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教育課程部会(第6回) 議事要旨

1.日時

平成15年7月28日(月曜日) 10時~13時

2.場所

霞が関東京會舘 「ゴールドスタールーム」

3.議題

  1. 初等中等教育の教育課程及び指導の充実・改善方策について

4.出席者

委員

 木村部会長、横山副部会長、阿刀田委員、安彦委員、石川委員、市川委員、今井委員、小栗委員、河邉委員、國分委員、田村委員、渡久山委員、中許委員、西嶋委員、西村委員、船津委員、前田委員、宮崎委員

文部科学省

 近藤初等中等教育局長、有本生涯学習政策局審議官、金森初等中等教育局審議官、大槻教育課程課長、今里教育課程企画室長
国立教育政策研究所
 月岡教育課程研究センター長、西尾研究開発部長

オブザーバー

 浅田委員、小久保委員

5.議事要旨

(1)事務局より総則等作業部会・教科別専門部会の検討の経緯、各種調査等及び意見募集の内容について、資料5から資料9に基づき説明が行われた。

(2)総則等作業部会の主査である安彦委員より、総則等作業部会の「審議のまとめ」について、資料4、5に基づく説明の後、自由討議が行われた。主な発言は以下のとおり。(○=委員、△=事務局)。

○ 審議のまとめはバランスがとれており、現場であいまいになっていた点や、誤解を招いていた点が明確になっている。
 ただ、記述のある「わかる授業」の推進については、教師が生徒の理解度を無視して一方的に教える伝統的な「わからない授業」とは異なる、新しいタイプの「わからない授業」がこの10年来出てきている。「新しい学力観」以降、教師はきちんとした説明を教え込みや詰め込みとして非難されたため、分かりやすい説明を手控え、単元のごく初めから「みんなで考えましょう」と子どもの自力解決や協同解決を求める授業がそれである。これは多くの子どもには、教師からの丁寧な説明を受ける時間が減ってしまうため、「わからない授業」になってしまう。
 よって、教師が生徒の理解度を無視して一方的に教える授業も困るし、逆に教師がきちんとした説明を手控えただ考える時間が多い授業も困るということの、両方を押さえる必要がある。
 なお、高等学校には、新学習指導要領の趣旨やねらいが十分伝わっていない教師も一部に見受けられるが、高等学校への調査及び新学習指導要領の趣旨やねらいの周知をどのように考えているか、お尋ねしたい。

○ 「わかる授業」については、ご指摘があったような留意点を付して表現をした方が良いと思う。

△ 高等学校の調査については、新学習指導要領の実施が今年度からであるため、今後実施を予定している。また、新学習指導要領の周知については、小・中学校と同様、段階を踏んでやらなければいけないと考えている。

○ 学校、保護者、PTA、地域の連帯・協同に関する提言は非常に重要なことである。具体的な協力のための仕組み、仕掛けが必要であり、学校経営の改善のためのマネジメントチームのようなものをスタートさせることが必要である。
 また、この協同を進めるためにも、一般の方向けに、新学習指導要領の考え方について、図で分かりやすく示していただきたい。

△ 審議のまとめでは、教育委員会による支援の例として、地域社会の関係者が一堂に会して教育について語る機会を設けるなどのネットワークづくりについて触れられている。また、学校評議員には、外部から様々な立場の人が入っており、その機能も学校によって様々である。

○ 学校評議員は目的がはっきりしないので、学校経営のマネジメントを目的とした学校評議員を中心とした外部との協同のチームづくりなど、モデル事業として実施してみてはどうか。

○ 学校評議員は地域によって活動内容が様々であり、よい取組を集めて情報提供を行うことは効果的である。また、新しい提案については、これまでも分かりやすい資料で一般の方の理解を得るようにしてきており、今回もそうした資料をお願いしたい。

○ 実態調査を踏まえて具体的な提案が示され、画一的だった学習指導要領について弾力的な考え方が入ってきている点は評価できる。また、学習内容の理解度の向上は非常に重要で「わかる授業」を大切にして欲しい。
 ただ、二学期制は2~3%しか実施されおらず、全国で二学期制の学校と三学期制の学校があると子どもの転校に伴う問題もあるということも指摘しておくべきである。
 高校入試や大学入試と学習指導要領との整合性については、今後の検討課題である。
 総合的な学習の時間については、学校現場での様々な創意工夫を、国や地方自治体がどう支援していくかが問われている。教員だけに負担がいかないように考えていく必要がある。
 習熟度別指導や個に応じた指導については、教員数の増といった条件整備が整わなければ難しく、審議のまとめに書かれていることを具体的に実施していくことをお願いしたい。

○ 三点ほどお尋ねしたい。一つ目は、教育課程部会として、この審議のまとめを基本的に了承するということで議論するのか、それとも一つのたたき台として根本的な問いかけをしていいのか、今後のスケジュールについてである。
 二つ目は、先ほどの主査の報告の中で、高校では6日制を選択させることはできないかという意見に対して、現在の5日制のもとで時間の工夫等ができるとの発言があったが、それはどのようなことか。
 三つ目は、補充的な学習、発展的な学習については、学習指導要領上の位置付けを明確化する必要があるという話があったが、学習指導要領と反対のことであれば別だが、より明確にするということであれば、学習指導要領を改訂して、現場に混乱が生じないようにする必要があると思うが、そこまでの議論はあったか。

△ 一点目については、この審議のまとめは総則等作業部会としての提案で、事務局としては教育課程部会でご審議いただき、大まかの同意が得られれば、パブリックコメントを行いたい。その後、初等中等教育分科会や総会でもご審議いただき、新年度からの学校での対応が可能となる当面の充実・改善策として、秋に答申をいただきたいと考えている。

○ 二点目については、現在の5日制の下でも、地域や学校の実態等に応じて、必要な時間を増やすことなど教育課程の編成の工夫ができるということである。
 三点目については、学習指導要領の記述の見直しを、審議のまとめの中で触れている。

○ マスコミなどでも、新学習指導要領が何をねらいとしてるか、学力をどう捉えるかということについて、共通の認識がないまま議論されている。この審議のまとめでも、その点について、はっきりと言っていない。国民一般に対して分かりやすく周知するためには、学力についての基本的な考え方と学習指導要領の「基準性」に係る記述については、メリハリのきいた表現にすべきである。

○ 最大の課題は、大学生まで含めて学ぶ者の学習意欲や何のために学ぶのかの問題意識がないことである。平成10年の学習指導要領の改訂も、大きな問題意識として学習意欲の低下があり、そのために総合的な学習の時間を創設したと認識している。家庭における学習時間の減少も、学習意欲の低下の表れである。学習意欲の低下の問題を正面から指摘しておくべきではないか。
 また、学習内容の理解度の低さについてどう考えているのか明示する必要があると思う。
 「基準性」や発展的な学習については、学習指導要領に書かれてはいるが分かりにくく、十分でないところがあったから、そこについて強調をするという言い方をしないと現場は混乱するのではないか。個人的にも前の学習指導要領の改訂をあわててやったとか間違っていたから直したとか思われたら非常に不満である。
 習熟度別指導については、大事な方法であるが、分けたクラスごとに成績がそれなりに安定してしまうという問題もあり、少人数にすればすべて解決すると考えるのは安易である。
 学校と社会、地域の協同については、例えば自己点検・自己評価から第三者評価へと発展していくという流れがあり、これに取り組む研究会の動きが広がると良いと思う。

○ 少年犯罪の世界では、地域の力をどう活用するかが喫緊の課題で、小学校の校区を単位とした先生、PTA、地域住民の力が合わさったものは、社会的な資源として何よりも重要である。審議のまとめも地域との連携を重視しており、その方向に議論を進めていただきたい。この関連で公立学校を良くすることが重要である。
 現実性のある、もう一歩踏み込んだ具体的な提言ということを考えると、「少年サポートチーム」はとても力になってきており、この種の取組は参考になる。ただ、具体的なものを全国一律で実施するのは難しい面もあるので、住民の理解や支援を得ている良い事例を提示するとよい。

○ 文化審議会の国語分科会では、学校図書館や司書教諭の問題について議論しているが、学校図書館は蔵書が乏しく、学校内における司書教諭の立場も本来の趣旨が実現されていない。司書教諭はカリキュラム全体を通して活動する立場にあり、総合的な学習の時間とも関係がある。
 また、東京近県の学校図書館では、公立図書館や地域のボランティアなどとの関係を深めている。学校図書館を充実し、司書教諭の立場を鮮明にすることは、今回の議論とも関係すると思うが、このことは触れないのか。

△ 各教科や総合的な学習の時間の指導に関連して、学校図書館のリソースセンターとしての役割や公立図書館との連携も、まとめの中で触れていくことは可能だと思う。

○ 校長・教員への意識調査の結果によると、習熟度別指導については、児童生徒一人一人に応じたきめ細やかな指導が可能であると考える一方で、児童生徒の間に優越感や劣等感などが見られるなどの否定的な考えも見られる。これについては、個に応じた指導の必要性と、子どもの学力を伸ばすための可能性があるということをはっきり示すべきである。
 また、今回の調査結果でも、教員の打ち合わせの時間が足りないということが挙げられているが、教員組織はあわただしく動いていることもあり、会議設定が上手ではなく、協同作業にも慣れていないので、よい取組を集めて情報提供を行うと改善につながっていく。

○ [生きる力]については、個人の成長という観点だけでなく、他者、集団とのかかわり、社会の一員としての、という観点からも言及していただきたい。
 また、学校現場の教育活動については、教育課程外の活動が多く、これが少なくなれば、教育課程を適切に実施するための必要な指導時間の確保等も行いやすくなる。

○ 総合的な学習の時間については、今回の調査結果を見ると、子どもたちはとても役に立っていると思っている。知識をため込むだけでなく、情報を発信していく力がついたり、学習意欲を高めることにも貢献していくという点からもその重要性を強調するとよい。

○ 学習指導要領に基づいて教科書が作成されているので、学習指導要領の基準性、特に[はどめ規定]等を見直した場合に、どのような教科書になるかという見通しを考える必要がある。

○ 総合的な学習の時間は、新学習指導要領のねらいとする学力観を達成するために、最も重要な時間である。座学から解放し、学校の外へ出て、様々な自然体験・奉仕活動の体験等により、ある種感動を積み重ねていくものと考えている。このような活動は教員一人だけではできるものではなく、地域の協力を得ることが重要である。平成14年7月に出された中央教育審議会の答申「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について」では、教員をサポートし、地域の協力を得るための学校サポート委員会の設置を提案しているので、答申の関係部分を引用し、書き込んでもらいたい。

○ 青少年団体に係わっていて、その団体では自然体験活動や奉仕活動を行っている。これまでは個人単位での参加を受け付けていたが、先ほどの中央教育審議会の答申以来、学校や教育委員会からも受け入れるようにしたが、学校からの呼びかけがない。学校外の様々な団体を積極的に活用するという具体的な工夫が欠けているように思う。

○ 現在の教育改革の中で今回の改善も、学校の内と外との責任のなすり合いをやめ、両者が一体化して、国民運動として進める必要があり、その意味で、国民全体で進めていく一つのサポートの仕組み、仕掛けをつくることが大事である。今こそみんなが力を合わせて一体となって進めていくことが、今回の最大のねらいと思っている。

○ 副教材の作成などに見られるように、個々の先生方の創意工夫、努力は大変なものである。よくできる先生がたくさんいるので、もう少し裁量の余地を与えてほしい。
 子どもにとっては、何のために学ぶかということが大事なことで、学ぶことに意味を見つけた子どもたちは意欲的に勉強に取り組む。総合的な学習の時間や体験学習に取り組む中で、何で勉強しなくてはいけないかという動機をつかむことができ、それが基礎・基本の勉強に繋がっていく。各教科と総合的な学習の時間は二者択一ではなく、車の両輪で、どちらも大事である。

○ 内閣府の「人間力戦略研究会報告書」でも、地域の多様な教育プログラムの充実と子どもの参加促進を提言し、子どもにインセンティブを与えるために、地方自治体やNPO、企業等が実施する学習プログラムを教育委員会が認定し、受講した子どもにポイントを付与し、進学や就職時にそのことを自己アピールとして使用することができる「授業外学習ポイント制度」を提案している。子どもたちが自発的に地域の様々な活動に参加できる場があり、参加することに何らかの意義があるという仕組みをつくることが大事である。教員も休日には、一市民として地域の様々な活動に参加し、教えるプロとして意見を言ったり、運営に携わったりすることもできる。

○ 多様な意見が出されたが、学校の内と外との一体化をどのように進めるかということが一つの大きなテーマになるのではないか。
 学習意欲の低下が最大の問題である。これは一種の文明病で、どの国も困っている。イギリスでは、学校をまずよくしようと学校監査を厳しくし、到達度評価を始めた。アメリカでは、ここ10年ぐらいで、達成度テストを多くの州、学校で行うようになった。子どもたちの意欲を引き出す方法がなかなか見つからず、逆に教えた内容の達成度を見ようという方向に動いているような気がする。

(3)事務局より教科別専門部会における「特定の課題に関する調査」の審議結果について、資料10‐1から資料10‐3に基づく説明の後、自由討議が行われた。主な発言は以下のとおり。(○=委員、△=事務局)。

○ 国語には、話す、聞く、書く、読むがあり、国語分科会では、読書を重視した提言がまとめられつつあるが、読書についての調査はしないのか。
 また、英語の指導は、最近はコミュニカティブな方法に変わってきているが、教員の意識がどう変化しているかということについての議論はなかったか。

△ 教育課程実施状況調査では、子どもに対して平日、学校外での読書時間を、教員に対して授業における学校図書館の活用状況を、それぞれ調査している。
 また、外国語の学習指導要領もコミュニカティブな方向に改訂したが、改訂の趣旨を踏まえて、教員の指導の実態がどのように変化しているかを見るべきであるという意見もあった。

○ 読書調査は本当は、国語の教科の中で行うのはあまり適当ではなく、読書については、国語に限定する考え方が問題ではないかと言われているが、現実的には仕方ないかと思う。
 学校図書館は達成基準に達しておらず、図書館活動の取組にも学校により差があるので、何かよい方法を考慮していただきたい。

○ 学校図書館についても、よい取組を集めて情報提供を行うとよい。

(4)事務局より今後の日程について説明があり、閉会となった。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

(初等中等教育局教育課程課教育課程企画室)

-- 登録:平成21年以前 --