中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会(第75回)における主な意見

○ 他校種の免許の保有状況について、国公立大学と私立大学では違いがあるのか。国公立の教員養成系の大学の場合は、小学校と中学校の教員免許の併有が進められているが、私立大学においては難しく、開放制の原則に照らすと問題があるのではないか。

○ 小中一貫教育は一定の成果があり、子供の発達に応じて制度を変えるべき段階にきていると考えるが、小学校と中学校の免許をあわせて取得することは学生に非常に負荷がかかり、また教職課程以外の勉強が大学でできなくなるおそれがある。小中一貫教育を進めるということと小学校と中学校の教員免許をあわせて取得させるという議論は区別して考えるべきではないか。

○ 免許法認定講習はやむを得ずとられている措置なので、教員免許の質、教員養成の質を担保するためにはなくしていく方向で考えるべきではないか。

○ 中学校の教員免許のみを所有している人が小学校でも特別活動や道徳を担当できるとした場合、大学の教員養成の段階でどういう専門性を担保すべきか、教職課程の在り方について議論していくべきではないか。

○ 現在、特別な教科としての道徳教育についての審議が進行しているが、教職課程に何か影響を及ぼすのか、機会があれば説明していただきたい。

○ 開放制の原則はこれまでと同様に堅持すべき。教員免許の在り方を考える際は、小中一貫教育への対応だけのためと狭く考えるのではなく、小中学校9年間の義務教育の目標が全国で達成されるための方法論について考えるべき。

○ 諸外国の教員免許の現状について資料を出していただきたい。

○ 中等教育学校において、中学校あるいは高等学校の教員免許状どちらか一方のみを所有しているだけでは教科指導しかできないというのは違和感がある。

○ 特別支援学級のことを考えた場合、中等教育学校の際の整理にあわせると、小中学校の免許状と特別支援の免許状を取得する必要があるが、そのようなことはとうてい無理ではないか。中等教育学校で特別支援学級を置いているところはないのか。

○ 小中一貫教育の成否は、カリキュラムの編成を担う管理職や中堅教員の資質能力にかかっており、教員免許法の抜本的な改正よりも管理職の研修等について考えるべきではないか。

○ 「教員の養成・採用・研修の改善に関するワーキンググループ」の論点整理の考え方がほとんど反映されていないのではないか。

○ 一部が義務教育である中等教育学校と全て義務教育である小中一貫教育学校(仮称)では、教員免許の考え方は別でもいいのではないか。今後の人口減少を考えた場合、小中一貫教育学校(仮称)が大勢を占めると考えられる。そうすると今は学年単位で授業が行われているが、将来的には他学年との授業や他校種で教えられる先生を養成する必要があり、それに対応した新しい教員免許を設けることは合理的ではないか。

○ 小中一貫の義務教育としての免許を作らなければならない。子供たちの発達は昔と比べて大きく変わってきており、現行の小中学校の教員免許や教職課程の在り方を小中学校の9年間を見通したものに見直す必要がある。

○ 小中一貫教育は人口規模が小さい市町村で先行しているということを踏まえて検討する必要がある。連携を一貫としていきやすくする制度設計がポイントであり、その中に教員免許の在り方が論点の一つとしてあるのではないか。小中学校をつなげるただ単につなげるという緊急避難的な対応だけではなく、小中一貫教育に対応できる教員免許の在り方をワーキンググループの論点整理を踏まえつつ議論すべきではないか。

○ 義務教育免許状を仮に作るとすると、例えば、小学校の先生を志望する学生は、中学の教科指導に関する素養を身に付け、発達についても十分わきまえなければならなくなるなど、非常に高次な教員免許状を要求することになる。今の大学生の質を考えると、相当十分な教育が必要となり大きな覚悟がないと義務教育免許状は構想できないのではないか。

○ 新しい教職課程においては、幼小中高全体を通じた発達段階の理解、教育課程の理解については共通のものにしてもらいたい。教員免許状は、それができた段階で研修の在り方も含めて考えていけばいいのではないか。

○ 学生が学校現場で学ぶ機会を充実することが必要。

○ 低学年の児童の成長には大きな個人差があり、それに対応できる教員を養成していくことが必要。

○ 小中一貫教育を推進していくための教員免許制度の発想の原点は、9年間を指導するということがあると思うが、学校教育は計画的なものなので、一定の専門性があってしかるべき。教員それぞれに専門を持たせて学校を運営していくと成果が上がるのではないか。

○ 小中一貫教育の実態調査において、教員免許に関わる課題は、所有免許の関係で兼務発令ができないということであるが、この中身をもう少し具体的に示してほしい。

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-- 登録:平成26年11月 --