資料2 中央教育審議会 初等中等教育分科会 教員養成部会 (第49回) 議事要旨

1.日時

 平成19年7月13日(金曜日)15時~17時

2.場所

 ホテルグランドパレス 3階「松の間」

3.出席者

 梶田部会長、安彦委員、石原委員、門川委員、川並委員、甲田委員、佐々木委員、高倉委員、高橋委員、田村委員、角田委員、渡久山委員、永井委員、野村委員、平出委員、北條委員、宮崎委員、八尾坂委員、山極委員、横須賀委員、鷲山委員

文部科学省関係者

 金森初等中等教育局長、合田総括審議官、藤嶋政策評価審議官、布村審議官、大木教職員課長、永山特別支援課長、宮内企画官 他

4.議事

(1)教育職員免許法改正の審議経過について

 事務局より資料3に基づき説明が行われた。

(2)教員免許更新制に関する今後の運用方針等について

 事務局より資料4に基づき説明があり、質疑応答が行われた。主な発言内容は以下のとおり。

【委員】
 複数免許状を有する者について、特に養護教諭の免許状を有する者が保健の免許状も有する場合の負担軽減について、関係団体より強い要望があったことを申し上げたい。

【委員】
 旧免許状を有する者の修了期限を生年月日等をもとに省令で定めるとあるが、免許状には交付された日というのがあり、生年月日はあまり関係ないように思うが、どのような根拠で法律で決まったのか。

【事務局】
 新免許状には有効期限を設けるが、旧免許状に有効期限を設けることについては、既得権の保護の観点から問題であるというのが答申を出す際に法制的に詰めた結論。ただし、新免許状とのバランスや社会的要請に鑑み、現職教員である者には更新講習の修了を義務付け、その義務が果たされなければ、免許状は失効するという整理をしている。

【委員】
 特別支援学校免許状は、障害に応じた対応というか、教育領域に応じた免許状という複雑な問題を抱えている。具体的に1種類の講習だけで対応すると、現職教員の資質向上という観点からの難しさがあるので、少なくとも現実の特別支援学校の教員として資質を高める中身も課さなければならないと考える。

【委員】
 講習内容のバリエーションについては、ある程度共通なものは当然定めておき、それにプラスして選択可能なものがあるという方法が、カリキュラム上必要になってくるのではないか。

【事務局】
 カリキュラムの組み方については、もう少し詰めが必要だが、講習内容については少々大くくりに整理する必要があると認識。ただ、「最新の教育事情」といった領域については、何を盛り込むべきかも含め、国の責任できちんと示し、それに基づいて共通的なカリキュラムが組まれていくことが必要と考える。

【委員】
 旧免許状の場合の免除規定はないのか。また、生年月日が60歳に近い者については、免除規定を適用するのかしないのか。もう一点は、免許管理者が受講の必要・不必要を認めるとあるが、大学で免許資格を得ていることを考えると、矛盾を感じるがいかがか。

【事務局】
 免除規定については、旧免許状も新免許状も同じ構造。また、免許管理者の役割については、例えば免許状の上進などのときには、勤務実績についての免許管理者の認めといった概念も既に法律上あるので、必ずしも免許管理者の裁量が全部排除されているというわけではない。

【委員】
 (資料4の3ページ)免除対象者として、国会答弁で3つの定義が挙げられているが、運用を間違えると非常に恣意的になってしまうので、もう少し詰める必要がある。

【事務局】
 この免除についてはいろいろと詰めていただく点が多いと認識。例えば、優秀教員については、どれくらいの母体数での優秀教員なのかといった点が問題になってくる。また、校長・教頭等については、役職で自動的に免除していいのかという点が問題となり、知識技能等が特に良好な者として、「特に」と書いている意味において、どのくらいの割合なのかといった点なども問題となってくるため、いろいろ詰めていただく必要がある。

【委員】
 ペーパーティーチャーについては、受講対象者ではないので失効することもないという理解でよいか。また、小学校の一般教諭をやっているが、特別支援学校の免許を持っているというようなケースは、その特別支援学校の免許状については、ペーパーティーチャーなのではないかといった問題も出てくる可能性があるので、そこの議論はきちんとしておく必要がある。

【事務局】
 ペーパーティーチャーの免許状は形式的には失効しない。また、複数の免許状を所持している場合、使っていない免許状は、ペーパーティーチャーと類似ではないかという点については、現職教員の服務への影響を考え、1つの免許状について講習を修了すればよいという扱いで検討しているところ。

【委員】
 新免許状・旧免許状ともに修了認定の基準を適用するということでよいか。また、これからの最新の知識技能の中で、教員の学力をきちんと担保していただくことが、学校の根幹にかかわる問題だと思うので、ぜひよろしくお願いしたい。
 もう一点は、現在、普通の初等教育の免許状だけの方も、特別支援に配置できる規定になっているので、免許更新制と絡んで現場の教員の専門性を担保する免許状の配置基準や、配置の根拠の法律がないと、英語の免許状を持ちながら特別支援に配置され続けている教員の英語の免許更新はどうなるのかという話しも出てくる。また、現場的には50代後半で意欲のない先生の問題があるので、むしろそういう点の手厚い支援体制をお願いしたい。

【事務局】
 新免許状・旧免許状については、基本的には全体として同じ扱い。また、免許で担保されている専門領域のねじれについては、現任校は特別支援学校だが英語が専門だという場合に、それをどういうふうに特定していくのかというのは、厳密にやればやるほどきつい議論になってくるという印象。
 もう一点の50代後半こそ資質向上等が必要という点についても、本部会での議論次第であると考える。今後、十分留意しながら検討していきたい。

【委員】
 教員免許更新制の機会をとらえて、大学と教育センター、教育現職研修と、あるいは、私学団体と、そして現場の教育実践が融合していって高まり合っていくような、そういう制度設計をぜひお願いしたい。また、免許がなくても校長・教頭になれる制度ができている時代に、校長・教頭の免許の更新というのは大胆に免除すべきだと思う。

【委員】
 修了認定の厳格な運用について、レポートをもって修了認定するということについては、十分慎重に考える必要がある。また、障害を持っている方への配慮について、何か障害を持っている方に焦点を当てて、特に講習を行うような場所をかなり特定的に考えていくようなことも、1つの方法として考えていいのではないかと思う。

【委員】
 講習費用については、ぜひ国の支援策をお願いしたい。また、自己負担に見合う講習内容をお考えいただきたい。そして、教員が30時間、およそ1週間、学校を不在することについて、学校に対する支援要員といった者を配置する考えはあるのか。

【事務局】
 講習内容については、質の維持・確保という点に留意し、様々な点から十分検討してまいりたい。また、講習は土日や長期休業期間中に開設することを基本としており、教員が平日に学校をあけてということは想定されていない。

【委員】
 認定要件として、個人の思想・信条の自由が担保できるようなことを十分配慮いただきたい。また、10年研との整理を十分していただきたい。なお、旧免許状所持者の費用負担については、全面的に国が出すべきという意見を申し上げておく。

【委員】
 複数の大学で受講した場合、A・B・C大学それぞれで単位を認定するわけだが、最終的に修了認定をする大学がどこでどうするのかという点についてお聞きしたい。

【事務局】
 修了認定はA・B・C大学それぞれが行うこととなる。また、修了の確認については、免許管理者が形式的に見るということを想定している。

【委員】
 講習内容について、一部開講をしやすくするためには、分野を少し分けて多くしたほうがいいだろう。また、メリットがないのではないかと二の足を踏んでいる大学もあるように聞くが、この講習を開設する大学がどのくらいあるのか。

【事務局】
 教職課程の常勤の教員を中心に、各人の専門が発揮できるような形で、多様なものを開設してもらい、それが全国的にみると何千講座も開設されているような中で、選択受講が十分に可能になるように持っていきたい。また、30時間パッケージで開講ということではなく、受講料も当然収入として入ってくるので、そうした中で各大学が無理のないところで構想していただくことが重要。

(3)今後の進め方について

 事務局より資料5に基づき説明があり、WG等の設置並びに専門委員の充実等について、部会長及び事務局に一任することが了承された。

5.閉会

お問合せ先

初等中等教育局教職員課

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