資料6-2 「教員の養成・採用・研修の改善に関するワーキンググループ(第2回)」における主な意見

1.制度の基盤となる考え方について

○教員免許は教員としての必要最小限の力を公証するものであるが、一方で教員は高度専門職として位置づけられており、このことについてどのよう考えるか整理が必要ではないか。

○大学は、開放制という教職課程を開設できる権利の裏側に、資質を備えた教員を育てるべきという義務を負っている。その権利と義務の二つを満足する開放制を堅持するという前提で議論を進めるべき。

2.教員免許状の在り方について

○校種間の接続が弱いことが課題だが、中高一貫免許を導入するということは、校種で分かれている今の免許制度と異なり、俯瞰的な視点を身に付けさせるために免許制度を変えるのか。何をねらいとし、どういう資質を求めるかによって免許の在り方は変わってくるのではないか。

○学制改革など政策的な動きに合わせて免許の在り方を考える必要がある。

○幼小、小中、中高の接続の現状にあった形で優れた教員を養成することが目的であれば、複数校種の免許を基本とする考え方が理想ではあるが、現実には難しいのではないか。○教員免許を持つことは多様な学校制度に対応できるということを保証する必要がある。

○教員免許は学校現場・教育委員会で生きて働くものでなければならない。学校現場の切実なニーズは、学校間をまたがって教えられる免許を持った先生がほしいということ。

○小学校から高校まで一貫した教科教育免許でも、接続について学ぶことが必要。

○6・3制と子供の実態がずれはじめている。学校現場の実情を踏まえると小学校の高学年、特に理科、算数、体育は教科担任制で指導しなければならない現実がある。小学校高学年には教科の専門性を持つ中学校の先生が教えられるような仕組みが必要。例えば、全教科型の前期義務教育免許状と教科型の後期義務教育免許状という二つの種類の免許を作るのも一つの考えではないか。○全教科型の前期義務教育免許状と教科型の後期義務教育免許状と中高一貫免許の3種類があれば、どのような学制になっても対応できるのではないか。

3.教職課程の在り方について

○校種間の接続を重視したカリキュラムが必要。かつて中高一貫校の研修カリキュラムを作成した際、自分の免許と異なる学校種の生徒理解が大きな課題であった。発達段階の理解については、教職課程などに取り入れる必要がある。

○小中の接続や中1ギャップに対応するためには、発達段階の理解について養成段階できちんと学ぶ必要がある。

○小学校も中学校も理科の指導が課題。特に小学校の理科は専門性が多岐にわたるため、今の大学の教職課程だけでは教材研究を十分に行うだけの力を身に付けることができない。

○中学校の先生は専門性・知識にはたけているが、思考力・表現力・判断力を育てるための指導法の力が小学校の先生に比べると弱い。各教科の指導法に総合的な学習の指導法を中に入れるだけでも、授業力の向上が期待できるのではないか。

○普通学級にも多くの発達障害の子供がいるため、特別支援教育の中身を増やすべき。発達障害については教員になってからなかなか学ぶことができないため、教員養成の段階で単位数を増やす必要がある。

○特別支援教育に関しては別立ての枠組みにした方がよい。

○教科又は教職に関する科目は、そのねらいが達成されておらず、廃止してもよいのではないか。

○教育実践演習と教育実習を融合にすることについては賛成。そうすることで、大学に教育実習に対して責任を持たせることができる。

○キャリア教育は個別課題というより、大学の教育課程の中で位置づけるべき性格のもので力を入れていく必要がある。

○思考力・表現力・判断力の育成するための指導力は、教科指導だけでは駄目で、教科専門のところで厳しく学生を指導しないと力がつかない。

○特別支援教育、道徳、特別活動、ICT、総合的な学習などの個別課題こそ、教育委員会が責任を負うべき。このような課題について、大学と教育委員会が連携してどのように対応すべきか明確に打ち出すべきではないか。

○教師塾のように教育委員会と大学の連携を進めている地域があるが、そういった取組も大学における教員養成の一つと言ってもよいのではないか。

○大学と教育委員会との連携は大事だが、現実には、教育委員会は大学で学んだ内容をそのまま認定しているだけで、中身までは問うことはできない。

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