資料5‐2 主な論点についての検討経過報告

 本ペーパーは、第1回検討会議において討議資料作成のため主査から指定された委員各位の打合せ会における意見を中心に、検討会議での各委員の意見、新聞報道、都道府県教育委員会の意見等を主な論点ごとに便宜整理したものである。

1.受講対象・開設者

受講対象

 更新制の対象を現職教員(常勤・非常勤を問わず教員として任用されている普通免許状保有者)に重点化すべきとの意見が多い。
 ペーパーティーチャー(教員免許状を保有するものの、教職には就いていない者)の免許状を全て更新することとした場合、コストは膨大なものとなるため、彼らを更新制の対象とするならば、採用内定者など実際に教職に参入する見込みのある者に限定すべきとの意見が多い。
 また、複数免許状保有者や上進等による免許状取得者の負担軽減について配慮を求める意見や、臨時的任用教員や海外の日本人学校の教員の取扱いをどのように考えるべきかとの意見がある。

開設者

 講習の開設者については、原則は課程認定大学を含め広く大学一般とする。他方、受講機会を広く確保する観点から、文部科学省の個別審査を経るのであれば、大学からの委託や連携協力のもと、教育センターなどその他の機関も広く講習の一部開設を例外的に認めてよいとの意見があるほか、広く認めるとしてもせめて校長会はじめその他相当の研修実施実績のある全国的な職能団体までとすべきとの意見、職能団体を認めることすら慎重な意見などがある。
 また、開設者の認定に当たっては、講習の目的、内容、留意点等について国が定めた基準による認定を行い、全国的な水準を確保することが必要との意見が多い。

2.講習内容

趣旨・ねらい

 更新講習の在り方を考えるに当たっては、免許更新制は教員の資質能力に関する問題のすべてを解決するようなものではなく、学校評価や教員評価、指導力不足教員に対する研修といった総合的な教員政策の戦略の一つとして位置付けられるものであることを明確にする必要があるとの意見がある。その上で、講習内容については、今後の10年の資質能力を保証するとともに、自己にとって何が課題であるかを自覚させ、受講した者が教員としてのモチベーションを高めるようなものとすべき意見が多数だが、同時に、結果として潜在的な不適格教員が浮かび上がってくるような効果も求める意見がある。
 また、更新講習の実施に伴い、10年経験者研修については、現職教員の負担軽減の観点から廃止・見直しを行うべきとの意見や、更新講習の一部として代替してはどうかという意見もある。

課すべき内容

 課すべき具体的な内容についてはまだ十分な意見の一致を見ていないが、答申で示された以下の4事項を基本とすべきとの意見が大勢である。(3名の委員が作成したモデルカリキュラム例は別添)

  1. 使命感や責任感、教育的愛情等に関する事項
  2. 社会性や対人関係能力に関する事項
  3. 幼児児童生徒理解や学級経営等に関する事項
  4. 教科・保育内容等の指導力に関する事項

 最新の知見について、1~4の中に含めるか、5として独立させるかなど、検討の余地はあるものの、およそ教員として共通に求められる内容と、時代の変化に対応するために必要な資質能力の刷新を図る内容で構成することが必要との意見が大勢である。

免許種等による差異

 全免許種に共通する内容のほか、免許種により講習内容に差異を設けることについては、ほぼ異論がないが、最小限の差異を設けることは前提としつつも、評価・判定を伴うことを考慮すれば可能な限り簡素な体系とすべきとの意見がある。経験年数や職種に応じた差異を求める意見もある。

領域への分割

 示された30時間の講習時間は、テーマごとにいくつかの領域に分けて編成(1日6時間で5テーマなど)すべきとの意見が多い。この場合、講習の開設主体からすれば、30時間分全てを開設しなくても、領域ごとの開設が可能となり、多様な開設者の参入を促進する効果が期待できる。

授業の方法

 演習、実習、研究授業等実践的な方法を積極的に採用し現場での力量を確認できるものとすべきとの意見がある一方、限られた時間、教授すべき内容、一度に実施できる規模、手間等を総合的に勘案して、現実的にどのような方法を採ることが可能なのか明らかにすべきとの意見もある。

3.評定・判定

評定の基準

 訴訟等に十分耐えうるものであるなど客観的かつ公平な評定基準であって、さらに、簡素さが求められるという点で意見が一致しているが、その具体的な方法についてはまだ十分な意見の一致を見ていない。
少なくとも領域ごとの評定方法は相対評価より絶対評価が好ましいとする意見が多数だが、その場合も、到達目標や確認指標を明確に規定したうえで、到達段階別の評定も可能とすることが必要との意見もある。不合格となった領域については、異なる開設主体による講習なら再受講を認めるべきとの意見がある。また、評定方法だけでなく、実際に評定する者に対する訓練も必要との意見もある。
領域ごとの評定をペーパーテストによるものとするか、出席、レポート等で総合判断にするかなどについては、意見が分かれている。
なお、客観的かつ公平な評定基準の設定が困難な場合には、教員としての資質能力に問題がありそうな者には、講習は修了させるものの、その旨の附帯意見を付けて人事管理に反映させてはどうかとの意見もある。

総合判定基準

 領域ごとの評定を総合した最終的な合否判定については、各領域をすべて合格しないと更新できないとするのか、総合点で判定するのかなどの意見がある。また、校長、児童生徒、保護者等による評価を加味したものとすべきなどの意見があるが、他方で判定の際の客観性に欠けるとする意見もあり、判定の在り方については、今後更に議論が必要である。

4.服務との関係等

受講の便宜

 受講の便宜のため、長期休業中の集中実施、現場を離れる影響が分散される通年実施、夜間・週末、双方向的なインターネット活用など、現職教員の勤務実態、休職等の特別な事情等を考慮した多様な形態を求める意見が多い。

受講の服務上の扱い

 免許状は個人の資格であることから、研修命令には馴染まず、そうかといって職務と無関係でもなく、それらを総合的に考えれば職務専念義務免除というところか、といったことが話題に上った。

5.受講の免除

勤務実績等

 原則として免除は想定すべきではなく、安易な免除で必須の内容まで疎かになるおそれがあるため、慎重に考えるべきとの意見がやや多い。特に勤務実績を評価しての受講免除については、現実問題として実施が困難との意見が多い。
その一方、免除は原則するべきでないという理想論だけでは更新制は現実に機能しないため、研究指定校での勤務実績、研修講師の経験等を評価してもよいとの意見もある。さらには、免除の仕組みと教員評価制度とを連動させて考えることはできないかといった意見や、免除が適用されないということは、逆に言えば、潜在的な不適格教員のあぶり出しにつながるのではないかという意見もある。

過去の研修歴

 過去の研修歴による講習の一部免除についても、研修の内容、評定方法、教職歴、受講時期等が個々の事案により様々であることから、これもまた現実的でないとの意見が多い。その一方で、大学院での学修などの長期研修、表彰・受賞歴、教育実践に係る研究業績、自己研修歴等について、講習の一部とみなしてよいとする意見もある。特に熱意のある教員ほど休業中等に多忙で、講習を受講しにくいことを考慮すべきとの意見もある。

役職・教職歴

 このほか、校長、指導主事等役職による講習の全部免除が、少なくとも現職者に関しては認められてもよいとの意見がある。他方で、役職で免除可能とするのではなく、恒常的に授業を担当しているのであれば、免除すべきでないとの意見もある。

6.条件整備

条件整備

 必要となる事務を質的・量的に明らかにし、必要に応じ事務の合理化や国による条件整備を進める必要があるとの意見が多い。特に、全国的な免許管理システムをはじめ免許事務合理化のための条件整備や現職教員への対応に伴う免許事務の軽減を求める声が強い。
また、現職教員の受講費用や手数料の負担、講習開設のための経費等についても全国的な平準化を図るため、開設者側、受講者側を問わず、国による財政的支援等を求める意見や、広報や苦情処理の体制整備を求める意見がある。

別添 教員免許更新講習のカリキュラムイメージ(案)(岩田委員)

1.更新講習の趣旨・ねらい

  • 教育課題とその背景について「10年」を単位として構造的に省察することを通して、教員免許状を持つものが、「最近の10年」-現在-「今後の10年」についての確かな見通しを得る。
  • 上記のねらいに鑑み、講習内容は各領域別に、(1)「最近10年の事例」を素材にしたケース・スタディ、(2)それらの事例の背景に関しての構造的なレクチャー、(3)グループ・ディスカッション、によって構成する。

2.カリキュラムイメージ(含めることが必要な領域・事項)

  1. 使命感や責任感、教育的愛情等に関する事項……
  2. 社会性や対人関係能力に関する事項……学校種・免許種にかかわらず共通内容
  3. 幼児児童生徒理解や学級経営等に関する事項……
  4. 教科・保育内容等の指導力に関する事項……教科別・領域別の内容
  5. 学校種別の課題に関する事項……学校種・免許種別の内容
含めることが必要な領域・事項 左記の事項の趣旨・ねらい 講習内容 到達目標 目標到達の確認指標 授業方法
1.使命感や責任感、教育的愛情等に関する事項【教師】
  • 教員・学校の社会的な位置づけの推移を知り、教員の職責の理解を深める。
  • 学校(一条校)の社会的役割の推移
  • 学校教員の役割・職責に関する近年の動向(他との関連を含む)。
  • 当該領域についての近年の課題の特色とその背景を理解する。
  • 当該領域についての様々な事例を知り、それらについての全体的な見通しを持つ。
  • 当該領域についての今後の変化の見通しを持ち、それに関わる
  • 当該領域についての近年の課題の事例を説得的に提示できるか。
  • 上記事例(自らの実践事例)について、他との関連等において相対化する視点を持っているか。
  • 今後の教員生活に際し自己の実践を謙虚に省察し、向上させる姿勢を持っているか。
  • ワークショップ形式が基本
    • (1)各領域の問題構造に関する講義
    • (2)各領域で扱う課題に即した事例に関するプレゼンテーション(受講者※)。
    • (3)(1)(2)を踏まえての意見交換による課題の共有
  • ロールプレイ等、参加型の授業形式も適宜併用。
  • 約20人規模。
    ※講習実施者の側で事前に課題を提示。
2.社会性や対人関係能力に関する事項
【コミュニケーション】
  • 教員に求められる社会性やコミュニケーションのありようについて理解し、実践の基盤を育む。
  • 教員に求められる社会性の在り方。
  • 教員を取り巻く対人関係の変化とコミュニケーションの課題
3.幼児児童生徒理解や学級経営等に関する事項【子ども】
  • 幼児児童生徒の現状についての構造的な理解を得るとともに、人間関係づくりの課題を理解する。
  • 近年の幼児児童生徒および生育環境の変化
  • 幼児児童生徒の集団づくり・生活指導に関する課題
4.教科・保育内容等の指導力に関する事項
【指導・授業】
  • 当該教科等の指導についての同時代的な課題を理解する。
  • 教科・領域ごとの課題(専門的知見の現状、指導法上の課題等)。
  • 当該領域の近年の課題の変化と教育研究の到達点を理解する。
  • 今後の変化に向けての見通しと対処の構えを得る。
  • 当該領域等についての近年の課題を構造的に理解できているか。
  • 当該領域の課題について今後の変化に対処する構えができているか。
  • ワークショップ形式を基本とするが、上記3領域よりは講義の比重を高める。
  • 授業研究・実践事例研究を取り入れる。
  • 約20人規模。
5.学校種別の課題に関する事項
【学校】
  • 当該学校種の抱える近年の課題についての理解を深める。
  • 学校種ごとの課題(発達課題・制度的課題・隣接校種との関係等)

教員免許更新講習のカリキュラムイメージ(案)(狩野委員)

1.更新講習の趣旨・ねらい

 教員がこの講習における相互の学習交流によって優れた教員の実践に触れたり、最新の研究成果に学ぶことを通して、教職への意欲をより一層向上させ、主体的に研究と修養に取り組む態度を形成し、その後教員としての成長を遂げるとともに、実践において子どもの学力や健康、幸福を保障する真に信頼される教員となることを目的とする。

 講習の実施においては、教員として必要となる最新の知識や技能の習得はもとより、教員同士が謙虚に学習し合い、相互に切磋琢磨し、主体的に意欲を持って取り組み、その後の教職生活において自ら学び成長する教員としての態度や意欲が真に形成されるよう、単なる知識や技能の教え込みではなく、教員の主体性を生かした学習活動や能動的な取り組みを重視した講習方法の工夫が必要である。

2.カリキュラムイメージ(含めることが必要な事項例)

  1. 最新の情報等に関する事項
  2. 教員としての自覚、職務に対する使命感や責任感、教育的愛情等に関する事項
  3. 社会性や対人関係能力、学校経営等に関する事項
  4. 幼児児童生徒理解や学級経営等に関する事項
  5. 教育課程や授業に関する事項
更新講習に含めることが必要な事項(案) 左記の事項の趣旨・ねらい 講習内容 到達目標 目標到達の確認指標 授業方法
1.
  • 最新の教育や学問芸術等に関する研究成果を理解し、自己の実践を省察しながらこれからの教育の在り方について考察することにより、教職への意欲や態度をより一層向上させる
  • 今日的な課題に対応した学校や教育の在り方
  • 今日的な課題に対応した学校や教育の在り方について考えることができる
  • 今日的な課題に対応した学校や教育の在り方について深く考え、主体的に討論に参加することができるか
  • 個別課題研究、グループ討論
  • 子どもの心身の発達や学習に関する研究動向と、それを踏まえた指導の在り方
  • 子どもの心身の発達や学習に関する研究動向について理解し、それを踏まえた指導の在り方について考えることができる
  • 子どもの心身の発達や学習に関する研究動向について理解し、それを踏まえた指導の在り方について考察し、主体的に討論に参加することができるか
  • 講義とその確認のための小レポート作成、グループ討論
  • その他、学問や芸術等に関する最新の知見
  • その他、学問や芸術等に関する最新の知見について理解することができる
  • その他、学問や芸術等に関する最新の知見について理解し、小レポート等に表わすことができるか
  • 講義とその確認のための小レポート作成
2.
  • 社会の変化や子ども、保護者、地域の要請に謙虚に耳を傾けながら、教員としての実践を省察し、教職への意欲や態度をより一層向上させる
  • 社会状況の変化に対応する学校教育の在り方
  • 社会状況の変化に対応する学校教育の在り方を考察し、受講生同士で建設的な意見交換ができる
  • 事実に基づいて社会状況の変動に対応する学校教育の在り方を考察するとともに、他者の意見に耳を傾けて、自己の見解をまとめているか
  • 個別学習、小集団討論、講義で示された内容と課題に関する論述試験、口頭試問等
  • 教員に対する地域、保護者等のまなざし、社会的な評価を生かした教員の成長
  • 地域、保護者の教員観等社会的な評価を生かす視点について深く理解し、受講生同士で建設的な意見交換ができる
  • 教員に対する社会的要請等について深く理解し、他者の意見に耳を傾けて、自己の見解をまとめているか
  • 個別学習、小集団討論、講義で示された内容と課題に関する論述試験、口頭試問等
  • 幼児、児童、生徒に関する実際的なかかわり方や教育への見方、考え方に関する実践を踏まえた省察
  • 自己の実践に基づく子ども観、教育観について省察し、受講生同士で建設的な意見交換ができる
  • 自己の実践について省察し、他者の意見に耳を傾けて自己の見解をまとめているか
  • 子どもや教育に対する新しい視点を深く捉えているか
  • 個別学習、小集団討論、ロールプレーイング、講義で示された内容と課題に関するミニレポート等
3.
  • 保護者や地域との円滑な交流の在り方、学校としての組織的対応の在り方等について、自己の実践を省察しながら今後の在り方を考察し、教職への意欲や態度をより一層向上させる
  • 保護者との円滑な交流の在り方
  • 経験に基づいて、様々な保護者とのかかわり方について省察し、受講生同士でさまざまな経験を交流することができる
  • 自己の見解にとらわれずに様々な保護者の教育要求に対して応えるとともに、他者の意見に耳を傾け、協力して見解をまとめているか
  • グループ討論及びグループポスター発表、ロールプレーイング等
  • 子どもの生育環境、社会環境への確かな理解
  • 子どもの人間形成にかかわる地域社会に対して関心を持ち、受講生同士でさまざまな経験を交流することができる
  • 様々な地域で育つ子どもの実情に関して自己の課題として引きつけて理解し、受講生同士でさまざまな経験を交流することができるか
  • 事例研究、グループ討論
  • 地域に根ざした学校運営の在り方
  • 学校の独自性と地域の役割について深く理解することができる
  • 学校の独自性を生かしつつ地域社会と連携する在り方について理解しているか
  • 講義で示された内容と課題に関するミニレポート等
  • 子どもをめぐる諸問題への確かな理解と組織的対応
  • 子どもの問題を教員自身の課題として引きつけて考えるとともに、受講生同士でさまざまな経験を交流することができる
  • 子どもをめぐる諸問題を教育の課題として真摯に受けとめるとともに、受講生同士でさまざまな経験を交流することができるか
  • 事例研究、グループ討論
  • 自己評価サイクルを生かした学校経営に関する理解
  • 学校や関連諸機関との連携、組織的対応について深く理解することができる
  • 子どもの示す事実に基づいて反省的に実践する学校の在り方について深く理解することができる
  • 組織的な対応の意味や役割について確かに理解することができるか
  • 子どもの示す事実に基づき、実践を見直し、受講生同士でさまざまな経験を交流することができるか
  • 講義で示された内容と課題に関するミニレポート、事例研究、グループ討論等
  • 学校としての組織的対応の在り方
  • 教職員が一丸となって取り組むこと、学校としての組織的対応の在り方について深く理解することができる
  • 自己の実践を深く省察し、教職員の協働の意味について深く理解するとともに、受講生同士でさまざまな経験を交流することができるか
  • 事例研究、グループ討論
4.
  • 多様かつ複雑な子どもの実情に対応した生徒指導や進路指導、学級経営等の在り方を考察し、教職への意欲や態度をより一層向上させる
  • 子どもの変化や特性についての理解に基づいた学級経営の在り方
  • 子どもの変化や特性について深く理解することができる
  • 子どもの変化や特性について独善的にならずに理解するとともに、受講生同士でさまざまな経験を交流することができるか
  • 事例研究、ロールプレーイング、グループ討論
  • 多様な子どもに対応する学級経営の在り方
  • 子どもの実情に応じて、学級経営を展開することができる
  • 子どもの実情に対応し、場当たり的ではなく、意図的、計画的な学級経営の計画をたてることができるか
  • 個別研究、学級経営案の作成、発表
  • 生活習慣の変化に伴う子どもの変容と生徒指導の在り方
  • 子どもの変容の原因を探り、共感的な対応をすることができる
  • 実態に応じて毅然とした生徒指導を展開することができる
  • 子どもをめぐるより複雑化する生活の変化を理解するとともに、子どもとラポートをとることができるか
  • 子ども集団の長所を生かした指導、時宜を逃さない指導が行なえるか
  • 場面指導、ロールプレーイング
  • 社会の変化に対応した進路指導の在り方
  • 人間として生きていくことの原初的な意味を追究し、主体的に生き方を選択する指導を展開することができる
  • 子ども自身が真に自己の幸福を追求できるような進路指導を展開することができるか
  • カウンセリングの理論と技法
  • カウンセリングの理論と技法を身に付けることができる
  • カウンセリングの理論や技法を身に付けているか
  • 講義、実技と小レポート作成
5.
  • 社会の変化に対応した教育政策の動向を視野に入れながら、確かな学力を育む学習指導の在り方を考察し、実際的に検証し、教職への意欲や態度をより一層向上させる
  • 学習指導要領の改定に対応した教育課程の編成・実施
  • 学習指導に示された内容や目標について理解し、勤務する学校の教育課程の在り方について省察することができる
  • 地域・保護者の要求、子どもの実態、教育政策の動向等を踏まえ、学校における教育目標や全体計画を構想することができるか
  • 学校経営計画案(骨子)の作成
  • 学習意欲を喚起し、学習習慣を身に付けさせる指導の在り方
  • 集団で学ぶことの長所を生かした指導、思考や生活の訓練を生かした指導を行なうことができる
  • 子どもの意欲を喚起する指導ができるか、集団思考を組織することができるか
  • 指導案作成、模擬授業
  • 道徳的実践力を育む指導の在り方
  • 多様な価値観との関係において自己の生き方を主体的に選び取る指導を行なうことができる
  • 人間としての多様な生き方、考え方を踏まえ、個人及び集団としての在り方を深く考察する指導を行なうとともに、受講生同士でさまざまな経験を交流することができるか
  • 場面指導、指導案作成、グループ討論
  • 子どもとの対応、教材解釈、集団思考等、教育的な指導の在り方
  • 子どもの反応を生かした指導、子ども同士が相互に学び合う授業、集団思考を組織する授業が行なえる
  • 子どもの反応を生かした指導、子ども同士が相互に学び合う授業、集団思考を組織する授業が行なえるか
  • 勤務校(園)や開設者の協力校(園)における研究授業(もしくは受講者の授業実践記録作成)

別添 教員免許更新講習のカリキュラムイメージ(案)(千々布委員)

1.更新講習の趣旨・ねらい

  • その時々で求められる教員としての資質力量に刷新すること
  • 教師として一定水準の力量を保持していることの確認(教職実践演習で教授されている力量を身につけていること)

2.カリキュラムイメージ

含めることが必要な事項 左記の事項の趣旨・ねらい 講習内容 到達目標 目標到達の確認指標 授業方法
1.教科等の指導力
  • 学習指導の基本的知識と指導方法を確認
  • 社会の変化に対応した教育課題に対応した指導方法を獲得
  • 教科教育法
  • 学習指導要領の改訂に対応した教育課程の編成と指導法
  • 現代的な教育課題の指導法
  • その他最新の事項
  • 学習指導の基本的事項を身につけている
  • 現代的な教育課題を教育課程や授業に反映できる
同左
  • 講義
  • 先進的な授業の参観
  • 教科内容に関する研究発表、論文提出(学会や教育委員会等の審査)
2.幼児児童生徒理解と学級経営
  • 幼児児童生徒を理解するための知識と方法を確認
  • 幼児児童生徒理解や学級経営に関する最新知識の獲得
  • 生徒指導、教育相談の理論と方法
  • 学級経営
  • 脳科学、メンタルヘルスの最新情報
  • 特別支援教育
  • カウンセリング、ソーシャルスキル等
  • その他最新の事項
  • 子どもに対して公平かつ受容的な態度で接し、豊かな人間的交流を行うことができる
  • 子どもの発達や心身の状況に応じて、抱える課題を理解し、適切な指導を行うことができる
  • 規律ある学級経営を行うことができる
同左
  • 講義
  • 演習
  • 授業観察とレポート提出
  • カウンセリング等のスキルを身につける演習
  • 生徒指導に関する研究発表、論文提出(学会や教育委員会等の審査)
3.学校経営
  • 他の教師と協働すると同時に、保護者や地域と連携しながら職務を遂行する力量を獲得
  • 学校における組織的対応
  • 学校間連携
  • 地域社会との連携
  • 危機管理、安全管理
  • その他最新の事項
  • 他の教職員と協力して職務を遂行できる
  • 保護者や地域の関係者と良好な人間関係を築くことができる
同左
  • 講義
  • 自校の環境分析と経営戦略作成の演習
  • 学校経営に関する研究発表、論文提出(学会や教育委員会等の審査)
4.子どもを把握した授業の実施
  • 受講者が行う授業を観察し、教師としての使命感や責任感、子ども理解、社会性、授業力を確認
  • 研究授業
  • 模擬授業
  • 教育に対する使命感や情熱を持っている
  • 高い倫理観と規範意識を持っている
  • 授業を行う上での基本的な表現力を身につけている
  • 子どもの反応や学習の定着状況に応じた授業を行える
同左
  • 指導案作成
  • 研究授業
  • 模擬授業
  • 優秀教員としての表彰(いずれも大学や教育委員会関係者が査定)

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初等中等教育局教職員課

-- 登録:平成21年以前 --