資料1 初等中等教育分科会教員養成部会 (第18回) 議事要旨

1.日時

 平成14年12月18日(水曜日) 11時~13時

2.場所

 霞が関東京會舘 「シルバースタールーム」

3.出席者

 天笠委員、荒木委員、今井委員、宇佐美委員、大南委員、川並委員、斎藤委員、田村委員、千田委員、渡久山委員、平出委員、宮崎委員、山極委員、鳥居会長、高倉部会長

文部科学省

 金森審議官、竹下教職員課長

4.議事

(1)教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について(諮問)

 局長が部会長に諮問文を渡した後、事務局から資料について説明。
 (非公開)

(2)その他

 大南委員より、「特殊教育免許の総合化に関するワーキンググループの審議状況」、「今後の特別支援教育の在り方について」中間まとめのポイント等について報告した後質疑応答。主な発言は以下のとおり。
 (○=委員、△=文部科学省)

委員
 このワーキンググループについては、年内に報告ということだったが、中間まとめを受けて調整が必要になり、なお慎重に審議して報告をまとめたいということだろう。今後は急ぐこととなるのか。

文部科学省
 制度改正が必要なものは国会で審議していただく必要があり、早ければ平成16年の通常国会に法案を提出することを考えている。そのため、来年の夏までには報告をまとめていただきたい。

委員
 障害児教育については、特殊教育という名称について他に適当な名称は考えられないか。特殊教育や養護学校等の名称について今後検討していく予定はあるか。

委員
 「21世紀の特殊教育の在り方について」において、名称の検討をしたが、他に適当な名称の工夫がなかなか難しく、今後の検討課題となっている。現在、各都道府県でもいろいろ工夫をしており、例えば、養護学校であっても通称「学園」としているところもある。特別支援学校については、実際にそういう名称を付けるかどうか今後検討していく。

委員
 特殊教育の範疇に入るかどうか分からないが、ディスレクシャーについての問題もある。ディスレクシャーは、文字があまり読めないが、ある境界を超えると突然字が読めるようになり能力を発揮する。その壁を超えるまでは、字が読めない、書けない、喋れないという状態。日本ではそれを教える方法がないという問題がある。また、養護学校では、実際に生徒が45歳を超えてしまっているところがある。そうなればもう厚生労働省の管轄と言われるかもしれないが、先生はやはり担当しなければならない。先生への研修、カリキュラムを用意してあげる必要がある。

委員
 カリキュラムや研修については、この部会で審議する範囲だが、その他のことについても、中教審全体で検討していただくよう事務局に協力をお願いする。続いて、2月の答申のフォローアップについて事務局に説明願う。

 竹下課長より、「教育公務員特例法の一部を改正する法律等の公布について(通知)」「10年経験者研修に係る評価項目等の参考例について(送付)」「教育公務員特例法施行令の一部を改正する政令の公布等について(通知)」「学校の評価と情報提供」等について報告した後質疑応答。主な発言は以下のとおり。

委員
 私立学校では10年研をきちんとやろうと進めているところ。研修対象者に学校事務職員、学校栄養職員が含まれているが、今後、調べ学習等の舞台が図書館にうつることから、図書館の充実をしなければならないという現場の感覚があり、研修の対象に含めて欲しい。

委員
 1日中央教育審議会の中でも同様のご意見があった。事務局に対応願いたい。

委員
 教職員にとって研修は非常に大事であり、体制の強化が必要である。研修で教員が学校外に出ることで、学校に残った教職員に負担がかかるようなことが起こらないよう、人手不足となることがないよう、また、夏休みを利用するなど一定の配慮をしていただきたい。次に、事務職員には10年研や初任研が無いため、教員研修に見合うような研修のシステム化が必要ではないか。評価については、今、管理職はどういう評価をすればいいのか困っているという話を聞く。評価の対象になると、教員が萎縮してしまう。評価は学校経営、学校運営、あるいは子どもたちを中心とした教育活動のためということについて十分に配慮していただきたい。

委員
 大学や大学院の設置基準は冊子になっているが、小中学校の設置基準はどうやって配るのか。

文部科学省
 設置基準の通知を各教育委員会に送付している。規定自体は極めて簡単なもので、その趣旨を踏まえて各学校では既に取組が始まっている。設置基準で学校の先生に特に関係してくるのは、評価や情報公開の部分であると思うが、既に周知されていると考えている。

委員
 一応、教育六法があるが、不便である。大学設置審査要覧は学校教育法から始まっていて、必要な法令が併行して載っており分かりやすい。今すぐにという訳ではないが、作って欲しい。

文部科学省
 例えば基本的な法令等は初任者研修の際にテキストとして配布しており、その中に設置基準も含まれていることと思うが、今後担当課と相談したい。

委員
 評価については校長が大きく懸念している。評価に基づいて、本人の意思とは関係なく最終的に任命権者が研修を決定することになる。研修前後の評価については本人開示が想定されているが、開示に耐えられるような評価をすることは大変である。本人の納得できる客観性を持った評価基準に必要なデータを普段から収集しておかなければいけない。これについては、時間もかかるし、慎重にやらなければならない。これからご検討いただく際には慎重に考えてご提示していただきたい。訴訟も考えられる。

委員
 国立青年の家が独立行政法人になっているが、地方では、財政が苦しく、県や市の青年の家がどんどん閉鎖されていっている。そういう中で、国立の青年の家の役割がますます重要になっている。山梨や長野では、教育学部の学生をボランティアとして活用している。一方、社会福祉施設の現場の率直な実感として、教員免許取得希望の学生が介護等体験で来ることが邪魔になっている。社会福祉施設という条件を外して、国立青年の家に替えられないか。また、学校のバリアフリー化の実態はどうなっているのか。

文部科学省
 介護等体験については、その趣旨から、社会福祉施設または特殊教育諸学校での体験が法律で義務づけられている。それを変えるには、法改正しないと難しい。当初は大学や社会福祉施設等からいろいろ意見があったが、毎年大学や教育委員会と連絡協議会を開催する中で改善されてきていると聞く。青年の家での体験については、各種ボランティアや自然体験活動の必要性の中で、教職志望の学生に限らず幅広くいろんな学生が参加することを推奨していったり、民間での自然体験活動の指導者の登録制度等を支援するなどといった対応を考えたい。

文部科学省
 学校施設のバリアフリー化については、小中学校でもトイレの改修やスロープを付けるなど設置者の判断で進めているところ。国としても国庫負担の対象にしており、だんだんと改善される学校も増えてきている。

委員
 栄養の免許ができるという話を聞いている。一部反対もあり、まだ未定ということもあるだろうが、栄養士は短大卒が多いので、二種免許状についても考えていただきたい。

委員
 その件はスポーツ・青少年局学校健康教育課の調査研究協力者会議で検討しているが、その中では、管理栄養士を基礎とした一種免許状という強い意見が出ている。しかし、まだ検討中である。

委員
 現場の栄養士の処遇を考えると、二種免許状が必要ではないか。二種がないと一種にならないので、二種の制度も作っておいて欲しい。

委員
 先程、各学校への周知というお話があったが、文部科学省からの通知等は、各県の教育委員会から各市の教育委員会、各校長に必ず配られており、各校長が職員に周知するという方法をとっているが、すべての学校長に行き渡っていても、すべての教員についてはどうか。また、10年経験者研修は、子どものために良い授業をし、良い指導をする教員を育てるためにスタートしたものであり、子どもをおいて研修をすることはあり得ないものである。そのため、モデル案でも休業期間中などでの実施が示されており、これからの教員の生き方にも関わって評価させていただきたい。また、更に教員に指導力を付けさせるために、校長が頑張っていかなければならないと思う。

委員
 校長が教員の評価をするというが、内輪できちんと評価できるのか疑問。教育委員会が退職者をプールしておき、定期的に学校経営や授業などを全部査察して報告するなど、きちんとした外部評価システムを同時に作っていかないと、評価制度が形骸化していくのではないか。

(3)今後の日程について

 次回については日程調整後連絡する旨事務局より連絡。

5.閉会

以上

お問合せ先

初等中等教育局教職員課

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