内容が多うございますので、その意味では、現行の学習指導要領のもとの評価の基準、評価のあり方をベースにしながら、各学校で評価を行っていただくことにさせていただきたいと考えてございます。
 もう一点は、2つ目の○で、小学校の外国語活動につきましては、これを実施する学校では、指導要録に外国語活動の記録を行っていただきたいと考えてございますが、外国語活動につきましては、中教審の答申でも、数値による評価にはなじまないということで答申をいただいておりますので、総合的な学習と同様の記述による評価をしていただきたいと考えてございます。
 2枚おめくりいただきますと、実際の記録の様式の案をお示ししてございます。右側の上のほうには、「総合的な学習の時間の記録」がございまして、学習活動をどうやったか、それから、どういう観点で評価をしたかという記述式の欄がございます。そのすぐ下、右側の中ほどに、今日お示しをしている案では、「外国語活動の記録」という形で、総合的な学習の時間と同じような記述式の欄をつくってございます。各学校で、移行期間中にも外国語活動を行うということであれば、こうした形で、総合的な学習の時間と同様の欄をおつくりいただいて、記述的で、観点を定めて、評価を記述いただくということにしたいと考えてございます。
 実際に評価を行うに当たりましては、外国語活動で行った学習活動ですとか、評価の観点といったものを踏まえながら評価を行っていただくわけですが、評価の観点の例といたしましては、さらに2枚おめくりいただきますと、「評価規準例」と上のほうに書いておりまして、これは、一番上の右肩に書いていますように、現在、英語ノートの指導資料の試作版をつくってございますので、この英語ノートの指導資料の評価規準例を参考にしていただきながら、例えば左側の中ほどの1.の最初のポツを御覧いただくと、「マナーを守り、積極的に挨拶をする」ですとか、あるいは1.の一番下のポツですと、「朝食の主な食べ物の違いを知ることを通して、世界には多様な食文化があることに気付く」といったような観点を参考にしながら、ただ、先ほどの様式例もそうですし、こちらの評価の基準例もそうですが、いずれも参考でございますので、これらを踏まえて、各学校で評価していただくという形で考えてございます。
 また、先ほど御覧いただいた様式と、今御覧いただいた評価規準例の間に、いろいろなことが書けます総合的な所見の欄がございますけれども、一番下に、(1)として、外国語各種についても書けるような注書きを設けております。これらはいずれも参考でございますので、こんな形でやってくださいということを周知して、具体には各学校、各市町村で御検討いただいて、本格的な評価のあり方については、追って中教審で議論させていただきますけれども、移行期間中については、当面、こうした形でやらせていただきたいと考えてございます。
 私からは以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 引き続きまして、幼稚園の要録につきまして、大谷企画官からお願いいたします。

【大谷幼児教育企画官】

 それでは、資料4-2を御覧ください。この資料は、通知の鏡文に添付いたします幼稚園幼児指導要録に記載する事項といいますものが1ページから3ページまで、4ページ、5ページが様式の参考例でございます。
 今回の幼稚園教育要領の改訂におきましては、従来の幼稚園教育要領を継承しつつ、その内容を充実、発展させるという観点から行われておりまして、幼稚園における評価に関する考え方は基本的に変わっておりません。したがいまして、幼稚園の指導要録の様式の参考例、4ページ、5ページでございますけれども、これも基本的に大きな変更は必要ないものと考えております。
 しかしながら、今回の指導要録の改訂に際しましては、幼稚園教育要領改善のポイントといたしまして、先ほど委員からも御発言があります幼・小連携がうたわれておりますものですから、幼稚園と小学校の円滑な接続を考慮して、指導要録に関する事項を検討してまいりました。
 今回、次の2点について改善することといたしております。5ページをお開きください。第1に、従来の指導要録は横長のものを使っておりましたけれども、今回、小学校等との形式にあわせまして、縦長の紙に統一いたしました。
 次、第2に、従来の指導要録では、5ページでいいますと「ねらい(発達を捉える視点)」としまして、幼稚園教育要領の5領域、健康、人間関係、環境、言葉、表現、この5つを示した右側の隣の欄に「発達の状況」という記入欄がございまして、ここに学年当初と比較して著しい発達が見られたものについては○をつける形になっておりました。しかしながら、小学校側から、子どもの発達に関する誤解が生じやすいとの指摘があったことから、今回、幼稚園の指導要録においても、発達の状況の欄は削除いたしまして、「指導上参考となる事項」の欄に発達の状況を具体的に記述することといたしております。
 なお、保育所におきましても、本年3月に幼稚園教育要領とあわせて、厚生労働大臣告示されました保育所保育指針におきまして、子どもの育ちを支えるための資料、いわゆる保育所児童保育要録を保育所から小学校に送付することとなっております。来年度からは、幼稚園からは指導要録、保育所からは保育要録がそれぞれ進学先の小学校に送付されることとなっておりますので、これらを受け取る小学校のことを考慮いたしまして、指導要録と保育要録の内容につきましても、今回、整合性を図っております。
 なお、4ページにございます学籍に関する記録につきましては、記入内容に変更はございません。
 以上で説明を終わります。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 ただいま御報告いただきました小・中の要録、それから幼稚園の要録につきまして、本格的な次の指導教育要領をどうするかは、多分、来年春ぐらいから検討していただくわけですけれども、当面、移行期にこういう形でということでございますが、もし、皆さんのほうで御質問、御意見があれば、お願いしたいと思います。
 渡久山先生。

【渡久山委員】

 これは非常に現場教師を悩ますものです。1つは、様式を例えばA4で統一してもらって、パソコンで入力できるような、合理的な形をとっていただいたらどうだろうか。どこの小・中、幼稚園も全部同じような形にすれば、非常にいいと思います。
 それから、もう一つは、パソコン化していく場合、今、非常に困っているのは、学校内で仕事ができませんので、どうしても自宅に持って帰る。多くの場合、持って帰るパソコンは個人のものです。ですから、学校から自分のパソコンに入れて、ウイニーの問題ではないけれども、それを持っていってなくしたり、あるいは漏えいすることがあります。
 これは煩わしいものの一つになっておりますから、現場で教員に1台ずつパソコンがわたるようにしていただいて、仕事は学校でやって、持ち帰らないというような条件をつくっておく。梶田先生が言われたように、もしも改革のあれがあるのでしたら、ぜひ検討していただきたいと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。こういうことで、当面はやっていただきますが、本格的な議論はこれからです。春になったらやっていただくことになると思います。

【田村副部会長】

 ありがとうございます。これは、自分のところのケースで申しわけないのですけれども、幼稚園、あるいは保育園を一緒にしたこども園を含めて、特別な支援を要する子どもの扱いは大きな問題です。すべての当該年齢の子どもは、幼児教育施設としての幼稚園、保育園、あるいはこども園に通わせようという国としての戦略があると思うので、特別支援というのは当然、就学前教育の対象になるわけです。そうすると、指導要録の書き方とか、そういうのはかなり細かく御指導していただく必要がますます出てくる。現場ではそれが一番大変なので、御指導のほどよろしくお願いしたいと思います。
 特別な支援を要する子供どもというのは、いろいろな関係機関と相談しないとできないわけです。幼児になればなるほど学校では扱いきれないので、お医者さんに相談したり、専門のところに相談に行ったりというようなことをやっているのが現状でございますので、それらを踏まえて、ぜひひとつ対応をお願いしたいと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 では、角田先生。

【角田委員】

 ありがとうございます。指導要録ですが、本格的には移行措置が終わってからという形になるのであろうと思うのですが、先ほど来言っているように、現場の感覚が、必ずしも新しい「生きる力」の考え方がきちんと浸透されているとは言えない。指導要録を見てきたときに、やはり変わったのは外国語活動だけではないかというふうになると、そこそこやっていけばいいんだみたいな形になってしまう可能性がないわけではないですね。
 特に、今回、国語で言語活動といったようなことが重視されているわけですし、あるいは全体を通して体験的な活動ということが言われているわけですので、やはりどこかにそういうふうな文言が、例えば国語の中にそういうものが入ったり、あるいは国語以外の教科でも、そういうことについてきちんと触れられるようにする必要があるのではないだろうかという感じが、僕がします。
 いずれにしたって、移行措置になれば、前の指導要録はそのままにして、新しい指導要録を全員に配るわけですね。移行の段階であっても。ですから、この辺のところ、早急な決断はできないだろうと思いますけれども、十分に検討されたことだとは思いますけれども、ぜひ現場に、評価が変わることによって指導も変わらざるを得なくなってくるという、評価と指導の一体化ということから考えて、もう少しあってもいいのかなという感じがしますので、ぜひ御検討いただければと思います。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 ほかによろしいでしょうか。それでは、この問題、最後に御指摘いただきましたように、様式そのものはそう変えようがない部分がありますけれども、これを出すときに、移行期なんだから、新しい指導要領の趣旨を踏まえて、子どもの育ちをきちんとチェックしてくださいという何かを添えていただくとかいうようなことがいいかなと思ったりもしております。
 よろしくお願いいたします。
 それでは、最後の報告になりますけれども、先日、発表されましたTIMSSの調査結果、国際数学・理科教育調査ですけれども、これにつきまして御報告いただきたいと思います。
 西田学校評価室長、お願いいたします。

【西田学校評価室長】

 失礼します。資料5を御覧ください。国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2007)の結果が出ましたので、その概要について御説明させていただきます。
 この調査の概要ですけれども、児童生徒の算数・数学、理科の到達度を国際的な尺度によって測定し、児童生徒の生活環境等との関係を明らかにするということを目的といたしまして、国際教育到達度評価学会というオランダのアムステルダムを本部にした学会が昭和39年から継続的に実施しております。1995年からは、4年に1度、実施しております。
 調査の対象は第4学年、第8学年とされておりまして、日本では小学校4年生、中学校2年生が対象になっております。
 この2007年の調査には、37カ国から約16万人の小学生と、50カ国から約22万人の中学生が参加しておりまして、日本では、無作為抽出をして選定をした小学校148校から約4,500名、中学校146校から約4,300名が調査に参加しております。
 今回の調査結果の概要でございますが、中ほどに教科別の結果ということで、小学校、中学校、それぞれ教科ごとに、前回の得点順位との比較をお示ししております。右側の緑色の欄が前回の結果でございます。今回、青色の欄に示しておりますとおり、平均得点は、すべて、前回以上となっております。また、調査参加国が増加したにもかかわらず、国際的に見て上位を維持しておりまして、前回、指摘されました学力の低下傾向に歯どめがかかったのではないかと考えております。
 それから、下に「わが国の児童生徒の特徴」とございますが、算数・数学、理科の調査とあわせまして、児童生徒に質問紙というような形で、勉強に対する意識等について調査しております。
 1枚おめくりいただきますと、(2)「算数・数学、理科に対する意識等」がございますが、算数・数学、理科の勉強が楽しいと思うかということについて、肯定的に解答した割合を記載してございますが、前回、平成15年(2003年)と比べまして、特に小学校で算数、理科について、「勉強は楽しいと思う」と答えた割合が高くなっております。特に理科については、国際平均を超えている状況でございます。中学校につきましては、残念ながら、前回とあまり変わっていない。国際平均と比べてもかなり低い状況が続いてございます。特に小学生について、意識の面での改善が見られるということでございます。
 それから、その下の「学校外での時間の過ごし方」についてもあわせて調査しております。これについては、前回から続きまして、宿題をする時間が短く、テレビ、ビデオを見る時間が長く、家の手伝いをする時間が短いというような傾向は依然として続いているというところで、こちらは課題であると考えております。
 それから、3ページ目から4枚につきましては、教科ごと、学校種ごとに、これまでの国別の順位を記載しております。後ほど御覧ください。
 それから、その次のページに、今回の結果を受けた今後の取り組みということで、平均得点はすべて前回以上で、低下傾向に歯どめがかかったとはいいましても、国際的には同様の傾向があるとはいえ、知識を問うということではなく、推論をするような知識を活用する力にかかわるような問題の正答率はやはり低い面が見られますし、先ほど申し上げましたとおり、学習意欲や学習習慣の面では、国際平均と比べて低い状況は変わっておりません。
 こういった課題があると思っておりますので、今年3月に改訂しました学習指導要領におきまして、理数教育の充実を図っていただいておりますので、これを着実に実施し、あわせて個に応じた指導や教育条件の整備についても、着実に実施していきたいと考えているところでございます。
 最後の資料はTIMSSについての概要をまとめたものでございます。
 それから、机上配付資料といたしまして、国際調査結果の報告の概要と、調査問題例もお配りしておりますので、後ほど御覧いただければと思います。
 以上です。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 40年以上、日本は参加しているんですね。もともと日本は断トツトップだったんです。残念なことに、90年代にがたがたと落ちてきまして、今回、ありがたいことに下げどまっています。これは、私は大事なことだと思っています。だけれども、これじゃ、もうちょっとなというのがありますので、先ほどありましたように、次からもう一歩行くようにということを考えて、文科省で取り組みを考えていただいております。
 一番大きな問題は、意欲のところです。それから、学習時間。これがなかなか改善しない。前はこんなに悪くなかった。でも、一度落ちると、なかなかということであります。ということですきで、次の2011年には、かなり大幅な改善が見込めるのではないかなと私は期待しておりますが、今のところはそういうことだということで。
 では、毛利先生。

【毛利委員】

 国際試験の結果をどう見るかというのは、必ずしもそう簡単ではないと思います。歯どめがかかったという見方もあるでしょうが、そう単純に見てはいけないのではないかな、と思います。
 そもそも、これは果たして客観的な見方をしているのか、という気がします。1ページ目、小学校理科と中学校数学、理科に、「3位の香港と有意差なし」、「4位の香港と有意差なし」、「2位の台湾と有意差なし」と書いてあるのですが、これは何を意図して、だれに対して書こうとしているのでしょうか。
 それをまずお答えいただいてから、次の質問に行きたいと思います。

【梶田部会長】

 今の点につきまして。

【西田学校評価室長】

 これにつきましては、結果といたしまして、統計的に見た場合、例えば小学校の理科については、得点の順位としては4位でございますけれども、統計的な誤差までを考慮すると、3位の香港と差はないという形で事実として出ておりますので、それを記載したものでございます。

【毛利委員】

 本当に事実でしょうか。今の説明では、科学的なものの見方をしていないのではないかと、私は非常に残念です。例えば小学校の理科を御覧ください。第5回。香港と日本の差は6点です。日本と次のロシアは2点です。そして、ラトビア、イングランドとの差は6点です。ですから、有意差と考える場合には、上ばかりではなくて下まできちんと統計的に考えないといけません。そもそも「3位の香港と有意差なし」と書く必要はないのではないでしょうか。上に少しでも行くようにという、意図的なものを感じます。気持ちはわかるのですけれども、それはしてはいけないことです。科学者は公平に、あるがままに点数を見ます。
 それ以上に、3位とか、4位とか一喜一憂しなくても、日本はいつも上位にとどまっているわけです。シンガポールと韓国、台湾、香港、そういうところと同じようなグループにいる。これは共通な教育に対する考え方が反映された試験の結果になっているわけです。
 これはそんなに問題ないのですが、あいさつをするとか、道徳のこととか、それは試験結果には全然反映されないことです。例えばあいさつするのが、試験の点数が低いところ、シリアやエジプトがすごくいいとします。じゃあ日本は果たしてどうあるべきなのか、というところからこれを見ていかないといけない。表面的なことに一喜一憂して、しかも「有意差なし」という発想の教育政策をしていると非常に問題だと思います。やるのであれば科学的にきちんとやってください。
 そういう偏見をなくして、日本人としてどうあってほしいのか、TIMSSの結果で上位にあること以上に大事なことがあるのではないですか、そこを上げるためにはどうするべきでしょうか、という議論でしたら、TIMSSというのはすごく役に立つと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 有意差の話について、今、何かデータはありますでしょうか。

【西田学校評価室長】

 有意差につきまして、先生御指摘のとおりでございまして、小学校の理科について申し上げますと、日本と有意差がないグループ、上を見ますと香港でございますが、日本から下を見ますとロシア、ラトビア、イングランド、この3国と有意差がないというようなことになっております。
 それから、中学の数学については、日本と有意差がないグループは1つ、上位の香港になっておりますし、中学の理科については、日本と有意差のないグループは、1つ上の台湾、それから1つ下の韓国、これで1つのグループになっております。

【梶田部会長】

 御存知だと思いますけれども、平均値が2点違う、3点違うという平均値の差を分散、散らばりの大きさで比べて、例えば危険率5%水準で差があると言っていいかどうかとか、あるいは1%レベルで言っていいかどうか、そういうことを統計的に検定するわけです。そういう意味でいうと、本当いうと、何%レベルというのも書いておかないといけないわけです。もう一つ、御指摘のとおり、上と違いがないということだけを言うのではおかしいので、上、下をやらないといけない。
 要は、これをどう見るかというのはありますけれども、確かに上のほうにあるわけです。そういう意味ではいいのですが、たらたらと数値的に落ちてきていたという実情がこれまでございます。多くの方が、理科とか、算数・数学について非常に心配していた。これがまあまあというところで、下げどまったというのはおかしいですけれども、上のほうのグループにあることは事実です。ですけれどもというところはあります。
 ただ、このことでもう一つ大事なことは、関心とか、時間、これはまだ非常に課題が多い。ここは見ていかないといけない。
 それから、もう一つ言いますと、ここには出ておりませんが、算数とか理科につきましても、問題の内容が、全国学力・学習状況調査と同じように、単純に知識を見るものと、それから思考力を見るものがあります。前から、日本の子どもは、思考力を見る部分に若干、課題があったわけです。ですから、これは総点ではなくて、そこのところはどうだろうかという心配を持つ向きもあるだろうと思います。
 これ一つでは全部は見られませんので、いつも問題のPISAという、これは高1レベルですけれども、2009年に調査がありますので、これで少し改善があるかとか、あるいは全国学力・学習状況調査で、今御指摘の基本的な生活習慣まで、改善しているかどうかをずっと見ております。この調査ではこういう課題が見えてきた、この調査ではこういう課題が見えてきた、こういうことを総合的に見ていきながら、では、これから学校でどういう手を重点的に打たないといけないかということを議論していただく。こういうことになるのではないかと思います。
 毛利先生。

【毛利委員】

 ただ一つうれしいことは、皆さんの御努力だと思いますけれども、「勉強は楽しいと思う」というのが増えている傾向にあるというのは、従来、ずっと話されてきたことが反映されているのではないかなと思います。それは、小学校、中学校ともにそうです。
 しかし、これは2ページ目ですけれども、希望の職に就くためによい成績を取りたい、というのを私たちは増やそうと思っているのかどうか。
増やそうと思っているのであれば、これに一生懸命になるようにすればいい。でも、楽しいと思うのは、みんなが思っていますね。ですから、これはもっともっと進めるような方向に行くといいなと思います。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。では、松川先生。

【松川委員】

 今、毛利委員からお話が出まして、私も同感です。今日御説明いただきました国際学力テストの結果は結果として、陰山委員から文章が出ております件に関連して発言します。教育課程の改善に当たって、ここ数年、学力低下論が言われたことによって、PISAだとか、TIMSSだとか、それから国内でも全国学力・学習状況調査というようなものが非常に関心を集めるようになってきました。それぞれの調査にはそれぞれの目的の違いと、サンプリングの違いとか、いろいろ趣旨の違いがあるのは当然のことですけれども、そういうメッセージが届かなくて、結果的には、最初に意図したこととは違って、順位だとか、平均点だとかという、もともと競争を意図していなかったにもかかわらず、そういうものだけがクローズアップされてきている事態を招いているということは事実だと思います。
 教育課程を改善して、新しい学習指導要領のもとで、小・中の先生方がそれこそ頑張ろうとしているときに、言い方は悪いですけれども、非常に厄介なものが、こういう調査をやることによって、単なる教育論にとどまらないようなものがかぶさってきている。調査と、それから教育課程の改善の関係をどういうふうに整理していくのか。最初の意図どおりの、目的に合った形で調査が進行しているかどうかについてきちんと吟味していただいて、私は、できるだけ現場に負担をかけないような形で、こういう調査はしていただきたいなと強く要望したいと思っております。

【梶田部会長】

 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 この学力調査につきましては、いろいろな議論がございますけれども、どうしても教育問題というのは、声の大きい、刺激的なことを言う人の話にどうしても引きずられてきているわけです。これは、御承知の90年前後からずっとそうでした。いろいろなキャンペーンがありまして、学力が下がっているとか、上がっている、上がっているというのはなかったな。いや、そんなことはない、いい育ちができているとか、そういうことがありますと、結局は刺激的なことを言ったほうが勝ちという話になります。御承知のように、テレビや新聞を見ていましても、抑制をしていただいてはいると思いますけれども、今もそういう面が見られます。そういう中で、現場の負担にならないようにしながら、しかし、ファクトは何なのか、事実はどうなのかということはある種押さえて、手の打ち方を考えないといけない。
 例えば、先ほどから御指摘がありますように、子どもたちが学校生活を楽しいと思っているかどうかというのはとても大事なことですね。これがないとどうにもなりません。過去において、みんなが学校は嫌だと思ったり、勉強したくないと思っていますというキャンペーンをやって回った人もおります。もしそうであれば大変な話ですもんね。そういうことが本当かどうかとか、あるいは、今日のこの話ではありませんが、全国学力・学習状況調査でも、思考力がどうついているか。あるいは、PISAの調査で問題になったのは読解力ですね。そういう高次の力がついていかないといけないのに、どうだろうかということが問題。
 というようなことがあって、現場にあまり負担があってはいけないけれども、ファクト、事実というものを踏まえてやらないと、話が華々しく、はっきり言うとワイドショー的な意味で取り上げられるばかりで、教育の改善には全然意味を持ってこないということがあったので、しんどいけれども、最低限の事実確認はして、その上で的確な手が打てるようにしようと。これがプラン・ドゥー・シー、あるいはプラン・ドゥー・チェック・アクションということではないかということで、この教育課程部会でも随分議論になったといいますか、そういうことになったことがございます。ではあるけれども、現場には負担がないように、より一層考えていかないといけないと思っております。
 この問題について、ほかにいかがでしょうか。TIMSSではないですけれども、特に全国学力・学習状況調査をめぐって、とても刺激的な御発言をしておられる一部の首長さんもおられますし、またそれにとても刺激的な方向から反対しておられる向きも若干ありまして、教育論から話が拡大してしまっている部分がありますが、私どもは地道に、地道に、具体で、子どもにどう力がつくか。私たちが考えないといけないのは、子どもたちにどう力がつくか、あるいは子どもたちが人間としてどう成長するか。これが勝負です。
 お話としてどんな美しい話が盛り上がろうと、涙が出るような話が盛り上がろうと、私は、そんなものは実際の教育論にはならないと思います。いつも、間欠的といいますか、時間を置いて、目に涙が浮かぶような話が出てきたり、あるいは学校全部がだめだ、教師は全部だめだという話が繰り返し、繰り返し出てくるわけですけれども、そういう刺激的な話ではなくて、地道に、着実に、一歩一歩、子どもたちにどう力をつけていくか、人間的にどう成長を図っていくか、これは私たちのこの部会の任務かなと。そういう方向に向かって、できることを一つでも見つけて、事務当局に何とかそれを現実のものとしてやっていただくことかなと思っておりますので、そういうことで、このTIMSSの結果も受けとめていきたいなと思っております。
 それでは、本日、予定しておりました報告をこれで終わりますが、もしこの機会に、皆さんのほうで、教育課程部会でこういうことを考えておいてほしいとか、あるいは何か御発言がありましたら、お願いしたいと思います。
 よろしいでしょうか。それでは、本日は本当に限られた時間の中でありましたけれども、多くの問題につきまして御報告いただき、議論していただきました。また、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等につきましては、繰り返しますけれども、皆さんが議論していただいたことがこういう形で実現に向かっているということで、改めて感謝申し上げたいと思います。
 ということで、本日は終わりたいと思いますが、事務局から今後のことにつきまして、お願いいたします。

【神山教育課程企画室長】

 長時間にわたり御議論、ありがとうございました。
 今後の日程につきましては、部会長と御相談の上、後日、御連絡申し上げたいと思います。
 以上でございます。

【梶田部会長】

 ありがとうございました。
 それでは、本日はこれで閉会したいと思います。
 長時間ありがとうございました。

--了--

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初等中等教育局 教育課程課

(初等中等教育局 教育課程課)

-- 登録:平成21年以前 --