資料5 教員免許更新制の導入に対する一般の方からの意見の概要
意見提出者の分類
|
総数 |
学生 |
教職員 |
公務員 |
団体職員 |
会社員 |
自営業 |
主婦 |
無職 |
団体 |
その他 |
不明 |
件数 |
722 |
2 |
482 |
119 |
16 |
3 |
2 |
4 |
3 |
41 |
2 |
48 |
率(パーセント) |
100.0 |
0.3 |
66.8 |
16.5 |
2.2 |
0.4 |
0.3 |
0.6 |
0.4 |
5.7 |
0.3 |
6.6 |
1.導入の基本的な考え方
(1)積極的な意見
時代の変化への対応等
- 更新制は、生涯学習社会における時代の変化への対応を考えた場合、必然性はある。 【大学教職員】
- 更新制は、多くの国民に学校教育への関与を呼びかけるものとして活用する未来志向の制度にする必要がある。 【大学教職員】
指導力不足教員への対応等
- 指導力不足教員は、教員としての自覚を持っていないと感じられるため、教員の立場を再認識するための更新制であって欲しい。 【大学生】
その他
- 更新制導入のメリット・デメリットや、運営コストをもう少しわかるように説明してもらえれば、国民の誤解もなくなる。 【自営業】
- 不適格教員への対応は、別制度できちんと対応していることを、もっと知らしめる方が良い。 【自営業】
- 養護教諭を含めた全ての普通免許状に同等に更新制を適用する方針は良い。 【教職員、団体】
(2)消極的な意見
過去の中教審答申との関係
- 過去の中教審答申で否定された更新制を導入する必要はない。更新制の代わりに10年経験者研修が導入されたのだから、その検証なしに更新制を導入する整合性がない。 【教職員、公務員、団体職員、会社員、自営業、団体、その他】
指導力不足教員に対する措置との関係
- 指導力不足教員に対する研修制度が整備されているので、更新制の導入は、屋上屋を重ねることになる。 【教職員、公務員、団体職員、主婦、団体、その他】
社会人活用や他の資格制度との関係
- 教員に更新制を導入することは、民間人校長や、特別免許状による社会人教員等と整合性が取れず、医師や弁護士等、他の制度との整合性が取れない。 【教職員、公務員、団体職員、団体、その他】
教員の多忙化や負担増
- 更新制によるこれ以上の研修は、教員の多忙化につながり、子どもと接する時間を減らすとともに、教職に対する意欲を失わせることにつながる。 【教職員、公務員、その他】
- 日本の教員は、教育実践を通じた研修や相互の学び合いによって資質向上を図っているので、教育行政はその支援に徹するべきで、新たな負担を課すべきではない。 【教職員、公務員、団体職員、団体、その他】
- 雑務や種々の対応に追われ、教科指導に落ち着いて取り組むことができず、教職員が教材研究や授業実践について話し合うこともなくなってきた中で、更新講習を行っても、資質向上にはつながらない。 【教職員】
教員不足につながる
- ペーパーティーチャーが大幅に減少するだろうが、山間へき地を抱える地域では、これらの者を頼りに臨採や非常勤講師を採用しているので、導入すべきではない。 【教職員、団体職員】
- 採用試験を受ける意思のない者は更新しないので、臨時講師に来てもらえる者は、採用試験を受ける30歳半ばの者ばかりとなり、教員不足に陥ると思われる。 【教職員】
その他
- 教育に対する様々な要求や問題を解決するのは、免許状の問題ではなく、教育条件や子どもを取り巻く環境にあるので、その問題の解決が優先である。 【教職員】
- 免許状は、ある一時期に知識技能試験に合格したという意味しかなく、実際の資質能力の向上は、業務を遂行する中での経験や研修でしか行えない。免許状は、過去の証明に過ぎず、現在及び未来の保証とはなり得ない。 【教職員】
- 教員は学校全体で子どもを育んでくれるのであり、それが親としても安心につながる。単に更新制を導入すれば良いという考え方は、親の願いに無縁である。 【無職】
2.具体的な制度設計
(1)積極的な意見
柔軟な制度設計
- 更新制は一律に適用するのではなく、専修免許状取得者については、専門教科を免除したり、現職教員については内容を簡素化する等、柔軟な制度にした方が良い。 【教職員】
免許状の有効期限は10年が適当
- 免許状の有効期限を10年に設定する必要性は認められる。更新制に伴い、課程認定大学の責任も大きくなるので、大学の質的向上を望みたい。 【大学教職員、団体】
更新講習の受講に加えて試験の実施
- 任命権者が実施する更新講習では、判断が甘くなるので、受講後、全国一律の試験を実施し、合格者のみが更新できるようにしてもらいたい。 【公務員】
- 小学校教員については、新たな教育技術の知識を付与する再教育の観点から、技術力検定制度的要素を持った更新制とすべきである。 【大学教職員】
複数免許状保有者の取扱い
- 複数免許状に係る更新講習を1回とすることは良いが、手続きの面でも配慮してもらいたい。 【教職員】
<現職教員等にも適用すべき>
- 更新制の目的は、不適格教員のふるい落としではなく、教員の能力のブラシュ・アップなので、現職教員へも適用した方が良い。 【大学教職員】
- 更新制により、ペーパーティーチャーに教員としての資質があるかどうかを確認する必要はある。 【公務員】
(2)消極的な意見
更新講習の量・質に対する懸念
- 単なる講習の受講だけで、日々の教育実践が良くなり、意欲が喚起されるとは思えない。 【教職員】
- 課程認定大学における更新講習について、一定水準以上の質が確保できるのか、疑問である。 【主婦】
- 2単位程度の講習では、時代の変化に対応する力量が付かないのではないか。 【教職員、大学教職員、その他】
- 受講すれば、全ての教員が更新できるようにすべきである。テストやレポートを課し、その評価で更新を決めるのであれば、教員に大きな負担がかかる。 【教職員】
- 現職者がペーパーティーチャーと同じ更新講習を受けることに反対である。 【教職員、公務員、その他】
複数免許状保有者の取扱い
- 複数免許状保有者は有利であると誘導したい提案と感じる。 【教職員】
現職教員等への適用は反対
- 現に教員免許状を有する者に適用することは、法制度上の整合性が取れない。 【教職員、公務員、団体職員、団体、その他】
- ペーパーティーチャーへの更新制の適用については、教職に就いた後にするべきである。 【大学教職員】
膨大な事務量や費用負担
- 数百万人にもなる免許状取得者の更新手続は、都道府県教育委員会等の事務量を膨大なものにし、費用負担も膨大になる。 【教職員、公務員、団体職員、主婦、団体、その他】
- 教員が更新に係る費用を負担するとなると、生活に大きく影響する。 【教職員】
(3)その他の意見
- 育児休業により更新講習を受講できずに免許状が失効する可能性もある。病気や家族の介護によって休職する場合もあるため、工夫が必要である。 【教職員、大学教職員】
- 例えば、免許と登録の二段構成とし、登録に有効期限を設けて、登録の更新時に知識更新を行うのはどうか。更新対象者が現職に限られるし、現職教員の既得権(免許は無期限)を侵害しない。 【その他】
- グレード(ポイント)制を導入したらどうか。良い取組みや成果を挙げた教員にはポイントを加算し、一定のポイントに達すれば、休暇を付与したり研修に参加できるといったものが良い。 【教職員】